説明

多段変速機

【課題】適宜な変速比間隔と大きな総変速比で少なくとも7つの前進段を包含し、比較的安価に製造できる多段変速機を提供する。
【解決手段】入力軸(1)に2個の切換え不能な前置歯車セット(RS1、RS2)が設けられ、これらの歯車セットが出力側に2つの回転数(n1、n2)を生じ、シフト要素(A、B、C、D、E)の選択的締結によって入力軸(1)の回転数のほかに回転数(n1、n2)が、出力軸(2)に作用する切換え可能な後置歯車セット(RS3、RS4)に選択的に接続され、ある段から次に高い又は次に低い段への切換えのために、その時操作した2つのシフト要素のうちそれぞれ一方のシフト要素を切断し、別の1つのシフト要素を連結するだけで、少なくとも前進7段の前進段を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の上位概念に基づく多段変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の変速機は欧州特許第0434525号明細書で明らかである。変速機はおおむね、互いに同軸に配列された入力軸と出力軸、出力軸に対して同心に配列された複遊星歯車セット及び3個のクラッチと2個のブレーキの形の5個のシフト要素からなり、これらのシフト要素の選択的締結がそれぞれ対をなして入力軸と出力軸の間の種々の変速比を決定する。
【0003】
公知の変速機は2つの動力経路を有し、複遊星歯車セットの第1の要素は第1のクラッチにより第1の動力経路と結合され、複遊星歯車セットの第2の要素は出力軸に固着され、第3の要素は第3のクラッチにより第2の動力経路と結合され、かつ第1のブレーキによりロックされ、複遊星歯車セットの第4の要素は第2のクラッチにより第1の動力経路と結合され、第2のブレーキにより制動されるから、シフト手段の間で対をなして選択的シフトが保証され、こうして6個の前進段が成立する。その場合1速は第1のクラッチと第1のブレーキにより、2速は第1のクラッチと第2のブレーキにより、3速は第1のクラッチと第2のクラッチにより、4速は第1のクラッチと第3のクラッチにより、5速は第2のクラッチと第3のクラッチにより、6速は第3のクラッチと第2のブレーキによりシフトされる。最後に後退段は第2のクラッチと第1のブレーキによりシフトされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明の課題は、適宜な変速比間隔と大きな総変速比で少なくとも7つの前進段を包含し、比較的安価に製造できる多段変速機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、第1の解決策では請求項1の特徴、第2の解決策では請求項13の特徴、第3の解決策では請求項18の特徴、第4の解決策では請求項22の特徴を有する多段変速機によって解決される。
【発明の効果】
【0006】
重要な利点は、本発明に係る多段変速機が少数の歯車セットとシフト要素で少なくとも7つの前進段を有することである。その場合シフトされる各段ごとにそれぞれ2個のシフト要素が操作されるだけである。ある段から次の段に切換えるときに1つのシフト要素が切断され、別の1つのシフト要素が連結されるだけである。複数のシフト要素を同時に操作しなければならない、シフト品質にとって問題なグループシフトを、このようにして回避することができる。
【0007】
なるべく少数のシフト要素と歯車セットでなるべく多くの変速段をシフトすることが可能な、安価に製造できる多段変速機に関する本発明の好適な実施形態が従属請求項で明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】前進7段、後退1段の多段変速機の第1実施形態の図である。
【図2】前進7段、後退1段の多段変速機の第2実施形態の図である。
【図3】前進7段、後退1段の多段変速機の第3実施形態の図である。
【図4】前進7段、後退1段の多段変速機の第4実施形態の図である。
【図5】前進7段、後退1段の多段変速機の第5実施形態の図である。
【図6】前進10段、後退1段の本発明多段変速機の第6実施形態の図である。
【図7】前進9段、後退2段の本発明多段変速機の第7実施形態の図である。
【図8】前進9段、後退1段の本発明多段変速機の第8実施形態の図である。
【図9】前進8段、後退2段の本発明多段変速機の第9実施形態の図である。
【図10】前進13段、後退1段の本発明多段変速機の第10実施形態の図である。
【図11】前進16段、後退1段の本発明多段変速機の第11実施形態の図である。
【図12】前進8段、後退段なしの本発明多段変速機の第12実施形態の図である。
【図13】前進8段、後退段なしの本発明多段変速機の第13実施形態の図である。
【図14】前進8段、後退段なしの本発明多段変速機の第143実施形態の図である。
【図15】前進11段、後退段なしの本発明多段変速機の第15実施形態の図である。
【図16】前進17段、後退段なしの本発明多段変速機の第16実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に本発明及びその実施形態を図に関連して詳述する。
【0010】
図には本発明に係る多段変速機のそれぞれの実施形態に従って、動力伝達経路図(図1Aないし16A)と、個々の変速段の当該の変速比、変速比間隔、総変速比及び個々の遊星歯車セットの静止変速比を含むシフトダイヤグラム(図1Bないし16B)が示されている。
【0011】
発明をもたらしたのは次のような考慮である。先行技術に比して製造が比較的安上がりな前進7段、後退1段の多段変速機を5個のシフト要素で構成するために、入力軸により伝達される入力回転数nのほかに、別の2つの回転数n1及びn2を発生する2つの前置歯車セットを入力軸に設ける。これと対照的に冒頭で述べた公知の多段変速機では、入力回転数nに加えてもう1つの回転数を発生するただ1個の前置歯車セットが入力軸に設けられるだけである。本発明ではシフト要素の操作により回転数n1、n2と入力回転数nが、シフトされる動力伝達経路に従って出力軸へ伝達される。補助シフト要素を配設することにより、前進7段、後退1段の本発明多段変速機から出発して特に乗用車、バス及びトラック用の前進7段以上で後退が少なくとも1段の種々の多段変速機が設計される。オフロード車用に特殊な変速比間隔のクローリング設計を提示することができる。オートバイや自転車で使用するために、後退なしの多段変速機を提示することができる。
【0012】
次に図1ないし5に関連して、5個のシフト要素で切換え可能な前進7段、後退1段の上記多段変速機の5つの異なる変型を説明する。本発明に基づく変速機設計で9以上の総変速比が可能であるから、冒頭に述べた6段変速機と比較して得られる総変速比の利得を、例えば発進要素として常用されるトルクコンバータを簡単な流体クラッチで代用するために利用することができ、しかも車両の高い発進能力をあきらめないでよい。
【0013】
図1ないし5でそれぞれ入力軸を1、シフト要素をA、B、C、D及びE、前置歯車セットVSの第1の遊星歯車セットをRS1、前置歯車セットVSの第2の遊星歯車セットをRS2、切換え可能な後置歯車セットNSの第1及び第2の歯車セットをRS3又はRS4で表す。
【0014】
図1ないし5の5つのすべての実施形態に共通するのは、入力軸1の入力回転数nのほかに前置歯車セットRS1が第1の補助回転数n1を、第2の歯車シフトセットRS2が第2の補助回転数n2を発生することである。ギヤチェンジのつどそれぞれ2つのシフト要素が締結されるだけである。
【0015】
前置歯車セットは切換え不能な2キャリア4軸ギヤを構成し、前置歯車セットごとに少なくとも1つ軸及び最大で1つの軸が入力軸1の回転数nで回転し、前置歯車セットごとに少なくとも1つの軸及び最大で1つの軸が固定されている。
【0016】
歯車セットRS1は太陽歯車11、遊星歯車12、リングギヤ13を有する。歯車セットRS2は太陽歯車21、遊星歯車22、リングギヤ23を有する。遊星歯車12に共通のプラネットキャリアを15で表し、遊星歯車22に属するプラネットキャリアを25で表す。
【0017】
切換え可能な後置ギヤNSは、歯車セットRS3及びRS4からなる切換え可能な2キャリア4軸ギヤである。歯車セットRS3は太陽歯車31、遊星歯車32、リングギヤ33を有する。同様に後置ギヤNSの歯車セットRS4は太陽歯車41、遊星歯車42、リングギヤ43からなる。遊星歯車32に共通のプラネットキャリアを35で表し、遊星歯車42に共通のプラネットキャリアを45で表す。歯車セットRS4のプラネットキャリア45は歯車セットRS3の軸と結合されている。この連結軸にシフト要素E及びDが接続する。
【0018】
歯車セットRS4の中心歯車にシフト要素B及びCが接続する。この場合中心歯車とは歯車セットの太陽歯車又はリングギヤのことである。歯車セットRS3の中心歯車にシフト要素Aが接続する。
【0019】
シフト要素Aと結合された軸が、シフト要素B及びCと結合されない歯車セットRS4の中心歯車との第2の連結軸(図4A、図5A)をなし、又は第2の連結軸が出力軸2と結合される(図1A、図2A、図3A)。
【0020】
軸とシフト要素の回転数について次のことが成り立つ。
1.入力軸とシフト要素Eの回転数はn=1である(基準量として)。
2.シフト要素Dの回転数は0以上である。
3.シフト要素Dの回転数はシフト要素Bの回転数以下である。
4.シフト要素Cの回転数はシフト要素Bの回転数より小さい。
5.シフト要素Bの回転数は1以下である。
6.シフト要素Aの回転数は0ないし1の範囲内である。
7.後置歯車セットNSに通じる最大2本の軸は同じ回転数を有する。
8.シフト要素A及びDにより歯車セットRS3に伝達される回転数が歯車セットRS3の変速比に関連して生じる出力回転数は、シフト要素C及びDにより歯車セットRS4に伝達される回転数が歯車セットRS4の変速比に関連して生じる出力回転数より大きく、またシフト要素Aと結合された軸が切換え可能な後置歯車セットNSの歯車セットRS4の中心歯車との連結軸をなす場合は、歯車セットRS3の変速比で生じる出力回転数より大きい。
【0021】
図1Aは2つの連結された切換え不能な前置歯車セットを有する本発明多段変速機の第1の実施形態を示す。この場合入力軸1は前置歯車セットRS1及びRS2の太陽歯車11及び21と結合されている。第1の前置歯車セットRS1のリングギヤ13は固定されている。2つの前置歯車セットRS1及びRS2のプラネットキャリア15及び25は互いに結合されている。第2の前置歯車セットRS2のリングギヤ23(回転数n2)はクラッチDにより第1の後置歯車セットRS3のリングギヤ33及び第2の後置歯車セットRS4のプラネットキャリア45と結合することができる。またプラネットキャリア15及び25(回転数n1)はクラッチAにより第1の後置歯車セットRS3の太陽歯車31と、またクラッチCにより第2の後置歯車セットRS4の太陽歯車41と結合することができる。入力軸1はクラッチBにより太陽歯車41と、またクラッチEによりプラネットキャリア45と結合することができる。後置ギヤNSでは歯車セットRS3のプラネットキャリア45が歯車セットRS4のリングギヤ43及び出力軸2と結合されている。また歯車セットRS3のリングギヤ33は歯車セットRS4のプラネットキャリア45と結合されている。
【0022】
5個のシフト要素AないしEの選択的接続により後置歯車セットNS又はその歯車セットRS3及びRS4を回転数n、n1及びn2で制御することによって、図1bのシフトダイヤグラムに従って前進段1ないし7と後退段Rをシフトすることができる。その場合ある段から次の段へ切換えるときに1つのシフト要素を切断し、1つのシフト要素を連結するだけでよいことが重要な利点である。こうして複数のシフト要素の同時連結(グループシフト)を行うシフト品質上問題なシフト操作を回避することができる。
【0023】
