説明

多針式キルティングマシンにおける針駆動装置

【解決手段】キルティングステーション7上でキルティング生地4の送り方向Xに対し直交する軸線方向へ針24a,26a,27aを並設した針支持体23,25を送り方向Xで複数組並べて配置し、各針支持体23,25の上下動に伴う各針24a,26a,27aの縫製運動により、キルティングステーション7上でキルティング生地4を送りながらキルティング生地4にキルティング加工を施す。各組の針支持体23,25は、各組ごとの駆動系M23,M25により、同時に上下方向Zへ運動し得るばかりでなく、単独で上下方向Zへ相対運動し得る。各組ごとの駆動系M23,M25においては、各組の針支持体23,25が駆動モータにより電磁クラッチを介して上下方向Zへ運動し得る。
【効果】各針支持体23,25の各針24a,26a,27aにおいて縫製運動の自由度を向上させることにより縫製可能なキルティングパターン範囲を広げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キルティングステーション上でキルティング生地送り方向に対し直交する軸線方向へ針を並設した針支持体をこの送り方向で複数組並べて配置した多針式キルティングマシンにおいて、針駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1などに示すように、従来の多針式キルティングマシンにおいては、前記各針支持体の上下動に伴う各針の縫製運動により、キルティングステーション上でキルティング生地を送りながらそのキルティング生地に対しキルティング加工を施す。
【特許文献1】特表2002−543899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の多針式キルティングマシンにおいては、前記各組の針支持体が同時に上下動してキルティング生地に対しキルティング加工を施すため、例えば図8(b)に示すキルティングパターンでは、前側の針支持体の各針により模様線Aが縫製されるとともに、後側の針支持体の各針により模様線Bが縫製され、この両模様線A,Bにより所定の模様形状が形成される。しかし、キルティング加工開始時やキルティング加工終了時には必然的にこの模様形状が不完全となって一部の模様線が欠けた部分Sが生じる。従って、キルティングパターンの見映えが悪くなる。また、同時に上下動してキルティング生地に対しキルティング加工を施す前側の針支持体及び後側の針支持体の縫製運動だけでは、縫製運動の自由度が限られるため、縫製可能なキルティングパターンが制限される。
【0004】
この発明は、これらの問題点を解決することにより、縫製運動の自由度を向上させて縫製可能なキルティングパターン範囲を広げることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
後記実施形態の図面(図1〜8)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかる多針式キルティングマシンの針駆動装置は、下記のように構成されている。
【0006】
この多針式キルティングマシンにおいては、キルティングステーション7上でキルティング生地送り方向Xに対し直交する軸線方向へ針24a,26a,27aを並設した針支持体23,25をこの送り方向Xで複数組並べて配置し、この各針支持体23,25の上下動に伴う各針24a,26a,27aの縫製運動により、キルティングステーション7上でキルティング生地4を送りながらそのキルティング生地4に対しキルティング加工を施す。前記各組の針支持体23,25は、各組ごとの駆動系M23,M25により、同時に上下方向Zへ運動し得るばかりでなく、単独で上下方向Zへ相対運動し得る。
【0007】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記各組の針支持体23,25はそれぞれ軸線方向へ延びる一列または二列以上の多針棒24,26,27を有し、その各組の針支持体23,25の多針棒24,26,27は各組ごとに同時に上下動し得る。
【0008】
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項3の発明にかかる各組ごとの駆動系M23,M25のうち少なくとも一部の駆動系M23,M25においては、前記各組の針支持体23,25が駆動源40によりクラッチ42,43を介して上下方向Zへ運動し得る。
【0009】
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項4の発明にかかる各組ごとの駆動系M23,M25においては、各組ごとに単独で上下動可能に支持した往復可動体11,12に対し前記各組の針支持体23,25を取り付け、駆動源40によりクラッチ42,43を介して回転する回転軸13,14に対しこの各組の往復可動体11,12が連動してその回転に伴い各組ごとに単独で上下動し得る。
