説明

多層板の積層装置および多層板の積層方法

【課題】製品の歩留まりおよび信頼性を向上させること。
【解決手段】2つの基板の積層装置は、固定具402、画像キャプチャデバイス508、位置調整プロセスを実行するモジュール504など、を備える、固定具402は、第1の基板12を所定の位置に置く第1のポジショナ404と、第2の基板14を所定の位置に置く第2のポジショナ406と、固定具402に関する第1の基板12の位置を固定する補助装置と、を備え、第2の基板14が第1の基板12上に配置され、第1の基板12および第2の基板14の間に液体接着剤16が分布されて自然に配置される。少なくとも1つの画像キャプチャデバイス508は、第2の基板14に関する第1の基板12の位置を取得するために使用される。モジュールは、第2の基板14に関する第1の基板12の位置に従って、位置調整プロセスを実行するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層板の積層方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光電子製品の製造プロセスは、通常、2つの基板を積層する接着剤を使用する。例えば、液晶表示の製造ステップでは、配列基板とカラーフィルタ基板の間の隙間を密閉する接着剤を利用する。携帯電話の製造ステップでは、タッチパネルとスクリーンを積層する接着剤を利用する。
【0003】
図1Aおよび図1Bは、従来の2つの基板の積層方法および装置を説明し、図1Aは上面図を示し、図1Bは側面図を示す。図1Aおよび1Bに示すように、積層装置10は、4つの下方ロケータ(locator)101と、4つの上方ロケータ(locator)102と、を含む。
【0004】
積層方法は、(1)4つの下方ロケータ(locator)101によって定められる領域内に下方基板12を配置するステップ、(2)上方基板14の表面上に液体接着剤16をコーティングするステップ、(3)下方基板12上であってかつ4つの上方ロケータ(locator)102によって定められる領域内に上方基板14を配置し、液体接着剤16がコーティングされた表面が下方基板12に面するステップ、(4)液体接着剤16が2つの基板12/14の間に十分に分布された後に、液体接着剤16を硬化して固体化させるステップと、を含む。
【0005】
上記の積層方法および装置は、ロケータ(locator)101/102を単に利用して2つの基板12/14を所定の位置に置くものであるため、位置合わせ精度が満たされない。
【0006】
図2A〜図2Cは、他の従来の2つの基板の積層方法および装置を説明する。図2Aを参照すると、積層装置20は、下方部分202および上方部分204を含む。下方部分202は、透明材料で作られて、軸206を通して上方部分204に接続する。さらに、x軸調整器208、y軸調整器210、θ軸調整器212、および電荷結合素子(CCD)カメラセット214が、上方部分204の上方に配置され、他のCCDカメラセット216が、下方部分202の上方に配置される。
【0007】
さらに、上述した装置20に基づき、積層方法は、図2A〜図2Cに従う以下の3つの主なステップを含む。図2Aを参照して、第1の主なステップは以下の4つのサブステップに分割される。(1)軸206を駆動して上方部分204および下方部分202を同じ高さに平行に並べるステップ。(2)下方基板12および上方基板14を、下方部分202および上方部分204にそれぞれ配置するステップ。(3)下方基板12および上方基板14の座標を、CCDカメラセット216およびCCDカメラセット214によってそれぞれ記録するステップ。(4)x軸調整器208、y軸調整器210、およびθ軸調整器212を用いて、上方基板14の位置を調整するステップ。
【0008】
次に、図2Bを参照して、第2の主なステップは以下の3つのサブステップに分割される。(1)上方基板14または下方基板12の表面上に液体接着剤16をコーティングするステップ。(2)軸206を駆動して下方部分202上に上方部分204を積み重ねるステップ。(3)2つの基板12/14の間に液体接着剤16が十分に分布されるように、力を及ぼして上方基板14を下方基板12に押し付けるステップ。次に、図2Cを参照して、第3の主なステップでは、光源18を使用して、液体接着剤16を凝固(硬化)させる。