本発明に係る多段変速機の実施形態1で好都合なのは、特に冒頭で先行技術として説明した6段自動変速機と同様に良好な変速比間隔で総変速比が大きいことである(9以上)。こうして乗用車の応用例で例えば発進要素として常用されるトルクコンバータを流体クラッチ及び/又は変速機に組込んだ多板クラッチに置き換えることができ、しかも高い発進能力をあきらめないでよい。可能な実施形態を図1Aに例示した。これによって小さな重量と、全長の短縮によりフロアのトンネル区域に好都合な取付け寸法と、コストの低減という利点が生じる。
【0024】
次に図2Aに関連して本発明の別の実施形態を説明する。すでに図1Aに関連して説明した図2Aの細部は同じ符号を付した。
【0025】
実施形態2Aは実施形態1Aと異なり、第5のシフト要素としてクラッチの代わりに一般に制御が簡単なブレーキを有する。
【0026】
図2Aの実施形態では2つの太陽歯車11及び21が入力軸1と結合されている。入力軸1はクラッチAにより太陽歯車31と、またクラッチEによりプラネットキャリア45と結合することができる。プラネットキャリア15(回転数n1)はクラッチBにより太陽歯車41と結合することができる。リングギヤ13はプラネットキャリア25と結合され、プラネットキャリア25はハウジングに固着されている。リングギヤ23(回転数n2)はクラッチCにより太陽歯車41と結合することができる。プラネットキャリア45はブレーキDによりハウジングと結合することができる。リングギヤ33はプラネットキャリア45と結合されている。リングギヤ43はプラネットキャリア35及び出力軸2と結合されている。
【0027】
図2Aの変速機は図2Bに示した5つのシフト要素AないしEの締結状態に基づき7つの前進段と1つの後退段がシフトされる。
【0028】
本発明に係る多段変速機の実施形態2では特に2つの上位の段のオーバドライブ特性が燃費と運転騒音の低減に関して有利である。またクラッチに代わるブレーキDを例えば操作のための圧油供給に関して、構造上簡単に設計できることが好都合である。
【0029】
図3Aは2つの連結された切換え不能な前置歯車セットを有する本発明多段変速機の別の実施形態を示す。この場合前置歯車セットVSと後置歯車セットNSはラビニョー形ギヤとして構成されている。入力軸1は歯車セットRS1の太陽歯車11と結合されており、クラッチEにより歯車セットRS2の内側及び外側遊星歯車32’、32”のプラネットキャリア35’、35”及び歯車セットRS4のプラネットキャリア45と結合することができる。また入力軸1はクラッチAにより歯車セットRS3の太陽歯車31と結合することができる。歯車セットRS1及びRS2の互いに結合されたプラネットキャリア15、25’及び25”(回転数n1)はクラッチBにより歯車セットRS4の太陽歯車41と結合することができる。歯車セットRS1の遊星歯車12と歯車セットRS2の外側遊星歯車22”は互いに連結されている。歯車セットRS2の太陽歯車21(回転数n2)はクラッチCにより歯車セットRS4の太陽歯車41と結合することができる。歯車セットRS1のリングギヤ13は固定されている。プラネットキャリア35’、35”及び45はブレーキD2より固定することができる。歯車セットRS4の遊星歯車42と歯車セットRS3の外側遊星歯車32”は互いに連結されている。出力軸2は互いに結合されたリングギヤ33及び43に固着されている。
【0030】
図3Aの配列によれば、図3Bに表で示したシフトダイヤグラムにより7つの前進段と1つの後退段がシフトされる。
【0031】
本発明に係る多段変速機の実施形態3では、特にリングギヤが2個しかない4組の遊星歯車セットの安価な設計が有利である。また2つの上位の段のオーバドライブ特性を燃料節約と騒音放出の減少のために有利に利用することができる。
【0032】
図4Aは2つの連結された切換え不能な前置ギヤを有する本発明多段変速機の別の実施形態を示す。この場合前置歯車セットRS1及びRS2によって補助回転数n1及びn2が発生され、これらの歯車セットの遊星歯車12及び22のプラネットキャリア15及び25は互いに結合されている。入力軸1は歯車セットRS1及びRS2のリングギヤ13及び23と結合されており、クラッチEにより第3の歯車セットRS3のリングギヤ33と結合することができ、またクラッチBにより第4の歯車セットRS4のリングギヤ43と結合することができる。第1の歯車セットRS1の太陽歯車11はハウジングに固定されている。第2の歯車セットRS2の太陽歯車21(回転数n2)はクラッチDにより歯車セットRS4のプラネットキャリア45と結合することができ、プラネットキャリア45は歯車セットRS3のリングギヤ33と結合されている。歯車セットRS1及びRS2の遊星歯車12及び22のプラネットキャリア15及び25(回転数n1)はクラッチCにより歯車セットRS4のリングギヤ43と結合することができる。歯車セットRS3及びRS4の太陽歯車31及び41は共同でブレーキAによりロックすることができる。歯車セットRS3のプラネットキャリア35は出力軸2と結合されている。
【0033】
図4Aの配列で5個のシフト要素AないしEの締結によって、図4Bに表で示した7つの前進段と1つの後退段が得られる。
【0034】
本発明に係る多段変速機の実施形態4は特にオフロード車にとって特別の利点がある。この場合は特に図4Bに挙げた歯車セットの静止変速比に基づき高い変速比(i_1速>8)でクローリングが得られ、同時に高速の走行速度範囲で有利な変速比が得られる。また、ずれば遊星歯車を使用するとともに第4のリングギヤを廃止することによって製造が安上がりである。
【0035】
2個の連結された切換え不能な前置歯車セットを有する本発明多段変速機の図5Aの実施形態では、リングギヤ13が固定されている。プラネットキャリア15(回転数n1)はプラネットキャリア25と結合されており、クラッチBによりリングギヤ43と結合することができる。リングギヤ23(回転数n2)はクラッチDによりプラネットキャリア45及びこれと結合されたリングギヤ33と結合することができる。入力軸1は太陽歯車11及び21と結合されており、クラッチAにより太陽歯車41及び31と結合することができ、またクラッチEによりプラネットキャリア45及びリングギヤ33と結合することができる。ブレーキCを締結してクラッチBを切断すれば、リングギヤ43を回転数0に調整することができる。プラネットキャリア35は出力軸2と結合されている。
【0036】
個々の前進段1ないし7と後退段Rについて5個のシフト要素AないしEの詳しい締結状態が図5bで明らかである。
【0037】
本発明に係る多段変速機の実施形態5は実施形態4と同様に、特にオフロード車にとって特別の利点がある。この場合は特に図5Bに挙げた歯車セットの静止変速比に基づき、極めて高い変速比(i_1速=10)で極端なクローリングにシフトすることができるからである。1速(クローリング)と2速の変速比間隔が大きいので、このクローリングを運転者による特別なマニュアルシフト段として構成することが好ましい。通常の運転操作で15という全体として極めて大きい総変速比が得られる。2つの上位の段のオーバドライブ特性は燃費と運転騒音を減少する効果がある。
【0038】
図6Aの実施形態は2つの連結された切換え不能な前置歯車セットを有し、6個のシフト要素で前進10段と後退1段をシフトすることができる本発明多段変速機を示す。切換え可能な後置ギヤのクラッチB及びCを備えた軸に補助クラッチFが設けられている。nC<nF<nBが成り立つ。
【0039】
その場合入力軸1(回転数n)はリングギヤ13及びリングギヤ23と結合されており、シフト要素Eにより歯車セットRS4並びに歯車セットRS3の外側遊星歯車32”及び内側遊星歯車32’の互いに連結されたプラネットキャリア45、35”及び35’と結合することができる。プラネットキャリア25はプラネットキャリア15と結合されており(回転数n1)、クラッチBにより太陽歯車41と結合することができる。太陽歯車41はブレーキCの操作によってロックすることができ、又はハウジングと結合することができる。プラネットキャリア15及び25(回転数n1)はクラッチAにより太陽歯車31と結合することができる。太陽歯車21(回転数n2)はクラッチDにより歯車セットRS3の内側遊星歯車32’のプラネットキャリア35’と、またクラッチFにより歯車セットRS4の太陽歯車41と結合することができる。リングギヤ33及び43は互いに、かつ出力軸2と結合されている。
【0040】
この多段変速機でシフト要素AないしFの締結により図6Bに挙げた静止変速比に関連して、図6bに表で示した前進10段と後退1段がシフトされる。補助シフト要素により前進7段の本発明多段変速機のこれまでの実施形態1ないし5に比して、3つの別の前進段が得られる。変速比間隔を狭く設計することができる利点があり、従って例えばジーゼルエンジン車に好都合である。
【0041】
次に図7A及び7Bに関連して、2つの連結された切換え不能な前置歯車セットを有し、6個のシフト要素AないしFで前進9段と後退2段をシフトすることができる本発明多段変速機を説明する。
【0042】
入力軸1は前置歯車セットRS1のリングギヤ13及びこれと結合された前置歯車セットRS2のリングギヤ23と結合されており、クラッチEによりプラネットキャリア45と、またクラッチBにより太陽歯車41と結合することができる。遊星歯車22のプラネットキャリア25はプラネットキャリア15(回転数n1)と結合されており、クラッチAにより太陽歯車31と結合することができる。またプラネットキャリア25とプラネットキャリア15はクラッチFにより太陽歯車41と結合することができる。太陽歯車21(回転数n2)はクラッチCにより太陽歯車41と結合することができ、またクラッチDによりプラネットキャリア45と結合することができる。プラネットキャリア45はリングギヤ33と結合されている。リングギヤ43はプラネットキャリア35及び出力軸2と結合されている。
【0043】
本発明に係る多段変速機の上記の実施形態7で、図7Bに表で示すようにシフト要素AないしFの選択的締結により、図7Bに挙げた歯車セットの静止変速比に関連して、狭い変速比間隔で9つの前進段と好都合なことに2つの後退段がシフトされる。「通常の」後退段に比して発進変速比を低くした特別の後退段は、例えば自動変速機の冬期運転プログラムに組み入れることができる。
【0044】
図8Aの実施形態は2つの連結された切換え不能な前置歯車セットを有し、変速機の操作のために前進9段、後退2段をシフトする合計6個のシフト要素AないしFを設けた本発明多段変速機を示す。
【0045】
5個のクラッチと1個のブレーキを装備した図6Aの多段変速機と比較して、図8Aの多段変速機は4個のクラッチと2個のブレーキを有し、このため前進段の数が図6Aと比較して1段だけ減少している。
【0046】
歯車セットRS2はマイナスギヤであるが、歯車セットRS1はプラスギヤである。入力軸1は太陽歯車21及び歯車セットRS1の外側遊星歯車12”のプラネットキャリア15”と結合されており、クラッチAにより太陽歯車31と、またクラッチEによりプラネットキャリア45と結合することができる。プラネットキャリア25は一方では変速機のハウジングと、他方では歯車セットRS1の太陽歯車11と結合されている。歯車セットRS1の内側遊星歯車12’のプラネットキャリア15’は外側遊星歯車12”のプラネットキャリア15”と結合されている。歯車セットRS1(回転数n1)のリングギヤ13はクラッチBにより太陽歯車41と結合することができる。リングギヤ23(回転数n2)はクラッチCにより太陽歯車41と結合することができる。太陽歯車41はブレーキFの操作によりハウジングと結合することができる。プラネットキャリア45はブレーキDの操作によりハウジングと結合することができる。またプラネットキャリア45はリングギヤ33と結合されている。リングギヤ43はプラネットキャリア35及び出力軸2と結合されている。
