説明

多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物

【課題】排出ガス中に含まれるNOxやPMなどの低減を図るとともに、燃費を向上させることができる多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油を提供すること。
【解決手段】本発明の燃料油組成物は、13C−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいて、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが33〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が23%以上であり、予混合圧縮自己着火式エンジンに代表される、多段噴射式機構を有するディーゼルエンジンに適用することにより、燃費を向上させ、かつ、排出ガス中に含まれるNOxや黒煙、PMなどの低減を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予混合圧縮自己着火式エンジンに代表される多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油に最適な燃料油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンから排出される排出ガス中には、窒素酸化物(NO)、黒煙、粒子状物質(Particulate Matter:PM)等の環境汚染物質が多く含まれていることから、環境汚染物質の低減を目的として、エンジン本体の改良、酸化触媒や粒子状物質捕集装置(Diesel Particulate Filter:DPF)等による対策が種々講じられてきた。また、平成17年度からの新長期規制に対応して、後処理装置の装着が検討されているが、更なる規制強化も予想される。更には、地球温暖化の観点から二酸化炭素(CO)の低減も求められている。そのために、従来のディーゼルエンジンより燃費向上や排出ガス浄化の促進を行うことを目指して、予混合圧縮自己着火燃焼機構を取り上げたディーゼルエンジン開発が行われている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この方式を用いた予混合圧縮自己着火式エンジンとは、上死点近傍で早期に高圧噴射するエンジンであり、多段噴射機構付きエンジン、特にパイロット噴射機構付きエンジンを用いて完全若しくは部分予混合圧縮による着火燃焼を行うものが知られている。従って、予混合圧縮自己着火式エンジンでは燃料と空気とが従来のディーゼル燃焼と比較すると均一にかつ希薄に混合した状態で燃焼することになるため燃焼温度が高温にならないという特徴を有し、そのため、NOや黒煙、PMの発生を大幅に抑制することができる。また、この予混合圧縮自己着火式エンジンは燃焼速度が大きいため、理想サイクルに近いことと高圧縮比で運転できることから高効率である。このエンジンは、燃料として予混合気体を用いる点で火花点火エンジン(ガソリンエンジン)に近く、自発点火により燃焼が開始される点で圧縮点火エンジン(ディーゼルエンジン)に近い。それ故、両者の中間に位置する新しい燃焼方式のエンジンといえる。
【0004】
この予混合圧縮自己着火式エンジンによる燃焼は、排出ガス中のNO、黒煙、PMを同時に低減でき、高い熱効率が得られる等の利点がある。その反面、着火時期の制御が困難な場合があったり、また、ノッキングの発生で高負荷運転が制限されることや、とりわけディーゼルエンジンにおいては過早着火の抑制で未燃炭化水素の排出量が多い等の問題もあった。従って、これらの課題解決のために、エンジン技術面からの、高圧噴霧による噴射の均一化、吸気温度の制御、圧力比の制御、EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気ガス循環装置)量の制御や、燃料の噴射時期の制御等が検討されている。
【0005】
また、燃料油技術面からは、水素から軽油までの範囲で検討されているが、基本的には純正分、軽質成分を主体としてDual Fuelシステム、添加剤(含酸素化合物、セタン化向上剤)の利用、燃料油のセタン価変更、筒内への水噴射等の検討例が報告されている。更には、燃料油面からは、環境改善対策用の後処理装置性能を引き出すために低硫黄化が促進されている。更に、低芳香族化に向けて合成ガスから製造されるGTL(Gas to Liquid)ガソリンの活用の検討や、排ガス浄化に向けた燃料油組成面からの検討が行われている(例えば、特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】特開平9−158810号公報
【特許文献2】特開平10−273682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記した特許文献2に記載された燃料油は、予混合圧縮自己着火式エンジンにより燃焼させた場合にあっては、燃費が悪くなり、また、NOや黒煙、及びPMの低減にも繋がらないとういった問題が生じていた。
【0008】
