説明

多重FAシステムで効率的なスペクトル検知を使用する周波数チャネル割り当て方法

【課題】多重周波数チャネルシステムにおいて効率的なスペクトル検知を使用した周波数チャネルの割り当て方法を提供する。
【解決手段】使用状態によって、プライマリユーザにライセンス付与された多重周波数チャネルを、複数のチャネル状態セットに分類し、セットの種類によって検知周期を変えてチャネル状態を周期的に検知し、周波数チャネル状態セット情報として管理するチャネル検知処理と、BSが管理される周波数チャネル状態セット情報を、セカンダリユーザ端末に送信するチャネル状態セットブロードキャスト処理と、BSがブロードキャストメッセージを受信した新しいセカンダリユーザ端末からチャネル割り当て要求メッセージを受信する場合に、BSが周波数チャネル状態セット情報を使用して、プライマリユーザにライセンス付与されたチャネルの中から使用していない周波数チャネルを新しいセカンダリユーザ端末に割り当てるチャネル割り当て処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重周波数割り当て(FA:Frequency Assignment)システムにおいて効率的なスペクトル検知を使用した周波数チャネル割り当て方法に関し、さらに詳しくは、多重FAシステムにおいて効率的なスペクトル検知を使用して周波数チャネルを割り当てる方法に関し、周波数チャネルは、プライマリユーザに干渉ノイズを与えることなく、チャネル状態のセット情報を使用して、チャネル割り当てを要求するセカンダリユーザに割り当てられ、一方で多重FAシステムは、プライマリユーザにライセンス付与され許可された周波数チャネルを、使用状態によってアクティブセット、候補セット、NULLセット、占有セットに分類し、分類された周波数チャネルを管理する。
【背景技術】
【0002】
現在無線通信を使用したサービスへの需要は急増しているが、良好な伝送特性を有し、及び素子開発における容易な周波数帯域は既に占有されている。したがって、無線認知(cognitive radio)技術は、プライマリユーザにライセンス付与され許可された周波数チャネルを時間的及び空間的に検査することにより見つけられた使用されていない周波数チャネルを使用して、新たなサービスを提供することを望むセカンダリユーザのために使用される。プライマリユーザおよびセカンダリユーザは、相異なるサービスまたは運用者により運用される通信システムであり、下記においても同様に説明される。
【0003】
本発明は、IEEE802.22で標準規格化されている技術に対応し、より詳しくは、基本的な要件が、規格ドラフトを作成するために決定されている。
【0004】
IEEE802.22によると、TV周波数帯域あるいは無線マイクロフォン通信のために現在使用される周波数帯域(例えば、米国においてはTVチャネル番号2から51に対応する54MHzから698MHzまでの周波数帯域、または国際的に41MHzから910MHzまでの周波数帯域)を使用して、TVまたは無線機器のプライマリユーザが使用しない時間及び空間を使用して無線インターネットサービスが提供されることが望まれる。割り当てられたTV周波数帯域をIEEE802.22システム(基地局(BS)、CPE(Customer Premises Equipment)、コアネットワーク)が使用するために、セカンダリユーザのBSおよびセカンダリユーザの端末であるCPEは、周波数チャネルの現在状態を知っていなければならない。このために、セカンダリユーザのBSおよびセカンダリユーザ端末は、現在のTV周波数チャネルである41MHzから910MHzまでの周波数帯域をスキャンすることによりチャネル使用状態を常に監視しなければならない。したがって、プライマリユーザがセカンダリユーザにより使用されている周波数チャネルを使用することを望むとき、セカンダリユーザはプライマリユーザに周波数チャネル上で即座にハンドオーバーが可能である。
【0005】
上述したように、6、7、8MHzが、多重周波数割り当て(FA)システム、すなわちIEEE802.22標準化システムにおけるTVブロードキャスティングに割り当てられた41MHzから910MHzまでの周波数帯域から、単一の周波数チャネルとして割り当てられ、IEEE802.16により提示された動的周波数選択(DFS:Dynamic Frequency Selection)技術に類似しているとき、周波数チャネルを検知および管理する方法に関する。
【0006】
