説明

多様なアクセスネットワーク網が重なっている移動通信システムにおける音声及びデータサービスの提供方法及び装置

本発明は、回線網とパケット網間の連動サービスのためのヘテロジーニアスサービス移動交換機を具備し、多様なアクセス網が重なった移動通信システムで、移動端末を通じてユーザに音声及びデータサービスをシームレスに提供するための装置及び方法を提供する。移動端末が任意の網に接続された状態でサービス要請を受信及び/または前記接続された網から移動する場合、音声及びデータサービスを受信するための最適のアクセス網を選択し、選択されたアクセス網に転換する過程と、転換されたアクセス網に登録を要請する過程と、転換されたアクセス網に登録が完了すれば、前記パケットデータを着信する過程と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムで音声及びデータサービスを提供する方法及び装置に関し、特に、多様なアクセス網が重なっているネットワーク環境で統合された音声及びデータサービスを提供する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムは、回線網を通じた音声サービス中心の第1及び第2世代から第3世代のディジタル移動通信システムであるIMT(International Mobile Telecommunications)-2000システムへ発展してきた。このようなIMT-2000システムは、以前の第1世代及び第2世代移動通信システムとは異なり、加入者が広範囲の移動通信環境で無線インターネットに接続可能なパケットデータサービスを提供し、IMT-2000システムであるCDMA2000 1Xの場合、無線アクセス網を経てIP網に接続するユーザは、最大153.6Kbpsまでのデータサービスを受信することができ、1xEV-DOの場合、約2.4Mbpsまでのデータサービスを受信することができる。しかしながら、移動通信網で高速のパケットデータサービスを支援するには限界がある。
【0003】
最近では、上記のような移動通信環境の進化と並行して、IEEE 802.11x基盤の無線LAN(Wireless LAN)やHiperLAN/2(High Performance Local Area Network Version 2)、ブルチュース(Bluetooth)などのような多様な無線アクセス技術が登場している。このような技術がセルラー移動通信システムと等しいレベルの移動性を保障しなくても、公共場所や学校などを含むホットスポット(hot spot)地域やホームネットワーク環境でケーブルモデム、またはxDSL(X Digital Subscriber Line)のような固定網に代えながら、高速のデータサービスを提供するための代案として提示された。例えば、IEEE 802.11b標準に従う無線LANでは、2.4GHz ISM帯域で約11Mbpsの伝送速度を提供し、IEEE 802.11a標準に従う無線LANの場合は、5GHz帯域で最大54Mbpsの速度を提供するだけでなく、低廉な構築コストで高速の無線データサービスを提供することができる。
【0004】
このような無線アクセス技術は、伝送速度は速いが、無線LANに高速のデータサービスを提供する場合、非常に制限された移動性と狭いサービス領域だけでなく、電波干渉などにより公衆網サービスを提供するのに限界がある。このような限界を克服するための努力として、セルラー移動通信システムと無線LANの長短所を補完した形態の無線MAN(Wireless Metropolitan Area Network)技術に発展している。このような無線MAN技術の一例として、2.3GHz帯域の携帯インターネット(HPi)システムは、多様な形態の移動端末機を用いて室内外の静止(stationary)環境、歩行速度、中/低速(60Km/h内外)の移動環境で、セル当たり50Mbpsの歩留まりを提供することができる。また、この携帯インターネット(HPi)システムは、無線チャンネル状態に応じて広範囲の伝送速度を支援する。
【0005】
しかしながら、無線環境で多様な伝送速度及び移動性を提供するアクセス技術が活性化(active)されると、相異なる技術等の長短所を相互補完し、かつユーザの多様な欲求を満すことができるサービスを提供する必要がある。その上、このようなサービスを提供するために、最適のアクセス網を通じてサービス網に接続するユーザに音声及びデータサービスをシームレスに(seamlessly)提供する必要がある。
【0006】
最近、急速な通信技術の発展とユーザの要請によって、回線網とパケット網が分離された形態で提供されていた音声サービスとデータサービスをインターネットを通じたマルチメディアサービスに総合するための努力が進行している。これに対する一例としては、インターネットを通じて音声を伝達するためのVoIP(Voice Over Internet Protocol)技術を挙げることができ、最近にはITU-T及びIETFなどを中心に標準化が進行され、多様な技術が紹介された。また、このような傾向にあわせて、3GPP(3rd Generation Partnership Project )と3GPP2を含む次世代移動通信標準化団体は、IP網で統合されたネットワーク構造を定義し、移動通信加入者にインターネットマルチメディアサービスを提供できる技術に対する標準化を進行している。しかしながら、今のところは、IP網で提供されている音声サービスに対するQoS(quality-of-service)を保障することができないだけでなく、既存公衆電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)で提供してきたレベル以上の品質を期待するのが難しい。特に、無線環境でVoIPサービスを提供するとき、ユーザに広域の移動性を提供しながら、安定した通話品質を確保するためには、相当な努力とコストが必要となる。したがって、VoIP(Voice Internet Protocol)技術が高度化され、インターネットを通じた音声サービスがアクティブされても、既存のPSTNを通じた音声サービスからの漸進的な進化が予想され、ALL