説明

大型成形品生産型

【課題】多種類の周辺型を用意しておけば、共通型に対して周辺型だけを交換着脱することによりFRPのハンドレイアップ成形による多種類の大型成形品の成形に対応でき、型にかかるコストを低減できると共に型の保管に場所を取らない大型成形品生産型を提供する。
【解決手段】主要部4aと主要部4aの周辺に設けた周辺部4bとを一体に有し、主要部4aが共通形状で周辺部4bが異形状である多品種の大型成形品1をFRPのハンドレイアップで成形する生産型1である。そして大型成形品4の主要部4aに相当する部分を成形する共通型1aと周辺部4bに相当する部分を成形する多品種の周辺型1bを有し、共通型1aに周辺型1bを交換着脱自在に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の床パン、洗面台、洗濯機台等の大型成形品をFRPのハンドレイアップにて成形する生産型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室の床パンをFRPのハンドレイアップで成形する生産型1′は図14に示すようにFRP製の型本体2′と型本体2′を支持して所定の形状に保持するために型本体2′内に装着された支持部3′とで形成されている。FRP製の型本体2′は木型にエポキシ樹脂のような樹脂を注型して木型の形状を反転した形状のマスター型を形成し、木型を取り外したマスター型にFRPをハンドレイアップして形成している。この生産型1′を用いて床パンを成形する場合、型本体2′の表面に離型材を塗布してからFRPをハンドレイアップすることにより行われる。
【0003】
ところで、このような床パンは施工する場所によって様々なサイズのものを必要とし、多品種少量生産されることが多い。ところが、多品種の生産に対応するためには品種に応じただけ生産型1′を用意する必要があって、コストかかるという問題があり、また生産型1′の保管にも場所を取るという問題がある。
【0004】
またシートモールドコンパウンドのような材料を圧締して成形品を形成する成形金型や樹脂を射出成形して成形品を形成する成形金型の分野では入れ子を交換したりすることにより同一の金型で異品種の成形品を形成することが行われている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)が、FRPをハンドレイアップで成形する場合は、1種類の生産型1′で1種類の成形品を成形する方式で生産が行われているのが現状である。
【特許文献1】特開2002−240072号公報
【特許文献2】特開2004−188612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、多種類の周辺型を用意しておけば、共通型に対して周辺型だけを交換着脱することによりFRPのハンドレイアップ成形による多種類の大型成形品の成形に対応でき、型にかかるコストを低減できると共に型の保管に場所を取らない大型成形品生産型を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の大型成形品生産型は、主要部4aと主要部4aの周辺に設けた周辺部4bとを一体に有し、主要部4aが共通形状で周辺部4bが異形状である多品種の大型成形品4をFRPのハンドレイアップで成形する生産型1であって、大型成形品4の主要部4aに相当する部分を成形する共通型1aと周辺部4bに相当する部分を成形する多品種の周辺型1bを有し、共通型1aに周辺型1bを交換着脱自在に取り付けたことを特徴する。
【0007】
上記構成によれば、周辺型1bとして多種類のものを用意しておけば、共通型1aを共用して共通型1aに周辺型1bを着脱交換すれば多種類の生産型1を組み立てることができ、FRPのハンドレイアップにて大型成形品4を成形するものでも周辺型1bを交換するだけで多品種のものを生産できる。これにより生産型1にかかるコストを低減できると共に生産型1の保管に場所を取らない。
【0008】
また周辺型1bは内部が中空の樹脂製の型本体5と型本体5を支持するために中空部に組み込まれた支持部6とで構成されたことを特徴とすることも好ましい。樹脂製の型本体5を中空にすることにより、中実のものに比べて遥かに軽量化することができて交換着脱する周縁型1bの取り扱いが容易になる。また型本体5を中空に形成しても中空部に支持部6を組み込むために型本体5が変形したりしないように支持できて成形に支障を生じない。
【0009】
