説明

天然ガスからの炭化水素の生成

【解決手段】天然ガスから炭化水素を生成するための処理(10)であって、深冷分離段階(16)において、天然ガスを深冷分離して、少なくともメタン流および液体天然ガスを生成することと、改質段階(20)において、メタン流を改質して、少なくともCOおよびH2を含む合成ガスを生成することと、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階(22)において、COおよびH2の少なくとも一部を、炭化水素を含むフィッシャー・トロプシュ生成物に変換することと、を含む処理が開示されている。少なくともCOおよびH2を含むフィッシャー・トロプシュ排ガスと、メタンと、メタンよりも重質の炭化水素とが、フィッシャー・トロプシュ生成物分離段階(24)において、フィッシャー・トロプシュ生成物から分離される。フィッシャー・トロプシュ排ガスの少なくとも一部は、深冷分離段階(16)に再循環され、そこで、フィッシャー・トロプシュ排ガスは、2以上の流れに深冷分離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然ガスからの炭化水素の生成に関し、特に、天然ガスから炭化水素を生成するための処理に関する。
【発明の開示】
【0002】
本発明によると、天然ガスから炭化水素を生成するための処理であって、
深冷分離段階において、天然ガスを深冷分離して、少なくともメタン流および液体天然ガスを生成することと、
改質段階において、メタン流を改質して、少なくともCOおよびH2を含む合成ガスを生成することと、
フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階において、COおよびH2の少なくとも一部を、炭化水素を含むフィッシャー・トロプシュ生成物に変換することと、
フィッシャー・トロプシュ生成物分離段階において、少なくともCOおよびH2を含むフィッシャー・トロプシュ排ガスと、メタンと、メタンよりも重質の炭化水素とを、フィッシャー・トロプシュ生成物から分離することと、
フィッシャー・トロプシュ排ガスの少なくとも一部を深冷分離段階に再循環させることと、
を含み、
フィッシャー・トロプシュ排ガスは、2以上の流れに深冷分離される、処理が提供されている。
【0003】
本明細書では、「天然ガス」という用語は、原油に関連して、または、原油に関連なく発見される地中ガスであって、主成分としてのCH4と、その他の炭化水素と、場合によって、さらに、窒素、二酸化炭素、および、硫黄含有化合物などの非炭化水素とを含む、地中ガスを含むよう意図されている。
【0004】
本発明の処理は、通例、液体および/または気体のフィッシャー・トロプシュ炭化水素生成物と、他のガスおよび蒸気とを、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階から回収することと、フィッシャー・トロプシュ生成物分離段階において、ガスおよび蒸気を冷却して、その中に存在する液体炭化水素および水を凝縮させると共にフィッシャー・トロプシュ排ガスを生成することと、を含み、フィッシャー・トロプシュ排ガスは、未反応の水素と一酸化炭素と軽質オレフィンとを含む。通例、凝縮された液体炭化水素と、反応水と、排ガスとは、分離容器で分離されて、そこから回収される。分離容器は、三相分離容器である。
【0005】
フィッシャー・トロプシュ排ガスは、H2リッチ流を生成するために、深冷分離されてよい。深冷分離段階からのH2リッチ流は、COを含んでよい。
【0006】
深冷分離段階は、さらに、不活性物質流を生成してよく、不活性物質流は、パージされる。不活性物質流は、通例、窒素とアルゴンとを含む。一部の実施形態では、不活性物質流をパージする前に不活性物質流から、アルゴンが回収されてもよい。
【0007】
深冷分離段階は、エチレン生成物流、プロピレン生成物流、ブチレン生成物流、ペンテン/ペンタンおよびより重質のアルケン/アルカン(ナフサ)流、ならびに、軽質パラフィン流、の内の1または複数を生成してよい。その代わりに、または、それに加えて、深冷分離段階は、エチレンおよびエタンの両方を含む混合C2生成物流、プロピレンおよびその他のC3の両方を含む混合C3生成物流、ブチレンおよびその他のC4の両方を含む混合C4生成物流、ならびに、ナフサ生成物流、の内の1または複数を生成してよい。
【0008】
本発明の処理は、深冷分離段階で天然ガスを深冷分離する前に天然ガスを前処理することを含んでもよい。天然ガスの前処理は、乾燥段階で天然ガスを乾燥させることを含んでよい。通例、これは、天然ガスを冷却して、水を凝縮させた後に、天然ガスを温度スイング吸着サイクルの分子篩に通すことを含む。
【0009】
天然ガスの前処理は、さらに、CO2除去段階において、天然ガスからCO2を除去することを含んでもよい。CO2は、低温のメタノール(いわゆる、Recticol処理)、炭酸カリウム(いわゆる、ベンフィールド溶液)、または、アミン吸収溶液、もしくは、それらの組み合わせ、を用いて除去されてよい。あるいは、CO2は、部分的に、膜技術、または、吸着技術(例えば、圧力スイング吸着法)を用いて、必要なレベルまで除去されてもよい。
【0010】
