説明

天板

【課題】主天板と折り畳み天板とを折り畳み自在に連結しながら、同一平面に保持する。
【解決手段】天板は、主天板1に蝶番3を介して折り畳み天板2を折り畳み自在に連結している。蝶番3は、主天板1に固定される第1の固定プレート11に、折り畳み天板2に固定される第2の固定プレート12を、折り畳み軸13を介して連結し、第1の固定プレート11に第1の折曲軸31を介して第1の折曲プレート21を連結し、第2の固定プレート12に第2の折曲軸32を介して第2の折曲プレート22を連結し、第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22とを、中間連結軸23を介して連結している。天板は、ストッパ4で折曲プレート20を固定プレート10に対して垂直姿勢に保持して折り畳み天板2を主天板1と同一水平面内に固定し、折曲プレート20と固定プレート10とを同一面とする姿勢で折曲して、折り畳み天板2を主天板1に対して折り畳みする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として学習机などの机やテーブル、あるいは作業台などに使用される天板に関し、とくに用途に最適な大きさに変更できる天板に関する。
【背景技術】
【0002】
天板を、用途に最適な面積に変更できる折り畳み構造とする机は開発されている。(特許文献1参照)
【0003】
この机は、図1の斜視図に示すように、天板の面積を小さくするときは、主天板91の上に折り畳み天板92を重ねて使用する。主天板91と折り畳み天板92は、片側を蝶番93で折り畳みできるように連結している。天板を広い面積で使用するときは、折り畳み天板92を開いて、すなわち、蝶番93を中心に180度回転して、折り畳み天板92を主天板91と同一平面とする。折り畳み天板92をこの姿勢に保持するために、主天板91の裏面には引き出し94を連結している。引き出し94は、主天板91の裏面から水平方向に引き出しできるように主天板91に連結している。引き出されて引き出し94の上に折り畳み天板92を載せて、折り畳み天板92は主天板91と同一平面に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−355123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1の天板は、折り畳み天板92を水平な姿勢に保持するために、主天板91の裏面に引き出し94を設ける必要がある。このため、折り畳み天板を主天板と同一平面に保持する機構が複雑になる欠点がある。
【0006】
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、折り畳み天板を水平姿勢に保持する専用の機構を設けることなく、折り畳み天板を主天板に連結する蝶番でもって水平姿勢に保持でき、全体として極めて簡単な構造で折り畳み天板を折り畳み自在に連結し、また、主天板を同一平面に保持できる天板を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明の天板は、主天板1と、この主天板1に折り畳み自在に連結してなる折り畳み天板2と、この折り畳み天板2を主天板1に折り畳み自在に連結する蝶番3とを備えている。蝶番3は、主天板1の裏面に固定してなる第1の固定プレート11と、この第1の固定プレート11に折り畳み軸13を介して折曲自在に連結されて、折り畳み天板2の裏面に固定してなる第2の固定プレート12と、第1の固定プレート11に、折り畳み軸13に対して直交する姿勢の第1の折曲軸31を介して第1の固定プレート11に対して平行な水平姿勢から、第1の固定プレート11に対して垂直な垂直姿勢に傾動自在に連結してなる第1の折曲プレート21と、第2の固定プレート12に、折り畳み軸13に対して直交する姿勢の第2の折曲軸32を介して第2の固定プレート12に対して平行な水平姿勢から、第2の固定プレート12に対して垂直な垂直姿勢に傾動自在に連結してなる第2の折曲プレート22と、第1の折曲軸31と第2の折曲軸32に対して直交する姿勢にあって、第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22とを折曲自在に連結してなる中間連結軸23と、第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22とを第1の固定プレート11と第2の固定プレート12に対して垂直姿勢に停止するストッパ4とを備えている。蝶番3は、折り畳み軸13を、主天板1と折り畳み天板2の対向する側縁と平行に配設して、第1の固定プレート11を主天板1の裏面に、第2の固定プレート12を折り畳み天板2の裏面にそれぞれ固定している。