説明

多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置

本発明は、多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置及びその利用方法に関するものであって、互いに異なるギア比を有する多数の惑星ギアからなる惑星ギア群に各々噛み合うリングギアから構成されたリングギア群を構成し、キャリヤを通じて入力された動力がリングギアの固定により太陽ギアを通じて多様な変速比に変速可能な多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置及びその利用方法を提供することをその目的とする。これを解決するための手段として、本発明に従う多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置は、開閉可能な蓋110と、いずれか1つのリングギア30a、30b、30cを選択的に固定及び解除させる変速ロック手段120とを含むハウジング100と、ハウジング100の内部に設置されるキャリヤ10と、キャリヤ10の一面に回転自在に少なくとも3対が設置され、サイズの異なる少なくとも3個の惑星ギア20a、20b、20cからなる惑星ギア群20と、各惑星ギア20a、20b、20cと各々内接して噛み合うリングギア30a、30b、30cからなるリングギア群30と、各惑星ギア20a、20b、20cと各々外接して噛み合う太陽ギア40a、40b、40cからなり、ハウジング100の外部に出力される出力軸41を有する太陽ギア群40と、出力軸41と同一線上に位置しながらハウジング100の外部から伝えられる外力によりキャリヤ10を回転させる入力軸50と、を含んでなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置及びその利用方法に関し、より詳しくは、惑星ギア及びリングギアを多重に配置して変速が容易であるだけでなく、確実な動力伝達が可能な本発明は、多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置及びその利用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、大きな動力伝達または正確な動力伝達を行なうための方法の1つとしてギアの歯結合を利用する。このような歯結合の代表的なものとして遊星ギア装置を例として挙げることができる。
【0003】
通常の遊星ギア装置は、キャリヤと、キャリヤに少なくとも2対が備えられる惑星ギアと、この惑星ギアと内接して噛み合うリングギアと、惑星ギアと外接して噛み合う太陽ギアと、を含んでなされる。
【0004】
このような遊星ギア装置は、入力軸と出力軸がどのギアに連結されるかによって、各ギアのギア比によって加減速及び出力軸が変わるようになる。
【0005】
例えば、キャリヤを駆動軸に連結して回転させ、リングギアを固定させる場合に、太陽ギアを通じて出力がなされて、この時の回転は駆動軸と同一方向に増速するようになる。また、太陽ギアを駆動軸に連結して回転させ、キャリヤを固定させる場合に、リングギアを通じて出力がなされて、この時の回転は逆方向に減速してなされるようになる。
【0006】
このように遊星ギア装置は、太陽ギア、リングギア、及びキャリヤの作動条件に従う回転特性が各々変わるようになって、多様な応用が可能であり、特にこれら各ギアのギア比によって増減速比の調節が可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、互いに異なるギア比を有する多数の惑星ギアからなる惑星ギア群に各々噛み合うリングギアから構成されたリングギア群を構成し、キャリヤを通じて入力された動力がリングギアの固定により太陽ギアを通じて多様な変速比に変速可能な多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置及びその利用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を実現するための本発明に従う多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置は、開閉可能な蓋と、いずれか1つのリングギアを選択的に固定及び解除させる変速ロック手段とを含むハウジングと、ハウジングの内部に設置されるキャリヤと、キャリヤの一面に回転自在に少なくとも3対が設置され、サイズの異なる少なくとも3個の惑星ギアからなる惑星ギア群と、各惑星ギアと各々内接して噛み合うリングギアからなるリングギア群と、各惑星ギアと各々外接して噛み合う太陽ギアからなり、ハウジングの外部に出力される出力軸を有する太陽ギア群と、出力軸と同一線上に位置しながらハウジングの外部から伝えられる外力によりキャリヤを回転させる入力軸と、を含んでなることを特徴とする。
【0009】
また、各惑星ギア群は、キャリヤの内側から半径の大きい順に各惑星ギアが配置されたことを特徴とする。
【0010】
また、リングギア群は、各リングギアの外周面に各々固定用溝が等間隔で形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、各リングギアは、各惑星ギアのサイズに対応して互いに異なる直径で形成されたことを特徴とする。
【0012】
また、各太陽ギアは、各惑星ギアと噛み合い可能に互いに異なる直径で形成されたことを特徴とする。
【0013】
また、太陽ギアと惑星ギアとのギア比は1:1.5であることを特徴とする。
【0014】
また、太陽ギアと惑星ギアとのギア比は1:1であることを特徴とする。