【0047】
図8Aのこの多段変速機の9つの前進段と後退段のシフトのための6個のシフト要素AないしFのシフトダイヤグラムを図8Bに表で示す。
【0048】
本発明多段変速機の実施形態8では2つのシフト要素がブレーキとして構成されていることが好都合であり、これによってクラッチに比して例えば変速機ハウジング内の圧油通路の配管が簡単なため構造上の利点が生じる。変速比間隔がほぼ定常で、上位段側へゆるやかに低下する9つの前進段の極めて調和のとれた段階配列も特に有利である。
【0049】
次に図9A及び9Bに関連して、合計6個のシフト要素AないしFで前進8段と後退2段をシフトすることができる別の本発明多段変速機を説明する。
【0050】
この変速機の特徴は、これまで説明したそれぞれ2個の前置歯車セットの代わりに1個の切換え不能な前置歯車セットしかないことである。入力軸1(回転数n)は歯車セットRS1(プラスギヤ)の太陽歯車11と結合されており、クラッチEによりプラネットキャリア45と、またクラッチBにより太陽歯車41と結合することができる。歯車セットRS1の内側遊星歯車12’のプラネットキャリア15’と歯車セットRS1の外側遊星歯車12”のプラネットキャリア15”は互いに結合され、ハウジングに固定されている。さらにプラネットキャリア15’とプラネットキャリア15”はクラッチCにより太陽歯車41と結合することができる。リングギヤ13(回転数n1)はクラッチFにより太陽歯車41と結合することができ、またクラッチAにより太陽歯車31と結合することができる。リングギヤ43はリングギヤ33及び出力軸2と結合されている。プラネットキャリア45(遊星歯車42)、35’(内側遊星歯車32’)及び35”(外側遊星歯車32”)は互いに結合されており、ブレーキDによりロックすることができる。なお遊星歯車32”及び42は互いに連結されている。
【0051】
シフト要素AないしFの締結により前進8段と後退2段をシフトするこの多段変速機のシフトダイヤグラムを図9Bに示す。
【0052】
この本発明多段変速機では合計2個のリングギヤしかない3組の遊星歯車セットを設けただけであるから、段数のほかに、特に場所を取らない安価な構造が有利である。変速段の段階配列は調和がとれており、実施形態7と同様に、「通常の」後退段のほかに「高速の」後退段にシフトすることができる。
【0053】
図10Aは3つの連結された切換え不能な前置歯車セットRS1、RS2a及びRS2bを有し、7個のシフト要素AないしGで合計13の前進段と1つの後退段をシフトすることができる多段変速機を示す。クラッチB、C及びFを有する軸に補助クラッチFが設けられる。nF>nG>nBが成り立つ。切換え不能な3キャリア5軸ギヤによって入力回転数が発生される。
【0054】
入力軸1(回転数n)は第1の前置歯車セットRS1の太陽歯車11と結合されており、クラッチAにより第1の後置歯車セットRS3の太陽歯車31及びこれと結合された第2の後置歯車セットRS4の太陽歯車41と、またクラッチEにより第2の後置歯車セットRS4のプラネットキャリア45と結合することができる。
【0055】
これまで説明した変速機に設けられた歯車セットRS2がここでは歯車セットRS2a及びRS2bからなり、歯車セットRS2aの遊星歯車22aのプラネットキャリア25aと、プラスギヤとして構成された歯車セットRS2bの外側遊星歯車22b”のプラネットキャリア25b”は互いに連結されている。さらに遊星歯車22a及び22b”は互いに連結されている。プラネットキャリア15は内側遊星歯車22b’のプラネットキャリア25b’及び外側遊星歯車22b”のプラネットキャリア25b”と結合されている。またプラネットキャリア25b”はクラッチGによりリングギヤ43と結合することができる(回転数n2a)。リングギヤ43はブレーキCによりロックすることができる。歯車セットRS2a(回転数n1)の太陽歯車21aはクラッチBによりリングギヤ43と結合することができる。歯車セットRS2aのリングギヤ23aと歯車セットRS2bのリングギヤ23bは互いに結合されており(回転数n2b)、クラッチFによりリングギヤ43と、またクラッチDによりプラネットキャリア45及びこれと結合されたリングギヤ33と結合することができる。プラネットキャリア35は出力軸2と結合されている。最後に歯車セットRS2bの太陽歯車21b及び歯車セットRS1のリングギヤ13はハウジングと結合されている。
【0056】
上記のこの多段変速機で7個のシフト要素の選択的締結により、図10Bに挙げた歯車セットの静止変速比に関連して、図10Bに表で示す前進13段と後退1段がシフトされる。
【0057】
こうして本発明に係る多段変速機のこの実施形態の利点は、5個の遊星歯車セットと7個のシフト要素しかない極めてコンパクトな変速機構造で段数が大きいことにある。歯車セットの変速比を適当に選択することによって、実施形態10から後退2段の多段変速機を導き出すこともできる。但しその場合は前進段が12しかない。
【0058】
本発明に係る多段変速機の図11Aの実施形態では8個のシフト要素で合計16の前進段と1つの後退段がシフトされる。クラッチB、C、F及びGを有する軸は補助クラッチHを装備する。nG<nH<nBが成り立つ。切換え不能な4キャリア6軸ギヤによって入力回転数が発生される。
【0059】
前置歯車セットVSは合計4個の連結された切換え不能な遊星歯車セットを有する。前置歯車セットRS1は歯車セットRS1aと歯車セットRS1bからなり、歯車セットRS1aの遊星歯車12aと歯車セットRS1bの外側遊星歯車12b”は互いに連結され、外側遊星歯車12b”のプラネットキャリア15b”は内側遊星歯車12b’のプラネットキャリア15b’と結合されている。歯車セットRS2は2個の歯車セットRS2a及びRS2bからなり、歯車セットRS2aの遊星歯車22aと歯車セットRS2bの外側遊星歯車22b”は互いに連結されている。
【0060】
入力軸1(回転数n)は歯車セットRS1bの太陽歯車11b及び歯車セットRS2aの太陽歯車21aと結合されており、クラッチAにより太陽歯車31と、またクラッチEによりリングギヤ33と結合することができる。歯車セットRS1aの太陽歯車11aはハウジングと結合されている。歯車セットRS1a及び歯車セットRS1bのリングギヤ13a及び13bは互いに結合されており(回転数n1a)、クラッチBにより第2の後置歯車セットRS4の太陽歯車41と結合することができる。太陽歯車41はブレーキCによりロックすることができる。歯車セットRS2bの太陽歯車21b(回転数n2b)はクラッチDによりリングギヤ33と結合することができ、またクラッチFにより太陽歯車41と結合することができる。リングギヤ33はプラネットキャリア45と結合されている。歯車セットRS2bの内側遊星歯車22b’及び外側遊星歯車22b”のプラネットキャリア25b’及び25b”と歯車セットRS2aのプラネットキャリア25aは互いに結合されており(回転数n1b)、クラッチHにより太陽歯車41と結合することができる。歯車セットRS2a及びRS2bの連結されたリングギヤ23a及び23b(回転数n2a)はクラッチGにより同じく太陽歯車41と結合することができる。リングギヤ43はプラネットキャリア35及び出力軸2と結合されている。
【0061】
上記の変速機で8個のシフト要素AないしHの締結により、図11Bに挙げた歯車セットの静止変速比に関連して、図11Bに表で示した前進16段と後退1段が操作される。こうして本発明多段変速機のこの実施形態11の利点は比較的少数の遊星歯車セットとシフト要素を有するコンパクトな変速機構造で段数が極めて大きいことである。歯車セットの変速比を適当に選択することによって、実施形態11から後退2段の多段変速機を導き出すこともできる。但しその場合は前進段の数が15に減少する。
【0062】
次に図12Aに関連して8つの前進段を有し、これを5個のシフト要素とただ1個の前置歯車セットRS1でシフトすることができる多段変速機を説明する。これは前述の運動条件「シフト要素Dの回転数はシフト要素Bの回転数以下である」を条件「シフト要素Dの回転数はシフト要素Bの回転数に等しい」で制限することによって得られる。
【0063】
前置歯車セットRS1のリングギヤ13は軸によって多段変速機のハウジングに固着されている。入力軸1(回転数n)は前置歯車セットRS1の太陽歯車11と結合されており、クラッチEにより第1の後置歯車セットRS3のリングギヤ33及びこれと結合された第2の後置歯車セットRS4のプラネットキャリア45と結合することができ、またクラッチAにより歯車セットRS3の太陽歯車31と結合することができる。歯車セットRS1のプラネットキャリア15(回転数n1)はクラッチBにより歯車セットRS4の太陽歯車41と、またクラッチDにより歯車セットRS3のリングギヤ33と結合することができる。歯車セットRS4の太陽歯車41はブレーキCにより固定することができる。歯車セットRS4のリングギヤ43及びこれと結合された歯車セットRS3のプラネットキャリア35は出力軸2と結合されている。
【0064】
上記の変速機でシフト要素AないしEの選択的締結により、図12Bに示した合計8つの前進段がシフトされる。
【0065】
次に図13Aに関連して、8つの前進段を有し、これを5個のシフト要素でシフトすることができる本発明多段変速機の別の実施形態を説明する。
【0066】
この変速機でも同じく単一の前置歯車セットRS1が設けられ、後置の歯車セットRS3及びRS4の制御のために必要な回転数を生じる。前置歯車セットRS1は太陽歯車11とリングギヤ13のほかに内側遊星歯車12’及び外側遊星歯車12”を有し、そのプラネットキャリア15’及び15”は互いに結合されている。
【0067】
入力軸1(回転数n)は前置歯車セットRS1の太陽歯車11と結合されており、クラッチEにより第1の後置歯車セットRS3の外側遊星歯車32”のプラネットキャリア35”と結合することができ、またクラッチAにより歯車セットRS3の太陽歯車31と結合することができる。歯車セットRS1のプラネットキャリア15’及び15”は多段変速機のハウジングと結合されている。歯車セットRS4の太陽歯車41はブレーキCによりロックすることができる。歯車セットRS1のリングギヤ13(回転数n1)はクラッチBにより太陽歯車41と結合することができ、またクラッチDにより歯車セットRS3の内側遊星歯車32’のプラネットキャリア35’と結合することができる。プラネットキャリア35’は歯車セットRS3の外側遊星歯車32”のプラネットキャリア35”及び歯車セットRS4のプラネットキャリア45と結合されている。なお遊星歯車32”及び42は互いに連結されている。歯車セットRS3及びRS4のリングギヤ33及び43は出力軸2と結合されている。
【0068】
上記のこの変速機でシフト要素AないしEの選択的締結により、図14Bに表で示した合計8の前進段がシフトされる。
【0069】
次に図14Aに関連して、8つの前進段を有する本発明多段変速機の別の実施形態を説明する。これらの前進段を5個のシフト要素でシフトすることができ、やはりただ1個の前置歯車セットしか設けられていない。
【0070】
前置歯車セットRS1の太陽歯車11は多段変速機のハウジングに固着されている。入力軸1(回転数n)は歯車セットRS1のリングギヤ13と結合されており、クラッチEにより第2の後置歯車セットRS4のプラネットキャリア45及びこれと結合された第1の後置歯車セットRS3の太陽歯車31と結合することができ、またクラッチAにより歯車セットRS3のリングギヤ33及びこれと結合された歯車セットRS4のリングギヤ43と結合することができる。歯車セットRS1のプラネットキャリア15(回転数n1)はクラッチBにより太陽歯車41と、またクラッチDにより歯車セットRS4のプラネットキャリア45と結合することができる。歯車セットRS4の太陽歯車41はブレーキCにより固定することができる。歯車セットRS3のプラネットキャリア35は出力軸2と結合されている。
