説明

多言語環境を有するデバイスのための入力方法

【課題】多言語環境を有するデバイスにおける入力方法は、正確さ及び効率的なワークフローを確保するために選択された言語に対して調整を必要とする場合がある入力及びスペル補正に関する固有の課題が提示される可能性がある。
【解決手段】テキスト入力は、タッチ入力によって選択することができるインターフェースにおいて候補ワードのリストを提示することによってタッチ感知式ディスプレイ上で補正される。候補リストは、2つ又はそれ以上の文字のタイプ(例えばローマ字、仮名、漢字)を有する候補ワードを含むことができる。1つの態様において、候補リストは、指ジェスチャを使用してスクロールすることができる。ユーザの指が候補ワードを横切り、タッチが解除されると、候補ワードが編集中の文書に挿入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の対象は、一般に入力編集インターフェースに関する。
【0002】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2007年9月13日に出願された名称「多言語環境を有する装置のための入力方法」の米国暫定特許出願シリアル番号60/972,185に対する優先権を主張し、その内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
コンピュータデバイスは、コンピュータキーボードからのテキスト及び文字入力情報を受けるように構成することができる。最新のコンピュータキーボードは、矩形又はほぼ矩形のキーから構成され、通常、英語のアルファベットの文字A〜Zなどの文字がキーに刻印又は印刷されている。ほとんどの場合、キーを1回押すことは、単一の文字を打ち込むことに対応する。
【0004】
従来のコンピュータキーボードは、携帯電話、MPEG−1 Audio Layer3(MP3)プレイヤー、携帯情報端末(PDA)などのポータブルデバイスに対して大きすぎることがある。一部のポータブルデバイスは、ユーザ入力を受けるために、従来のコンピュータキーボードの小形タイプを含むか、或いは仮想キーボードを使用する。仮想キーボードは、コンピュータキーボードをシミュレートするソフトウェアアプリケーションの形態又はソフトウェアアプリケーション機能とすることができる。例えば、スタイラス操作のPDA又は通信デバイス上のタッチ感知式ディスプレイでは、仮想キーボードは、ユーザがテキストを入力するために、仮想キーボードのキーを選択又はタブ操作することによって用いることができる。
【0005】
これらの小さなキーボード及び仮想キーボードは、1つよりも多い文字に対応するキーを有することができる。例えば、キーの一部は、デフォルトでは、例えば文字「a」などの英語の共通文字に対応することができ、更に、別の文字又はアクセントオプション付き文字(例えば文字「

」又はアクセントオプション付きの他の文字)などの他の追加の文字にも対応することができる。仮想キーボードの物理的な制約(例えばサイズ)により、ユーザは、仮想キーボード上で容易に利用できない文字を打ち込むのが困難である可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,323,846号公報
【特許文献2】米国特許第6,570,557号公報
【特許文献3】米国特許第6,677,932号公報
【特許文献4】米国特許公開番号2002/0015024A1公報
【特許文献5】米国特許出願番号11/228,737公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多言語環境を有するデバイスにおける入力方法は、正確さ及び効率的なワークフローを確保するために選択された言語に対して調整を必要とする場合がある入力及びスペル補正に関する固有の課題が示される可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
テキスト入力は、タッチ入力によって選択することができるインターフェースにおいて候補ワードのリストを提示することによりタッチ感知式ディスプレイ上で補正される。候補リストは、2つ又はそれ以上の文字タイプ(例えばローマ字、仮名、漢字)を有する候補ワードを含むことができる。1つの態様において、候補リストは、指ジェスチャを使用してスクロールすることができる。ユーザの指が候補ワードを横切ると、候補ワードがユーザの指で遮られないように候補ワードの位置が調整される(例えばタッチ入力からオフセットされる)。タッチが解除されると、編集中の文書中に候補ワードが挿入される。別の態様において、キー(例えば、バックスペース又はデリートキー)をタッチして、スライド、スワイプ、又は他の指ジェスチャをすることによって、文字を消去することができる。ディスプレイにわたる指ジェスチャの距離(例えば直線距離)に比例した幾つかの文字が消去される。テキスト入力領域に文字が存在する場合、最初にこれらの文字が消去され、続いて文書中の文字が編集される。別の態様では、日本語環境において、入力上で起こりうる誤字を考慮するために自動補正機能が実施される。
