説明

外壁用パネルにおける目地材の保持具と目地構造

【課題】外壁用パネルA間における目地D内にこれを塞ぐために挿入した目地材Eを抜け不能に保持する保持具10とから成るものにおいて,前記保持具10の製造コストの低減を図り,前記目地材Eと前記保持具10とによる目地処理の作業性の向上を図る。
【解決手段】前記保持具10は,前記目地材における後側面に係着される装着体11,12と,この装着体の左右から前方に向かって斜め外向きに突出して前記目地Dの後側角部D1′に係合する左右一対の係止体13とを一体に備えるとともに,前記装着体の左右から前方に向かって斜め外向きに突出して前記目地Dの両内側面D1に弾性的に押圧接当する左右一対の弾性体14,15を一体に備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,建物における外壁用パネルの相互間に形成される目地(隙間溝)を目地材にて塞ぐ(詰める)場合において,前記目地材を目地内に抜け不能に保持する保持具と,目地構造とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に,建物における外壁は,図8及び図9に示すように,この外壁用パネルAの複数枚を,前記建物における支柱部材Bに,この支柱部材Bの長手方向に適宜間隔で配設した取付け金具Cにより,前記各外壁用パネルBの相互間に目地(隙間)Dを形成するようにして取付けたのち,前記目地Dの内部に,ゴム等の軟質弾性体にて細長い紐状体に構成した目地材Eを,当該目地材Eの左右両側面にその長手方向に延びるように一体に設けた複数条の各ひれ片E1,E2,E3の各々が前記目地Dにおける左右両内側面D1に弾性的に接当するように押し込み挿入することにより,前記目地Dを,水の浸入を阻止した状態にして塞ぐという構成にしている。
【0003】
これに加えて,前記目地D内に押し込み挿入した目地材Eは,その長手方向に沿って適宜間隔で装着した薄い弾性金属板製の保持具によって,前記目地D内に,当該目地Dから容易に抜けることがないように抜け不能に保持するという構成にしている。
【0004】
そして,この保持具として,従来は,図8に示す構成にした保持具F1を使用するか,或いは,特許文献1に記載され,且つ,図9に示す構成にした保持具F2を使用している。
【0005】
すなわち,前者における弾性金属板製の保持具F1は,図8に示すように,前記目地材Eのうち後側面における突起片に係着される装着体F1′と,この装着体F1′の左右から前方に向かって斜め外向きに突出する左右一対の係止体F1″とを一体に備え,前記目地D内に押し込み挿入したときに,前記両係止体F1″を前記目地Dの左右内側面D1における後側角部D1′に係合することにより,前記目地材Eを目地D内に抜け不能に保持するという構成にしている。
【0006】
一方,前者(特許文献1によるもの)における弾性金属板製の保持具F2は,図9に示すように,前記目地材Eにおける各ひれ片E1,E2,E3のうち後側に位置する左右両ひれ片E3を外側から抱え込むように溝形断面に湾曲した装着体F2′と,この装着体F2′の左右から前方に向かって斜め外向きに突出する左右一対の係止体F2″とを一体に備え,前記目地D内に押し込み挿入したときに,前記装着体F2′を前記目地Dの両内側面D1に対して外向きに弾性的に押圧接当すると同時に,前記両係止体F2″を目地Dの両内側面D1における後側角部D1′に係合することにより,前記目地材Eを目地D内に抜け不能に保持するという構成にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平05−148916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前者(図8)の保持具F1は,前記目地材Eの側面における各ひれ片E1,E2,E3が目地Dにおける内側面D1に対して接当するのを妨げないから,前記各ひれ片E1,E2,E3による水の浸入阻止の効果は高いという利点を有する。
【0009】
しかし,その反面,前記目地Dに対する抜け不能の保持が,専ら,その左右の係止体F1″を目地Dの後側角部D1′に係合することに限られている。
【0010】
この場合,前記係止体F1″による抜け不能の保持力は,当該係止体F1″における中心線から外向きへの開き角度θを小さくすれば大きくなり,開き角度θを大きくすれば小さくなるというように,前記開き角度θに反比例することにより,前記係止体F1″のみによって所定の保持力を得るには,前記開き角度θを小さくしなければならないが,この開き角度θを小さくすると,前記後側角部D1′からの突出高さ寸法Hが高くなる。
【0011】
