説明

多段斜流ポンプ

【課題】多段に形成された斜流ポンプにおいて、単段のポンプの場合の案内羽根の製作性を犠牲にすることなく、高比速度と高効率の要求を満足する。
【解決手段】多段斜流ポンプ30では、1本の回転軸1に複数の斜流羽根車2a、2bが取り付けられている。初段斜流羽根車と2段斜流羽根車の間には、初段斜流羽根車を出た流れを2段斜流羽根車に導く案内流路手段が形成されている。案内流路手段は、円筒状ケーシング4とこのケーシング内に周方向に間隔をおいて配置された複数の案内羽根4とを有する第1の案内流路手段と、下流側に行くにしたがい断面積が狭くなる縮流流路を形成する縮流管6とこの縮流管内に周方向に間隔をおいて配設された複数の整流板7とを有する第2の案内流路手段とを有する。整流板は、軸に平行な板である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の斜流羽根車とこの斜流羽根車の各々の下流側に配設される円筒形状案内羽根を有する多段斜流ポンプに係り、特に比速度が中程度であるときに好適な多段斜流ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
中高比速度ポンプは、低比速度ポンプに比べて全揚程が低くて流量が多い。そのため、羽根車の入口径Dと出口径Dが比較的近い値となり、子午面形状が斜流型になる。また、案内羽根で効率的に圧力回復させるため、入口部では軸に対して斜め方向である流れを軸方向に転向した流れとできるように、ボウルケーシング構造が多用されている。
【0003】
このような従来のボウル型斜流ポンプでは、ポンプ内部の流れをスムーズにして高効率とするため、複雑な3次元羽根形状が用いられる。そして、この複雑な3次元羽根を実現するために、案内羽根とボウル型ケーシングとを、一体鋳造品として製作している。鋳造品を用いると、木型の製作や鋳造に多大の時間とコストを要し、ポンプ製作工程の隘路となっている。
【0004】
上記鋳造品を採用することによる不具合を改善するために、特許文献1では、案内羽根を円錐の一部で近似し、鋼板を円錐治具に押し当ててプレス成形している。そして、ケーシングの内外壁を、ロール成形容易な円筒状または円錐状とし、ボール型ケーシング全体を製缶化している。
【0005】
【特許文献1】特許第3126662号公報
【非特許文献1】日本工業出版「ターボポンプ新改訂版」(特にその第32頁、図3.11参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載のポンプにおいては、案内羽根ケーシングの中で、内ケーシングを、上流側円錐部、中間円筒部および下流側円錐部から形成して、鋳造案内羽根ケーシングの等価品としている。その結果、案内羽根ケーシング出口端では、内ケーシングの製造工程が複雑になる。
【0007】
ところで、羽根車を多段に設けてポンプの吐出圧力を高める多段ポンプでは、上流側の案内羽根を出た流れを、損失が少なく下流側の羽根車に導くことが、ポンプ効率を向上させるために重要である。そのため、案内羽根を形成するボールケーシング部分またはボールケーシング部の下流側において、ケーシングの外径を縮小して、下流の羽根車に所期の流れを導いている。
【0008】
すなわち、多段斜流ポンプにおいては、案内羽根ケーシング出口端の内外壁を縮小するために、縮流管等を案内羽根ケーシングの下流側に配設する。円筒型案内羽根ケーシングの下流に内外壁を縮小する縮流管等を配設するときは、この縮流管等の軸方向長さが十分に長くないと、案内羽根ケーシング内に配設した案内羽根だけでは羽根車出口の旋回速度成分を全て軸方向に転向することができない。そして上記非特許文献1に記載のように、外壁側では羽根車の回転方向と同方向であり、内壁側ではその反対方向である2次流れが形成される。その結果、特に案内羽根ケーシングの出口外壁側で、流れに大きな旋回速度成分が残る。
【0009】
さらに、案内羽根ケーシングの出口外壁側に残存する旋回流れは、縮流管等により内径側に強制的に移動させられ、その際、下記(式1)で表される自由渦流れの作用から、旋回速度を増す。