IP網に対する標準が完了した以後にも、PSTNを通じた音声サービスが持続するので、回線網とパケット網間の連動機能が必要になった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、多様なアクセス網を通じて通信する移動端末に音声及びデータサービスをシームレスに提供するための方法及び装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、移動端末に対する位置管理及びサービス伝達を遂行するために、多様なアクセス網に接続する移動端末に音声及びデータサービスをシームレスに提供するための装置及び方法を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、回線網とパケット網を連動させて、多様なアクセス網に接続する移動端末に音声及びデータサービスをシームレスに提供するための装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、回線網とパケット網間の連動サービスのためのヘテロジーニアスサービス移動交換機を具備し、多様なアクセス網が重なった移動通信システムで、移動端末を通じてユーザに音声及びデータサービスをシームレスに提供するための方法であって、前記移動端末が任意の網に接続された状態でサービス要請を受信及び/または前記接続された網から移動する場合、前記音声及びデータサービスを受信するための最適のアクセス網を選択し、選択されたアクセス網に転換する過程と、前記転換されたアクセス網に登録を要請する過程と、前記転換されたアクセス網に登録が完了すれば、前記パケットデータを着信する過程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、上記の目的を達成するために、本発明は、回線網とパケット網間の連動サービスのためのヘテロジーニアスサービス移動交換機を具備し、複数のアクセス網が重なった移動通信システムで、移動端末を通じてユーザに音声及びデータサービスをシームレスに提供するための方法であって、前記移動端末がパケット網に接続された状態で音声呼を着信した場合、前記パケットサービス移動交換機に音声呼を着信したことを通報する過程と、前記音声呼着信の通報を受信した前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機が回線網への転換を要請する過程と、前記転換要請を受信した移動端末が回線網に遷移し、新しい位置を登録する過程と、新しい位置登録が完了すれば、前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機が前記移動端末と音声着信号を設定する過程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
さらに、上記の目的を達成するために、本発明は、回線網とパケット網間の連動サービスのためのヘテロジーニアスサービス移動交換機を具備し、複数のアクセス網が重なった移動通信システムで、移動端末を通じてユーザに音声及びデータサービスをシームレスに提供するための方法であって、前記回線網のページングチャンネルのみを監視し、パケット呼を着信した場合、前記移動端末が前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機にパケット呼の着信を通報する過程と、前記パケット呼着信の通報を受信した前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機がパケット網に転換を要請する過程と、前記転換要請を受信した移動端末がパケット網に遷移し、新しい位置を登録する過程と、前記新しい位置登録が完了すれば、前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機が前記移動端末とパケット着信号を設定する過程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
さらに、上記の目的を達成するために、本発明は、回線網とパケット網間の連動サービスのためのヘテロジーニアスサービス移動交換機を具備し、複数のアクセス網が重なった移動通信システムで、移動端末を通じてユーザに音声及びデータサービスをシームレスに提供する方法であって、前記パケット網のドーマントセッションを維持する移動端末が前記回線網のページングチャンネルのみを監視する場合、前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機がインターネットプロトコルパケットデータサービス要請を受信して前記パケット網に再転換を要請する過程と、前記パケット網への再転換要請を受信することによって前記移動端末が前記パケット網への再転換を決定する過程と、前記移動端末が前記パケット網の状態を活性状態に遷移し、登録メッセージを前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機に伝達する過程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
さらに、上記の目的を達成するために、本発明は、複数のアクセス網が重なった移動通信システムで、回線網とパケット網を連動し、移動端末を通じてユーザに音声及びデータサービスをシームレスに提供するための装置であって、前記移動端末から要請された位置登録を通じて前記移動端末の接続状態を管理し、前記回線網とパケット網間の連動サービスのためにプロトコルを変換するヘテロジーニアスサービス移動交換機と、前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機と接続し、回線網に接続した移動端末の音声呼及びデータ呼着信に関連したサービスプロファイルを保存し、前記移動端末が前記複数のアクセス網を連動できる移動端末であるかを判断する加入者位置登録器と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明はヘテロジーニアスネットワーク環境でHSMGを追加することによって、回線網とパケット網間の連動が可能であり、ハイブリッドオペレーションによって動作する移動端末が一定時間の間一つの網だけを監視してもユーザにシームレスに音声及びパケットサービスを提供できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な一実施形態について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。下記の説明において、本発明の要旨のみを明確にする目的で、関連した公知機能又は構成に関する具体的な説明は省略する。
【0017】
本発明は、CDMA2000 1X(Code Division Multiple Access 2000 1X)及び1xEV-DO(First Evolution-Data Only)、UMTS/GPRS(Universal Mobile Telecommunications System/General Packet Radio Service)のようなセルラー移動通信システムと、無線LAN/MAN (Wireless Local Area Network/Metropolitan Area Network)、HiperLAN/2(High Performance Local Area Network version 2)などの多様な無線アクセス網が重なっている地域で、移動端末が任意のアクセス網に接続することができる通信環境であるヘテロジーニアス(Heterogeneous)ネットワークを例に挙げて説明する。本発明のネットワーク構造は、既存の移動通信システムと無線LAN/MANで定義された網の構成要素(MSC、VLR、HLR、PDSN、APなど)に、新たにヘテロジーニアス(またはパケット)サービス移動交換機(Heterogeneous(or Packet)Service & Mobility Gateway:以下、“HSMG”と称じる。)を追加して回線網とパケット網を連動させる。
【0018】