【0009】
システム、方法、装置、コンピュータ可読媒体、及びユーザインターフェースを対象とした実施を含む、他の実施が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】テキスト入力を受けるための例示的なポータブルデバイスを示す図である。
【図2】多言語環境において入力を補正するための例示的なプロセスのフロー図である。
【図3】多言語環境において文字を消去するための例示的なプロセスのフロー図である。
【図4】図1〜3に関連して説明した操作を実施するための例示的なシステムアーキテクチャのブロック図である。
【図5】編集中の文書に対して選択可能な文字のオプションを表示するための例示的なプロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
入力編集ユーザインターフェース
図1は、テキスト入力を受け取るための例示的なポータブルデバイス100を示す。ポータブルデバイス100は、電話、メディアプレーヤ、電子メールデバイス、又はテキスト入力を受け取ることができる他のいずれかのポータブルデバイスとすることができる。
デバイス100は、仮想キーボード102、編集領域106、及び入力領域108を含む。これらの領域の各々は、タッチ感知式ディスプレイ104の一部とすることができる。
一部の実施において、タッチ感知式ディスプレイ104は、マルチタッチ入力又は指ジェスチャを受け取るためのマルチタッチ感知式ディスプレイとすることができる。マルチタッチ感知式ディスプレイ104は、例えば、各タッチポイントの圧力、程度、及び/又は位置に関連するデータ処理を含む、複数の同時タッチポイントを処理することができる。
このような処理は、複数の指、コーディング、及び他の対話を用いた、ジェスチャ及び対話を可能にする。マルチタッチ感知式ディスプレイ技術の幾つかの実施例は、米国特許第6,323,846号、6,570,557号、6,677,932号、及び米国特許公開番号2002/0015024A1で記載されており、その各々は引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0012】
仮想キーボード102は、ユーザの選択に基づいて様々なレイアウトで表示することができる。例えば、ユーザは、アクションボタン120又は他の指ジェスチャを使用して、幾つかの仮想キーボードレイアウトの1つを表示するよう選択することができる。図示のように、仮想キーボード102は、英語キーボードレイアウト(例えばQWERTY(クワーティ))である。しかしながら、キーボードレイアウトは、日本語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、その他のような選択した言語に基づいて構成することができる。日本語環境では、ユーザは、仮名キーボード、ローマ字キーボード、及び漢字記号キーボードの間で切り替えることができる。
【0013】
ユーザは、仮想キーボード102と対話して、編集領域106において文書(例えばテキスト文書、インスタントメッセージ、電子メール、アドレス帳)にテキストを入力することができる。ユーザが文字を入力すると、入力補正プロセスが起動し、テキスト入力エラーを検出して、入力領域108に候補ワード112を表示することができる。任意の数の候補ワード112を生成することができる。表示された候補ワード112のグループは、2つ又はそれ以上の文字タイプ(例えばローマ字、仮名、及び漢字)の文字を有する候補ワード112を含むことができる。一部の実施では、矢印114又は他のユーザインターフェース要素をクリックし、追加の候補ワード112の新しいページを入力領域108に表示させることによって、追加の候補ワード112を表示することができる。一部の実施において、候補リストは、ユーザ選択言語及び統計データ(例えばユーザ選択言語に対するユーザ辞書又はユーザ打ち込みデータの履歴)に基づいて決定することができる。仮想キーボードに対する補正オプションを決定する例示的方法は、「タッチスクリーン仮想キーボードの仮想キーの起動」の米国特許出願番号11/228,737に記載されており、本特許出願は引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0014】
一部の実施では、自動補正サーチを使用して候補ワード検索が行われる。自動補正サーチの実施において、テキスト入力に基づいて候補ワードのリストを生成し、テキスト入力において起こりうる誤字を考慮することができる。
【0015】
候補ワードのリスト