【0015】
また、太陽ギアと惑星ギアとのギア比は1:0.5であることを特徴とする。
【0016】
また、各太陽ギアと各惑星ギアとのギア比は1:0.5〜1:3であることを特徴とする。
【0017】
また、キャリヤは、各惑星ギア群の回転支持のための支持台、及び入力軸が取り付けられる延長線上に支持台と並んで軸延長部が形成されていることを特徴とする。
【0018】
また、入力軸は、軸延長部を過ぎてハウジングの外部に延びて設置されることを特徴とする。
【0019】
また、出力軸は、軸延長部の外周縁を覆いかぶせる中空管形態で形成されたことを特徴とする。
【0020】
また、変速ロック手段は、ハウジングに形成されたガイド溝に沿って弾性支持を受けて動いて、いずれか1つの固定用溝に選択的にロッキングされるストッパと、ストッパの位置を調節するためのワイヤー、ストッパが移動する軌跡を覆いかぶせるようにハウジングに形成され、開閉可能な蓋を有する胴体と、を含んでなることを特徴とする。
【0021】
また、蓋は、ストッパに挿入されてストッパがスライディング可能に案内するガイドが更に構成されていることを特徴とする。
【0022】
一方、本発明に従う多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置の利用方法は、原動機装置自転車または自転車から発生した動力を本発明に従う動力伝達装置を通じて伝達することを特徴とする。
【0023】
本発明の特徴及び利点は、添付図面に基づいた次の詳細な説明により一層明白になる。これに先立って本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的で、かつ辞書的な意味と解釈されてはならず、発明者がその自身の発明を最も最善の方法により説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に基づいて本発明の技術的思想に符合する意味と概念と解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0024】
本発明に従う多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置及びその利用方法は、次のような効果がある。
【0025】
1)リングギア群の各リングギアを固定させることによって多様な変速比の出力値が得られる。
2)入力軸を出力側方向に延長して構成することが可能であるので、自転車のような二輪車にも適用可能である。
3)遊星ギアを用いて大きな動力伝達または正確な動力伝達が可能であるので、原動機装置自転車にも適用可能である。
4)惑星ギアと太陽ギア、そしてリングギアに形成される歯の個数を通じて変速比を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に従う多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明に従うリングギア群の取付状態を示すための階段断面図である。
【図3】本発明に従うリングギア群の他の取付状態を示すための階段断面図である。
【図4】本発明に従う変速ロック手段の構成を示す分解斜視図である。
【図5】本発明に従う多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置の利用例を示す斜視図である。
【図6】本発明に従う多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置の他の利用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照しつつ本発明に従う多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置及びその利用方法を説明すれば、次の通りである。
【0028】
まず、図面のうち、同一な構成要素または部品は、できる限り同一な参照符号と表していることに留意しなければならない。本発明を説明するに当たって、関連した公知の機能または構成に対する具体的な説明は本発明の要旨を曖昧にすることがあるので省略する。
【0029】
図1は本発明に従う多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置の構成を示す分解斜視図であり、図2及び図3はリングギア群の種々の取付状態を示すための階段断面図であり、図4は変速ロック手段の構成を示す分解斜視図である。そして、図5及び図6は本発明の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置の各々異なる利用例を示す斜視図である。
【0030】
まず、図1を参照すれば、本発明は、キャリヤ10、惑星ギア群20、リングギア群30、太陽ギア群40、入力軸50、及びハウジング100を含んでなされる。
【0031】
キャリヤ10は板状形態でなされて、一面の中央には軸延長部12が突出成形されている。また、この軸延長部12を中心とする仮想の円周上に惑星ギア群20を設置するための支持台11が等間隔で少なくとも3個形成される。
【0032】
このようになされたキャリヤ10は、他面に入力軸50が連結されて回転できるようにハウジング100の内部に設置される。この際、入力軸50はハウジング100に設置されたベアリング40aの支持を受ける。また、軸延長部12は出力軸41にベアリング42の支持を受けて回転可能に設置される。
【0033】
