説明

外部ナビゲーションシステムによる,坑井測量用ジャイロスコープ計器及び慣性計器の方位初期化及び較正

【課題】坑井測量用のジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の方位初期化のためのシステム及び方法を提供すること。
【解決手段】このシステムは,ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器を剛性に接続できる剛基準構造物と,時間に応じた方位測定値を提供する外部ナビゲーションシステムであって,上記剛基準構造物は外部ナビゲーションシステムとジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器との間に剛性な方向付けを提供するシステムと,時間に応じた方位測定値とジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の時間に応じた方向とを同期させることができるプロセッサと,を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,坑井測量用のジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の方位を初期化し,較正するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
坑井測量(wellbore survey)は,いくつかの理由で行われる。最適な井戸配置は,障害又は危険区域及び目標侵入角,屈曲(dogleg)制約,などのような,ほかの方向に関する問題を避けて地質学的目標に命中させる能力を有する。安全面では,ほかの井戸との衝突を避けること,及び救援用井戸を適切に配置することを含む。さらに,リザーバモデル及びリザーバ工学を改善することによって,測量がリザーバ開発を支援する。
【0003】
図1に坑井測量の原理を示す。測量の目的は,坑井wに沿った位置座標NEV(ここで,Nは北方向座標,Eは東方向座標,Vは垂直座標)を得ることである。NEV座標系は直交である。地下においては,NEV座標を直接測定することができる方法は存在しない。その代わり,次の三つのパラメータを測定することによってこれらの座標を導出するのが通常の手順である。ボーリング穴(D)に沿った深度は,ドリル掘削装置上の基準点から測定される。傾斜角(I)は,垂直方向からの変位である。方位角(A)は,水平(N‐E)面に対するボーリング穴の投影と北方向との角である。特定の坑井位置のNEV座標は,坑井開始位置+測定されたD,I及びAから得られる座標増分として計算される。この測定は,ボーリング(drilling)中(MWD),又はボーリング後のワイヤライン動作として行われる。Dは,ボーリング穴に挿入されたドリルストリング又はワイヤラインの長さとして測定される。Iは加速度計の集合によって測定され,該集合は地球の重力方向に対する計器本体の向きを記録する。掘削中及びワイヤライン操作中にも同じ原理が用いられる。方位角Aは,二つの異なるセンサ原理,すなわち地球の磁場及び磁北方向を基準として用いた磁力計,又は地球自体の自転を含む,計器本体の回転を記録するジャイロスコープセンサ,のいずれかによって測定することができる。したがって,ジャイロの基準方向は地理的北極である。堅牢性のため,MWDの目的には通常磁気的計器が好まれるが,坑井測量にはジャイロスコープ計器が好まれる。傾斜及び深度は一般に,双方の計器クラスに対して同一の原理によって測定される。
【0004】
英国特許第2,445,201号は,全地球測位システム(GPS)を用いた坑井測量システムに関係する。GPSシステムは,初期地表位置及び方位データを取得するときに,問合せされる。米国特許出願公開第20040148093A1号,米国特許出願公開20070136019A1号,及び米国特許007219013B1号は,GPSと,慣性/ジャイロスコープシステムとの統合に関するものである。GPSは離散的な位置を提供する単一アンテナシステムであり,慣性システムは動きを測定する。すべての測定値はナビゲーションフィルタに与えられ,該ナビゲーションフィルタは関心対象の位置及び動態(dynamics)を生成する。慣性プラットホームは自身を北方向に揃えず,アライメントは,GPS及び慣性データによって間接的に測定される,フィルタ内のパラメータとして導入される。しかし,アライメント角の正確な推定は,対象の実際の動きに依存する。
【0005】
このことは,慣性プラットホームのアライメントが,複数アンテナGPSシステムだけによって決定される本発明の実施形態と矛盾する。
【0006】
GPSを方位アライメントに用いる先行技術の原理は,A.O. Salycheva, M.E. Cannon, 2004: "Kinematic Azimuth Alignment of INS using GPS Velocity Information", NTM 2004 Conference, San Diego, CA, 2004年1月,に記載されている。
【0007】
坑井測量は,井戸が掘削されているとき(掘削中測量,MWD),又は掘削が完了した後,のいずれかに行われる。MWD測量は,伝統的に磁気計器を用いる。しかし,MWDジャイロスコープ測量は近未来の技術である。MWD測量は静的である。掘削後測量では主に,静止モード又は連続モードのジャイロスコープ計器を用いる。通常の測量プログラムは,精度及び信頼性の要求条件,並びに運用及び環境の制約に応じて,種々の磁気及びジャイロスコープの測量を含む。ジャイロスコープ方位測定は,静止モード又は連続モードのいずれかで行うことができる。
【0008】
<静止モード>