天板は、主天板1と折り畳み天板2とが同一平面に位置するように拡張される状態で、ストッパ4でもって、折曲プレート20を固定プレート10に対して垂直姿勢に保持し、第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22とを同一平面に配置して、同一平面に配置される折曲プレート20でもって、第1の固定プレート11と第2の固定プレート12とを同一水平面内に固定して、折り畳み天板2を主天板1と同一水平面内に固定する。さらに、天板は、折曲プレート20を固定プレート10と同一面とする姿勢で、折曲プレート20と固定プレート10とを折曲して、折り畳み天板2を主天板1に対して折り畳みする。
【0008】
以上の天板は、折り畳み天板を水平姿勢に保持する専用の機構を設けることなく、折り畳み天板を主天板に連結する蝶番でもって水平姿勢に保持でき、全体として極めて簡単な構造としながら、折り畳み天板を折り畳み自在に主天板に連結し、また、主天板と同一平面に保持して大きな天板として使用できる特徴がある。
【0009】
本発明の天板は、ストッパ4が、折曲プレート20を固定プレート10に対して垂直姿勢とする方向に付勢するスプリング41と、折曲プレート20を固定プレート10に対して垂直姿勢に停止するストッパ部42とを備え、スプリング41でもって、折曲プレートを固定プレート10に対して垂直姿勢とする方向に付勢して、ストッパ部42でもって折曲プレート20を固定プレート10に対して垂直姿勢に保持することができる。
【0010】
本発明の天板は、机の天板、テーブルの天板、作業台の天板のいずれかとすることができる。
【0011】
本発明の天板は、主天板1と折り畳み天板2の複数カ所に蝶番3を固定することができる。
【0012】
さらに、本発明の天板は、主天板1と折り畳み天板2の複数カ所に蝶番3を固定し、隣接する蝶番3の間にあって、主天板1と折り畳み天板2との対向する側面1A、2Aの一方に嵌着凸部7を、他方には嵌着凸部7を案内する嵌着凹部8を設けて、折り畳み天板2を主天板1と同一面に位置する状態で、嵌着凸部7を嵌着凹部8に案内して折り畳み天板2を主天板1に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来の天板を折り畳み構造とする机の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる天板を備える机の斜視図である。
【図3】図2に示す机の天板を拡張した状態を示す斜視図である。
【図4】図2に示す机の背面斜視図である。
【図5】図2に示す天板の蝶番を示す底面斜視図である。
【図6】図3に示す天板の蝶番を示す底面斜視図である。
【図7】図6に示す蝶番の折曲プレートを水平姿勢に倒した状態を示す底面斜視図である。
【図8】図5に示す天板の手前側の蝶番の拡大斜視図である。
【図9】図6に示す天板の手前側の蝶番の拡大斜視図である。
【図10】図6に示す天板の奥側の蝶番の拡大斜視図である。
【図11】図7に示す天板の手前側の蝶番の拡大斜視図である。
【図12】図10に示す蝶番のA−A線断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための天板を例示するものであって、本発明は、天板を以下のものに特定しない。
【0015】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0016】
図2ないし図4は、天板を備える学習机50を示す。ただ、本発明は、天板の用途を学習机には特定するものではない。天板は、事務机、テーブル、作業台などの他の用途に使用できるからである。図の学習机50は、折り畳みできる天板の四隅に脚51を固定して、側部には引き出し52を設けている。
【0017】
天板は、図5ないし図7の底面から見た斜視図に示すように、主天板1と、この主天板1に折り畳み自在に連結してなる折り畳み天板2と、この折り畳み天板2を主天板1に折り畳み自在に連結する蝶番3とを備える。蝶番3は、主天板1と折り畳み天板2の裏面に固定されて、折り畳み天板2を下方に折り畳みできる構造としている。さらに、折り畳み天板2を主天板1と同一面に位置させる状態で互いに接近する面であって、主天板1と折り畳み天板2の対向する側面1A、2Aを平面状として、一枚の天板として使用する状態で、主天板1と折り畳み天板2の隙間を狭くしている。
【0018】
図2ないし図4の学習机50は、主天板1の四隅に脚51を固定して、主天板1の後方に蝶番3を介して折り畳み天板2を連結している。図の学習机50は、主天板1の後方に折り畳み天板2を連結しているが、折り畳み天板は、主天板の側部に、あるいは前方に蝶番を介して連結することもできる。
【0019】
