説明

大腿骨内へのガイドワイヤーの配置を案内するためのガイドクランプ

【課題】 大腿骨を締付けるため、および大腿骨との関連でガイドワイヤーの配置を案内するガイドクランプ(10)を提供する。
【解決手段】 このガイドクランプは、一対の締付け面(12)を一対の締付けアーム(19)の端部で支持する本体(11)を含み、締付けアーム(19)はバネで付勢されて互いに接近し大腿骨を握持する閉位置をとるようになっている。この本体には案内開口部(14)が形成されていて、大腿骨を握持した状態でガイドピン(15)の挿入を案内するようになっている。ガイドクランプの締付けアーム(19)の1つは基端および先端部分を有し、これ等が相互に摺動調整可能となっていて、大腿骨との関連で案内開口部の制御された位置調整を可能にしている。このガイドクランプは更に、係合部材(20)を含むことができ、これはこのクランプの本体により支持されて前進し、大腿骨頭と当接可能となっている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は成形手術においてガイドワイヤーを配置するためのガイド部材の使用に係わり、特に大腿骨頭関節面再建手術の間においてガイドワイヤーの配置のためのガイドクランプの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
重症の股関節の問題に遭遇したとき、股関節の一部、つまり球部又はソケット(窩)あるいは双方を置換する必要が時折生じる。この場合、股関節置換技法が一般に使用され、これには大腿骨の頭部又は頸部を除去する操作、および大腿骨の主直線部の開口上端の中央“骨髄内”管に長い折曲テーパー状金属人工補装器を挿入する操作が含まれる。この人工大腿骨は一般に上端に比較的小さな金属ボールを有し、この金属ボールが関節の臀部側に装着された小さなプラスチックソケットと嵌合するようになっている。しかし、この“トータル”の股関節置換技法は徹底的なもので、大腿骨の頭部および頸部の完全な除去が含まれ、後の股関節の問題の取扱いを困難にしている。
【0003】
文献1には、初期の人工大腿骨が開示されており、これはほぼ半球状のコバルト/クロム/モリブデン合金外殻を有する。この人工大腿骨は、非生活不能の大腿骨頭を全て除去するが、その頭部および頸部をできるだけ多く保留させるという原理に基づいて設計されている。
【0004】
更に最近の発展において、文献2(本願と共通する出願人のもので、参照としてここに組み込まれるものとする)には、金属対金属表面股関節置換が開示されている。この文献1の図1−3に示すように、この金属対金属置換には金属製(例えば、コバルト/クロム合金)人工大腿骨22と、同じく金属材料からなる人工股臼40とが含まれる。特に、文献2の図1は、人工大腿骨の置換が、大腿骨頭30を整形して、ステム24および人工大腿骨の内部形状に嵌合させる必要性を示している。大腿骨頭の整形は、種々の切削および穿孔用具の使用を必要とする。このような整形手法の正確な完成は、切削および穿孔用具を案内するシュタインマン(Steinman)ピン又はガイドワイヤー74の正確な配置により補助される。この文献2は大腿骨頭関節面再建手術として一般に知られるようになったものを示している。
【0005】
文献2の図9に示すように、ガイドワイヤーのセンタリングおよび配置を容易にするためクランプ62が使用される。このクランプは一対のジョー(あご)64を有し、これらは支持部材68により枢支点66で支持されており、それによりジョーはこの支持部材との関連で枢動自在となっている。この枢動によりジョーが大腿骨28の頸部32と係合するようになっている。これらジョーはハンドル70の回動により進退自在になっている。すなわち、このハンドル70は本体を介してネジ付きアクチュエータ76を前進させ、これに取着されたカム面72を移動させる。次には、このカム面が前記頸部の周りのジョーの開閉を駆動させる。クランプを固定させたのち、ピン又はガイドワイヤーが、ハンドルおよびネジ付きアクチュエータ内に形成された同軸ガイド開口部内に挿入され、入口ポイント78が大腿骨頭30に当たるまで、これらを通って前進することになる。好ましくは、大腿骨との関連で、固定位置にてガイド開口部と係合、保持するこのクランプの機能はガイドワイヤー又はピンの正確な挿入を促進するものである。
【0006】
文献2に開示されているクランプの利点にも拘わらず、人工大腿骨の正確な配置を改善するため、ピンおよびガイドワイヤーの位置の調整可能性の更なる改善は、相変わらず望ましいものである。従って、後に大腿骨頭の関節面再建をガイドするのに使用されるガイドワイヤー又はピンを容易、かつ、正確に配置させる改善されたクランプおよび方法を得ることは望ましいものである。
【0007】
【特許文献1】米国特許No.4,123,806(Amstutzら)
【特許文献2】米国特許No.6,156,069(Amstutz)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、大腿骨を留め、ガイドワイヤーを大腿骨との関連でガイド、配置させるためのクランプを提供することにより、上述の必要性を取扱い、その他の利点を達成しようとするものである。
【0009】
すなわち、本発明の目的は、片手操作が可能なガイドクランプを提供することである。