静止モードにおいては,方位はジャイロコンパスによって測定される。すなわち,方位角はジャイロの受感軸に沿った地球の自転の投影から計算される。ジャイロのランダム雑音の影響を減少させるため,センサの読みは通常1〜20分間の平均化によって得られる。坑井測量に用いられるいくつかのツールにおいて,ジャイロのバイアス(システム雑音)は,ジャイロツールきょう体内部のセンサを回転させて,二つの反対の方向で測定を行うことによって除去される。平均化及びバイアス除去処理はどちらも,このような測定の間,ツールを安定に保つ必要がある。したがって,この操作は静止モードと呼ばれる。方位角は坑井に沿った離散的な位置において直接測定され,そのため非常に時間が掛かる。
【0009】
図3は,静止ジャイロスコープ測量のフローチャートである。「静止」という用語は,計器が坑井に沿って規則的な間隔で停止し,その測量位置で方位測定,いわゆるジャイロコンパス測量が行われることを意味する。これらの測定中に,計器は完全に安定でなければならない。
【0010】
この測量手続は次のステップを有する。
測量前の,プラットホームデッキ上での現地較正101。坑井の測量である事前操作(inrun)102。計器をボーリング穴から引き出しつつ,任意選択の冗長測量を行うことができる事後操作(outrun)103。較正104は,測量後にプラットホームデッキ上で行われる,計器の完全性を確かめる任意選択の再較正である。
【0011】
標準較正手続は,計器が完全に安定であることを必要とし,したがって,浮動する掘削装置(rig)上では行うことができない。このため,固定した掘削装置上の状況に比べて方位精度が劣化する。
【0012】
<連続モード>
連続モードにおいては,測量する坑井区間の始点での1回の静止測量によって方位が初期化される。この初期化の後,ジャイロが連続モードに切替えられる。すなわち,ジャイロの動きを連続的に積分することによって,方位の変化が測定される。したがって,方位はツールが動いているときに測定され,坑井に沿った測量は,離散的であり,時間が掛かる静止測量に比べて非常に速く行われる。しかし,センサのドリフトを除去するために,ゼロ速度更新を行うことが望ましい。
【0013】
図4に連続ジャイロスコープ測量のフローチャートを示す。測量手続は次のとおりである。測量の前に,プラットホームデッキ上で現地較正111が行われる。初期化112は,1回のジャイロコンパス測量である。この初期化が事前操作113用の方位基準を提供する。事前操作113は,坑井の連続測量である。事後操作114,初期化115及び較正116は任意選択であり,順に111,112及び113と類似である。この冗長測量によって,最終測量結果の精度及び信頼性が改善される。
【0014】
<ジャイロスコープ測量の方位精度を制限するいくつかの要因>
初期化
連続測量の精度は,緯度が高くなるにつれて(北及び南双方とも)劣化する。これは,ジャイロコンパス測量によって方位が初期化されるためである。すなわち方位角は,ジャイロの受感軸に沿った,地球の自転の投影から計算される。地球の自転速度の水平方向成分は両極においてゼロになり,したがって方位測定は悪化する。図2によれば,標準初期化手続は,地理的緯度に対して方位が不確定になる。図2は,計器が標準手続によって初期化されたとき,ジャイロスコープ測量の方位不確定性が緯度によってどのように変化するかを示している。方位不確定性は,赤道上に位置する坑井について1に正規化されている。数学的に言えば,不確定性dAzは関係式dA〜1/cos(φ)に従い,ここでφは地理的緯度である。南緯については,不確定性は南極に向かって同様に増加する。両極に向かう精度劣化は次の文献に記載されている。J. Bang, T. Torkildsen, B.T. Bruun, S.T. Haavardstein, 2009: "Targeting Challenges in Northern Areas due to Degradation of Wellbore Positioning Accuracy", SPE 119661, SPE/IADC Drilling Conference and Exhibition, Amsterdam, The Netherlands, 2009年3月。
【0015】
坑井測量用ジャイロスコープツールの基本原理と,誤差発生源と,方位測定への誤差の影響は次の文献に記載されている。Torgeir Torkildsen, Stein T. Haavardstein, Hojn L. Weston, Roger Ekseth, 2008: "Prediction of Wellbore Position Accuracy When Surveyed With Gyroscopic Tools", SPE Journal of Drilling and Completion, 2008年1月。
【0016】
さらに,今日の初期化手続は,ジャイロスコープ計器が初期化の際に安定であることを必要とし,このため,浮動施設から測量するときは達成が困難である。これは,掘削装置の動きによって影響されないように計器をボーリング穴に固定することによって達成できる。標準初期化手続は,通常30分間続く。
【0017】
現地較正
大部分のジャイロスコープセンサの不安定性のため,測量の直前に較正を検査することが必要である。ジャイロのバイアス,縮尺係数誤差,質量不均衡,直交誤差,等が現地較正中に検査される特性パラメータの例である。今日の慣習によれば,較正は浮動する施設はいくつかの一連の測量の間,静止していなければならない。現地較正を行わないと,静止測量及び連続測量双方について精度及び信頼性が下がることになる。
【0018】
また,磁気方位測定の精度は,種々の物理的効果によって生じるものの,図2に示す傾向に非常に類似して緯度に依存して悪化することに注意されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