図1は、本発明の実施形態によるヘテロジーニアスネットワークの構造を示す図である。ここで、パケットデータサービスノード(Packet Data Service Node:以下、“PDSN”と称じる。)は、CDMA2000 1X(1XRAN)及び1xEV-DO網の基地局に連動され、アクセスルータ(Access Router:以下、“AR”と 称じる。)は、無線LAN/MAN網の基地局に連動されるが、同一の機能を遂行するので、図4では“PDSN/AR”と併記した。以下、説明の便宜上、同一の参照符号を使用してもそれぞれ連動する網に応じてパケットデータサービスノードとアクセスルータを区分して説明する。
【0019】
ヘテロジーニアスネットワークは、既存の多様なアクセス網、例えばCDMA2000 1X(1XRAN)140、1xEV-DO150及び無線LAN/MAN網160と、前記多様なアクセス網を通じてサービス網に接続するユーザに回線網とパケット網との間の連動サービスを提供するためのHSMG110とから構成されている。
【0020】
HSMG110は、ユーザのIPネットワーク130とSS7(Signaling System Number 7)ネットワーク140との間に接続されている。すなわち、HSMG110は、IS−41基盤のプロトコルを使用して加入者位置登録器(Home Location Register:以下、“HLR”と称じる。)131に接続され、SIPプロトコル(Session Initiation Protocol):以下、“SIP”と称じる。)を使用してパケットデータサービスノード/アクセスルータ120及びSIPサーバ(図示せず)に接続されている。図1を参照すると、SS7網はIS-41プロトコル基盤の網に対応し、HLR131とゲートウェイMSC(GMSC)132と、からなり、IP網はIP基盤の網に対応し、PDSN/AR120、認証サーバ(AAA)180及びホームエージェント170からなる。
【0021】
そして、HSMG110は、IS−41とSIPとの間のプロトコル変換を遂行し、移動端末(図示せず)からの位置登録過程及びPDSN/AR120からのSIP登録過程を通じてユーザと移動端末の接続状態を管理する。このとき、HSMG110が管理する移動端末の接続状態を“on packet”状態と“on circuit”状態に区分する。また、HSMG110は、多様なアクセス網を通じてIP(Internet Protocol:以下、“IP”と称じる。)ネットワークに接続する加入者に対する位置管理を遂行するために、SIPレジスター機能を遂行し、移動端末の位置登録過程を通じて受信された加入者情報に基づいて、MIN(MS Identification Number)、IPアドレス、NAI(Network Access Identifier)情報などの相互接続関係を管理する。ここで、移動端末は回線網もパケット網も通信が可能であるが、前記CDMA2000 1X(1XRAN)140、1xEV-DO150及び無線LAN/MAN網160のうち、いずれか一つの網のみを監視している状態である。
【0022】
HSMG110と接続した加入者位置登録器131は、サービス網に接続するユーザに対するサービスプロファイルを保存し、サービスプロファイルに基づいて、移動端末及び加入者に対する位置管理、状態管理及び認証機能を遂行することにより、移動性を有するユーザに自動ローミングサービスを提供する。このような一般機能以外に、加入者位置登録器131は、回線網及びパケット網間の連動サービスのために、移動端末のハイブリッド(hybrid operation)、回線網に接続したユーザの音声、及びデータ呼の着信に関連したサービスプロファイルを保存する。そして、移動端末、または公衆電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)(図示せず)が伝達する着信呼を処理するとき、移動端末の種類がヘテロジーニアスネットワークに適用される移動端末(Hybrid Access Terminal:HAT)であることを認識する。ここで、移動端末の種類は加入者情報に含まれて保存される。
【0023】
HSMG110とSIPに接続したパケットデータサービスノード/アクセスルータ120は、ポイントツーポイントプロトコル(Point to Point Protocol、以下、“PPP”と称じる。)接続を通じて移動端末との2階層接続を形成する。そして、IPアドレス割り当て及びIPパケットルーティング、モバイルIPサービスのための周波数(FA)機能、課金及び認証のための認証サーバ(AAA)180との連動、サービス品質(QoS)支援などに関連した機能を遂行する。このような一般機能以外に、パケットデータサービスノード/アクセスルータ120は、回線網とパケット網との間の連動サービスを支援するために、下記のような機能を遂行する。
【0024】
パケットデータサービスノード/アクセスルータ120は、シンプル(Simple)IPサービスに加入したユーザの移動端末がSIP登録過程を遂行すれば、HSMG110にSIP登録メッセージを伝達し、モバイルIPサービスに加入したユーザの移動端末がモバイルIP登録過程を遂行すれば、HSMG110にSIP登録メッセージを伝達する。そして、移動端末がパケットデータサービスノード/アクセスルータ120とのPPP接続を維持しつつ、多様なアクセス網間を移動するごとに、パケットデータサービスノード/アクセスルータ120は、HSMG110へSIP登録メッセージを伝達する。
【0025】
また、パケットデータサービスノード/アクセスルータ120は、“on circuit”状態の移動端末(HAT)へ伝達されるIPパケットを受信すると、移動端末(HAT)がパケットアクセスネットワーク(AN)を通じて接続するまで、IPパケットに対するバッファーリングを遂行し、移動端末からSIP、またはモバイルIP登録、加入者位置登録器131からの通知過程を通じてユーザ及び移動端末の接続状態を管理する。ここで、パケットデータサービスノード/アクセスルータ120が管理する移動端末の接続状態がパケット網と通信する状態であれば、“on packet”とし、回線網と通信する状態であれば、“on circuit”とする。
【0026】
認証サーバ180は、ラジウス(radius)、またはダイアミタ(diameter)のようなプロトコルを使用してパケットデータサービスノード/アクセスルータ120と接続し、移動端末及びユーザに対する認証及び課金情報と加入者情報を送/受信する。そして、認証サーバ180は、移動端末のハイブリッドオペレーションに関連したユーザプロファイルを保存する。このようなネットワーク構成要素以外に、CDMA2000 1X網、1xEVDO網150、無線LAN/MAN網160の内部装置は、一般的な事項であるので、具体的な説明を省略する。また、CDMA2000 1X網140に接続された交換機(MSC/VLR133及びGMSC132)及び無線LAN/MAN網160に接続されたホームエージェント(Home Agent:HA)170に対する説明も、一般的な事項であるので、その具体的な説明を省略する。
【0027】
一方、上述したようなヘテロジーニアスネットワークのインターフェース/プロトコルに対してさらに図1を参照して説明すれば、次のようである。