本発明の目的は、例えば大腿骨頭内へのガイドピンの、より正確なセンタリングを可能とするガイドクランプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のこれらの目的および他の目的は、頭部および頸部を有する大腿骨を留めると共に、大腿骨との関連でのガイドワイヤーの配置を案内するためのガイドクランプにより達成される。このガイドクランプは、開位置と閉位置との間に移動自在な少なくとも2つの締付け面であって、これら2つの締付け面は開位置において大腿骨をその間に挿入するのに十分な間隔で離間するように互いにほぼ対向して設けられ、閉位置において前記大腿骨をその間にきつく保持するのに十分に互いに接近するようにしたものと;これら締付け面を相互に関連して移動自在に支持する本体であって、ガイドワイヤーを受理し、前記大腿骨に至るまで通過させる案内開口部を有するものと;前記締付け面を前記大腿骨周囲の閉位置に付勢させ、前記締付け面により前記本体を前記大腿骨との関連で固定させ、かつ、前記ガイドワイヤーを前記案内開口部を通って延出させたときにこのガイドワイヤーが前記大腿骨との関連で固定させるようにした付勢アッセンブリーと;を具備してなることを特徴とする。
【0011】
本発明のこれらの目的および他の目的は、大腿骨を留めると共に、大腿骨との関連でのガイドワイヤーの配置を案内するためのガイドクランプにより達成される。このガイドクランプは、開位置と閉位置との間に移動自在な少なくとも2つの締付け面であって、これら2つの締付け面は開位置において大腿骨をその間に挿入するのに十分な間隔で離間するように互いにほぼ対向して設けられ、閉位置において前記大腿骨をその間にきつく保持するのに十分に互いに接近するようにしたものと;これら締付け面を相互に関連して移動自在に支持する本体であって、ガイドワイヤーを受理し、前記大腿骨に至るまで通過させる案内開口部を有するものと;前記本体により支持され、かつ、前記本体から延出し、前記接触面が閉位置にあって前記締付け面が前記大腿骨を保持したとき、この延出した係合部材が前記大腿骨の頭部と当接するようにした係合部材と;を具備してなることを特徴とする。
【0012】
更に、本発明の目的は、前記ガイドを使用する方法を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以上、本発明を概略的に説明したが、次に、本発明を、図面を参照して説明する。しかし、これら図面での縮尺は必ずしも実際のものに即したものではない。
更に、本発明を図示の実施例を参照して詳述するが、それは本発明の一部のものであり、全ての実施例を網羅したものではない。事実、本発明は多くの異なる形態が可能であり、ここに記載した実施例に本発明が限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は適用される法律上の要件を満たすべく提示されたものである。
【0014】
本発明の1実施例のガイドクランプ10は、2又はそれ以上の締付け面12を移動自在に支持する本体11を含む。すなわち、これら締付け面12はその間に大腿骨13(より具体的には大腿骨頭17)の挿入を可能にする開(分離)位置から、図1−3に示すように、これら締付け面12が大腿骨(例えば、大腿骨頸部16)の周りにきつく固定された閉位置まで移動することができる。本体11には案内開口部14が形成されていて主ガイドシャフト59の通過を可能にしている。他方、主ガイドシャフト59にも案内開口部64が形成されていてシュタインマンピン(Steinmann pin)又はガイドワイヤー15の直接的通過を可能し、その内部を直接通過して大腿骨13の頭部17と交叉するようになっている。ここで使用する“案内開口部64”の用語は、ガイドワイヤー15を直接的(例えば、案内開口部64)又は間接的(例えば、案内開口部64が直接的に形成されたガイドシャフト59を収容する案内開口部14)に支持する任意の開口部を指すものである。
【0015】
大腿骨の周りにきつく固定させたとき、ガイドクランプ10は好ましくは案内開口部14、64を大腿骨頭17の中心軸と整合させ、締付け面で大腿骨を十分にきつく握持させるものであり、それによりガイドワイヤーを大腿骨13まで延出させるとき、ガイドワイヤーの着実な案内を可能にする。一般に、本発明の1又はそれ以上の変形例又はその組合せの態様として、ガイドクランプ10は更に、付勢アッセンブリー18(図14)及び/又は係合部材20の使用が含まれる。
【0016】
特に図1を参照すると、患者の大腿骨は股臼ソケット(図示しない)から離脱された状態が示されており、大腿骨頭17は大腿骨頸部により大腿骨13の残りの部分から分離されている。一般に、殆どのヒトの場合に見られるように、大腿骨頭17は半球状のものであり、そのベース部分が大腿骨頸部16により支持されている。この大腿骨頸部16はほぼ円筒状のもので、その径は大腿骨13の残りの部分との結合部に向かって細くなっている。本発明のガイドクランプ10は好ましくは、大腿骨頭17内にガイドワイヤー15を配置させるのに使用されるが、このガイドクランプ10は大腿骨の他の部分にガイドワイヤーを配置させるのにも使用することができ、更に、他の骨、例えば頚骨、上腕骨など、球関節の軸に沿ってガイドワイヤーを中心に配置させることが要求される箇所にも使用することができる。
【0017】
ここで使用される解剖学的用語並びに、特に“基端”および“先端”の用語は、ガイドクランプ10を解剖学的位置における大腿骨13に取着させる場合を想定して、大腿骨13を参照して使用されており、ガイドクランプの頂部(図1に示す方位において)が基端であり、ガイドクランプの底部は先端として延出し大腿骨頸部16へ接合される。しかし、これらの方向的参照は単に説明の明確性および便宜のためのものであり、ガイドクランプ10について他の方向付けを行うことも可能であり、その場合も本発明の範疇に包含されるものである。