第1態様において,本発明は坑井測量用のジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の方位初期化を行うシステムを提供する。このシステムは,ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器を剛性に接続できる剛基準構造物と,時間に応じた方位測定値を提供する外部ナビゲーションシステムであって,上記剛基準構造物は外部ナビゲーションシステムとジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器との間に剛性な方向付けを提供するシステムと,時間に応じた方位測定値とジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の時間に応じた方向とを同期させることができるプロセッサと,を備える。
【0020】
外部ナビゲーションシステムは独立の慣性ナビゲーションシステムであってもよい。また外部ナビゲーションシステムは無線ナビゲーションシステムであってもよい。外部ナビゲーションシステムは,例えばGPS,GLONASS又はGalileoのような衛星ナビゲーションシステムであってもよい。
【0021】
一実施形態において,無線ナビゲーションシステムから信号を受信する少なくとも二つのアンテナが提供され,該アンテナは剛基準構造物に取り付けられる。受信器は,少なくとも二つのアンテナによって受信された少なくとも一つの信号の搬送波位相の同期測定を行って,少なくとも二つのアンテナの時間に応じて方位を提供するようになっている。システムは,俯角を提供する更なる慣性システムを更に備え,少なくとも二つのアンテナについて,3D座標系の向きを時間的に固定できるようにしてもよい。
【0022】
更なる実施形態においては,少なくとも三つのアンテナを備え,該少なくとも三つのアンテナについて,3D座標系の向きを時間的に固定できるようにしてもよい。
【0023】
システムは,ジャイロスコープ計器又は慣性計器を剛性に搭載できる剛基準構造物に接続された計器プラットホームを備えてもよい。計器プラットホームは水平面を提供するようにしてもよい。計器プラットホームは垂直面を提供するようにしてもよい。
【0024】
ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器は,回転質量ジャイロ,光ファイバジャイロ,リングレーザジャイロ,振動構造ジャイロ/コリオリ振動ジャイロ,吊り下げ構成,及びジンバル構成,を含むグループから選択されたジャイロスコープセンサ及び/又は慣性センサを備えてもよい。
【0025】
坑井測量は静止ジャイロ測量であってもよいし,連続ジャイロ測量であってもよい。ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器は,MWD測量及び掘削後測量双方に適用可能であってよい。ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器は,固定,移動,回転,振動及び共振振動を含む任意のモードの動きにおいて使用するものであってよい。システムは,沿岸及び/又は沖合で使用されるジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器に適用できるものであってよい。システムは,浮動施設及び固定施設双方に適用できるものであってよい。
【0026】
第2態様において,本発明は,上述による方位初期化用システムを備える,坑井測量用のジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器を提供する。
【0027】
第3態様において,本発明は,坑井測量用ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の方位初期化の方法を提供する。この方法は,
・上記ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の方位初期化の際,時間に応じた方位測定値を提供する外部ナビゲーションシステムによって,時間に応じた方向及び方向の変化を記録するステップと,
・方位初期化の際に,上記ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の慣性記録システムによって,上記ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の時間に応じて,向き及び動きを記録するステップと,
・上記外部ナビゲーションシステムによって提供される時間に応じた方位測定値と,上記ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の慣性記録システムによって提供される向き及び動きを同期させるステップと,
を有する。
【0028】
この方法は,無線ナビゲーションシステムの少なくとも二つのアンテナから信号を受信するステップと,上記少なくとも二つのアンテナによって受信された少なくとも一つの信号の搬送波位相の同期測定を行い,上記少なくとも二つのアンテナの時間に応じて方位を提供するステップと,を更に有する。さらに,俯角を提供し,上記少なくとも二つのアンテナについて,3D座標系の向きを時間的に固定することを可能にする,更なる慣性システムが提供される。ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器は,回転質量ジャイロ,光ファイバジャイロ,リングレーザジャイロ,振動構造ジャイロ/コリオリ振動ジャイロ,吊り下げ構成又はジンバル構成を含む,任意種別のジャイロスコープセンサ及び/又は慣性センサを利用してもよい。外部ナビゲーションシステムは,GPS,GLONASS及びGalileoを含むがそれに限定されない宇宙衛星システムである。本方法は静止測量及び連続測量双方に適用可能であってよい。本方法は,任意のテレメトリ又はメモリオプションを有する,MWD測量及び掘削後測量双方に対する任意のジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器に適用できるものであってよい。この方法は,極北及び極南の緯度を含む任意の地理的位置に適用可能であってよい。この方法は,任意の動きモード,すなわち固定,移動,回転,振動及び共振振動の,ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器に適用可能である。この方法はまた,沿岸及び/又は沖合で使用されるジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器にも適用できる。この方法はまた,浮動施設及び固定施設双方に更に適用可能である。