深冷分離段階は、複数の分離装置または工程を含んでよく、天然ガスおよびフィッシャー・トロプシュ排ガスは、別個に、深冷分離段階に供給されてよい。したがって、天然ガスおよびフィッシャー・トロプシュ排ガスは、深冷分離段階において、第1の分離装置または工程として、異なる分離装置または工程を受けるように、異なる分離装置または工程に供給されてよい。天然ガスおよびフィッシャー・トロプシュ排ガスを別個に供給することが好ましいが、一部の実施形態では、天然ガスおよびフィッシャー・トロプシュ排ガスが、混合されて、混合されたガスが、深冷分離段階に供給されてもよい。
【0011】
深冷分離段階は、プロピレン、プロパン、エチレン、エタン、メタン、および/または、これら軽質ガスのいずれかを含むガス混合物、から選択された軽質ガスを利用した冷却サイクルを用いる分離装置または工程を含んでよい。
【0012】
深冷分離段階は、メタン洗浄装置すなわちカラムを備えてよく、冷却された天然ガスが、十分に高圧および低温である場合に、メタン洗浄装置すなわちカラムにおいて環流として機能することにより、深冷分離段階における別個または一体的なメタン冷却サイクルの必要性が、排除または低減される。
【0013】
本発明の処理は、通例、改質段階のための酸素を生成するために、空気分離段階を備える。空気分離段階から窒素流は、深冷分離段階における冷却電力を低減するため、すなわち、深冷分離段階における冷却作業の一部を満たすために、深冷分離段階で利用されてよく、そうすれば有利である。
【0014】
通例、深冷分離段階において、メタン流がさらなる脱硫を必要としなくてよいように、天然ガス中に存在する任意の硫黄種の少なくとも一部が除去される。ただし、本発明の処理は、天然ガスの流入と、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階との間、通例は、深冷分離段階と改質段階との間に、硫黄除去段階を備えてよい。硫黄除去段階は、有機硫黄種すべてをH2Sに変換するための水素化工程と、その後に、例えば、H2SをZnOと反応させることによってZnSおよび水蒸気を形成することでH2Sを除去する工程と、を含んでよい。かかる水素化工程は、通例、少量の水素リッチ供給を必要とする。
【0015】
改質段階は、自己熱改質段階、部分酸化段階、または、自己熱改質段階からのガスを熱交換改質段階での加熱ガスとして利用する自己熱改質段階および熱交換改質段階の組み合わせ、であってもよいし、含むものであってもよい。熱交換改質段階は、通例、蒸気改質段階であり、加熱ガスが、熱交換改質段階で起きる吸熱蒸気改質反応を維持するために必要なエネルギを供給する。
【0016】
本発明の処理は、改質段階からの合成ガスの組成を調整することを含んでよい。したがって、本発明の処理は、特に部分酸化改質を実行する場合に、合成ガスの少なくとも一部に施されることで水性ガスシフト反応により合成ガスのH2濃度を上昇させる水性ガスシフト段階を含んでよい。
【0017】
フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階は、流動床炉、管状の固定床炉、スラリ床炉、または、沸騰床炉など、1または複数の適切な反応炉を含んでよい。それは、さらに、異なる条件下で動作する複数の反応炉を含んでよい。反応炉内の圧力は、1バールないし100バールの間であってよく、温度は、160℃ないし380℃の間であってよい。したがって、反応炉は、フィッシャー・トロプシュ触媒を含み、その触媒は、微粒子の形態である。触媒は、活性触媒成分として、Co、Fe、Ni、Ru、Re、および/または、Rhを含んでよい。触媒は、アルカリ金属、V、Cr、Pt、Pd、La、Re、Rh、Ru、Th、Mn、Cu、Mg、K、Na、Ca、Ba、Zn、および、Zr、から選択された1または複数の促進剤によって促進されてよい。触媒は、担持触媒であってよく、その場合、活性触媒成分(例えば、Co)は、Al23、TiO2、SiO2、ZnO、または、それらの組み合わせなどの適切な担体に担持される。
【0018】
フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階は、1または複数の低温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉、および/または、1または複数の高温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉を含んでよい。フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉は、Fe系触媒を用いることが好ましく、それにより、コバルト系触媒など他のフィッシャー・トロプシュ触媒よりも高いオレフィン含有量のフィッシャー・トロプシュ排ガスを生成する。同じ理由から、高温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉を用いることも好ましい。
【0019】
フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階が、低温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉を含む場合、その反応炉は、280℃未満の温度、通例は160℃ないし280℃の間の温度、好ましくは、220℃ないし260℃の間の温度(例えば、250℃)で動作してよい。したがって、その反応炉は、連鎖成長の高い、通例はスラリ床型の反応炉であってよく、10ないし50バールの範囲の所定の動作圧力で動作する。
【0020】