【0018】
図示のガイドクランプ10の本体11は、図4−6に示すように、主要部22、一対のクレビス(Uリンク)23および一対のつまみ取付け部26を有する一体的部材から構築するようにしてもよい。これらクレビス23は主要部22の反対両側に離間して設けられている。これらクレビス23の夫々は、主要部22の両側から横方向に延出する一対のクレビス部材25を有する。
【0019】
この各一対のクレビス部材25は互いに離間し、その間にクレビススロット27を形成している。各クレビス部材25には円筒状開口部28が設けられている。この各クレビス部材25の円筒状開口部28は隣接する他方のクレビス部材25の円筒状開口部28と同軸的に整合している。この各一対の円筒状開口部の配置により、一対のアームシャフト42がそれぞれ受理され、一対の締付けアーム19をそれぞれ回動自在に支持する台部が形成されることになる。後述のように、これら締付けアーム19は締付け面12を支持するよう作用する。
【0020】
つまみ取付け部26は主要部22の残りの両側(つまり、クレビス部材25が設けられていない側)に配置され、図4に示すように主要部22から外方に延出している。各つまみ取付け部26は円筒状ネジ穴29を有し、つまみ取付け部の他方に形成された円筒状ネジ穴と整合している。これらのつまみ取付け部26は、主要部22の両側への一対の指用グリップ30の装着を可能にするものである。
【0021】
主要部22には、案内開口部14(図4に示す)、3つの目視ポート32、一対の拘束ピン台33(図5に示す)および一対の締付けアームガイド35(図6に示す)を含む複数の開口部が形成されている。目視ポート32の2つはつまみ取付け部26の両側に離間して設けられ、残りの1つは主要部22の先端部に配置されている。拘束ピン台33はクレビス23の近傍に配置され、拘束ピン34を受理するためのサイズおよび形状を有している。
【0022】
案内開口部14は、図4に示すように、円筒状をなし、本体11の基端から本体11の先端に至る前後方向に延びている。この案内開口部14の直径はそのほぼ全長に亘って同一となっているが、但し、本体11の先端の極めて近傍では、その主たる直径のほぼ半分に段部的に縮小されている。これは図14に示すように本体11の保持フランジ57(内方向に延びている)の存在のためである。締付けアームガイド35は、主要部22の両側に形成された長尺スロットであり、図6に示すように、各クレビススロット27の基部で各一対のクレビス部材25間に配置されている。締付けアームガイド35は、案内開口部14の先端と連通しており、締付けアーム19の基端が夫々その中を通過し得るようになっている。
【0023】
ここで使用されている“本体”とは、少なくとも1つの締付け面12を移動自在に支持し、1又はそれ以上の開口部(例えば、開口部14)を有し、これを介してガイドワイヤー15が延出し得るような任意の構造又は構造の組合せを含むものと広く解釈されるべきである。締付け面12を移動自在に支持するとは、締付け面の少なくとも1つの1又はそれ以上の自由度での移動が可能又は容易であり、従って、締付け面が相互に開位置および閉位置をとり得ることを意味する。例えば、締付け面12の開位置と閉位置との間での移動のため、締付けアーム19の並進および回動の組合せが可能となるように、本体はカム形状のトラック開口部を有するものでもよい。
【0024】
他の実施例として、本体は多重案内開口部14又は異なる形状の案内開口部を有するものでもよく、それらも本発明の範疇に包含される。多重案内開口部は多重ガイドワイヤーを直接的又は間接的に支持するのに使用することもでき、あるいは多重案内開口部がガイドワイヤーのための代替位置選択を提供するものでもよい。異なるサイズおよび形状の案内開口部は異なるサイズおよび形状のガイドワイヤーの導入を容易にする。“ガイドワイヤー”、“ガイドピン”又は“ピン”はここに互換的に使用されており、これは概して長尺の硬質部材を表し、これは図7に示すように例えば、大腿骨頭17(又は患者の体の他の部分)の関節面再建のための固定参照点として使用されるものである。一般に、この固定参照点は大腿骨頭の中心軸である。
【0025】
各締付けアーム19は図1−3に示すように、第1の基端部38および第2の先端部39を含む。この基端部38は図8および9に示すように、複数のピニオン歯40を有し、更に回動シャフト用開口部41および拘束ピンスロット43がそこに設けられており、この拘束ピンスロット43は前記ピニオン歯と回動シャフト用開口部との間に設けられている。回動シャフト用開口部41は、円筒状アームシャフト42を受理し得るサイズおよび形状を有する。円筒状アームシャフト42は、図1−3に示すように、隣接する一対のクレビス部材25のそれぞれに設けられた円筒状開口部28を通って延び、クレビススロット27中にて、クレビス部材間で締付けアームを回動自在に支持している。
【0026】
拘束ピン34の各々は、整合する一対の拘束ピン台33内および締付けアーム19の夫々の基端38中の拘束ピンスロット43内を通って同様に延びている。拘束ピンスロット43はその内部での拘束ピンの摺動を可能にし、同時に締付けアームはアームシャフト42を中心として回動可能となっている。しかし、拘束ピンスロット43の両端部は、アームシャフト42を中心とする回動の終点として作用する。
【0027】