【0029】
第4態様において,本発明は坑井測量用ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の較正のための,上述の方位初期化用のシステムの使用を提供する。
【0030】
本発明は,ジャイロスコープ測量計器及び/又は慣性測量計器の較正及び方位初期化のための,外部ナビゲーションシステムの使用を含む。
【0031】
本発明は,固定施設及び浮動施設双方における,静止ジャイロスコープ測量及び連続ジャイロスコープ測量双方に適用可能であり,それらを改善することを意味する。
【0032】
本発明は,連続ジャイロスコープサービスを初期化する新規な方法を提供し,それによって標準手続の欠点を克服する。初期化は外部ナビゲーションシステム,例えばGPS,GLONASS又はGalileoのような衛星測位システムによって行われる。外部ナビゲーションシステムの使用は,方位精度が地理的緯度と独立になることを意味する。
【0033】
追加機能は,浮動施設上であっても現地較正を行うことができることであろう。この課題は,連続ジャイロスコープサービス及び静止ジャイロスコープサービス双方に関係する。本発明によって提供される新規な初期化手続は浮動掘削装置上でも実行することができ,したがって,固定掘削装置上で達成されるのと同じ方位精度が得られる。本発明によって提供される新規な初期化手続は,地理的緯度に独立な方位不確定性が得られ,赤道上の不確定性に等しい。新規手続は,計器が動いているときに実行することができ,したがって,掘削装置の動かない部分に固定する必要がない。したがって,初期化は,プラットホームデッキ上の計器によって実行してもよい。新規初期化手続の期間は,5分間と推定される。
【0034】
現地較正手続は,静止測量の場合と同一である。したがって,連続測量の場合にも,本発明は静止測量の較正手続と同一の改善を意味する。すなわち,較正は浮動掘削装置上で行うことができ,固定掘削装置と同一の精度が得られる。
【0035】
本発明は,外部ナビゲーションシステムから方位角を転送することによって,ジャイロスコープツールの方位揃えを行う。このことはまた,動的(kinematic)状況,例えば動くプラットホームなどにも適用される。
【0036】
既存技術,例えばジャイロコンパス測量による連続ジャイロスコープ測量の方位初期化では,すべてのジャイロコンパス測量手続を通じてツールが安定でなければならない。この手続は時間が掛かり,20分〜30分である。精度は両極に向かって減少する。
【0037】
本発明による新技術を用いた連続ジャイロスコープ測量の方位初期化は,外部ナビゲーションシステムによってジャイロの軸揃えを行う。初期化及び較正は,動的状況においても行うことができる。この手続は速く,5分である。精度は地理的緯度と独立である。
【0038】
ジャイロスコープセンサの較正は,バイアス,縮尺係数,質量不均衡,直交(quadrature)効果,等を含む。
【0039】
既存技術においては,ツールは安定なブラケット装置を含み,すべての測定について安定でなければならない。本発明は,動的状況においても実行することができる方法を提供する。
【0040】
本発明の例示実施形態を,次の図面を参照してここで説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】坑井測量の原理を例示し,坑井測量用の井戸経路にそった点の位置座標N(北),E(東)及びV(垂直)を導出するために用いられる方位A(北方向からの水平面の角),傾斜I(垂直方向からの角)及び深度D(ボーリング穴に沿った距離)の測定を示す図である。
【図2】先行技術によるジャイロスコープ測量の地理的緯度による方位不確定性であって,赤道上で1に正規化された不確定性を示す図である。
【図3】静止坑井測量の手続を示すフローチャートである。
【図4】連続坑井測量の手続を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態による,計器プラットホーム122上に搭載されたジャイロスコープ/慣性計器123と,外部ナビゲーションシステム120と,外部ナビゲーションシステムと計器プラットホームとを接続する剛基準構造物124とを示す図である。
【図6】本発明の実施形態による,計器プラットホーム122上に搭載されたジャイロスコープ/慣性計器123と,基準構造物124に剛性に取り付けられたアンテナプラットホーム121に搭載された三つの衛星アンテナC,C及びCと,を示す図である。
【図7】本発明の実施形態による,衛星アンテナ基線の方位角を決定する原理を示す図である。
【図8】図5の外部ナビゲーションシステムと,本発明の実施形態によるジャイロスコープ/慣性計器202との上から見た(水平面に投影された)方位の向きを示す図である。
【図9】衛星アンテナと,本発明の実施形態によるジャイロスコープ/慣性計器123との上から見た(水平面に投影された)方位の向きを示す図である。
【図10】外部ナビゲーションシステムからの読みと,本発明の実施形態によるジャイロ計器からの読みの処理のフローチャートである。
【図11】連続測量の,地理的緯度による方位精度に対する本発明によって達成可能な改善を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図面を参照して本発明を説明する。本明細書を通じて,すべての図面内の同一又は類似の機能には同一の参照符号が用いられている。