このために,前記した構成の保持具F1を弾性金属板から製作することに要する材料費が嵩み製造コストのアップを招来するのであり,しかも,前記保持具F1を前記目地詰め部材Eに装着する場合には,この保持具F1が前記外壁用パネルAの支柱部材Bに対する取付け金具Cに干渉することがないように,取付け金具Cからずれた位置に装着するようにしなければならず,これに多大の手数を必要とし,目地処理の作業性が低いという問題がある。
【0012】
これに対し,後者(図9)の保持具F2は,前記目地Dに対する抜け不能の保持を,その左右一対の係止体F2″における目地Dの後側角部D1′への係合と,その装着体F2′の目地Dにおける内側面D1への弾性的な押圧接当との両方で行なうもので,前記係止体F2″にて負担すべき保持力を,前記装着体F2′による保持力の分だけ低減できることにより,前記係止体F2″における外向きへの開き角度θを,前者(図8)の保持具F1の場合によりも大きくすることができて,これにより,前記裏面側角部D1′からの突出高さ寸法Hを低くできるから,材料費を節減できるとともに,保持具F2が前記外壁用パネルBの取付け金具Cに干渉することを回避できる。
【0013】
しかし,その反面,保持具F2の目地材Eに対する装着が,前記目地材Eにおける各ひれ片E1,E2,E3のうち後側に位置する左右両ひれ片E3を当該保持具F2における装着体F2′にて外側から抱え込むという構成であることにより,前記後側の左右両ひれ片E3のうち前記保持具F2の部分では,当該ひれ片E3が目地Dの内側面D1に対して直接に接触しない状態になるから,前記目地材Eによる水の浸入阻止の作用が低減するという問題がある。
【0014】
しかも,前記装着体F2′における目地内側面D1に対する押圧接当が,前記一つのひれ片E3を抱え込む分だけ弱められることになるから,前記装着体F2′による抜け不能の保持力が低下するという問題がある。
【0015】
本発明は,これらの問題を解消した目地構造を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この技術的課題を達成するため請求項1は,
「外壁用パネル間における目地の内部に押し込み挿入される目地材を前記目地内に抜け不能に保持する弾性金属板製の保持具であって,前記保持具は,前記目地材における後側面に係着される装着体を備えており,更に,前記保持具は,前記装着体から前方に向かって斜め外向きに突出して前記目地の後側角部に係合する左右一対の係止体と,前記装着体から前方に向かって斜め外向きに突出して前記目地の両内側面に弾性的に押圧接当する左右一対の弾性体とを一体に備えている。」
ことを特徴としている。
【0017】
請求項2は,
「前記請求項1の記載において,前記保持具における装着体は,前記目地材の長手方向に沿って延びる断面溝型の形状であり,前記係止体は,前記装着体のうち前記目地材の長手方向に沿った一端に設けられ,前記弾性体は,前記装着体のうち前記目地材の長手方向に沿った他端に設けられている。」
ことを特徴としている。
【0018】
請求項3は,
「前記請求項1の記載において,前記保持具における装着体は,前記目地材の長手方向に沿って延びる断面溝型の形状で前記目地材の長手方向に沿って並べた二つの構成であり,前記係止体は,前記両装着体の間に一体に設けられ,前記弾性体は,前記両装着体における外端の各々に一体に設けられている。」
ことを特徴としている。
【0019】
請求項4は,
「外壁用パネル間における目地の内部に押し込み挿入される目地材と,この目地材を前記目地内に抜け不能に保持する弾性金属板製の保持具とを備え,前記目地材は,その断面が前記外壁用パネルに向かって凸型に膨らんだ形状になっていて前記目地内に圧入される構成であり,前記保持具は,前記目地材における後側面に係着される装着体を備えており,更に,前記保持具は,前記装着体から前方に向かって斜め外向きに突出して前記目地の後側角部に係合する左右一対の係止体と,前記装着体から前方に向かって斜め外向きに突出して前記目地の両内側面に弾性的に押圧接当する左右一対の弾性体とを一体に備えている。」
ことを特徴としている。
【0020】
請求項5は,
「前記請求項4の記載において,前記保持具における装着体は,前記目地材の長手方向に沿って延びる断面溝型の形状であり,前記係止体は,前記装着体のうち前記目地材の長手方向に沿った一端に設けられ,前記弾性体は,前記装着体のうち前記目地材の長手方向に沿った他端に設けられている。」
ことを特徴としている。
【0021】
請求項6は,
「前記請求項4の記載において,前記保持具における装着体は,前記目地材の長手方向に沿って延びる断面溝型の形状で前記目地材の長手方向に沿って並べた二つの構成であり,前記係止体は,前記両装着体の間に一体に設けられ,前記弾性体は,前記両装着体における外端の各々に一体に設けられている。」
ことを特徴としている。
【0022】
請求項7は,
