説明

天然型L−システインまたはその誘導体を用いたホタル発光基質の生合成システム及び本システムを含んだ発光基質溶液

【課題】ホタルルシフェラーゼの発光を、天然型L-システインをベースに反応溶液内で直接合成する。
【解決手段】(1) L−ホタルルシフェリンまたはその誘導体のエステル、および(2) L−ホタルルシフェリンまたはその誘導体のチオエステル、からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むL−ホタルルシフェリン原料をエステラーゼと反応させることを特徴とするD−ホタルルシフェリンまたはその発光性誘導体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,哺乳類の遺伝子発現を検出するレポーター遺伝子として有用な発光甲虫ルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼ、鉄道虫ルシフェラーゼ、ヒカリコメツキルシフェラーゼ、イリオモテボタルルシフェラーゼ)の発光基質を応用範囲の広い天然型L-システインをベースに反応溶液内で直接合成、より簡便且つ容易に安定な基質を得る方法並びにシステイン、ATP、遺伝子発現の測定法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光甲虫の発光基質はキノン類及びD-システインを出発物質とする化合物ルシフェリンである(White E. H., McCapra F., Fireld G. and McElroy W. D. (1961) J. Amer. Chem. Soc., 83, 2402-2403;非特許文献1)
。これまで、ホタル生体内に注入した標識化合物の取り込み実験から、キノンやハイドロキノンがルシフェリンに取り込まれる事を証明しキノン類が出発物質となることを(Okada, K., Ito H. & Goto T. (1976) J. C. S. Chem. Comm., 32;非特許文献2)、また、ルシフェリン→オキシルシフェリン→2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール→ルシフェリン再生経路が考えられている(Okada, K., Ito H., Kubota I. & Goto T. (1974) Tetrahedron Letters, 15, 2771-2774;非特許文献3)。一方ルシフェリンの2’Cはシステインのα位由来であると予想されている(McCapra, F. & Razavi, Z. (1976) J. C. S. Chem. Comm., 153-154;非特許文献4)。それらを踏まえ、図1にこれまでの知見をまとめてみる。ホタル体内中で確認された合成経路にある物質群はキノン()、2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール()、D-ホタルルシフェリン()そしてオキシルシフェリン()である。これらの点を結ぶ仕事が重要であるが、直接的な研究は進んでいない。その中でも原材料をに想定した時、始めに生じる反応Aにおいてシステイン()或いはシステイニルシステイン()が反応する。次は反応BCが想定できる。反応Bでは内部にベンゾチアゾール環を作る(1112)か、反応Cではチアゾリン環を作る(10)ことが想定され、さらに反応Bから反応Cが、或いは反応Cから反応Bが代謝経路となり、続いてホタルルシフェリン()が生合成される。従来、このスキームに従って、天然型に比べて高価なD-システイン()を基にホタルルシフェリンは合成されている。
【0003】
また、発光反応生成物であるオキシルシフェリン()を2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール()に変換する酵素が発見され(Gomi, K. & Kajiyama, N. (2001), J. Biol. Chem., 276, 36508-36513;非特許文献5、Gomi, K., Hirokawa, K., Kajiyama, N. (2002), Gene 294, 157-66;非特許文献6)、それを加えることで2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール(3)がD-システイン(6)と作用してルシフェリンを再生させ発光を持続させることが可能となった(特開2001-103972;特許文献1)。いずれにしても発光甲虫ルシフェラーゼの活性を測定するためにはD-ホタルルシフェリン()が必要であり、このD-ホタルルシフェリンを製造するためには天然型より高価なD-システイン()を使う必要がある。
【0004】
一方、天然型L-システインからL-ホタルルシフェリンは合成されるが発光甲虫ルシフェラーゼと反応させても光らない、更には合成したL-ホタルルシフェリンは光らない(White E. H.; McCapra F.; Fireld G. ; McElroy W. D. (1961).J. Amer. Chem. Soc., 83, 2402-2403;非特許文献7、E. H. White, F. McCapra and G. F. Field. (1963) J. Amer. Chem. Soc., 85, 337-343;非特許文献8)と報告された。しかし、近年、L-ホタルルシフェリンから光が生み出されたとの相反する実験結果が報告された(Lembert, N. (1996).Biochem. J., 317, 273-7;非特許文献9)。また、L-システイン から合成したL-ホタルルシフェリンはアデニル化ルシフェリンとなるが容易にラセミ化されたとの報告(Imai, K.; Goto, T. (1988) Agric. Biol. Chem., 52, 2803-2809;非特許文献10)もあるが、L-システインをベースとしたホタル発光システムは充分に考察されておらず、定説はない。
【0005】