【0043】
本技術的解決策は次を含む。
・ジャイロスコープ/慣性計器は外部ナビゲーションシステムに剛性に接続され,ジャイロスコープ計器の較正及び初期化の際に,時間に応じた当該計器の方向及び方向の変化が衛星受信器によって記録される。
・較正及び初期化の際に,ジャイロスコープ計器の方向及び動きが,ジャイロスコープ計器の通常の記録システムによって記録される。
・上記二つの記録は,ジャイロ/慣性計器の較正及び初期化精度を改善するために同期させられる。
【0044】
本発明の実施形態が図5及び6に示されている。図5は,本発明の実施形態による方位初期化及び較正用のシステムに関わる物理部品を示している。ジャイロスコープ/慣性計器123は,計器プラットホーム122上に搭載されている。図5において,計器プロットホーム123は水平位置に配置されている。しかし代替実施形態においては,計器プラットホーム122及び計器123は垂直位置に配置されてもよい。外部ナビゲーションシステム120は剛基準構造物124に接続されている。計器プラットホームもまた,剛構造物124に剛性に接続されている。このように剛構造物124は外部ナビゲーションシステムと計器プラットホームとを相互接続し,プラットホーム上のジャイロ又は慣性計器123と,外部ナビゲーションシステムとの間を機械的に剛性に接続する。このように外部ナビゲーションシステム及びジャイロスコープ/慣性計器双方は,一緒に動くことになる。構造物120‐124‐122は,外部ナビゲーションシステムの生じ得る動きが,計器123の動きと指定された許容誤差内で等しくなるように,十分な剛性を有する。外部ナビゲーションシステムは,例えば宇宙産業において用いられるような高精度の慣性ナビゲーションシステムであってよい。
【0045】
外部ナビゲーションシステムの受信器125は,ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の方位初期化の際に,時間に応じた向きの変化を記録し,時間に応じた方位測定値を供給する。方位測定値はプロセッサ/計算機127に供給される。ジャイロ/慣性計器123の制御及び記録ユニット126は,ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の慣性記録システムによる,ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の時間に応じた向き及び動きの方位初期化の際,ジャイロ/慣性計器から信号を受信する。プロセッサ/計算機127は外部ナビゲーションシステムによって提供される時間に応じた方位測定値と,ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の慣性記録システムによって供給される向き及び動きとを同期させる。
【0046】
石油掘削装置上で,ジャイロ又は慣性計器はプラットホームデッキの上に配置し,外部ナビゲーションシステムは例えばヘリコプタデッキの上に配置してもよく,したがって石油掘削装置自体が,初期化すべきジャイロ/慣性計器と,外部ナビゲーションシステムとを相互接続する剛構造物を形成する。剛構造物はまたより小さくてもよく,実施形態は,外部ナビゲーションシステムが固定的に取り付けられているプラットホームデッキに配置される剛構造物を含んでもよい。
【0047】
代替実施形態においては,外部ナビゲーションシステムはアンテナを含む無線/衛星ナビゲーションシステムであってよい。少なくとも二つのアンテナを,無線ナビゲーションシステムから信号を受信するために配置してもよく,該アンテナは固定基準構造物に剛性に接続されている。受信器は少なくとも二つのアンテナによって受信された少なくとも一つの信号の搬送波位相の同期測定を行って,少なくとも二つのアンテナの時間に応じて方位を提供する。二つのアンテナを使用する場合,上記少なくとも二つのアンテナについて俯角を提供し,3D座標系を時間的に固定することができる,更なる慣性システムを提供することができる。
【0048】
図6には更なる実施形態が示されている。三つの衛星アンテナC,C及びCがアンテナプラットホーム121上に搭載されている。アンテナプラットホームは,剛構造物124に剛性に接続されている。剛構造物は,一実施例においては中実(solid)ブラケットであってよい。少なくとも三つのアンテナを用いることによって,該少なくとも三つのアンテナについて,3D座標系の向きを時間的に固定することができる。多チャネル受信器125は,すべてのアンテナにおけるいくつかの衛星信号の搬送波位相の同時測定を行う。この構成は,アンテナ系の3D方向の連続記録を可能にする。ジャイロスコープ/慣性計器123は,計器プラットホーム122上に搭載されている。剛構造物124は,121及び122を機械的に接続する。121,122及び124を含む構造物の実際の設計は,ボーリング穴への近さ及びどこで衛星への自由視界が得られるか,のような掘削装置フロア条件に依存する。したがって,構造物121‐122‐124は掘削現地ごとに個別の形状であってもよい。しかし,いくつかの実践的な理由から,ある環境下では標準形状が好まれることがある。構造物121‐122‐124は,アンテナCの生じ得る動きが,計器123の動きと指定された許容誤差内で等しくなるように,十分な剛性を有する。上記のとおり,例えば石油掘削装置は実際の剛構造物自体を形成してもよい。126はジャイロ計器の制御及び記録ユニットである。このユニット及び衛星受信器125は双方とも専用計算機127に接続されており,該計算機は,アンテナ系及びジャイロ計器双方の記録した動きを処理し,同期させる。このことは,衛星アンテナの記録した方向が,方位初期化及び較正の際にジャイロシステムに供給されることを意味する。
【0049】