フィッシャー・トロプシュ合成段階が、Fe系触媒を利用した低温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉を含む場合、かかる反応炉への供給ガスのH2:COの比は、0.4ないし2.0の範囲であって、0.7ないし1.6の範囲であることが好ましい。
【0021】
フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階が、高温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉を含む場合、その反応炉は、少なくとも320℃の温度、通例は320℃ないし380℃の間の温度(例えば、350℃)、かつ、10ないし50バールの範囲の所定の動作圧力で動作してよい。したがって、その反応炉は、連鎖成長の低い反応炉、通例は、二相流動床炉であってよい。
【0022】
フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階が、Fe系触媒を利用した高温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉を含む場合、かかる反応炉に供給される合成ガスRibblet数は、0.8ないし1.1の範囲であって、0.95ないし1.05の範囲であることが好ましい。ここで、Ribblet数とは、
[H2]/(2[CO]+3[CO2])
である。
【0023】
本発明の処理は、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階の下流の水性ガスシフト段階において、フィッシャー・トロプシュ排ガス中のCOをCO2に変換することと、深冷分離段階からH2リッチ流で回収されうるさらなるH2を生成することと、を含んでよい。
【0024】
本発明の処理は、深冷分離段階からのH2リッチ流を用いて、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階の1または複数のフィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉に供給される合成ガスの組成を調整するため、例えば、合成ガスのRibblet数またはH2:CO比を上げるように調整することを含んでよい。
【0025】
その代わりに、または、それに加えて、本発明の処理は、改質ガスからの合成ガスの組成を調整するために、改質段階の下流の水性ガスシフト段階において、改質段階からの合成ガスの少なくとも一部の中のCOをCO2に変換し、H2を生成して、随意的にCO2を除去することを含んでよい。
【0026】
本発明の処理は、フィッシャー・トロプシュ生成物が仕上げられる生成物仕上げ段階を含んでよく、深冷分離段階からのH2リッチ流の一部は、水素化のために生成物仕上げ段階に供給される。
【0027】
本発明の処理は、CO2除去段階において、フィッシャー・トロプシュ排ガスが深冷分離段階に再循環される前に、フィッシャー・トロプシュ排ガスからCO2を除去することを含んでよい。CO2は、上述の技術を用いて、CO2除去段階において除去されてよい。
【0028】
深冷分離段階からの軽質パラフィン流は、エチレンおよびプロピレンを生成するために、例えば、蒸気分解装置において分解されてよく、未変換すなわち未分解の軽質パラフィンと、生成物すなわちエチレンおよびプロピレンとは、深冷分離段階で分離されてよい。
【0029】
本発明の処理は、生成物仕上げ段階においてLPG流を生成することと、LPG流を軽質パラフィン流と一緒に分解することと、を含んでよい。
【0030】
本発明の処理は、さらに、ナフサ分解装置を用いて、深冷分離段階および/または生成物仕上げ段階からのナフサを分解してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下では、天然ガスから炭化水素を生成するための本発明に従った処理を図示する1つの添付図面を参照しつつ、一例として、本発明について説明する。
【0032】
図によると、符号10は、一般に、天然ガスまたはその付随ガスなどから炭化水素を生成するための本発明に従った処理を示す。処理10は、概して、CO2除去段階12と、脱水段階14と、深冷分離段階16と、硫黄除去段階18と、改質段階20と、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22と、フィッシャー・トロプシュ生成物分離段階24と、水性ガスシフト段階26と、さらなるCO2除去段階28と、さらなる脱水段階30と、空気分離段階32と、生成物仕上げ段階34と、を含む。
【0033】
天然ガス供給ライン36が、CO2除去段階12に通じて、そこから脱水段階14に至り、さらに、深冷分離段階16に入っている。図に示した本発明の実施形態では、メタン流ライン38、複数のオレフィン生成物(エチレン、プロピレン、ブチレン)ライン52、ナフサ生成物ライン53、LPGライン54、不活性物質ライン56、および、H2リッチ流ライン46が、すべて、深冷分離段階16から出ている。
【0034】
メタン流ライン38は、硫黄除去段階18を通って改質段階20に至る。改質段階20からは、合成ガスライン40が、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22に通じており、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22から、フィッシャー・トロプシュ生成物ライン42が、フィッシャー・トロプシュ生成物分離段階24に通じている。