【0010】
u4∝1/r (式1)
流れに旋回速度成分(ここでは、Cu4=Cu1)が付加されると、下記(式2)で表される羽根車により発生する全揚程Hが低下する。ここで、Uは羽根車出口の周速度、Cu1は羽根車に流入する絶対速度の周方向成分、Cu2は羽根車から流出する絶対速度の周方向成分Cu2、ηはポンプ水力効率、gは重力加速度である。
【0011】
H=η×U2×(Cu2−Cu1)/g (式2)
この旋回速度成分により次段羽根車の仕事量が低下するだけでなく、さらに縮流またはテーパ流路内の流れは遠心力により外壁側に押し付けられ、テーパ管内壁からの流れの剥離による損失が増加する。また、次段羽根車の目玉部に、主流が偏流するという大きな悪影響を及ぼす。
【0012】
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、多段の斜流ポンプにおいても単段の斜流ポンプで用いる案内羽根の製作性を犠牲にすることなく、所期の高比速度および高効率の要求を満足することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成する本発明の特徴は、1本の回転軸に複数の斜流羽根車が取り付けられ、少なくとも初段斜流羽根車と2段斜流羽根車の間には初段斜流羽根車を出た流れを2段斜流羽根車に導く案内流路手段が形成された多段斜流ポンプにおいて、案内流路手段は、円筒状ケーシングとこのケーシング内に周方向に間隔をおいて配置された複数の案内羽根とを有する第1の案内流路手段と、下流側に行くにしたがい断面積が狭くなる縮流流路を形成する縮流管とこの縮流管内に周方向に間隔をおいて配設された複数の整流板とを有する第2の案内流路手段とを有し、この整流板は軸に平行な板としたことにある。
【0014】
そしてこの特徴において、案内羽根と整流板とを軸方向に隣り合って配置し、かつ案内羽根と整流板は軸方向に隙間をもって配置されているのがよい。また、整流板の枚数は、案内羽根の枚数の整数倍または整数分の1のいずれかとし、この整流板はさらに、整流板に隣り合う案内羽根の周方向1ピッチ間の中央部より圧力面側に配置していることが望ましい。整流板の前縁部および後縁部は、回転軸に対して実質的に垂直であってもよく、回転軸に対して傾斜し、前縁部および後縁部はともに外径側が内径側より軸方向に案内羽根側に位置していてもよい。第1の案内流路手段と第2の案内流路手段は、それぞれ一体で製作されており、ともに製缶構造であることが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、多段斜流ポンプにおいて、羽根車の下流側に配置される案内羽根の下流に次段羽根車への縮流流路を形成し、この縮流流路内に、複数の軸に平行な整流板を配置したので、案内羽根出口に残る旋回速度成分を除去でき、単段の斜流ポンプで用いる案内羽根の製作性を犠牲にすることなく、所期の高比速度および高効率の要求を満足できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る多段斜流ポンプのいくつかの実施例を、図面を用いて説明する。図1ないし図3は、多段斜流ポンプ30の一実施例の図であり、図1はその主要部の子午面断面図であり、図2は図1に示した多段斜流ポンプ30の流れを説明する図、図3は図1に示した多段斜流ポンプ30のA−A線展開図であり、案内羽根5と整流板部7の関係を示す図である。
【0017】
図1は、多段斜流ポンプ30の最初の2段部分を示す図であり、この図において、回転軸1には2組の羽根車2a、2bがインペラナット12により、取り付けられている。羽根車2aは、ケーシングライナ3内に収容されている。2組の羽根車2a、2b間には、ほぼ円筒状に形成された円筒型ケーシング4が配置されている。円筒型ケーシング4内には、周方向に間隔をおいて複数枚の案内羽根5が配置されている。円筒型ケーシング4は、軸受13で支持されている。なお、2段目の羽根車2bの下流側にも、案内羽根が配置されるが、本図では図示を省略している。
【0018】