【0009】
図2A〜2Cの積層方法および装置は、2つの基板の間の接着剤16を硬化させた後に、接着剤16に応力が残るというデメリットがあり、従って、最終製品の品質に影響を及ぼす。
【0010】
図3A〜図3Cは、他の従来の2つの基板の積層方法および装置を説明し、これは、図2A〜2Cの変更である。図3Aを参照すると、積層装置30は、下方部分302と、軸306を通して下方部分302に接続する上方部分304と、を含む。さらに、x軸調整器308、y軸調整器310、θ軸調整器312、およびCCDカメラセット314が、上方部分304の上方に配置される。2つのホール318が、上方部分304、x軸調整器308、y軸調整器310、およびθ軸調整器312を通過する。他のCCDカメラセット316が、下方部分302の上方に配置される。
【0011】
さらに、上述した積層装置30に基づいて、積層方法は、図3A〜図3Cに従う以下の3つの主なステップを含む。図3Aを参照して、第1の主なステップは以下の4つのサブステップに分割される。(1)軸306を駆動して上方部分304および下方部分302を同じ高さに平行に並べるステップ。(2)下方基板12および上方基板14を、下方部分302および上方部分304にそれぞれ配置するステップ。(3)下方基板12および上方基板14の座標を、CCDカメラセット316およびCCDカメラセット314によってそれぞれ記録するステップ。(4)x軸調整器308、y軸調整器310、およびθ軸調整器312を用いて、上方基板14の位置を調整するステップ。
【0012】
次に、図3Bを参照して、第2の主なステップは以下の4つのサブステップに分割される。(1)上方基板14または下方基板12の表面上に液体接着剤16をコーティングするステップ。(2)軸306を駆動して下方部分302上に上方部分304を積み重ねるステップ。(3)2つの基板12/14の間に液体接着剤16が十分に分布されるように、力を及ぼして上方基板14を下方基板12に押し付けるステップ。(4)(スポット光源のような)2つの局所硬化ツール320を使用してホール318を通過することで、液体接着剤16を局所的に硬化させ、これによって、液体接着剤16を硬化させるステップ。
【0013】
次に、図3Cを参照して、第3の主なステップは、以下の2つのサブステップに分割される。(1)軸306を駆動して上方部分304および下方部分302を同じ高さに平行に配置するステップ。(2)光源18によって液体接着剤16を完全に硬化させるステップ。
【0014】
図3A〜3Cの積層方法及び装置は、以下の3つのデメリットを有する。第1に、接着剤を硬化させた後に2つの基板の間に応力が残る。第2に、局所的に完全な硬化は、硬化された液体接着剤が一様にならないことになり、これにより、不良な外観や乏しい信頼性に悩まされることになる。第3に、このような局所的な硬化では、ポジショナ(positioner)またはロケータ(locator)を用いずに基板を所定の位置に置くため、その結果、基板の位置が変化するかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】台湾特許出願公開第200422694号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従来技術の欠点を克服するために、2つの基板の新しい積層方法および積層装置を提供する必要性が生じる。すなわち、応力の問題、位置の不正確、位置の変化に対する解決を提供し、これにより、製品の歩留まりおよび信頼性を向上させることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、上述した問題を考慮してなされたものであり、応力の問題、位置の不正確、位置の変化を含む従来技術が有する欠点を克服し、これにより、製品の歩留まりおよび信頼性を向上させる、2つの基板の新しい積層方法および積層装置を提供することである。
【0018】