図示の実施例では、ユーザは、日本語環境において「touky」を置換するために候補ワード110を選択している。候補ワード110の選択は、ユーザが1つ又はそれ以上の指で候補ワード110をタッチすることによって行われる。ユーザがタッチを放すと、選択された候補ワード110が編集領域106内の文書に挿入される。一部の実施において、ユーザが候補ワード110にタッチすると、ユーザの指が候補ワード110を遮るのを避けるよう、候補ワード110はタッチ感知式ディスプレイ104上の別の位置(例えばオフセット位置)に表示される。ユーザは、候補ワードの上で指をスワイプすることによって候補リストをスクロールすることができる。指が各候補ワード112を横切ると、候補ワード112は異なる位置に表示される。例えば、ユーザは、ユーザが候補ワード110に到達するまで入力領域108で候補ワード112を横断してユーザの人差し指を動かすことができる。ユーザがタッチを放すと、編集中の文書に候補ワード110が挿入される。
【0016】
図2は、多言語環境において入力を補正するための例示的なプロセス200のフロー図である。一部の実施では、プロセス200は、タッチ感知式ディスプレイ上で編集中の文書にテキスト入力が得られると開始する。テキスト入力は、1つ又はそれ以上のタッチ又は指ジェスチャ(例えば仮想キーボード上の)として取得することができる。テキスト入力の一部又はすべては、例えば、ローマ字又は日本語文字(例えば仮名又は漢字)とすることができる。次いで、プロセス200は、テキスト入力が1つ又はそれ以上の正しくない文字を含むかどうかを判断する(204)。例えば、言語辞書、統計データ、及び/又はファジイ理論を用いて、正しくないテキスト入力を判断することができる。
【0017】
テキスト入力が正しくない文字を含む場合、又はテキスト入力が曖昧である場合には、可能性のある正しい候補ワードの候補リストが求められ(206)、タッチ感知式ディスプレイ上にユーザに表示される(208)。例えば、日本語環境では、テキスト入力は、日本語文字のローマ字の表音式綴りであり、候補リストは、2つ又はそれ以上の文字タイプ(例えば漢字及び仮名)を有する候補ワードを含むことができる。テキスト入力が正しくない文字を含まない場合でも、ローマ字から日本語文字への変換に曖昧さがある可能性がある。この曖昧さを考慮するために、プロセス200は、複数の可能性のある正しい候補ワードの候補リストを決定する段階を含み、意図したローマ字から日本語への変換を候補リスト中に存在する場合にユーザが選択できるようにする。候補リスト中にはあらゆる数の候補ワードが含まれてもよい。リストは、例えば、タッチ感知式ディスプレイの専用領域(例えば入力領域108)に表示することができる。
【0018】
ユーザは、ユーザの指で候補リストをスクロールすることができる。指が候補ワードの上に(又は近くに)あるときには、候補ワードは、ユーザの指が選択された候補ワードを遮るのを回避するために候補ワードの最初の場所からオフセットした、タッチ感知式ディスプレイの異なる位置に表示することができる。選択された候補ワードについてタッチ入力(例えば、1つ又はそれ以上のタッチ又は指ジェスチャ)が得られた(210)後、選択された候補ワードが編集中の文書に挿入される(212)。
【0019】
文字の消去
図示の実施例では、ユーザは、バックスペース又はデリートキー116をタッチし、次に指をキー116から仮想キーボード102の反対側の端部に向けてスライドさせることによって、テキスト入力内の文字を消去することができる。ユーザが指をスライドさせると、タッチ感知式ディスプレイ104にわたって指が横切った距離に比例する幾つかの文字が消去される。入力領域108内に文字(例えば、文書に現在追加されている文字)が存在する場合、これらの文字を最初に消去することができる。入力領域108内の文字がなくなると、編集領域106内の文字(例えば、文書内に以前入力されたワードの文字)を消去することができる。
【0020】
図3は、多言語環境における文字を消去するための例示的なプロセス300のフロー図である。一部の実施では、プロセス300は、テキスト入力を編集するためのタッチ感知式ディスプレイ上にユーザインターフェースを生成(302)することで始まる。ユーザインターフェースは、仮想キーボード、編集領域、及びテキスト入力領域を含むことができる。仮想キーボード上のキー(例えばバックスペースキー、デリートキー)から始まり、入力領域に表示されたテキスト入力の1つ又はそれ以上の文字を消去するユーザ意図を示すフィンガータッチ及びジェスチャが検出される(304)。一部の実施では、ジェスチャは、タッチ感知式ディスプレイにわたってタッチしたキーからのフィンガースライド又はスワイプとすることができる。スライド又はスワイプは、タッチ感知式ディスプレイ上のいずれかの所望の方向のものとすることができる。スワイプ又はジェスチャが文字の消去をもたらすことになる距離(例えば、ディスプレイにわたって指が横切った直線距離)は、タッチ感知式ディスプレイ上に表示された仮想キーボードの視覚境界又はいずれかの他の境界により境界付けることができる。ジェスチャにより消去された文字の数は、タッチ感知式ディスプレイにわたって指が横切った直線距離に比例することができる(306)。一部の実施では、図1を参照して説明されたように、入力領域に表示された文字が最初に消去され、続いて編集領域の文字が消去される。
【0021】
例示的なシステムアーキテクチャ