【0028】
インターフェースA1では交換機(Mobile Switching Center:MSC/VLR)133とCDMA2000 1X網140の基地局内の回線基地局制御機(Base Station Controller:BSC)141との間でシグナル情報を含むメッセージが伝達され、インターフェースA2では、交換機133の交換機能要素と基地局制御機(BSC)141及びパケット制御機能/パケット基地局制御機(Packet Control Function/Packet Base Station controller、PCF/BSC)142のSDU機能要素との間のパルス符号変調(pulse code modulation:PCM)、または64Kbps音声情報が伝達される。
【0029】
インターフェースA10ではパケットデータサービスノード120と1xEV-DO網150のパケット制御部(Packet Control Function:PCF)151との間のユーザトラフィックが伝達され、インターフェースA11ではパケット制御部151とパケットデータサービスノード120との間のシグナル情報が伝達される。
【0030】
HSMG110と加入者位置登録器131との間のIS−41は、CDMA2000 1X網140のセルラーシステムのシステム間連動を支援するシグナルリングプロトコルとして、予め定義された手順によってMSC/VLR133とHLR131との間、またはMSC間に適用されたインターフェースを動作させる。そして、前記IS−41プロトコルは、主要機能として、ユーザ及び移動端末の位置と状態管理機能、自動ローミング支援機能、システム間ハンドオフ支援機能、O&M(Operation and Management)機能などを含む。
【0031】
SIPは、IPネットワークでの呼設定及び制御機能を提供するシグナルリングプロトコルとして、主要機能として、終端間(end to end)マルチメディアセッション設定機能、ユーザ存在(presence)とパーソナル移動性(mobility)機能を含む。
【0032】
パケットデータサービスノード/アクセスルータ120とホームエージェント170との間のモバイルIP(Mobile IP)は、移動端末がIPアドレスを維持したまま、IPネットワークの境界を越えても、上位階層にセッションの連続性を保障できるプロトコルとして、2段階アドレスシステムを適用したトンネルリング機能と位置管理機能を提供する。
【0033】
パケットデータサービスノード/アクセスルータ120、ホームエージェント170と認証サーバ180を接続するRADIUSは、NAS(Network Access Server)と認証サーバとの間、または認証サーバ間で適用されるプロトコルとして、ユーザ及び移動端末に対する認証/権限付与/課金機能を提供する。
【0034】
このような構造を有するヘテロジーニアスネットワークで多様なアクセス網を通じて接続するユーザに音声及びデータサービスをシームレスに伝達するための方法を説明する。このためには、移動端末のハイブリッドオペレーション、サービス網の移動性管理とサービス伝達に関連した動作が必要である。ここで、前記動作はCDMA2000 1X/1xEV-DO以外のセルラー移動通信システムだけでなく、携帯インターネット(HPi)を含む無線MANシステムのような次世代高速無線接続技術まで拡張して適用することができる。先ず、ハイブリッドオペレーション動作に対して図を参照して説明する。
【0035】
図2は、本発明の実施形態によるネットワークでハイブリッドオペレーションの状態遷移を示した図である。図2に示したように、ハイブリッドオペレーション状態遷移動作で発生されるイベントに対する説明は、下記<表1>のようである。
【0036】
【表1】

【0037】
1Xアイドル(idle)状態510は、移動端末(HAT)がCDMA 1Xアクセス網から無線資源を割り当てられない状態として、CDMA 1Xページングチャンネルのみを監視するので、CDMA 1X音声呼またはパケットデータ呼に対するページメッセージをCDMA 1Xページングチャンネルを通じて受信する。この時、ステップ511で、移動端末はCDMA 1Xアクセス網に接続して回線音声呼を発信し、ユーザのサービス要請によりCDMA 1Xパケットデータ呼を生成する。
【0038】
このような状態で、移動端末がCDMA 1Xアクセス網領域から移動したり(OUT_1X)、パケット網への再転換(redirection)要請をCDMA 1Xページングチャンネルを通じて受信したりすれば、移動端末(HAT)は、ステップ512で1xEV-DOアクセス網とWLAN網から最適の網を選択した後、1xEV-DO活性(ACTIVE)530、またはWLAN状態550に遷移し(DIR_DO、DIR_WLAN)、高速パケットデータ呼を設定する(ORG_DO、ORE_WLAN)。
【0039】
ステップ512で、1xEV-DO活性状態530に遷移された場合、移動端末(HAT)は、1xEV-DOアクセス網から無線資源が割り当てられた状態として、1xEV-DOチャンネルを通じて高速データトラフィックとシグナルメッセージを送受信すると、1xEV-DOチャンネルのみを監視する。このような状態で、1xEV-DOアクセス網領域から移動したり(OUT_DO)、再転換(redirection)要請を受信したりすれば、移動端末(HAT)は、ステップ531でCDMA 1X網と無線LAN/MAN網から最適の網を選択した後、1Xアイドル状態510、または無線LAN(WLAN)状態550に遷移する(DIR_1X、DIR_WLAN)。
【0040】
ステップ512で、WLAN状態550に遷移した場合、移動端末は無線LAN/MAN網に接続された状態として、この状態でユーザ設定によって一定の時間以後、1Xアイドル状態510に遷移する。この時、移動端末は無線LAN網以外の他の網を感知しない。このような状態で、無線LAN領域から移動したり(OUT_WLAN)、再転換要請を受信したりすれば、移動端末は、ステップ551で、CDMA 1Xまたは1xEV-DO網から最適の網を選択した後、1Xアイドル状態510、または1xEV-DO活性状態530に遷移する(DIR_1X、DIR_DO)。
【0041】
一方、移動端末が1X活性(ACTIVE)状態520にある場合、移動端末(HAT)はCDMA 1Xシステムから無線資源が割り当てられた状態として、1Xトラフィックチャンネルを通じて音声、またはデータトラフィックだけでなく、シグナルメッセージを送受信する。このような状態で、1Xアクセス網領域から移動すると(OUT_1X)、移動端末(HAT)はステップ521で1xEV-DO活性状態530、またはWLAN状態550に遷移する。ステップ522で、移動端末は音声呼またはパケット呼の終了によって、CDMA 1X網から割り当てられたトラフィックチャンネルを含む無線資源を解除する(REL)。
【0042】