「前記請求項4〜6のいずれかの記載において,前記目地材は,その左右の両外側面に前記目地における左右の両内側面に対して接当するひれ片を一体に備えている一方,前記保持具における弾性体は,その先端が前記目地の両内側面のうち前記目地材におけるひれ片が接当しない部分に押圧接当する構成である。」
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
請求項1において,目地材における後側面に保持具を,当該保持具における装着体にて装着し,この状態で,前記目地材及び保持具を,各外壁用パネル間の目地内に押し込み挿入する。
【0024】
この押し込み挿入により前記目地を目地材にて塞ぐことができる一方,前記保持具における左右の係止体が,前記目地の後側角部に係合すると同時に,前記保持具における左右の弾性体が,前記目地の両内側面に弾性的に押圧接当するから,前記目地材は,前記保持具によって前記目地内に抜け不能に保持される。
【0025】
前記保持具による前記目地材における抜け不能の保持は,前記左右の係止体における目地の後側角部への係合と,前記左右の弾性体における目地の内側面への弾性的な押圧接当との両方で行なわれることにより,前記係止体にて負担すべき保持力を,前記弾性体による保持力の分だけ低減できるから,前記係止体における外向きへの開き角度を,前記図9に示す保持具F2の場合と同様に大きくすることができる。
【0026】
これにより,前記保持具における後側角部からの突出高さ寸法を低くすることができるから,材料費を節減できて,製造コストの低減を達成できるとともに,前記目地に,前記目地材と保持具とを,目地材に保持具を装着した状態で態で押し込み挿入する場合に,前記保持具が外壁用パネルの取付け金具に干渉することはなくなり,目地処理の作業性を向上できる。
【0027】
請求項2,5によると,前記保持具における係止体と弾性体とは,目地材への装着体を挟んでその両端に一体に設けられていることにより,前記係止体における目地の後側角部への係合と,前記弾性体における目地の両内側面に弾性的に押圧接当との間に,前記装着体における目地材への装着が存在し,その間に距離が存在し,換言すと,目地に対する抜け不能の保持を,前記装着部の分だけ離れた二箇所の部位において行なうから,前記目地材における抜け不能の保持力を,係止体と弾性体との両方を前記装着体の一端部にのみ互いに相隣接して設けた場合よりも向上できるし,前記目地材が捩じれることを確実に低減できる。
【0028】
請求項3,6によると,前記目地材における抜け不能の保持力及び目地材の捩じれ防止を,二つの装着体の間に位置する一つの係止体と,二つの装着体の外端に位置する二つの弾性体とによって,更に向上できる。
【0029】
請求項4によると,前記目地材のそれ自身における目地の両内側面に対する密着性を高めることができる。
【0030】
更に,請求項7によると,前記目地材が前記目地の内側面に接当するひれ片を備えている場合に,前記保持具における左右の弾性片は,前記目地材における目地の内側面への接当を妨げないから,前記目地材におけるひれ片による水の浸入阻止の作用を確保できるのであり,しかも,前記弾性体における目地の内側面への押圧接当が前記ひれ片にて弱められることはないから,前記弾性体による抜け不能の保持力を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態における目地材及び保持具を示す正面図である。
【図2】図1のII−II視視断面図である。
【図3】図1のIII −III 視側面図である。
【図4】図1のIV−IV線切断端面図である。
【図5】図1のV−V線切断端面図である。
【図6】図1のVI−VI線切断端面図である。
【図7】本発明の実施の形態において目地材と目地への押し込み挿入とを示す断面図である。
【図8】従来例において目地材と目地への押し込み挿入とを示す断面図である。
【図9】別の従来例において目地材と目地への押し込み挿入とを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下,本発明の実施の形態を,図1〜図7の図面について説明する。
【0033】
これらの図において,符号Aは,外壁用パネルを示し,この外壁用パネルAの複数枚は,建物における支柱部材Bに,この支柱部材Bの長手方向に適宜間隔で配設した取付け金具Cにより,前記各外壁用パネルBの相互間に目地(隙間)Dを形成するようにして取付けられている。
【0034】
符号Eは,前記目地Dの内部に押し込み挿入される目地材を示し,この目地材Eは,ゴム等の軟質弾性体にて細長い紐状体に構成され,且つ,その断面が前記外壁用パネルBに向かって凸型に膨らんだ形状になっており,その左右両側面の各々には,その長手方向に延びる複数条のひれ片E1,E2,E3が一体に設けられ,これら各ひれ片E1,E2,E3は,前記目地材Eを,前記目地D内に押し込み挿入したときに,前記目地Dにおける左右両内側面D1に弾性的に接当することにより,前記目地Dを水の浸入を阻止した状態にして塞ぐという構成になっており,前記目地材Eにおける後側面には,長手方向に延びる突起体E4が一体に設けられている。