従って、本発明の目的は、予混合圧縮自己着火式エンジンからの排出ガス中に含まれるNOxや黒鉛、及びPMの発生を抑制しつつ、燃費にも優れた多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決すべく、本発明の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物は、13C−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいて、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが33〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が23%以上であることを特徴とする。
【0010】
13C−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいては、化学シフトが0〜75ppmの領域には、主として、不飽和結合を含まない炭化水素部分を構成する炭素に起因するピークが含まれる。そして、化学シフトが33〜75ppmの領域には、主として、分枝構造を有する飽和炭化水素部分内の3級炭素や4級炭素に隣接する2級炭素に起因するピーク(あるいは、3級炭素や4級炭素に起因するピーク)が表れる領域である。従って、2級炭素等のピークが表れる場合には、3級炭素や4級炭素が存在することを示し、化学シフトが33〜75ppmの領域にあるピーク群のピーク総面積は、3級炭素や4級炭素といった分枝構造を有する炭化水素の含有量の程度あるいは分枝数の程度を示すものである。
【0011】
かかる本発明の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物によれば、13C−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいて、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが33〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が23%以上であるので、3級炭素及び4級炭素を含む分岐度の大きな燃料油組成物となり、予混合圧縮自己着火式エンジン等の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジンに適用した場合にあっては、燃費が向上するとともに、排ガス中のNOや黒煙及びPM等の大気汚染物質の発生を低減させることができる。
【0012】
本発明の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物は、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが40〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が5%以上であることが好ましく、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが50〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が1%以上であることが更に好ましい。
【0013】
本発明によれば、13C−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいて、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが40〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が5%以上であるため、3級炭素及び4級炭素等の割合が更に高くなり、分岐度のより大きな燃料油組成物となるので、前記した効果をより一層好適に享受し、燃費の向上と、排ガス中のNOや黒煙及びPM等の大気汚染物質の発生の低減を同時に実現する燃料油組成物となる。また、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが50〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が1%以上とすれば、かかる効果は更に確実に奏されることとなる。
【0014】
本発明の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物は、芳香族化合物の含有量が5質量%以下であることが好ましい。
この本発明によれば、芳香族化合物の含有量を5質量%以下と低く抑えているので、黒煙及びPM等の発生をより確実に実施することができる。
ここで、芳香族化合物とは、芳香族炭化水素や芳香環を分子内に有する添加剤等を含むものである。
【0015】
本発明の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物は、芳香族化合物の含有量が1質量%以下であることが好ましい。
この本発明によれば、燃料油中の芳香族化合物の含有量が1質量%以下であるため、黒煙やPMの排出をより一層抑制することができる。
【0016】