【0071】
上記の変速機でシフト要素AないしEの選択的締結により、図14Bに示した合計8の前進段がシフトされる。
【0072】
遊星歯車セットが3個、シフト要素が5個しかない本発明多段変速機の実施形態12、13及び14によって合計8つの前進段が具合よく得られる。特に変速機構造が極めてコンパクトであり、かつ後退段を廃止したため、この実施形態12、13及び14は特にオートバイ用に、また自転車のハブ内蔵変速装置として適している。実施形態12の段階構成は上位の2段に適度なオーバドライブ特性があるので、オートバイでの応用のために好都合である。実施形態13及び14の中間段の狭い変速比間隔と低速側へ大きくなる変速比間隔の組合わせは、自転車で使用するのに特に好都合である。
【0073】
次に図15Aに関連して、2つの連結された切換え不能な前置歯車セットを有し、これによって合計11の前進段を6個のシフト要素AないしFの選択的締結でシフトすることができる別の本発明多段変速機を説明する。
【0074】
第2の前置歯車セットRS2はプラスギヤとして、第1の前置歯車セットRS1はマイナスギヤとして構成され、歯車セットRS2の外側遊星歯車22”は歯車セットRS1の遊星歯車12に固結されている。入力軸1(回転数n)は歯車セットRS2の太陽歯車21と結合されており、クラッチBにより太陽歯車41と、またクラッチEにより第2の後置歯車セットRS4のプラネットキャリア45と結合することができ、プラネットキャリア45は第1の後置歯車セットRS3のリングギヤ33と結合されている。歯車セットRS2の外側遊星歯車22”と歯車セットRS1の遊星歯車12に共通のプラネットキャリア15(回転数n1)は、クラッチAにより歯車セットRS3の太陽歯車31と結合することができ、またクラッチFにより歯車セットRS4の太陽歯車41と結合することができる。さらにプラネットキャリア15は歯車セットRS2の外側遊星歯車22”及び内側遊星歯車22’のプラネットキャリア25”及び25’と結合されている。歯車セットRS1及びRS2の連結されたリングギヤ13及び23(回転数n2)はクラッチDによりプラネットキャリア45と、またクラッチCにより歯車セットRS4の太陽歯車41と結合することができる。歯車セットRS3のプラネットキャリア35は歯車セットRS4のリングギヤ43及び出力軸2と結合されている。
【0075】
この多段変速機でシフト要素AないしFの選択的締結により、図15Bに示したように11の前進段がシフトされる。
【0076】
最後に図16Aに関連して、8個のシフト要素で17の前進段をシフトすることができる別の本発明多段変速機を説明する。実施形態11Aと同様に、この場合は合計4個の連結された切換え不能な前置歯車セットが設けられている。そして前置歯車セットRS1は歯車セットRS1aと歯車セットRS1bからなり、前置歯車セットRS2は歯車セットRS2aと歯車セットRS2bからなる。
【0077】
入力軸1は第1の前置歯車セットRS1a(プラスギヤ)の太陽歯車11aと結合されており、クラッチAにより第1の後置歯車セットRS3の太陽歯車31と結合することができ、またクラッチEにより歯車セットRS3(プラスギヤ)の内側遊星歯車32’及び外側遊星歯車32”のプラネットキャリア35’及び35”と結合することができる。歯車セットRS1aの内側遊星歯車12a’のプラネットキャリア15’と歯車セットRS1aの外側遊星歯車12a”のプラネットキャリア15”は互いに結合されている。歯車セットRS1bはマイナスギヤとして構成されている。この場合第2の前置歯車セットRS1bの太陽歯車11bは第3の前置歯車セットRS2aの太陽歯車21aに相当する。また第2の歯車セットRS1bのリングギヤ13bは第4の前置歯車セットRS2bのリングギヤ23bに相当する。歯車セットRS1aの外側遊星歯車12a”、歯車セットRS1bの遊星歯車1b、歯車セットRS2aの遊星歯車22a、歯車セットRS2bの遊星歯車22bは、ずれば遊星歯車として互いに連結されている。これらの遊星歯車に共同でプラネットキャリア15a”が配属されている。プラネットキャリア15a”(回転数n1b)はクラッチGにより第2の後置歯車セットRS4(マイナスギヤ)の太陽歯車41と、またクラッチDにより第1の後置歯車セットRS3の内側遊星歯車32’のプラネットキャリア35’と結合することができる。歯車セットRS3はプラスギヤとして構成されている。歯車セットRS3の外側遊星歯車32”は歯車セットRS4の遊星歯車42に連結されている。内側遊星歯車32’のプラネットキャリア35’は歯車セットRS3の外側遊星歯車32”のプラネットキャリア35”と結合されている。歯車セットRS1bの太陽歯車11bはハウジングと結合されている。歯車セットRS2b(回転数n2b)の太陽歯車21bはクラッチFにより太陽歯車41と結合することができ、太陽歯車41はブレーキCにより同じくハウジングと結合することができる。歯車セットRS1a及び歯車セットRS1bのリングギヤ13a及び13bは互いに結合されており、クラッチB(回転数n1a)により太陽歯車41と結合することができる。プラネットキャリア35”は(それとともにプラネットキャリア35’も)プラネットキャリア45と、かつ互いに結合されている。歯車セットRS2a(回転数n2a)のリングギヤ23aはクラッチHにより歯車セットRS4の太陽歯車41と結合することができる。最後にリングギヤ33及び43は出力軸2と結合されている。
【0078】
この多段変速機で図16Bに挙げた歯車セットの静止変速比に関連して、8個のシフト要素AないしHの選択的締結により、図16Bに示すように合計17の前進段がシフトされる。
【0079】
実施形態12、13及び14と同様に、本発明多段変速機の上記の実施形態15及び16は適宜に大きな段数でオートバイ用に、特に自転車用ハブ内蔵変速装置として適している。
【符号の説明】
【0080】
VS 前置遊星歯車セット
RS1 第1の前置遊星歯車セット、第1の遊星歯車セット
RS1a 第1の前置遊星歯車セット
RS1b 第2の前置遊星歯車セット
RS2 第2の前置遊星歯車セット、第2の遊星歯車セット
RS2a 第3の前置遊星歯車セット
RS2b 第4の前置遊星歯車セット
NS 後置遊星歯車セット
RS3 第1の後置遊星歯車セット、第3の遊星歯車セット
RS4 第2の後置遊星歯車セット、第4の遊星歯車セット
A−H 第1ないし第8のシフト要素(クラッチ又はブレーキ)
n 入力軸の入力回転数
n1 遊星歯車セットRS1の出力回転数
n1a 遊星歯車セットRS1aの出力回転数
n1b 遊星歯車セットRS1bの出力回転数
n2 遊星歯車セットRS2の出力回転数
n2a 遊星歯車セットRS2aの出力回転数
n2b 遊星歯車セットRS2bの出力回転数
1 入力軸
2 出力軸
11 歯車セットRS1の太陽歯車
11a 歯車セットRS1aの太陽歯車
11b 歯車セットRS1bの太陽歯車
12 歯車セットRS1の遊星歯車
12’ 歯車セットRS1の内側遊星歯車
12” 歯車セットRS1の外側遊星歯車
12a 歯車セットRS1aの遊星歯車
12a’ 歯車セットRS1aの内側遊星歯車
12a” 歯車セットRS1aの外側遊星歯車
12b 歯車セットRS1bの遊星歯車
12b’ 歯車セットRS1bの内側遊星歯車
12b” 歯車セットRS1bの外側遊星歯車
13 歯車セットRS1のリングギヤ
13a 歯車セットRS1aのリングギヤ
13b 歯車セットRS1bのリングギヤ
15 歯車セットRS1のプラネットキャリア
15’ 歯車セットRS1の内側遊星歯車のプラネットキャリア
15” 歯車セットRS1の外側遊星歯車のプラネットキャリア
15a 歯車セットRS1aのプラネットキャリア
15a’ 歯車セットRS1aの内側遊星歯車のプラネットキャリア
15a” 歯車セットRS1aの外側遊星歯車のプラネットキャリア
15b 歯車セットRS1bのプラネットキャリア
15b’ 歯車セットRS1bの内側遊星歯車のプラネットキャリア
15b” 歯車セットRS1bの外側遊星歯車のプラネットキャリア
21 歯車セットRS2の太陽歯車
21a 歯車セットRS2aの太陽歯車
21b 歯車セットRS2bの太陽歯車
22 歯車セットRS2の遊星歯車
22’ 歯車セットRS2の内側遊星歯車
22” 歯車セットRS2の外側遊星歯車
22a 遊星歯車セットRS2aの遊星歯車
22b 歯車セットRS2bの遊星歯車
22b’ 歯車セットRS2bの内側遊星歯車
22b” 歯車セットRS2bの外側遊星歯車
23 歯車セットRS2のリングギヤ
23a 歯車セットRS2aのリングギヤ
23b 歯車セットRS2bのリングギヤ
25 歯車セットRS2のプラネットキャリア
25’ 歯車セットRS2の内側遊星歯車のプラネットキャリア
25” 歯車セットRS2の外側遊星歯車のプラネットキャリア
25a 歯車セットRS2aのプラネットキャリア
25b 歯車セットRS2bのプラネットキャリア
25b’ 歯車セットRS2bの内側遊星歯車のプラネットキャリア
25b” 歯車セットRS2bの外側遊星歯車のプラネットキャリア
31 遊星歯車セットRS3の太陽歯車
32 歯車セットRS3の遊星歯車
32’ 歯車セットRS3の内側遊星歯車
32” 歯車セットRS3の外側遊星歯車
33 歯車セットRS3のリングギヤ
35 歯車セットRS3のプラネットキャリア
35’ 歯車セットRS3の内側遊星歯車のプラネットキャリア
35” 歯車セットRS3の外側遊星歯車のプラネットキャリア
41 歯車セットRS4の太陽歯車
42 歯車セットRS4の遊星歯車
43 歯車セットRS4のリングギヤ
45 歯車セットRS4のプラネットキャリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前置歯車セット(VS)と結合された入力軸(1)と、2個の切換え可能な連結された遊星歯車セット(PS3、PS4)からなる後置歯車セット(NS)と結合された出力軸(2)と、シフト要素(AないしH)とを有し、ギヤチェンジのためにシフト要素(AないしH)の選択的接続により入力軸(1)の回転数及び前置歯車セット(VS)の回転数を後置歯車セット(NS)に選択的に伝達することができる多段変速機において、前置歯車セット(VS)が2個の切換え不能な連結された遊星歯車セット(RS1、RS2)からなり、2つの遊星歯車セット(RS1、RS2)が出力側に2つの回転数(n1、n2)を発生し、シフト要素(AないしF)の選択的締結により入力軸(1)の入力回転数(n)のほかにこれらの回転数(n1、n2)を、出力軸(2)に作用する後置歯車セット(NS)の2個の切換え可能な遊星歯車セット(RS3、RS4)の少なくとも一方に選択的に接続することができ、ある変速段から次に高い又は次に低い変速段へ切換えるために、その時操作した2つのシフト要素のうちそれぞれ一方のシフト要素だけが切断され、他方のシフト要素が連結され、少なくとも7つの前進段が形成されることを特徴とする多段変速機。
【請求項2】
前進段の数がシフト要素(AないしF)の数より少なくとも2だけ大きいことを特徴とする請求項1に記載の多段変速機。
【請求項3】
前置歯車セット(VS)として、切換え不能な2キャリア4軸ギヤを構成する第1の遊星歯車セット(RS1)及び第2の遊星歯車セット(RS2)が設けられ、少なくとも一方の軸が入力軸(1)の入力回転数(n)で回転し、別の軸が固定されており、切換え可能な後置歯車セット(NS)が第3の遊星歯車セット(RS3)及び第4の遊星歯車セット(RS4)からなる切換え可能な2キャリア4軸ギヤであることを特徴とする請求項1又は2に記載の多段変速機。
【請求項4】