【0035】
フィッシャー・トロプシュ排ガスライン44が、フィッシャー・トロプシュ生成物分離段階24から水性ガスシフト段階26に通じており、そこから、フィッシャー・トロプシュ排ガス再循環ライン48が分岐して、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22に戻っている。深冷分離段階16からのH2リッチ流ライン46は、炭化水素合成段階22と、生成物仕上げ段階34と、硫黄除去段階と、に通じている。始動H2ライン47が、H2リッチ流ライン46の分岐ラインに接続し、硫黄除去段階18への供給を行っている。
【0036】
水性ガスシフト段階26から、フィッシャー・トロプシュ排ガスライン44は、CO2除去段階28に通じており、さらに、そこから脱水段階30を介して深冷分離段階16に至っている。
【0037】
液体炭化水素生成物ライン64が、フィッシャー・トロプシュ生成物分離段階24から、さらに、フィッシャー・トロプシュ合成段階22が低温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉を備える場合にはフィッシャー・トロプシュ合成段階22から、生成物検査段階34に通じており、そこからは、ディーゼル生成物ライン66、ナフサ生成物ライン68、および、LPG生成物ライン70が出ている。
【0038】
空気ライン58が、空気分離段階32に通じている。酸素ライン60が、空気分離段階32から改質段階20に通じている。また、窒素ライン62が、空気分離段階32から出ている。
【0039】
水ライン50が、それぞれ、脱水段階14および30と、フィッシャー・トロプシュ生成物分離段階24と、から出ている。
【0040】
CO2除去ライン72が、それぞれ、CO2除去段階12と、CO2除去段階28と、から出ている。
【0041】
処理10は、天然ガスを有益な炭化水素に変換するために利用される。天然ガスは、主に、メタンから成るが、通例は、より重質な炭化水素、水、CO2、窒素、および、硫黄含有化合物も含む。天然ガスは、天然ガス供給ライン36によってCO2除去段階12に供給され、そこで、天然ガスからCO2が除去される。CO2濃度によっては、CO2除去段階12は省略されてもよい。CO2除去段階12は、通例、低温のメタノールを利用した吸収処理、炭酸カリウムまたはアミンによる吸収、もしくは、それらの組み合わせ、を用いる。あるいは、膜技術のみ、または、吸着技術(例えば、圧力スイング吸着法)を用いて、CO2を所望のレベルまで除去することが好ましい場合もある。除去されたCO2は、CO2除去ラインによってCO2除去段階12から回収される。
【0042】
次いで、天然ガスは、脱水段階14において脱水すなわち乾燥される。乾燥は、通例、天然ガスを冷却して、水を凝縮させた後に、天然ガスを温度スイング吸着サイクルの分子篩に通すことによって実現される。
【0043】
乾燥した天然ガスは、深冷分離段階16に供給される。深冷分離段階16は、通例、プロピレン、プロパン、エチレン、エタン、メタン、および/または、これらの軽質ガスの内の一部を含むガス混合物から選択された軽質ガスを低温で利用した冷却サイクルを用いて、天然ガスを冷却して複数の流れに分離する。図に示した本発明の実施形態では、深冷分離段階は、メタン流ライン38によって除去されたメタン流、オレフィン生成物ライン52によって除去されたオレフィン生成物、LPGライン54によって除去されたLPG生成物、ナフサライン53によって除去されたナフサ生成物、および、H2リッチ流ライン46によって除去されたH2リッチ流、を生成する。不活性物質(通例は、窒素およびアルゴン)は、不活性物質ライン56によってパージされる。一部の実施形態では、パージの前に不活性物質から、アルゴンが回収されてもよい。
【0044】
本発明の好ましい実施形態では、天然ガス(通例、冷却後で高圧になっている)は、深冷分離段階16の一部を形成するメタン洗浄カラムにおいて効果的な環流として機能する。メタン洗浄カラムで天然ガスを環流として利用すると、深冷分離段階16における別個または一体的なメタン冷却サイクルの必要性が、排除または低減される。
【0045】
深冷分離段階16からのメタンは、さらなる処理に向けて、効率的に硫黄種を除去されてよい。しかしながら、必要であれば、処理10で示すように、メタンは、硫黄除去段階18でさらに精製されてよい。通例、硫黄除去段階18は、350ないし380℃で通例実行される水素化工程と、それに続くH2S除去工程とを含み、水素化工程において有機硫黄種すべてをH2Sに変換した後に、H2S除去工程において、H2SをZnOと反応させて固体ZnSおよび水を形成する。その時、固体ZnSは、時々、ZnOに置き換えられる。処理10の継続動作中に、水素リッチ流ライン46は、水素化工程に必要なH2を供給する。始動状態では、水素化工程に必要なH2は、始動水素ライン47から供給されてよい。通例、始動水素ライン47は、小型の始動H2生成装置(図示せず)から供給を受ける。
【0046】