IEEE802.16で提示されるDFS技術は、ライセンス付与されていない帯域において無線データ通信サービスのためにスキャンして、プライマリユーザの周波数チャネルが使用されているか否かを判定し、プライマリユーザが使用していない周波数チャネルを無線データ通信サービスに割り当て、プライマリユーザの要求によってBSを使用することにより無線データ通信サービスから周波数チャネルを開放し、新たなチャネルを無線データ通信サービスに割り当てる技術である。
【0007】
この観点から、本発明の実施形態による多重FAシステムにおけるスペクトル検知に関する技術分野は、IEEE802.22のスペクトル検知技術およびIEEE802.16のDFS技術の分野とほぼ同一である。
【0008】
しかし、従来のIEEE802.16のDFS技術において、ライセンス付与されていない帯域で無線インターネットサービスを提供するために、選択された周波数チャネルの状態の測定のための端末を要求し、測定された結果を受信するためのBSにより使用される方法が使用される。従来の方法において、BSは、プライマリユーザにライセンス付与された周波数チャネルの状態に関する情報を受動的に取得するだけで、したがって受動的に取得した状態情報を使用して新しいセカンダリユーザに周波数チャネルを割り当てまたは変更する処理において、スペクトル検知の信頼性低下のためにプライマリユーザの通信品質劣化及び通信障害を引き起こすかもしれず、周波数チャネル状態見地要求メッセージなどのオーバーヘッド信号の増加のためにデータ伝送効率が減少するかもしれない。
【0009】
したがって、プライマリユーザの通信品質に影響することなく、プライマリユーザにライセンス付与された周波数チャネルを新しいセカンダリユーザに割り当てるために、セカンダリユーザのBSは常に、プライマリユーザにライセンス付与された周波数チャネルの状態についての最適な情報を保持していなければならない。
【0010】
このために、セカンダリユーザの端末およびBSは、スペクトル検知を使用してプライマリユーザにライセンス付与された周波数チャネルの状態を能動的に判定しなければならない。さらに、スペクトル検知のために、単純な周期的な検知方法の代わりに、プライマリユーザが周波数チャネルを使用するか否かの考慮における検知期間を変える効率的な方法が必要とされる。
【0011】
本発明の上述および他の特徴および利点は、添付の図面を参照してこのより詳細な例示的な実施形態において説明されることにより、より明らかになるだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、多重周波数割り当て(FA)システムにおいて効率的なスペクトル検知を使用して周波数チャネルを割り当てる方法を提供し、周波数チャネルはチャネル割り当てを要求するセカンダリユーザに、プライマリユーザに干渉ノイズを感じさせることなしに、チャネル状態の状態セットを使用して割り当てられ、一方で多重FAシステムは、プライマリユーザにライセンス付与および許可された周波数チャネルを、使用状態によってアクティブセット、候補セット、NULLセットおよび占有セットに分類して分類された周波数チャネルを管理する。
【0013】
つまり本発明は、多重FAシステムで効率的なスペクトル検知を使用して周波数チャネルを割り当てる方法を提供し、多重FAシステムは、多重周波数チャネル(例えば、41MHzから910MHzまでのTV周波数帯域の周波数チャネル)の状態をスキャンし、周波数チャネルを4種のセット(アクティブセット、候補セット、NULLセット、占有セット)に分類し、分類された周波数チャネルを管理し、新たに周波数チャネル割り当てを要求するセカンダリユーザに、プライマリユーザが使用していないチャネルを高速で検出して割り当て、プライマリユーザの出現が検出される場合、短時間で周波数チャネルが開放されるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の態様によれば、プライマリユーザにライセンス付与された周波数チャネルがFAシステムにおいて割り当てられるセカンダリユーザの基地局(BS)に適用されるチャネル割り当て方法が提供され、この方法は、BSがプライマリユーザにライセンス付与された多重周波数チャネルを、使用状態によって複数のチャネル状態セットに分類し、分類されたチャネル状態セットの種類によって検知周期を変えることによりチャネル状態を周期的に検知し、周波数チャネル状態セット情報として検知されたチャネル状態を管理するチャネル検知処理と、チャネル検知処理において管理される周波数チャネル状態セット情報を、ブロードキャストメッセージを使用してセカンダリユーザ端末に送信するチャネル状態セットブロードキャスト処理と、BSがブロードキャストメッセージを受信した新しいセカンダリユーザ端末からチャネル割り当て要求メッセージを受信する場合、BSが、周波数チャネル状態セット情報を使用して、プライマリユーザにライセンス付与された周波数チャネルの中から使用していない周波数チャネルを、新しいセカンダリユーザ端末に割り当てるチャネル割り当て処理とを備える。