説明

多焦点面画像の取得および圧縮

【課題】病理学者がスライドを解析するのに十分な解像度および十分な焦点面の数を維持しながら、記憶要件を実質上低減させる。
【解決手段】多焦点面画像を取得する装置100は、第1の焦点面で第1の解像度を持つ第1の画像107に対するコントラスト基準値145を算出するコントラスト検出器140と、コントラスト基準値145を閾値と比較して、第1の焦点面で第1の解像度とは異なる第2の解像度の第2の画像107を取り込むかどうかを判断する取得制御装置120と、第1および第2の画像107を選択的に取り込むように動作する画像取得装置110と、第1の焦点面での第1の表現をファイル155内に記憶する画像圧縮モジュール150とを具備し、ファイル155が第2の焦点面での第2の表現を含み、第2の表現が第1の表現とは異なる解像度に対応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、画像の取得に関し、より詳細には、多焦点面画像の取得および圧縮を実行する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル病理学という新分野では、組織サンプルスライドの画像がデジタルで走査および/または撮像されて、デジタル画像として保存される。そのような画像はそれぞれ、10〜25ギガバイト(GB)もの記憶域を消費することがある。組織サンプルは、数ミクロンから数ミリメートルの厚さを有することがあり、スライド上に配置される。いくつかの例では、これらのスライドを走査して単一の2次元(2D)画像にし、自動焦点アルゴリズムで、画像の各区域、領域、および/または部分に対する焦点面を判断および/または選択する。他の例では、スライドは、複数の焦点面のそれぞれに対して、および/または複数の焦点面のそれぞれの上で、完全に撮像されかつ/または取り込まれる。したがって、このスライドを表現するファイルは、複数の焦点面のそれぞれに対して複数の2D画像を含む。その場合、病理学者が焦点面の異なるデジタルスライドの任意の部分(複数可)を対話形式で調査できるように、様々な2D焦点面画像を補間することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,376,279号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
多焦点面画像の取得および圧縮を実行する例示的な方法および装置が開示される。一般に、本明細書に開示する例では、病理学者がスライドを解析するのに十分な解像度および十分な焦点面の数を維持しながら、記憶要件を実質上低減させるように、スライドを適応的に走査および/または撮像する。スライドを特定の焦点面で走査するとき、特定の領域が病理学者の潜在的かつ/または予期される関心を表す1つまたは複数の特性を呈するかどうかに応じて、スライドの異なる領域、区域、および/または部分を異なる解像度で適応的に取り込むことができる。マルチスケールウェーブレット変換を適用することによって、さらなる節約を実現することができる。
【0005】
開示する例示的な方法は、第1の焦点面および第1の解像度で物体の一部分の第1の画像を取り込むステップと、取り込んだ第1の画像に対するコントラスト基準値を算出するステップと、このコントラスト基準値を閾値と比較して、第1の焦点面および第2の解像度で物体のその部分の第2の画像を取り込むかどうかを判断するステップであって、第2の解像度が第1の解像度とは異なる、ステップと、第1の焦点面および第2の解像度で物体のその部分の第2の画像を取り込むステップと、第2の画像の第1の表現をファイル内に記憶するステップであって、ファイルが第2の焦点面での物体のその部分の第2の表現を含み、第2の表現が第1の解像度のものである、ステップとを含む。
【0006】
開示する例示的な装置は、第1の焦点面および第1の解像度での物体の第1の画像に対するコントラスト基準値を算出するコントラスト検出器と、このコントラスト基準値を閾値と比較して、第1の焦点面および第2の解像度で物体の第2の画像を取り込むかどうかを判断する取得制御装置であって、第2の解像度が第1の解像度とは異なる、取得制御装置と、第1および第2の画像を取り込むように選択的に動作可能な画像取得装置と、第1の焦点面での物体の第1の表現をファイル内に記憶する画像圧縮モジュールであって、ファイルが第2の焦点面での物体の第2の表現を含み、第2の表現が第1の表現とは異なる解像度に対応する、画像圧縮モジュールとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置の概略図である。
【図2】重複するストリップおよびタイルに基づく例示的な撮像方法を示す図である。
【図3】関心のある焦点面を物体の軸に沿って変動させた、例示的な組織サンプルを示す図である。
【図4】関心のある焦点面を物体の軸に沿って変動させた、例示的な組織サンプルを示す図である。
【図5】画像の例示的な多重解像度表現を示す図である。
【図6】図1の例示的な圧縮画像を実施するために使用できる例示的なデータ構造を示す図である。
【図7】物体の例示的な仮想の多重解像度ウェーブレット変換表現を示す図である。
【図8】図1の例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置を実施するために実行できる例示的な処理を表す流れ図である。
【図9】図1の例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置を実施するために実行できる例示的な処理を表す流れ図である。
【図10】図8および9の例示的な処理を実行するために、ならびに/または本明細書に記載の例示的な方法および装置のいずれかもしくはすべてを実施するために使用および/またはプログラムできる例示的なプロセッサプラットホームの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