各締付けアーム19の先端部39は、図8および10に示すように、閉位置において他方の締付けアームの先端部に向けて延出している。特に、締付けアーム19の先端部39は、遠位方向に向う第1の下位部44と、第2の下位部45とを含み、第2の下位部45は第1の下位部44からほぼ直角方向、すなわち、他方の締付けアーム19の対応する下位部に向う方向に延びている。図11および12に示すように、第2の下位部45は二又となって一対の尖端部46を形成し、閉位置において大腿骨頸部16と当接する締付け面12(複数)の夫々を構成している。
【0028】
図3に示すように、締付け面12A、12Bのそれぞれ傾斜し、主ガイドシャフト59に対し(より具体的には、主ガイドシャフト59を通る案内開口部64の軸に対し)傾斜した角度を形成している。この傾斜角度は、締付け面12A、12Bが大腿骨頸部の中立軸に対し案内開口部64が若干上方に向くよう選択される。この配向により、ガイドピンが、生来の大腿骨頸部のものよりもより垂直な向きで、大腿骨頭に挿入されるようになる。それにより、人工大腿骨頭のステムをより垂直な方位で移植させることが可能となる。これにより、荷重をより垂直方向に分布させ、人工補装器の性能を改善させることになる。人工大腿骨頭の軸は好ましくは大腿骨頸部の生来の軸上で約5度配向させる。この配向を達成するため、締付け面12A、12Bは好ましくは、案内開口部64の軸に対し約5度の傾斜を有することが好ましい。
【0029】
締付けアーム19の1つは、付勢アッセンブリー18による一対のアームの整合的動きとは別に、任意に調整可能となった特徴を有する。本実施例において、締付けアーム19のこの調整可能なアームは基端部38と、先端部39とに分かれている。この基端部は幅広の先方下位部分を有し、これに円筒形状の長孔47が形成され、これが図13に示すようにピニオン歯40と反対側端部で開口している。この幅広の先方下位部分には長細いスロット48が形成され、これが長孔47の殆ど全長に亘って延び、かつ、長孔47と連通している。
【0030】
締付けアーム19の調整可能なアームの先端部39の第1の下位部44は、それ自身の幅広の断面および円筒形部分を有し、この円筒形部分は図2に示すように基端部38の長孔47内に摺動自在に装着されるようになっている。この第1の下位部44は更に、一対の丸い保持用突起部49を有し、これら突起部49は幅広の第1の下位部分44の両側からそれぞれ突出している。これら突起部49は長孔47内の基端部38の壁面間に延び、先端部39を基端部38内にしっかりと保持させると同時に、それらの間の摺動を依然として可能にするものである。その他、この突起部49を外側に向けて付勢させ(例えば、“ボール/バネ部材”),同時に加圧下では下位部分44に形成された開口部内に、その付勢力に抗して圧入されるようにしてもよい。ボール/バネ部材の使用により、長孔47および第1の下位部分44のサイズの公差を近づける必要性を回避することができる。
【0031】
締付けアーム19の調整可能なアームの基端部38および先端部39の相互間の摺動は、ピン50を使用することにより抑制される。このピン50は基端部38に形成された長細いスロット48内に摺動自在に保持されるサイズとなっている。このようにして、これら基端部38および先端部39の摺動範囲が制限され、かつ、これら基端部38および先端部39がこの摺動範囲の末端にて互いに離脱しないようになっている。
【0032】
好ましくは、締付けアーム19の調整可能なアームの摺動調整部分が、締付け面12の角度を互いに変更可能となるようにする。締付け面の相対的角度の変更により、大腿骨13に対する案内開口部14の方位、従って案内開口部64の方位が変化することになる。これは外科医が人工大腿骨頭の位置決めを最適化することに役立つ。なお、この調整可能性は他の機構を用いて達成することもできる。例えば、これら基端部38と先端部39との間に回動自在なヒンジ部材、又は或る種のマルチバー連結を使用してもよい。しかし、この図示の実施例は、固定した終点を有する単一摺動方向で動きを制限しているため、調整の制御が容易となるという利点を有する。
【0033】
本発明の付勢アッセンブリー18は締付けアーム19に対し付勢力を与え、これら締付け面12が大腿骨頸部16に密着するように強制するものである。この付勢アッセンブリー18は2つの締付けアーム19の動きと整合させ、これら締付けアームが片手操作で開位置と閉位置との間の動きを同時に行うこともできる。
【0034】
図示の実施例において、この付勢アッセンブリー18は本体11の案内開口部14内に部分的に収納されていて、図14に示すようにラック部材51およびコイルバネ52を有する。このラック部材51は、図15に示すように、本体11から延出するネジ部53と、本体11の案内開口部14内に延びた複数のラック歯(“歯付加部分”)54を備えた部分とを有する。更に、ラック部材51にはそれ自身の案内開口部56を有し、これが長手軸全体に亘って延び、係合部材20の挿通を許容している。歯付加部分の側面には対向する一対のフランジ55が設けられ、その歯の部分はラック部材51の中心軸から外側に延出し、これら一対のフランジ間に延びた状態で隣接して配置されている。ネジ部53は歯付加部分54とは反対側のフランジ55の1つの側から延びており、円筒状シャフトの外側の周りに延びたネジ部が含まれる。
【0035】
本体11の案内開口部14内に配置する場合、このコイルバネ52は、案内開口部14を縮小する本体11の保持フランジ57と、ラック部材51のフランジ55の先端部のものとの間に配置される。図14に示すように、ラック部材51はその先端がコイルバネ52に隣接して配置され、その一部はコイルバネ52内に延びている。また、ラック部材51の反対側他端は保持キャップ58に隣接して配置されている。
