説明

外側寸法測定機

【課題】高価な測定機を用いることなく、湾曲した被測定物の湾曲寸法や円柱や球などの被測定物の外径寸法などを高精度に測定することができる外側寸法測定機を提供する。
【解決手段】ベース1と、このベースに設けられ固定基準面11を有する測定テーブル10と、ベースにガイド機構20を介して固定基準面に対して接離方向へ移動可能に設けられた可動ブロック30と、この可動ブロックに配置され測定テーブルの固定基準面に対して対向する可動基準面42を有する可動測定子40と、この可動測定子の移動量を測定する測定手段80とを備えた外側寸法測定機。可動ブロックには、可動測定子の可動基準面を測定テーブルの固定基準面に対して平行に調整するための姿勢調整手段50が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外側寸法測定機に関する。例えば、湾曲した被測定物の湾曲高さ寸法や、円柱、円筒、球などの外径寸法などを測定するための外側寸法測定機に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、湾曲した被測定物の湾曲高さ寸法を測定する場合、三次元測定機などを用いて測定が行われる。つまり、三次元測定機のテーブル上に凸湾曲面を上にした状態で被測定物を載置し、この被測定物の湾曲面に沿って測定プローブを移動させながら、測定プローブの高さ方向のピーク値を拾い、このピーク値を被測定物の湾曲高さ寸法として測定している。
しかし、このような測定方法では、高価な三次元測定機が必要なうえ、被測定物の湾曲面に沿って測定プローブを移動させながら、測定プローブの高さ方向のピーク値を拾う操作を行わなければならないため、手間がかかる。
【0003】
ところで、円柱、円筒、球などの被測定物の外径寸法などを測定する外径測定装置として、特許文献1が知られている。
これは、ベースに固定される固定側ブロックゲージと、ベースに対して接離可能に設けられた可動体と、この可動体に固定された可動側ブロックゲージと、可動体における可動側ブロックゲージの固定面とは反対面に当接可能に設けられた測定子と、この測定子の変位量を表示する表示装置とを備え、固定側ブロックゲージと可動側ブロックゲージとの間に被測定物を挟持し、このときの可動体の変位量を測定子の変位量から測定することにより、被測定物の外径寸法を測定する構造である。
従って、特許文献1に開示された外径測定装置を用いれば、湾曲した被測定物の湾曲高さ寸法を簡便に測定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−28844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に開示された外径測定装置は、被測定物を挟持する2平面が平行になるように、固定側ブロックゲージと可動側ブロックゲージとを配置した構成であるため、組立時においては、部品の加工精度、組み立て精度に依存した平行度しか期待できないうえ、出荷後においては、経時変化や環境変化などにより、2平面の平行度が崩れた場合に対応できないという問題がある。従って、高精度な測定が期待できないという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、高価な測定機を用いることなく、湾曲した被測定物の湾曲寸法や円柱や球などの被測定物の外径寸法などを高精度に測定することができる外側寸法測定機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の外側寸法測定機は、ベースと、このベースに設けられ固定基準面を有する測定テーブルと、前記ベースにガイド機構を介して前記ベースの固定基準面に対して接離方向へ移動可能に設けられた可動ブロックと、この可動ブロックに配置されるとともに、前記測定テーブルの固定基準面に対して対向する可動基準面を有する可動測定子と、この可動測定子の移動量を測定する測定手段とを備えた外側寸法測定機において、前記可動ブロックには、前記可動測定子の可動基準面を前記測定テーブルの固定基準面に対して平行に調整するための姿勢調整手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、測定にあたって、被測定物を測定テーブルの固定基準面にセットしたのち、可動ブロックを測定テーブルの固定基準面に接近する方向へ移動させる。測定テーブルの可動基準面が被測定物に当接した時点で、つまり、固定基準面と可動基準面との間に被測定物を挟持した状態において、測定手段で測定された可動測定子の移動量を読み取れば、被測定物の外側寸法を測定することができる。例えば、湾曲した被測定物であれば湾曲寸法を、また、円柱や球などの被測定物であれば外径寸法を測定することができる。