複数の焦点面を折り畳んで単一の2D画像にする既存の技法の中には、病理学者が関心のある異なる領域に対して焦点面を手動で制御できないものがある。したがって、そのようなファイルは通常、病理学者には受け入れられない。既存の技法の中には、複数の焦点面で複数の完全な2D画像を取り込むことによって、この欠陥を克服するものもあるが、これには大量のデータの記憶域が必要である。たとえば、10個の異なる焦点面に対して10個の2D画像を含むファイルは、100〜250GBの記憶域を消費する可能性がある。患者が10〜30枚のそのようなスライドを有する場合、7.5テラバイト(TB)もの記憶域が必要になる可能性がある。
【0009】
少なくともこれらの欠陥を克服する、多焦点面画像の取得および圧縮を実行する例示的な方法および装置が開示される。一般に、本明細書に開示する例は、病理学者がデジタルで取り込んだ画像を介してスライドを解析するのに十分な解像度および十分な数の焦点面でスライドを表現するのに必要な取得時間および/または記憶容量を実質上低減させるように、スライドを適応的に走査および/または撮像する。特定の焦点面でのスライドの各領域、区域、および/または部分に対して、本明細書に開示する例では、スライドのその部分をどの解像度で取り込むかを適応的に判断する。病理学者の潜在的および/または予期される関心を表す1つまたは複数の特性を呈する特定の領域は、高い(より高い)解像度で走査され、一方他の領域は、低い(より低い)解像度で走査される。したがって、特定の焦点面でのスライドの画像は、異なる解像度で走査され、取り込まれ、かつ/または撮像された領域を有する。解像度の異なる部分の圧縮を可能にするマルチスケールウェーブレット変換を適用することによって、さらなる節約を実現することができる。適応走査およびウェーブレット変換を使用すると、特定の焦点面を表現するのに必要なデータの量を10分の1も低減させることができる。さらに、一部の焦点面は関心のある領域を含まない可能性があるので、これらの焦点面はさらに小さな記憶容量しか消費しない可能性がある。
【0010】
図1は、本開示の教示に従って構築された例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置100の概略図である。図1の例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置100は、物体105の多焦点面で多重解像度の画像および/または表現を取り込みかつ/または取得する。図1の例示的な物体105はスライド上に1つの組織サンプルを含むが、例示的な装置100によって、任意の数および/またはタイプ(複数可)の医療用および/または非医療用の物体105の画像および/または表現を取り込みかつ/または取得することができる。
【0011】
物体105の画像107を取得し、取り込み、かつ/またはその他の方法で得るために、図1の例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置100は、画像取得装置110および焦点面選択装置115を含む。図1の例示的な画像取得装置110は、物体105のすべてまたは一部分を表現するデジタル画像107を取得し、取り込み、かつ/またはその他の方法で得ることが可能な任意の数および/またはタイプ(複数可)の画像取込みデバイス(複数可)とすることができる。例示的な画像取得装置110には、それだけには限らないが、デジタルカメラおよび/または画像センサが含まれる。例示的な画像取得装置110は、画像107を異なる解像度で取り込むように選択的に構成可能および/または動作可能である。図1の例示的な焦点面選択装置115は、画像取得装置110の焦点を特定の焦点面で調整するように選択的に構成可能、制御可能、および/または動作可能である。例示的な焦点面選択装置115は、それだけには限らないが、可変焦点レンズ、ならびに/または取り込んだ画像の効果的な焦点面を調整および/または制御するように取り込んだ画像に適用できる任意の数および/もしくはタイプ(複数可)の方法(複数可)および/もしくはアルゴリズム(複数可)を含む。
【0012】
画像の取得および/または取込みを制御するために、図1の例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置100は、取得制御装置120を含む。図1の例示的な取得制御装置120は、画像取得装置110を特定の焦点面で集束させるように、制御信号および/または経路125を介して焦点面選択装置115を制御、構成、および/または動作する。例示的な取得制御装置120は、選択した解像度で、また焦点面選択装置115を介して構成された特定の焦点面で画像107を取得し、取り込み、かつ/またはその他の方法で得るように、制御信号および/または経路130を介して画像取得装置110を制御、構成、および/または動作する。
【0013】
図2に示すように、物体105の部分、領域、区域、および/またはタイル210および211に対する物体105の画像107が取り込まれる。すなわち、特定の焦点面での物体105の完全な2次元(2D)画像107は、複数のタイル210および211のそれぞれに対する複数の画像107を含む。図2に示すように、タイル210および211は、物体105の幅(または長さ)を横切るストリップ205〜207の形で配置される。次いで各ストリップ205〜207は、領域、部分、および/またはタイル210および211に分割される。下記のように、例示的な取得制御装置120は、特定のタイル210、211の画像107を取り込む解像度を適応的に選択および/または判断する。異なる解像度で取り込んだ可能性のある構成タイル210および211の画像107からの2D画像全体を容易に圧縮、復元、および/または表示するために、ストリップ205〜207は、隣接するストリップ205〜207と部分的に重複し、またタイル210および211は、隣接するタイル210および211と重複する。
【0014】