蝶番3は、図8ないし図11に示すように、主天板1の裏面に固定してなる第1の固定プレート11と、この第1の固定プレート11に折り畳み軸13を介して折曲自在に連結されて、折り畳み天板2の裏面に固定している第2の固定プレート12と、第1の固定プレート11に、折り畳み軸13に対して直交する姿勢の折曲軸30を介して第1の固定プレート11に対して平行な水平姿勢から、第1の固定プレート11に対して垂直な垂直姿勢に傾動自在に連結している第1の折曲プレート21と、第2の固定プレート12に、折り畳み軸13に対して直交する姿勢の折曲軸30を介して第2の固定プレート12に対して平行な水平姿勢から、第2の固定プレート12に対して垂直な垂直姿勢に傾動自在に連結している第2の折曲プレート22と、折曲軸30に対して直交する姿勢にあって、第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22とを折曲自在に連結している中間連結軸23と、第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22とを第1の固定プレート11と第2の固定プレート12に対して垂直姿勢とし、かつ、この姿勢にある第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22を互いに同一面として、この姿勢に停止するストッパ4とを備えている。
【0020】
第1の固定プレート11及び第2の固定プレート12と、第1の折曲プレート21及び第2の折曲プレート22は、鉄や鉄合金などの金属板を加工して製作している。金属板の第1の固定プレート11と第2の固定プレート12は、互いに折曲できるように連結している連結縁に連結筒14を設けるように加工し、この連結筒14に折り畳み軸13を挿通して連結している。連結筒14は、折り畳み天板2を折り畳みする方向、図11において、第1の固定プレート11と第2の固定プレート12の下面に突出するように設けている。第1の固定プレート11と第2の固定プレート12とは、連結筒14の位置を折り畳み軸13の軸方向にずらせて設けている。第1の固定プレート11と第2の固定プレート12の連結筒14は、一方または両方を折り畳み軸13に回転できるように挿通して、互いに折曲できるように連結される。第1の固定プレート11と第2の固定プレート12は、折り畳み軸13を、主天板1と折り畳み天板2の対向する側面1A、2Aの下方に配置するように、主天板1と折り畳み天板2の下面に固定される。第1の固定プレート11と第2の固定プレート12は、主天板1と折り畳み天板2に止ネジ5で固定できるように、複数の貫通孔16を設けている。この貫通孔16に止ネジ5をねじ込んで主天板1と折り畳み天板2に固定している。
【0021】
第1の折曲プレート21は、第1の固定プレート11と第2の固定プレート12の連結構造と同じ構造で第1の折曲軸31を介して折曲できるように第1の固定プレート11に連結している。さらに、第2の折曲プレート22も、同じ構造で第2の折曲軸32を介して折曲できるように第2の固定プレート12に連結している。すなわち、第1の折曲プレート21と第1の固定プレート11は、それぞれの連結縁に連結筒25、15を設けるように加工し、この連結筒25、15に第1の折曲軸31を挿通して互いに折曲できるように連結している。また、第2の折曲プレート22と第2の固定プレート12は、それぞれの連結縁に連結筒25、15を設けるように加工し、この連結筒25、15に第2の折曲軸32を挿通して互いに折曲できるように連結している。折曲プレート20と固定プレート10は、連結筒25、15の位置を、折曲軸30の軸方向にずらせて設けている。折曲プレート20と固定プレート10の連結筒25、15は、一方または両方を折曲軸30に回転できるように挿通して、互いに折曲できるように連結している。
【0022】
折曲プレート20と固定プレート10の連結筒25、15は、図11において、折曲プレート20と固定プレート10の上面に突出するように設けている。主天板1と折り畳み天板2は、折曲プレート20と固定プレート10の上面に突出する連結筒25、15を挿入する挿入凹部6を裏面に設けている。図の天板は、主天板1と折り畳み天板2とに、それぞれ挿入凹部6を設けており、主天板1に設けた挿入凹部6に、第1の折曲プレート21と第1の固定プレート11の連結筒25、15を挿入すると共に、折り畳み天板2に設けた挿入凹部6に、第2の折曲プレート22と第2の固定プレート12の連結筒25、15を挿入している。図の挿入凹部6は、折曲プレート20と固定プレート10の連結筒25、15を挿入できる細長い溝状で、主天板1と折り畳み天板2との境界線に対して垂直な方向に延長して設けている。折曲プレート20と固定プレート10は、裏面に設ける挿入凹部6を、上面に突出する連結筒25、15を挿入できる深さに成形しており、これらの連結筒25、15を挿入凹部6に挿入することにより、固定プレート10を主天板1と折り畳み天板2の裏面に密着する状態で固定すると共に、水平姿勢の折曲プレート20を主天板1と折り畳み天板2の裏面に接近して配置できるようにしている。