この方法は、周波数チャネルが割り当てられたセカンダリユーザ端末から、「セカンダリユーザ端末の周波数チャネル状態セット情報」を周期的に受信することにより、BSが周波数チャネル状態セット情報を更新するチャネル状態セット更新処理をさらに備える。
【0015】
本発明の別の態様によれば、FAシステムにおいてプライマリユーザにライセンス付与された周波数チャネルが割り当てられるセカンダリユーザの端末に適用されるチャネル割り当て方法が提供され、この方法は、ブロードキャストメッセージを使用してセカンダリユーザのBSからプライマリユーザにライセンス付与された多重周波数チャネルの周波数チャネル状態セット情報を受信し、受信した周波数チャネル状態セット情報を管理するチャネル状態セット受信処理と、セカンダリユーザ端末が、周波数チャネル状態セット情報を使用してチャネル割り当てのためのBSを要求し、BSが、プライマリユーザにライセンス付与された周波数チャネルの中から使用されていない周波数チャネルをセカンダリユーザ端末に割り当てるチャネル割り当て処理と、セカンダリユーザ端末が、チャネル状態セットの種類によって検知周期を変えることにより、プライマリユーザにライセンス付与された多重周波数チャネルのチャネル状態を検知し、検知結果によって周波数チャネル状態セット情報を更新し、更新された周波数チャネル状態セット情報をBSに報告するチャネル状態情報報告処理とを備える。この方法は、チャネル状態セット受信処理において周波数チャネル状態セット情報を受信した後、セカンダリユーザ端末が、BSとのダウンストリーム/アップストリーム周波数チャネルの状態をスキャンすることにより、受信した周波数チャネル状態セット情報を更新し、更新された周波数チャネル状態セット情報をBSに送信する更新情報送信処理をさらに備える。
【発明の効果】
【0016】
上述のように本発明によると、WRAN(無線地域ネットワーク、wireless regional
area network)などの新たな多重周波数割り当て(FA)システムが、ライセンス付与された帯域を使用して無線データ通信サービスを提供する時、既存システムのライセンス付与された帯域(例えば、TV周波数帯域)の周波数チャネルのスペクトル検知を実行することにより、プライマリユーザの周波数チャネルの仕様状態の検知、干渉ノイズ電力、プライマリユーザの出現の見地のスペクトル検知処理に関する技術が提供される。この技術の最も重要な部分は、新たな多重FAシステムが同じ周波数帯域を使用して無線インターネットサービスを提供しても、プライマリユーザは通信品質劣化または通信障害を感じないことである。
【0017】
したがって、本発明は、選択された当周波数チャネルのスキャンを要求し、選択された周波数チャネルのスペクトル検知を実行し、測定された結果を報告する従来技術とは異なり、新たな多重FAシステムに割り当てられた複数周波数チャネルの状態を4種のセット(アクティブセット、候補セット、NULLセットおよび占有セット)に分類し、分類されたセットの種類によって検知周期を変化させる周期的な検知方法を使用することにより、検知に関連した信号メッセージの数は減少でき、スペクトル検知処理を高速で実行でき、ならびに4種のセット情報を使用してチャネル割り当ておよびチャネル変更を最適化できる。つまり周波数チャネルを、プライマリユーザに干渉ノイズを感じさせることなく、新しいセカンダリユーザに割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態が適用される4チャネル状態セットによるチャネル状態遷移図である。
【図2】本発明の実施形態によるセカンダリユーザの基地局(BS)における効率的なスペクトル検知を使用した周波数チャネル割り当て方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態によるWRANのダウンストリーム/アップストリームフレームのデータ構造である。