第1の遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)と第2の遊星歯車セット(RS2)の太陽歯車(21)が入力軸(1)に配設され、第1の遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)が固定され、第1の遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)のプラネットキャリア(15)が第2の遊星歯車セット(RS2)の遊星歯車(22)のプラネットキャリア(25)と結合されており、第2の遊星歯車セット(RS2)のリングギヤ(23)を第4のシフト要素(D)により第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)と結合することができ、第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)が第4の遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)のプラネットキャリア(45)と結合されており、第1の遊星歯車セット(RS1)のプラネットキャリア(15)を第1のシフト要素(A)により第3の遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合することができ、第2の遊星歯車セット(RS2)のプラネットキャリア(25)を第3のシフト要素(C)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第3の遊星歯車セット(RS3)の遊星歯車(32)のプラネットキャリア(35)が第4の遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)及び出力軸(2)と結合されており、入力軸(1)を第2のシフト要素(B)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と、また第5のシフト要素(E)により第4の遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)と結合することができることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多段変速機(図1A)。
【請求項5】
入力軸(1)が第1の遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)及び第2の遊星歯車セット(RS2)のリングギヤ(21)と結合され、第2の遊星歯車セット(RS2)の遊星歯車(22)のプラネットキャリア(25)が固定され、かつ第1の遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)と結合されており、入力軸(1)を第1のシフト要素(A)により第3の遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合することができ、また第5のシフト要素(E)により第4の遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、第4の遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)が第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)と結合されており、第4の遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)及びこれと結合された第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)を第4のシフト要素(D)により固定することができ、第2の遊星歯車セット(RS2)のリングギヤ(23)を第3のシフト要素(C)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第1の遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)のプラネットキャリア(15)を第2のシフト要素(B)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第4の遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(42)が第3の遊星歯車セット(RS3)の遊星歯車(32)のプラネットキャリア(35)及び出力軸(2)と結合されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多段変速機(図2A)。
【請求項6】
入力軸(1)が第1の遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)と結合され、第1の遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)のプラネットキャリア(15)が第2の遊星歯車セット(RS2)の外側遊星歯車(22”)のプラネットキャリア(25”)及び内側遊星歯車(22’)のプラネットキャリア(25’)と結合され、第1の遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)が第2の遊星歯車セット(RS2)の外側遊星歯車(22”)と連結され、第1の遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)が第2の遊星歯車セット(RS2)のリングギヤ(23)と結合され、第1の遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)が固定され、第3の遊星歯車セット(RS3)の外側遊星歯車(32”)のプラネットキャリア(35”)が第3の遊星歯車セット(RS3)の内側遊星歯車(32’)のプラネットキャリア(35’)及び第4の遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)のプラネットキャリア(45)と結合され、第3の遊星歯車セット(RS3)の2つのプラネットキャリア(35’、35”)及びこれと結合された第4の遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)を第4のシフト要素(D)により固定することができ、入力軸(1)を第1のシフト要素(A)により第3の遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合することができ、入力軸(1)を第5のシフト要素(E)により第3の遊星歯車セット(RS3)のプラネットキャリア(35’、35”)及びこれと結合された第4の遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、第4の遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)が第3の遊星歯車セット(RS3)の外側遊星歯車(32”)と連結されており、第2の遊星歯車セット(RS2)の太陽歯車(21)を第3のシフト要素(C)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第1の遊星歯車セット(RS1)のプラネットキャリア(15)及びこれと結合された第2の遊星歯車セット(RS2)の2つのプラネットキャリア(25’、25”)を第2のシフト要素(B)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)及びこれと連結された第4の遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)が出力軸(2)と結合されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多段変速機(図3A)。
【請求項7】
第1の遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)が第2の遊星歯車セット(RS2)の遊星歯車(22)に連結され、第1の遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)が固定され、第1の遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)のプラネットキャリア(15)と第2の遊星歯車セット(RS2)の遊星歯車(22)のプラネットキャリア(25)が互いに結合され、入力軸(1)が第1の遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)及び第2の遊星歯車セット(RS2)のリングギヤ(23)と結合されており、第2の遊星歯車セット(RS2)の太陽歯車(21)を第4のシフト要素(D)により第4の遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、第1の遊星歯車セット(RS1)のプラネットキャリア(15)及びこれと結合された第2の遊星歯車セット(RS2)のプラネットキャリア(25)を第3のシフト要素(C)により第4の遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)と結合することができ、入力軸(1)を第2のシフト要素(B)により第4の遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)と結合することができ、入力軸(1)を第5のシフト要素(E)により第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)と結合することができ、第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)が第4の遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)と結合され、第3の遊星歯車セット(RS3)の遊星歯車(32)のプラネットキャリア(35)が出力軸(2)と結合され、第3の遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)が互いに結合されており、かつ第1のシフト要素(A)により固定することができることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多段変速機(図4A)。
【請求項8】
入力軸(1)が第1の遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)と結合され、第1の遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)が第2の遊星歯車セット(RS2)の太陽歯車(21)と結合され、第1の遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)が固定され、第1の遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)のプラネットキャリア(15)が第2の遊星歯車セット(RS2)の遊星歯車(22)のプラネットキャリア(25)と結合され、第2の遊星歯車セット(RS2)のリングギヤ(23)を第4のシフト要素(D)により第4の遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、第4の遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)が第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)と結合され、入力軸(1)を第1のシフト要素(A)により第3の遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)及びこれと結合された第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、入力軸(1)を第5のシフト要素(E)により第4の遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)及びこれと結合された第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)と結合することができ、第1の遊星歯車セット(RS1)のプラネットキャリア(15)及びこれと結合された第2の遊星歯車セット(RS2)のプラネットキャリア(25)を第2のシフト要素(B)により第4の遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)と結合することができ、第4の遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)を第3のシフト要素(C)により固定することができ、第3の遊星歯車セット(RS3)の遊星歯車(32)のプラネットキャリア(35)が出力軸(2)と結合されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多段変速機(図5A)。
