説明

多次元画像データセットにおけるナビゲーションと測定の方法及びその装置

本発明は、多次元画像データセット(8)内の視野平面(1)上でナビゲーションを行う方法及び装置に関し、前記視野平面(1)の変位の交差角度及び自由度(3,6,7)は、対話型画像生成検査を実行している間のサンプル(2)、特に、超音波トランスデューサ(2)の変位の自由度に対応する。前記発明は、また、動画像データ内で測定を実行する方法及び装置に関し、前記方法は、フレーム(Fp)に関心がある場合に、予め定義された期間のあいだシーケンスの再生を停止させることで、ユーザが検査を実行できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標物の多次元画像データセット、特に、医療用イメージング方法によって取得/捕捉された目標物の多次元画像データセット内でナビゲーションと測定を行う方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医療技術イメージング方法、例えば超音波断層撮影法、磁気共鳴断層撮影法、又は光コヒーレンス断層撮影法(OCT)等を用いて、検査対象である目標物の三次元(3D)又は四次元(4D)の画像データセットを取得することができる。四次元のデータセットとは、複数の三次元画像のタイムシーケンスのことである。ところで、器官を表示するこのような従来の3D又は4Dの画像データセット内における方向決めは、一般に、かなり困難であり、心臓病専門医/放射線専門医又は顧問医であるユーザ側にかなりの経験が要求されるものである。
【0003】
画像データセットを利用してこのデータセット内で測定及びその検証では、多くの場合、二次元の断面画像上で観察が行われている。画像データセットを通じて断面平面画像をナビゲートする方法として、既知の方法に、ユーザは断面平面を、三次元の画像データセットで示される空間内で全6方向に移動させることができるというものがある。この方法では、多くの場合、互いに垂直な3つの断面画像を表示できるようになっており、ユーザはそれらの画像をスライド及び回転させることができるようになっている。このタイプのナビゲーションでは、ユーザは3D/4Dの画像データ内でこのようなナビゲーションを行うことについて、慣れかつ習熟しなければならない。
【0004】
また、「表面レンダリング」又は「ボリュームレンダリング」によって、目標物のうちの関心ある構造体を表示する手法が知られている。この場合は、陰影付けされた表面を持つ目標物の2Dビューを3Dデータボリュームから生成する。ただし、関心構造体は、前記目標物を構成する他の構造体によって覆われていることが多く、関心構造体を表示するためには、当該他の構造体を「外科用メス」ツールとして知られる手段を用いて除去しなければならない。これに対応する方法は、ドイツ特許第DE 103 39 979 A1号明細書に開示されている。この方法では、まず、断面画像上で関心構造体上に延在するベクトルが設定される。次に、このベクトルの始点と終点のいずれか又は両方を通って、ベクトルに対して垂直な角度で平面が設定される。その後、その平面を境として必要な側とは反対側にある画像データが消去され、設定された平面の間に位置する画像データのみが表示される。ところで、この方法では、平面の形状的性質に起因して、毎回、スライス状の領域しか鮮明に切り出すことができない。そして、この切り出された領域は、関心構造体の形状に対応しないことが多い。
【0005】
また、動画像データによる検査や診察においてユーザが測定を実行したい場合、例えば構造体内の特定の距離を測定しようとする場合や、特定の解剖学的境界標識にマーカーを設定しようとする場合等に、さらなる問題が生じる。つまり、従来の技術では、このような行為は、静止画像においてのみ可能であるため、測定の実行時に構造体の動態を考慮することができない。例えば、心臓の超音波検査において、検査医は、動いている心臓を見ることに慣れている。心臓の多くの疾患は、鼓動している心臓を観察した場合にのみ認識され得る。したがって、精密かつ解剖学的に適正な測定は、多くの場合、構造体の動態が観察される場合にのみ実現できるものである。