【図4】本発明の実施形態によるセカンダリユーザの端末における効率的なスペクトル検知を使用した周波数チャネル割り当ての方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の上述した目的、特徴及び長所は、添付の図面と関連した本発明の好適な実施形態を説明することにより、より詳細に説明されることによって、当業者が本発明の精神範囲を容易に実装できるようになる。以下の説明において、不必要な詳細で発明はあいまいになるので、よく知られている機能または構成は詳細には説明しない。以降で本発明は、本発明の例示的な実施形態が示される添付の図面を参照してより完全に説明される。
【0020】
本発明を大まかに説明する。
【0021】
本発明の実施形態によると、多重周波数割り当て(FA)システムが、ライセンス付与されていない帯域あるいはライセンス付与された帯域(例えば、TV周波数帯域)で新たな無線データ通信サービスを行うとき、多重FAシステムが、周波数チャネルの状態を4種のセット(アクティブセット、候補セット、NULLセットおよび占有セット)に分類し、分類された周波数チャネルを管理し、前記多重FAシステムは、セットの種類に酔って検知周期を変えることにより周波数チャネルを効率的に管理する。
【0022】
表1は、本発明の理解を助けるためにチャネル状態セットの定義を示す。
【0023】
【表1】

【0024】
ここで表1について説明する。アクティブセットはセカンダリユーザ端末に割り当てられたダウンストリーム/アップストリーム周波数チャネルを示す。アクティブセットは、第1のアクティブセットおよび第2のアクティブセット2を含む。候補セット(表1では「候補/バックアップセット」という用語が使われているが、「候補セット」が以降では使われる)は、プライマリユーザが使用しておらず、任意のセカンダリユーザ端末(CPE)に割り当てられていないダウンストリーム及びアップストリーム周波数チャネルを示す。占有セットはプライマリユーザが使用しているチャネルを示す。
【0025】
許可されていないセットはしばしば変更されるので、許可されていないセットはチャネル管理シナリオから除外される。
【0026】
つまり、チャネル状態セット、つまり第1のアクティブセット、第2のアクティブセット、候補セット、占有セットおよびNULLセットが効率的に管理のために定義され、BSおよびセカンダリユーザの端末により管理される。詳細には、各BSは、アクティブセット、候補セット、NULLセット、占有セットおよびNULLセットを管理し、各ユーザ端末もまた、アクティブセット、候補セット、占有セットおよびNULLセットを管理する。
【0027】
多重FAシステムにより各チャネルセットの検知周期ごとに、各チャネル状態セットは更新され、最小のチャネルセットの更新周期はアクティブセット検知周期である。
【0028】
本発明において、表1に図示されているように、WRANシステムなどの多重FAシステムの周波数チャネルを複数の種類のセットに分類し、BSにおいて分類された周波数チャネルを管理する目的は、周波数チャネルの状態によって検知周期を変え、各セカンダリユーザ端末に周波数チャネルを変更するためである。
【0029】
スペクトル検知方法によって、検知周期はセットの種類によって異なって設定されなければならない。アクティブセットについては、プライマリユーザがセカンダリユーザ端末に割り当てられた周波数チャネルを使用しることを望むとき、周波数チャネルを高速で開放しなければならない、したがって、検知周期は最も短くなければならない。候補セットについては、候補セットに属している周波数チャネルの使用状態及び測定レベルをスキャンしなければならないので、検知周期が中間の長さでなければならない。占有セットについては、占有セットに属している周波数チャネルがプライマリユーザによって使用されているので、検知周期は最も長くなければならない。
【0030】
図1は、本発明の実施形態が適用される4つのチャネル状態セットによるチャネル状態遷移図である。図1に図示された参照番号による遷移をここで説明する。
【0031】
参照番号1による遷移:NULLセット、アクティブセット及び候補セットに属する周波数チャネルが、現サービスが出現するときの占有セットの要素となる。つまり、現サービスの出現が出現するとき、セカンダリユーザシステムは周波数チャネルを使用できない。
【0032】
参照番号2による遷移:現サービスから解放された周波数チャネルの品質が、特定の品質閾値を満たし、候補セットに属する任意の要素より良いとき、開放された周波数チャネルは候補セットの要素となる。