本発明の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物は、更に、4級炭素を含む炭化水素を、燃料油に対して1質量%以上添加することが好ましい。
この本発明によれば、更に、4級炭素を含む炭化水素を、燃料油に対して1質量%以上添加しているので、燃料油における4級炭素の割合が更に高くなり、分岐度がより大きい燃料油となる。これにより、燃費が更に向上し、排ガス中のNOや黒煙、PMが更に低減されることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について詳述する。
本発明の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物が適用される、多段噴射式機構を有するディーゼルエンジンの代表例の一つである予混合圧縮自己着火式エンジンは、いわゆるHCCIエンジン(Homogeneous Charge Compression Ignition Engine)とも称されるタイプのエンジンのことであり、高圧噴射により燃料油を微粉化し、また、早期噴射により混合時間を確保して、燃料油と空気の混合を促進することを上死点近傍で行うエンジンである。
【0018】
予混合圧縮自己着火式エンジンは、このように希薄燃焼を行うことにより、従来のディーゼルエンジンと比べて、NOxや黒鉛、及びPMの発生を抑制することができる。また、高圧縮比で運転できることから高効率である。燃料として予混合気体を用いる点で火花点火エンジン(ガソリンエンジン)に近く、その一方で、自発点火により燃焼が開始される点で圧縮点火エンジン(ディーゼルエンジン)に近い。
【0019】
ここで、本発明の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物(以下、単に「ディーゼルエンジン用燃料油組成物」、あるいは「燃料油組成物」とすることもある)は、13C−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいて、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが33〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が23%以上である。
【0020】
このように、本発明の燃料油組成物にあっては、13C−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいて、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが33〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合を23%以上としているが、前記したように、13C−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおける、化学シフトが0〜75ppmの領域には、主として、不飽和結合を含まない炭化水素部分を構成する炭素に起因するピークが含まれ、化学シフトが33〜75ppmの領域は、主として、分枝構造を有する飽和炭化水素部分内の3級炭素や4級炭素が存在し、それらの炭素に隣接する2級炭素に起因するピーク(あるいは、3級炭素や4級炭素に起因するピーク)が表れる領域である。
【0021】
図1は、3級炭素を含む炭化水素の一つである2−メチルウンデカン(2-methylundecane)における13C−NMRスペクトルを示す図である。図1に示すように、この2−メチルウンデカンは、14.13〜39.20ppmの範囲にピークを表している。直鎖状の炭化水素では、1級炭素、2級炭素の化学シフトは0〜32ppmであるのに対して、本発明にあっては、3級炭素を含む化合物を用いると、図1に矢印として示す範囲である、化学シフトが33〜75ppmの領域にピークが表れることについて着目している。
【0022】
以下、本発明の燃料油組成物を構成しうる炭化水素において、3級または4級の炭素を有する飽和炭化水素の例として、2−メチルウンデカン(2-methylundecane)、3−メチルウンデカン(3-methylundecane)、4−メチルウンデカン(4-methylundecane)、5−メチルウンデカン(5-methylundecane)、2,3−ジメチルオクタン(2,3-dimethyloctane)、4,5−ジメチルオクタン(4,5-dimethyloctane)、3,6−ジメチルオクタン(3,6-dimethyloctane)、3,5−ジメチルオクタン(3,5-dimethyloctane)、4,4−ジメチルオクタン(4,4-dimethyloctane)、3,3−ジメチルオクタン(3,3-dimethyloctane)、
2,2−ジメチルオクタン(2,2-dimethyloctane)、2,2,4,4,6,8,8−ヘプタメチルノナン(2,2,4,4,6,8,8-heptamethylnonane)、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン(2,2,4,6,6-pentamethylheptane)を挙げて、3級炭素及び4級炭素の存在と、それに隣接する2級炭素等の化学シフトのピークについて説明する。