【0009】
このとき、固定基準面と可動基準面とが平行でなければ、高精度な測定は期待できない。
本発明によれば、可動ブロックには、可動測定子の可動基準面を測定テーブルの固定基準面に対して平行に調整するための姿勢調整手段が設けられているから、組立時においては、部品の加工精度、組み立て精度に依存することなく、可動測定子の可動基準面を測定テーブルの固定基準面に対して平行に調整することができる。また、出荷後においては、経時変化や環境変化などにより、2平面(可動基準面と固定基準面)の平行度が崩れた場合でも、姿勢調整手段を調整することにより、可動測定子の可動基準面を測定テーブルの固定基準面に対して平行に調整することができるので、常に、高精度な測定が期待できる。
【0010】
本発明の外側寸法測定機において、前記姿勢調整手段は、前記測定手段が測定する前記可動ブロックの測定点を中心とし、この中心からの距離が略等しい位置に設けられ、その各位置において前記可動測定子を前記測定テーブルに対して接近離隔する方向へ変位させる少なくとも3以上の調整機構を有する、ことが好ましい。
この構成によれば、姿勢調整手段の各調整機構が、測定手段による可動測定子の測定点から略等しい位置に設けられているから、各調整機構において、可動測定子を測定テーブルに対して接近離隔する方向へ変位させて調整しても、その調整による測定点に対する影響を少なくすることができる。従って、調整が簡易に行える。
【0011】
本発明の外側寸法測定機において、前記可動測定子は、前記可動基準面を有する矩形板状の可動測定子本体と、この可動測定子本体の外周に突出して設けられ前記可動基準面に対して段差を有する複数の姿勢調整プレートとを備え、前記各調整機構は、前記可動ブロックに前記可動ブロックの移動方向へ位置調整可能に螺合され、前記各姿勢調整プレートの移動方向両面に当接する一対の調整ねじを含んで構成されている、ことが好ましい。
この構成によれば、可動測定子は、可動基準面を有する可動測定子本体と、この可動測定子本体の外周に突出して設けられ可動基準面に対して段差を有する姿勢調整プレートとを備える構成であるから、段差部分に各調整機構の調整ねじを配置することができる。従って、調整ねじと測定テーブルとの干渉を回避できるほか、調整ねじを調整するための作業領域の確保および軽量化が図れる。
【0012】
本発明の外側寸法測定機において、前記ガイド機構は、前記可動ブロックを挟んで可動ブロックをガイドする一対のガイドレールを有し、この一対のガイドレールを結ぶ直線上でかつ各ガイドレールからの距離が略等しい位置に前記測定手段が測定する前記可動ブロックの測定点が位置している、ことが好ましい。
この構成によれば、ガイド機構は、可動ブロックを挟んで可動ブロックをガイドする一対のガイドレールを有する構造であるから、可動ブロックを調整後の姿勢を維持したまま移動させることができる。しかも、ガイドレールと可動ブロックとの間のクリアランスなどによって可動ブロックの姿勢が僅かに傾いたとしても、一対のガイドレールを結ぶ直線上でかつ各ガイドレールからの距離が略等しい位置に測定手段による測定点が位置しているから、測定点の位置変化を少なく抑えることができ、この点からも高精度な測定が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る外側寸法測定機を示す正面図。
【図2】同上実施形態の外側寸法測定機の一部を切り欠いた側面図。
【図3】同上実施形態の外側寸法測定機の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<外側寸法測定機の構成>
本実施形態に係る外側寸法測定機は、図1〜図3に示すように、ベース1と、このベースに設けられ固定基準面11を有する測定テーブル10と、ベース1に垂直に立設されたガイド機構20と、このガイド機構20を介して測定テーブル10の固定基準面11に対して接離方向(上下方向)へ移動可能に設けられた可動ブロック30と、この可動ブロック30に配置されるとともに、測定テーブル10の固定基準面11に対して対向する可動基準面42を有する可動測定子40と、この可動測定子40の可動基準面42を測定テーブル10の固定基準面11に対して平行に調整するための姿勢調整手段50と、可動ブロック30の複数位置において可動ブロック30に対する可動測定子40の高さ方向位置を表示する姿勢表示手段60と、可動ブロック30およびこれに搭載される構成要素の重量に見合う力を可動ブロック30に対して逆方向(上方向)へ付勢するバランス機構70と、可動測定子40の移動量を測定する測定手段80とを備える。
【0015】