物体105の1組の2D画像は、任意の数および/またはタイプ(複数可)の並び(複数可)および/または順序(複数可)に基づいて取り込むことができる。たとえば、第1の焦点面から開始して、ストリップ205のタイル210および211の画像107を取り込むことができる。ストリップ205を撮像すると、次のストリップ206のタイル210および211の画像107を取り込むことができる。この処理は、第1の焦点面全体を撮像するまで続き、次いで任意のさらなる焦点面に対して繰り返すことができる。さらに、または別法として、各ストリップ205〜207の各タイル210、211に対して、焦点面ごとに画像107を取り込んでから、タイル210、211および/またはストリップ205〜207を変更することができる。
【0015】
図1に戻ると、画像107をどの解像度で取り込むかを判断するために、図1の例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置100は、コントラスト検出器140を含む。現在考慮している画像107に対して、図1の例示的なコントラスト検出器140は、現在考慮している焦点面の現在考慮しているタイル210、211が、病理学者によって関心があると見なされるかどうかを表す値および/または基準値145を算出する。これを表す例示的な値および/または基準値145は、現在考慮しているタイル210、211の画像107のコントラストの推定である。コントラストの推定は、任意の数および/またはタイプ(複数可)の方法(複数可)、アルゴリズム(複数可)、および/または論理を使用して算出することができる。たとえば、コントラスト基準値145は、取り込んだ画像107の画素の強度Yの分散として算出することができる。これは、画像107上の局所的な画像コントラストの尺度である。一般に、高いコントラスト値は、画像内に強いエッジが存在することに対応し、したがって病理学者にとって関心のある潜在的な領域に対応する。カラー画像107の場合、単一のRGB画素iの強度値Yは、Y=0.299×R+0.587×G+0.114×Bと推定することができる。現在考慮しているタイル210、211上の強度値Yの平均をE(Y)とすると、画像107の画素の分散(すなわち、コントラスト基準値145)は、以下の数式を使用して算出することができる。
【0016】
【数1】

【0017】
この画像はN個の画素を有するものとする。
【0018】
別の例示的なコントラスト基準値145は、ラプラシアン−ガウス演算子であり、これは、局所的な視覚作用の推定である。ラプラシアン−ガウス演算子は、ガウス平滑フィルタと、その後に続くラプラシアン微分フィルタとを含む。一般に、ラプラシアン−ガウス演算子の大きな出力値は、画像内に強いエッジが存在することに対応し、したがって病理学者にとって関心のある潜在的な領域に対応する。強度値Yに適用されるラプラシアン−ガウスフィルタの出力をGL(Y)とすると、この画像に対するコントラスト基準値145は、
【0019】
【数2】

【0020】
と表すことができる。
【0021】
現在考慮しているタイル210、211および焦点面に対して、図1の例示的な取得制御装置120は、現在考慮しているタイル210、211の第1の画像107を第1のまたは低い解像度で取り込むように、例示的な画像取得装置110を制御する。取得制御装置120は、第1のまたは低い解像度の画像107に対するコントラスト基準値145を算出するように、例示的なコントラスト検出器140に指示する。例示的な取得制御装置120は、コントラスト基準値145を閾値と比較して、その焦点面での現在考慮しているタイル210、211の第2のまたはより高い解像度の画像107を取り込むかどうかを判断する。コントラスト基準値145が閾値より大きいとき、取得制御装置120は、現在考慮しているタイル210、211の第2の画像107を第2のまたは高い(より高い)解像度で取り込むように、画像取得装置110に指示する。
【0022】
いくつかの例では、第2のまたは高い(より高い)解像度は、画像取得装置110の最高の解像度であり、また第1のまたは低い(より低い)解像度は、サムネイルの解像度に対応する解像度である。さらに、または別法として、例示的な取得制御装置120は、連続する画像107それぞれに対してコントラスト検出器140によって算出されるコントラスト基準値145が閾値以下になるまで、現在考慮しているタイル210、211の連続する画像107を、解像度を増大させて取得するように、画像取得装置110に指示する。いくつかの例では、コントラスト基準値145は、画像107の解像度に応じて異なる閾値と比較される。
【0023】
図3および4に示すように、異なるタイル210および211ならびに異なる焦点面に対する画像107の解像度は、物体105を通して変動することがある。図3は、物体105内の異なる焦点面で発生する特徴305を有する物体105を示す(3つの焦点面を参照番号310、311、および312で示す)。たとえば、第1のタイル315では、物体105の画像107は、焦点面310では高い(より高い)解像度で取り込まれ、焦点面311では低い(より低い)解像度で取り込まれる。場合によっては、特徴305が、タイル320内の2つの焦点面311および312間ならびに/または実質上これらの近くで発生すると、2つの隣接する焦点面311および312では、タイル316を高い(より高い)解像度で取り込むことができる。
【0024】
図4は、物体105内の潜在的に異なる焦点面にある2つの特徴405および406を有する物体105を示す(2つの焦点面を参照番号410および411で示す)。たとえば、2層以上のセル構造を有する組織サンプルは、関心のある特徴を2つ以上有する可能性がある。したがって、2つの隣接するおよび/または隣接しない焦点面410および411では、高いまたはより高い解像度でタイル415を取り込むことができる。少なくとも図3および4に基づいて、タイル210、211内の物体105に存在する特徴(複数可)に応じて、任意の数の隣接するおよび/または隣接しない焦点面に対して、より高いまたは高い解像度で任意のタイル210、211を取り込むことができることが明らかなはずである。
【0025】