【0033】
参照番号3による遷移:現サービスから開放された周波数チャネルの品質が、特定の品質閾値を満たさないか、または候補セットに属するすべての要素の品質より悪いとき、開放された周波数チャネルはNULLセットの要素となる。
【0034】
参照番号4による遷移:NULLセットに属する要素の品質が、特定の品質閾値を満たし、候補セットに属する任意の要素の品質より良いとき、NULLセットに属する要素は候補セットの要素となる。
【0035】
参照番号5による遷移:候補セットの要素がWRANサービスの新たな連結のためにアクティブ化されるとき、候補セットの要素はアクティブセットの要素となる。
【0036】
参照番号6による遷移:候補セットに属する要素の品質が、特定の品質閾値を満たさないか、または参照番号2、4、及び7による遷移のために候補セットの要素となった要素の品質より悪いとき、候補セットに属する要素はNULLセットの要素となる。参照番号7による遷移:使用終了のために開放されたアクティブセットの要素の品質が、特定の品質閾値を満たし、候補セットに属する任意の要素の品質より良いとき、開放されたチャネルは候補セットの要素となる。
【0037】
参照番号8による遷移:WRANサービスから開放された周波数チャネルの品質が、特定の品質閾値を満たさないか、または候補セットに属するすべての要素の品質より悪いとき、開放された周波数チャネルはNULLセットの要素となる。
【0038】
一般に、スペクトル検知の結果によってNULLセットから候補セットを区分するのに使用される品質閾値を、干渉ノイズスペクトル密度により表すことができ、事実、品質閾値は、WRANアップリンク/ダウンリンクのリンク品質を保持するための特定のノイズスペクトル密度の大きさとして判定される。したがって、特定の品質閾値は、WRANアップリンク/ダウンリンクの性能および検知受信器構造から判定されるので、本発明の実施形態においては特定の品質閾値として特定の値を提案できない。
【0039】
図2は、本発明の実施形態によるセカンダリユーザの基地局(BS)における効率的なスペクトル検知を使用した周波数チャネルの割り当て方法を図示するフローチャートである。
【0040】
BS(これは、セカンダリユーザのBSを意味し、以降では単に「BS」と呼ぶ)は、セカンダリユーザ端末との通信チャネルが確立された後に、スペクトル検知を周期的に行う。さらに、BSは、通信チャネルが確立されていないセカンダリユーザ端末に、ブロードキャストメッセージを使用して、BSの周波数チャネル状態セット情報を送信する。
【0041】
図2を参照して、動作100において、BSは、プライマリユーザにライセンス付与された多重周波数チャネルを、使用状態によって複数のチャネル状態セットに分類し、分類されたチャネル状態セットの種類によって検知周期を変えることによりチャネル状態を周期的に検知し、検知されたチャネル状態を周波数チャネル状態セット情報として管理する。
【0042】
動作102において、BSは、ブロードキャストメッセージを使用してセカンダリユーザ端末に周波数チャネル状態セット情報を送信する。ブロードキャストメッセージを受信した新しいセカンダリユーザ端末は、周波数チャネル割り当てのためにBSにチャネル割り当て要求メッセージを送信する。
【0043】
動作104において、BSが新しいセカンダリユーザ端末からチャネル割り当て要求メッセージを受信する場合、動作106において、BSは、新しいセカンダリユーザ端末にチャネル割り当て要求メッセージを送信する。つまり、BSが新しいセカンダリユーザ端末からチャネル割り当て要求メッセージを受信する場合、BSは、新しいセカンダリユーザ端末に、少なくとも1以上のダウンストリーム及びアップストリーム周波数チャネルを割り当てることができる。BSは、周波数チャネル状態セット情報を使用して、新しいセカンダリユーザ端末へ、プライマリユーザにライセンス付与された周波数チャネルの中から使用されていない周波数チャネルを割り当てる。
【0044】
新しいセカンダリユーザ端末が、チャネル割り当て要求メッセージをBSに送信する場合、新しいセカンダリユーザ端末がランギング(測距、ranging)、認証および登録処理を実行し、その後、この3つの処理を実行するために使用されるアップストリームチャネルを使用してチャネル割り当て要求メッセージをBSに送信する。
【0045】