初段案内羽根5の下流には、この案内羽根5からの流れを2段羽根車2bに滑らかに案内する、内側テーパ管6aおよび外側テーパ管6bで構成される縮流管6が配設されている。2つのテーパ管6a、6b間に形成される流路内には、回転軸1に平行であって放射状に形成された複数の整流板7が配設されている。この整流板7は、テーパ管6a、6bと溶接等により、一体に形成されている。なお整流板7の前縁部および後縁部は、回転軸1に垂直に形成されている。そして、整流板7の枚数は、案内羽根5の枚数の整数倍または整数分の1の枚数、ここでは2倍の枚数としている。
【0019】
このように構成した本実施例の動作を、以下に説明する。本実施例で示した多段斜流ポンプ30では、羽根車2aにより羽根車出口で周方向に傾いて形成された流れは、旋回速度成分を持って案内羽根5に流入する。案内羽根5は、その出口部の向きが軸に平行な方向とすることで、羽根車2aで生じた旋回速度成分を取り除くようにしている。
【0020】
しかし、羽根車2aで生じた流れの旋回速度成分が大き過ぎたり、壁面摩擦や衝突損失による効率低下を考慮して案内羽根5の羽根数を多くできない等の場合には、流れは旋回成分を残したまま、第2段羽根車2b側へ流入する。本実施例ではこのように、流れを軸方向に転向することができない場合でも、案内羽根5の下流側に流れを軸方向に整流する整流板7を設けているので、旋回速度成分を取り去り、軸方向に転向した流れとすることができる。
【0021】
なお、隣り合う2枚の案内羽根5、5と、円筒型ケーシング4を構成する外壁4a、内壁4bとは、擬似矩形流路を形成する。本実施例によれば、整流板7と案内羽根5とが軸方向に間隔をおいて配置されているので、この擬似矩形流路に発生する、吸込み側から見て回転軸1の回転方向と同じ向きの2次流れの発達を抑制する効果がある。
【0022】
図2に示した多段斜流ポンプ30の子午面断面図を用いて、斜流ポンプ30の子午面内流れを説明する。上述したように、整流板7は、下流側に行くにしたがい内向きに形成されたテーパ状の縮流管6内の旋回速度を抑制する。これにより、案内羽根5部から流出する流れの旋回速度成分が次段羽根車の仕事量を低下させる、という不具合を防止できる。
【0023】
ところで、案内羽根5部で流れが旋回速度成分を有していると、上記式1に示すように、縮流管6部で旋回速度成分が自由渦流れとしてその大きさを増す。それとともに、縮流流路内の流れB1を外側テーパ管6a側に押し付ける。流れが全体として外側テーパ管6a側に押し付けられると、軸方向中間部であって内側テーパ管6bの近傍には、流れの剥離が形成される。
【0024】
本実施例によれば、案内羽根5部から流出する流れにおける旋回速度成分を低減しているので、縮流管6部の流れB2が外側テーパ管6a側に変位するのを抑制でき、縮流管6内の損失増加や次段羽根車2bの目玉部で主流が偏流するというさらに大きな悪影響を回避できる。
【0025】
このように本発明によれば、案内羽根下流に設置された次段羽根車への縮流流路内に、複数の軸に平行な整流板を配置したことにより、案内羽根出口に残る旋回速度成分が該整流板で除去できるため、案内羽根からの旋回流れがテーパ状縮流流路と複合して生ずる悪影響を緩和出来る。また、ボウル型ケーシングの代わりに円筒型のケーシングとしているので、製缶ポンプとする場合には、ロール曲げ成形でケーシングを製作でき、また直線的な溶接部が増え、ケーシングの製作性が向上する。
【0026】
さらに、円筒形状案内羽根を用いても、多段ポンプに形成したときに軸方向長さが長くならない。この理由は、以下の通りである。円筒型ケーシングだけで案内羽根部を形成すると、ケーシング内壁部と軸部との間に段差が生じる。この場合、この段差が大きな流体損失の原因となる。段差部で生じる損失を回避するためには、ケーシング下流部にテーパ間を配設すればよい。しかし、テーパ管だけで損失を低減しようとすると、壁面からの流れの剥離を防止するために、テーパ角度を比較的小さな角度にせざるを得ない。その結果、テーパ管の軸方向長さが長くなる。これに対して、本実施例では、テーパ管部に整流板を取付けているので、流れの旋回成分を取りながら軸方向長さを短くできる。これにより、単段時と同等の高効率の要求を満足することができる。