また、移動端末が1xEV-DOアイドル(Idle)状態540にある場合、移動端末(HAT)は1xEV-DOアクセス網から無線資源が割り当てられない状態として、1xEV-DOページングチャンネルのみを監視するので、高速パケットデータに対するページメッセージを1xEV-DOページングチャンネルを通じて受信する。このような状態で、ユーザからサービス要請があれば、移動端末は541ステップで1xEV-DOパケットデータ呼を生成する(ORG_DO)。
【0043】
このような状態で、移動端末がステップ551で1xEV-DOアクセス網領域から移動すると、移動端末はステップ542でユーザ設定によって一定時間後(TMR)、1Xアイドル510状態に遷移する。すなわち、1Xアクセス網と無線LANから最適の網を選択した後、1Xアイドル状態510、またはWLAN状態550に遷移する。ステップ543で、移動端末は音声呼またはパケット呼の終了により、1xEV-DO網から割り当てられたトラフィックチャンネルを含む無線資源を解除する(REL)。また、移動端末が1xEV-DOアイドル状態にあるとき、ステップ544で移動端末はユーザの要請により1X活性状態520にCDMA2000 1X音声呼を発信する。
【0044】
このような状態遷移動作で、回線網サービスを伝達するための再転換(redirection)過程が進行されるとき、移動端末は1Xアイドル状態に遷移しながら、非スロットモード(non-slotted mode)で動作し、1xEV-DOアクセス網、または無線LAN/MAN網に接続した移動端末が再びCDMA 1X網に接続してサービスを受信するのにかかる時間、すなわち、1Xページメッセージに対する処理時間を低減することができる。この時、移動端末が一定時間の間、1Xアクセス網からのページメッセージ受信に失敗すると、スロットモード(slotted mode)で動作する。
【0045】
次に、移動性を管理するための動作を説明すれば、次のようである。
【0046】
現在サービス中であるセルラー移動通信システムで、HLRとVLRは、回線網サービスに加入したユーザに対するサービスプロファイル及び位置情報を管理する。パケットサービスに加入したユーザの場合、認証サーバがユーザに対するサービスプロファイルを管理し、IP移動性が支援可能であるか否かによってシンプルIPサービスとモバイルIPサービスに区分される。
【0047】
ユーザがシンプルIPサービスに加入した場合、アクセス網単位でリンク階層での移動性のみが提供されるので、移動端末がパケットデータサービスノード(PDSN)間を移動するごとに、新しいIPアドレスが割り当てられなければならない。一方、ユーザがモバイルIPサービスに加入した場合、ホームエージェント(HA)とパケットデータサービスノード(PDSN)がIP階層での移動性を提供するので、移動端末がパケットデータサービスノード(PDSN)間を移動しても既存のIPアドレスを維持することができる。
【0048】
本発明が提示するネットワーク構造でも既存の網構成要素が提供するユーザ及び移動端末に対する移動性管理機能をそのまま維持するが、パケットサービス移動交換機(HSMG)を中心に加入者位置登録器(HLR)とPDSN/ARが回線網とパケット網連動サービスを提供するために追加的に要請される機能を遂行し、このような追加的な移動性管理機能は、下記<表2>のようである。
【0049】
【表2】

【0050】
前記<表2>で、追加的な移動性管理機能は、接続状態管理、位置情報管理、回線網登録、パケット網登録機能などである。ここで、前記接続状態管理機能は、HSMGとPDSNはHATの接続状態を回線網に接続すれば、“on circuit”に管理し、パケット網に接続すれば、“on packet”に管理する。前記位置情報管理機能は、HATが回線網に接続すれば、HLRがユーザ及び移動端末の位置情報を保存し、HATがパケット網に接続すれば、HSMGがユーザ及び移動端末の位置情報を保存する。前記回線網登録機能は回線網に接続したHATがMSC/VLRを通じて位置登録過程を遂行するとき、HRLが該当情報をHSMGに通知する。前記パケット網登録機能は、HATがパケット網に接続すれば、PDSN/ARがHSMGにSIPレジスターメッセージを伝達することにより、HATがパケット網に位置することを通知する。
【0051】
このような移動性管理機能のうち、回線網登録動作を添付図を参照して説明すれば、次のようである。
【0052】
図3は本発明の実施形態によるヘテロジーニアスネットワークでCDMA2000 1X領域に位置した移動端末の回線網登録動作を示した図である。
【0053】
図3を参照すると、移動端末(HAT)1は、ステップ610で接続許可を受信するために登録メッセージをサーキット基地局制御機(BSC)141に伝送し、ステップ620でサーキット基地局制御機141を通じて自分の位置情報をMSC/VLR133とHLR131に伝達する。この時、移動端末1は位置登録タイプを“power-on”位置登録と設定する。ここで、移動端末1からHLR131まで適用される呼処理過程は、一般的な呼処理過程と同一である。
【0054】
以後、ステップ630で、HLR131が回線網とパケット網間の連動サービスに加入した移動端末1の位置登録情報をMSC/VLR133から受信すれば、HLR131はステップ640でパケットサービス移動交換機(PSMG)110に通知(Notify)メッセージを伝達し、移動端末1が回線網に接続したことを知らせる。これによって、パケットサービス移動交換機110は、移動端末1の状態情報を“on circuit”状態と設定する。ここで、ユーザがパケットサービスを主に使用する場合、回線網サービスを終了した移動端末1は、ユーザ設定によって1xEV-DOアイドル状態、またはWLAN状態に遷移し、パケット網登録過程を遂行することができる。反対に、ユーザが回線網サービスを主に使用する場合、移動端末1が回線網サービスを終了した以後、パケット呼着/発信、またはパケット網への転換要請があるときまで、1Xアイドル状態を維持する。
【0055】
図4は本発明の実施形態による移動端末がCDMA 1X網から1xEV-DO、または無線LAN/MAN網に転換したとき、発生するパケット網登録動作を示した図である。
【0056】
図4を参照すれば、1xEV-DO、または無線LAN網領域に位置した移動端末1がパケット呼を発信するか、CDMA 1X網から1xEV-DOまたは無線LAN網に転換すれば、ステップ710及びステップ720で移動端末1はPDSN/AR120とSIPまたはMobile IP登録過程を遂行する。ステップ730で、PDSN/AR120は、HSMG110にSIP登録メッセージを伝達する。これによって、SIP登録メッセージを受信したHSMG110は、移動端末1の状態情報を“on packet”状態と設定し、ユーザ及び移動端末1の位置情報を位置情報データベース(Location DB)に保存する。ここで、ユーザが回線網サービスに優先権を付与すれば、パケットサービスを終了した移動端末1は、ユーザ設定によって一定時間の経過後、1xEV-DOアイドル状態、またはWLAN状態から1Xアイドル状態に遷移し、回線網登録過程を遂行することができる。反対に、ユーザがパケットサービスに優先権を付与すれば、パケットサービスを終了した移動端末1は、パケット呼着/発信または回線網への転換要請があるまで、1xEV-DOIDLEまたはWLAN状態に維持する。
【0057】