脱硫されたメタンは、メタン流ライン38によって改質段階20に供給される。改質段階20は、自己熱改質、部分酸化改質、または、自己熱改質および熱交換改質の組み合わせなど、従来の改質技術を利用した従来の改質段階である。自己熱改質および熱交換改質の組み合わせを用いる場合、自己熱改質段階から出たガスは、熱交換改質段階の加熱ガスとして利用される。熱交換改質段階は、通例、蒸気改質段階であり、加熱ガスが、熱交換改質段階で起きる吸熱蒸気改質反応を維持するために必要なエネルギを供給する。空気供給ライン58によって、空気が、空気分離段階32に供給され、そこで、空気は、圧縮されて酸素と窒素とに深冷分離される。窒素は、窒素ライン62によって除去され、深冷分離段階16での冷却作業の少なくとも一部を満たすために用いられてよい。酸素は、酸素ライン60によって改質段階20に供給される。
【0047】
改質段階20において、メタンは改質され、通例少なくともCH4、CO、CO2、H2O、およびH2を含む合成ガスを提供する。通常、酸素対メタンの比を用いて、改質段階20での温度を制御し、すすの発生を防止する。
【0048】
改質段階20からの合成ガスは、合成ガスライン40によってフィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22に供給される。フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22は、Fe系触媒を用いる1または複数の高温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉を含むことが好ましい。フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階が、高温Fe系フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉を含む場合、かかる反応炉に供給される合成ガスのRibblet数は、0.8ないし1.1の範囲であって、0.95ないし1.05の範囲であることが好ましい。フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階が、1または複数の低温Fe系フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉を含む場合には、かかる反応炉に供給される合成ガスのH2:COの比は、0.4ないし2.0の範囲であって、0.7ないし1.6の範囲であることが好ましい。改質段階20で自己熱改質を行う場合、これは、自己熱改質処理のための蒸気対炭素の比と、自己熱改質処理の出口温度とを、正確に選択することによって実現されてよい。部分酸化改質を用いる場合には、通例、改質段階20からの合成ガスの少なくとも一部に水性ガスシフトを用いて、H2:COの比を増大させ、その後にCO2の除去(図示せず)を行う必要がある。
【0049】
フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22において、合成ガスは、部分的に炭化水素に変換される。フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階の動作は、一般に、周知であるため、これ以上詳細には説明しない。
【0050】
フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22からのフィッシャー・トロプシュ生成物の少なくとも一部は、フィッシャー・トロプシュ生成物ライン42によって除去され、フィッシャー・トロプシュ生成物分離段階24に供給されて、そこで、フィッシャー・トロプシュ生成物は、冷却され、三相分離器を用いて分離される。フィッシャー・トロプシュ分離段階24からの液体炭化水素生成物と、場合によっては、さらに、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22からの液体炭化水素生成物とは、液体炭化水素生成物ライン64によって除去されて、生成物検査段階34に供給される。水(反応水)は、水ライン50によってフィッシャー・トロプシュ生成物分離段階24から回収される。
【0051】
フィッシャー・トロプシュ生成物分離段階24は、通例、未反応のH2、CO、および、CO2を含むフィッシャー・トロプシュ排ガスを生成する。フィッシャー・トロプシュ排ガスは、フィッシャー・トロプシュ排ガスライン44によって水性ガスシフト段階26に供給される。ただし、フィッシャー・トロプシュ排ガスの一部は、フィッシャー・トロプシュ排ガス再循環ライン48によってフィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22に再循環される。深冷分離段階16からの水素は、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22のフィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉に供給される合成ガスを水素リッチにするために、H2リッチ流ライン46によって供給されてよく、それにより、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉に供給される合成ガスについて、Riblett数またはH2:CO比が、確実に上述の範囲内になる。当業者に周知のように、促進された鉄フィッシャー・トロプシュ触媒を用いたフィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階には、COおよびH2のパス当たりの変換量が増大するにつれ、反応段階の生産性が急激に低下するという問題がある。これは、特に、低温フィッシャー・トロプシュ合成の場合に当てはまる。そのため、COおよびH2のパス当たりの変換を十分に低く維持すると同時に、COおよびH2の許容可能な全変換量を保証するために、フィッシャー・トロプシュ排ガスの再循環を用いてよい。