L-システインは生体内のタンパク構成アミノ酸であり、栄養学的な非必須アミノ酸である。ホモシスチン尿症等ではホモシステインがセリンと反応してシステインになれない、或いはシスチン尿症ではシステイン輸送の障害であるなど、体内のL-システインを測定すること、また、尿中のシスチン量を測定することは重要である。これまでL−システインに反応してアンモニア、ピルビン酸及び硫化水素を生成する反応を触媒し、D−システイン、ホモシステインとは実質的に反応しないL−システイン分解酵素をピリドキサル−5’−リン酸の存在下において作用させ、生成されたいずれかの反応生成物を定量するL−システインの測定方法、及びL−システインに反応してアンモニア、ピルビン酸及び硫化水素を生成する反応を触媒し、D−システイン、ホモシステインとは実質的に反応しない酵素及びピリドキサル−5’−リン酸を含むL−システインの測定用試薬がある(特開2004−105057;特許文献2)。また、D-システインの特異的定量法としてD−システインをD−ルシフェリン前駆体(2-シアノ-6-ヒドロキシベンゾチアゾール、2-シアノ-6-O-β-D−ガラクトシルベンゾチアゾール等と反応させて、D−ルシフェリンまたはD−ルシフェリン誘導体を生成させる第1工程、生成したD−ルシフェリンまたはその誘導体の量を測定することにより、D−システイン量を測定する第2工程、を含むことを特徴とする方法がある(特開2000-275247;特許文献3)
【特許文献1】特開2001-103972
【特許文献2】特開2004−105057
【特許文献3】特許公開2000-275247
【非特許文献1】White E. H., McCapra F., Fireld G. and McElroy W. D. (1961) J. Amer. Chem. Soc., 83, 2402-2403
【非特許文献2】Okada, K., Ito H. & Goto T. (1976) J. C. S. Chem. Comm., 32
【非特許文献3】Okada, K., Ito H., Kubota I. & Goto T. (1974) Tetrahedron Letters, 15, 2771-2774
【非特許文献4】McCapra, F. & Razavi, Z. (1976) J. C. S. Chem. Comm., 153-154
【非特許文献5】Gomi, K. & Kajiyama, N. (2001), J. Biol. Chem., 276, 36508-36513
【非特許文献6】Gomi, K., Hirokawa, K., Kajiyama, N. (2002), Gene 294, 157-66
【非特許文献7】White E. H.; McCapra F.; Fireld G. ; McElroy W. D. (1961).J. Amer. Chem. Soc., 83, 2402-2403
【非特許文献8】E. H. White, F. McCapra and G. F. Field. (1963) J. Amer. Chem. Soc., 85, 337-343
【非特許文献9】Lembert, N. (1996).Biochem. J., 317, 273-7
【非特許文献10】Imai, K.; Goto, T. (1988) Agric. Biol. Chem., 52, 2803-2809
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、哺乳類の遺伝子発現を検出するレポーター遺伝子として有用なホタルルシフェラーゼの発光を、ホタル発光基質を直接用いることなく、応用範囲の広い天然型L-システインあるいはそれから誘導される物質をベースに反応溶液内で直接合成、より簡便且つ容易に安定な基質を得る方法並びにシステイン、シスチンを含むシステインから誘導される物質(システイン誘導体)、ATP、遺伝子発現の測定法の開発を目的とする。これにより、安価にホタルルシフェラーゼの活性を測る事、長時間に渡って安定な発光を制御する事、及びシステイン、シスチンを含むシステインから誘導される物質(システイン誘導体)やATPを定量することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は,上記課題を解決するため、ホタル発光基質の生合成経路を再確認、これまでと異なる発光基質合成経路の可能性を発見、発光基質D-ホタルルシフェリンがなくとも、天然型L-システインを出発物質として発光基質が生合成され、その経路に関わる物質群とホタルルシフェラーゼを加えることで発光することを見出したことから、安定に、簡便に、且つ短時間に発光基質を精製する方法を検討、併せて保存法を検討し、本発明の完成に至った。
【0008】
本発明は、以下のホタル発光基質の合成法、レポータアッセイ用の発光基質溶液及びATP、システインの測定法を提供するものである。
1. (1) L−ホタルルシフェリンまたはその誘導体のエステル、および(2) L−ホタルルシフェリンまたはその誘導体のチオエステル、からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むL−ホタルルシフェリン原料をエステラーゼと反応させることを特徴とするD−ホタルルシフェリンまたはその発光性誘導体の製造方法。
2. 前記L−ホタルルシフェリン原料が、L−ホタルルシフェリルCoAまたはそのラセミ体である請求項1に記載の方法。
3. 前記エステラーゼが哺乳動物由来のエステラーゼ、または昆虫由来のエステラーゼである請求項1に記載の方法。
4. 昆虫由来のエステラーゼがホタルエステラーゼである請求項3に記載の方法。
5. 補酵素A、ATPおよびMg2+の存在下でL−ホタルルシフェリンもしくはL−ホタルルシフェリン誘導体又はその供給源をルシフェラーゼと反応させてL−ホタルルシフェリルCoAを得、該L−ホタルルシフェリルCoAをエステラーゼと反応させることを特徴とするD−ホタルルシフェリンまたはその発光性誘導体の製造方法。
6. L−ホタルルシフェリンまたはその誘導体の供給源は、L−システイン或いはL−システイン誘導体と下記式(1)
【0009】
【化1】