【0023】
図2〜図5は炭化水素を構成する2級炭素ないし4級炭素の化学シフトを模式的に示した図であり、図2は2−メチルウンデカン(図2(A))、3−メチルウンデカン(同(B))、4−メチルウンデカン(同(C))、5−メチルウンデカン(同(D))、図3は2,3−ジメチルオクタン(図3(A))、4,5−ジメチルオクタン(同(B))、3,6−ジメチルオクタン(同(C))、図4は3,5−ジメチルオクタン(図4(A))、4,4−ジメチルオクタン(同(B))、3,3−ジメチルオクタン(同(C))、2,2−ジメチルオクタン(同(D))、図5は2,2,4,4,6,8,8−ヘプタメチルノナン(図5(A))、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン(同(B))の構造式を示す図である。
【0024】
ここで、図2〜図5においては、上段は構造式自体を示し、下段は構造式中の構成炭素(2級炭素、3級炭素及び4級炭素)のピークを示す化学シフト(ppm)(以下、単に「化学シフト」とする場合もある)を模式的に図示している。
【0025】
図1及び図2(A)に示す2−メチルウンデカンを例にとってみると、直鎖内においてはγ位の2級炭素の化学シフトが32ppmとなり一番大きくなる。そこで、3級以上の炭素が存在する場合には、化学シフトは33ppmとなると考えられ、2−メチルウンデカンにあっても、3級炭素に隣接する2級炭素の化学シフトが39ppmと高くなる。
【0026】
また、図2に示す炭化水素のように、直鎖中に3級炭素が1つ以上離れて存在する場合にあっては、隣接する2級炭素の化学シフトは33〜40ppmを示すことになる(図2(B)、図2(D)では、3級炭素自体の化学シフトも33〜40ppmを示す)。
【0027】
図3(A)及び図3(B)に示す炭化水素のように、直鎖中に3級炭素が複数存在する場合において、3級炭素が隣接する場合には、当該3級炭素に隣接する2級炭素の化学シフトは33〜40ppmを示すことになり、3級炭素と2級炭素に挟まれる3級炭素自体の化学シフトも33〜40ppmとなる。
また、図3(C)に示す炭化水素のように、複数の3級炭素が存在し、当該3級炭素に複数の2級炭素が挟まれている場合にあっては、挟まれた複数の2級炭素の化学シフトは33〜40ppmを示すことになり、3級炭素自体の化学シフトも34〜40ppmとなる。
【0028】
図4(A)に示す炭化水素のように、直鎖中に複数の3級炭素が存在し、当該3級炭素に1つの2級炭素が挟まれる場合には、挟まれた2級炭素の化学シフトは40ppm以上となる。また、当該3級炭素と隣接する2級炭素については、3級炭素と他の2級炭素に挟まれる2級炭素についての化学シフトが40ppmを超えることとなる。
図4(B)〜図4(D)に示す炭化水素のように、4級炭素に隣接する2級炭素については、当該隣接する2級炭素が他の2級炭素とも隣接している場合には、化学シフトが40ppmを超えることとなる。
【0029】
図5(A)及び図5(B)に示すように、3級炭素と4級炭素に2級炭素が挟まれている場合には、当該挟まれた2級炭素の化学シフトは50ppmを超えることとなる。
【0030】
このような例を見ても、化学シフトが33〜75ppmの範囲内に2級炭素のピーク(場合によっては、3級炭素等も)が表れる場合には、3級炭素や4級炭素が存在することを示すこととなり、これより、化学シフトが33〜75ppmの領域にあるピーク群のピーク総面積は、3級炭素や4級炭素といった分枝構造を有する炭化水素の含有量の程度あるいは分枝数の程度を示すものであることがわかる。
そして、本発明にあっては、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが33〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合を23%以上とすることにより、3級炭素及び4級炭素等を含む分岐度の大きな燃料油組成物となる。このように燃料油組成物の分岐度を大きくすることにより、予混合圧縮自己着火式エンジンに適用した場合にあっては、燃費が向上するとともに、排ガス中のNOや黒煙及びPM等の大気汚染物質の発生を低減させることができる。この割合は、25%以上とすることが好ましい。
【0031】
また、このような効果を更に向上させるためには、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが40〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が5%以上とすることが好ましい。このようにすれば、3級炭素及び4級炭素等の割合が更に高くなり、分岐度のより大きな燃料油組成物となるので、前記した効果をより一層好適に享受し、燃費の向上と、排ガス中のNOや黒煙及びPM等の大気汚染物質の発生の低減を同時に実現する燃料油組成物となる。
また、このような効果は、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが50〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が1%以上とすることにより、更に確実に奏されることとなる。