このような移動性管理動作を適用してそれぞれのサービスに最も適合したアクセス網に移動端末を転換させた後、サーキット音声呼及びパケット呼を着信するサービス伝達動作を説明すれば、次のようである。
【0058】
任意のアクセス網を通じて接続するユーザに音声及びデータサービスを提供するとき、それぞれのサービスに最も適合したアクセス網に移動端末を転換させた後、サービスを伝達する。すなわち、移動電話サービス、またはSMS(short message service)のような回線網サービスを伝達する場合には、移動端末を1Xアクセス網に転換させ、IPプッシュ(Push)サービス、または動映像サービスのようなパケットサービスを伝達する場合には、サービスプロファイルとサービス品質(QoS)などのサービス要請事項によって移動端末を1xEV-DO網、または無線LAN/MAN網に転換させる。ただ、サービス要請事項によってCDMA 1X網を通じてパケットデータサービスを提供することもできる。特に、VoIPの場合には、CDMA 1X網を通じてサービスを提供する。
【0059】
このように、多様なアクセス網に接続するユーザに最適の方法にサービスを伝達するためには、下記<表3>で示した機能が必要である。
【0060】
【表3】

【0061】
前記<表3>で示した機能は、接続状態管理、アクセス網選択及び再転換(Redirection)機能等である。ここで、前記接続状態管理機能は、移動性管理に含まれる機能として、移動端末にサービスを伝達するとき、呼処理手順が移動端末の接続状態によって異なって進行される。前記アクセス網選択機能は、ユーザに伝達するサービスの種類、加入者のサービスプロフィール、サービス品質(QoS)要請事項及び無線環境等によってアクセス網を選択できなければならない。前記再転換機能は、サービス網が選択した最適のアクセス網と移動端末が接続中であるアクセス網が相異なる場合、選択されたアクセス網に転換するように移動端末に要請する機能である。
【0062】
アクセス網選択機能に関連してサービスネットワークが選択したアクセス網への転換要請を移動端末が受信すれば、移動端末は無線環境と自分の位置、ユーザまたはサービスの要請によってアクセス網を最終的に選択して接続する。
【0063】
前記<表3>で説明する機能等の具体的な動作をサーキット音声呼着信過程とIPパケット着信過程に区分して図を参照して説明すれば、次のようである。
【0064】
サーキット音声呼着信過程
【0065】
まず、サーキット音声呼着信動作を説明すると、公衆電話網(PSTN)からの着信呼がGMSC(Gateway Mobile services Switching Center)を経て移動交換機(MSC)とサーキット基地局制御機(BSC)まで伝達される過程は、IS−41とISUPなどに定義された過程に従い、移動交換機(MSC)から移動端末までの着信過程は、A1インターフェース及びIS-2000規格に従う。また、移動端末の接続状態を検出(detecting)するための要請メッセージと応答メッセージが加入者位置登録器(HLR)とHSMG間に設定されなければならない。前記メッセージはIS−41に定義された既存のメッセージを活用したり、新しく定義したりすることができ、本発明では具体的なメッセージ形態に対する説明を省略する。
【0066】
図5は本発明の実施形態によって1Xアイドル状態で1Xページングチャンネルのみを監視する移動端末にサーキット音声呼着信が伝達される動作を示した図である。
【0067】
図5を参照すれば、ステップ801でPSTN190から呼が到着されると、GMSC132はステップ802で位置要請(Location Request)メッセージをHLR131に伝送する。すると、HLR131はステップ803でサービスプロファイルを検索して着信中である移動端末がヘテロジーニアスネットワークに適用される移動端末(HAT)1であることを判断し、サーキット(circuit)音声呼着信を知らせるために、MINと発信者番号(DN)情報を含む通知(Notify)メッセージをパケットサービス移動交換機110に伝達する。
【0068】
HSMG110は、ステップ804でHAT1の接続状態が“on circuit”であるから、再転換(redirection)手順が不要と判断し、HLR131に接続(Connect)メッセージを伝達して着信呼処理手順を進行することを要請する。以後、HLR131、GMSC132、MSC133、そして移動端末1で進行されるステップ805乃至ステップ810は、一般的な着信呼処理手順と同一であるので、説明を省略する。
【0069】
図6は本発明の実施形態によって1xEV-DOページングチャンネル、または無線LAN/MANのみを監視する移動端末にサーキット音声呼着信が伝達される動作を示した図である。
【0070】
図6を参照すれば、ステップ901でPSTN190から呼が到着されると、GMSC132はステップ902でIS−41位置要請(Location Request)メッセージをHLR131に伝送する。すると、HLR131はステップ903でサービスプロファイルを検索して着信中である移動端末がヘテロジーニアスネットワークに適用される移動端末(HAT)1であることを判断し、サーキット音声呼着信を知らせるためにMINと発信者番号(DN)情報を含む通知(Notify)メッセージをHSMG110に伝達する。HSMG110はステップ904乃至ステップ905で移動端末1の接続状態が“on packet”であるから、再転換(redirection)手順が必要と判断して位置データベース(Location DB)で、前記移動端末1の位置情報を判断する。そして、HSMG110はMIN番号と発信者番号(DN)情報を含む要請(INVITE)メッセージをPDSN/AR120を通じて移動端末1に伝達する。
【0071】
1Xアイドル状態の移動端末1がHSMG110からSIP要請(INVITE)メッセージを受信すれば、移動端末1はユーザ設定情報と無線環境などを考慮してCDMA 1X網に転換するか否かを決定する。移動端末1がステップ906乃至ステップ907でCDMA 1X網への転換を決定して200 OK応答メッセージをPDSN/AR120を通じてパケットサービス移動交換機110まで伝達すれば、HSMG110は、ステップ908で再転換(Redirecting)メッセージをHLR131に伝達して移動端末1がCDMA 1X網へ転換中であることを知らせ、HLR131は移動端末1が1X回線モードに転換して新しい位置を登録するまで待機する。
【0072】
ステップ908-1で、移動端末1がCDMA 1X網に接続して新しい位置を登録すれば、HLR131はステップ908-2でMSC133からIS−41登録通知(Registration Notification)メッセージを受信し、MSC133にIS−41ルーティング要請(Routing Request)メッセージを伝達することにより着信呼処理手順を進行する。以後、進行過程は、MSC133と移動端末1との間で進行される一般的な着信呼処理手順等と同一である。
【0073】