(式中、Yは水酸基、アシルオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基または基
【0010】
【化2】

(Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す。)を示す。
【0011】
RはCNまたは基
【0012】
【化3】

(Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す。ZおよびZは、同一または異なって酸素原子(O)または硫黄原子(S)である。)を示す。)
の化合物から構成される請求項5に記載の方法。
7. L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、補酵素A、ATP,Mg2+、発光甲虫ルシフェラーゼ及びエステラーゼを含むホタルルシフェラーゼまたはその発光性誘導体の発光活性測定システム。
8. 下記式(1)
【0013】
【化4】

(式中、Yは水酸基、アシルオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基または基
【0014】
【化5】

(Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す。)を示す。
【0015】
RはCNまたは基
【0016】
【化6】

(Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す。ZおよびZは、同一または異なって酸素原子(O)または硫黄原子(S)である。)を示す。)
の化合物、補酵素A、 ATP、Mg2+、発光甲虫ルシフェラーゼ及びエステラーゼを含む反応系でD−ホタルルシフェリンまたはその発光性誘導体に由来する発光を測定することを特徴とするL−システイン又はその誘導体の定量方法。
9. L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、補酵素A、Mg2+、発光甲虫ルシフェラーゼ及びエステラーゼを含む反応系でD−ホタルルシフェリンまたはその発光性誘導体に由来する発光を測定することを特徴とするATPの定量方法。
10. L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、補酵素A、Mg2+、発光甲虫ルシフェラーゼ及びエステラーゼを含む反応系でD−ホタルルシフェリンまたはその発光性誘導体に由来する発光を測定することを特徴とする微生物の定量方法。
11. L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、補酵素A、 ATP、Mg2+及び発光甲虫ルシフェラーゼを含む反応系でD−ホタルルシフェリンに由来する発光を測定することを特徴とするエステラーゼの定量方法。
12. 下記式(1)
【0017】
【化7】

(式中、Yは水酸基、アシルオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基または基
【0018】
【化8】

(Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す。)を示す。
【0019】
RはCNまたは基
【0020】
【化9】

(Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す。ZおよびZは、同一または異なって酸素原子(O)または硫黄原子(S)である。)を示す。)
の化合物、発光甲虫ルシフェラーゼ、補酵素A、ATP、Mg2+及びエステラーゼを含むL−システイン又はその誘導体の定量キット。
13. L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、発光甲虫ルシフェラーゼ、エステラーゼ、補酵素AおよびMg2+を含むATPの定量キット。
14. L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、発光甲虫ルシフェラーゼ、補酵素A、Mg2+及びエステラーゼを含む微生物の定量キット。
15. L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、発光甲虫ルシフェラーゼ、補酵素A、 ATP及びMg2+を含むエステラーゼの定量キット。
【発明の効果】
【0021】
本発明は,L-システインを出発物質として発光可能なD-ホタルルシフェリンが合成される経路を見出し、これを利用した発光基質試薬、システイン定量試薬、エステラーゼ活性測定試薬等が構築できる。このことより、安価にホタルルシフェラーゼの活性を測ること、長時間に渡って安定な発光を制御すること、及びシステイン、シスチンやATPを定量することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
ホタル発光系は遺伝子発現解析を行うレポーター酵素(ホタルルシフェラーゼなどの発光甲虫ルシフェラーゼの定量)、反応の補因子であるATP量の測定、或いはATP量を指標にバクテリア等の菌検出等の産業用途に用いられ、多くの製品が生産されている。このホタル発光系の反応機構を見ると発光基質D-ホタルルシフェリンがATPと反応してアデニルルシフェリンとなり、続いて酸素と反応してオキシルシフェリンとなる時に光を発する。この時、触媒として反応を円滑に進めるのがホタルルシフェラーゼなどの発光甲虫ルシフェラーゼであり、さらにマグネシウムイオンが補因子として必要である。よって、発光反応を生み出す上で、必須な物質群はD-ホタルルシフェリン、ATP、マグネシウムイオンと発光甲虫ルシフェラーゼ(特にホタルルシフェラーゼ)である。また、この際、発光甲虫ルシフェラーゼはルシフェリンのキラリティを認識すると考えられ、非天然体L-ホタルルシフェリンでは光らず、D-ホタルルシフェリンでのみ発光すると考えられている。それ故、D-ホタルルシフェリンの生合成を考える時、この基質はD-システインから合成されると考えられていた(図1)。
【0023】
ところが、L-システインと2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾールを混合すれば発光活性のないL-ホタルルシフェリンが合成され、さらに、補酵素A、 ATP、Mgイオン及びチオエステル加水分解酵素を加えるとL-ルシフェリルCoAを経て発光可能なD-ホタルルシフェリンが合成されることを見出した。これにより、D-システイン(100%)を出発物質としない、つまり反応試薬内部含まれた天然型L-システインあるいはその一部がD-システインであるD-及びL-システインの混合物(特にラセミ体)から発光可能なD-ホタルルシフェリンを効率良く合成する系を突き止めた。
【0024】
本発明の1つの実施形態において、D−ホタルルシフェリンまたはその発光性誘導体の製造原料としては、L−ホタルルシフェリンまたはその誘導体のエステルおよびチオエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの原料は、(チオ)エステラーゼの作用により(チオ)エステルが加水分解され、この際に立体配置が反転し、D−ホタルルシフェリンまたはその発光性誘導体になる。
【0025】
L−ホタルルシフェリン誘導体としては、ベンゾチアゾール基の6位にアルコキシ、アシルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ置換基を有するものが挙げられる。
【0026】
L-ホタルルシフェリンもしくはその誘導体のエステルとしては、アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、n-プロピルエステル、イソプロピルエステル、t-ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステルなどのC〜Cの直鎖または分枝を有するアルキルエステル、ベンジルエステルなどのアラルキルエステル、フェニルエステルなどのアリールエステルなどが挙げられる。
【0027】
また、L-ホタルルシフェリンもしくはその誘導体のチオエステルとしては、(メチルチオエステル、エチルチオエステル、n-プロピルチオエステル、イソプロピルチオエステル、t-ブチルチオエステル、ペンチルチオエステル、ヘキシルチオエステルなどのC〜Cの直鎖または分枝を有するアルキルチオエステル、補酵素A(CoAまたはCoA−SHと略すことがある)或いはシステアミン、パントテン酸とシステアミンのアミド体などのSH基を有する補酵素Aの部分構造物のエステルなどが挙げられる。
D−ホタルルシフェリンの発光性誘導体としては、ベンゾチアゾール基の6位にアシルオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基または基:
【0028】
【化10】