新しいセカンダリユーザ端末にチャネルを割り当てた後、動作108において、BSは周波数チャネルが割り当てられたセカンダリユーザ端末のために、ダウンストリーム/アップストリーム周波数チャネル状態セットを初期化し、週は酢チャネル状態セット情報を新しいセカンダリユーザ端末に送信する。以後、BSは、周波数チャネルが割り当てられた新しいセカンダリユーザ端末のために、周期的なスペクトル検知モードを設定する。
【0046】
周期的なスペクトル検知モードにおいて、新しいセカンダリユーザ端末は、新しいセカンダリユーザ端末によりスキャンされ更新されたダウンストリーム/アップストリーム周波数チャネル状態セット情報をBSに送信する。つまり、動作110において、BSは、周波数チャネルが割り当てられた新しいセカンダリユーザ端末から、ダウンストリーム/アップストリーム周波数チャネル状態セット情報を受信し、動作112において、BSは、新しいセカンダリユーザ端末のダウンストリーム/アップストリーム周波数チャネル状態セット情報を更新する。
【0047】
(動作110と動作112で参照されるように、)セカンダリユーザ端末に割り当てられた周波数チャネルへのプライマリユーザの出現が、セカンダリユーザ端末からの報告を周期的に受信する処理を使用することによりまたはBSの処理を検知することにより、検出される場合、BSは、セカンダリユーザ端末からの周波数チャネルを開放し、セカンダリユーザ端末へ別の周波数チャネルを割り当てる。
【0048】
BS及びセカンダリユーザ端末がアクティブセットに属する周波数チャネルをスキャンするために、休止期間(図3の202のTqを参照)が設定されなければならない。
【0049】
図3は、本発明の実施形態によるWRANシステムのダウンストリーム/アップストリームフレームのデータ構造である。アクティブセットのスペクトル検知周期Ts201および休止期間Tq202が設定される。伝休止期間Tqは、スペクトル検知アルゴリズムの実行速度に依存する。
【0050】
スペクトル検知周期Ts201は、プライマリユーザが周波数チャネルを使用するかどうかを検知した後、周波数チャネルを開放する最小時間に設定されなければならない。
【0051】
図3は、単一のフレーム21が4つのタイムスロット22ないし25を含む、ダウンストリーム及びアップストリーム周波数チャネルの基本的なフレーム構造を示している。このタイムスロット構造において、タイムスロット0 22は、ブロードキャストメッセージを含むバーストを含み、タイムスロット1 23、タイムスロット2 24およびタイムスロット3 25は、ブロードキャストメッセージを含まないが、プリアンブル26とデータシンボルセクション27を含む。現在の実施形態において、本発明では、休止周期Tq202は、タイムスロット1 23、タイムスロット2 24およびタイムスロット3 25のうちの1つにランダムに含まれる。
【0052】
図4は、本発明の実施形態によるセカンダリユーザの端末において、効率的なスペクトル検知を使用した周波数チャネルの割り当て方法を図示するフローチャートである。
【0053】
セカンダリユーザ端末でのスペクトル検知方法は2種類に分類できる。第1の種類は、
セカンダリユーザ端末の電源オンになった後、通信チャネルが確立されるまで使用される検知方法であり、第2の種類は、通信チャネルが確立された後に使用される周期的なスペクトル検知方法である。
【0054】
図4を参照して、初期のスペクトル検知処理において、セカンダリユーザ端末がダウンストリーム周波数チャネルを選択するとき、動作300において、選択された周波数チャネルのブロードキャストメッセージを使用してセカンダリユーザのBSのダウンストリーム/アップストリーム周波数チャネル状態セット情報を受信する。セカンダリユーザ端末は、セカンダリユーザ端末の周りの周波数チャネル状態をスキャンするために、ダウンストリーム/アップストリーム周波数チャネル全体のチャネル状態をスキャンし、スキャン結果によって動作300で受信した周波数チャネル状態セット情報を更新し、動作302において、更新された周波数チャネル状態セット情報をBSに送信する。
【0055】
セカンダリユーザ端末は、動作304において、周波数チャネル状態セット情報を使用して、BSにチャネル割り当て要求メッセージを送信し、動作306において応答として、BSからチャネル割り当てメッセージを受信する。少なくとも1つのダウンストリーム及びアップストリーム周波数チャネルが、チャネル割り当てメッセージを介してセカンダリユーザ端末に割り当てられる。
【0056】
セカンダリユーザ端末は、動作208において、チャネル割り当てメッセージを使用することにより割り当てられた少なくとも1以上のダウンストリーム及びアップストリーム周波数チャネルの中から、1つのダウンストリーム/アップストリーム周波数チャネルを設定し、チャネル設定情報をBSに送信する。