図5は、特定の焦点面に対して取り込んだ多重解像度2D画像の例示的な論理マルチスケール記述500を示す。図5に示すように、2D画像は、異なる解像度で取り込んだ異なるタイル210および211の画像107を含む。たとえば、タイル505に対して取り込んだ画像107は、画像取得装置110の最高の解像度で取り込まれ、一方別のタイル510に対して取り込んだ画像107は、より低い解像度で取り込まれた。したがって、画像107を取り込んだ解像度で、マルチスケール表現500内のどこでそれぞれの取り込んだ画像107および/または取り込んだ画像107を表すデータが論理的に対応するかが決まる。図5の図示の例では、隣接する解像度は2倍ずつ異なる。
【0026】
ある特定の解像度に対して取り込んだ多重解像度2D画像の任意の部分の表現は、取り込んだタイル画像107の適切な補間および/またはデシメーションによって生成することができる。たとえば、タイル505近傍の2D画像の縮尺1:4の画像は、タイル505に対応する画像107に4分の1のデシメーションを行うことによって生成することができる。
【0027】
図5の例示的なマルチスケール記述500を使用すると、マルチスケール2D画像の表現を実際に記憶することができるが、マルチスケール2D画像をより効果的に記憶するために使用できる例示的なデータ構造600について、図6に関連して以下に説明する。一般に、図6の例示的なデータ構造600は、例示的な記述500を「平坦化」して、画像データを含まない部分を除去することによって形成される。図5の例示的な記述500および図6の例示的なデータ構造600は、マルチスケール2D画像の本質的に同等の表現になりうることを理解されたい。
【0028】
図1に戻ると、例示的な画像取得装置110および例示的な取得制御装置120を用いて取り込んだ画像107を圧縮するために、図1の例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置100は、圧縮モジュール150を含む。特定のタイル210、211に対して最高の解像度の画像107を取り込んだ場合、例示的な画像圧縮モジュール150は、ウェーブレット変換を適用して、その画像107を表現する1つまたは複数のウェーブレット係数を生成する。例示的な圧縮モジュール150は、算出したウェーブレット係数を画像データベース155内に記憶する。算出したウェーブレット係数は、図5および/または6の例示的な構造(複数可)を使用する画像データベース155内に記憶することができる。図1の例示的な画像データベース155は、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ドライブなど、任意の数および/またはタイプ(複数可)のメモリ(複数可)、記憶装置(複数可)、および/または記憶デバイス(複数可)を使用して実施することができる。図7に示すように、高い(最高の)周波数のウェーブレット係数は、現在考慮しているタイル210、211がタイル210、211を撮像した最高の解像度にあることに関連し、一方低い周波数のウェーブレット係数は、現在考慮しているタイル210、211が次に低い解像度にあることに関連する。
【0029】
図7は、特定の焦点面に関連する2D画像全体を表現する「仮想」ウェーブレット変換を示す。図7に示すように、この焦点面の各タイル210は、例示的な取得制御装置120によって選択された解像度で取り込んだそのタイル210に対する画像107に基づいて算出した関連するウェーブレット係数705を有する。ウェーブレット係数705は、マルチスケールエッジ検出器と見なすことができる。ウェーブレット係数705の絶対値は、そのエッジの局所的な強度に対応し、すなわち、エッジ、したがってタイル210が、病理学者の関心を引く可能性がどれだけ高いかに対応する。図7の図示の例では、低い周波数のエッジをウェーブレット係数705の左上に示し、累進的により高い周波数のエッジが、ウェーブレット係数705内の下方および/または右寄りで発生する。
【0030】
集合的にみると、焦点面のタイル210、211のすべてに対するウェーブレット係数705を使用して、その焦点面および任意の選択した解像度での画像107の表現を生成することができる。1組の2D多重解像度画像を3次元(3D)画像として表示、表現、伝送、および/または記憶するために使用できる例示的な方法および装置は、「Three−dimensional Image Streaming System and Method for Medical Images」という名称の2008年5月20日発行の米国特許第7,376,279号公報に記載されている。同特許を全体的に参照により本明細書に組み込む。
【0031】
図1に戻ると、物体105の表現155を記憶するのに必要なデータの量をさらに低減させるために、図1の例示的な画像圧縮モジュール150は、冗長を低減させるように、ならびに/またはウェーブレット係数を記憶および/もしくは表現するのに必要なデータの量を低減させるように、算出したウェーブレット係数をさらに処理することができる。任意の数および/またはタイプ(複数可)のアルゴリズム(複数可)、方法(複数可)、および/または論理を使用して、画像圧縮モジュール150は、たとえば、いわゆる「ゼロツリー」圧縮アルゴリズムを使用するそれらのツリー構造に従って、算出したウェーブレット係数を量子化および/またはエントロピー符号化することができる。いくつかの例では、所与のタイルおよび/または焦点面の局所的なウェーブレット係数群が、異なるデータブロックに圧縮される。ウェーブレット係数を異なるデータブロックに分類することによって、元の物体105の画像の復元を開始するのに、圧縮画像155の一部分しか抽出しなくてすむ。ウェーブレット係数をそのように分類することで、物体105の特定の関心のある領域だけの画像を特定の焦点面および解像度で容易に描写できるようになり、ならびに/または物体105の画像を漸進的に容易に復元できるようになる。
【0032】