【0036】
コイルバネ52をラック部材51の先端部に配置させることにより、フランジ55の先端部のものに向けてラック部材51を上方に付勢させる。この上方への付勢により、歯付加部分54が双方の締付けアーム19のピニオン歯40に対し上方に移動される。これら締付けアーム19は締付けアームガイド35を介して延び歯付加部分と歯合している。その結果、この上方への付勢により、ピニオン歯とは反対の締付けアーム19の対向端部での、締付け面12の大腿骨頸部16に向う整合した先端方向および内側方向への動き(アームシャフト42を中心とする回動のため)を生じさせる。
【0037】
保持キャップ58は本体11に固定されていて、本体11の案内開口部14の基端内に延びており、図1に示すように、締付けアーム19が閉位置にあるとき、ラック部材51の基端側のフランジ55に接している。更に、保持キャップ58には中央開口部が形成されていて、本体11に固定されたとき、この中央開口部が本体11の案内開口部14と連通し、係合部材20の通過を許容するようになっている。
【0038】
保持フランジ57と保持キャップ58とが一緒になって、付勢アッセンブリー18を本体11の案内開口部14内に保持し、ラック部材51の動きを制限し、それにより、締付けアーム19の動きを制限するようになっている。付勢アッセンブリー18の動きの更なる制限は、つまみ取付け部29のネジ孔29内につまみ30を締付け、つまみの両端をラック部材51の両側に当接させることにより達成される。このことにより、ガイドクランプ10の使用者は大腿骨頸部16を締付け面12により一旦握持させた際に締付けアーム19を所定位置に固定することができる。
【0039】
付勢アッセンブリー18の動きの更なる制限は固定ノブ61を介して達成することができる。この固定ノブ61は、図14および17に示すように、中央ネジ孔を有する。この固定ノブ61の中央ネジ孔により、固定ノブ61が本体11に配置された保持キャップ58に当接するまで、ラック部材51のネジ部53に沿って前進可能とされている。ラック部材51上の基端側のフランジ55が保持キャップ58の反対側に当接すると、固定ノブ61の位置により付勢アッセンブリー18が保持キャップとの当接位置に固定されることになり、それにより締付けアーム19および締付け面12が閉位置に固定される。
【0040】
その他、固定ノブ61の前進が、保持キャップ58の基端側のフランジ55との当接を生じさせるのに十分でない場合は、ラック部材51の先端方向への動きの範囲を更に減少させる。これにより、締付けアーム19の基端方向および外方向の動きの範囲が効果的に制限されることになり、開位置での一対の締付け面12相互の間隙が制限されることになる。ラック部材51のネジ部53に沿う固定ノブ61の基端方向の動きは、図14および16に示すように、ノブ保持キャップ63を使用して抑制することができる。このノブ保持キャップはネジ孔を有し、それによりノブ保持キャップをラック部材51のネジ部53の最基端部に固定させることができる。
【0041】
なお、付勢アッセンブリー18は、締付け面12を大腿骨頸部16の周りで閉位置に付勢させ、好ましくはこれら締付け面の動きを整合させるものであれば、種々の異なる部材を含むものであってもよい。例えば、付勢アッセンブリー18は、締付けアーム19に組み込まれた板バネ又はコイルバネを含み、これら締付け面12相互を付勢させるようにしたものでもよい。特に、そのような構造の場合、付勢アッセンブリーは必ずしもガイドクランプ10の本体11内に収納されていなくともよい。しかし、本体11の案内開口部14内に少なくとも部分的に収納されている本実施例の付勢アッセンブリー18は、上述のような動きの制限についての利点を有する。
【0042】
他の形態として、本発明のガイドクランプ10は、係合部材20を含むものでもよい。この係合部材は主ガイドシャフト59と、テクスチュア付き(textured)尖端部60とを有する。図18に示すように、図示の実施例の主ガイドシャフト59は、全長に亘って案内開口部64を形成した長尺の円筒状のものからなる。先に記載した案内開口部とは異なり、この主ガイドシャフト59の案内開口部64は、ガイドクランプ10を介してガイドワイヤー15を延出させたときガイドワイヤー15と直接、接触するようになっている。この主ガイドシャフト59は、その基端に固定された保持リング65と、その縮径の尖端に設けられたネジ部66とを有する。
【0043】
図示の実施例のテクスチュア付き尖端部60も円筒状のものであり、その先端には複数のセレーション(のこ歯)が形成され、図1に示すように、これらは大腿骨頭17への当接のためのテクスチュア付き握持面を提供するものである。更に、テクスチュア付き尖端部60にはネジ孔67(図19に示す)が形成され、そのサイズは主ガイドシャフト59の先端のネジ部66と嵌合するものとなっていて、テクスチュア付き尖端部が、それに固定されるようになっている。ここで使用する“テクスチュア付き”とは、大腿骨頭17との非スリップ的当接を容易にする任意のタイプの表面又はパターンを表すものであり、例えば、ぎざぎざ模様のもの、公差凹凸模様のもの、あるいは図示ののこ歯状のものなどである。大腿骨頭との非スリップ的当接は、選択された参照ライン/点に沿うガイドワイヤーのための正しく、より正確な通路を確保するのに好ましいものである。
【0044】