【0057】
セカンダリユーザ端末のダウンストリーム/アップストリーム周波数チャネルが設定された後、セカンダリユーザ端末は、動作310において、アクティブセット、候補セット、NULLセット及び占有セットについて異なって設置されたスペクトル検知周期にしたがって、周期的なスペクトル検知(スキャン)を行なう。セカンダリユーザ端末により行なわれたスペクトル検知(スキャン)は、BSにより行なわれるスペクトル検知(スキャン)と基本的に同一である。
【0058】
セカンダリユーザ端末により実行される周期的なスペクトル検知は、以下の過程を実行することにより実現される。
【0059】
セカンダリユーザ端末は、動作310において、異なる検知周期によって、アクティブセット、候補セット、NULLセットおよび占有セットのスペクトルスキャンを行なう。セカンダリユーザ端末は、動作312において、スキャン結果によってアクティブセット、候補セット及び占有セットのチャネル状態を更新する。セカンダリユーザ端末は、動作314において、更新された周波数チャネル状態セット情報をBSに報告し、アクティブセット及び最大5つまでの選択された候補セットのチャネル番号および測定レベルをBSに報告する過程が行われる。動作310から314までは繰り返し行われる。したがって、BSは報告された情報を使用して周波数チャネル状態セット情報を更新する。
【0060】
本発明は、コンピュータ可読記憶媒体上にコンピュータ可読コードとして実装することもできる。コンピュータ可読記憶媒体は、以降でコンピュータシステムにより読むことが出来るデータを格納できる任意のデータストレージである。コンピュータ可読記憶媒体の例は、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データストレージデバイス、(インターネットを通したデータ伝送などの)搬送波を含む。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読コードが格納されて分散された様式で実行されるように、コンピュータシステムに結合されたネットワーク上に分散することもできる。
【0061】
本発明は、ここで例示的な実施形態を参照して、特に示され説明されてきたが、形式および詳細において様々な変更が、添付の特許請求の範囲により定義されているように、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくここでなされうることを当業者は理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマリユーザにライセンス付与された周波数チャネルが多重周波数割り当て(FA)システムにおいて割り当てられるセカンダリユーザの基地局(BS)に適用されるチャネル割り当て方法であって、
前記BSが前記プライマリユーザにライセンス付与された多重周波数チャネルを、使用状態に基づいて複数の種類のチャネル状態セットに分類し、前記分類されたチャネル状態セットの種類によって検知周期を変えることによりチャネル状態を周期的に検知し、周波数チャネル状態セット情報として前記検知されたチャネル状態を管理するチャネル検知処理と、
前記チャネル検知処理において管理される前記周波数チャネル状態セット情報を、ブロードキャストメッセージを使用してセカンダリユーザ端末に送信するチャネル状態セットブロードキャスト処理と、
前記BSが前記ブロードキャストメッセージを受信した新しいセカンダリユーザ端末からチャネル割り当て要求メッセージを受信する場合、前記周波数チャネル状態セット情報を使用して、前記プライマリユーザにライセンス付与された周波数チャネルの中から、未使用の周波数チャネルを、前記新しいセカンダリユーザ端末に割り当てるチャネル割り当て処理と
を備え、
前記チャネル検知処理の前記周波数チャネル状態セット情報は、
前記セカンダリユーザに割り当てられたチャンネルはアクティブセットに属し、前記プライマリユーザにより使用されておらず、任意のセカンダリユーザにも割り当てられていないチャンネルは候補セットに属し、プライマリユーザが使用しているチャンネルは占有セットに属し、許可されているが前記アクティブセット、候補セット及び占有セットに属していないチャンネルはNULLセットに分類し、前記アクティブセット、候補セット及び占有セットの検知周期それぞれは互いに異なる値を有することを特徴とするチャネル割り当て方法。