【特許文献1】ドイツ特許第DE 103 39 979 A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、多次元、特に、3D及び4Dの画像データセット内でナビゲーション及び測定を実行するために利用でき、かつ、前述した欠点を持たない付加機能を利用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明において、請求項1に係る方法に関する第1の知見に基づく発明で実現されており、当該方法は、多次元の画像データセット内でのナビゲーションに関するステップを含む。このステップにおいて、ユーザは、入力装置を利用して、画像データセット内でビュー平面を移動させることができ、その間、前記ビュー平面に対応した断面画像が表示される。本方法では、前記ビュー平面は、対話型イメージング検査の実行中に挿入されたビュー角度に対応する角度で前記画像データセットと交差するものであり、前記ビュー平面の移動の自由度は、対話型イメージング検査実行中の「プローブ」又は検査装置の移動の自由度に対応していることとを特徴とする。したがって、本発明に係るナビゲーションでは、ユーザが慣れている移動や目視の方式を模式的に再現(シミュレート)できる。移動の自由度については、対話型イメージング検査の実行中に利用できる自由度、たとえば超音波検査装置で利用できる自由度に意識的に制限する。医師によるこのようなナビゲーションは、直覚的で、すばやく習得することができる。さらに、医師は通常の視野及び断面画像に対応する断面画像のみを見ることになるので、3D又は4Dの画像データセット内で自身の視線の方向を見失うおそれがない。
【0008】
前述のビュー平面は、超音波トランスデューサの音場に対応すると特に好ましく、前記音場は、例えば二次元の扇形であってよい。これにより、ビュー平面の移動は、超音波トランスデューサの移動に好ましく対応する。すなわち、前記ビュー平面は、仮想記録面上で、旋回、回転又はスライド移動させることができる。移動の自由度は、単一の入力装置、例えばコンピュータのマウス等を介して好ましく制御され、前述の旋回動作、回転及びスライド移動は、例えば左側又は右側のマウスボタン、又はマウスのスクロールホイールによって制御される。したがって、ナビゲーションを実行する間中、画像データ上に視線を置いておくことができる。
【0009】
例えば、画像データセットが動いている心臓を表示しているものである場合、ユーザは、通常、最初にビュー平面で四チャンバービュー(四心房表示)を表示しようと探索する。2チャンバービュー(二心房表示)及び縦軸断面として知られるビューはそれぞれ、4チャンバービューに対して約60度まで回転される。したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、それぞれ1つ又は2つの追加断面画像が個別に表示される。そして、これらの断面画像は前記ビュー平面に対して固定の角度に回転される。
【0010】
好ましくは、本方法は、関心構造体を明瞭に切り出す方法についての追加のステップを含み、このステップでは、断面画像上でベクトルを関心構造体の上にさしわたすように設定する。真直平面、湾曲平面、又は自由形状曲面は、画像データセット内を通って、前記ベクトルの始点及び/又は終点を通り、ベクトルに対して垂直に伸びるように設定される。この場合、設定された平面によって区切られる2つの領域のうちの片側にある画像データは消去され、その結果、例えば、その平面の間に位置する構造体が鮮明に切り出される。従来の技術とは異なり、本発明では、この平面として、自由形状の曲面や湾曲した曲面、特に、各種の半径を持つ球面を利用することができるので、前記平面として関心構造体の形状に合わせ形状の面を用いることができる。
【0011】
さらに、他の知見によれば、本発明は請求項8に記載の方法に関するものであり、この方法は、目標物の多次元動画像データセット内で、測定及び/又は標識設定を行うステップを含む。このステップは、連続して取得された二次元又は三次元のフレームからなるシーケンスを含む。本方法では、シーケンスを構成する複数のフレームから測定の実行に用いられる関心フレームが選択され、前記シーケンスが個別フレームの連続表示によって再生され、前記関心フレームにおいて予め定義された時間のあいだ連続表示動作が停止して関心画面が表示される状態になり、その間にユーザは、マーカーを設定したり、あるいは測定を実行したりできることを特徴とする。このように、ユーザには、目標物を動的に観察できると同時に、約1〜2秒というあらかじめ定義された時間内で特定のフレームをより詳細に検討したり、さらに例えばマウスを用いて、測定するポイント又は標識を設定したり、あるいは距離を測定したりする選択肢が与えられる。
【0012】