ネジによる接合は、主ガイドシャフト64を、保持キャップ58の開口部、ラック部材51の案内開口部56、コイルバネ52および本体11の保持フランジ57中の開口部を介して、その先端部が本体から外へ延出するまで挿入することを可能にするため、ガイドクランプ10の組み立てを容易にする。テクスチュア付き尖端部60のネジ孔67がついで主ガイドシャフト59のネジ部66に固定される。
【0045】
主ガイドシャフト59が挿入、延出される各種開口部は係合部材20の摺動が可能となっていて、従って、係合部材20は大腿骨頭17との当接に関連して進退させることができる。この進退動は、係合部材20の基端に設けられた保持リング65および係合部材20の先端に設けられたテクスチュア付き尖端部60により制限される。なお、係合部材を大腿骨頭近傍に固定する手段を設けることも可能であるが、一般にはその必要はない。係合部材と、ガイドシャフトとの間の摩擦力および前記非スリップ的当接は一般的に、係合部材の望ましくない動きを防止するのに十分である。
【0046】
なお、本発明の係合部材20は図示の実施例のものに必ずしも限定されず、締付け面12に加えて大腿骨13と係合させるための移動自在な第3の面を提供することができる任意の部材又は部材の組合せ(先端が揺動して大腿骨頭17と接触するアームなど)を更に含むものであってもよい。好ましくは、係合部材20は更に、ガイドワイヤー15の大腿骨頭17表面までの案内、挿入を可能とする延長案内開口部を提供するものである。
【0047】
以上、ガイドクランプ10の構造について説明したので、次にその使用方法について説明する。
使用に際し、使用者が本体11を例えば、使用者の人差し指と中指との間で握り、更に人差し指と中指とでガイドクランプ10のつまみ26および固定ノブ61を握った状態で、同じ手の親指で操作する。ついで、固定ノブ61を親指で本体11内に押し込み、それによりラック部材51をコイルバネ52の付勢力に抗して移動させる。歯付加部分54の歯により、ピニオン歯40を締付けアーム19の基端部38にて、アームシャフト42を中心として先端方向に回動させ、それにより締付けアームの先端部39およびそれにより支持されている締付け面12を基端方向並びに外側に向けて、すなわち、互いに離間させる開位置に移動させる。この時点において、大腿骨13、特に大腿骨頸部16を一対の締付け面12間に挿入させる。
【0048】
大腿骨頸部16が一旦位置決めされると、固定ノブ61が解放され、歯付加部分54がコイルバネ52により基端方向に付勢される。この付勢により歯付加部分54とピニオン歯40との相互作用を生じさせ、各締付けアーム19の基端部38をアームシャフト42を中心として基端方向に回動させる。それにより締付けアーム19の先端部39およびそれにより支持されている締付け面12をアームシャフト42を中心として先端方向、すなわち、互いに接近し、大腿骨頸部16の周りに密着するように回動させる。一旦、閉位置になると、固定ノブ61が保持キャップ58と当接するまでネジ部53上を前進し、基端部側のフランジ55を保持キャップの他方の側に対して保持する。これによりガイドクランプ10が大腿骨13上の所定位置に効果的に固定される。このように、元来、両手操作のものであったものが、今や片手操作に軽減されることになる。
【0049】
大腿骨頭17に対する主ガイドシャフト59の案内開口部64の角度の調整は、締付けアーム19の調整可能な方のものを調整することにより行うことができる。例えば、締付けアームの先端部39を、基端部38に形成された長孔47内に摺動させ、それを角度の所望の変化が達成されるまで行う。
【0050】
締付け面12が一旦、閉位置に固定されると、係合部材20の主ガイドシャフト59をラック部材51の案内開口部56内および他の開口部内に前進させ、それをテクスチュア付き尖端部60が大腿骨頭17に当接するまで行う。このようにして、主ガイドシャフト59の案内開口部64が大腿骨頭17の表面まで延出させる。ついで、ガイドワイヤー15を係合部材の保持リング65に形成された案内開口部64内に挿入させ、ガイドワイヤー15が大腿骨頭17と交叉するまで、主ガイドシャフト59の案内開口部64の残りの部分を通って前進させる。ついで、ハンマー、ドリル又はその他の公知の器具を用いてガイドワイヤー15を大腿骨頭17内に駆動させる。
【0051】
ピンを固定させた後に、固定ノブ61を弛め、締付け面12を開位置に移動させるための前述の段階を繰り返すことによりガイドクランプ10を除去する。ガイドクランプ10を除去した後、図7に示すように、カニューレ挿入ドリルおよびビットを用いて大腿骨頭17を切削するためのガイドとしてガイドワイヤー15を使用する。
【0052】
本発明は多くの利点を有する。例えば、付勢アッセンブリー18を使用する締付け面12の整合され、付勢された閉位置への動きは、片手操作を可能にする。このような整合され、付勢された閉位置への動きは、締付けアーム19およびその締付け面12相互間の中央に大腿骨頭17を確実に配置させ、種々の案内開口部の大腿骨頭17との正確な整合を確実にさせる。締付けアーム19の1又はそれ以上のものの調整可能性により、種々の案内開口部が大腿骨頭17との関連で配置される角度(従ってガイドワイヤー15の角度)の変更を可能にする。係合部材20は、ガイドクランプ10の本体11と、大腿骨頭17との間の間隙を橋渡しするものであり、それが大腿骨頭に至る長さの付加的案内開口部を設けることによりなされている。これはガイドワイヤー15の正確な配置を改善させるものとなる。更に、係合部材のテクスチュア付き尖端部60は、ガイドクランプ10の大腿骨13に対する握持の確実性を増大させるものとなる。