本明細書に記載の例では、物体105の取り込んだ画像107の圧縮版を表現するためにウェーブレット係数を利用するが、任意の数および/またはタイプ(複数可)の追加および/または代替の圧縮方法(複数可)、技法(複数可)、および/またはアルゴリズム(複数可)を適用することができる。たとえば、取り込んだ画像107をそれぞれ、必要に応じて共通の解像度に補間することができる。次いで補間した画像107を、たとえばジョイントフォトグラフィックエキスパートグループ(JPEG)および/またはJPEG2000規格に従って圧縮することができる。
【0033】
例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置100を図1に示したが、図1に示したインターフェース、データ構造、要素、処理、および/またはデバイスの1つまたは複数を、組み合わせ、分割し、再配置し、省略し、取り除き、かつ/または任意の他の方法で実施することができる。さらに、例示的な画像取得装置110、例示的な焦点面選択装置115、例示的な取得制御装置120、例示的なコントラスト検出器140、例示的な画像圧縮モジュール150、ならびに/またはより一般に図1の例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置100を、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ならびに/またはハードウェア、ソフトウェア、および/もしくはファームウェアの組合せによって実施することができる。したがって、たとえば、例示的な画像取得装置110、例示的な焦点面選択装置115、例示的な取得制御装置120、例示的なコントラスト検出器140、例示的な画像圧縮モジュール150、ならびに/またはより一般に例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置100のいずれかを、1つもしくは複数の回路(複数可)、プログラム可能プロセッサ(複数可)、特定用途向け集積回路(複数可)(ASIC(複数可))、プログラム可能論理デバイス(複数可)(PLD(複数可))、フィールドプログラム可能論理デバイス(複数可)(FPLD(複数可))、および/またはフィールドプログラム可能ゲートアレイ(複数可)(FPGA(複数可))などによって実施することができる。純粋にソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装を包含するものとして添付の特許請求の範囲のいずれかを読むとき、例示的な画像取得装置110、例示的な焦点面選択装置115、例示的な取得制御装置120、例示的なコントラスト検出器140、例示的な画像圧縮モジュール150、ならびに/またはより一般に例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置100の少なくとも1つは、ファームウェアおよび/またはソフトウェアを記憶するメモリ、DVD、CD、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスクなどの有形のコンピュータ可読媒体を含むものとして本明細書に明示的に定義する。さらに、例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置100は、図1に示したものの代わりに、もしくはこれらに加えて、インターフェース、データ構造、要素、処理、および/もしくはデバイスを含むことができ、ならびに/または図示のインターフェース、データ構造、要素、処理、および/もしくはデバイスのいずれかもしくはすべてを2つ以上含むことができる。
【0034】
図6は、図1の例示的な画像データベース155を実施するために使用できる例示的なデータ構造600を示す。図6の例示的なデータ構造600は、タイル210、211と焦点面のそれぞれの組合せに対する複数のエントリ605を含む。タイル210、211を識別するために、図6の例示的なエントリ605はそれぞれ、タイルフィールド610を含む。図6の例示的なタイルフィールド610はそれぞれ、特定の焦点面615および特定の解像度620での特定のタイル210、211を表現する1つまたは複数の数字および/または識別子を含む。
【0035】
焦点面を識別するために、図6の例示的なエントリ605はそれぞれ、焦点面フィールド615を含む。図6の例示的な焦点面フィールド615はそれぞれ、画像107を取得した焦点面を表現する数字および/または識別子を含む。
【0036】
画像解像度を識別するために、図6の例示的なエントリ605はそれぞれ、解像度フィールド620を含む。図6の例示的な解像度フィールド620はそれぞれ、タイル610の画像107を取り込んだ解像度を表現する数字および/または識別子を含む。
【0037】
タイル610の位置を識別するために、図6の例示的なエントリ605はそれぞれ、位置フィールド625を含む。図6の例示的な位置フィールド625はそれぞれ、x座標およびy座標をそれぞれ表現する2つの値および/または指標を含む。
【0038】
品質層を指定するために、図6の例示的なエントリ605はそれぞれ、品質フィールド630を含む。図6の例示的な品質フィールド630はそれぞれ、たとえば漸進的な描写を容易にするために使用できる値を含む。
【0039】
ウェーブレット係数を記憶するために、図6の例示的なエントリ605はそれぞれ、ウェーブレット係数フィールド635を含む。図6の例示的なウェーブレット係数フィールド635はそれぞれ、タイル610に対して算出した1つまたは複数のウェーブレット係数を記憶する。いくつかの例では、3Dウェーブレットを使用して、焦点面間の相関関係を利用することができ、したがって、ウェーブレット635は、焦点面間の差を表現する。そのような例では、面フィールド615内に含まれる値は、特定の焦点面ではなく、タイル610に対する焦点面の差に対応する。
【0040】