この表示ループは、1回より多く繰り返されると特に好ましく、その際の表示では、毎回、関心フレームにおいて予め定義された時間停止させることができる。他の実施形態としては、表示ループは1回より多く同様に実行され、その際の表示では、各表示ループで、異なるフレームにおいて連続表示動作を停止させてもよい。このタイプの表示は、4Dデータセットのさまざまなビュー平面について繰り返すことができる。
【0013】
各種の断面平面において得られた種々の測定値及び/又は各種の時刻や期間について得られた様々な測定値に基づいて、任意に、空間的及び/又は時間的に測定値をリンクさせることができる。これらのリンクに基づいて、追加の測定値、例えば、特定の測定値の時間的及び/又は空間的変化をさらに導出してもよい。これは、例えば、面積、角度、体積及びこれらの経時変化、例えば、鼓動している心臓の体積の経時変化、又は僧帽弁リングの直径の経時変化等、に関わるものであってよい。
【0014】
このような測定結果を表示するために、好ましい実施形態としては、表面レンダリング又はボリュームレンダリングによって、関心構造体の二次元レンダリングを生成する形態がある。このレンダリングにおいて、少なくとも1つのボクセルを、測定結果又は派生的測定結果に基づいて、色調により強調表示してもよい。
請求項14及び請求項18によれば、本発明は、第1の知見と第2の知見に係る方法を実行するのに適した装置にも関する。
【0015】
最後に、本発明は、請求項19に係るコンピュータプログラム製品にも関し、このコンピュータプログラム製品はコンピュータ可読媒体に保存され、前記コンピュータプログラム製品がコンピュータにインストールされた場合に、前述した方法をコンピュータに実行させることが可能なソフトウェアコードを含むものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明について、添付の図面を参照しながら、実施形態を利用してより完全に説明する。
【0017】
図1は、三次元の動的(すなわち、四次元の)画像データセット8を用いた診察方法全体の一例についてその概要を示すものである。なお、少なくともステップ14、18及び20は、この事例の任意構成である。
【0018】
ステップ12では、ユーザは、画像データセット内におけるナビゲート(誘導動作)により、関心構造体が有利に示される断面画像を見つけ出そうとする。任意の構成として、ユーザは、ステップ14において、画像データセットを細分化、すなわち、関心構造体を明瞭に切り出すことができる。次に、ステップ16において、実際の測定が実行されて、例えば、標識の設定、又は断面画像上の距離又は面積の測定が行われる。これら3つのステップは、追加の測定を実行する場合には、必要に応じて繰り返される。次に、ステップ18において、測定結果は、空間と時間の少なくともいずれかにリンク付けされ、ステップ20において表示される。表示においては、画像データセット内で色調を付けて測定結果を強調表示する選択肢が存在する。
【0019】
次に、ナビゲーション方法におけるステップ12について、図2と図6を参照しながらより詳細に説明する。図2は、三次元超音波測定によってデータ取得/捕捉された三次元画像ボリューム8等を模式的に再現した状態を示している。この例では、患者の身体表面上で超音波トランスデューサを旋回することで、円錐形のデータボリュームから画像データを取得している。この画像ボリュームでのビュー平面のナビゲーションは、ここでは、超音波ヘッドの移動によって模式的に再現されている。したがって、この図には、仮想プローブ2が表示されており、この仮想プローブ2は、仮想サウンド平面1であるビュー平面にしっかりと結合されている。この例では、追加のビュー平面も同時にナビゲートすることができ、例えば、心臓の取り込みにおいて、2つの縦軸断面と1つの短軸断面とを同時にナビゲートすることができる。図2の参照方向3に従って行われる仮想プローブ2の旋回は、基準点4を中心に行われる。この旋回動作は、例えば、約80°に制限されるものであり、この制限により、対話型測定実行中の移動における制約が模式的に再現される。
【0020】
図6に示されるように、ビュー平面1に対応する断面画像32が、画面28に表示される。この画面はコンピュータ30に接続されており、そのコンピュータ30には、更に、例えば、コンピュータマウス22の形式の入力装置が接続されている。このマウスは、左側のマウスボタン24、右側のマウスボタン26及びスクロールホイール25を備える。ビュー平面1に対応する断面画像32の他に、画面28は、具体的には、2つの追加の断面画像33,34が表示されている。これらの画像33,34は、仮想プローブ2の入射角度に関して、断面画像32と同一の入射角度に対応したものであるが、ビュー平面1の断面画像32に対して角度α又はβだけ回転されている。このことは、画像データセット8の断面を表示する追加のウィンドウ35に表示されている。つまり、このウィンドウ35では、断面画像32,33,34の位置が破線で示されている。ただし、画面28のこのようなタイプの分割は、単に、好ましい例示にすぎない。