図4は、図1〜3を参照して説明した種々の操作を実施するための例示的システムアーキテクチャ400のブロック図である。例えば、アーキテクチャ400は、図1を参照して説明したポータブルデバイス100に含めることができる。アーキテクチャ400は、プロセッサ410、メモリ420、記憶装置430、及び入力/出力装置440を含む。
構成要素410、420、430、及び440の各々は、システムバス450を用いて相互接続される。プロセッサ410は、アーキテクチャ400内で実行するための命令を処理することができる。一部の実施では、プロセッサ410は、単一スレッドプロセッサである。他の実施では、プロセッサ410は、マルチスレッドプロセッサである。プロセッサ410は、メモリ420内又は記憶装置430上に格納された命令を処理して、入力/出力装置440上のユーザインターフェースにグラフィカル情報を表示することができる。
【0022】
メモリ420は、アーキテクチャ400内に情報を格納する。一部の実施では、メモリ420は、コンピュータ可読媒体である。他の実施では、メモリ420は、揮発メモリユニットである。更に他の実施では、メモリ420は、不揮発メモリユニットである。
【0023】
記憶装置430は、アーキテクチャ400用に大容量記憶を提供することができる。一部の実施では、記憶装置430は、コンピュータ可読媒体である。種々の異なる実施では、記憶装置430は、フロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、又はテープデバイスとすることができる。
【0024】
入力/出力装置440は、アーキテクチャ400のための入力/出力操作を行う。一部の実施では、入力/出力装置440は、キーボード及びポインティングデバイスを含む。
他の実施では、入力/出力装置440は、グラフィカルユーザインターフェースを表示するためのディスプレイユニットを含む。
【0025】
説明した機能は、デジタル電子回路、又はコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実施することができる。こうした特徴部は、プログラマブルプロセッサによって実行するために、例えば機械可読記憶装置又は伝搬信号などの情報担体内に有形的に具現化されたコンピュータプログラム製品において実施することができ、更に、方法ステップは、入力データを操作して出力を生成することによって記載の実施の機能を実施するための命令プログラムを実行するプログラマブルプロセッサによって実施することができる。記載の特徴部は、データ記憶システムからデータ及び命令を受信して且つデータ記憶システムに該データ及び命令を送信するように結合された、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置を含む、プログラマブルシステム上で実行される1つ又はそれ以上のコンピュータプログラムにおいて好都合に実施することができる。コンピュータプログラムは、特定のアクティビティを実施又は特定の結果をもたらすように直接又は間接的にコンピュータで使用できる命令セットである。コンピュータプログラムは、コンパイル又は翻訳された言語を含むいずれかの形態のプログラム言語で記述することができ、スタンドアロンプログラムとして又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、又はコンピュータ環境の使用に好適な他のユニットとして含む、いずれかの形態で導入することができる。
【0026】
命令プログラムを実行するのに好適なプロセッサは、一例として、汎用及び専用マイクロプロセッサの両方、及びはいずれかの種類のコンピュータの単独のプロセッサ又マルチプロセッサの1つを含む。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリ又はランダムアクセスメモリ或いは両方から命令及びデータを受けることになる。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを格納するための1つ又はそれ以上のメモリである。一般に、コンピュータはまた、データファイルを格納するための1つ又はそれ以上の大容量記憶装置を含むか或いは通信するように動作可能に結合されており、該記憶装置は、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、及び光ディスクを含む。コンピュータプログラム命令及びデータを有形的に具現化するのに好適な記憶装置は、一例として、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリ素子などの半導体メモリ装置、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、及びCD−ROM及びDVD−ROMディスクを含む、全ての形態の不揮発性メモリを含む。プロセッサ及びメモリは、ASIC(特定用途向けIC)によって補完されるか、又はASICに組み込むことができる。
【0027】