【0027】
なお、案内羽根5と整流板7の周方向相対位置関係により、案内羽根5部の出口流れの整流の程度が大きく左右される。つまり、案内羽根5に対して、整流板7を周方向に適正に配置する必要がある。図3に示すように、羽根車2aの出口から流出する流れの旋回速度成分により、案内羽根5部では、主流B3が案内羽根5の圧力面5a側に変位する。
【0028】
案内羽根5の長さが十分でないと、主流B3は軸方向(図3で上下方向)まで転向されず、案内羽根5の圧力面5a側に変位して旋回速度成分を残したまま流出する。したがって、整流板7の位置を、案内羽根5に対して案内羽根5の1ピッチ間の中央部より圧力面側に配置する。すなわち、周方向に案内羽根5の圧力面5aに近づけている。
【0029】
本発明に係る多段斜流ポンプの他の実施例を、図4および図5を用いて説明する。図4は、多段斜流ポンプ30の初段および2段目の一部の子午面断面図であり、図5はこの多段斜流ポンプ30の流れを説明する図である。図5においては、締切点付近まで流量を絞った状態を示している。
【0030】
本実施例が、上記実施例と相違するのは、整流板8の前縁8aおよび後縁8bを、外径側に行くにつれ回転軸1に垂直な線から上流側に傾けて形成したことにある。すなわち、整流板8の前縁8aが、外側テーパ管6a側では案内羽根5の後縁に近づいており、内側テーパ管6b側では案内羽根5の後縁から離れた位置になっている。整流板8の後縁8bは、外側テーパ管6a側が内側テーパ管6b側より次段羽根車2bの目玉部から離れている。その他は、上記実施例と同様であるので、説明を省略する。
【0031】
このように構成した本実施例の多段斜流ポンプ30では、羽根車2aから流出した流れが有する旋回速度成分のすべてを案内羽根5で軸方向に転向することができなく、旋回速度成分が残っても、整流板8が残った旋回速度成分を無くして流れを軸方向に転向する。そして、案内羽根5部の流路内で形成される2次流れに対しては、上記実施例と同様の作用により、抑制する効果を生じる。
【0032】
整流板8が縮流管6内の旋回流れを抑制するので、案内羽根5部から流出する流れが有する旋回速度成分により次段羽根車2bの仕事量が低下するのを防止できる。それにとどまらず、流れの旋回速度成分が、縮流管6部における流れを外側テーパ管6a側に押し付ける遠心力が小さくなるので、内側テーパ管6bの壁面近傍に発生する恐れがある流れの剥離を抑制できる。これにより、縮流管6内における損失を低下させ、次段羽根車2bの目玉部に主流が変位して流入するというさらに大きな悪影響を回避できる。
【0033】
低流量域では、図5に示すように、羽根車2a内の流れに作用する遠心力の相対的な割合が大きくなり、出口流れが外側に偏る。それとともに、案内羽根5部の内壁4b側で逆流Dを生じ、案内羽根5部における流れも外壁4a側に偏る。一方、次段羽根車2bの入口には逆流Fが発生して、縮流管6内で流れEは大きく蛇行する。
【0034】
本実施例では、整流板8を外側テーパ管6a側に傾斜する形状としているので、外側テーパ管6a側に変位した案内羽根5部を出た流れをすぐに整流板8が整流する。したがって、蛇行流れEに対する整流作用が大きくなる。
【0035】
なお、次段羽根車2bの入口に逆流Fが生じると、逆流Fにより、羽根車2bの回転方向と同方向の強い旋回速度成分が発生する。そして、逆流Fが上流側の整流板8と干渉するようであれば、流れの衝突によりエロージョンの危険性が増す。また、流れの旋回速度成分が圧力回復して、全揚程が増加する。しかし、本実施例では、整流板8が次段羽根車2bに対して上流側に傾斜しているので、逆流Fとの干渉を回避できる。
【0036】