【0023】
第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22は、図6、図9、及び図10に示すように、第1の固定プレート11と第2の固定プレート12に対して垂直姿勢となる状態では、主天板1と折り畳み天板2を同一面に保持し、図5と図8に示すように、第1の固定プレート11と第2の固定プレート12に対して水平姿勢となる状態では、折り畳み天板2を折り畳みできる状態とする。したがって、折曲プレート20は、固定プレート10に対して垂直姿勢と水平姿勢とに折曲できるように連結される。以上の状態で折曲できるように、図の蝶番3は、折曲プレート20と固定プレート10とを同一面状とする状態(図11参照)では、第1の折曲軸31と第2の折曲軸32とが同軸に配置されるようにしている。
【0024】
さらに、第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22は、第1の固定プレート11と第2の固定プレート12を折曲自在に連結する連結構造と同じ構造で、中間連結軸23を介して互いに折曲できるように連結している。すなわち、折曲プレート20は、図11に示すように、固定プレート10と同一面に位置する状態で、第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22の下面に突出するように連結筒24を設けて、この連結筒24に中間連結軸23を挿通している。第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22は、連結筒24の位置を中間連結軸23の軸方向にずらせて設けている。第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22は、中間連結軸23を、主天板1と折り畳み天板2の対向する側面1A、2Aの下方に配置するように、主天板1と折り畳み天板2の下面に配置している。
【0025】
以上の折曲プレート20は、図11に示すように、固定プレート10と水平姿勢となる状態で、固定プレート10と一緒に折曲されて、図5と図8に示すように、折り畳み天板2を折り畳みできる状態とする。すなわち、折曲プレート20の第2の折曲プレート22を、中間連結軸23を回転軸として第1の折曲プレート21に対して折曲すると共に、固定プレート10の第2の固定プレート12を、折り畳み軸13を回転軸として第1の固定プレート11に対して折曲して、折り畳み天板2を主天板1に対して折り畳みする。したがって、蝶番3は、折曲プレート20の中間連結軸23と固定プレート10の折り畳み軸13とを同軸に配置している。
【0026】
ストッパ4は、図9、図10、及び図12に示すように、折曲プレート20を固定プレート10に対して垂直姿勢に保持して、折曲プレート20で固定プレート10の折曲を阻止する。すなわち、第1の固定プレート11と第2の固定プレート12とを同一水平面内に保持して、折り畳み天板2と主天板1とを同一平面に固定する。このストッパ4は、折曲プレート20を固定プレート10に対して垂直姿勢とする方向に付勢するスプリング41と、互いに接触して折曲プレート20を固定プレート10に対して垂直姿勢に停止するストッパ部42とを備えている。
【0027】
スプリング41は、折曲軸30を挿入してなるコイルスプリングで、一端を固定プレート10に他端を折曲プレート20に連結して、折曲プレート20を固定プレート10に対して垂直姿勢とする方向に付勢している。図9の蝶番3は、第1の折曲軸31と第2の折曲軸32とに別々のコイルスプリングを挿入して、第1の折曲プレート21を第1の固定プレート11に対して垂直姿勢の方向に、第2の折曲プレート22を第2の固定プレート12に対して垂直姿勢の方向に付勢している。図の蝶番3は、第1の折曲軸31と第2の折曲軸32の両方にスプリング41を設けているが、スプリングは、いずれか一方の折曲軸にのみ設けることもできる。
【0028】