ベース1は、下面に3つの高さ調整可能な脚2を有する矩形板によって構成されている。
測定テーブル10は、略直方体形状に形成され、上面に水平で、幅および奥行き寸法が広い平滑面状の固定基準面11を有する。固定基準面11には、被測定物Wが載置される。
【0016】
ガイド機構20は、ベース1の上面後部に立設されたコラム21を有する。コラム21は、ベース1の上面後部位置に立設されたコラム本体22と、このコラム本体22の両側から前方へ向かって直角に設けられたガイドレール支持部材23とを含んで構成されている。ガイドレール支持部材23の先端には、可動ブロック30の両側に設けられた摺動ブロック36を上下方向へ移動可能にガイドするガイドレール24が上下方向に沿って平行に設けられている。
【0017】
可動ブロック30は、四角形状の天板31と、この天板31の周囲に設けられた前壁32、両側壁33,34および後壁35と、両側壁33,34に固定されガイド機構20のガイドレール24に沿って摺動する摺動ブロック36とを備える。前壁32の表面側には、U字形状のハンドル37が取り付けられている。
【0018】
可動測定子40は、可動ブロック30内に収納できる大きさの矩形板状の可動測定子本体41と、この可動測定子本体41の外周に突出して設けられた複数の姿勢調整プレート43とを備える。
可動測定子本体41の下面には、測定テーブル10の固定基準面11と対向して平面状で幅および奥行き寸法が固定基準面11と略同じ寸法の可動基準面42を有する。姿勢調整プレート43は、可動測定子本体41の前面および両側面において、可動基準面42よりも上部位置から平板状に突出され、厚みが可動測定子本体41よりも薄く形成されている。従って、可動基準面42と姿勢調整プレート43との間には段差44が形成されている。
なお、姿勢調整プレート43は、可動測定子本体41と一体成形してもよく、あるいは、可動測定子本体41とは別体とし、ねじ等で可動測定子本体41に取り付けるようにしてもよい。
【0019】
姿勢調整手段50は、測定手段80が測定する可動測定子40の測定点MPを中心とし、この中心からの距離が略等しい位置に設けられた3つの調整機構51と、この3つの調整機構の近傍において可動ブロック30と測定テーブル10との間に設けられた3つの付勢機構55とを有する。
各調整機構51は、可動ブロック30の天板31に可動ブロック30の移動方向へ位置調整可能に螺合され先端が姿勢調整プレート43の上面に当接する第1調整ねじ52と、可動ブロック30の側壁33,34にブラケット53を介して第1調整ねじ52と姿勢調整プレート43を挟んで対向する位置でかつ可動ブロック30の移動方向へ位置調整可能に螺合された第2調整ねじ54とから構成されている。つまり、可動測定子40は、第1調整ねじ52と第2調整ねじ54とで挟持された状態において、これら第1調整ねじ52と第2調整ねじ54との調整により姿勢が調整される。
各付勢機構55は、ブラケット53の両側に水平に突設された一対の係止ピン56と、姿勢調整プレート43の両側に水平に突設された一対の係止ピン57と、これら上下に対向する係止ピン56,57に掛け渡されたスプリング58とから構成されている。これにより、姿勢調整プレート43は、第2調整ねじ54に接するように常に下方へ付勢されている。
【0020】
姿勢表示手段60は、可動ブロック30の天板31上の四隅に配置された4つのダイヤルゲージ61によって構成されている。ダイヤルゲージ61は、基本的には、表示部62を有する本体63と、この本体63に移動可能に設けられ先端に測定子を有するスピンドル64とを備え、このスピンドル64の変位量が表示部62に表示される構成である。
本体63は可動ブロック30の天板31上に固定され、スピンドル64の先端測定子は可動ブロック30の天板31を貫通して可動測定子40の上面に当接されている。これにより、可動ブロック30に対する可動測定子40の四隅の高さ位置、つまり、可動測定子40の姿勢がダイヤルゲージ61によって確認できるようになっている。なお、4つのダイヤルゲージ61の表示部62は、全て同じ向き、ここでは、正面に向くように設置されているが、適宜変更してもよい。
【0021】
バランス機構70は、コラム21の上端両側に設けられた前後一対の滑車71,72と、この滑車71,72に掛け回され一端が可動ブロック30に連結されたワイヤ73と、このワイヤ73の他端に連結されたバランスウエイト74と、コラム21の背面両側に設けられバランスウエイト74を上下方向へガイドするガイドレール75とから構成されている。バランスウエイト74は、可動ブロック30およびこれに搭載される構成要素(可動測定子40、姿勢調整手段50、姿勢表示手段60)の重量に見合う重量に調整されている。
【0022】