本発明の1つの実施の形態は、固定具と、少なくとも1つの画像キャプチャデバイスと、位置調整プロセスを実行するモジュールと、を備える、2つの基板の積層装置を提供する。固定具は、第1の基板を所定の位置に置く第1のポジショナと、第2の基板を所定の位置に置く第2のポジショナと、固定具に関する第1の基板の位置を固定する補助装置と、を備え、第2の基板が第1の基板上に配置され、第1の基板および第2の基板の間に液体接着剤が分布されて自然に配置される。少なくとも1つの画像キャプチャデバイスは、第2の基板に関する第1の基板の位置を取得するために使用される。モジュールは、第2の基板に関する第1の基板の位置に従って、2つの基板の位置を位置調整する位置調整プロセスを実行するために使用される。
【0019】
本発明の1つの実施の形態は、第1の基板を固定具上に固定するステップと、第2の基板または第1の基板の表面上に液体接着剤をコーティングするステップと、第2の基板を第1の基板上に配置して、任意の外部の力を及ぼすことなしに、液体接着剤を2つの基板の間に自然に分布させるステップと、第2の基板の位置を固定するステップと、第2の基板に関する第1の基板の位置を取得するステップと、第2の基板に関する第1の基板の位置に従って、2つの基板の位置を位置調整するステップと、を備える、2つの基板の積層方法を提供する。
【0020】
本発明の1つの実施の形態は、第1の基板を固定具上に固定するステップと、固定具に関する第1の基板の位置を取得するステップと、第2の基板または第1の基板の表面上に液体接着剤をコーティングするステップと、第2の基板を第1の基板上に配置して、任意の外部の力を及ぼすことなしに、液体接着剤を2つの基板の間に自然に分布させるステップと、第2の基板の位置を固定するステップと、固定具に関する第2の基板の位置を取得するステップと、第2の基板に関する第1の基板の位置に従って、2つの基板の位置を位置調整するステップと、を備える、2つの基板の積層方法を提供する。
【0021】
本発明の2つの基板の積層方法および装置は、2つの基板の間に液体接着剤を自然に、応力の残留していない方法で分布させる。それによって、液体接着剤に残る応力に起因する不正確の問題を克服することができる。さらに、本発明の位置調整デバイスは、基板の位置をすぐに補正して、位置調整プロセスの間、硬化プロセスを実行することができる。それによって、位置調整の精度が向上されて、製品の歩留まりと信頼性もまた向上することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、製品の歩留まりおよび信頼性を向上させる、2つの基板の新しい積層方法および積層装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】2つの基板の従来の積層方法および装置を説明し、上面図を示す。
【図1B】2つの基板の従来の積層方法および装置を説明し、は側面図を示す。
【図2A】他の2つの基板の従来の積層方法および装置を説明する。
【図2B】他の2つの基板の従来の積層方法および装置を説明する。
【図2C】他の2つの基板の従来の積層方法および装置を説明する。
【図3A】他の2つの基板の従来の積層方法および装置を説明する。
【図3B】他の2つの基板の従来の積層方法および装置を説明する。
【図3C】他の2つの基板の従来の積層方法および装置を説明する。
【図4A】固定具および上方基板の側面図を示す。
【図4B】固定具および上方基板の上面図を示す。
【図5】位置調整デバイスの少なくとも1つの画像キャプチャデバイスが、固定具に関する下方基板の位置を得るために使用されることを示す。
【図6A】液体接着剤がコーティングされた上方基板が、下方基板上に配置されることを示す。
【図6B】上方基板および下方基板の間に液体接着剤を自然に分布させることを示す。
【図7】位置調整デバイスの少なくとも1つの画像キャプチャデバイスが、固定具に関する上方基板の位置を得るために使用されることを示す。
【図8】位置調整プロセスの補正方向を示す。
【図9】デバイスが用いられて液体接着剤を硬化させることを示す。
【図10】本発明の実施の形態に従う、2つの基板の積層方法のフローチャートを示す。