【請求項9】
入力軸(1)が第1の遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)と結合され、第1の遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)が第2の遊星歯車セット(RS2)のリングギヤ(23)と結合され、第1の遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)が固定され、第1の遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)のプラネットキャリア(15)が第2の遊星歯車セット(RS2)の遊星歯車(22)のプラネットキャリア(25)と結合されており、第2の遊星歯車セット(RS2)の太陽歯車(21)を第4のシフト要素(D)により第3の遊星歯車セット(RS3)の内側遊星歯車(32’)のプラネットキャリア(35’)と結合することができ、第3の遊星歯車セット(RS3)の内側遊星歯車(32’)のプラネットキャリア(35’)が第3の遊星歯車セット(RS3)の外側遊星歯車(32”)のプラネットキャリア(35”)と結合され、第3の遊星歯車セット(RS3)の外側遊星歯車(32”)が第4の遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)に連結されており、第2の遊星歯車セット(RS2)のプラネットキャリア(25)を第1のシフト要素(A)により第3の遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合することができ、入力軸(1)を第5のシフト要素(E)により第3の遊星歯車セット(RS3)のプラネットキャリア(35’)及びプラネットキャリア(35”)と結合することができ、第2の遊星歯車セット(RS2)の太陽歯車(21)を第6のシフト要素(F)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第1の遊星歯車セット(RS1)のプラネットキャリア(15)及び第2の遊星歯車セット(RS2)のプラネットキャリア(25)を第2のシフト要素(B)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)を第3のシフト要素(C)により固定することができ、第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)が第4の遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)及び出力軸(2)と結合されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多段変速機(図6A)。
【請求項10】
入力軸(1)が第1の遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)と結合され、第1の遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)のプラネットキャリア(15)が第2の遊星歯車セット(ES2)の遊星歯車(22)のプラネットキャリア(25)と結合され、第1の遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)が第2の遊星歯車セット(RS2)のリングギヤ(23)と結合され、第1の遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)が固定されており、入力軸(1)を第5のシフト要素(E)により第4の遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、プラネットキャリア(45)が第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)と結合されており、入力軸(1)を第2のシフト要素(B)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第1の遊星歯車セット(RS1)のプラネットキャリア(15)及び第2の遊星歯車セット(RS2)のプラネットキャリア(25)を第1のシフト要素(A)により第3の遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合することができ、また第6のシフト要素(F)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第2の遊星歯車セット(RS2)の太陽歯車(21)を第3のシフト要素(C)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、また第4のシフト要素(D)により第4の遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)及び第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)と結合することができ、第4の遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)が第3の遊星歯車セット(RS3)の遊星歯車(32)のプラネットキャリア(35)及び出力軸(2)と結合されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多段変速機(図7A)。
【請求項11】
入力軸(1)が第2の遊星歯車セット(RS2)の太陽歯車(21)及び第1の遊星歯車セット(RS1)の内側遊星歯車(12’)のプラネットキャリア(15’)と結合され、第1の遊星歯車セット(RS1)の内側遊星歯車(12’)のプラネットキャリア(15’)が第1の遊星歯車セット(RS1)の外側遊星歯車(12”)のプラネットキャリア(15”)と結合され、第2の遊星歯車セット(RS2)の遊星歯車(22)のプラネットキャリア(25)が固定され、かつ第1の遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)と結合されており、入力軸(1)を第1のシフト要素(A)により第3の遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合することができ、第2の遊星歯車セット(RS2)のリングギヤ(23)を第3のシフト要素(C)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第1の遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)を第2のシフト要素(B)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、入力軸(1)を第5のシフト要素(E)により第4の遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、第4の遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)が第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)と結合されており、第4のシフト要素(D)により固定することができ、第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)を第6のシフト要素(F)により固定することができ、第4の遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)が第3の遊星歯車セット(ES3)の遊星歯車(32)のプラネットキャリア(35)及び出力軸(2)と結合されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多段変速機(図8A)。
【請求項12】
入力軸(1)が第2の遊星歯車セット(RS2)の太陽歯車(21)と結合され、第2の遊星歯車セット(RS2)の外側遊星歯車(22”)が第1の遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)と連結され、第1の遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)が固定されており、入力軸(1)を第2のシフト要素(B)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、また第5のシフト要素(E)により第4の遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、プラネットキャリア(45)が第3の遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)と結合され、第2の遊星歯車セット(RS2)の外側遊星歯車(22”)及び第1の遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)に共通のプラネットキャリア(15)が第2の遊星歯車セット(RS2)の内側遊星歯車(22’)のプラネットキャリア(25’)と結合されており、第6のシフト要素(F)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第1の遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)が第2の遊星歯車セット(RS2)のリングギヤ(23)と結合されており、第4のシフト要素(D)により第4の遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、また第3のシフト要素(C)により第4の遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第2の遊星歯車セット(RS2)の外側遊星歯車(22’)と第1の遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)に共通のプラネットキャリア(15)を第1のシフト要素(A)により第3の遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合することができ、第4の遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)が第3の遊星歯車セット(RS3)の遊星歯車(32)のプラネットキャリア(35)及び出力軸(2)と結合されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多段変速機(図15A)。