【0021】
図2に戻って説明する。仮想プローブ2の基準点4は、仮想記録面5に沿って移動できるのみである。この仮想記録面は、対話型イメージング検査実行中にプローブ又はデータ取得装置のヘッドが存在する面であり、かつ、前記プローブ又は取得装置のヘッドの移動面を模式的に再現したものである。超音波画像検査において、この面は患者の皮膚表面であることが多いが、身体の内側表面、例えば、超音波トランスデューサが気管に挿入された場合は、その気管の表面等であっても、骨の表面であっても、あるいは、取り込む画像のタイプによって規定される身体の外部表面であってもよい。仮想記録面5は、平面であっても、あるいは特定の曲率を持っていてもよく、例えば、走査の対象である目標物を模式的に再現するものであればよい。
【0022】
プローブ2の縦軸を中心とした回転は、矢印6に従って、例えばマウスのスクロールホイールを用いて実行され、より有利なものでは回転範囲が例えば±90°に制限される。矢印7の方向に対応した、皮膚5の仮想平面に沿った平行移動は、例えば右側のマウスボタンを用いて実現される。
【0023】
皮膚の仮想平面5は球面としても実現でき、この場合、球は少なくとも画像ボリューム8を取り囲む状態が好ましい。このように、原理的には任意の断面平面を利用できるが、このことはデータボリュームにおける方向決めを妨げる可能性がある。
【0024】
図3に、本方法における任意構成であるステップ16を示す。このステップ16では、関心構造体38、この例では、例えば胎児の頭部を明瞭に切り出す。左側の図は、画像データセットからの断面画像を示すものである。この図では、頭部38は、網掛けして図示されている構造体39、例えば子宮等によって覆われている。これらの構造体を切り取るためには、ユーザは、まず矢印40として表示されているベクトルを断面画像上に固定する。平面43が、ベクトルの始点を通って延在しており、球面42がベクトルの終点を通る状態で延在している。そして、右側の図に示されているように、2つの面43と42の外側に位置する画像データがすべて切り取られる。面42の球面形状を用いたことで、細分化された関心ボリュームは、ほぼ占有的に頭部38のみを含むものとなる。そして、中央の図に従って、頭部の表面ビューをボリュームレンダリングによって生成すると、顔が子宮39の壁面に隠れなくなる。
【0025】
このようにして、ユーザが測定を実行したい画像領域を特定し、その領域を明確に切り出すと、その切り出された領域を動的に表示することができる。そして、ここで、動画像データセット内で測定を実行するステップ10について、図4を利用してより詳細に説明する。ここでは、まず、関心フレームFpが、2D又は3Dの画像(フレーム)のタイムシーケンスを基に設定され、あるいは算定される。次に、画像の動的シーケンスが通常の再生速度で表示される。心臓の画像の場合、例えば、1回の拍動の間に取得された20〜30個のフレームが再生される。この例では、通常の再生速度は毎秒20フレームである。
【0026】
そして、関心フレームFpに到達すると、シーケンス動作が停止されて、所定の時間のあいだ、関心フレームが表示される。図4で、このフレームは「延長フレームFp」として示されている。この時間の中でユーザはマーカーLM1とLM2とを設定でき、より長く表示させれば、画像Fp内において、例えばこれらのマーカーにより設定された標識の間の距離を測定できる。表示が中断される時間の長さは、例えば0.5〜5秒、特に好ましくは1〜2秒というような、予め定義された時間であってよい。あるいは、他の実施形態としては、この停止時間は測定が行われている限り存続されるものでもよい。所定の継続時間の後と、測定の完了後の少なくともいずれかにおいて、表示ループの再生が続行される。これにより、ユーザは、シーケンス表示に基づく動的印象と、シーケンスからの静止画像の両方を利用できるようになり、測定の正確な描画を実現できる。このプロセスは、各種の画像平面において1回より多く繰り返すことができる。ポイントを設定した後で、本方法は、その設定されたポイントの調整処理にも利用できる。
【0027】
更に他の実施形態によれば、表示ループは1回より多く実行され、その表示は、毎回異なるフレーム、例えばF1,F2,・・・Fnで停止する。したがって、例えば同一の構造体を移動の各段階で測定することができる。