活性状態でデータサービス中である移動端末1にサーキット音声呼着信が伝達された場合であれば、ユーザ設定によって移動端末1はCDMA 1X網に転換しないことに決定し、“600 BUSY”応答メッセージをHSMG110に伝達する。これによって、HSMG110はHLR131に“Busy”メッセージを伝達する。そして、HLR131がIS−41位置応答(Location Response)メッセージの“Access Denied Reason”パラメータ値を“busy”に設定してGMSC132に伝達することによって、通話中と処理する。
【0074】
IPパケット伝達動作
【0075】
一方、IPパケット伝達動作に対して説明すれば、次のようである。ここでは、ユーザがシンプルIPサービスに加入した場合に対してのみ考慮するが、ユーザがモバイルIPに加入した場合にも移動端末がSIP登録メッセージの代わりに、モバイルIP要請(RRQ)メッセージを使用することを含んで、IP移動性と関連した幾つかの差異点を除外すれば、シンプルIPの場合とほとんど同一である。
【0076】
移動端末が1xEV-DO網、または無線LAN/MAN網を通じてIP網に接続した場合、一般的によく知られた既存の定義された手順によってIPパケットを移動端末まで伝達する。本発明は1xEV-DO、または無線LAN/MAN網を通じてIP網に接続してデータサービスを受信していた移動端末が一定時間の以後、1Xアイドル状態に転換したとき、IPパケット着信がなされる場合に対してのみ説明する。また、1Xアクセス網に接続した移動端末を1xEV-DOまたは無線LANに転換させるための再転換要請メッセージと応答メッセージがHSMGとHLRとの間に定義されなければならない。このようなメッセージは、IS−41に定義された既存のメッセージを活用したり、新しく定義したりすることができ、本発明では具体的なメッセージ形態に対する説明を省略する。
【0077】
図7は本発明の実施形態によって1xEV-DOドーマントセッションを維持する移動端末が、CDMA 1Xページングチャンネルのみを監視するとき、IPパケットが移動端末に伝達される動作を示した図である。
【0078】
図7を参照すれば、PDSN120がステップ1001でIPパケットを受信したとき、移動端末(HAT)1の状態が“on circuit”であるから、PDSN120はステップ1002でIPパケットをバッファーに保存し、要請(INVITE)メッセージをHSMG110に伝達する。HSMG110はステップ1003で移動端末1の状態が“on circuit”であるから、移動端末1をパケット網に転換させるために再転換(redirection)要請メッセージをHLR131に伝達する。
【0079】
HLR131は、ステップ1004でMSC131にIS−41“Information Directive”メッセージを伝達する。MSC131はステップ1005乃至ステップ1006でページ要請(Page Request)メッセージのサービスオプション(Service Option)値を59に設定して、サーキット基地局制御機(BSC)141に伝達することによって、パケット網への再転換(redirection)要請が移動端末1まで伝達される。これによって、移動端末1は1xEV-DOアクセス網に転換することを決定すれば、移動端末1はステップ1008乃至ステップ1012で1xEV-DO活性状態に遷移してSIP登録(REGISTER)メッセージをPDSN120を通じてHSMG110まで伝達する。すると、PDSN120のバッファーに保存されたIPパケットは、移動端末1に伝達される。また、PDSN120がHSMG110にSIP登録メッセージを伝達することによって、HSMG110が移動端末1の状態を“on packet”に管理する。
【0080】
一方、本発明の詳細な説明では具体的な実施例に関して説明したが、本発明の範囲から外れない限り各種変形が可能なことはもちろんだ。具体的に詳述した実施形態ではPTT(Push-to-Talk)サービスより迅速な呼設定を遂行する動作を説明したが、本発明を迅速な呼セットアップを必要とする全ての種類のサービスに適用可能なことに理解されるべきである。
【0081】
以上、本発明を具体的な実施形態を参照して詳細に説明したが、本発明の範囲は前述の実施形態によって限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で様々な変形が可能なことは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施形態によるヘテロジーニアスネットワークの構造を示した図である。
【図2】本発明の実施形態によるハイブリッドオペレーションの状態遷移動作を示した図である。
【図3】本発明の実施形態によるヘテロジーニアスネットワークでCDMA2000 1X領域に位置した移動端末の回線網登録動作を示した図である。
【図4】本発明の実施形態による移動端末がCDMA2000 1X網で1xEV-DO、または無線LAN/MAN網に転換したとき、発生するパケット網登録動作を示した図である。
【図5】本発明の実施形態によって1Xアイドル状態で1Xページングチャンネルのみを監視する移動端末にサーキット音声呼が伝達される動作を示した図である。
【図6】本発明の実施形態によって1xEV-DOページングチャンネル、または無線LAN/MANのみを監視する移動端末にサーキット音声呼が伝達される動作を示した図である。
【図7】本発明の実施形態によって1xEV-DOドーマントセッションを維持する移動端末がCDMA 1Xページングチャンネルのみを監視する時、IPパケットが移動端末に伝達される動作を示した図である。
【符号の説明】
【0083】
110 HSMG
120 パケットデータサービスノード/アクセスルータ
130 IPネットワーク
140 CDMA2000 1X(1XRAN)
150 1xEV-DO
160 無線LAN/MAN網
170 ホームエージェント
180 認証サーバ(AAA)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回線網とパケット網間の連動サービスのためのヘテロジーニアスサービス移動交換機を具備し、多様なアクセス網が重なった移動通信システムで、移動端末を通じてユーザに音声及びデータサービスをシームレスに提供するための方法であって、
前記移動端末が任意の網に接続された状態でサービス要請を受信及び/または前記接続された網から移動する場合、前記音声及びデータサービスを受信するための最適のアクセス網を選択し、選択されたアクセス網に転換する過程と、
前記転換されたアクセス網に登録を要請する過程と、
前記転換されたアクセス網に登録が完了すれば、前記パケットデータを着信する過程と、を含むことを特徴とする前記方法。
【請求項2】
前記転換する過程は、
前記任意の網が前記回線網である場合、前記回線網から音声及びパケットデータ呼に対するページメッセージを受信する段階と、
前記音声及びパケットデータサービス中、前記サービス要請を受信し、前記接続された網から移動する場合、前記多様なアクセス網のうち、最適のアクセス網を選択するス段階と、
前記選択されたアクセス網に再転換する段階と、を含むことを特徴とする請求項1記載の前記方法。
【請求項3】