例示的な画像データベース155を実施するために使用できる例示的なデータ構造600を図6に示したが、エントリおよび/またはフィールドの1つまたは複数を、組み合わせ、分割し、再配置し、省略し、取り除き、かつ/または任意の他の方法で実施することができる。たとえば、いくつかの例では、品質フィールド630を省略することができる。さらに、図6の例示的なデータ構造600は、図6に示したものの代わりに、もしくはこれらに加えて、フィールドを含むことができ、および/または図示のフィールドのいずれかもしくはすべてを2つ以上含むことができる。
【0041】
図8および9は、図1の例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置100を実施するために実行できる例示的な処理を示す。プロセッサ、制御装置、および/または任意の他の適切な処理デバイスを使用および/またはプログラムして、図8および/または9の例示的な処理を実行することができる。たとえば、図8および/または9の例示的な処理は、コード化された命令内で実施することができ、コード化された命令は、フラッシュメモリ、CD、DVD、フロッピー(登録商標)ディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラム可能ROM(PROM)、電子的プログラム可能ROM(EPROM)、および/もしくは電子的消去可能PROM(EEPROM)などの有形のコンピュータ可読媒体、光記憶ディスク、光記憶デバイス、磁気記憶ディスク、磁気記憶デバイス、ならびに/またはプログラム・コードおよび/もしくは命令を機械可読命令もしくはデータ構造の形で保持もしくは記憶するために使用できる任意の他の媒体上に記憶される。これらの媒体には、プロセッサ、汎用もしくは特殊用途コンピュータ、またはプロセッサを有する他の機械(たとえば、図10に関連して下記で論じる例示的なプロセッサプラットホームP100)によってアクセスすることができる。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。機械可読命令は、たとえば、プロセッサ、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、または特殊用途処理機械に1つまたは複数の特定の処理を実行させる命令およびデータを含む。別法として、図8および/または9の例示的な処理のいくつかまたはすべては、ASIC(複数可)、PLD(複数可)、FPLD(複数可)、FPGA(複数可)、個別論理、ハードウェア、ファームウェアなどの任意の組合せ(複数可)を使用して実施することができる。また、図8および/または9の例示的な処理のいくつかまたはすべては、手動で実施することができ、または前述の技法のいずれかの任意の組合せとして、たとえばファームウェア、ソフトウェア、個別論理、および/もしくはハードウェアの任意の組合せとして実施することができる。さらに、図8および/または9の例示的な動作を実施する多くの他の方法を使用することができる。たとえば、ブロックの実行順序を変更することができ、および/または記載のブロックの1つもしくは複数を変更し、取り除き、さらに分割し、もしくは組み合わせることができる。さらに、図8および/または9の例示的な処理のいずれかまたはすべては、順次実行することができ、および/またはたとえば別々の処理スレッド、プロセッサ、デバイス、個別論理、回路などによって並列で実行することができる。
【0042】
図8の例示的な処理は、たとえば図9の例示的な処理を実行することによって、現在考慮しているタイル210、211の画像107を現在考慮している焦点面で適応的に取得するステップから始まる(ブロック805)。現在考慮している焦点面上に、撮像していないタイル210、211がさらに存在する場合(ブロック810)、次のタイル210、211を選択し(ブロック815)、制御はブロック805に戻って、選択した次のタイル210、211に対する画像を適応的に取得する。
【0043】
現在考慮している焦点面のタイル210、211をすべて撮像し(ブロック810)、さらなる焦点面を撮像する場合(ブロック820)、取得制御装置120は、例示的な画像取得装置110を次の焦点面上に集束させるように、例示的な焦点面選択装置115を制御し(ブロック825)、制御はブロック805に戻って、選択した次の焦点面を適応的に撮像する。
【0044】
焦点面をすべて撮像した場合(ブロック820)、制御は図8の例示的な処理を終了する。
【0045】
図9の例示的な処理は、例示的な取得制御装置120が初期解像度を選択するステップから始まる(ブロック905)。例示的な画像取得装置110は、選択した解像度で、現在考慮しているタイル210、211の画像107を取り込む(ブロック910)。例示的なコントラスト検出器140は、たとえば例示的な数式(1)および(2)のいずれかを実行することによって、取り込んだ画像107に対するコントラスト基準値145を算出する(ブロック915)。
【0046】
取得制御装置120は、コントラスト基準値145を閾値と比較して、現在考慮しているタイル210、211の第2の画像107を取り込むかどうかを判断する(ブロック920)。コントラスト基準値145が閾値より大きい場合(ブロック920)、取得制御装置120は、画像取得装置110の解像度を変更し(ブロック925)、制御はブロック910に戻って、現在考慮しているタイル210、211の別の画像107を取り込む。
【0047】
コントラスト145が閾値以下である場合(ブロック920)、例示的な画像圧縮モジュール150は、現在考慮しているタイル210、211に対して取り込んだ最後の画像107に対するウェーブレット係数を算出する(ブロック930)。画像圧縮モジュール150は、算出したウェーブレット係数を量子化および/または符号化して(ブロック935)、それらの係数を例示的な画像データベース155内に記憶する(ブロック940)。次いで制御は図9の例示的な処理を終了して、たとえば図8の例示的な処理のブロック810へ進む。
【0048】
図10は、図1の例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮装置100を実施するために使用および/またはプログラムできる例示的なプロセッサプラットホームP100の概略図である。たとえば、プロセッサプラットホームP100は、1つまたは複数の汎用プロセッサ、プロセッサコア、マイクロコントローラなどによって実施することができる。