また支持部6は枠材7を枠組みした枠体8から構成され、枠体8と型本体5との間の隙間に充填材9が装填されたことを特徴とすることも好ましい。枠材7を枠組みした枠体8にて型本体5が支持されて型本体5の支持が強固になる。枠体8で複雑な形状の型本体5を支持するものでも枠体8と型本体5との間の隙間が充填材9で埋められて型本体5が確実に支持される。
【0010】
また支持部6は枠材7を枠組みした枠体8から構成され、枠体8は金属のパイプの枠材7を主体として形成されたことを特徴とすることも好ましい。枠材7を枠組みした枠体8で型本体5が支持されて型本体5の支持が強固になる。このとき、枠体8が金属のパイプの枠材7を主体として構成されているため強度的に一層強固にしながら軽量化を図ることができる。
【0011】
また大型成形品1は表面に目地を有する床パンであり、共通型1aと周辺型1bとの境界を目地に相当する部分に設けたことを特徴とすることも好ましい。この場合、共通型1aと周辺型1bとの境の跡形が大型成形品4にできても目地で目立たないようにできる。
【0012】
また共通型1aと周辺型1bとを繋ぐときに突き合せる面同士を凹凸嵌合にて位置決めしたことを特徴とすることも好ましい。この場合、共通型1aに対して周辺型1bを簡単且つ精度よく位置決めして繋ぐことができる。これにより共通型1aと周辺型1bとを組み合わせても精度よく成形できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は叙述の如く構成されているので、周辺型として多種類のものを用意しておけば、共通型を共用して共通型に周辺型を交換着脱すれば多種類の生産型を組み立てることができるものであって、FRPのハンドレイアップにて大型成形品を成形するものでも周辺型を交換するだけで多品種のものを生産でき、これにより生産型にかかるコストを低減できると共に生産型の保管に場所を取らないという効果を奏し得るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。本発明の生産型1はFRPをハンドレイアップすることにより大型成形品4を製造するものである。大型成形品4は本例の場合、浴室の床パンの例により説明する。この大型成形品4は成形品の主要部4aに対して周辺部4bを図2(a)の矢印a方向(短手方向)に拡大したり、図2(b)の矢印b方向(長手方向)に拡大したりした種々のサイズのものが生産されるようになっている。矢印a方向や矢印b方向には例えば50mm毎延長するサイズのものが生産されるようになっている。上記のように主要部4aに対して寸法を変える周辺部4bは主要部4aの3辺に対してであり、3辺同時に変えることもある。大型成形品4の主要部4aは共通のものであり、上記のように延長しない1辺側に排水溝10や排水穴11を有している。図2で矢印cは排水溝10に向かって低くなる水勾配があることを示すものであり、図2で矢印dは排水溝10に排水穴11に向かって低くなる水勾配があることを示すものである。
【0015】
本発明はこのような種々のサイズの大型成形品4の生産に対応するものであって、生産型1は図1に示すように大型成形品4の主要部4aを成形する共通型1aと周辺部4bを成形する周辺型1bとから構成されている。共通型1aと周辺型1bとは分割部12で分割してあり、周辺型1bとして種々のサイズのものを用意してあり、適宜の周辺型1bを交換着脱することで種々のサイズの大型成形品4を生産できる生産型1を組み立てることができるようになっている。この生産型1は離型材を塗布してからFRPを通常の方法でハンドレイアップすることで大型成形品4を成形するのに用いられる。このように本発明ではFRPのハンドレイアップにて大型成形品4を成形するものでも周辺型1bを交換するだけで多種類のものを生産でき、これにより生産型1にかかるコストを低減できると共に生産型1の保管に場所を取らないようにできる。
【0016】
生産型1の共通型1aは図3に示すように形成されている。共通型1aの型本体13はFRPにて形成されており、共通部成形部13aと周辺型突き合わせ部13bと周辺型支持部13cとを有している。型本体13を成形するFRPは樹脂が例えばポリエステル樹脂で、補強繊維が例えばガラス繊維である。この型本体13を製造する場合、型本体13と同じ形状の木型を製作した後、木型にエポキシ樹脂等の樹脂を流し込んで反転した形状のマスター型を形成し、木型からマスター型を離型してからマスター型にFRPをハンドレイアップし、マスター型より離型することで形成される。
【0017】
この型本体13をFRPのハンドレイアップで成形する場合、例えば、マスター型に離型材を塗布した後に、一層目としてゲルコート樹脂が塗布され、2層目としてサフェースマットが積層され、3層目から7層目までガスマット+樹脂が積層される。このとき、ゲルコート塗布後に常温硬化させるために1日養生する。2層目から4層目まで1回で行い、1日養生する。5層目から7層目まで1回で行い、その後、30℃で炉に入れて硬化させる。急激な温度をかけると樹脂収縮して歪が起こり、型寸法が出ないが、上記のように型本体13を形成すると、寸法精度のよい型本体13を成形できる。