以上述べたように本発明によれば、案内羽根の下流に設けた縮流流路内に、軸に平行な複数の整流板を配置したので、案内羽根部出口に残る旋回速度成分を整流板が除去できる。そして、旋回流れに起因する遠心力が、内側テーパ管壁面から流れを剥離させるのを抑制できる。また、低流量域から締切点までの小流量での運転時に、次段羽根車から逆流する流れが整流板に干渉しにくくなり、次段羽根車の入口での逆流が整流板をエロージョンさせる危険性が低下する。さらに、羽根車の入口における逆流の旋回速度成分を抑制した結果生じる締切揚程の増加も抑制でき、吐出し配管に高圧が作用するのを防止できる。したがって、吐出し配管の耐圧性も低くてすむ。
【0037】
これらにより、本発明によれば、斜流ポンプを多段に形成しても、案内羽根の製作性を犠牲にすることなく、単段ポンプと同様な高効率の要求を満足することができる。なお、上記各実施例では、多段斜流ポンプの初段および2段目を取り上げて説明したが、2段目以降の各段においても、本発明による整流板を用いることにより、上述の作用・効果を得ることができる。また、全段にこのような案内羽根を取り付けることが困難なときは、少なくとも初段案内羽根に隣り合って設けるのが良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る多段斜流ポンプの一実施例の主要部を示す子午面断面図。
【図2】図1に示した多段斜流ポンプにおける整流板周りの流れを説明する図。
【図3】図1に示した多段斜流ポンプが備える案内羽根と整流板部の図であって、図1のA−A線展開図。
【図4】本発明に係る多段斜流ポンプの他の実施例の主要部を示す子午面断面図。
【図5】図4に示した多段斜流ポンプにおける整流板周りの流れを説明する図。
【符号の説明】
【0039】
1…回転軸、2…羽根車、2a…初段羽根車、2b…2段目羽根車、3…ケーシングライナ、4…円筒型ケーシング、5…案内羽根、5a…案内羽根圧力面、6…縮流管、7、8…整流板、12…インペラナット、13…軸受、B1…案内羽根部内の流れ、D…案内羽根部内の逆流、E…低流量域での案内羽根部内流れ、F…羽根車入口での逆流。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本の回転軸に複数の斜流羽根車が取り付けられ、少なくとも初段斜流羽根車と2段斜流羽根車の間には初段斜流羽根車を出た流れを2段斜流羽根車に導く案内流路手段が形成された多段斜流ポンプにおいて、
前記案内流路手段は、円筒状ケーシングとこのケーシング内に周方向に間隔をおいて配置された複数の案内羽根とを有する第1の案内流路手段と、下流側に行くにしたがい断面積が狭くなる縮流流路を形成する縮流管とこの縮流管内に周方向に間隔をおいて配設された複数の整流板とを有する第2の案内流路手段とを有し、この整流板は軸に平行な板であることを特徴とする多段斜流ポンプ。
【請求項2】
前記案内羽根と前記整流板とを軸方向に隣り合って配置し、かつ前記案内羽根と前記整流板は軸方向に隙間をもって配置したることを特徴とする請求項1に記載の多段斜流ポンプ。
【請求項3】
前記整流板の枚数は、前記案内羽根の枚数の整数倍または整数分の1のいずれかとし、この整流板はさらに、整流板に隣り合う案内羽根の周方向1ピッチ間の中央部より圧力面側に配置していることを特徴とする請求項2に記載の多段斜流ポンプ。
【請求項4】
前記整流板の前縁部および後縁部は、前記回転軸に対して実質的に垂直であることを特徴とする請求項2に記載の多段斜流ポンプ。
【請求項5】
前記整流板の前縁部および後縁部は、前記回転軸に対して傾斜しており、前縁部および後縁部はともに外径側が内径側より軸方向に案内羽根側に位置していることを特徴とする請求項2に記載の多段斜流ポンプ。
【請求項6】
前記第1の案内流路手段と第2の案内流路手段はそれぞれ一体で製作されており、ともに製缶構造であることを特徴とする請求項1に記載の多段斜流ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−25001(P2010−25001A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188028(P2008−188028)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】