【図11】本発明の他の実施の形態に従う、2つの基板の積層方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の具体的な実施の形態について詳細に説明する。実施の形態の例は、図を参照して説明される。本発明は具体的な実施の形態と併せて説明されるが、実施の形態に本発明を限定しようとするものでないことが理解される。一方で、添付の請求の範囲によって定義されるように、本発明の精神および範囲に含まれるように、代替手段、変更、および同等物を覆うものである。以下の説明では、本発明の通じる理解を提供するために、多数の具体的な説明が記載される。本発明は、これらの具体例のいくつかまたは全てを用いることなしに、実施されてもよい。別の例では、本発明を不必要に分かりにくくしないために、公知のプロセス操作およびコンポーネントは詳細に説明されない。図面は詳細に説明されるが、開示されたコンポーネントの要素は、コンポーネントの要素の数量を明示的に制限する場合を除いて、開示された数量よりも多くするかまたは少なくしてもよい。
【0025】
本発明の好適な実施の形態に従って、2つの基板の積層方法および装置が以下に説明される。この好適な実施の形態において、積層装置は、位置調整デバイスおよび積層デバイスを備える。位置調整デバイスは、2つの基板の位置を調整するために使用される。積層デバイスは、2つの基板を結合するために使用される。当業者は、2つの上述したデバイスおよびその機能が、単に1つのデバイスとして結合されるものとしてもよいことを理解する。
【0026】
図4A〜図9は、本発明の好適な実施の形態に従う、2つの基板の積層方法および装置を説明する。まず、ロボットアーム(不図示)が下方基板12を選び、図4Aおよび4Bに示されるように、下方基板12を固定具402上に配置する。図4Aおよび4Bは、固定具402のそれぞれ側面図および上面図である。少なくとも1つの第1のポジショナ404および少なくとも1つの第2のポジショナ406が、固定具402上に配置される。
【0027】
本明細書中において、a、anなどの用語の使用は、数量を限定するものではなく、参照された要素の少なくとも1つの存在を意味することを言及する。
【0028】
さらに、固定具402は、固定具402に関する下方基板12の位置を固定する、補助装置(不図示)を更に含む。補助装置の構造は限定されない。例えば、本実施の形態では、補助装置は、コンジット(conduit)408を備えている。コンジット(conduit)408は、例えば吸引ポンプ(不図示)のような吸引デバイスに接続される。他の実施の形態では、補助装置は、下方基板12を固定具402に一時的に接着する低粘性の接着剤(不図示)であってもよい。他の実施の形態では、補助装置はラッチ、クランプ、止め金などのような構造を備えて、固定具402に関する下方基板12の位置を固定するようにしてもよい。
【0029】
図4Aおよび4Bを再び参照すると、下方基板12の配置がおおよそ位置調整されるように、第1のポジショナ404によって定められる領域において下方基板12が配置される。同時に、吸引デバイスから発生する引力が、コンジット(conduit)408を通して、固定具402に関する下方基板12の位置を固定する。さらに、下方基板12は下方ターゲット122を含み、固定具402は固定ターゲット310を含み、これらターゲットの機能は後述される。
【0030】
次に、図5を参照すると、固定具402が位置調整デバイス50へと移動される。位置調整デバイス50は、x軸調整器504と、y軸調整器502と、θ軸調整器506と、少なくとも1つの画像キャプチャデバイス508(好ましくはカメラセット508)と、を備えている。x軸調整器504と、y軸調整器502と、θ軸調整器506と、カメラセット508と、を位置調整モジュールとして扱うことができる。カメラセット508の各カメラは、電荷結合素子(CCD)のような画像センサを含み、物体の画像を記録する。この時、カメラセット508のカメラは個別に移動されて、固定ターゲット410および下方ターゲット122の座標を記録し、これによって、下方基板12に対しての固定具402の位置を得る。
【0031】
コンジット(conduit)408を通しての引力は、下方基板12に対しての固定具402の位置が変更されないように、全ての移動プロセスの間、維持されることを言及する。さらに、図4Aおよび図4Bにおいて説明されたおおよその配置プロセスは、本発明の他の実施の形態に従って、図5に示された位置調整デバイス50において実行することができる。