【0032】
そして、燃料油組成物中の芳香族化合物の含有量が組成物全体の5質量%以下とすることが好ましい。芳香族化合物の含有量が5質量%を超えると、黒煙及びPM等の抑制を図ることができない場合がある。この組成物の全芳香族分は、1質量%以下とすることが特に好ましく、これにより、黒煙及びPMの低減を確実に図ることができる。
なお、組成物中の全芳香族分は、例えば、JIS K2536「石油製品−成分試験方法」に準拠して測定することができる。
【0033】
本発明の燃料油組成物は、例えば、前記の炭化水素からなるような燃料油基材や、公知の燃料油基材を、前記した性状を具備するように、任意の手段を用いて適宜配合することにより調製することができる。
使用可能な軽油基材としては、例えば、分岐オレフィンの重合により得られる合成油などが挙げられる。
また、燃料油基材として、例えば、特開2004−124046号に開示されるブテンオリゴマー、特表平11−505863号に開示される高セタン指数を有する低芳香族性ディーゼル燃料、特開2000−95712号に開示される飽和オリゴマーや、特開平5−112473号に開示される異性化されたn−パラフィン(ノルマルパラフィン)等の一種または二種以上を用いて、前記した性状となるようにして本発明の燃料油組成物を調製するようにしてもよい。
【0034】
更には、このような性状の燃料油組成物を得るには、例えば、公知の流動接触分解装置で生成されるオレフィン類を原料として製造された燃料油や、合成ガスを燃料として、フィッシャー・トロプシュ(Fischer-Tropsch)法等により製造される燃料油を異性化処理して高分岐化させて製造した燃料油が挙げられる。また、同燃料油をガソリン、灯油、軽油、A重油、分解軽油に混合させてもよい。
【0035】
なお、本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物には、本発明の目的及び効果が妨げられない範囲において、必要に応じて各種の添加剤を適宜配合することができる。このような添加剤としては、例えば、カルボン酸系、エステル系、アルコール系などの潤滑性向上剤や、硝酸エステル系や有機過酸化物系などのセタン指数向上剤や、イミド系化合物、アルケニルコハク酸誘導体、コハク酸エステル、共重合系ポリマーなどの清浄剤や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アルケニルコハク酸アミドなどの流動性向上剤やフェノール系、アミン系などの酸化防止剤などが挙げられる。またこれらの添加剤は、一種を単独で、あるいは二種以上を組み合わせて添加することができる。
なお、これらの添加剤の添加量は、燃料油基材の種類等を勘案して、必要に応じて適宜選定すればよいが、通常は、添加剤の合計量として、本発明の燃料油組成物全体に対して、0.5質量%以下とすることが好ましい。
【0036】
このようにして得られた本発明の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物は、13C−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいて、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが33〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が23%以上であるので、3級炭素及び4級炭素等を含む分岐度の大きな燃料油組成物となり、予混合圧縮自己着火式エンジンに適用した場合にあっては、燃費が向上するとともに、排ガス中のNOや黒煙及びPM等の大気汚染物質の発生を低減させることができる。
【0037】
また、本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物は、芳香族化合物の含有量を5質量%以下とすれば、排ガス中の黒煙及びPM等の発生をより確実に実施することができる。
【0038】
本発明の燃料油組成物は、多段噴射機構を有するディーゼルエンジンである予混合圧縮自己着火式のエンジンに使用することにより効果を最大限に発揮することができる。多段噴射機構を有するエンジンの構造については種々の形態があるが、例えば、パイロット噴射機構を取り付けたコモンレール方式のエンジンがより効果的である。パイロット噴射とは、圧縮工程において主噴射の前に少量の燃料を噴射する機構である。
ここで、本明細書で挙げている予混合圧縮自己着火式エンジンについては、部分的に予混合圧縮着火燃焼を採用しているエンジンも含むものである。
【0039】
なお、パイロット噴射機構を取り付けたエンジンにおけるノズルから混合気を噴霧する時期は可能な限り進角することが好ましく、例えば、−50〜−10deg ATDCとし、一方、主ノズルから燃料を噴霧する時期は上死点近傍であって、例えば、−10〜+5deg ATDCとなるようにすればよい。
【0040】