【0010】
請求項1から請求項4のうちいずれかの請求項の発明を前提とする請求項5の発明において、前記キルティングステーション7上にはキルティング生地4を載置台7aに載せて送る際に載置台7aとの間で挟持する押圧体28を備え、その押圧体28は前記各針支持体23,25の上下動と同期して上下動し得る。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、各針支持体23,25の各針24a,26a,27aにおいて縫製運動の自由度を向上させることにより縫製可能なキルティングパターン範囲を広げることができる。また、クラッチ42,43により駆動系M23,M25に対する駆動制御を簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態にかかる多針式キルティングマシンの針駆動装置について図面を参照して説明する。
図1に示すように、機台1上にガイド2を介して設置された可動台3において、キルティング生地4を送る供給ローラ5a等を有する供給ステーション5と、キルティング生地4を送る排出ローラ6a等を有する排出ステーション6との間には、キルティング生地4を載せる載置台7a等を有するキルティングステーション7が配設されている。キルティング生地4は、供給ステーション5から入り、キルティングステーション7でキルティング加工された後、排出ステーション6から出る。このキルティング加工の際、可動台3はキルティング生地4の送り方向X(前後方向)に対し直交する左右方向へ往復動し得る。
【0013】
図1及び図3〜6に示すように、このキルティングステーション7の上方で、機台1上に取着された支持台8においては、複数のブラケット9及び複数のブラケット10が左右方向へ並設されている。この各ブラケット9にはそれぞれ往復可動体としての前後両支持棒11,12が上下方向Zへ移動可能に支持され、前側の各支持棒11の上端部付近で前側の回転軸13が左右方向(回転軸13の軸線方向)へ延設されて支持台8に支持されているとともに、後側の各支持棒12の上端部付近で後側の回転軸14が左右方向(回転軸14の軸線方向)へ延設されて支持台8に支持されている。前側の回転軸13に対しレバー15がその回転軸13の回転に伴い一体回転可能に取着され、そのレバー15に対しリンク16が支軸15aにより回動可能に支持されているとともに、そのリンク16が前側の支持棒11の下端部に対し支軸16aにより回動可能に支持されている。後側の回転軸14に対しレバー17がその回転軸14の回転に伴い一体回転可能に取着され、そのレバー17に対しリンク18が支軸17aにより回動可能に支持されているとともに、そのリンク18が後側の支持棒12の下端部に対し支軸18aにより回動可能に支持されている。
【0014】
また、前記各ブラケット10にはそれぞれ往復可動体としての押棒19が上下方向Zへ移動可能に支持され、この各押棒19の上端部付近で回転軸20が左右方向(回転軸20の軸線方向)へ延設されて支持台8に支持されている。この回転軸20に対しレバー21がその回転軸20の回転に伴い一体回転可能に取着されているとともに、この押棒19に対しレール22が上下動可能に支持され、このレバー21に支持されたローラ21aがこのレール22に対し移動可能に支持されている。このレール22は、押棒19に巻装された圧縮コイルばねであるクッションばね22aにより上方へ付勢され、そのクッションばね22aの弾性力に抗して下方へ移動し得る。
【0015】
前記前側の各支持棒11の下端部間には前側の針支持体23が前記キルティングステーション7の載置台7aに面して左右方向へ延びるように架設されている。この前側の針支持体23は、左右方向へ延びる一列の多針棒24を有している。この多針棒24には多数の針24aが左右方向へ並設されている。前記後側の各支持棒12の下端部間には後側の針支持体25が前記キルティングステーション7の載置台7aに面して左右方向へ延びるように架設されている。この後側の針支持体25は、左右方向へ延びる前後二列の多針棒26,27を有している。この前後両多針棒26,27には多数の針26a,27aが左右方向へ並設されている。また、前記各押棒19の下端部間には板状の押圧体28が前記キルティングステーション7の載置台7aに面して左右方向へ延びるように架設されている。
【0016】
前記前後両回転軸13,14の上方で下側の回転軸29と上側の回転軸30とが左右方向(回転軸29,30の軸線方向)へ延設されて支持台8に支持されている。下側の回転軸29には前記前側の針支持体23に用いる天秤31が取着されている。上側の回転軸30には前記後側の針支持体25に用いる天秤32が取着されている。
【0017】