【0049】
図10の例のプロセッサプラットホームP100は、少なくとも1つの汎用プログラム可能プロセッサP105を含む。プロセッサP105は、プロセッサP105のメインメモリ内(たとえば、RAM P115および/またはROM P120内)に存在するコード化された命令P110および/またはP112を実行する。プロセッサP105は、プロセッサコア、プロセッサ、および/またはマイクロコントローラなどの任意のタイプの処理ユニットとすることができる。プロセッサP105は、特に、図8および/または9の例示的な処理を実行して、本明細書に記載の例示的な適応多焦点面画像の取得および圧縮の方法および装置を実施することができる。
【0050】
プロセッサP105は、バスP125を介して、メインメモリ(ROM P120および/またはRAM P115を含む)と連通する。RAM P115は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、および/または任意の他のタイプのRAMデバイスによって実施することができ、ROMは、フラッシュメモリおよび/または任意の他の所望のタイプの記憶装置によって実施することができる。メモリP115およびメモリP120へのアクセスは、メモリ制御装置(図示せず)によって制御することができる。例示的なメモリP115を使用して、図1の例示的な画像データベース155を実施することができる。
【0051】
プロセッサプラットホームP100はまた、インターフェース回路P130を含む。インターフェース回路P130は、外部メモリインターフェース、直列ポート、汎用入出力などの任意のタイプのインターフェース規格によって実施することができる。インターフェース回路P130には、1つまたは複数の入力デバイスP135および1つまたは複数の出力デバイスP140が接続される。入力デバイスP135は、たとえば、例示的な画像取得装置110から画像107を受け取るために使用することができる。例示的な出力デバイスP140は、たとえば、例示的な画像取得装置110および/または例示的な焦点面選択装置115を制御するために使用することができる。
【0052】
通常、コンピュータ実行可能命令には、特定のタスクを実行し、または特定の抽象データ型を実施する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などが含まれる。コンピュータ実行可能命令、関連するデータ構造、およびプログラムモジュールは、本明細書に開示する例示的な方法およびシステムを実施するための処理を実行するプログラム・コードの例である。そのような実行可能命令および/または関連するデータ構造の特定のシーケンスは、本明細書に記載のこれらの例を実施する対応する動作の例である。
【0053】
本明細書に記載の例示的な方法および装置は、プロセッサを有する1つまたは複数の遠隔コンピュータへの論理接続を使用するネットワーク環境内で実施することができる。論理接続には、ローカルエリアネットワーク(LAN)および広域ネットワーク(WAN)を含むことができる。これらを例として本明細書に提示するが、限定するものではない。そのようなネットワーク環境は、職場全体または企業全体のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットで一般的であり、様々な異なる通信プロトコルを使用することができる。そのようなネットワークコンピューティング環境は、パーソナルコンピュータ、手持ち式デバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な民生用電子機器、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む、多くのタイプのコンピュータシステム構成を包含することができる。本明細書に記載の例示的な方法および装置は、さらにまたは別法として、分散型コンピューティング環境で実施することができる。分散型コンピューティング環境では、通信ネットワークを通じて(ハードワイヤードリンク、無線リンクによって、またはハードワイヤードリンクもしくは無線リンクの組合せによって)接続されたローカルおよび遠隔処理デバイスによってタスクが実行される。分散型コンピューティング環境では、プログラムモジュールをローカルと遠隔の両方メモリ記憶デバイス内に配置することができる。
【0054】
特定の例示的な方法、装置、および製造物について本明細書に説明したが、本特許が包含する範囲はそれに限定されるものではない。逆に、本特許は、文字通りまたは均等論の下で添付の特許請求の範囲の範囲内に適正に入るすべての方法、装置、および製造物を包含する。
【符号の説明】
【0055】
100 適応多焦点面画像の取得および圧縮装置
105 物体
107 画像
110 画像取得装置
115 焦点面選択装置
120 取得制御装置
125 経路
130 経路
140 コントラスト検出器
145 コントラスト基準値
150 画像圧縮モジュール
155 画像データベース、表現、圧縮画像、ファイル
205 ストリップ
206 ストリップ
207 ストリップ
210 タイル
211 タイル
305 特徴
310 焦点面
311 焦点面
312 焦点面
315 第1のタイル
316 タイル
320 タイル
405 特徴
406 特徴
415 タイル
500 論理マルチスケール記述、マルチスケール表現
505 タイル
510 タイル
600 データ構造
605 エントリ
610 タイルフィールド、タイル
615 焦点面、焦点面フィールド、タイル
620 解像度、解像度フィールド
625 位置フィールド
630 品質フィールド
635 ウェーブレット係数フィールド
705 ウェーブレット係数
P100 プロセッサプラットホーム
P105 汎用プログラム可能プロセッサ
P110 コード化された命令
P112 コード化された命令
P115 RAM、メモリ