また、パイロット噴射量は、できる限り均一な混合気となるような量とすることが好ましい。そのためには、パイロット噴射量を全燃料の噴射量(パイロット噴射量とメイン噴射量の和)に対する割合(パイロット噴射量比ともいう)で30%以下とすることが好ましく、0.5〜25%の範囲内とすることが更に好ましく、1.0〜20%の範囲内とすることが特に好ましく、このように、パイロット噴射量とメイン噴射量を調整することにより、パイロット噴射時の燃料の噴射量が均一な混合気に近づくこととなる。
【0041】
一方、低負荷運転では、パイロット噴射を行わず、メイン噴射時期は噴霧が燃焼室内に入るであろうと予測される噴射時期で可能な限り進角するようにすればよい。
【0042】
そして、このような本発明の多段噴射式機構を有するエンジン用燃料油は、更に、4級炭素を含む炭化水素を、組成物全体に対して1質量%以上添加するようにすることが好ましく、このようにすれば、燃料油組成物における4級炭素の割合が更に高くなり、分岐度がより大きい燃料油組成物となるため、燃費が更に向上し、排ガス中のNOや黒煙、PMが更に低減されることとなる。
ここで、4級炭素を含む炭化水素としては、例えば、t−ブチルシクロヘキサン(t-butylcyclohexane)、4,4−ジメチルオクタン(4,4-dimethyloctane)、3,3−ジメチルオクタン(3,3-dimethyloctane)、2,2−ジメチルオクタン(2,2-dimethyloctane)、2,2,4,4,6,8,8−ヘプタメチルノナン(2,2,4,4,6,8,8-heptamethylnonane)、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン(2,2,4,6,6-pentamethylheptane)等が挙げられ、これらの一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
【実施例】
【0043】
次に、実施例、比較例及び参考例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等の記載内容に何ら制限されるものではない。
【0044】
[実施例1]
表1に示した性状となるように、燃料油であるスーパーゾルFP−25、スーパーゾルFP−30及びスーパーゾルFP−38(全て出光興産(株)製)を組み合わせて配合し、実施例1の燃料油組成物を得た。
なお、これらの燃料油は、ルイス酸触媒下において、公知の流動接触分解装置から製造されるイソブテンを主体とするブテン類を主原料として製造されたものである。
実施例1の燃料油組成物について、NMR装置(DRX−500:ブルカー・バイオスピン(株)製)によるNMR分析結果を図6に示す。
【0045】
[参考例1]
JIS2号軽油を使用した。性状を表1、実施例1と同様にして測定したNMR分析結果を図7に示す。
【0046】
[参考例2]
天然ガスから製造されたGTL(Gas to Liquid)ガソリン)(コープ低公害車開発(株)製)を使用した。性状を表1、実施例1と同様にして測定したNMR分析結果を図8に示す。
【0047】
なお、実施例1、参考例1及び参考例2について、表1における燃料油組成物の性状は、それぞれ下記のようにして測定した。
【0048】
(燃料油組成物の性状測定方法)
硫黄分 :JIS K2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」に準拠し
て測定した。
密度(@15℃):JIS K2249「原油及び石油製品−密度試験方法」に準拠し
て測定した。
動粘度 :JIS K2283に準拠して測定した。
蒸留性状 :JIS K2254「石油製品−蒸留試験法」に準拠して測定した。
残留炭素(10%残油):JIS K2270に準拠して測定した。
引火点 :JIS K2265に準拠して測定した。
目詰まり点 :JIS K2288に準拠して測定した。
組成(芳香族化合物含む):JIS K2536「石油製品−成分試験方法」に準拠し
て測定した。
セタン価 :JIS K2280「オクタン価及びセタン価試験方法」に準拠して
測定した。
分岐度 :NMR装置(DRX−500:ブルカー・バイオスピン(株)製)に
よるNMR分析結果をもとに、化学シフトが33〜75ppm、40
〜75ppm、あるいは50〜75ppmにおけるピーク群のピーク
総面積の割合を面積比として算出した。
【0049】
( 燃料油組成物の性状 )
【表1】

【0050】
[試験例1:パイロット噴射を利用した場合の効果確認]
多段噴射式機構を有するディーゼルエンジンとして、表2に示す仕様の予混合圧縮自己着火式エンジンを用いて、実施例1、参考例1及び参考例2の燃料油組成物(燃料油)を、当該エンジンを下記の運転条件により運転した場合における、燃費、エンジン出口におけるNO濃度、黒煙濃度を、下記の試験方法を用いて測定し、比較・評価した。
【0051】
(エンジンの仕様)
【表2】

【0052】
(試験方法)
(1)燃費
仕込み燃料油を容積式検出器(FP−2140H:(株)小野測器製)で検出して、検出結果をデジタル流量計(FD−2410:(株)小野測器製)で計測して、燃費とした。
【0053】
(2)NOx(窒素酸化物)濃度
エンジンの排気管に設置したガスサンプル取り出し口から排出ガスの一部を抜き取って、