測定手段80は、コラム21のコラム本体22に取付ブラケット84を介して可動ブロック30の移動方向(上下方向)に沿って固定されたリニアゲージ81から構成されている。リニアゲージ81も、基本的には、本体82と、この本体82に移動可能に設けられ先端に測定子を有するスピンドル83とを備え、このスピンドル83の変位量がケーブルを介して図示省略の表示部に表示される。本体82はコラム21のコラム本体22に取付ブラケット84を介して固定され、スピンドル83は可動ブロック30の天板31を貫通して可動測定子40の上面に当接されている。これにより、可動測定子40の中央の測定点MPの高さ位置がリニアゲージ81によって確認できるようになっている。
ここで、図3に示すように、ガイド機構20を構成する一対のガイドレール24を結ぶ直線上でかつ各ガイドレール24からの距離が略等しい位置に測定点MP、つまり、リニアゲージ81による可動測定子40の測定点が位置するように構成されている。
【0023】
<組立時における平行度調整>
図1〜図3のように構成したのち、可動測定子40の可動基準面42を測定テーブル10の固定基準面11に対して平行に調整する。
これには、各調整機構51の第1調整ねじ52を緩め、可動測定子40をフローティング状態にしたのち、可動ブロック30をガイド機構20に沿って下降させて可動測定子40の可動基準面42を測定テーブル10の固定基準面11に接触させる。
ここで、全てのダイヤルゲージ61の表示値を「0」に調整したのち、各調整機構51の第1調整ねじ52および第2調整ねじ54を調整して、これら第1調整ねじ52および第2調整ねじ54の先端を姿勢調整プレート43の上下面に当接させる。つまり、第1調整ねじ52および第2調整ねじ54で姿勢調整プレート43を挟んで、可動測定子40の姿勢を決める。
【0024】
このとき、全てのダイヤルゲージ61の表示値を見ながら、これらが「0」に維持されるように、第1調整ねじ52および第2調整ねじ54を調整する。従って、これら第1調整ねじ52および第2調整ねじ54の調整をダイヤルゲージ61を目視で確認しながら行えるから、調整を正確かつ迅速に行うことができる。
このようにして、可動測定子40の可動基準面42を測定テーブル10の固定基準面11に対して平行に調整することができる。
【0025】
この平行度調整において、各調整機構51が、リニアゲージ81による可動測定子40の測定点から略等しい位置に設けられているから、各調整機構51の第1調整ねじ52および第2調整ねじ54の調整操作において、可動測定子40を測定テーブル10に対して接近離隔する方向へ変位させて調整しても、その調整動作がリニアゲージ81による測定点MPに対して影響を与えることが少ない。従って、調整を簡易に行える利点がある。
【0026】
また、可動測定子40は、可動基準面42を有する可動測定子本体41と、この可動測定子本体41の外周に突出して設けられ可動基準面42に対して段差44を有する姿勢調整プレート43とを備える構成であるから、段差44部分に各調整機構51の第2調整ねじ54を配置することができる。従って、第2調整ねじ54と測定テーブル10との干渉を回避できる。更に、第2調整ねじ54を調整するための作業領域を確保することができるとともに、軽量化が図れる利点がある。
【0027】
<測定>
測定にあたっては、被測定物Wを測定テーブル10の固定基準面11に載置する。例えば、湾曲した被測定物Wであれば、凸湾曲面を上向きにした姿勢で被測定物Wを測定テーブル10の固定基準面11に載置する。
こののち、可動ブロック30を下降させて、測定テーブル10の固定基準面11に接近させる。このとき、一対のガイドレール24を結ぶ直線上でかつ各ガイドレール24からの距離が略等しい位置にリニアゲージ81の測定点MPが位置しているから、可動測定子40の姿勢が維持されたまま、可動測定子40を測定テーブル10の固定基準面11に向かって移動させることができる。
【0028】
やがて、可動測定子40の可動基準面42が被測定物Wに当接した時点において、つまり、固定基準面11と可動基準面42との間に被測定物Wが挟持された状態において、可動ブロック30の下降を停止させたのち、リニアゲージ81で測定された値を読み取る。これにより、被測定物Wの外側寸法、つまり、被測定物Wの湾曲高さ寸法Hを高精度に測定することができる。
【0029】
また、円柱や球などの被測定物を測定テーブル10の固定基準面11に載置して測定すれば、これらの外径寸法を高精度に測定することができる。
つまり、可動測定子40の可動基準面42と測定テーブル10の固定基準面11とが平行に調整されているから、被測定物の湾曲高さ寸法や外径寸法などを高精度に測定することができる。
【0030】