前記各回転軸13,14,20,29,30において左右方向の一端部側は、図2及び図7に示すように、機台1上で支持台8により支持されている。この各回転軸13,14,20,29,30の下方で機台1上には、駆動軸33が各軸受部34により支持されて左右方向(駆動軸33の軸線方向)へ延び、前側の従動軸35が各軸受部36により支持されて駆動軸33と平行に延びているとともに、後側の従動軸37が各軸受部38により支持されて駆動軸33と平行に延びている。この駆動軸33には駆動プーリ39が支持され、駆動源としての駆動モータ40の回転がベルト41によりこの駆動プーリ39と駆動軸33とに伝わる。この前側の従動軸35には前側の電磁クラッチ42が取り付けられ、この電磁クラッチ42により入力軸35aと出力軸35bとを断続することができる。後側の従動軸37には後側の電磁クラッチ43が取り付けられ、この電磁クラッチ43により入力軸37aと出力軸37bとを断続することができる。この駆動軸33に支持された従動プーリ44と前側の従動軸35の入力軸35aに支持された従動プーリ45と後側の従動軸37の入力軸37aに支持された従動プーリ46との間には、図示しないテンションローラを介してベルト47が掛け渡されている。この駆動軸33の回転は、従動プーリ44とベルト47と従動プーリ45とにより前側の従動軸35の入力軸35aに伝わり、従動プーリ44とベルト47と従動プーリ46とにより後側の従動軸37の入力軸37aに伝わる。前側の従動軸35の出力軸35bには電磁ブレーキ48が取り付けられ、後側の従動軸37の出力軸37bには電磁ブレーキ49が取り付けられている。
【0018】
前記前側の従動軸35の出力軸35bにはリンク50がエキセン機構51を介して連結されているとともに、前記前側の回転軸13に対しレバー52がその回転軸13と一体回転可能に取着され、このレバー52に対しそのリンク50の上端部が支軸50aにより回動可能に支持されている。一方、前記後側の従動軸37の出力軸37bにはリンク53がエキセン機構54を介して連結されているとともに、前記後側の回転軸14に対しレバー55がその回転軸14と一体回転可能に取着され、このレバー55に対しそのリンク53の上端部が支軸53aにより回動可能に支持されている。また、駆動軸33にはリンク56がエキセン機構57を介して連結されているとともに、前記回転軸20に対しレバー58がその回転軸20と一体回転可能に取着され、このレバー58に対しそのリンク56の上端部が支軸56aにより回動可能に支持されている。
【0019】
前記前側の従動軸35の出力軸35bにはリンク59がエキセン機構60を介して連結されているとともに、前記回転軸29に対しレバー61がその回転軸29と一体回転可能に取着され、このレバー61に対しそのリンク59の上端部が支軸59aにより回動可能に支持されている。一方、前記後側の従動軸37の出力軸37bにはリンク62がエキセン機構63を介して連結されているとともに、前記回転軸30に対しレバー64がその回転軸30と一体回転可能に取着され、このレバー64に対しそのリンク62の上端部が支軸62aにより回動可能に支持されている。
【0020】
ちなみに、前記駆動モータ40とベルト41と駆動プーリ39と駆動軸33と従動プーリ44とベルト47と従動プーリ45と従動軸35と電磁クラッチ42とリンク50とレバー52と回転軸13とレバー15とリンク16と支持棒11とにより、前側の針支持体23に対する駆動系M23が構成されている。また、前記駆動モータ40ベルト41と駆動プーリ39と駆動軸33と従動プーリ44とベルト47と従動プーリ46と従動軸37と電磁クラッチ43とリンク53とレバー55と回転軸14とレバー17とリンク18と支持棒12とにより、後側の針支持体25に対する駆動系M25が構成されている。さらに、前記駆動モータ40とベルト41と駆動プーリ39と駆動軸33とリンク56とレバー58と回転軸20とレバー21とレール22と押棒19とにより、押圧体28に対する駆動系M28が構成されている。
【0021】
前記駆動モータ40により前側の従動軸35の入力軸35aが回転すると、その回転は電磁クラッチ42により前側の従動軸35の出力軸35bに伝わり、エキセン機構51とリンク50とレバー52とを介して前記前側の回転軸13が回転するとともに、エキセン機構60とリンク59とレバー61とを介して前記回転軸29が回転する。その電磁クラッチ42が遮断されると、入力軸35aから出力軸35bへの回転伝動が遮断されるとともに前側の電磁ブレーキ48が作動して出力軸35bが停止する。一方、前記駆動モータ40により後側の従動軸37の入力軸37aが回転すると、その回転は電磁クラッチ43により後側の従動軸37の出力軸37bに伝わり、エキセン機構54とリンク53とレバー55とを介して前記後側の回転軸14が回転するとともに、エキセン機構63とリンク62とレバー64とを介して前記回転軸30が回転する。その電磁クラッチ43が遮断されると、入力軸37aから出力軸37bへの回転伝動が遮断されるとともに後側の電磁ブレーキ49が作動して出力軸37bが停止する。また、前記駆動モータ40により駆動軸33が回転すると、エキセン機構57とリンク56とレバー58とを介して前記回転軸20が回転する。