【0053】
以上の記述により提供される教示およびそれに関連する図面に基づいて、本発明の多くの変更および他の実施例も可能であろうことは当業者にとって自明であろう。従って、本発明は、ここに開示された具体例に限定されず、それらの変更および他の実施例も添付された特許請求の範囲に包含されるものと理解されるべきである。更に、ここでは特定の用語を用いているが、それらは単に包括的および記述的感覚で使用したものであり、制限を意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の1実施例に係わるガイドクランプを示す斜視図。
【図1A】本発明の1実施例に係わるガイドクランプを大腿骨上に好ましい方位で固定した状態を示す斜視図。
【図2】図1に示すガイドクランプの側面図。
【図3】図1に示すガイドクランプを前方から見た側面図。
【図4】図1に示すガイドクランプの本体の平面図。
【図5】図1に示すガイドクランプの本体の側面図。
【図6】図1に示すガイドクランプの本体の他の側面図。
【図7】大腿骨頭の関節面再建を案内するために使用されているガイドピンの斜視図であって、このガイドピンが図1に示すガイドクランプにより配置されている状態を示す図。
【図8】図1に示すガイドクランプの締付けアームの側面図。
【図9】図1に示すガイドクランプの他の締付けアームの基端部を示す側面図。
【0055】
【図10】図1に示すガイドクランプの締付けアームの先端部を示す側面図。
【図11】図10に示す締付けアームの先端部を示す他の側面図。
【図12】図10に示す締付けアームの先端部の平面図。
【図13】図9に示す締付けアームの基端部の他の側面図。
【図14】図1に示すガイドクランプの断面図。
【図15】図1に示すガイドクランプのラック部材を示す側面図。
【図16】図1に示すガイドクランプのノブ保持キャップを示す断面図。
【図17】図1に示すガイドクランプの固定用ノブを示す断面図。
【図18】図1に示すガイドクランプの主ガイドシャフトを示す側面図。
【図19】図1に示すガイドクランプのテクスチュア付きチップを示す側面図。
【符号の説明】
【0056】
10 ガイドクランプ
11 本体
12 締付け面
13 大腿骨
14 案内開口部
15 ガイドワイヤー(ピン)
16 大腿骨頸部
17 大腿骨頭
18 付勢アッセンブリー
19 締付けアーム
20 係合部材
22 主要部
23 クレビス
25 クレビス部材
40 ピニオン歯
51 ラック部材
52 コイルバネ
55 フランジ
58 保持キャップ
59 主ガイドシャフト
61 固定ノブ
64 案内開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部および頸部を有する大腿骨を留めると共に、大腿骨との関連でのガイドワイヤーの配置を案内するためのガイドクランプであって:
開位置と閉位置との間に移動自在な少なくとも2つの締付け面であって、これら2つの締付け面は開位置において大腿骨をその間に挿入するのに十分な間隔で離間するように互いにほぼ対向して設けられ、閉位置において前記大腿骨をその間にきつく保持するのに十分に互いに接近するようにしたものと;
これら締付け面を相互に関連して移動自在に支持する本体であって、ガイドワイヤーを受理し、前記大腿骨に至るまで通過させる案内開口部を有するものと;
前記締付け面を前記大腿骨周囲の閉位置に付勢させ、前記締付け面により前記本体を前記大腿骨との関連で固定させ、かつ、前記ガイドワイヤーを前記案内開口部を通って延出させたときにこのガイドワイヤーが前記大腿骨との関連で固定させるようにした付勢バネアッセンブリーと;
を具備してなるガイドクランプ。
【請求項2】
一対の締付けアームを更に具備してなり、該締付けアームの夫々が締付け面の1つを含む請求項1記載のガイドクランプ。
【請求項3】
前記付勢バネアッセンブリーが、該締付けアームの双方を付勢させ、前記開閉位置間での前記締付け面の動きを調和させるようになっている請求項2記載のガイドクランプ。
【請求項4】
前記締付けアームが前記本体により回動自在に支持され、前記付勢バネアッセンブリーが、該締付けアームの双方と係合し、該締付けアームを閉位置に付勢させるようになっている請求項2記載のガイドクランプ。
【請求項5】
前記締付けアームが複数のピニオン歯を有し、前記付勢バネアッセンブリーが、該締付けアームのピニオン歯と係合する複数のラック歯を備えた付勢ラックを有し、該ラックの動きにより締付けアームの回動および該締付け面の相対的動きを生じさせるようにした請求項4記載のガイドクランプ。
【請求項6】
前記付勢バネアッセンブリーが、前記付勢ラックに沿って延出し、前記ラックを付勢して前記締付けアームの締付け面を前記閉位置に移動させるコイルバネを有する請求項5記載のガイドクランプ。
【請求項7】
前記付勢バネアッセンブリーが並進部材およびバネを具備してなり、該並進部材が前記本体との関連で直線的並進を行うように構成され、更に前記付勢バネアッセンブリーが締付けアームの夫々と係合する係合部材を具備してなり、前記バネが前記本体との関連で前記並進部材を直線的に付勢するよう構成されている請求項4記載のガイドクランプ。
【請求項8】
前記コイルバネが、前記本体に当接する第1の端部と、前記並進部材に当接する第2の端部とを有する請求項7記載のガイドクランプ。
【請求項9】
前記コイルバネが、前記並進部材の周りに延出し、前記並進部材が、前記本体の案内開口部内に延びる案内開口部を有している請求項8記載のガイドクランプ。