【請求項13】
前置歯車セット(VS)が出力側に回転数(n1)を発生する切換え不能な遊星歯車セット(RS1)からなり、シフト要素(AないしF)の選択的締結により入力軸の入力回転数(n)のほかに回転数(n1)が、出力軸(2)に作用する後置歯車セット(NS)の2つの遊星歯車セット(RS3、RS4)の少なくとも一方に選択的に接続され、それぞれ次に高い又は次に低い段へのギヤチェンジのために、その時操作した2つのシフト要素のうちそれぞれ一方のシフト要素だけが切断され、別のシフト要素が連結され、その際少なくとも7つの前進段が構成され、前進段の数がシフト要素の数より少なくとも2だけ大きいことを特徴とする請求項1の上位概念に基づく多段変速機。
【請求項14】
前置遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)が入力軸(1)と結合され、前置遊星歯車セット(RS1)の内側遊星歯車(12’)のプラネットキャリア(15’)が固定され、かつ前置遊星歯車セット(RS1)の外側遊星歯車(12”)のプラネットキャリア(15”)と結合されており、入力軸(1)を第5のシフト要素(E)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、第2の後置遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)が第1の後置遊星歯車セット(RS3)の内側遊星歯車(32’)のプラネットキャリア(35’)及び第1の後置遊星歯車セット(RS3)の外側遊星歯車(32”)のプラネットキャリア(35”)と結合されており、第4のシフト要素(D)により固定することができ、入力軸(1)を第2のシフト要素(B)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、前置遊星歯車セット(RS1)の内側遊星歯車(12’)のプラネットキャリア(15’)及び外側遊星歯車(12”)のプラネットキャリア(15”)を第3のシフト要素(C)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、前置遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)を第6のシフト要素(F)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、また第1のシフト要素(A)により第1の後置遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合することができ、第2の後置遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)が第1の後置遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)及び出力軸(2)と結合され、第1の後置遊星歯車セット(RS3)の外側遊星歯車(32”)と第2の後置遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)が互いに連結されていることを特徴とする請求項13に記載の多段変速機(図9A)。
【請求項15】
前置遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)が入力軸(1)と結合され、前置遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)が固定されており、入力軸(1)を第1のシフト要素(A)により第1の後置遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合することができ、また第5のシフト要素(E)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、第2の後置遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)が第1の後置遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)と結合されており、第2の後置遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)及び第1の後置遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)を第4のシフト要素(D)により前置遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)のプラネットキャリア(15)と結合することができ、第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)を第3のシフト要素(C)により固定することができ、前置遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)のプラネットキャリア(15)を第2のシフト要素(B)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第2の後置遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)が第1の後置遊星歯車セット(RS3)の遊星歯車(32)のプラネットキャリア(35)及び出力軸(2)と結合されていることを特徴とする請求項13に記載の多段変速機(図12A)。
【請求項16】
前置遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)が入力軸(1)と結合され、前置遊星歯車セット(RS1)の内側遊星歯車(12’)のプラネットキャリア(15’)と外側遊星歯車(12”)のプラネットキャリア(15”)が互いに結合され、かつ固定され、第1の後置遊星歯車セット(RS3)の内側遊星歯車(32’)のプラネットキャリア(35’)が第1の後置遊星歯車セット(RS3)の外側遊星歯車(32”)のプラネットキャリア(35”)及び第2の後置遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)のプラネットキャリア(45)と結合され、第1及び第2の後置遊星歯車セット(RS3、RS4)の結合されたプラネットキャリア(35’、35’、45)を第4のシフト要素(D)により前置遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)と結合することができ、入力軸(1)を第1のシフト要素(A)により第1の後置遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合することができ、入力軸(1)を第5のシフト要素(E)により第1及び第2の後置遊星歯車セット(RS3、RS4)の結合されたプラネットキャリア(35”、35’、45)と結合することができ、第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)を第3のシフト要素(C)により固定することができ、前置遊星歯車セットのリングギヤ(13)を第2のシフト要素(B)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第1の後置遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)及びこれに連結された第2の後置遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)が出力軸(2)と結合されていることを特徴とする請求項13に記載の多段変速機(図13A)。
【請求項17】
前置遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)が入力軸(1)と結合され、前置遊星歯車セット(RS1)の太陽歯車(11)が固定されており、入力軸(1)を第5のシフト要素(E)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、プラネットキャリア(45)は第1の後置遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合されており、第1のシフト要素(A)により第1の後置遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)と結合することができ、第1及び第2の後置遊星歯車セット(RS3、RS4)のリングギヤ(33、43)が互いに結合されており、前置遊星歯車セット(RS1)のプラネットキャリア(15)を第2のシフト要素(B)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、また第4のシフト要素(D)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、第1の後置遊星歯車セット(RS3)の遊星歯車(32)のプラネットキャリア(35)が出力軸(2)と結合されていることを特徴とする請求項13に記載の多段変速機(図14A)。
【請求項18】
前置歯車セット(VS)が3個の切換え不能な連結された星歯車セット(RS1、RS2a、RS2b)からなり、3個の遊星歯車セット(RS1、RS2a、RS2b)が出力側に3つの回転数(nl、n2a、n2b)を発生し、シフト要素(AないしG)の選択的締結により入力軸(1)の入力回転数(n)のほかに上記の回転数(nl、n2a、n2b)が、出力軸(2)に作用する後置遊星歯車セット(NS)の2つの切換え可能な遊星歯車セット(RS3、RS4)の少なくとも1つに接続され、次に高い又は次に低い段へのギヤチェンジのために、その時操作したの2つのシフト要素のうちそれぞれ一方のシフト要素だけが切断され、別のシフト要素が連結され、少なくとも7つの前進段が構成されることを特徴とする請求項1の上位概念に基づく多段変速機。
【請求項19】
前進段の数がシフト要素(AないしG)の数より少なくとも2だけ大きいことを特徴とする請求項18に記載の多段変速機。
【請求項20】
前置歯車セット(VS)として第1の前置遊星歯車セット(RS1)、第2の前置遊星歯車セット(RS2)及び第3の前置遊星歯車セット(RS3)が設けられ、これらの遊星歯車セットが切換え不能な3キャリア5軸ギヤを構成し、少なくとも1つの軸が入力軸(1)の回転数(n)で回転し、少なくとも1つの別の軸が固定されており、切換え可能な後置ギヤ(NS)が第1の後置遊星歯車セット(RS3)及び第2の後置遊星歯車セット(RS4)からなる切換え可能な2キャリア4軸ギヤであることを特徴とする請求項18又は19に記載の多段変速機。
【請求項21】
