説明

壁面緑化工法とワイヤー張設装置

【課題】 ワイヤの張力をほぼ一定に揃えることができると共に作業が簡単な壁面緑化構造、ワイヤに張力を付与する作業が簡単で全体としての施工時間が短い壁面緑化工法及び壁面の層間移動に対応できるワイヤ張設構造及びこれを達成するためのワイヤ張設装置の提供。
【解決手段】 ワイヤ6a、6b、ワイヤの一端を取り付ける第1金物10、ワイヤの他端を取り付ける第2金物11及び一端側と他端側の支持部材8,9とからなり、第1金物10はワイヤの一端を係合させる張力クッションばね19とこれを受けるワッシャー21を備える。ワッシャー21は下面に位置決め用の突部22を設けると共にワイヤを導出する貫通孔を有し、一端側支持部材8に前記ワッシャーの突部を嵌合する為の貫通孔を形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工場やビルの壁あるいは塀などの主として建築物、構築物の壁面を植物で覆う壁面緑化の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
都市の温暖化現象の抑止や炭酸ガス濃度の上昇抑止など、都市の生活環境改善の一環として屋上緑化に加えて壁面緑化が提案されている。壁面緑化のために、従来からツタ植物を壁面へ直接に這わせたり、壁面に張り付けた網に植物を絡ませたりしている。また、壁面の緑化構造としては植生ブロックを積み重ねたり貼り付けたりする方法(特許文献1,2)が圧倒的に多い。
【0003】
【特許文献1】特開2003−319719号公報
【特許文献2】特開2004−27774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のツタ植物を直接壁面に這わせる方法は、ツタが思う方向に成長しなかったり、ツタが壁面に密着して成長するために壁を汚し、湿度のために壁を劣化させてしまうことがある。壁面に網を張設しこれにツル植物を絡ませる方法も行われているが、網を均一に固定する方法が難しく、風で煽られてばたついたり、破損しやすい。これに代わり、壁面に支持材を固定して支持材間にワイヤを張設してそのワイヤにツル植物を絡ませる方法が提案されている。ワイヤを用いる方法では、緑化対象の壁面に応じて張設方向や範囲を任意に調整しやすいこと、ワイヤに強い張力を与えることにより風によるばたつきを防止することができること、網よりも格段に耐久性が高く、植物が成長するまでの露出した張設状態の見栄えがよいこと、撤去が簡単、などの利点がある。
【0005】
しかし、ワイヤの場合、複数本のワイヤの張力をほぼ均一に取り付けるのに時間を要したり、一本ずつのワイヤの張力を過度に大きくすると壁に作用する全体としての力が大きくなって、ALC壁の場合など壁面材料の強度が不足するときは壁が破壊されたり、強固なRC壁などでは支持部材が変形したりすることがある。さらに、工場などのALCパネルによる壁面は、地震などの揺れで破壊されないように、鉄骨構造の躯体に各ALCパネルを並列的に、パネル相互間が面内方向である程度回動できるように、かつ、下層階と上層階との間である程度平行移動できるように取り付けられている。この場合の変位量はわずかであるが、複数のパネル間にまたがってワイヤが張設されていたり、上下の層間にまたがってワイヤが張設されていたりすると、ワイヤの張力が強いとき、壁面を破壊してしまう恐れがある。実際にはワイヤの伸びなどである程度変位量が吸収される可能性が高いが、従来のワイヤ方式では積極的にこの対策がとられていない。
【0006】
また、ワイヤはステンレスなどの不錆性の素材が耐久性の観点から好適であるが、このような素材の表面は平滑であるために、植物の定着に不向きな面があって台風のような予想以上の強風時に絡んでいた植物が壁面の下方へ脱落してしまう恐れがある。
この発明は、ワイヤを用いた壁面緑化に関して、ワイヤの張力をほぼ一定に整えることができ、全体としても設定以上の張力が壁に作用しない施工方法と構造、ワイヤに張力を付与する作業が簡単で全体としての施工時間が短い施工方法と構造、壁面の層間変形に対応できるワイヤ張設構造及びこれを達成するためのワイヤ張設装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔ワイヤ張設装置〕
ワイヤ、ワイヤの一端を取り付ける第1金物、ワイヤの他端を取り付ける第2金物及び壁面に取り付ける一端側と他端側の支持部材とで構成する。第1金物にワイヤの一端を係合させる張力クッションばねと張力クッションばねを受けるワッシャーを有し、ワッシャーは下面に位置決め用の突部を備えたものとする。ワイヤには他端側へワイヤを導出するための貫通孔を形成してある。一端側支持部材には前記ワッシャーの突部が嵌合する貫通孔を形成する。