上記の実施形態について,方位初期化及び較正の際に計器プラットホーム122及びジャイロ123を別個に(例えば垂直に)搭載することも可能である。
【0050】
ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器は,ジャイロスコープセンサ及び/又は慣性センサを更に含んでもよい。ジャイロスコープセンサ及び/又は慣性センサは,回転質量ジャイロ,光ファイバジャイロ,リングレーザジャイロ,振動構造ジャイロ/コリオリ振動ジャイロ,吊り下げ構成又はジンバル構成であってよい。
【0051】
次の要因を枠組み設計において考慮することが望ましい。
・ジャイロツールの共振に対応する機械振動を避けることが望ましい
・全体の安定性
・ジャイロツール及びアンテナの相対方向(方位)への要求条件
・初期化後は,ジャイロツールへの機械的衝撃及び乱暴な取り扱いは避けることが望ましい
【0052】
外部ナビゲーションシステムは独立慣性ナビゲーションシステムであってもよい。しかしまた,外部ナビゲーションシステムは無線ナビゲーションシステム又は生成ナビゲーションシステムであってもよい。初期化及び較正に用いることができる衛星測位システムの例は,GPS,GLONASS又はGalileoである。
【0053】
衛星システムを外部ナビゲーションシステムとして用いる場合,枠組み設計の因子はアンテナから十分な数の衛星が見えることである。
【0054】
外部ナビゲーションシステムは通常,次を提供できることが望ましい。すなわち,ジャイロスコープ/慣性システムのアライメントの方位角決定,更新頻度≒10Hzでの測定,精度≒0.1°,時間ラベル付け(time−tagging)≒0.05s,及び「実時間」データ転送。
【0055】
複数のチャネルを備えたGPS受信器を用いるときは,複数の衛星信号からいくつか(通常三つ)のアンテナに入力される衛星信号の搬送波の位相が同時に測定される。これによってジャイロスコープ/慣性計器の方位角(向き)の初期化が可能になる。
【0056】
通常のジャイロ読み取り速度は100Hzである。通常の衛星読取り速度は,受信器の複雑度によって1〜100Hzである。これらのデータ速度の上限は,予想される掘削装置の動きを追跡するには十分であると考えられる。
【0057】
衛星アンテナの向き,したがってジャイロ計器の向きの精度は,アンテナの基線によって表されるアンテナの物理サイズに依存する。
【0058】
方位精度は,アンテナ基線の長さの逆関数である。
L.ΔAZ≒k/L,ここでkは定数。
【0059】
方位角の初期化精度は,今日の連続ジャイロサービスの最大精度に対して,赤道において約0.15〜0.2°である。したがって,衛星受信器の精度に対する合理的な要求条件は0.1°である。これは,約2.5mのアンテナ基線に対応する。
【0060】
図7は,衛星アンテナ基線の方位角AZblを決定する原理を示している。定義によって方位角AZblは水平面内にあり,図は配置の水平投影を示す。
【0061】
衛星ビームSは,一つの波面wfが示されているが,二つのアンテナC及びCによって受信される。これらのアンテナは長さLblの基線だけ離れており,該基線は基準方向N(北)に対して任意の方位方向AZblを有する。dLは,衛星とC及びCそれぞれとの距離差の水平成分である。この距離は,C及びCにおける衛星信号の位相差から得られる。したがって,衛星ビームの水平投影と,アンテナ基線との角度αはcos(α)=dL/Lbl又はα=arccos(dL/Lbl)によって与えられる。したがって,基線の未知の方位角は,AZbl=AZsat+arccos(dL/Lbl)となる。
【0062】
一つの衛星及び二つのアンテナだけを有する図7に示した配置については,CとCとの位相差の測定はdLを波長の分数として決定できるだけであり,未知の全波長数は未知のままである。これがdL,したがってαのあいまい性を生じさせる。さらに,αの符号は一意に決定できない。これら二つのあいまい性は,いくつかの衛星からの信号を同時に利用し,より多くのアンテナを使用することによって解決される。より多くの衛星,及びより多くのアンテナを使用することによって,システムの精度及び信頼性もまた改善される。
【0063】
このあいまい性は,追加の受信器Cを用い,各受信器の任意の対の間の基線が平行にならないように配置することによって除去される。また,追加受信器を使用することは方位AZblの追加の推定値を意味し,このパラメータの全体の精度を改善するために使用できる。
【0064】
図8は,外部ナビゲーションシステムの衛星アンテナと,ジャイロスコープ/慣性計器123との,上から見た(水平面へ投影された)方位方向を示している。201は外部ナビゲーションシステムの方位基準軸であり,202は慣性ナビゲーションシステムの方位基準軸である。図5に120‐124‐122として示した剛構造物は,ここでは一つの構造物Jによって表されている。方位差角ψは剛構造物Jだけに関係し,この構造物の剛性(stiffness)が,較正及び初期化処理の際の精度ψを決定する。
【0065】
図9は,衛星ナビゲーションシステムの衛星アンテナと,ジャイロスコープ/慣性計器123との上から見た(水平面に投影された)方位方向を示している。図6に121‐124‐122として示した剛構造物は,ここでは一つの構造物Jによって表されている。方位差角ψは剛構造物Jだけに関係し,この構造物の剛性が,坑井及び初期化処理の際の精度ψを決定する。
【0066】
図10は,衛星受信器及びジャイロ計器の読みの処理のフローチャートである。時間同期後,衛星信号から得られた方位はジャイロの方位を置き換える。この手続は,連続ジャイロ測量の方位初期化と,任意のジャイロサービスの現地較正との双方に用いられる。
【0067】
このシステムは,極北及び極南緯度を含む任意の地理的位置に適用可能である。図11は,地理的緯度による連続測量の方位精度において達成可能な改善を示している。ジャイロコンパス測量と記された点は,図2に示されたものと同じである。本発明が提供する新しい初期化方法を用いることによって,方位不確定性は緯度と独立になり,赤道における値と等しくなる。