ユーザとの対話を可能にするために、これらの特徴部は、ユーザに情報を表示するためのCRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタなどのディスプレイ装置と、キーボードと、ユーザがコンピュータに入力することができるマウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスとを有するコンピュータ上にで実施することができる。
【0028】
各特徴部は、データサーバなどのバックエンド構成要素を含む、又はアプリケーションサーバ又はインターネットサーバなどのミドルウェア構成要素を含む、或いはグラフィカルユーザインターフェース又はインターネットブラウザ、又はこれらのいずれかの組み合わせを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンド構成要素を含むコンピュータシステムで実施することができる。システムの構成要素は、通信ネットワークなどのデジタルデータ通信のいずれかの形態又は媒体により接続することができる。通信ネットワークの実施例は、例えばLAN、WAN、無線ネットワーク、並びにインターネットを形成するコンピュータ及びネットワークを含む。
【0029】
コンピュータシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは、一般に互いから遠隔にあり、通常、図1に関して上記で説明したようなネットワークを介して対話する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で動作し、且つ互いにクライアント・サーバ関係を有するコンピュータプログラムにより発生する。
【0030】
他の実施
日本語環境では、仮想キーボードキーに連動するユーザインターフェース要素(例えばポップアップメニュー又はヘッドアップディスプレイ)の活用を利用して、曖昧でない文字を選択することができる。あらゆる子音に対して1つのキーと複数の母音に対して1つのキーとが存在することができる。一実施形態では、ユーザが仮想キーボードのキーにタッチしてスライドした場合、ポップアップメニューが開いて、ユーザにその子音(又は子音のない)と適切な母音を備えた音節を選択させる。「k」(ka)キーのドラッグは、ユーザに「ka」「ki」「ku」「ke」又は「ko」を選択させる。母音キーのドラッグがユーザに「a」「i」「u」「e」又は「o」などを選択させる。
【0031】
母音を選択するためにユーザが水平にスライドする間に、ドラッグの方向を垂直方向に変えると、ユーザに異体字を選択させる。例えば、ユーザが「k(ka)」キーで開まって右側にスライドすると、ユーザは、「ka」「ki」「ku」「ke」及び「ko」に対するオプションを見つける。ユーザが下方にスライドすると、オプションは、「ga」「gi」「gu」「ge」及び「go」に変わり、ユーザは、再度水平にスライドして、子音「g」で始まるこれらの音節の1つを選択することができる。ユーザはまた、上方にスライドして各ポップアップメニュー(例えば、アンシフト、シフトダウン、シフトアップ)に対するオプションを最大x(例えば3列)まで割り当てることができる。
【0032】
ユーザがキーをタップすると、ユーザは、そのキーを使用してユーザが生成することができるあらゆるものにマッチできるワイルドカード(曖昧な)文字を取得する。「k(ka)」キーをタップすることによりkaにマッチする何かをユーザに与え、その位置におけるこれらの音節が考慮される。ワイルドカード文字は、ユーザがキー上でスライドするのと全く同じ方法でキー上でスライドすることによって、曖昧でない音節又は文字に変換することができる。
【0033】
図5は、編集中の文書の選択可能な文字オプションを表示する例示的なプロセス500のフロー図である。一部の実施では、プロセス500は、タッチ感知式ディスプレイ上で編集中の文書の文字を選択するためのタッチ感知式ディスプレイ上にユーザインターフェースを発生させる段階(502)から始まる。ユーザインターフェースは、仮想キーボードを含むことができる。タッチ入力は、キーが子音又は母音と関連付けられる仮想キーボードのキーから検出される(504)。一部の実施では、タッチ入力は、タッチ感知式ディスプレイにわたるタッチしたキーからのフィンガースライド又はスワイプとすることができる。ユーザインターフェース要素は、ユーザインターフェース要素(例えばポップアップメニュー)がキーに関連する子音又は母音に対する複数の文字オプションを含むタッチ感知式ディスプレイ上に表示することができる(506)。各文字オプションは、ユーザによって選択可能である。一部の実施では、文字オプションの少なくとも一部は日本語である。一部の実施では、指ジェスチャのドラッグ又はスライドが検出される(508)。指ジェスチャは、文字オプションの1つをユーザが選択する意図を示すことができる。
指ジェスチャを検出すると、選択された文字オプションを編集中の文書に挿入することができる(510)。
【0034】