P120 ROM、メモリ
P130 インターフェース回路
P135 入力デバイス
P140 出力デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の焦点面で第1の解像度を有する物体(105)の第1の画像(107)に対するコントラスト基準値(145)を算出するコントラスト検出器(140)と、
前記コントラスト基準値(145)を閾値と比較して、前記第1の焦点面で前記第1の解像度とは異なる第2の解像度を有する前記物体(105)の第2の画像(107)を取り込むかどうかを判断する取得制御装置(120)と、
前記第1および第2の画像(107)を選択的に取り込むように動作可能な画像取得装置(110)と、
前記第1の焦点面での前記物体(105)の第1の表現をファイル(155)内に記憶する画像圧縮モジュール(150)とを具備し、
前記ファイル(155)は、第2の焦点面での前記物体(105)の第2の表現を含み、前記第2の表現が前記第1の表現とは異なる解像度に対応する、
ことを特徴とする装置(100)。
【請求項2】
前記取得制御装置(120)が前記第2の画像(107)を取り込まないと判断したとき、前記画像圧縮モジュール(150)が、前記第1の画像(107)に基づいて前記第1の表現を判断する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記画像圧縮モジュール(150)が、前記第2の画像(107)に基づいて前記第1の表現を判断する、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記取得制御装置(120)が、前記第2の焦点面および前記第1の解像度での前記物体(105)の第3の画像(107)に対する第2のコントラスト基準値(145)を算出し、また前記第2のコントラスト基準値(145)を前記閾値と比較して、前記第2の焦点面および前記第2の解像度で前記物体(105)の第4の画像(107)を取り込むかどうかを判断し、前記画像取得装置(110)が、前記第3および第4の画像(107)を取り込むように選択的に動作可能であり、また前記画像圧縮モジュール(150)が、前記第3の画像(107)または前記第4の画像(107)の少なくとも1つに基づいて前記第2の表現を判断する、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記画像圧縮モジュール(150)が、
前記第2の画像(107)を表現するウェーブレット係数を算出することによって、そして
前記第2の解像度を表す前記ウェーブレット係数および指標を前記ファイル(155)内に記憶することによって、前記物体の前記第1の表現を前記ファイル(155)内に記憶する、請求項1記載の装置。
【請求項6】
第1の焦点面および第1の解像度で物体(105)の一部分の第1の画像(107)を取り込むステップと、
前記取り込んだ第1の画像(107)に対するコントラスト基準値(145)を算出するステップと、
前記コントラスト基準値(145)を閾値と比較して、前記第1の焦点面および第2の解像度で前記物体(105)の前記部分の第2の画像(107)を取り込むかどうかを判断するステップであって、前記第2の解像度が前記第1の解像度とは異なる、ステップと、
前記第1の焦点面および前記第2の解像度で前記物体(105)の前記部分の前記第2の画像(107)を取り込むステップと、
前記第2の画像(107)の第1の表現をファイル(155)内に記憶するステップであって、前記ファイル(155)が第2の焦点面での前記物体(105)の前記部分の第2の表現を含み、前記第2の表現が前記第1の解像度のものである、ステップと
を含む方法。
【請求項7】
前記第2の解像度が前記第1の解像度より大きく、また前記第2の画像(107)が、前記コントラスト基準値(145)が前記閾値より大きいときに取り込まれる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記取り込んだ第2の画像(107)に対する第2のコントラスト基準値(145)を算出するステップと、
前記第2のコントラスト基準値(145)を第2の閾値と比較して、前記第1の焦点面および第3の解像度で前記物体(105)の前記部分の第3の画像(107)を取り込むかどうかを判断するステップであって、前記第3の解像度が前記第2の解像度とは異なる、ステップと
をさらに含む、請求項6記載の方法。
【請求項9】
第2の焦点面および第3の解像度で前記物体(105)の第2の部分の第3の画像(107)を取り込むステップと、
前記取り込んだ第3の画像(107)に対する第2のコントラスト基準値(145)を算出するステップと、
前記第2のコントラスト基準値(145)を第2の閾値と比較して、前記第2の焦点面および第4の解像度で前記物体(105)の前記第2の部分の第4の画像(107)を取り込むかどうかを判断するステップと
をさらに含む、請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記第2の画像(107)の前記第1の表現を前記ファイル(155)内に記憶するステップが、
前記取り込んだ第2の画像(107)を表現するウェーブレット係数を算出するステップと、
前記第2の解像度を表す前記ウェーブレット係数および指標を前記ファイル(155)内に記憶するステップとを含む、請求項6記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−226719(P2010−226719A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65505(P2010−65505)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願人】(510079396)デジタル パスコ エルエルシー ディー・ビー・エイ オムニクス (2)
【氏名又は名称原語表記】DIGITAL PATHCO, LLC d.b.a. OMNYX
【Fターム(参考)】