【0035】
符号10は,前記目地材Eを前記目地D内に抜け不能に保持するための保持具を示す。
【0036】
この保持具10は,板ばね等のような薄い弾性金属板製であり,断面溝型にした二つの装着体11,12が,前記目地材Eの長手方向に適宜間隔に並べて設けられ,この二つの装着体11,12内に,前記目地材Eの後側面における突起体E4を嵌まり係合することにより,前記保持具10を,目地材Eの長手方向の適宜箇所に対して着脱可能に装着するように構成されている。
【0037】
更に,前記保持具10には,前記両装着体11,12における左右両側から前方に向かって斜め外向きに突出する左右一対の係止体13を一体に備えており,この係止体13は,前記二つの装着体11,12の間に,これら両装着体11,12の相互間を一体に連結するように設けられ,その先端には,前記目地Dにおける左右両内側面D1の後側角部D1′に係合する係合部13aが設けられている。
【0038】
これに加えて,前記保持具10には,前記両装着体11のうち一方の装着体11の他端に当該装着体11における左右両側から前方に向かって斜め外向きに突出する左右一対の弾性体14を一体に備えていることに加えて,前記両装着体11のうち他方の装着体12の他端に当該装着体12における左右両側から前方に向かって斜め外向きに突出する左右一対の弾性体15を一体に備えており,これら両弾性体14,15における先端は,前記目地Dにおける左右両内側面D1のうち前記目地材Eにおける各ひれ片E1,E2,E3が接当する部分よりも後側の部分に対して,弾性的に押圧接当するように構成されている。
【0039】
この構成において,図7に示すように,目地材Eにおける後側面に保持具10を,当該保持具10における両装着体11,12にて装着し,この状態で,前記目地材Eを,各外壁用パネルA間の目地Dの内部に押し込み挿入する。
【0040】
この押し込み挿入により,前記目地材Eの両外側面における各ひれ片E1,E2,E3が前記目地Dの両内側面D1に弾性的に接当するから,前記目地Dを塞ぐことができる一方,前記保持具10における左右の係止体13は,前記目地Dを通過するときに一旦弾性に抗して内向きに窄んだのち外向きに開くことにより,前記目地Dの後側角部D1′に係合する。
【0041】
これと同時に,前記保持具10における両弾性体14,15が,前記目地Dの内部にその弾性に抗して内向きに窄み変形しながら挿入され,その先端が,前記目地Dの両内側面D1に対して弾性的に押圧接当する。
【0042】
これにより,前記目地材Eは,前記係止体13と,弾性体14,15との両方によって前記目地D内に抜け不能に保持される一方,前記目地材Eにおける各ひれ片E1,E2,E3によって水の浸入が阻止される。
【0043】
つまり,前記目地材Eにおける抜け不能の保持は,前記係止体13における目地Dの後側角部D1′への係合と,前記弾性体14,15における目地Dの内側面D1への弾性的な押圧接当との両方で行なわれることにより,前記係止体13にて負担すべき保持力を,前記両弾性体14,15による保持力の分だけ低減できることができ,ひいては,前記係止体13における外向きへの開き角度θを,前記図9に示す従来の保持具F2の場合と同様に大きくすることができるから,前記保持具10における後側角部D1′からの突出高さ寸法Hを低くすることができる。
【0044】
そして,前記弾性体14,15は,前記目地Dの内側面D1のうち前記目地材Eにおける各ひれ片E1,E2,E3が接当しない部分への弾性的な押圧接当するという構成であることにより,前記目地材Eの各ひれ片E1,E2,E3における目地Dの内側面D1への接当を妨げるものではないから,前記目地材Eにおける各ひれ片E1,E2,E3による水の浸入阻止の作用を確保できる。
【0045】
また,前記実施の形態においては,目地材Eへの両装着体11,12の各々は,係止体13と弾性体14,15との間に位置していることにより,前記目地材Eにおける抜け不能の保持力を,前記係止体13と弾性体14,15とを前記装着体11,12の一端に互いに相隣接して設けた場合よりも向上できる。
【0046】
更にまた,前記実施の形態において,前記保持具10は,二つの装着体11,12と,一つの係止体13と,二つの弾性体14,15とを備えた構成であり,前記一つの係止体13は,前記二つの両装着体11,12の間に一体に設けられ,前記二つの弾性体14,15は,前記二つの装着体11,12における外端の各々に一体に設けられている。これにより,前記目地材Eにおける抜け不能の保持力を,二つの装着体11,12の間に位置する一つの係止体13と,二つの装着体11,12の外端に位置する二つの弾性体14,15とによって,更に向上できる。