幾つかの実施を説明してきたが、それでも尚、種々の修正を行うことができる点は理解されるであろう。例えば、1つ又はそれ以上の実施の要素を組み合わせ、削除、修正、又は補足を行い、別の実施を形成することができる。各図に示された論理フローは、所望の結果を得るために、図示の特定の順序又は順番を必要としない。加えて、記述したフローに他のステップを設けることができ、又は記述したフローからステップを除去し、記述したシステムに他の構成要素を追加し、或いは他の構成要素から除去することができる。その結果、他の実施は添付の請求項の範囲内にある。
【符号の説明】
【0035】
100 ポータブルデバイス
102 仮想キーボード上
104 タッチ感知式ディスプレイ
106 編集領域
108 入力領域
110 候補ワード
114 矢印
116 バックスペース又はデリートキー
110 候補ワード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ感知式ディスプレイ上で編集中の文書に対するテキスト入力を取得する段階と、 前記テキスト入力が正しくない文字を含むかどうかを判断する段階と、
前記テキスト入力が正しくない文字を含む場合、又は前記テキスト入力が曖昧である場合に、可能性のある正しい候補ワードのリストを決定する段階と、
前記候補ワードのリストを前記タッチ感知式ディスプレイ上に表示する段階と、
前記候補ワードの1つを選択するタッチ入力を取得する段階と、
前記編集中の文書に前記候補ワードを挿入する段階と、
を含む方法。
【請求項2】
前記テキスト入力の少なくとも一部が日本語である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記候補ワードのリストが2つ又はそれ以上の文字タイプの文字を有する候補ワードを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記候補ワードのリストがユーザ選択言語又は統計データの1つ又はそれ以上に基づいて決定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記候補ワードのリストが、テキスト入力において可能性のある誤字を考慮する自動補正サーチを使用して決定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記候補ワードの1つを選択するタッチ入力の取得段階が、前記候補ワードのリスト内の1つ又はそれ以上の候補ワードをタッチ又は横切る指ジェスチャを検出する段階を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記検出された指ジェスチャによりタッチ又は横切られた各候補ワードのために、前記指ジェスチャを検出する前に前記候補ワードが表示された最初の位置とは異なる前記タッチ感知式ディスプレイ上の位置に前記候補ワードを表示する段階を更に含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
仮想キーボード、編集領域、及び入力領域を含むユーザインターフェースをテキスト入力を編集するためにタッチ感知式ディスプレイ上に発生させる段階と、
前記仮想キーボード上のキーから始まり、前記入力領域内に表示されたテキスト入力の1つ又はそれ以上の文字を消去するユーザの意図を示す指ジェスチャを検出する段階と、 前記タッチ感知式ディスプレイにわたって指が横切った距離に比例して幾つかの文字を消去する段階と、
を含む方法。
【請求項9】
前記入力領域内に表示された文字が最初に消去され、続いて編集領域内の文字が消去される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記消去された文字の数は、前記仮想キーボードの視覚境界によって境界付けられた、前記指が横切った距離に比例する、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
タッチ感知式ディスプレイ上で編集中の文書の文字を選択するために、仮想キーボードを含むユーザインターフェースを前記タッチ感知式ディスプレイ上に発生させる段階と、 前記仮想キーボード上の子音及び母音に関連付けられたキーからタッチ入力を検出する段階と、
前記キーに関連した前記子音及び母音に対してユーザが各々選択可能な複数の文字オプションを備えたユーザインターフェース要素を前記タッチ感知式ディスプレイ上に表示する段階と、
を含む方法。
【請求項12】
前記文字オプションの1つを選択するユーザの意図を示す指ジェスチャのドラッグ又はスライドを検出する段階と、
前記選択された文字オプションを前記編集中の文書に挿入する段階と、
を更に含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
文字オプションの少なくとも一部が日本語である、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
プロセッサによって実行されたときに、該プロセッサに対して、
タッチ感知式ディスプレイ上で編集中の文書に対するテキスト入力を取得する段階と、 前記テキスト入力が正しくない文字を含むかどうかを判断する段階と、