【0028】
このように、各種の断面平面及び/又は各種の時刻において測定された測定値に基づいて、場所と時刻の両方に測定値をリンクさせることができる。これらのリンクから、追加の読み取り値、例えば、ある測定値の経時変化等を引き出すことができる(ステップ18)。そして、任意構成のステップ20において、これらの測定結果を、表面レンダリングによって取得される二次元のビュー内で、例えば色調を用いて強調表示する。図5に、このようなものの例として、例えば心臓のビューを示す。図において網掛け領域45は、例えば赤色に着色され、点線領域46は明るい青緑色に着色される。このカラーコーディングは、例えば、これに対応して色分けされた心腔壁面の収縮の瞬間に対応する。
【0029】
図6に、本発明に係る装置の実施形態を模式的に示す。この装置は、画面28、入力装置22、及び、例えばコンピュータであってよい計算ユニット30を含む。また、本発明はコンピュータプログラム製品に組み込むこともでき、このコンピュータプログラム製品はコンピュータ30にインストールされて、そのコンピュータ30に再書込みされた方法を実行させるソフトウェアコード部を含む。
【0030】
したがって、本発明は、多次元画像データ内での簡単なナビゲーションの方法、構造体を細分化する任意構成のステップ、動的データ上で測定を実行する方法、四次元の測定値をリンクさせるステップ、及び四次元のデータセット内に動的測定結果を表示するステップ20を利用可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る診察方法のシーケンスを示すフローチャート図である。
【図2】画像データセットから平面を移動できる自由度を模式的に示す図である。
【図3】関心のある構造体の断面画像について、本方法の任意構成のステップによって明瞭に切り出された状態を模式的に示す図である。
【図4】本発明に係る方法の第2の知見に対応する動的な表示と測定を模式的に示す図である。
【図5】関心領域が色付けされている、心臓のボリュームレンダリングによって生成されるレンダリング図を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る装置を模式的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標物、特に医療用イメージング方法によって取得された目標物の多次元画像データセット(8)内におけるナビゲーション及び測定の方法であって、
多次元画像データセット(8)内でのナビゲーションステップ(12)を含むものであり、当該ステップでは、ユーザは入力装置(22)を利用して画像データセット(8)内でビュー平面(1)を移動させることができ、その間、当該ビュー平面に対応する断面画像(32)が表示されるようになっており、
前記ビュー平面(1)は、対話型イメージング検査実行中のビュー角度に対応する角度で前記画像データセット(8)と交差しており、前記ビュー平面(1)の移動の自由度(3,6,7)は、対話型イメージング検査実行中のプローブ(2)の移動の自由度に対応していることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記ビュー平面(1)は、超音波トランスデューサ(2)の音場に対応していることを特徴とする目標物の多次元画像データセット内におけるナビゲーション及び測定の方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の方法であって、前記ビュー平面(1)の移動は、対話型超音波検査実行中の超音波トランスデューサ(2)の移動に対応しており、前記入力装置(22)を動かすと、前記ビュー平面(1)の旋回(3)、回転(6)及びスライド移動(7)が仮想記録面(5)の上で実現されることを特徴とする目標物の多次元画像データセット内におけるナビゲーション及び測定の方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記入力装置はコンピュータマウス(22)であり、前記旋回移動(3)、前記回転動作(6)及び前記スライド移動(7)はそれぞれ、前記マウスの左側のマウスボタン(24)、右側のマウスボタン(26)又はスクロールホイール(25)によって制御されることを特徴とする目標物の多次元画像データセット内におけるナビゲーション及び測定の方法。