惑星ギア群20は、少なくとも3個の惑星ギア20a、20b、20cからなる。また、各惑星ギア20a、20b、20cは、各々半径が互いに異なるもので構成される。特に、各惑星ギア20a、20b、20cは各支持台11への取付時、直径が大きいものから順次に挿入及び取り付けられる。
【0034】
このような惑星ギア群20は、キャリヤ10の支持台11に各々1対ずつ少なくとも3対が設置される。特に、各惑星ギア群20を構成する第1乃至第3惑星ギア20a、20b、20cは、各々独立的に回転可能に設置される。
【0035】
本発明の好ましい実施形態において、惑星ギア群20は3個の惑星ギア20a、20b、20cから構成されたものを例として挙げているが、惑星ギアの個数を4個または5個で構成して変速段数を4段または5段で構成することもできる。
【0036】
リングギア群30は、少なくとも3個のリングギア30a、30b、30cからなる。この時の各リングギア30a、30b、30cは、支持台11に設置された各惑星ギア群20の各惑星ギア20a、20b、20cと内接するように噛み合う。即ち、第1リングギア30aは第1惑星ギア20aに噛み合い、第2リングギア30bは第2惑星ギア20bに噛み合い、第3リングギア30cは第3惑星ギア20cに噛み合う。また、各リングギア30a、30b、30cは外周面に等間隔で各々固定用溝31a、31b、31cが形成されている。特に、各リングギア30a、30b、30cは、図2及び図3に示すように、外径を同一に形成したり、異なるように形成することができる。図2に示すように、各リングギア30a、30b、30cの外径が異なるように形成された場合、固定用溝31a、31b、31cは、後述するストッパ121が段変速時にリングギアの間にかからないように傾斜するように形成することが好ましい。
【0037】
このような各リングギア30a、30b、30cは、対応する惑星ギア20a、20b、20cに各々独立的に回転できるように噛み合う。
【0038】
太陽ギア群40は、3対の惑星ギア群20と噛み合いできるように、少なくとも3個の太陽ギア40a、40b、40cから構成される。特に、太陽ギア群40には出力軸41が備えられている。また、これら各太陽ギア40a、40b、40cは、この出力軸41に固定されて一体で回転するように設置される。
【0039】
また、出力軸41は中空軸形態で形成され、キャリヤ10の軸延長部12を覆いかぶせて互いに接触しないように設置される。この際、出力軸41はハウジング100の外部に突出するようになるが、図2及び図3に示すように、その外面と内面が各々蓋110と軸延長部12に取り付けられたベアリング13、42の支持を受けるようになる。ハウジング100の外部に突出した出力軸41にはスプラケットまたはギアなどを取り付ける。
【0040】
本発明の好ましい実施形態において、各太陽ギア40a、40b、40cとここに各々噛み合う惑星ギア20a、20b、20cは、ギア比が各々1:0.5〜1:1.5で形成するようになる。このようなギア比は変速しようとする速度に従って選択的に決定する。
【0041】
入力軸50は支持台11が設置されていないキャリヤ10の一面に垂直に取り付けられる。この際、入力軸50は図2及び図3に示すように、軸延長部12と同一線上に設置し、ハウジング100に設置されたベアリング50aの支持を受けてキャリヤ10と共に回転するように設置する。図2及び図3では、入力軸50がハウジング100を貫通して取り付けられてハウジング100の両側で動力伝達がなされる例を示している。
【0042】
特に、入力軸50は自転車のように両足を使用する装置に適用する場合、この入力軸50を軸延長部12を通じてハウジング100の外側に延長する構成も可能である。勿論、延びた入力軸50は出力軸41とベアリング42を媒介に回転可能に設置される。
【0043】
ハウジング100は開閉可能な蓋110が備えられており、前述した遊星ギアを収容するようになる。特に、ハウジング100は円柱形状でなされて、縁部にはリングギア群30の動作を断続させるための変速ロック手段120が備えられている。
【0044】
変速ロック手段120は、図4に示すように、ハウジング100の幅方向に沿って形成されたガイド溝130に沿って動くストッパ121と、このストッパ121の位置調節のためのワイヤー122と、ストッパ121の位置軌跡内に取り付けられる胴体123とを含んでなされる。
【0045】
ストッパ121はガイド溝130に沿って動いて、第1乃至第3リングギア30a、30b、30cに形成されたいずれか1つの固定用溝31a、31b、31cに挟まれて該当リングギア30a、30b、30cが回転できないように固定させる。特に、ストッパ121は固定用溝31に挿入されるチップ部126が弾性支持を受けて上下に動くように設置される。これは、図2に示すように、リングギア30a、30b、30cの直径が異なる場合、チップ部126が上下に動けるようにするためである。また、チップ部126は下段部が円錐形状である円柱形態で製作することが好ましい。これは、チップ部126が、例えば2つのリングギア30a、30bの間に位置しても、いずれか一側に容易に移動して、この2つのリングギア30a、30bが同時に固定されることを防ぐためである。
【0046】
このようなストッパ121は、ガイド溝130に沿って動きながらチップ部126が固定用溝31に選択的に嵌合できるように胴体123に設置される。図2及び図3において、ストッパ121は常にいずれか1つのリングギア30a、30b、30cに噛み合っている形態になるように構成された例を示している。しかしながら、このストッパ121はどのリングギア30a、30b、30cとも噛み合っていないアイドリング状態になるように構成することがより好ましい。この際、胴体123の内部でスプリング127の支持を受けて常にアイドリング状態の位置、即ち第1リングギア30aの固定用溝31aから外れた位置にあるようにする。