<出荷後における平行度調整>
出荷後において、経時変化や環境変化などにより、可動測定子40の可動基準面42と測定テーブル10の固定基準面11との平行度が崩れた場合でも、上述した<組立時における平行度調整>と同じ手順を行えば、可動測定子40の可動基準面42と測定テーブル10の固定基準面11との平行度を再調整することができる。
従って、長期に渡って、高精度な測定が期待できる。
【0031】
<変形例>
本発明は、前述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
前記実施形態では、姿勢調整手段50は、3つの調整機構51と、3つの付勢機構55とを有する構成であったが、これに限られない。例えば、調整機構51や付勢機構55の数は、4つ以上であってもよい。また、調整機構51の構造についても、可動ブロック30と可動測定子40との間に複数の楔部材を挿入し、この楔部材の差し込み量を調整して可動測定子40の姿勢を調整するような構造であってもよい。
【0032】
前記実施形態では、姿勢表示手段60は、4つのダイヤルゲージ61によって構成したが、これに限られない。例えば、3つまたは5つ以上のダイヤルゲージを用いてもよい。あるいは、ダイヤルゲージに限らず、他の測定器を利用して可動ブロック30に対する可動測定子40の高さ位置を測定してもよい。
【0033】
前記実施形態では、測定テーブル10の固定基準面11を水平に配置し、可動測定子40を上下方向へ移動可能に設けたが、例えば、測定テーブル10の固定基準面11を垂直に配置し、可動測定子40を水平方向へ移動可能に設けるようにしてもよい。この場合、被測定物Wは、測定テーブル10の固定基準面11にセットできるように、例えば、固定治具や磁石などでセットすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、湾曲した被測定物の湾曲高さ寸法や、円柱、円筒、球などの被測定物の外径寸法などを測定するために利用できる。
【符号の説明】
【0035】
1…ベース、
10…測定テーブル、
11…固定基準面、
20…ガイド機構、
24…ガイドレール、
30…可動ブロック、
40…可動測定子、
41…可動測定子本体、
42…可動基準面、
43…姿勢調整プレート、
44…段差、
50…姿勢調整手段、
51…調整機構、
52…第1調整ねじ、
54…第2調整ねじ、
80…測定手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
このベースに設けられ固定基準面を有する測定テーブルと、
前記ベースにガイド機構を介して前記ベースの固定基準面に対して接離方向へ移動可能に設けられた可動ブロックと、
この可動ブロックに配置されるとともに、前記測定テーブルの固定基準面に対して対向する可動基準面を有する可動測定子と、
この可動測定子の移動量を測定する測定手段とを備えた外側寸法測定機において、
前記可動ブロックには、前記可動測定子の可動基準面を前記測定テーブルの固定基準面に対して平行に調整するための姿勢調整手段が設けられている、
ことを特徴とする外側寸法測定機。
【請求項2】
請求項1に記載の外側寸法測定機において、
前記姿勢調整手段は、前記測定手段が測定する前記可動ブロックの測定点を中心とし、この中心からの距離が略等しい位置に設けられ、その各位置において前記可動測定子を前記測定テーブルに対して接近離隔する方向へ変位させる少なくとも3以上の調整機構を有する、
ことを特徴とする外側寸法測定機。
【請求項3】
請求項2に記載の外側寸法測定機において、
前記可動測定子は、前記可動基準面を有する矩形板状の可動測定子本体と、この可動測定子本体の外周に突出して設けられ前記可動基準面に対して段差を有する複数の姿勢調整プレートとを備え、
前記各調整機構は、前記可動ブロックに前記可動ブロックの移動方向へ位置調整可能に螺合され、前記各姿勢調整プレートの移動方向両面に当接する一対の調整ねじを含んで構成されている、
ことを特徴とする外側寸法測定機。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の外側寸法測定機において、
前記ガイド機構は、前記可動ブロックを挟んで可動ブロックをガイドする一対のガイドレールを有し、この一対のガイドレールを結ぶ直線上でかつ各ガイドレールからの距離が略等しい位置に前記測定手段が測定する前記可動ブロックの測定点が位置している、
ことを特徴とする外側寸法測定機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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