【0022】
前記回転軸20が回転すると、レバー21とレール22とを介して各押棒19が押圧体28とともに上下動し、その押圧体28は、上動位置Uで載置台7aの上方へ離れて待機し、下動位置Dでキルティング生地4を載置台7a上との間で挟持する。前記前側の回転軸13が回転すると、レバー15とリンク16とを介して前側の各支持棒11が前側の針支持体23の多針棒24とともに上下動し、その多針棒24の各針24aは、上動位置Uで載置台7aの上方へ離れて待機し、下動位置Dで前記押圧体28及びキルティング生地4を貫通して載置台7a内に挿入される。前記後側の回転軸14が回転すると、レバー17とリンク18とを介して後側の各支持棒12が後側の針支持体25の前後両多針棒26,27とともに同時に上下動し、その前後両多針棒26,27の各針26a,27aは、上動位置Uで載置台7aの上方へ離れて待機し、下動位置Dで前記押圧体28及びキルティング生地4を貫通して載置台7a内に挿入される。前記回転軸29が回転すると、前記前側の針支持体23に用いる天秤31が上下方向Zへ揺動する。前記回転軸30が回転すると、前記後側の針支持体25に用いる天秤32が上下方向Zへ揺動する。
【0023】
前述したキルティング加工の際に前側の電磁クラッチ42と後側の電磁クラッチ43とを共につなぐと、図4に示すように、前側の針支持体23と後側の針支持体25と押圧体28とが共に下動位置Dになり、前側の針支持体23と後側の針支持体25とが共に縫製運動を行う。前述したキルティング加工の際に前側の電磁クラッチ42のみをつなぐとともに後側の電磁クラッチ43を遮断すると、図5に示すように、後側の針支持体25が上動位置Uで待機したまま前側の針支持体23と押圧体28とが共に下動位置Dになり、前側の針支持体23のみが縫製運動を行う。前述したキルティング加工の際に後側の電磁クラッチ43のみをつなぐとともに前側の電磁クラッチ42を遮断すると、図6に示すように、前側の針支持体23が上動位置Uで待機したまま後側の針支持体25と押圧体28とが共に下動位置Dになり、後側の針支持体25のみが縫製運動を行う。いずれの場合も、各針支持体23,25の上下動に伴う各針24a,26a,27aの縫製運動により、左右方向へ往復動するキルティングステーション7上でキルティング生地4を押圧体28により押さえるとともに送り方向Xへ送りながらそのキルティング生地4に対しキルティング加工を施すことができる。このキルティング加工の詳細については、例えば特開平9−70490号公報などを参照されたい。
【0024】
本実施形態は下記の効果を有する。
* 前側の針支持体23と後側の針支持体25とが、それぞれの駆動系M23,M25により、同時に上下方向Zへ運動し得るばかりでなく、単独で上下方向Zへ相対運動し得る。そのため、例えば、前側の針支持体23の多針棒24と後側の針支持体25における一列の多針棒26とを利用してキルティング加工を施すことにより、図8(a)に示すキルティングパターンを形成することができる。そのキルティングパターンにおいて、前側の針支持体23の各針24aにより縫製された模様線Aと後側の針支持体25の各針26aにより縫製された模様線Bとにより所定の模様形状が形成された場合、キルティング加工開始時やキルティング加工終了時に前側の針支持体23または後側の針支持体25を単独で作動させることにより、図8(b)に示すように従来生じ得た一部の模様線が欠けた部分Sを模様線ASまたは模様線BSによりなくすことができる。従って、キルティングパターンの見映えが良くすることができる。
【0025】
* 前後両針支持体23,25による同時縫製運動や、キルティングステーション7を有する可動台3の往復運動や、キルティング生地4の送り運動ばかりではなく、前側の針支持体23による単独縫製運動や、後側の針支持体25による単独縫製運動をも相互に組み合わせれば、縫製運動の自由度を高めていろいろなキルティングパターンを形成することができる。
【0026】
* 図8(a)に示すキルティングパターンにおいて、前側の針支持体23の各針24aにより縫製される模様線Aの色と後側の針支持体25の各針26aにより縫製される模様線Bの色とを互いに変えれば、縫製可能なキルティングパターン範囲をより一層広げることができる。
【0027】
* 電磁クラッチ42,43を利用して駆動モータ40を共通化したので、駆動系M23,M25を簡略化することができる。
前記実施形態以外にも下記のように構成してもよい。
【0028】
・ 前記実施形態において、前側の電磁クラッチ42及び電磁ブレーキ48と後側の電磁クラッチ43及び電磁ブレーキ49とのうち一方のものを省略する。