さらに、図12に示す蝶番3は、折曲プレート20を固定プレート10に対して垂直姿勢まで折曲させる状態で、矢印で示す方向の回転、すなわち水平姿勢から垂直姿勢の方向への回転を阻止するストッパ部42を設けている。図の蝶番3は、折曲プレート20に設けた連結筒25との接続部である連結筒接続部26の表面を、固定プレート10の連結縁17に当接させて、折曲プレート20の垂直方向への回転を阻止するストッパ部42としている。この構造のストッパ部42は、最も簡単な構造としながら、折曲プレート20の回転を垂直姿勢で停止できる。さらに、蝶番は、図示しないが、折曲プレートの連結縁を、固定プレートに設けた連結筒との接続部である連結筒接続部の表面に当接させて、折曲プレートの垂直方向への回転を阻止するストッパ部とすることもできる。図の蝶番3は、第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22の両方をストッパ部42でもって、垂直姿勢に停止できるようにしている。ただ、蝶番は、折曲プレートのいずれか一方にのみストッパ部を設けることもできる。
【0029】
さらに、蝶番は、折曲プレートまたは固定プレートの表面に、互いに接触することで折曲プレートの回転を垂直姿勢で停止させるストッパ部を設けることもできる。このストッパ部は、図示しないが、折曲プレートと固定プレートのいずれか一方、あるいは両方の表面に設けた凸部とすることができる。すなわち、折曲プレートに設けたストッパ部は、固定プレートの表面に接触して折曲プレートを垂直姿勢に保持し、固定プレートに設けたストッパ部は、折曲プレートの表面に接触して、垂直姿勢に保持する構造とすることができる。さらに、ストッパ部は、折曲プレートと固定プレートとを、垂直姿勢において、互いに当接して折曲が停止される形状に成形して設けることもできる。
【0030】
図5ないし図7の天板は、主天板1と折り畳み天板2の2カ所に蝶番3を固定している。ふたつの蝶番3は、第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22の中間連結軸23を外側に引っ張って、垂直姿勢にある折曲プレート20を外側に展開できるように、主天板1と折り畳み天板2とに固定している。この構造は、天板の両側から下に手を入れて、第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22の中間連結軸23の付近を外側に引っ張って、折曲プレート20を固定プレート10に対して水平姿勢に倒して、折り畳み天板2を折り畳みできる。
【0031】
さらに、図4の天板は、ふたつの蝶番3の間にあって、主天板1と折り畳み天板2との対向する側面1A、2Aの一方に嵌着凸部7を、他方の側面には嵌着凸部7を案内する嵌着凹部8を設けている。図の天板は、折り畳み天板2の側面2Aに嵌着凸部7を設けて、主天板1の側面1Aに嵌着凹部8を設けている。嵌着凹部8は、主天板1の側面1Aに、長手方向に伸びる溝として設けられる。嵌着凸部7は、金属線からなり、金属線の両端を折り畳み天板2の側面2Aに挿入して固定している。金属線は、折り畳み天板2の側面2Aの長手方向に伸びて、嵌着凹部8に案内される。この構造は、簡単な構造で、折り畳み天板2と主天板1の連結部の上下のずれを阻止できる。以上の天板は、折り畳み天板2に嵌着凸部7を、主天板1に嵌着凹部8を設けているが、反対に主天板に嵌着凸部を、折り畳み天板に嵌着凹部を設けることもできる。
【0032】
以上の天板は、折曲プレート20を固定プレート10に対して垂直姿勢とする状態で、折り畳み天板2が主天板1と同一水平面内に保持される。それは、固定プレート10に対して垂直姿勢にあって、互いに同一平面にある第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22が、第1の固定プレート11と第2の固定プレート12を同一水平面内に保持して、固定プレート10の折曲を阻止するからである。
【0033】
折り畳み天板2を折り畳みするときは、固定プレート10に対して垂直姿勢にある折曲プレート20を、固定プレート10に対して水平姿勢とする方向に折曲させる。すなわち、垂直姿勢から水平姿勢に倒す方向に移動させる。この状態になると、第1の折曲プレート21と第2の折曲プレート22は、第1の固定プレート11と第2の固定プレート12を同一水平面内に保持できなくなる。したがって、折曲プレート20を固定プレート10と同一平面とする状態で、折曲プレート20と固定プレート10が折曲されて、折り畳み天板2は折り畳まれる。折り畳み天板2は、水平姿勢から90度回動されて、主天板1に対して直角の姿勢に折り畳まれ、あるいは180度回転させて、主天板1の裏面に水平姿勢に折り畳まれる。
【符号の説明】
【0034】
1…主天板 1A…側面
2…折り畳み天板 2A…側面
3…蝶番
4…ストッパ
5…止ネジ
6…挿入凹部
7…嵌着凸部
8…嵌着凹部
10…固定プレート
11…第1の固定プレート
12…第2の固定プレート
13…折り畳み軸
14…連結筒
15…連結筒
16…貫通孔
17…連結縁
20…折曲プレート
21…第1の折曲プレート
22…第2の折曲プレート