【0018】
上記ように型本体13をFRPのハンドレイアップにて成形するとき、型本体13の裏面側に合板14a、鋼板14b等の補強材14が裏打ちされて補強される。また型本体13を支持する架台15は金属の角パイプ15a等の金属材を立体的に枠組みして形成されており、補強材14で補強した型本体13が架台15の上に載設されている。型本体13の周辺型突き合わせ部13bの裏側は鋼板14bで補強されている。架台15は人手の入る高さにしてあり、型本体13の周辺型支持部13cには手を入れるための開口18が設けられている。
【0019】
また図4は共通型1aに周辺型1bを取り付けた状態を示す。この周辺型1bは内部が中空の型本体5と型本体5を支持するために型本体5内に組み込まれた支持部6とで構成されている。この型本体5は内部が中空になるようにFRPにて形成されており、型本体には周縁部成形部5aと共通型突き合わせ部5bを有している。この周辺型1bの型本体5も共通型1aの型本体13と同様に成形される。つまり、図5(a)に示すような木型16が製作され、この木型16にエポキシ樹脂のような樹脂を流し込んで木型16を反転した形状のマスター型17を形成し、図5(b)のように木型16を取り出した後にマスター型17に図5(c)のようにFRPをハンドレイアップして型本体5を形成する。この型本体5を成形するFRPは型本体13と同様に樹脂が例えばポリエステル樹脂で、補強繊維が例えばガラス繊維であり、成形の仕方も型本体13と同様である。
【0020】
周辺型1bの型本体5を支持するために支持部6は枠材7を枠組みした枠体8にて形成されており、型本体5内に枠体8を内装して型本体5を支持してある。枠材7は鋼製のような金属の中空の丸パイプからなる枠材7aと、鋼製のような金属の帯板からなる枠材7bとで主体が構成されており、上下に平行に架設した複数本の枠材7aを枠材7bにて結合してある。かかる枠材7aと枠材7bとの結合は溶接で行ってもよいが、溶接箇所はできるだけ少なくし、ガラス繊維の巻き付けと樹脂の充填で結合する方が歪等を少なくして精度よい枠体8を形成するができる。型本体5の共通型突き合わせ部5bの近傍に位置する上下の枠材7a間には鋼板のような固定基板19を装着してある。型本体5内に枠体8を内装した状態で枠体8の要所と型本体5の内面との間に樹脂のような充填材9を充填してある。周辺型1bはこのように形成されるが、この周辺型1bとしては種々のサイズのものを用意してある。
【0021】
上記のように周辺型1bが形成されるが、樹脂製の型本体5を内部が中空になるようにしてあるために中実のものに比べて遥かに軽量化するができて交換着脱する周辺型1bの取り扱いが容易になる。また型本体5を中空にしても中空部に支持部6を組み込むために型本体5が変形したりしないように支持できる。また支持部6が枠材7を枠組みした枠体8にて形成されているために型本体5の支持が強固になる。また枠体8が金属のパイプの枠材7を主体として構成されているために強度的に一層強固にしながら軽量化を図ることができる。また枠体8の要所と型本体5の内面との間に樹脂のような充填材9を充填しているため枠体8で複雑な形状の型本体5を支持するものでも枠体8と型本体5との間が充填材9で埋められて型本体5が確実に支持される。
【0022】
共通型1aの周辺型支持部13cの上に周辺型1bが載せられ、共通型1aの周辺型突き合わせ部13bと周辺型1bの共通型突き合わせ部5bとが突き合わせられ、共通型1aの型本体13内から周辺型1bの型本体5内にボルトのような固着具20を複数本打入することで共通型1aと周辺型1bとが連結される。この固着具20を打入する操作は架台15の下から手を入れて行われるようになっている。また周辺型1bは上記固着具20による連結に加えてクランプ具によるクランプにて架台15に固定される。つまりサイドクランプ具21に周辺型1bを共通型1aの方に押し付けると共に上押さえクランプ具にて周辺型1bの両側が上から下に押さえつけられる。図6で矢印gがサイドクランプ具21にて押さえる位置を示し、矢印hが上押さえクランプ具にて上から下の架台15の方に押さえるクランプ位置を示す。このように固着具20にて共通型1aに周辺型1bを連結するのに加えてクランプ具にて押さえることにより、別体の周辺型1bを所定位置に位置決めして正確に取り付けることができる。
【0023】