【請求項2】
前記周波数チャネルが割り当てられた前記セカンダリユーザ端末から、前記セカンダリユーザ端末の周波数チャネル状態セット情報を周期的に受信することにより、前記周波数チャネル状態セット情報を更新するチャネル状態セット更新処理をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検知周期は、前記アクティブセット、前記候補セット、前記NULLセット及び前記占有セットの順に増加することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記チャネル割り当て処理において、前記セカンダリユーザに割り当ててられた前記周波数チャネルについての前記プライマリユーザの前記出現が検知された場合、前記セカンダリユーザへの前記チャネル割り当ては開放されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記チャネル割り当て処理は、前記周波数チャネルが割り当てられるとき、複数の周波数チャネルが割り当てられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
多重周波数割り当て(FA)システムにおいてプライマリユーザにライセンス付与された周波数チャネルが割り当てられるセカンダリユーザの端末に適用されるチャネル割り当て方法であって、
ブロードキャストメッセージを使用して前記セカンダリユーザの基地局(BS)から前記プライマリユーザにライセンス付与された多重周波数チャネルの周波数チャネル状態セット情報を受信し、前記受信した周波数チャネル状態セット情報を管理するチャネル状態セット受信処理と、
前記セカンダリユーザ端末が、前記周波数チャネル状態セット情報を使用してチャネル割り当てのためのBSを要求し、前記BSが、前記プライマリユーザにライセンス付与された周波数チャネルの中から使用されていない周波数チャネルを前記セカンダリユーザ端末に割り当てるチャネル割り当て処理と、
前記セカンダリユーザ端末が、チャネル状態セットの種類によって検知周期を変えることにより、前記プライマリユーザにライセンス付与された前記多重周波数チャネルのチャネル状態を検知し、前記検知結果によって前記周波数チャネル状態セット情報を更新し、前記更新された周波数チャネル状態セット情報を前記BSに報告するチャネル状態情報報告処理と
を備え、
前記チャネル状態セットは、
前記セカンダリユーザに割り当てられたチャンネルであるアクティブセット、前記プライマリユーザにより使用されておらず、任意のセカンダリユーザにも割り当てられていないチャンネルである候補セット、プライマリユーザが使用しているチャンネルである占有セットを含んでなり、
前記アクティブセット、候補セット及び占有セットの検知周期それぞれは互いに異なる値を有することを特徴とするチャネル割り当て方法。
【請求項7】
前記チャネル状態セット受信処理において前記周波数チャネル状態セット情報を受信した後、前記セカンダリユーザ端末が、前記BSとのダウンストリーム/アップストリーム周波数チャネルの状態をスキャンすることにより、前記受信した周波数チャネル状態セット情報を更新し、前記更新された周波数チャネル状態セット情報を前記BSに送信する更新情報送信処理をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記更新情報送信処理において、アクティブセット及び選択された候補セットの既定数のチャネル番号ならびに電波測定レベルが、前記更新された周波数チャネル状態セット情報と共に送信されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記検知周期は、前記アクティブセット、前記候補セット及び前記占有セットの順に増加することを特徴とする請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−229158(P2011−229158A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117295(P2011−117295)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【分割の表示】特願2008−535460(P2008−535460)の分割
【原出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】