【0008】
張力クッションばねにより、クッションが有効な範囲で張力を決定することにより、複数のワイヤ間での張力の大きな不揃いを防止することができる。第1の支持部材へワイヤの位置を定めるとき、ワッシャーの突部を支持部材の貫通孔へ嵌め込むことにより支持部材に対するワッシャーの位置を簡単にかつ明確に定めることができる。
【0009】
第1金物の張力クッションばね及びワイヤの一端が張力クッションばねに係合する部分を筒体に納め、筒体の他端側底部を前記のワッシャーで閉じて一体とすることがある。張力クッションばねやワイヤの一端部が筒体に隠されてワイヤ張設施工が終了したとき、張設状態の外観が良好になる。
支持部材に対するワイヤ一端の取り付けは、前記筒体を備える場合に、支持部材へ直接に取り付ける場合と筒体の一端側天井部に設けたフックのような引掛け部材で取り付けることがある。この場合、支持部材はフックの係合に便利なようにアイボルトに類似の形態とすることが好ましい。
【0010】
筒体に窓を設け、張力クッションばねの圧縮量を目視できるようにする(例えば、適正な圧縮量となったとき赤色マークが現れる)などして、ワイヤの張力が設定した値となったことを示す表示構造を設けることがある。
ワイヤの他端を取り付ける第2金物にも支持部材への引掛け部材を備えることがある。ワイヤ他端側の取り付けを簡単に行える。このような、引掛け部材によるワイヤ両端の取り付けは、脱落やいたずらの恐れがない個所では、ワイヤの取り付けが手軽なため便利である。
【0011】
第2金物はワイヤ引き締め機能を備えていることが好ましい。ワイヤを仮に張設し、ついで、引き締め機能を利用してワイヤの張力を調整することにより、ワイヤを設定した張力とし易い。
ワイヤ引き締め機構を一端側への戻りを阻止する一方向チャックとすることはさらに好ましい。ワイヤを仮に張設し、ついで、ワイヤを第2金物の側へ手繰り寄せるだけで、特に手繰るごとに手繰り寄せた量を順次固定していく作業をしなくてもワイヤの張力を保持できる。このため、張設作業に要する時間を短縮することができる。
【0012】
〔緑化構造〕
壁面の緑化対象領域に2個以上の一端側及び他端側支持部材を固定し、一端側支持部材と他端側支持部材との間にワイヤを張力クッションばねを介在させて取り付けた構造とする。支持部材への取り付けには前記の第1、第2の金物を利用するのが好適である。
張力クッションばねは、ワイヤ1本ごとの張力をほぼ一定に保持し、張力が過大、過小となるのを防止する。複数のパネル間あるいは複数の層間にまたがってワイヤが張設されているとき、壁面パネルの回動や層間移動が生じてもクッション性能によりその変位を吸収して壁面の破壊や支持部材の変形を防止する。また、変位が元に戻った時の復旧性にも優れる。
ワイヤとしてワイヤ本体の周面に耐候性の線材を長手方向へスパイラルに巻きつけ固定したものを用いることがある。植物が上方へ伸びあがる手がかりとなり、また、植物自体がワイヤヘ確実に絡むため、強風時にもワイヤから脱落し難くなる。耐候性の線材は樹脂コーティングしたワイヤや針金、あるいは樹脂の線材や紐状のものである。これらの相互固定は接着材の使用や一体化コーティングによる。
【0013】
〔緑化工法〕
前記の構造を構築するに際して、第1の金物としてワイヤの一端を係合させる張力クッションばねを備えたものを用い、第2の金物としてワイヤの戻りを阻止する一方向チャックを備えたものを用いる。そして、ワイヤの一端を第1金物に取り付けて一端側支持部材に支持させ、ついで、ワイヤの他端を他端側支持部材に支持させた第2の金物に差し込んで一方向チャックに係合させる。ついで、ワイヤを一端側から他端側に手繰り寄せ一方向チャックで固定する。手繰り寄せは設定した張力となるまで行う。具体的には、第1金物の表示装置を利用する。
【発明の効果】
【0014】
支持部材に対するワイヤの位置決めをしやすく、ワイヤに対する張力の付与固定も簡単なので、壁面緑化工事の施工時間が短縮される。
ワイヤの張力にクッション性があって、ワイヤを設定の張力で張設し易い。
パネルの回動、層間移動が予想される壁面に張設しても前記のクッション性により、回動や移動を吸収し、壁面を破壊したり、支持部材が変形してしまうことがない。
張設完了時の見栄えが良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