前記テキスト入力が正しくない文字を含む場合、又は前記テキスト入力が曖昧である場合に、可能性のある正しい候補ワードのリストを決定する段階と、
前記候補ワードのリストを前記タッチ感知式ディスプレイ上に表示する段階と、
前記候補ワードの1つを選択するタッチ入力を取得する段階と、
前記編集中の文書に前記候補ワードを挿入する段階と、
を含む操作を実施させる命令が格納されたコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
プロセッサによって実行されたときに、該プロセッサに対して、
仮想キーボード、編集領域、及び入力領域を含むユーザインターフェースをテキスト入力を編集するためにタッチ感知式ディスプレイ上に発生させる段階と、
前記仮想キーボード上のキーから始まり、前記入力領域内に表示されたテキスト入力の1つ又はそれ以上の文字を消去するユーザの意図を示す指ジェスチャを検出する段階と、 前記タッチ感知式ディスプレイにわたって指が横切った距離に比例して幾つかの文字を消去する段階と、
を含む操作を実施させる命令が格納されたコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
プロセッサによって実行されたときに、該プロセッサに対して、
タッチ感知式ディスプレイ上で編集中の文書の文字を選択するために、仮想キーボードを含むユーザインターフェースを前記タッチ感知式ディスプレイ上に発生させる段階と、 前記仮想キーボード上の子音及び母音に関連付けられたキーからタッチ入力を検出する段階と、
前記キーに関連した前記子音及び母音に対してユーザが各々選択可能な複数の文字オプションを備えたユーザインターフェース要素を前記タッチ感知式ディスプレイ上に表示する段階と、
を含む操作を実施させる命令が格納されたコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合され且つ命令を格納するメモリと、
を備えたシステムであって、
前記命令がプロセッサによって実行されたときに、該プロセッサに対して、
タッチ感知式ディスプレイ上で編集中の文書に対するテキスト入力を取得する段階と、 前記テキスト入力が正しくない文字を含むかどうかを判断する段階と、
前記テキスト入力が正しくない文字を含む場合、又は前記テキスト入力が曖昧である場合に、可能性のある正しい候補ワードのリストを決定する段階と、
前記候補ワードのリストを前記タッチ感知式ディスプレイ上に表示する段階と、
前記候補ワードの1つを選択するタッチ入力を取得する段階と、
前記編集中の文書に前記候補ワードを挿入する段階と、
を含む操作を実施させる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項18】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合され且つ命令を格納するメモリと、
を備えたシステムであって、
前記命令がプロセッサによって実行されたときに、該プロセッサに対して、
仮想キーボード、編集領域、及び入力領域を含むユーザインターフェースをテキスト入力を編集するためにタッチ感知式ディスプレイ上に発生させる段階と、
前記仮想キーボード上のキーから始まり、前記入力領域内に表示されたテキスト入力の1つ又はそれ以上の文字を消去するユーザの意図を示す指ジェスチャを検出する段階と、 前記タッチ感知式ディスプレイにわたって指が横切った距離に比例して幾つかの文字を消去する段階と、
を含む操作を実施させる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項19】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合され且つ命令を格納するメモリと、
を備えたシステムであって、
前記命令がプロセッサによって実行されたときに、該プロセッサに対して、
タッチ感知式ディスプレイ上で編集中の文書の文字を選択するために、仮想キーボードを含むユーザインターフェースを前記タッチ感知式ディスプレイ上に発生させる段階と、 前記仮想キーボード上の子音及び母音に関連付けられたキーからタッチ入力を検出する段階と、
前記キーに関連した前記子音及び母音に対してユーザが各々選択可能な複数の文字オプションを備えたユーザインターフェース要素を前記タッチ感知式ディスプレイ上に表示する段階と、
を含む操作を実施させる、
ことを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−20652(P2013−20652A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−230777(P2012−230777)
【出願日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【分割の表示】特願2008−265763(P2008−265763)の分割
【原出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】