【0068】
上記の説明において,本発明はいくつかの実施形態において衛星システムによる外部ナビゲーションシステムを例示しているが,ほかの外部ナビゲーションシステムも適用可能である。
【0069】
方位初期化に関する本発明は,ジャイロスコープ計器又は慣性計器の較正にも使用できる。
【0070】
<応用及び利点>
(連続ジャイロスコープ測量)
図4は,連続ジャイロスコープ測量の標準手続を示している。外部ナビゲーションシステムによって実現される可能性のある主な利点は次のとおりである。
・較正及び初期化を単一の操作で行うことができる。これは較正/初期化手続を容易にする。
・方位初期化の精度が緯度と独立(赤道における精度に等しく)になる。これは全体の測量精度を改善する。これは任意種別のジャイロスコープ及び慣性のセンサ及び計器に適用できる。
・初期化のために計器をボーリング穴又は囲壁に固定する必要がない。これは初期化手続を容易にする。
・現地較正を浮動施設上でも行うことができる。これは全体の測量精度を改善する。
・全体測量時間の削減。これは操作員費用を減少させる。
【0071】
外部ナビゲーション解法によって,初期化は最早ボーリング穴内では行われず,プラットホームデッキ上で行われることに注意されたい。
【0072】
(静止ジャイロスコープ測量)
図3は,静止ジャイロスコープ測量の標準手続を示している。外部ナビゲーションシステムによって実現される可能性のある主な利点は次のとおりである。
・現地較正を浮動施設上でも行うことができる。これは全体の測量精度を改善する。
【0073】
本発明の好適な実施形態を説明したが,当業者には,本発明の思想を組み込んだほかの実施形態も使用できることは明白である。本願明細書に例示した各種の例は例に過ぎず,本発明の実際の範囲は次に掲げる請求項から決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
坑井測量用のジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の方位初期化を行うシステムであって,
前記ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器を剛性に接続できる剛基準構造物と,
時間に応じた方位測定値を提供する外部ナビゲーションシステムであって,前記剛基準構造物が前記外部ナビゲーションシステムと前記ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器との間に剛性な方向付けを提供する,外部ナビゲーションシステムと,
前記時間に応じた方位測定値と,前記ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の時間に応じた方向とを同期させるプロセッサと,
を備えるシステム。
【請求項2】
前記外部ナビゲーションシステムは独立な慣性ナビゲーションシステムである,請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記外部ナビゲーションシステムは無線ナビゲーションシステムである,請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記外部ナビゲーションシステムは,衛星ナビゲーションシステム,例えばGPS,GLONOSS又はGalileoである,請求項1,2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記無線ナビゲーションシステムから信号を受信する少なくとも二つのアンテナであって,前記剛基準構造物に取り付けられているアンテナと,
前記少なくとも二つのアンテナによって受信された少なくとも一つの信号の搬送波位相の同期測定を行い,前記少なくとも二つのアンテナの時間に応じて前記方位を提供する,受信器と,
を更に備える,請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項6】
俯角を提供し,前記少なくとも二つのアンテナに関して,3D座標系の向きを時間的に固定することができる更なる慣性システムを更に備える請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
少なくとも三つのアンテナであって,該少なくとも三つのアンテナに関して,3D座標系の向きを時間的に固定することができるアンテナ,を更に備える請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記ジャイロスコープ計器又は慣性計器を剛性に搭載できる,前記剛基準構造物に接続された計器プラットホームを更に備える請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記計器プラットホームは水平面を提供するようになっている,請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記計器プラットホームは垂直面を提供するようになっている,請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器は,回転質量ジャイロ,光ファイバジャイロ,リングレーザジャイロ,振動構造ジャイロ/コリオリ振動ジャイロ,吊り下げ構成及びジンバル構成を含むグループから選択されたジャイロスコープセンサ及び/又は慣性センサを備える,請求項1〜10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記坑井測量は静止ジャイロ測量又は連続ジャイロ測量である,請求項1〜11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記ジャイロスコープ計器/慣性計器はMWD測量及び掘削後測量双方に適用できる,請求項1〜12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記ジャイロスコープ計器/慣性計器は,固定,移動,回転,振動及び共振振動を含む,任意モードの動きにおいて用いるものである,請求項1〜13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