【0052】
水性ガスシフト反応段階26では、フィッシャー・トロプシュ排ガス内のCOの全部または一部が、COおよびH2Oの間の周知の水性ガスシフト反応によってCO2に変換され、H2およびCO2を生成する。フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22で高温フィッシャー・トロプシュ炉が用いられる場合には、水性ガスシフト反応段階26は、省略されてもよい。次いで、フィッシャー・トロプシュ排ガスは、CO2除去段階28に供給され、そこで、CO2除去ライン72によって、CO2の少なくとも一部が除去される。CO2除去段階28は、CO2除去段階12と同様に動作されてよいが、大量のCO2が処理されることを考慮して、CO2除去段階28は、通例、吸収処理を用いる。次いで、CO2除去段階28からのフィッシャー・トロプシュ排ガスは、脱水段階30に供給されて冷却され、凝縮した水が、フィッシャー・トロプシュ排ガスから分離され、水ライン50によって除去される。次に、乾燥されたフィッシャー・トロプシュ排ガスは、深冷分離段階16に再循環される。
【0053】
生成物仕上げ段階34は、フィッシャー・トロプシュ生成物分離段階24、および、場合によっては、さらに、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22、から生じた液体炭化水素生成物から、ディーゼル、ナフサ、および、LPGを生成するために用いられる。深冷分離段階16からの水素は、水素化のために、H2リッチ流ライン46によって生成物仕上げ段階34に供給される。図の実施形態では、深冷分離段階16からの水素は、生成物仕上げ段階34で直接用いられるのに十分なほど純粋なものである。そうでない場合には、生成物仕上げ段階34に供給される水素のみをさらに精製する必要がある。かかる精製は、例えば、圧力スイング吸着サイクルで吸着剤を用いて行われてよい。
【0054】
深冷分離段階16によって生成されたオレフィン生成物は、通例、エチレン生成物と、プロピレン生成物と、ブチレン生成物とを含む。深冷分離段階16によって生成されたナフサ生成物は、通例、ペンテン/ペンタンと、重質のアルケン/アルカンとを含む。深冷分離段階16によって生成されLPGライン54によって除去されたLPGは、通例、軽質パラフィンを含み、燃料ガスとして利用されたり、LPG生成物として販売されたりしてよく、あるいは、エチレンおよびプロピレンへの変換のための随意的な蒸気分解に供されてもよい。かかる蒸気分解装置からの生成物流および未反応の反応物質は、分離のために、深冷分離段階16に戻されてよい。異なる軽質パラフィンの留分は、一緒に処理されてもよいし、C2、C3などの留分に分離された後に処理されてもよい。
【0055】
生成物仕上げ段階34からのLPGは、深冷分離段階16からのLPGを分解するために用いられる蒸気分解装置に供給されてもよく、そうすれば有利である。このように、深冷分離段階16のスケールメリットを増大できる。また、ナフサ分解装置が用いられてもよく、同様の効果を奏する。
【0056】
フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階22が、低温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階である場合には、膜技術または圧力スイング吸着技術を用いて生成物の生成のために、さらなるH2を回収する必要がある。
【0057】
上述したように、処理10は、驚くほど多くの利点を提供する。低温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉を用いたフィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階からの排ガス中のオレフィンの量は、通常、あまりに少ないため、深冷分離の資本コストが高すぎて、回収に見合わない。本発明の処理10において、低温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成を用いると、フィッシャー・トロプシュ排ガスから、経済的にオレフィンを回収することができる。良好なスケールメリットが、深冷分離と、C2ないしC4炭化水素すなわちオレフィンとに対して実現される。H2、CO、不活性物質、および、軽質炭化水素がフィッシャー・トロプシュ排ガスから除去されて、メタンだけが合成ガスの生産のために深冷分離段階16に再循環されることを考慮すると、事前改質が必要になる前に、メタン流(より重質の炭化水素を含まない)をより高温に予熱できるため、合成ガスの生産のための必要資本および操業コストが低減される。より高い予熱温度を用いることで、改質工程の熱効率および炭素利用効率が向上する。変換されれば燃料ガスとして機能したはずのパージされた未変換の反応物質は、回収されて、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階に再循環される。これにより、より少ない貴重な天然ガスまたはコンデンセートを燃料として利用できるようになる。