【0047】
特に,前記実施の形態の場合,前記二つの弾性体14,15が,目地Dに対して押し込み挿入したとき,図7に示すように,その内面に目地材Eにおける一つのひれ片E3の付け根の部分が接当することによって支持された状態になるように構成しているので,保持具10の全体が目地Dに対して目地材Eを捩じるように傾くことを確実に防止できる利点がある。
【符号の説明】
【0048】
A 外壁用パネル
B 支柱部材
C 取付け金具
D 目地
D1 目地の内側面
D1′ 目地の後側角部
E 目地材
E1,E2,E3 目地材のひれ片
E4 突起体
10 保持具
11,12 装着体
13 係止体
14,15 弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁用パネル間における目地の内部に押し込み挿入される目地材を前記目地内に抜け不能に保持する弾性金属板製の保持具であって,前記保持具は,前記目地材における後側面に係着される装着体を備えており,更に,前記保持具は,前記装着体から前方に向かって斜め外向きに突出して前記目地の後側角部に係合する左右一対の係止体と,前記装着体から前方に向かって斜め外向きに突出して前記目地の両内側面に弾性的に押圧接当する左右一対の弾性体とを一体に備えていることを特徴とする外壁用パネルにおける目地材の保持具。
【請求項2】
前記請求項1の記載において,前記保持具における装着体は,前記目地材の長手方向に沿って延びる断面溝型の形状であり,前記係止体は,前記装着体のうち前記目地材の長手方向に沿った一端に設けられ,前記弾性体は,前記装着体のうち前記目地材の長手方向に沿った他端に設けられていることを特徴とする外壁用パネルにおける目地材の保持具。
【請求項3】
前記請求項1の記載において,前記保持具における装着体は,前記目地材の長手方向に沿って延びる断面溝型の形状で前記目地材の長手方向に沿って並べた二つの構成であり,前記係止体は,前記両装着体の間に一体に設けられ,前記弾性体は,前記両装着体における外端の各々に一体に設けられていることを特徴とする外壁用パネルにおける目地材の保持具。
【請求項4】
外壁用パネル間における目地の内部に押し込み挿入される目地材と,この目地材を前記目地内に抜け不能に保持する弾性金属板製の保持具とを備え,前記目地材は,その断面が前記外壁用パネルに向かって凸型に膨らんだ形状になっていて前記目地内に圧入される構成であり,前記保持具は,前記目地材における後側面に係着される装着体を備えており,更に,前記保持具は,前記装着体から前方に向かって斜め外向きに突出して前記目地の後側角部に係合する左右一対の係止体と,前記装着体から前方に向かって斜め外向きに突出して前記目地の両内側面に弾性的に押圧接当する左右一対の弾性体とを一体に備えていることを特徴とする外壁用パネルにおける目地構造。
【請求項5】
前記請求項4の記載において,前記保持具における装着体は,前記目地材の長手方向に沿って延びる断面溝型の形状であり,前記係止体は,前記装着体のうち前記目地材の長手方向に沿った一端に設けられ,前記弾性体は,前記装着体のうち前記目地材の長手方向に沿った他端に設けられていることを特徴とする外壁用パネルにおける目地構造。
【請求項6】
前記請求項4の記載において,前記保持具における装着体は,前記目地材の長手方向に沿って延びる断面溝型の形状で前記目地材の長手方向に沿って並べた二つの構成であり,前記係止体は,前記両装着体の間に一体に設けられ,前記弾性体は,前記両装着体における外端の各々に一体に設けられていることを特徴とする外壁用パネルにおける目地構造。
【請求項7】
前記請求項4〜6のいずれかの記載において,前記目地材は,その左右の両外側面に前記目地における左右の両内側面に対して接当するひれ片を一体に備えている一方,前記保持具における弾性体は,その先端が前記目地の両内側面のうち前記目地材におけるひれ片が接当しない部分に押圧接当する構成であることを特徴とする外壁用パネルにおける目地構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−7404(P2012−7404A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145009(P2010−145009)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000110789)日本パワーファスニング株式会社 (30)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】