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の方法であって、前記仮想記録面(5)は平面又は球面であることを特徴とする目標物の多次元画像データセット内におけるナビゲーション及び測定の方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法であって、現在のビュー平面(1)に対応する前記断面画像(32)に加えて、1つ又は2つの他の断面画像(33,34)が表示されるものであり、これらの画像は、前記ビュー平面に対して所定角度(α,β)特に60°回転されたものであることを特徴とする目標物の多次元画像データセット内におけるナビゲーション及び測定の方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法であって、前記目標物内の関心構造体(38)を明瞭に切り出す追加のステップ(14)を含むものであり、当該ステップは、断面画像上で前記関心構造体(38)の上にさしわたすようにベクトル(40)を設定する工程と、
前記ベクトル(40)の終点及び/又は始点を通り、且つ前記ベクトルに対して垂直に伸びる真直平面(43)、湾曲平面(42)又は自由形状曲面が、前記画像データセット内に設定される工程と、
前記平面(43,42)で区切られた領域の片側にある画像データが消去される工程とを有するものであることを特徴とする目標物の多次元画像データセット内におけるナビゲーション及び測定の方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法であって、
目標物について複数の連続した二次元又は三次元のフレーム(F1,F2,・・・Fn)のシーケンスを含む多次元動画像データセット(8)内で測定及び/又は標識設定を行うステップ(16)を含み、当該ステップは、
測定を実行しようとする関心フレーム(Fp)の選択と、
前記個々のフレームの連続表示による前記シーケンス再生の実行とを有するものであり、当該再生では、前記関心フレーム(Fp)の表示のときに、予め定義された時間のあいだ連続表示動作が停止され、その間に、ユーザは関心フレーム上で、測定及び/又は標識(LM1,LM2)の設定を行うことできることを特徴とする目標物の多次元画像データセット内におけるナビゲーション及び測定の方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記シーケンス再生の回数は1回より多く、繰り返される各シーケンス再生において、関心フレーム(Fp)が表示されたときに、予め定義された時間のあいだ連続表示動作が停止することを特徴とする目標物の多次元画像データセット内におけるナビゲーション及び測定の方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、前記シーケンス再生の回数は1回より多く、繰り返される各シーケンス再生ごとに、異なるフレーム(F1,F2,・・・Fn)において、予め定義された時間のあいだフ連続表示動作が停止することを特徴とする目標物の多次元画像データセット内におけるナビゲーション及び測定の方法。
【請求項11】
請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の方法であって、前記シーケンス再生は、四次元のデータセット内の異なるビュー平面について繰り返されることを特徴とする目標物の多次元画像データセット内におけるナビゲーション及び測定の方法。
【請求項12】
請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の方法であって、追加のステップ(18)を含むものであり、当該ステップは、請求項8から請求項11に記載されているステップ(16)によって取得された測定結果から、更に他の読み取り値を導出するものであることを特徴とする目標物の多次元画像データセット内におけるナビゲーション及び測定の方法。
【請求項13】
請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の方法であって、追加のステップ(20)を含むものであり、当該ステップは、前記関心構造体の二次元レンダリング(44)を表面レンダリング又はボリュームレンダリングによって生成するものであり、前記二次元レンダリング(44)は、所定のステップ(c)において取得された測定結果又は導出された測定結果に対応する少なくとも1つのボクセルを、色(18)を用いて強調表示するものであることを特徴とする目標物の多次元画像データセット内におけるナビゲーション及び測定の方法。
【請求項14】