自動車排出ガス分析装置(MEXA−9100DGR:(株)堀場製作所製)を用いて測定した。
【0054】
(3)黒煙濃度
エンジンの排気管に設置したガスサンプル取り出し口から排出ガスの一部をスモークメーター(MEXA−130S:(株)堀場製作所製)に導入して測定した。
【0055】
[試験例1−1]
実施例1及び参考例1の燃料油を用いて、表3に示した中負荷の運転条件にて、パイロット噴射部分のHCCI燃焼をさせた、いわゆる部分HCCI燃焼を促進させるようにして、効果の確認を行った。結果を表4に示す。
なお、結果は、参考例1の結果を基準にして、実施例1の結果を正負で示した。ここで、値が負であれば、参考例1よりも燃費が向上し、また、NOx(窒素酸化物)濃度や黒煙濃度が低減されたことを示す(表4、6、8、10において、参考例の結果を「Base(基準)」と示している)。
【0056】
(運転条件)
【表3】

【0057】
(結果)
【表4】

【0058】
表4の結果からわかるように、実施例1の燃料油組成物は、基準とした参考例1の燃料油と比較して、燃費は向上し、かつ、NO濃度、黒煙濃度について低減効果が認められた。
従って、予混合圧縮自己着火式エンジンにおいて、パイロット噴射を利用した場合であっても、実施例1の燃料油組成物が、燃費の向上、及びNO濃度や黒煙濃度の低減に効果を発揮することができることが確認できた。
【0059】
[試験例1−2]
実施例1及び参考例2の燃料油を用いて、表5に示した中負荷の運転条件にて、パイロット噴射部分のHCCI燃焼をさせた、いわゆる部分HCCI燃焼を促進させるようにして、効果の確認を行った。結果を表6に示す。
なお、結果は、参考例2の結果を基準にして、実施例1の結果を正負で示した。ここで、値が負であれば、参考例2よりも燃費が向上し、また、NOx(窒素酸化物)濃度や黒煙濃度が低減されたことを示す。
【0060】
(運転条件)
【表5】

【0061】
(結果)
【表6】

【0062】
表6の結果からわかるように、実施例1の燃料油組成物は、基準とした参考例2の燃料油組成物と比較して、燃費は向上し、かつ、NO濃度について低減効果が認められた(なお、黒煙は、両者とも認められなかった)。
なお、実施例1の燃料油組成物は、参考例2の燃料油組成物と同様にiso−パラフィン主体の燃料油ではあるが、分岐度が大きい実施例1の燃料油組成物の方が優れた結果を得ることができた。
【0063】
[試験例2:パイロット噴射を用いない場合の効果確認]
試験例1と同様に、表2に示す仕様の予混合圧縮自己着火式エンジンを用いて、実施例1、参考例1及び参考例2に加えて、下記の実施例2及び参考例3(試験例2−2のみ)の燃料油組成物を、下記の運転条件により運転した場合における、燃費、エンジン出口におけるNO濃度、黒煙濃度を、試験例1と同様の方法にて測定し、比較・評価した。
【0064】
[実施例2]
実施例1の燃料油組成物に、更に、4級炭素を含むt−ブチルシクロヘキサン(t-butylcyclohexane)を、組成物全体に対して20質量%となるように配合して、実施例2の燃料油組成物を得た。
なお、t−ブチルシクロヘキサンのNMR分析結果により3級炭素以上のNMR面積比は、22.2%である((独)産業技術総合研究所のホームページより)。
また、実施例2の燃料油組成物の推定セタン価は、23である。
【0065】
[参考例3]
実施例1の燃料油組成物に、更に、n−ヘキシルベンゼン(n-hexylbenzene)を、組成物全体に対して20質量%となるように配合して、参考例3の燃料油組成物を得た。なお、n−ヘキシルベンゼンには3級以上の炭素は存在しない。
また、参考例3の燃料油組成物の推定セタン価は、実施例2の燃料油組成物と同様、23である。
【0066】
[試験例2−1]
実施例1、参考例1及び参考例2の燃料油を用いて、表7に示した低負荷の運転条件にて、HCCI燃焼を促進させるようにして、効果の確認を行った。結果を表8に示す。
なお、結果は、参考例1の結果を基準にして、参考例2及び実施例1の結果を正負で示した。ここで、値が負であれば、参考例1よりも燃費が向上し、また、NOx(窒素酸化物)濃度や黒煙濃度が低減されたことを示す。
【0067】
(運転条件)
【表7】

【0068】
(結果)
【表8】

【0069】
表8の結果から分かるように、実施例1の燃料油組成物は、基準とした参考例1はもちろんのこと、参考例2の燃料油と比較しても、燃費の向上がみられ、かつ、NO濃度について低減効果が認められた(なお、黒煙は、いずれも認められなかった)。従って、予混合圧縮自己着火式エンジンにおいて、パイロット噴射を利用しない場合であっても、実施例1の燃料油組成物が、燃費の向上、及びNO濃度の低減に効果を発揮することができることが確認できた。
【0070】
[試験例2−2]
実施例1、実施例2及び参考例3の燃料油を用いて、表9に示した低負荷の運転条件にて、HCCI燃焼を促進させるようにして、効果の確認を行った。結果を表10に示す。
なお、結果は、実施例1の結果を基準にして、実施例2及び参考例3の結果を正負で示した。ここで、値が負であれば、実施例1よりも燃費が向上し、また、NOx(窒素酸化物)濃度や黒煙濃度が低減されたことを示す。
【0071】