【0047】
ワイヤー122は一端がストッパ121に固定され、他端が胴体123の外部に突出するようになる。このようなワイヤー122は、一種の変速手段、例えば、自転車の場合、変速レバーに連結される。このようなワイヤー122は変速レバーの操作に従ってストッパ121がスプリング127の支持を受けながら強制にガイド溝130に沿って動くようにしてくれる。
【0048】
胴体123は、開閉可能な蓋124が備えられており、ストッパ121がガイド溝130に沿って動けるように空間部を形成させるようになる。特に、蓋124にはストッパ121が嵌合されて長手方向にスライディング可能に少なくとも1つのガイド125を構成して、ワイヤー122の操作によりストッパ121が円滑に動けるように構成する。
【0049】
(動力伝達装置の実施形態)
本発明に従う多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置は、各ギアの歯によってその速度が変わる。また、本発明の動力伝達装置はリングギアを固定させるタイプであるので、前進のみ可能で、かつ加減速のみ可能な構造からなる。
【0050】
また、この時のギアの変速比で、第1太陽ギア40aと第1惑星ギア20aとのギア比を1:1.5にし、第2太陽ギア40bと第2惑星ギア20bとのギア比を1:1にし、第3太陽ギア40cと第3惑星ギア20cとのギア比を1:0.5にした。このようなギア比を通じて3段変速が可能な動力伝達装置を得ることができ、太陽ギアと惑星ギアとのギア比によって、1:1.5の時に4倍速、1:1の時に3倍速、1:0.5の時に2倍速になる。
【0051】
このようになされた本発明の動力伝達装置は、ストッパ121が無段の位置にあるようになれば、第1乃至第3リングギア30a、30b、30cは空回転状態にあるようになる。この際、ワイヤー122を引っ張ってストッパ121が第1リングギア30aの固定用溝31aにかかるようになれば、第1リングギア30aのみ固定され、残りの第2及び第3リングギア30b、30cは空回転するようになる。これによって、キャリヤ10を通じて伝えられた回転力は、第1惑星ギア20aを通じて第1太陽ギア40aを通じて変速がなされる。この時の回転は4倍速に変速されて出力軸41に伝えられる。
【0052】
2段変速及び3段変速は、1段変速と同一になされるので、ここではその説明を省略する。
【0053】
このように、変速後またワイヤー122を解除すれば、ストッパ121は無段の位置に戻る。
【0054】
(動力伝達装置の利用例1)
本発明に従う多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置は、自転車に適用して利用できる。
【0055】
図5に示すように、自転車に適用する場合には入力軸50に1つのペダル200aを設置する。特に、この時の入力軸50は軸延長部12を通じてハウジング100の外部に延長して他のペダル200bを取り付ける。勿論、ハウジング100の外部に突出した出力軸41に自転車チェーンのスプラケット300aや直接自転車ホイールなどに取り付けて使用することもできる。
【0056】
(動力伝達装置の利用例2)
本発明に従う多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置は、図6に示すように、原動機装置自転車にも適用して利用できる。ここで、原動機装置自転車は大韓民国自動車管理法第3条の規定による二輪自動車のうち、排気量125cc以下の二輪自動車(例:オートバイ、スクーター等)、または排気量50cc未満(電気を動力とする場合には定格出力0.59未満)の原動機を取り付けた車をいう(大韓民国道路交通法第2条第18号)。
【0057】
原動機装置自転車の場合は、キャリヤ10に取り付けられる入力軸50に原動機装置自転車の原動機400を連結し、出力軸41に原動機装置自転車のリアハブに動力を伝達するために備えられたスプラケット300bを連結する。
【0058】
本発明は、図面に図示されている実施形態及び利用例を参考にして説明されたが、これは例示であり、本技術分野の通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解することができる。したがって、本発明の本当の技術的保護範囲は添付された特許請求範囲の技術的思想により定まるべきである。
【符号の説明】
【0059】
10 キャリヤ
11 支持台
12 軸延長部
13 ベアリング
20 惑星ギア群
20a、20b、20c 第1〜第3惑星ギア
30 リングギア群
30a、30b、30c 第1〜第3リングギア
31、31a、31b、31c 固定用溝
40 太陽ギア群
40a、40b、40c 太陽ギア
41 出力軸
42 ベアリング
50 入力軸
50a ベアリング
100 ハウジング
110 蓋
120 変速ロック手段
121 ストッパ
122 ワイヤー
123 胴体
124 蓋
125 ガイド
126 チップ部
127 スプリング
130 ガイド溝
200a、200b ペダル
300a、300b スプラケット
400 原動機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な蓋110と、いずれか1つのリングギア30a、30b、30cを選択的に固定及び解除させる変速ロック手段120とを含むハウジング100と、
前記ハウジング100の内部に設置されるキャリヤ10と、