第1の前置遊星歯車セット(RS1)が入力軸(11)と結合され、第3の前置遊星歯車セット(RS2b)の外側遊星歯車(22b”)と第2の前置遊星歯車セット(RS2a)の遊星歯車(22a)が互いに連結され、第2の前置遊星歯車セット(RS2a)の遊星歯車(22a)と第3の前置遊星歯車セット(RS2b)の外側遊星歯車(22b”)に共通のプラネットキャリア(25b”)が第3の前置遊星歯車セット(RS2b)の内側遊星歯車(22b’)のプラネットキャリア(25b’)及び第1の前置遊星歯車セット(RS1)の遊星歯車(12)のプラネットキャリア(15)と結合され、第1の前置遊星歯車セット(RS1)のリングギヤ(13)及び第3の前置遊星歯車セット(RS2b)の太陽歯車(21b)が固定されており、第2の前置遊星歯車セット(RS2a)のリングギヤ(23a)及び第3の前置遊星歯車セット(RS2b)のリングギヤ(23b)を第4のシフト要素(D)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、第2の後置遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)が第1の後置遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)と結合されており、第2の前置遊星歯車セット(RS2a)のリングギヤ(23a)及び第3の前置遊星歯車セット(RS2b)のリングギヤ(23b)を第6のシフト要素(F)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)と結合することができ、入力軸(1)を第1のシフト要素(A)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)及びこれと結合された第1の後置遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合することができ、また第5のシフト要素(E)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、第2の後置遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)を第3のシフト要素(C)により固定することができ、第2の前置遊星歯車セット(RS2a)の太陽歯車(21a)を第2のシフト要素(B)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)と結合することができ、第2の前置遊星歯車セット(RS2a)の遊星歯車(22a)と第3の前置遊星歯車セット(RS2b)の外側遊星歯車(22b”)に共通のプラネットキャリア(25”)を第7のシフト要素(G)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)と結合することができ、第1の後置遊星歯車セット(RS3)の遊星歯車(32)のプラネットキャリア(35)が出力軸(2)と結合されていることを特徴とする請求項18、19又は20に記載の多段変速機(図10A)。
【請求項22】
前置歯車セット(VS)が少なくとも4個の切換え不能な連結された遊星歯車セット(RSa1、RS1b、RS2a、RS2b)からなり、これらの遊星歯車セットが出力側に4つの回転数(n1a、n1b、n2a、n2b)を発生し、シフト要素(AないしH)の選択的締結により入力軸(1)の入力回転数(n)のほかに上記の回転数(nla、n1b、n2a、n2b)が、出力軸(2)に作用する後置遊星歯車セット(NS)の2つの切換え可能な遊星歯車セット(RS3、RS4)の少なくとも1つに接続され、次に高い又は次に低い段へのギヤチェンジのために、その時操作したの2つのシフト要素のうちそれぞれ一方のシフト要素だけが切断され、別のシフト要素が連結され、少なくとも7つの前進段が構成されることを特徴とする請求項1の上位概念に基づく多段変速機。
【請求項23】
前進段の数がシフト要素(AないしH)の数より少なくとも2だけ大きいことを特徴とする請求項22に記載の多段変速機。
【請求項24】
前置セット(VS)として第1の前置遊星歯車セット(RS1a)、第2の前置遊星歯車セット(RS1b)、第3の前置遊星歯車セット(RS2a)及び第4の前置遊星歯車セット(RS2b)が設けられ、これらの遊星歯車セットが切換え不能な4キャリア6軸ギヤを構成し、少なくとも1つの軸が入力軸(1)の入力回転数(n)で回転し、少なくとも1つの別の軸が固定されており、切換え可能な後置ギヤ(NS)が第1の後置遊星歯車セット(RS3)及び第2の後置遊星歯車セット(RS4)からなる切換え可能な2キャリア4軸ギヤであることを特徴とする請求項22又は23に記載の多段変速機。
【請求項25】
第1の前置遊星歯車セット(RS1a)の遊星歯車(12a)が第2の前置遊星歯車セット(RS1b)の外側遊星歯車(12b”)に連結され、第1の前置遊星歯車セット(RS1a)の遊星歯車(12a)と第2の前置遊星歯車セット(RS1b)の外側遊星歯車(12b”)に共通のプラネットキャリア(15b”)が第2の前置遊星歯車セット(RS1b)の内側遊星歯車(12b’)のプラネットキャリア(15b’)と結合され、第3の前置遊星歯車セット(RS2a)の遊星歯車(22a)が第4の前置遊星歯車セット(RS2b)の外側遊星歯車(22b”)に連結され、第3の前置遊星歯車セット(RS2a)の遊星歯車(22a)と第4の前置遊星歯車セット(RS2b)の外側遊星歯車(22b”)に共通のプラネットキャリア(25b”)が第4の前置遊星歯車セット(RS2b)の内側遊星歯車(22b’)のプラネットキャリア(25b’)と結合され、また第1の前置遊星歯車セット(RS1a)の遊星歯車(12a)と第2の前置遊星歯車セット(RS1b)の外側遊星歯車(12b”)に共通のプラネットキャリア(15b”)と結合されており、入力軸(1)が第2の前置遊星歯車セット(RS1b)の太陽歯車(11b)及び第3の前置遊星歯車セット(RS2a)の太陽歯車(21a)と結合され、第1の前置遊星歯車セット(RS1a)の太陽歯車(11a)が固定され、第1の前置遊星歯車セット(RS1a)のリングギヤ(13a)が第2の前置遊星歯車セット(RS2b)のリングギヤ(13b)と結合されており、第2のシフト要素(B)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、入力軸(1)を第1のシフト要素(A)により第1の後置遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合することができ、また第5のシフト要素(E)により第1の後置遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)と結合することができ、リングギヤ(33)が第2の後置遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)のプラネットキャリア(45)と結合されており、第4の前置遊星歯車セット(RS2b)の太陽歯車(21b)を第4のシフト要素(D)により第1の後置遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)及び第2の後置遊星歯車セット(RS4)のプラネットキャリア(45)と結合することができ、また第6のシフト要素(F)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第4の前置遊星歯車セット(RS2b)の外側遊星歯車(22b”)のプラネットキャリア(25b”)を第8のシフト要素(H)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第3の前置遊星歯車セット(RS2a)のリングギヤ(23a)が第4の前置遊星歯車セット(RS2b)のリングギヤ(23b)と結合されており、第7のシフト要素(G)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)を第3のシフト要素(C)により固定することができ、第1の後置遊星歯車セット(RS3)の遊星歯車(RS3)の遊星歯車(32)のプラネットキャリア(35)が第2の後置遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)及び出力軸(2)と結合されていることを特徴とする請求項22、23又は24に記載の多段変速機(図11A)。
【請求項26】
入力軸(1)が第1の前置遊星歯車セット(RS1a)の太陽歯車(11a)と結合され、第1の前置遊星歯車セット(RS1a)の外側遊星歯車(12a”)、第2の前置遊星歯車セット(RS1b)の遊星歯車(12b)、第3の前置遊星歯車セット(RS2a)の遊星歯車(22a)及び第4の前置遊星歯車セット(RS2b)の遊星歯車(22b)がずれば遊星歯車として形成され、第1の前置遊星歯車セット(RS1a)の内側遊星歯車(12a’)のプラネットキャリア(15a’)が第1の前置遊星歯車セット(RS1a)の外側遊星歯車(12a”)のプラネットキャリア(15a”)、第2の前置遊星歯車セット(RS1b)の遊星歯車(12b)のプラネットキャリア(15b)、第3の前置遊星歯車セット(RS2a)の遊星歯車(22a)のプラネットキャリア(25a)及び第4の前置遊星歯車セット(RS2b)の遊星歯車(22b)のプラネットキャリア(25b)と結合されており、第7のシフト要素(G)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第2の前置遊星歯車セット(RS1b)の太陽歯車(11b)が固定されており、第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)を第3のシフト要素(C)により固定することができ、第3の前置遊星歯車セット(RS2a)のリングギヤ(23a)を第8のシフト要素(H)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、入力軸(1)を第1のシフト要素(A)により第1の後置遊星歯車セット(RS3)の太陽歯車(31)と結合することができ、第1の前置遊星歯車セット(RS1a)のリングギヤ(13a)と第2の前置遊星歯車セット(RS1b)のリングギヤ(13b)が互いに結合されており、第2のシフト要素(B)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第1の前置遊星歯車セットの外側及び内側遊星歯車(12a”、12a’)の結合されたプラネットキャリア(15a”、15a’)を第4のシフト要素(D)により第1の後置遊星歯車セット(RS3)の内側遊星歯車(32”)のプラネットキャリア(35’)と結合することができ、第1の後置遊星歯車セット(RS3)の外側遊星歯車(32”)と第2の後置遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)が互いに連結され、第1の後置遊星歯車セット(RS3)の外側遊星歯車(32”)のプラネットキャリア(35”)が第1の後置遊星歯車セット(RS3)の内側遊星歯車(32’)のプラネットキャリア(35’)及び第2の後置遊星歯車セット(RS4)の遊星歯車(42)のプラネットキャリア(45)が結合されており、第5のシフト要素(E)により入力軸(1)と結合することができ、第4の前置遊星歯車セット(RS2b)の太陽歯車(21b)を第6のシフト要素(F)により第2の後置遊星歯車セット(RS4)の太陽歯車(41)と結合することができ、第1の後置遊星歯車セット(RS3)のリングギヤ(33)及び第4の後置遊星歯車セット(RS4)のリングギヤ(43)が共同で出力軸(2)と結合されていることを特徴とする請求項22、23又は24に記載の多段変速機(図16A)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−189221(P2012−189221A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−130225(P2012−130225)
【出願日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【分割の表示】特願2001−529604(P2001−529604)の分割
【原出願日】平成12年10月11日(2000.10.11)
【出願人】(500045121)ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト (312)
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
【Fターム(参考)】