張力クッションばねにワイヤの一端を係合させてこれを第1金物の筒体内部に納め、筒体の他端側底部のワッシャー部からワイヤを導出させる。ワッシャー部は下面に突部を備えて、この部分を壁面に固定した一端側支持部材の貫通孔に係合させて位置決めする。ワイヤの他端を手繰り、これの他端を他端側支持部材に取り付けた一方向チャックに噛ませ仮に固定する。ついで、第1金物の張力クッションばねを圧縮するようにワイヤを手繰り寄せて、第1金物の表示装置が設定値となるまで張力を付与し、その状態を前記の一方向チャックに保持させる。
支持部材と第1金物、ワイヤおよび第2金物がワイヤ張設装置を構成する。
【実施例1】
【0016】
図1は、工場1の壁面2であり、鉄骨躯体3(図2)に、図1では破線で示すALCパネル(軽量気泡コンクリートパネル)4を水平方向に複数並列させたものを3層に取り付けてある。符号5は壁面緑化構造であり、ワイヤ6を張設している。ワイヤ6は並列された複数のパネル間にまたがって複数の横ワイヤ6aが張設され、又、複数の層間にまたがって縦ワイヤ6bが張設されている。符号7はツル性の緑化植物である。なお、ワイヤ6が長くなる場合は、中間で連結したものを使用することがある。
【0017】
図2はALCパネルとワイヤ張設状態の基本的な構造を模式的に示したものであり、図4にその具体例を示している。鉄骨躯体3にALCパネル4(以下、パネル4)が取り付けられている。各パネル4は、地震時の揺れに対応できるように周知の構造により各パネルの回動及び層間での移動が可能に取り付けられている(図3参照)。パネル4の外面には、一端側(上方)の支持部材8、他端側(下方)の支持部材9を利用して、一端側の第1金物10、他端側の第2金物11を用い、ワイヤ6bが取り付けられている。符号12は中間支持部材である。
【0018】
各支持部材8,9,12は、それぞれALCパネル4を貫通して固定される固定部材13とアングル部材14とからなり、アングル部材14は垂直部分をボルト15で固定部材13に取り付け、水平部分にはワイヤ6bを張設するときの所定間隔に貫通孔16が形成されている。この実施例において、固定部材13は壁面からの間隔を維持するためのスペーサーを兼ねると共に、アングル部材14を長手方向に連結する継ぎ手をも兼ねるものもある。固定部材13はその長さを調整できるようにしておくと便利である。
【0019】
第1金物10は図2,図5に示すように、一端側天井部17が閉じられた形態をした筒体18の内部に巻きばねの形態をした張力クッションばね19が納められ、これにワイヤ6b(ワッシャー部)の一端側が張力クッションばね19の上面側で係合されている。筒体18の他端側底部20はワッシャー21で閉じられている。ワッシャー21は筒体18と一体に固定されている。ワッシャー21は下面側に円形の突部22を備え、その中心部にワイヤ6bが貫通している。突部22の径はアングル部材の水平部に設けた貫通孔16とほぼ一致させてある。
【0020】
ワイヤ6bは、図5に示すように、ステンレスの鋼線を撚り合わせたワイヤ主体23にナイロンなど耐候性の高い樹脂をコーティングしたものに、細い金属製芯材(ワイヤ、針金)へ同様に耐候性があり柔軟な樹脂のコーティングを施した線材24を螺旋状に巻きつけ、これらを接着や熱融着あるいはさらなるコーティングで一体化してある。螺旋状に巻きつけるのは植物が巻きつき易く、また、脱落しにくいようにするためであって、線材24の太さや螺旋のピッチは正確には植物の種類によるし、ピッチも均一にする必要はない。
【0021】
第2金物11は図2,図5に示すように、筒体25の内部にチャック爪26とこれを常時上方へ押し上げているばね27を備えたチャック構造であり、筒体25の一端側天井部に解除部材28が上下移動可能に取り付けられると共に他端側下面からボルト部29が突出している。解除部材28とボルト部29にはそれぞれ貫通孔が形成され、ワイヤ6bの他端が第2金物11を貫通する。すなわち、第2金物11は一方向チャックであって、上方から差し込まれたワイヤ6bは下方へ移動させることはできても、解除部材28を下方へ押込まない限りそのままでは上方へ引き抜くことはできない。第2金物11はアングル部材14の水平部へボルト部29を貫通させ下方からナット30を螺合して固定する。
【0022】