前記音声及びパケットデータサービス中、パケット網から再転換要請を受信した場合、前記多様なアクセス網のうち、最適のアクセス網を選択する段階をさらに含むことを特徴とする請求項2記載の前記方法。
【請求項4】
前記転換されたアクセス網から音声及びパケットデータを受信する中に、前記接続された網から移動するか、再転換要請を受信したりする場合、前記多様なアクセス網のうち、最適のアクセス網を選択し、選択された網に再転換する過程と、
前記再転換された網に登録を要請する過程と、をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の前記方法。
【請求項5】
前記転換されたアクセス網に登録を要請する過程は、
前記転換されたアクセス網に位置した前記移動端末がパケット呼を発信すれば、前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機に登録メッセージを伝送することを特徴とする請求項1記載の前記方法。
【請求項6】
前記最適のアクセス網は、サービスの種類、加入者のサービスプロファイル、サービス品質要請事項及び無線環境によって選択されることを特徴とする請求項1記載の前記方法。
【請求項7】
回線網とパケット網間の連動サービスのためのヘテロジーニアスサービス移動交換機を具備し、複数のアクセス網が重なった移動通信システムで、移動端末を通じてユーザに音声及びデータサービスをシームレスに提供するための方法であって、
前記移動端末がパケット網に接続された状態で音声呼を着信した場合、前記パケットサービス移動交換機に音声呼を着信したことを通報する過程と、
前記音声呼着信の通報を受信した前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機が回線網への転換を要請する過程と、
前記転換要請を受信した移動端末が回線網に遷移し、新しい位置を登録する過程と、
新しい位置登録が完了すれば、前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機が前記移動端末と音声着信号を設定する過程と、を含むことを特徴とする前記方法。
【請求項8】
回線網とパケット網間の連動サービスのためのヘテロジーニアスサービス移動交換機を具備し、複数のアクセス網が重なった移動通信システムで、移動端末を通じてユーザに音声及びデータサービスをシームレスに提供するための方法であって、
前記回線網のページングチャンネルのみを監視し、パケット呼を着信した場合、前記移動端末が前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機にパケット呼の着信を通報する過程と、
前記パケット呼着信の通報を受信した前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機がパケット網に転換を要請する過程と、
前記転換要請を受信した移動端末がパケット網に遷移し、新しい位置を登録する過程と、
前記新しい位置登録が完了すれば、前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機が前記移動端末とパケット着信号を設定する過程と、を含むことを特徴とする前記方法。
【請求項9】
前記パケット網のページングチャンネルのみを監視し、音声呼を着信した場合、前記移動端末が前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機に前記音声呼を着信したことを通報する過程と、
前記音声呼着信の通報を受信した前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機が前記移動端末の位置を把握して回線網に再転換を要請する過程と、
前記再転換要請を受信した移動端末が前記回線網に再転換を決定した後、新しい位置を登録する過程と、
前記新しい位置登録が完了すれば、前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機が前記移動端末と音声着信号を設定する過程と、をさらに含むことを特徴とする請求項8記載の前記方法。
【請求項10】
回線網とパケット網間の連動サービスのためのヘテロジーニアスサービス移動交換機を具備し、複数のアクセス網が重なった移動通信システムで、移動端末を通じてユーザに音声及びデータサービスをシームレスに提供する方法であって、
前記パケット網のドーマントセッションを維持する移動端末が前記回線網のページングチャンネルのみを監視する場合、前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機がインターネットプロトコルパケットデータサービス要請を受信して前記パケット網に再転換を要請する過程と、
前記パケット網への再転換要請を受信することによって前記移動端末が前記パケット網への再転換を決定する過程と、
前記移動端末が前記パケット網の状態を活性状態に遷移し、登録メッセージを前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機に伝達する過程と、を含むことを特徴とする前記方法。
【請求項11】
複数のアクセス網が重なった移動通信システムで、回線網とパケット網を連動し、移動端末を通じてユーザに音声及びデータサービスをシームレスに提供するための装置であって、
前記移動端末から要請された位置登録を通じて前記移動端末の接続状態を管理し、前記回線網とパケット網間の連動サービスのためにプロトコルを変換するヘテロジーニアスサービス移動交換機と、
前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機と接続し、回線網に接続した移動端末の音声呼及びデータ呼着信に関連したサービスプロファイルを保存し、前記移動端末が前記複数のアクセス網を連動できる移動端末であるかを判断する加入者位置登録器と、を含むことを特徴とする前記装置。
【請求項12】
前記回線網及びパケット網に接続する移動端末に対する認証、課金及び権限付与機能を遂行する認証サーバをさらに含むことを特徴とする請求項11記載の前記装置。
【請求項13】
前記多様なアクセス網間を移動するごとに、前記ヘテロジーニアスサービス移動交換機に登録メッセージを伝送し、前記加入者位置登録器から通知を受信して前記移動端末の接続状態を管理し、前記移動端末がアクセス網に接続する間、パケットをバッファーリングするパケットデータサービスノード/アクセスルータをさらに含むことを特徴とする請求項11記載の前記装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−503756(P2007−503756A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524580(P2006−524580)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002158
【国際公開番号】WO2005/022939
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】