・ 前記実施形態において、前側の電磁クラッチ42と後側の電磁クラッチ43とを共に省略するとともに、前側の従動軸35と後側の従動軸37とにそれぞれ別々の駆動モータ40を接続し、それらの駆動モータ40及び電磁ブレーキ48,49を駆動制御する。
【0029】
・ 前記実施形態において、各針支持体23,25を三組以上並べて配置する。その際にも各組の針支持体23,25を単独で上下方向Zへ相対運動可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施形態にかかる多針式キルティングマシンにおいてキルティングステーションや針駆動装置の針支持体及び押圧体などを側面側から見て概略的に示す部分断面図である。
【図2】本実施形態にかかる多針式キルティングマシンにおいて針駆動装置の駆動源などを側面側から見て概略的に示す部分断面図である。
【図3】前後両針支持体が共に上動した状態を示す図1の部分拡大図である。
【図4】前後両針支持体が共に下動した状態を示す図2相当図である。
【図5】前側の針支持体が下動するとともに後側の針支持体が上動した状態を示す図2相当図である。
【図6】後側の針支持体が下動するとともに前側の針支持体が上動した状態を示す図2相当図である。
【図7】図2における針駆動装置の駆動源やクラッチなどを平面側から見て概略的に示す部分断面図である。
【図8】(a)は本実施形態にかかる多針式キルティングマシンにより施すことができるキルティングパターンの一例を示す部分平面図であり、(b)は従来の多針式キルティングマシンにより施すことができるキルティングパターンの一例を示す部分平面図である。
【符号の説明】
【0031】
4…キルティング生地、7…キルティングステーション、7a…載置台、11,12…往復可動体としての支持棒、13…前側の回転軸、14…後側の回転軸、23…前側の針支持体、24…多針棒、24a…針、25…後側の針支持体、26,27…多針棒、26a,27a…針、28…押圧体、40…駆動源としての駆動モータ、42…前側の電磁クラッチ、43…後側の電磁クラッチ、M23…前側の針支持体に対する駆動系、M25…後側の針支持体に対する駆動系、X…キルティング生地送り方向、Z…上下方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キルティングステーション上でキルティング生地送り方向に対し直交する軸線方向へ針を並設した針支持体をこの送り方向で複数組並べて配置し、この各針支持体の上下動に伴う各針の縫製運動により、キルティングステーション上でキルティング生地を送りながらそのキルティング生地に対しキルティング加工を施す多針式キルティングマシンにおいて、前記各組の針支持体は、各組ごとの駆動系により、同時に上下方向へ運動し得るばかりでなく、単独で上下方向へ相対運動し得ることを特徴とする多針式キルティングマシンにおける針駆動装置。
【請求項2】
前記各組の針支持体はそれぞれ軸線方向へ延びる一列または二列以上の多針棒を有し、その各組の針支持体の多針棒は各組ごとに同時に上下動し得ることを特徴とする請求項1に記載の多針式キルティングマシンにおける針駆動装置。
【請求項3】
前記各組ごとの駆動系のうち少なくとも一部の駆動系においては、前記各組の針支持体が駆動源によりクラッチを介して上下方向へ運動し得ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多針式キルティングマシンにおける針駆動装置。
【請求項4】
前記各組ごとの駆動系においては、各組ごとに単独で上下動可能に支持した往復可動体に対し前記各組の針支持体を取り付け、駆動源によりクラッチを介して回転する回転軸に対しこの各組の往復可動体が連動してその回転に伴い各組ごとに単独で上下動し得ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多針式キルティングマシンにおける針駆動装置。
【請求項5】
前記キルティングステーション上にはキルティング生地を載置台に載せて送る際に載置台との間で挟持する押圧体を備え、その押圧体は前記各針支持体の上下動と同期して上下動し得ることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれかの請求項に記載の多針式キルティングマシンにおける針駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−104786(P2008−104786A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−292492(P2006−292492)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000140096)株式会社ハシマ (10)
【Fターム(参考)】