以上の構成であり、パネル4に上下の支持部材8,9を固定し、ついで、ワイヤ6bの一端に取り付けた第1金物10を上方としてワイヤ6bの他端をアングル部材14の水平部に設けた貫通孔16から下方へ垂らし、上方の第1金物10の他端側底部20の円形突部22を貫通孔16に嵌め込む。これにより簡単にワイヤ6bの一端側の位置が定まる。上方の第1金物10はアングル部材14に対して特に固定する必要はない。ワイヤ6bの他端側を下方のアングル部材14に取り付けられている第2金物11(一方向チャック)に差込んで下方へ手繰り寄せると、ワイヤ6bは手繰り寄せた分だけ第2金物11に順次、保持されていく。手繰り寄せを続け、ワイヤ6bに弾力を感じるようになったら、張力クッションばね19が中程度に圧縮されたところで停止する。
【0023】
この作業を縦横複数本のワイヤ6a、6bについて繰り返す。但しそれぞれの作業は、第2の金物11にワイヤ6a,あるいは6bの他端側を差込み、ついで、ワイヤを手繰り寄せるだけのことであるから、簡単である。横ワイヤ6aについても作業は同様である。この作業の時、ワイヤ6aあるいは6bの張力を見定めるのに、図6のように、ワイヤ6bに張力を付加していないとき第1金物10の筒体18の内部に位置する部分35に塗布やテープで指示マーク36を付けておくと便利である。
すなわち、ワイヤ6bを手繰り寄せ、張力クッションばね19が中程度に圧縮されると筒体18の他端側底部から指示マーク36が現れるような表示構造37を構成してある。
【0024】
この結果、ワイヤ6a、6bの張力に過大,過小が生じず、壁面に設定以上の過大な力が作用したり、逆に張力が弱いためにワイヤが弛んで見苦しくなるということがない。また、壁面にパネルの回動や層間移動が生じても、各ワイヤ6a、6bの一端側に配置した張力クッションばね19によって吸収され、各パネルに壁面緑化構造が原因となるひずみを与えることがない。
なお、縦横のワイヤ6a、6bの交叉部を結合部材38(図4)で結合して、風によるブレや唸りを防止しても良い。
【実施例2】
【0025】
図7は第2の実施例を示し、第1の実施例とは、上下の支持部材31、32と第1金物33、第2金物34の構造が異なる。この実施例において支持部材8の固定部材13は,アイボルト形でスペーサーを兼ねている。また、上方の第1金物33は、ワイヤ6bの一端側と張力クッションばね19を納めた筒体18の一端側天井部17にフック39を備えて固定部材13に引掛けるようになっている。下方の第2金物34は一方向チャックを構造を備えた同様なものであるが、他端側底部20に挟み込み形のフック40を備えている。
このような構造であると、ワイヤ6bの一端部と他端部の取り付けが係合によるものであるから、すばやく作業することができる。
【実施例3】
【0026】
図8は第3の実施例を示し、第1の実施例とは上方の第1金物10の構造が異なる。この実施例3ではワイヤ6bの一端と張力クッションばね19を納めた筒体18が一端側天井部17をフランジ付きねじ蓋41としてあり、取り外せる構造となっている。また、この第1金物10は、アングル部材14の水平部に設けた貫通孔16へ筒体18そのものがはまり込み前記のねじ蓋41でアングル部材14と係合する。
【0027】
以上実施例について説明したが、第1金物10はワッシャー21と張力クッションばね19を備えればよいので、筒体18を備えずワッシャー21だけのこともある。
ALCパネル構造の壁に限らず、木壁やRC壁あるいは鉄骨へ直接に支持部材8,9を取り付ける構造とすることもある。従って、工場に限らずビルや塀、法面その他の壁面に本発明を施工することができる。RC壁の場合はRC用アンカーを壁に打ち込んで固定しこれに固定部材を取り付ける。鉄骨へ固定するときは前記のアングル材14などを直接に溶接により固定し、これに第1、第2の金物10,11を取り付ける。
ワイヤ6a、6bを縦横に張設する場合を説明したが、ワイヤ6a,6bの張設方式は縦横に限らず、斜めの直交形,その他であってもよい。
引寄せ機能を備えた第2金物11として一方向チャック機構のものを例示したが、引寄せ機能を備えた第2金物11としては、ターンバックル、スエージボルト・ナットのような機構であってもよい。一方向チャック機構を備えた第2金物は引寄せ機能を備えた第2金物11の一つである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】壁面緑化構造を施した壁面の概略斜視図
【図2】壁面緑化構造の基本構成を示す側面図と一部断面による部分拡大図
【図3】イ、ロは共にパネルの移動を示す概略の正面図
【図4】ワイヤの張設状態を示す斜視図
【図5】第1金物とワイヤ及び第2金物を示した斜視図(一部省略)
【図6】表示構造を示した斜視図
【図7】壁面緑化構造の基本構成を示す側面図と一部断面による部分拡大図(実施例2)
【図8】第1金物の一部断面による部分拡大図(実施例3)
【符号の説明】
【0029】
1 工場