【0032】
次に、図6Aを参照すると、固定具402は結合デバイス(不図示)へと移動される。コンジット(conduit)408を通しての引力は、下方基板12に対しての固定具402の位置が変更されないように、移動プロセスの間、維持される。この時、上方基板14の表面に液体接着剤16がコーティングされて、次に、ロボットアーム(不図示)が上方基板14を選んで、第2のポジショナ406によって定められる位置上に上方基板14を配置し、液体接着剤16がコーティングされた表面が下方基板12に面する。その後、図6Bに示されるように、任意の外部の力を及ぼすことなしに、2つの基板12/14の間に液体接着剤16が自然に分布される。
【0033】
さらに、本発明の他の実施の形態では、図6Aおよび図6Bにおいて説明された上述したおおよその結合プロセスが、結合デバイスよりも位置調整デバイス50において実行できることに言及する。さらに、液体接着剤16は、下方基板14に代えて下方基板12の上側の表面上にコーティングされてもよい。
【0034】
次に、図7を参照すると、固定具402は位置調整デバイス50へと再び移動される。コンジット(conduit)408を通しての吸引力は、下方基板12に対しての固定具402の位置が変更されないように、移動プロセスの間、維持される。この時、ロボットアーム510が使用されて、上方基板14の位置を保持し、カメラセット508のカメラが個別に移動されて上方基板14の上方ターゲット142および固定ターゲット410を記録し、これにより、上方基板14に関する固定具402の位置を得る。
【0035】
図5および図7において説明されたステップの後、固定具402に対しての下方基板12の位置と、固定具402に対しての上方基板14の位置と、の両方が得られる。そして、これらの得られた位置が使用されて、上方基板14に対しての下方基板12の位置が計算される。そして、これらの計算される位置が使用されて、2つの基板12/14が正しい位置に調整されて、実質的に2つの基板12/14のうちの1つだけが、調整が必要とされる。本実施の形態では、図8に示されるように、x、y、およびθ方向におけるその変位をそれぞれ調整する、x軸調整器504、y軸調整器502、θ軸調整器506を使用することで、下方基板12の位置を選択的に調整する。
【0036】
次に、図9を参照すると、2つの基板12/14の位置が調整された後、デバイス512(好ましくは硬化デバイス512)がさらに使用されて、液体接着剤16を硬化させる。硬化デバイス512は、液体接着剤16の使用される種類に応じて、様々な種類であってよい。例えば、液体接着剤16が、紫外線硬化接着剤のような光硬化接着剤である場合、硬化デバイス512は可視光源である。液体接着剤16が湿気硬化性接着剤である場合、硬化デバイス512は湿気生成装置である。また、硬化デバイス512は、加熱装置でもよい。
【0037】
上述した積層装置についての変更がなされる。固定具402の第1のポジショナ404および第2のポジショナ406の形状、サイズ、数量が設計されて、この積層装置によって積層される、任意の他の2つの基板に適合するようにしてもよい。積層の間、2つの基板の順序は変更されてもよい、例えば、上方基板14は下方基板12の下側に配置される。
【0038】
上述した積層方法は、図10に示されるフローチャートとして要約されてもよい。ステップ602では、第1の基板が固定具の上に固定される。ステップ604では、固定具に関する第1の基板の位置が取得される。ステップ606では、第2の基板または第1の基板の表面上に液体接着剤がコーティングされる。
【0039】
ステップ608では、第1の基板上に第2の基板が配置されて、任意の外部の力を及ぼすことなしに、液体接着剤を2つの基板の間に自然に分布させる。ステップ610では、第2の基板の位置が固定され、例えば、ロボットアームによって固定される。ステップ612では、固定具に関する第2の基板の位置が取得される。この情報と、既に取得された固定具に対しての第1の基板の位置と、が使用されて、第2の基板に関する第1の基板の位置を計算する。ステップ614では、第2の基板に関する第1の基板の位置に従って、2つの基板に対する位置調整プロセスが実行される。ステップ616では、液体接着剤が硬化される。