前記キャリヤ10の一面に回転自在に少なくとも3対が設置され、サイズの異なる少なくとも3個の惑星ギア20a、20b、20cからなる惑星ギア群20と、
前記各惑星ギア20a、20b、20cと各々内接して噛み合うリングギア30a、30b、30cからなるリングギア群30と、
前記各惑星ギア20a、20b、20cと各々外接して噛み合う太陽ギア40a、40b、40cからなり、前記ハウジング100の外部に出力される出力軸41を有する太陽ギア群40と、
前記出力軸41と同一線上に位置しながら前記ハウジング100の外部から伝えられる外力により前記キャリヤ10を回転させる入力軸50と、
を含んでなることを特徴とする多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項2】
前記各惑星ギア群20は、
前記キャリヤ10の内側から半径の大きい順に前記各惑星ギア20a、20b、20cが配置されたことを特徴とする請求項1に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項3】
前記リングギア群30は、
前記各リングギア30a、30b、30cの外周面に各々固定用溝31a、31b、31cが等間隔で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項4】
前記各リングギア30a、30b、30cは、
前記各惑星ギア20a、20b、20cのサイズに対応して互いに異なる直径で形成されたことを特徴とする請求項3に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項5】
前記各太陽ギア40a、40b、40cは、
前記各惑星ギア20a、20b、20cと噛み合い可能に互いに異なる直径で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項6】
前記太陽ギア40aと前記惑星ギア20aとのギア比は1:1.5であることを特徴とする請求項5に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項7】
前記太陽ギア40bと前記惑星ギア20bとのギア比は1:1であることを特徴とする請求項5に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項8】
前記太陽ギア40cと前記惑星ギア20cとのギア比は1:0.5であることを特徴とする請求項5に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項9】
前記各太陽ギア40a、40b、40cと前記各惑星ギア20a、20b、20cとのギア比は1:0.5〜1:3であることを特徴とする請求項1に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項10】
前記キャリヤ10は、
前記各惑星ギア群20の回転支持をのための支持台11、及び前記入力軸50が取り付けられる延長線上に前記支持台11と並んで軸延長部12が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項11】
前記入力軸50は、
前記軸延長部12を過ぎて前記ハウジング100の外部に延びて設置されることを特徴とする請求項1に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項12】
前記出力軸41は、
前記軸延長部12の外周縁を覆いかぶせる中空管形態で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項13】
前記変速ロック手段120は、
前記ハウジング100に形成されたガイド溝130に沿って弾性支持を受けて動いて、前記いずれか1つの固定用溝31a、31b、31cに選択的にロッキングされるストッパ121と、
前記ストッパ121の位置を調節するためのワイヤー122と、
前記ストッパ121が移動する軌跡を覆いかぶせるように前記ハウジング100に形成され、開閉可能な蓋124を有する胴体123と、
を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項14】
前記蓋124は、
前記ストッパ121に挿入されて前記ストッパ121がスライディング可能に案内するガイド125が更に構成されていることを特徴とする請求項13に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置。
【請求項15】
動力発生手段から発生された動力を請求項1乃至請求項14のうち、いずれか1つによる動力伝達装置を用いて伝達する多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置の利用方法。
【請求項16】
前記動力発生手段は、原動機装置自転車または自転車であることを特徴とする請求項15に記載の多重ギア列を有する遊星ギアを用いた動力伝達装置の利用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−511912(P2011−511912A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545813(P2010−545813)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000672
【国際公開番号】WO2009/102156
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(510063236)
【Fターム(参考)】