2 壁面
3 鉄骨躯体
4 ALCパネル
5 壁面緑化構造
6 ワイヤ
6a 横ワイヤ
6b 縦ワイヤ
7 緑化植物
8 支持部材(上)
9 支持部材(下)
10 第1金物
11 第2金物
12 中間支持部材
13 固定部材
14 アングル部材
15 ボルト
16 貫通孔
17 一端側天井部
18 筒体
19 張力クッションばね
20 他端側底部
21 ワッシャー
22 突部
23 ワイヤ主体
24 線材
25 筒体
26 チャック爪
27 ばね
28 解除部材
29 ボルト部
30 ナット
31 支持部材(上,実施例2)
32 支持部材(下)
33 第1金物(実施例2)
34 第2金物
35 ワイヤの一部
36 指示マーク
37 表示構造
38 結合部材
39 フック(上)
40 フック(下)
41 フランジ付きねじ蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ、ワイヤの一端を取り付ける第1金物、ワイヤの他端を取り付ける第2金物及び壁面に取り付けた一端側と他端側の支持部材とからなり、第1金物はワイヤの一端を係合させる張力クッションばねと張力クッションばねを受けるワッシャーを備え、ワッシャーは下面に位置決め用の突部を設けると共にワイヤを導出する貫通孔を有し、一端側支持部材に前記ワッシャーの突部を嵌合する為の貫通孔を形成してあり、支持部材間に第1金物と第2金物を用いてワイヤを張設することを特徴としたワイヤ張設装置。
【請求項2】
第1金物の張力クッションばね及びワイヤの一端が張力クッションばねに係合する部分を筒体に納め、筒体の他端側底部を前記のワッシャーで閉じて一体としてあることを特徴とした請求項1に記載のワイヤ張設装置。
【請求項3】
ワイヤ、ワイヤの一端を取り付ける第1金物、ワイヤの他端を取り付ける第2金物及び壁面に取り付けた支持部材とからなり、第1金物はワイヤの一端を係合させる張力クッションばねを備え、張力クッションばね及びワイヤの一端が張力クッションばねに係合する部分を筒体に納め、筒体の他端側底部はワイヤを導出させて閉じてあり、筒体の一端側天井部に支持部材への引掛け部材を固定してあり、支持部材間に第1金物と第2金物を用いてワイヤを張設することを特徴としたワイヤ張設装置。
【請求項4】
筒体に張力クッションばねが設定した圧縮量の範囲となったことを示す表示構造を設けてあることを特徴とした請求項2又は3に記載のワイヤ張設装置。
【請求項5】
第2金物が支持部材への引掛け部材を備えていることを特徴とした請求項1〜4のいずれか一つに記載のワイヤ張設装置。
【請求項6】
第2金物は、ワイヤ引き締め機能を備えていることを特徴とした請求項1〜5の何れか一つに記載のワイヤ張設装置。
【請求項7】
ワイヤ引き締め機構が一端側への戻りを阻止する一方向チャックであることを特徴とした請求項6に記載のワイヤ張設装置。
【請求項8】
壁面の緑化対象領域に2個以上の一端側及び他端側支持部材を固定し、一端側支持部材と他端側支持部材との間にワイヤを張設してあり、ワイヤ両端の一方に張力クッションばねを介在させてあることを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項9】
ワイヤが、ワイヤ本体の周面に耐候性の線材を長手方向へスパイラルに巻きつけ固定したものであることを特徴とした請求項8に記載の壁面緑化構造。
【請求項10】
壁面の緑化対象領域に2個以上の一端側及び他端側支持部材を固定し、一端側支持部材と他端側支持部材との間に第1の金物及び第2の金物を用いてワイヤを張設する工法であって、第1の金物としてワイヤの一端を係合させる張力クッションばねを備えたものを用い、第2の金物としてワイヤの戻りを阻止する一方向チャックを備えたものを用い、ワイヤの一端を第1金物に取り付けて一端側支持部材に支持させ、ついで、ワイヤの他端を他端側支持部材に支持させた第2の金物に差し込んで一方向チャックに係合させた後、ワイヤを一端側から他端側に手繰り寄せ一方向チャックで固定し、設定した張力を維持させることを特徴とした壁面緑化工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−36(P2006−36A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178704(P2004−178704)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(598132886)株式会社アルティマ (11)
【Fターム(参考)】