【0040】
図10において示される方法は、第1の基板(例えば、下方基板)のサイズが第2の基板(例えば、上方基板)のサイズよりも小さく、かつ、第2の基板が不透明である場合に適している。第2の基板は不透明であるため、カメラセット508が第1の基板のターゲットの座標を得ることを遮蔽する。従って、ステップ604およびステップ612の両方が必要とされて、第2の基板に関する第1の基板の位置を取得する。
【0041】
上記のケースとは対照的に、第1の基板のサイズが第2の基板のサイズよりも大きい、または、第2の基板が透明である場合、ステップ604およびステップ612は、ただ1つのステップに結合することができる。このケースが、図11において示されるフローチャートに示される。
【0042】
ステップ702では、第1の基板が固定具の上に固定される。ステップ704では、第2の基板または第1の基板の表面上に液体接着剤がコーティングされる。ステップ706では、第1の基板上に第2の基板が配置されて、任意の外部の力を及ぼすことなしに、液体接着剤を2つの基板の間に自然に分布させる。ステップ610では、第2の基板の位置が固定され、例えば、ロボットアームによって固定される。ステップ708では、第2の基板の位置が固定され、例えば、ロボットアームによって固定される。
【0043】
ステップ710では、少なくとも1つの画像キャプチャデバイス(好ましくはカメラセット)が、第1および第2の基板のターゲットの座標を記録し、これによって、第2の基板に関する第1の基板の位置が取得される。ステップ712では、第2の基板に関する第1の基板の位置に従って、2つの基板に対する位置調整プロセスが実行される。ステップ714では、液体接着剤が硬化される。図11において列挙された方法は、第2の基板に対しての第1の基板の位置が、2つのステップ(ステップ604、612)ではなく、同一のステップ710において取得される点が、図10とは異なる。
【0044】
従って、本発明によって提供される2つの基板の積層方法および装置は、2つの基板の間に液体接着剤を自然に、応力の残留していない方法で分布させる。それによって、液体接着剤に残る応力に起因する不正確の問題を克服することができる。さらに、本発明の位置調整デバイスは、基板の位置をすぐに補正して、位置調整プロセスの間、硬化プロセスを実行することができる。それによって、位置調整の精度が向上されて、製品の歩留まりと信頼性もまた向上することができる。
【0045】
具体的な実施の形態を説明したが、本発明の範囲を離れることなく、当業者によって様々な変更がなされ、添付の請求の範囲による精神を限定するものではない。
【符号の説明】
【0046】
10 積層装置、
12 下方基板、
122 下方ターゲット、
14 上方基板、
142 上方ターゲット、
16 液体接着剤、
18 光源、
20 積層装置、
101 下方ロケータ(locator)、
102 上方ロケータ(locator)、
202 下方部分、
204 上方部分、
206 軸、
208 x軸調整器、
210 y軸調整器、
212 θ軸調整器、
214 CCDカメラセット、
216 CCDカメラセット、
30 積層装置、
302 下方部分、
304 上方部分、
306 軸、
308 x軸調整器、
310 y軸調整器、
312 θ軸調整器、
314 CCDカメラセット、
316 CCDカメラセット、
318 ホール、
320 局所硬化ツール、
402 固定具、
404 第1のポジショナ、
406 第2のポジショナ、
408 コンジット(conduit)、
410 固定ターゲット、
50 位置調整デバイス、
502 y軸調整器、
504 x軸調整器、
505 θ軸調整器、
508 カメラセット(画像キャプチャデバイス)、
510 ロボットアーム、
512 硬化デバイス、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板および第2の基板を所定の位置に置く固定具と、
前記第2の基板に関する前記第1の基板の位置を取得する少なくとも1つの画像キャプチャデバイスと、
前記第2の基板に関する前記第1の基板の位置に従って、前記第1および第2の基板の位置を位置調整する位置調整プロセスを実行するモジュールと、を備え、
前記固定具は、