フィッシャー・トロプシュ排ガスループにおいて、不活性物質の濃度の低減が可能であり、その結果、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階のための内部の再循環率を高くなることで、設備の利用効率が高くなると共に、潜在的に全体の変換が向上される。天然ガス中に存在する特定の硫黄種によっては、深冷分離段階16は、硫黄種の大部分を除去することで、改質段階の上流で硫黄を除去する必要性を低減、さらに、場合によっては、Fe触媒によるフィッシャー・トロプシュ処理、特に、高温フィッシャー・トロプシュ、の場合のさらなる硫黄除去の必要性を排除してよい。発明者は、最も揮発性の高い硫黄種(すなわち、H2S)でも、深冷分離段階において非常に低いレベルまで除去することが可能であり、それによって、改質段階の上流の硫黄除去段階の必要性が完全になくなると考える。これは、始動水素供給装置すなわち供給源の必要性を低減するという利点も有する。硫黄種のいずれもがH2リッチ流に含まれないことにより、フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階に供給されるH2リッチ流から硫黄を除去する必要がなくなるため、有利である。不活性物質が効果的にメタン流から除去されるため、改質段階20において、純度の低い酸素を許容できる。合成ガスの生成において、改質段階20への供給物にC2+炭化水素が含まれない場合には、必要な酸素が少ないため、与えられた酸素プラントのサイズに対して、より大きい全体のプラントサイズを実現できる。COおよびメタンは、密閉状態で沸騰する。水性ガスシフト反応段階26において、フィッシャー・トロプシュ排ガス中のCOの全部または一部をCO2に変換することは、深冷分離段階16でメタンおよびCOを分離する必要性を排除または低減するという利点を有する。
【0058】
深冷分離は、冷却サイクルを駆動するために大量の電力を必要とする。ストランデッドガスを利用したフィッシャー・トロプシュ処理は、輸出のための余剰の出力を生成できるが、通常は、余剰な出力の市場がない。大規模な深冷分離段階と、フィッシャー・トロプシュ炭化水素段階とを組み合わせることにより、これら2つの特徴を利用して、利用可能な出力を有効に消費できる。
【0059】
再循環および改質する代わりに、実質的にすべてのフィッシャー・トロプシュC2+炭化水素生成物を回収できるため、上述したように、処理10は、他のフィッシャー・トロプシュ処理に比べて、発明者が気付いたように、全体的に高い炭素利用効率および熱効率を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ガスから炭化水素を生成するための処理であって、
深冷分離段階において、前記天然ガスを深冷分離して、少なくともメタン流および液体天然ガスを生成することと、
改質段階において、前記メタン流を改質して、少なくともCOおよびH2を含む合成ガスを生成することと、
フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階において、前記COおよびH2の少なくとも一部を、炭化水素を含むフィッシャー・トロプシュ生成物に変換することと、
フィッシャー・トロプシュ生成物分離段階において、少なくともCOおよびH2を含むフィッシャー・トロプシュ排ガスと、メタンと、メタンよりも重質の炭化水素とを、前記フィッシャー・トロプシュ生成物から分離することと、
前記フィッシャー・トロプシュ排ガスの少なくとも一部を前記深冷分離段階に再循環させることと、
を含み、
前記フィッシャー・トロプシュ排ガスは、2以上の流れに深冷分離される、処理。
【請求項2】
請求項1に記載の処理であって、液体および/または気体のフィッシャー・トロプシュ炭化水素生成物と、他のガスおよび蒸気とを、前記フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階から回収することと、前記フィッシャー・トロプシュ生成物分離段階において、前記ガスおよび蒸気を冷却して、その中に存在する液体炭化水素および水を凝縮させると共に前記フィッシャー・トロプシュ排ガスを生成することと、を含み、前記フィッシャー・トロプシュ排ガスは、未反応の水素と一酸化炭素と軽質オレフィンとを含む、処理。
【請求項3】
請求項1または2に記載の処理であって、前記フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階は、1または複数の低温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉、および/または、1または複数の高温フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉を含む、処理。
【請求項4】
請求項3に記載の処理であって、前記フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階は、Fe系触媒を用いる、処理。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の処理であって、前記フィッシャー・トロプシュ排ガスは、深冷分離されて、H2リッチ流を生成する、処理。
【請求項6】
請求項5に記載の処理であって、前記フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階の下流の水性ガスシフト段階において、前記フィッシャー・トロプシュ排ガス中のCOをCO2に変換することと、前記深冷分離段階から前記H2リッチ流で回収されるさらなるH2を生成することと、を含む、処理。