また共通型1aの型本体13の共通部成形部13aの周辺型1b側の端部と、周辺型1bの型本体5の周辺部成形部5aの共通型1a側の端部との間に型の継ぎ目ができるが、この継ぎ目部分に目地形成用凸部22を設けてあり、この目地形成用凸部22にて大型成形品4の主要部4aと周辺部4bとの間に溝状の目地が形成されるようになっている。つまり、大型成形品4には全面に亙って格子状等に溝状の目地が形成されるが、主要部4aと周辺部4bとの継ぎ目にも溝状の目地が形成されるようになっている。このようにすると、共通型1aと周辺型1bとの境の継ぎ目の跡形ができても目地で目立たないようにできる。
【0024】
また図7は共通型1aと周辺型1bとを連結するとき、上記固着具20による連結に加えて凹凸嵌合により位置決めする部分も設けた例を示すものである。共通型1aの型本体13の周辺型突き合わせ部13bの外面に角錐台状の位置決め凸部23を複数個並べて設けてあり、周辺型1bの型本体5の共通型突き合わせ部5bの外面に上記位置決め凸部23が嵌合し得る角錐台状の位置決め凹部24を複数個並べて設けてある。この場合、共通型1aに周辺型1bを連結するとき、位置決め凸部23と位置決め凹部24とが嵌合して共通型1aに対して周辺型1bが位置決めされ、複数本の固着具20を打入して連結するときに共通型1aに対して周辺型1bを簡単且つ精度よく位置決めして繋ぐことができる。これにより共通型1aと周辺型1bとを組み合わせても精度よく成形することができる。
【0025】
また図7(a)に示すものの場合、共通型1aの型本体13の共通部成形部13aと周辺型1bの型本体5の周辺部成形部5aにエンボス成形用凸部25を多数設けてあり、大型成形品4にエンボス模様が形成されるようになっている。この場合も、共通型1aと周辺型1bとの境の継ぎ目の跡形ができたときにエンボス模様で目立たないようにできる。
【0026】
次に図8乃至図10に示す例の生産型1について述べる。本例も上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。共通型1aの型本体13には合板のような木材にて形成せる木枠材26を一体に装着してある。型本体13の共通部成形部13aでは裏面側に木枠材26を裏打ちしてあり、型本体13の周辺型突き合わせ部13bでは内部に木枠材26を埋設してある。このように型本体13に木枠材26を装着してあると、型本体13を補強することができる。またこの型本体13内には金属の角パイプ27aと金属のアングル27bとからなる補強材27を図9に示すように枠組みして組み込まれて支持されている。特に型本体13の周辺型突き合わせ部13bの裏面側では上下に角パイプ27aが架設されると共に上下の角パイプ材27a間にアングル27bが立設されており、これにより周縁型突き合わせ部13bの裏面側が補強されている。
【0027】
周辺型1bは上記のようにFRPにて形成せる中空の型本体5内に枠材7aと枠材7bとからなる枠材7を枠組みした枠体8からなる支持部6を内装してあり、枠体8の要所と型本体5の内面との間に樹脂のような充填材9を充填してある。本例の場合、下に位置する丸パイプの枠材7aと上に位置する丸パイプの枠材7aとの間や下に位置する枠材7aと型本体5との間に木質材等で形成せるアジャスト材28を図10(a)(b)のように介装してある。このアジャスト材28は型本体5を矯正して所定の形状に保持するために介装されるものであり、アジャスト材28を削ったりして寸法調整して介装してある。また周辺型1bの型本体5の共通型突き合わせ部5bの外面には複数個の位置決め凹部24を設けてあり、周辺型1bを共通型1aの周辺型載置部13cに載置したとき位置決め凹部24が共通型1aの位置決め凸部23に嵌合して位置決めされている。この状態で周辺型1bがクランプされて固定される。
【0028】
次に図11に示す生産型1の例について述べる。本例の場合、周辺型1bの型本体5を支持する支持部6が金属の角パイプ30にて形成されており、この角パイプ30を上下に積み重ねて型本体5内に内装してあり、支持部6と型本体5との間に樹脂のような充填材9を充填してある。この周辺型1bも共通型1aの周辺型載置部13cに載置され、共通型1aの型本体13内から周辺型1bの型本体5内の角パイプ30まで貫通するように固着具20が打入されると共に架台15から周辺型載置部13cを介して型本体5内の角パイプ30まで貫通するように固着具20が打入される。
【0029】