前記固定具に関する前記第1の基板の位置を固定する補助装置を備え、
前記第1の基板上に前記第2の基板が配置され、前記第1の基板および前記第2の基板の間に液体接着剤が配置されて自然に分布される、
多層板の積層装置。
【請求項2】
前記位置調整プロセスを実行する前記モジュールは、
x軸調整器、y軸調整器、θ軸調整器を備え、
前記位置調整の前記モジュールは前記位置調整プロセスを実行して、x、y、およびθ方向における前記第1の基板の位置をそれぞれ補正する、
請求項1に記載の多層板の積層装置。
【請求項3】
前記位置調整プロセスが実行された後に液体接着剤を硬化させるデバイスをさらに備える、
請求項1または2に記載の多層板の積層装置。
【請求項4】
前記液体接着剤を硬化させる前記デバイスは、可視光源、加熱装置、または湿気生成装置である、
請求項3に記載の多層板の積層装置。
【請求項5】
前記補助装置は、
吸引デバイスに接続されるコンジットを備え、
前記コンジットは、
前記コンジットにおいて引力が与えられて、前記固定具に関する前記第1の基板の位置を固定する、
請求項1〜4いずれか1項に記載の多層板の積層装置。
【請求項6】
前記補助装置は、前記固定具に関する前記第1の基板の位置を一時的に固定する低粘性の液体接着剤を備える、
請求項1〜4いずれか1項に記載の多層板の積層装置。
【請求項7】
前記補助装置は、ラッチ、クランプ、または止め金を備えて、前記固定具に関する前記第1の基板の位置を固定する、
請求項1〜4いずれか1項に記載の多層板の積層装置。
【請求項8】
前記固定具は、
前記第1の基板を所定の位置に置くように構成されている第1のポジショナと、
前記第2の基板を所定の位置に置くように構成されている第2のポジショナと、を備える、
請求項1〜7いずれか1項に記載の多層板の積層装置。
【請求項9】
第1の基板を固定具上に固定するステップと、
第2の基板を前記第1の基板上に配置し、前記第1および第2の基板の間に液体接着剤を配置して、任意の外部の力を及ぼすことなしに自然に分布させるステップと、
前記第2の基板の位置を固定するステップと、
前記第2の基板に関する前記第1の基板の位置を取得するステップと、
前記第2の基板に関する前記第1の基板の位置に従って、前記第1および第2の基板の位置を位置調整するステップと、を備える、
多層板の積層方法。
【請求項10】
前記第2の基板に関する前記第1の基板の位置が、前記第1の基板および前記第2の基板の座標を記録することによって取得される、
請求項9に記載の多層板の積層方法。
【請求項11】
第1の基板を固定具上に固定するステップと、
前記固定具に関する前記第1の基板の位置を取得するステップと、
第2の基板を前記第1の基板上に配置し、前記第1および第2の基板の間に液体接着剤を配置して、任意の外部の力を及ぼすことなしに自然に分布させるステップと、
前記第2の基板の位置を固定するステップと、
前記固定具に関する前記第2の基板の位置を取得するステップと、
前記第2の基板に関する前記第1の基板の位置に従って、前記第1および第2の基板の位置を位置調整するステップと、を備える、
多層板の積層方法。
【請求項12】
前記第2の基板に関する前記第1の基板の位置が、前記固定具に関する前記第1の基板の位置と、前記固定具に関する前記第2の基板の位置と、によって取得される、
請求項11に記載の多層板の積層方法。
【請求項13】
前記位置調整するステップでは、x、y、およびθ方向における前記第1の基板の位置の変位を補正する、
請求項9〜12いずれか1項に記載の多層板の積層方法。
【請求項14】
前記第1の基板および前記第2の基板の位置が位置調整された後に、前記液体接着剤を硬化させるステップをさらに備える、
請求項9〜13いずれか1項に記載の多層板の積層方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−246475(P2012−246475A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−90074(P2012−90074)
【出願日】平成24年4月11日(2012.4.11)
【出願人】(509205375)宸鴻科技(廈門)有限公司 (17)
【Fターム(参考)】