(Rは前記に定義される通りである。)を有する誘導体が挙げられる。
【0029】
本発明の1つの実施形態において、L−ホタルルシフェリルCoAなどのL−ホタルルシフェリル(チオ)エステルは、エステラーゼを使用することで分解される際に、D-ホタルルシフェリンに変換される。
【0030】
L-ホタルルシフェリンをD-ホタルルシフェリンに変換するためには、L-ホタルルシフェリンのチオエステルを使用するのが好ましく、特に補酵素Aまたはシステアミンなどのチオエステル形成に関与する部分構造物のエステルを使用するのがより好ましい。
【0031】
L-ホタルルシフェリンのエステルを加水分解する酵素としては、エステラーゼとチオエステラーゼがいずれも使用できる。L-ホタルルシフェリンのエステルの加水分解には、エステラーゼとチオエステラーゼがいずれも使用できる。同様に、L-ホタルルシフェリンのチオエステルの加水分解にも、エステラーゼが使用できる。
【0032】
チオエステルを加水分解できるエステラーゼとしては、例えばブタ、ヒト、ウシ、ヒツジ、イヌ、サル、マウス、ラット、ハムスター、モルモットなどの哺乳動物由来のエステラーゼ、ホタル、ヒカリコメツキム、カイコなどの昆虫由来のエステラーゼが挙げられる。
【0033】
L-ホタルルシフェリンのCoAエステルをエステラーゼで加水分解するのが、ルシフェリンの立体配置の変換効率が高いために好ましい。
【0034】
L-ホタルルシフェリンのエステル及びチオエステルは、100%がL体であってもよく、その一部がD体(D-ホタルルシフェリン)であるD体とL体の混合物であってもよい。原料のエステル/チオエステルにおけるD体の混合割合は、通常50%以下であるが、50%を超えていてもよい。
【0035】
L−ホタルルシフェリンまたはその誘導体の供給源は、L−システイン或いはL−システイン誘導体と下記式(1)
【0036】
【化11】