(運転条件)
【表9】

【0072】
(結果)
【表10】

【0073】
表10の結果より、4級炭素を含むt−ブチルシクロヘキサンを、組成物全体に対して20質量%となるように配合した実施例2の燃料油組成物は、実施例1の燃料油と比較しても燃費の向上がみられ、かつ、NO濃度について低減効果が認められた(なお、黒煙は、いずれも認められなかった)。従って、実施例1の燃料油に対して4級炭素であるt−ブチルシクロヘキサンを添加することにより、燃費の向上や、NO濃度についての低減効果が期待できることになる。
【0074】
一方、4級炭素を含まないn−ヘキシルベンゼンを、組成物全体に対して20質量%となるように配合した参考例3の燃料油組成物は、実施例1よりも劣る結果となり、燃費の向上や、NO濃度についての低減効果は確認できなかった。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油は、予混合圧縮自己着火式エンジンに用いた場合に、燃費を向上させることができるとともに、排出ガス中に含まれるNOxや黒煙、PMなどの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】2−メチルウンデカン(2-methylundecane)における13C−NMRスペクトルを示す図である。
【図2】炭化水素を構成する2級炭素ないし4級炭素の化学シフトを模式的に示した図である。
【図3】炭化水素を構成する2級炭素ないし4級炭素の化学シフトを模式的に示した図である。
【図4】炭化水素を構成する2級炭素ないし4級炭素の化学シフトを模式的に示した図である。
【図5】炭化水素を構成する2級炭素ないし4級炭素の化学シフトを模式的に示した図である。
【図6】実施例1の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料油組成物について行った13C−NMRスペクトルを示す図である。
【図7】参考例1の燃料油組成物について行った13C−NMRスペクトルを示す図である。
【図8】参考例2の燃料油組成物について行った13C−NMRスペクトルを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
13C−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいて、化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが33〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が23%以上であることを特徴とする多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物において、
化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが40〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が5%以上であることを特徴とする多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物において、
化学シフトが0〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積に対する、化学シフトが50〜75ppmにおけるピーク群のピーク総面積の割合が1%以上であることを特徴とする多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物において、
芳香族化合物の含有量が5質量%以下であることを特徴とする多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物において、
芳香族化合物の含有量が1質量%以下であることを特徴とする多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物において、
更に、4級炭素を含む炭化水素を、組成物全体に対して1質量%以上添加することを特徴とする多段噴射式機構を有するディーゼルエンジン用燃料油組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−213769(P2006−213769A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−25476(P2005−25476)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成14年度、経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構「予混合圧縮自己着火燃焼による超低公害・高効率ディーゼルエンジンの研究開発」に係る委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【出願人】(899000068)学校法人早稲田大学 (602)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】