沿岸及び/又は沖合で用いられるジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器に適用可能な請求項1〜14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
浮動施設及び固定施設双方に適用可能な請求項1〜14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の方位初期化を行うシステムを備える坑井測量用のジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器。
【請求項18】
坑井測量用のジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の方位初期化を行う方法であって,
時間に応じた方位測定値を提供する外部ナビゲーションシステムによる前記ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の方位初期化の際に,時間に応じた方向及び方向の変化を記録するステップと,
方位初期化の際に,前記ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の慣性記録システムによって前記ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の時間に応じた方向及び動きを記録するステップと,
前記外部ナビゲーションシステムによって提供される前記時間に応じた方位測定値と,前記ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の慣性記録システムによって提供される前記方向及び動きとを同期させるステップと,
を有する方法。
【請求項19】
無線ナビゲーションシステムの二つのアンテナから信号を受信するステップと,
前記少なくとも二つのアンテナによって受信された少なくとも一つの信号の搬送波位相の同期測定を行い,前記少なくとも二つのアンテナの時間に応じて前記方位を提供するステップと,
を更に有する,請求項18に記載の方法。
【請求項20】
俯角を提供し,前記少なくとも二つのアンテナに関して,3D座標系の向きを時間的に固定することができる更なる慣性システムを備える請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器は,回転質量ジャイロ,光ファイバジャイロ,リングレーザジャイロ,振動構造ジャイロ/コリオリ振動ジャイロ,吊り下げ構成及びジンバル構成を含む任意種別のジャイロスコープセンサ及び/又は慣性センサを利用する,請求項18〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記外部ナビゲーションシステムは,GPS,GLONOSS及びGalileoを含むがそれに限定されない宇宙衛星システムである,請求項18〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
静止測量及び連続測量双方に適用可能な請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
MWD測量及び掘削後測量双方に関して,任意のジャイロスコープ計器/慣性計器に適用可能な請求項18〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
極北及び極南緯度を含む任意の地理的位置に適用可能な請求項18〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
固定,移動,回転,振動及び共振振動を含む,任意モードの動きにおいて,ジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器に適用可能な請求項18〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
沿岸及び/又は沖合で用いられるジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器に適用可能な請求項18〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
浮動施設及び固定施設双方に適用可能な請求項18〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
坑井測量用のジャイロスコープ計器及び/又は慣性計器の較正のための,請求項1〜16のいずれか一項に記載の方位初期化を行うシステムの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−509582(P2013−509582A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536738(P2012−536738)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【国際出願番号】PCT/NO2010/000394
【国際公開番号】WO2011/053161
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512015714)
【Fターム(参考)】