(式中、YおよびRは前記に定義される通りである。)の化合物から構成される。
L−システイン誘導体としてL−システインエステル体(例えばアルキルエステル、アラルキルエステル、アリールエステルなど)が挙げられる。L−システインのアルキルエステル、アラルキルエステル、アリールエステルのアルキル基、アラルキル基、アリール基は、上記と同様のものが例示される。
【0037】
本発明において、アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシなどのC〜Cの直鎖または分枝を有するアルコキシ基が挙げられる。
【0038】
アシルオキシ基としては、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n-ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、sec-ブチリルオキシ、tert-ブチリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、ピバロイルオキシ、グリコリルオキシ、ラクトイルオキシ、フェニルアセチルオキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。
【0039】
モノアルキルアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノなどのC〜C,好ましくはC〜Cの直鎖または分枝を有するアルキルアミノ基が挙げられる。
【0040】
ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジn-プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジn-ブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジsec-ブチルアミノ、ジtert-ブチルアミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノなどのC〜C,好ましくはC〜Cの直鎖または分枝を有するアルキルでジ置換されたアミノ基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのC〜C,好ましくはC〜Cの直鎖または分枝を有するアルキル基が挙げられる。
【0041】
アラルキル基としては、ベンジル、1−フェネチル、2−フェネチルが挙げられる。
【0042】
アリール基としては、フェニル、ナフチル、トルイル、キシリルなどが挙げられる。
【0043】
本発明の1つの実施形態において、L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体またはその供給源及び補酵素A、ATP、Mgイオン、発光甲虫ルシフェラーゼ及びエステラーゼを組み込んでなるホタル発光系である。
【0044】
本発明の好ましい1つの実施形態において、L-システインと2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール及び補酵素A、 ATP、Mgイオン、ホタルルシフェラーゼ及びエステラーゼを組み込んでなるホタル発光系である。
【0045】
本発明の1つの特徴は、L−ホタルルシフェリルCoAなどのL−ホタルルシフェリルエステル(好ましくはチオエステル)を、該エステルを加水分解できるエステラーゼの存在下でエステル加水分解反応させることにより、L−ルシフェリンのカルボキシル基の立体配置が反転したD−ルシフェリンが得られる点にある。
【0046】
D−ルシフェリン製造原料として特に好ましいL−ルシフェリンCoAは、図4に示すように、L−ルシフェリンと補酵素A(CoA−SH;CoAと記載することもある))、ATP、Mg2+、ホタルルシフェラーゼ(LUC)を反応させることで、得ることができる。なお、L−ホタルルシフェリンの製造反応は、L-システインと2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾールを水、或いはエタノール、メタノール、プロパノールなどのアルコール又は含水アルコール、アセトニトリル、アセトン、THF,DMF,DMSOなどの適当な溶媒中或いは水−有機溶媒の2相系で、室温から溶媒の沸騰する温度下に1〜24時間程度反応させることにより有利に進行する。
【0047】
本発明の発光系により、高価な非天然型D-システイン、D-ホタルルシフェリンを用いた発光系から安価な天然型L-システインをベースとした試薬群が構築できる。
【0048】
本発明の発光系は、発光量がホタルルシフェラーゼ量、システイン量、ATP量及びチオエステル加水分解酵素量に直線的に相関することから、遺伝子発現検出試薬、システイン定量試薬、ATP定量試薬及びエステラーゼ活性測定試薬等が構築できる。またATPを定量することにより細菌の定量を行うことも可能である。
【0049】
本発明の測定系は、L−ルシフェリン又はその供給源(L−システイン又はその誘導体と2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール)から得られるD−ルシフェリンがATPとルシフェラーゼの作用により発光する発光量を定量することで、該測定系に関与するATP、L−システイン又はその誘導体、ルシフェラーゼ、エステラーゼなどを定量することができる。
【0050】
該測定系に使用される各成分の濃度は、以下のようなものである
ATP:0.1〜10mM;好ましくは1〜5mM;
ホタルルシフェラーゼ、0.0001〜10unit/ml;好ましくは0.1〜1unit/ml;
エステラーゼ:10-6〜10-2unit/ml;好ましくは10-4〜10-3unit/ml;
L−システイン又はその誘導体:0.01〜20mM;好ましくは0.1〜10mM;
なお、測定時の温度は室温から37℃程度の温度が好ましく、測定時間は1〜50秒程度が好ましい。
【0051】
本発明の発光系は、チオエステル加水分解酵素などのエステラーゼによりL-ホタルルシフェリンからD-ホタルルシフェリンへの変換を行う。酸化防止剤を併用することによりその保存安定性が高まる。酸化防止剤としては、アスコルビン酸、脱酸素剤などが挙げられる。
【実施例】
【0052】
以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明する。
実施例1
10 mM 2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール、1 mM L-システイン、10 mM CoA-SH、0.1 mg/ml ホタルルシフェラーゼ、100 unit/ml ブタ肝臓エステラーゼをバッファー溶液(0.1 M Tris-HCl(pH8))に溶解しそれぞれ 10 mlずつ発光測定用チューブに加え、さらに同一バッファーにより 100 mlとした。これにATP-Mg溶液(6 mM ATP-Na, 16 mM MgSO4)100 ml をインジェクションして発光反応を開始させ、発光量をATTO(株)社製ルミノメーターAB2200で測定した。その結果、発光が確認された。図2に示すように、ルシフェラーゼ濃度を1×10-4mg/mlから1mg/mlに変化させた発光量を測定した結果、開始後1-50秒間、及び551-600秒間の積算発光強度は発光酵素濃度に相関して直線的に変化することを見出した。よって、L-システイン、2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール、CoA-SH、エステラーゼ存在下に発光酵素ルシフェラーゼがあれば発光反応が起きることがわかった。これによって、発光基質であるD-ホタルルシフェリンを直接加えなくとも、L-システインから本条件下で発光基質は合成されることを明らかにした。併せて、発光活性は発光酵素量に依存、発光活性量を測定することで発光酵素量を定量化できることを明らかにした。
【0053】
実施例2
図3はD-システインあるいはL-システインと2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾールを室温で混合した後、HPLCで分離、励起波長330nmで励起した蛍光波長530nmのシグナルのプロファイルである。分離カラムはダイセル工業, Chiralcel OD-RHを、分離溶媒には27% アセトニトリル、0.1% TFA(トリフルオロ酢酸)水系、流速1.0 ml/minの条件で分離した。予め合成されたD-ホタルルシフェリンとL-ホタルルシフェリンをそれぞれ分離した結果、保持時間7分に L-ホタルルシフェリンが、9分にD-ホタルルシフェリンが溶出されているが、それぞれの混合物で同じ保持時間に溶出することが確認され、2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾールはD-システインと反応してD-ホタルルシフェリンを、L-システインと反応してL-ホタルルシフェリンを生成することを確認した。また、10 mM 二トリル、1 mM L-システイン、10 mM CoA-SH、0.1 mg/ml ルシフェラーゼを加えた条件下において、ルシフェリル-ScoAが存在することをマススペクトルによって確認した。これらの結果から、図4に示すようにL-システインからD-ホタルルシフェリンが合成される経路を確認した。つまり、L-システインと2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾールより合成されたL-ホタルルシフェリンはルシフェラーゼ存在下で、ルシフェリル-ScoAとなる。本生成物は光ることがないが、エステラーゼであるブタ肝臓エステラーゼによってD-ホタルルシフェリンとなって発光するのである。