23…中間連結軸
24…連結筒
25…連結筒
26…連結筒接続部
30…折曲軸
31…第1の折曲軸
32…第2の折曲軸
41…スプリング
42…ストッパ部
50…学習机
51…脚
52…引き出し
91…主天板
92…折り畳み天板
93…蝶番
94…引き出し

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主天板(1)と、この主天板(1)に折り畳み自在に連結してなる折り畳み天板(2)と、この折り畳み天板(2)を主天板(1)に折り畳み自在に連結する蝶番(3)とを備えており、
前記蝶番(3)が、主天板(1)の裏面に固定してなる第1の固定プレート(11)と、この第1の固定プレート(11)に折り畳み軸(13)を介して折曲自在に連結されて前記折り畳み天板(2)の裏面に固定してなる第2の固定プレート(12)と、前記第1の固定プレート(11)に、前記折り畳み軸(13)に対して直交する姿勢の第1の折曲軸(31)を介して第1の固定プレート(11)に対して平行な水平姿勢から、第1の固定プレート(11)に対して垂直な垂直姿勢に傾動自在に連結してなる第1の折曲プレート(21)と、前記第2の固定プレート(12)に、前記折り畳み軸(13)に対して直交する姿勢の第2の折曲軸(32)を介して第2の固定プレート(12)に対して平行な水平姿勢から、第2の固定プレート(12)に対して垂直な垂直姿勢に傾動自在に連結してなる第2の折曲プレート(22)と、前記第1の折曲軸(31)と第2の折曲軸(32)に対して直交する姿勢にあって、前記第1の折曲プレート(21)と第2の折曲プレート(22)とを折曲自在に連結してなる中間連結軸(23)と、第1の折曲プレート(21)と第2の折曲プレート(22)とを第1の固定プレート(11)と第2の固定プレート(12)に対して垂直姿勢に停止するストッパ(4)とを備えており、
前記蝶番(3)は、前記折り畳み軸(13)を、主天板(1)と折り畳み天板(2)の対向する側縁と平行に配設して、第1の固定プレート(11)を主天板(1)に、第2の固定プレート(12)を折り畳み天板(2)の裏面に固定しており、
前記主天板(1)と前記折り畳み天板(2)とが同一平面に位置するように拡張される状態で、前記ストッパ(4)でもって前記折曲プレート(20)を前記固定プレート(10)に対して垂直姿勢に保持し、前記第1の折曲プレート(21)と第2の折曲プレート(22)とを同一平面に配置して、同一平面に配置される折曲プレート(20)でもって、第1の固定プレート(11)と第2の固定プレート(12)とを同一水平面内に固定して、折り畳み天板(2)を主天板(1)と同一水平面内に固定し、
さらに、前記折曲プレート(20)を前記固定プレート(10)と同一面とする姿勢で、前記折曲プレート(20)と前記固定プレート(10)とが折曲されて、前記折り畳み天板(2)を前記主天板(1)に対して折り畳みするようにしてなる天板。
【請求項2】
前記ストッパ(4)が、前記折曲プレート(20)を固定プレート(10)に対して垂直姿勢とする方向に付勢するスプリング(41)と、折曲プレート(20)を固定プレート(10)に対して垂直姿勢に停止するストッパ部(42)とを備えており、前記スプリング(41)でもって、前記折曲プレート(20)を前記固定プレート(10)に対して垂直姿勢とする方向に付勢して、ストッパ部(42)でもって前記折曲プレート(20)を前記固定プレート(10)に対して垂直姿勢に保持するようにしてなる請求項1に記載される天板。
【請求項3】
天板が、机の天板、テーブルの天板、作業台の天板のいずれかである請求項1に記載される天板。
【請求項4】
前記主天板(1)と前記折り畳み天板(2)の複数カ所に前記蝶番(3)を固定している請求項1に記載される天板。
【請求項5】
前記主天板(1)と前記折り畳み天板(2)の複数カ所に前記蝶番(3)を固定して、隣接する蝶番(3)の間にあって、主天板(1)と折り畳み天板(2)との対向する側面(1A)、(2A)の一方に嵌着凸部(7)を、他方には嵌着凸部(7)を案内する嵌着凹部(8)を設けており、折り畳み天板(2)を主天板(1)と同一面に位置する状態で、嵌着凸部(7)を嵌着凹部(8)に案内して折り畳み天板(2)を主天板(1)に連結するようにしてなる請求項4に記載される天板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−187716(P2010−187716A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32080(P2009−32080)
【出願日】平成21年2月14日(2009.2.14)
【出願人】(304020317)株式会社ジャパンニューファニチァ (7)
【Fターム(参考)】