目標物、特に、医療用イメージング方法によって取得された目標物の多次元画像データセット(8)内におけるナビゲーション及び測定を行う装置であって、
ビュー平面(1)のナビゲーション手段であり、ユーザが前記画像データセット(8)内で移動させるときに用いられる入力装置(22)と、
前記画像データセットから前記ビュー平面(1)に対応する断面画像(32)を生成する演算手段(30)と、
前記断面画像(32)を表示する画面(28)とを含み、
前記ビュー平面(1)は、対話型イメージング検査実行中のビュー角度に対応する角度で、前記画像データセット(8)と交差しているものであり、前記ビュー平面(1)の移動の自由度(3,6,7)は、対話型イメージング検査実行中のプローブ(2)の移動の自由度に対応していることとを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、前記ビュー平面(1)の移動は、対話型超音波検査実行中の超音波トランスデューサ(2)の移動に対応しており、前記入力装置(22)を動かすことによって、前記ビュー平面(1)の旋回(3)、回転(6)及びスライド移動(7)を仮想記録面(5)上で実現できることを特徴とする目標物の多次元画像データセット(8)内におけるナビゲーション及び測定を行う装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、前記入力装置(22)は、コンピュータマウスであり、前記旋回動作(3)、前記回転動作(6)及び前記スライド移動(7)はそれぞれ、前記マウスの左側のマウスボタン(24)、右側のマウスボタン(26)又はスクロールホイール(25)によって制御されることを特徴とする目標物の多次元画像データセット(8)内におけるナビゲーション及び測定を行う装置。
【請求項17】
請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の装置であって、
断面画像上に、関心構造体(38)にさしわたすように表示されるベクトル(40)を設定することができ、
前記ベクトル(40)の終点及び/又は始点を通り、前記ベクトル(40)に対して垂直に伸びる真直平面(43)、湾曲平面(42)又は自由形状曲面を、前記画像データセット内に設定することができ、
前記平面の片側に位置する画像データが消去されて、前記目標物内の前記関心構造体(38)を明瞭に切り出すことができることを特徴とする目標物の多次元画像データセット(8)内におけるナビゲーション及び測定を行う装置。
【請求項18】
請求項14から請求項17のいずれか一項に記載の装置であって、前記画像データセットは、連続して取り込まれた複数の二次元又は三次元のフレーム(F1,F2,・・・Fn)のシーケンスを含むものであり、前記装置は、
ユーザがフレーム(Fp)内にマーカー(LM1,LM2)を設定したり、測定を実行したりするために利用できる入力装置(22)と、
前記フレームそれぞれの連続表示により前記シーケンス再生を実行するための画面(28)とを含むものであり、
測定が行われる関心フレーム(Fp)の選択が可能であると共に前記連続表示動作が前記関心フレーム(Fp)において予め定義された時間のあいだ停止し、その間に、ユーザは、マーカー(LM1,LM2)を設定したり、あるいは測定を実行したりすることができることを特徴とする目標物の多次元画像データセット(8)内におけるナビゲーション及び測定を行う装置。
【請求項19】
コンピュータプログラム製品であって、コンピュータ可読媒体に格納されたソフトウェアを含み、前記コンピュータプログラム製品がコンピュータにインストールされた際に、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の方法を、前記コンピュータに実行させることが可能な、コンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−506808(P2009−506808A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528361(P2008−528361)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007061
【国際公開番号】WO2007/025608
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(506065091)トムテック イマジング システムズ ゲゼルシャフト ミットべシュレンクテル ハフツンク (8)
【Fターム(参考)】