実施例3
10 mM 2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール、1 mM L-システイン、10 mM CoA-SH、0.1 mg/ml ホタルルシフェラーゼ、100 または10unit/ml ブタ肝臓エステラーゼをバッファー溶液(0.1 M Tris-HCl(pH8))に溶解しそれぞれ 10 mlずつ発光測定用チューブに加え、さらに同一バッファーにより 100 mlとした。これにATP-Mg溶液(6 mM ATP-Na, 16 mM MgSO4)100 ml をインジェクションして発光反応を開始させ、発光量をATTO(株)社製ルミノメーターAB2200で測定した。図5はエステラーゼ量と発光活性の関係を表したもので、エステラーゼ濃度が倍に変化すると発光量も倍となり、L-システインと2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール→L-ホタルルシフェリン→D-ホタルルシフェリンの変換効率はエステラーゼであるブタ肝臓エステラーゼ量に依存することが明らかとなった。
【0054】
実施例4
10 mM 2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール、100-0.1mM L-システイン、10 mM CoA-SH、0.1 mg/ml ホタルルシフェラーゼ、100 unit/ml ブタ肝臓エステラーゼをバッファー溶液(0.1 M Tris-HCl(pH8))に溶解しそれぞれ 10 ml ずつ発光測定用チューブに加え、さらに同一バッファーにより 100 mlとした。これにATP-Mg溶液(6 mM ATP-Na, 16 mM MgSO4)100 ml をインジェクションして発光反応を開始させ、発光量をATTO(株)社製ルミノメーターAB2200で測定した。図5はL-システインと発光活性の関係を表したもので、L-システイン濃度を10−10000mMに変化させるとほぼ直線的に発光活性が増加した。よって、L-システインと2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール→L-ホタルルシフェリン→D-ホタルルシフェリンの変換効率はL-システインに依存、発光活性を測定することでL-システインを定量化できることが明らかになった。

実施例5
10 mM 2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール、1mM L-システイン、10 mM CoA-SH、0.1 mg/ml ホタルルシフェラーゼ、100 unit/ml ブタ肝臓エステラーゼをバッファー溶液(0.1 M Tris-HCl(pH8))に溶解しそれぞれ 10 ml ずつ発光測定用チューブに加え、さらに同一バッファーにより 100 mlとした。これにATP-Mg溶液(0.5−6 mM ATP-Na, 16 mM MgSO4)100 ml をインジェクションして発光反応を開始させ、発光量をATTO(株)社製ルミノメーターAB2200で測定した。図6はATP量と発光活性の関係を表したもので、ATP濃度を0.25−3mMに変化させるとほぼ直線的に発光活性が増加した。よって、L-システインと2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール→L-ホタルルシフェリン→D-ホタルルシフェリンの変換効率はATP量に依存、発光活性を測定することでATPを定量化できることが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】ホタルルシフェリンの生合成経路のスキーム
【図2】L-システインベース発光測定試薬におけるルシフェラーゼ濃度−発光量の相関
【図3】D-ホタルルシフェリンとL-ホタルルシフェリンのHPLC分離曲線、及びD-システイン及びL-システインと2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾールから合成されるD-ホタルルシフェリンとL-ホタルルシフェリンの反応スキーム
【図4】L-システインと2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾールからルシフェラーゼ存在下で、ルシフェリル-ScoAを経てエステラーゼによってD-ホタルルシフェリンが合成されるスキーム
【図5】L-システインベース発光測定試薬におけるブタエステラーゼ濃度−発光量の相関
【図6】L-システインベース発光測定試薬におけるシステイン濃度−発光量の相関
【図7】L-システインベース発光測定試薬におけるATP濃度−発光量の相関