【請求項10】
前記締付けアームの1つの締付け面が、位置調整自在に構成されている請求項2記載のガイドクランプ。
【請求項11】
前記本体により支持され該本体から延出した係合部材を更に有し、大腿骨が締付け面間に固定されたとき、大腿骨の頭部と当接するようになっている請求項1記載のガイドクランプ。
【請求項12】
前記係合部材が、前記本体内に形成された案内開口部と整合する案内開口部を有し、ガイドワイヤーがこれら案内開口部の双方を通って大腿骨の頭部に通過するようになっている請求項11記載のガイドクランプ。
【請求項13】
前記係合部材が前記本体により移動自在に支持され、それにより該係合部材が大腿骨の頭部との当接から後退ないし該頭部との当接のため延出するようになっている請求項12記載のガイドクランプ。
【請求項14】
前記係合部材が、前記本体の案内開口部の軸に沿って摺動自在に該本体により支持され、それにより該係合部材が大腿骨の頭部との当接から後退ないし該頭部との当接のため延出するようになっている請求項13記載のガイドクランプ。
【請求項15】
前記係合部材がテクスチュア付き大腿骨近傍端部を有する請求項14記載のガイドクランプ。
【請求項16】
前記テクスチュア付き大腿骨近傍端部がのこ歯状部を含む請求項15記載のガイドクランプ。
【請求項17】
大腿骨を留めると共に、大腿骨との関連でのガイドワイヤーの配置を案内するためのガイドクランプであって:
開位置と閉位置との間に移動自在な少なくとも2つの締付け面であって、これら2つの締付け面は開位置において大腿骨をその間に挿入するのに十分な間隔で離間するように互いにほぼ対向して設けられ、閉位置において前記大腿骨をその間にきつく保持するのに十分に互いに接近するようにしたものと;
これら締付け面を相互に関連して移動自在に支持する本体であって、ガイドワイヤーを受理し、前記大腿骨に至るまで通過させる案内開口部を有するものと;
前記本体により支持され、かつ、前記本体から延出し、前記接触面が閉位置にあって前記締付け面が前記大腿骨を保持したとき、この延出した係合部材が前記大腿骨の頭部と当接するようにした係合部材と;
を具備してなるガイドクランプ。
【請求項18】
前記係合部材が、前記本体内に形成された案内開口部と整合する案内開口部を有し、ガイドワイヤーがこれら案内開口部の双方を通って大腿骨の頭部に通過するようになっている請求項17記載のガイドクランプ。
【請求項19】
前記係合部材が前記本体により移動自在に支持され、それにより該係合部材が大腿骨の頭部との当接から後退ないし該頭部との当接のため延出するようになっている請求項18記載のガイドクランプ。
【請求項20】
前記係合部材が、前記本体の案内開口部の軸に沿って摺動自在に該本体により支持され、それにより該係合部材が大腿骨の頭部との当接から後退ないし該頭部との当接のため延出するようになっている請求項18記載のガイドクランプ。
【請求項21】
前記係合部材がテクスチュア付き大腿骨近傍端部を有する請求項20記載のガイドクランプ。
【請求項22】
前記テクスチュア付き大腿骨近傍端部がのこ歯状部を含む請求項21記載のガイドクランプ。
【請求項23】
一対の締付けアームを更に具備してなり、該締付けアームの夫々が締付け面の1つを含む請求項20記載のガイドクランプ。
【請求項24】
前記締付け面が互いに閉位置に接近するとき、該締付け面が大腿骨頸部の周りに延出するようになっている請求項23記載のガイドクランプ。
【請求項25】
大腿骨へのガイドワイヤーの挿入を容易にするための大腿骨の締付け方法であって:
ガイドクランプの少なくとも2つの対向する締付け面を、これらを支持する本体との関連でこれら締付け面を移動させることにより、バネの付勢力に抗して互いに分離する段階と;
これら対向締付け面間に大腿骨を挿入する段階と;
前記本体との関連で前記バネの付勢力によりこの一対の対向締付け面を移動させ、これら対向締付け面を前記大腿骨に対し閉じ、それにより前記大腿骨をこれら締付け面間にて固定する段階と;
前記本体に形成されたガイドワイヤー開口部を介してガイドワイヤーを挿入、前進させて前記大腿骨と当接させる段階であって、ここで該ガイドワイヤーは大腿骨との関連で前記本体および締付け面により支持されている;
を具備してなる方法。
【請求項26】
前記本体により支持された係合部材を前進させ、該締付け面を閉じた後の大腿骨頭と当接させる段階を更に具備してなる請求項25記載の方法。
【請求項27】
ガイドワイヤーを前進させる段階が、該ガイドワイヤーを前記係合部材に形成されたガイドワイヤー開口部を介して前進させることからなり、ここで該本体のガイドワイヤーの開口部および該係合部材の開口部がほぼ整合している請求項26記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2007−512097(P2007−512097A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541434(P2006−541434)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/038931
【国際公開番号】WO2005/051209
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(500430408)ライト メディカル テクノロジー インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】