上記のように共通型1aに周辺型1bを交換着脱自在に設けると、共通型1aと周辺型1bとの継ぎ目に生じる隙間Sをゼロにする必要がある。ところが型自体の材料、構造からゼロにすることは難しい。そこで0.2〜0.3mm程度の隙間ができることは許容しなければならない。しかしこの隙間Sがあると、FRPで大型成形品4を成形するときゲルコート層にピンホールが発生することがある。これの原因として空気があり、型にゲルコート層を塗布して例えば60℃で10分間加熱して硬化させる間に温められた空気が型の隙間Sを通してゲルコート層に入り、それが最後まで抜けずに成形後に気泡として残るためである。
【0030】
これを防止するために隙間Sを塞いで空気を遮断する必要がある。このため、隙間Sを塞ぐためにシリコンパッキン、ゴムパッキン等のパッキンを充填することや粘土で埋めることや粘着テープ31を貼ることが行われる。粘着テープ31を貼るときは図13に示すように共通型1aと周辺型1bとの間に粘着テープ31の厚さ程度の深さで粘着テープ31よりやや幅の広いに凹溝32を設けてから粘着テープ31を貼る仕方のが好ましい。この仕方は図12の目地形成用凸部22のある区間iでは採用し難いが、目地形成用凸部22のない区間jでは採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態の一例の生産型の一部切欠概略図である。
【図2】(a)(b)は床パンからなる大型成形品の短手方向や長手方向へのサイズの変更を説明する概略斜視図である。
【図3】同上の共通型を示す正面から見た縦断面図である。
【図4】同上の周辺型を取り付けた状態の正面から見た拡大縦断面図である。
【図5】(a)(b)(c)は同上の周辺型の型本体を製造する過程を説明する縦断面図である。
【図6】同上の周辺型をクランプするクランプ位置を説明する平面図である。
【図7】(a)同上の共通型に周辺型を位置決めして取り付ける状態を示す正面から見た分解断面図、(b)は(a)の位置決めを説明する一部省略斜視図である。
【図8】同上の他の例の生産型を示す正面から見た一部切欠断面図である。
【図9】同上の共通型の型本体の補強状態を示す斜視図である。
【図10】(a)は同上の周辺型の側面から見た縦断面図、(b)は(a)のアジャスト材の取り付け状態の正面から断面図、(c)は周辺型の側面図である。
【図11】同上の周辺型の他の例の正面から見た縦断面図である。
【図12】同上の共通型と周辺型との間の継ぎ目の隙間を説明するための斜視図である。
【図13】同上の粘着テープを貼る状態を示す断面図である。
【図14】従来例を示す正面から見た一部切欠縦断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 生産型
1a 共通型
1b 周辺型
4 大型成形品
4a 主要部
4b 周辺部
5 型本体
6 支持部
7 枠材
8 枠体
9 充填材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主要部と主要部の周辺に設けた周辺部とを一体に有し、主要部が共通形状で周辺部が異形状である多品種の大型成形品をFRPのハンドレイアップで成形する生産型であって、大型成形品の主要部に相当する部分を成形する共通型と周辺部に相当する部分を成形する多品種の周辺型を有し、共通型に周辺型を交換着脱自在に取り付けたことを特徴する大型成形品生産型。
【請求項2】
周辺型は内部が中空の樹脂製の型本体と型本体を支持するために中空部に組み込まれた支持部とで構成されたことを特徴とする請求項1記載の大型成形品生産型。
【請求項3】
支持部は枠材を枠組みした枠体から構成され、枠体と型本体との間の隙間に充填材が装填されたことを特徴とする請求項2記載の大型成形品生産型。
【請求項4】
支持部は枠材を枠組みした枠体から構成され、枠体は金属のパイプの枠材を主体として形成されたことを特徴とする請求項2または請求項3記載の大型成形品生産型。
【請求項5】
大型成形品は表面に目地を有する床パンであり、共通型と周辺型との境界を目地に相当する部分に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の大型成形品生産型。
【請求項6】
共通型と周辺型とを繋ぐときに突き合せる面同士を凹凸嵌合にて位置決めしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の大型成形品生産型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−123220(P2006−123220A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311493(P2004−311493)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】