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1) L−ホタルルシフェリンまたはその誘導体のエステル、および(2) L−ホタルルシフェリンまたはその誘導体のチオエステル、からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むL−ホタルルシフェリン原料をエステラーゼと反応させることを特徴とするD−ホタルルシフェリンまたはその発光性誘導体の製造方法。
【請求項2】
前記L−ホタルルシフェリン原料が、L−ホタルルシフェリルCoAまたはそのラセミ体である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エステラーゼが哺乳動物由来のエステラーゼ、または昆虫由来のエステラーゼである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
昆虫由来のエステラーゼがホタルエステラーゼである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
補酵素A、ATPおよびMg2+の存在下でL−ホタルルシフェリンもしくはL−ホタルルシフェリン誘導体又はその供給源をルシフェラーゼと反応させてL−ホタルルシフェリルCoAを得、該L−ホタルルシフェリルCoAをエステラーゼと反応させることを特徴とするD−ホタルルシフェリンまたはその発光性誘導体の製造方法。
【請求項6】
L−ホタルルシフェリンまたはその誘導体の供給源は、L−システイン或いはL−システイン誘導体と下記式(1)
【化1】

(式中、Yは水酸基、アシルオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基または基
【化2】

(Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す。)を示す。
RはCNまたは基
【化3】

(Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す。ZおよびZは、同一または異なって酸素原子(O)または硫黄原子(S)である。)を示す。)
の化合物から構成される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、補酵素A、ATP,Mg2+、発光甲虫ルシフェラーゼ及びエステラーゼを含むホタルルシフェラーゼまたはその発光性誘導体の発光活性測定システム。
【請求項8】
下記式(1)
【化4】

(式中、Yは水酸基、アシルオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基または基
【化5】

(Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す。)を示す。
RはCNまたは基
【化6】

(Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す。ZおよびZは、同一または異なって酸素原子(O)または硫黄原子(S)である。)を示す。)
の化合物、補酵素A、 ATP、Mg2+、発光甲虫ルシフェラーゼ及びエステラーゼを含む反応系でD−ホタルルシフェリンまたはその発光性誘導体に由来する発光を測定することを特徴とするL−システイン又はその誘導体の定量方法。
【請求項9】
L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、補酵素A、Mg2+、発光甲虫ルシフェラーゼ及びエステラーゼを含む反応系でD−ホタルルシフェリンまたはその発光性誘導体に由来する発光を測定することを特徴とするATPの定量方法。
【請求項10】
L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、補酵素A、Mg2+、発光甲虫ルシフェラーゼ及びエステラーゼを含む反応系でD−ホタルルシフェリンまたはその発光性誘導体に由来する発光を測定することを特徴とする微生物の定量方法。
【請求項11】
L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、補酵素A、 ATP、Mg2+及び発光甲虫ルシフェラーゼを含む反応系でD−ホタルルシフェリンに由来する発光を測定することを特徴とするエステラーゼの定量方法。
【請求項12】
下記式(1)
【化7】

(式中、Yは水酸基、アシルオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基または基
【化8】

(Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す。)を示す。
RはCNまたは基
【化9】

(Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基を示す。ZおよびZは、同一または異なって酸素原子(O)または硫黄原子(S)である。)を示す。)
の化合物、発光甲虫ルシフェラーゼ、補酵素A、 ATP、Mg2+及びエステラーゼを含むL−システイン又はその誘導体の定量キット。
【請求項13】
L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、発光甲虫ルシフェラーゼ、エステラーゼ、補酵素AおよびMg2+を含むATPの定量キット。
【請求項14】
L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、発光甲虫ルシフェラーゼ、補酵素A、Mg2+及びエステラーゼを含む微生物の定量キット。
【請求項15】
L−ホタルルシフェリンもしくはその誘導体又はその供給源、発光甲虫ルシフェラーゼ、補酵素A、 ATP及びMg2+を含むエステラーゼの定量キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−180825(P2006−180825A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379971(P2004−379971)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度独立行政法人新エネルギー産業技術総合研究機構「健康維持・増進のためのバイオテクノロジー基盤研究プログラム 細胞内ネットワークのダイナミズム解析技術開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(504133110)国立大学法人 電気通信大学 (383)
【出願人】(500031629)東洋ビーネット株式会社 (9)
【Fターム(参考)】