【請求項7】
請求項5または6に記載の処理であって、前記深冷分離段階からの前記H2リッチ流を用いて、前記フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成段階の前記1または複数のフィッシャー・トロプシュ炭化水素合成炉に供給される前記合成ガスの組成を調整することを含む、処理。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれかに記載の処理であって、前記フィッシャー・トロプシュ生成物が仕上げられる生成物仕上げ段階を含み、前記深冷分離段階からの前記H2リッチ流の一部は、水素化のために前記生成物仕上げ段階に供給される、処理。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の処理であって、CO2除去段階において、前記フィッシャー・トロプシュ排ガスが前記深冷分離段階に再循環される前に、前記フィッシャー・トロプシュ排ガスからCO2を除去することを含む、処理。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の処理であって、前記深冷分離段階は、不活性物質流を生成し、前記不活性物質流はパージされる、処理。
【請求項11】
請求項10に記載の処理であって、前記不活性物質流をパージする前に、前記不活性物質流から、アルゴンが回収される、処理。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の処理であって、前記深冷分離段階は、エチレン生成物流、プロピレン生成物流、ブチレン生成物流、ペンテン/ペンタンおよびより重質のアルケン/アルカン(ナフサ)流、ならびに、軽質パラフィン流、の内の1または複数を生成する、処理。
【請求項13】
請求項12に記載の処理であって、前記深冷分離段階からの前記軽質パラフィン流は、分解されて、エチレンおよびプロピレンを生成し、未変換すなわち未分解の軽質パラフィンと、生成物すなわちエチレンおよびプロピレンとは、前記深冷分離段階で分離される、処理。
【請求項14】
請求項13に記載の処理であって、生成物仕上げ段階を含み、前記生成物仕上げ段階では、LPG流が生成され、前記LPG流は、前記軽質パラフィン流と一緒に分解される、処理。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載の処理であって、前記深冷分離段階は、エチレンおよびエタンの両方を含む混合C2生成物流、プロピレンおよびその他のC3の両方を含む混合C3生成物流、ブチレンおよびその他のC4の両方を含む混合C4生成物流、ならびに、ナフサ生成物流、の内の1または複数を生成する、処理。
【請求項16】
請求項5ないし8のいずれかに記載の処理であって、前記深冷分離段階からの前記H2リッチ流は、COを含む、処理。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれかに記載の処理であって、前記深冷分離段階は、複数の分離装置または工程を含み、天然ガスと前記フィッシャー・トロプシュ排ガスとは、別個に、前記深冷分離段階に供給される、処理。
【請求項18】
請求項17に記載の処理であって、前記深冷分離段階は、プロピレン、プロパン、エチレン、エタン、メタン、および/または、これら軽質ガスのいずれかを含むガス混合物、から選択された軽質ガスを利用した冷却サイクルを用いる分離装置または工程を含む、処理。
【請求項19】
請求項17または18に記載の処理であって、前記深冷分離段階は、メタン洗浄装置すなわちカラムを備え、冷却された天然ガスが、前記メタン洗浄装置すなわちカラムにおいて環流として機能することにより、前記深冷分離段階における別個または一体的なメタン冷却サイクルの必要性が、排除または低減される、処理。
【請求項20】
請求項1ないし19のいずれかに記載の処理であって、前記メタン流が、さらなる脱硫を必要としないように、前記天然ガス中に存在する任意の硫黄種の少なくとも一部が、前記深冷分離段階で除去される、処理。
【請求項21】
請求項15または17に記載の処理であって、ナフサ分解装置を用いて、前記深冷分離段階および/または前記生成物仕上げ段階からのナフサを分解する、処理。

【図1】
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【公表番号】特表2009−519371(P2009−519371A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545221(P2008−545221)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054768
【国際公開番号】WO2007/069197
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(508179372)サソル・テクノロジー・(プロプライアタリー)・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SASOL TECHNOLOGY(PROPRIETARY) LIMITED
【Fターム(参考)】