説明

太陽光・熱発電装置

【課題】赤外線を半導体熱電素子による熱発電、紫外線は蛍光剤を励起して赤色発光させ、この光を再度太陽電池の励起をするなど太陽光の波長が持つ夫々の長所を生かして高率よく太陽光発電を行う。
【解決手段】フィルターミラーが蒸着された複数個の太陽電池5を球面あるいは複数個の太陽電池5を夫々煽りを付けて平面上に並べた球面型あるいは円筒型セグメントミラー23で受けた太陽光7,8,9を、フィルターミラーから反射される赤外線7で半導体熱電素子11に照射して熱発電、フィルターミラーを透過した可視光線8は太陽電池5を励起、さらに紫外線で蛍光体を励起して赤色発光を利用して再度太陽電池を励起する。これら太陽電池5および半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子11では温度差を発生させ、太陽電池5では動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光・熱発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽から地球に注がれるエネルギー密度は1kW/m2あり、このエネルギーの可視光線を半導体の量子光電効果を利用して発電するのが太陽電池である。太陽電池のエネルギー変換効率は太陽電池に入射されたエネルギーと太陽電池の電気出力エネルギーの比をパーセントで表したものである。現在市場に出回っている太陽電池の99%がシリコーン系材料を使ったものであり、電池素子が単結晶シリコンの場合の変換効率は17〜21%、た結晶シリコンで15〜17%、アモルファスシリコンで10〜12%である。
【0003】
太陽電池の変換効率が高々20%と低い理由は、太陽電池が熱エネルギーを媒介しないエネルギー変換だからである。地球上に降注ぐ太陽光の波長域は0.25〜1.8μmである。しかし太陽電池はその中の0.4〜0.8μmの光のみしか使われていない。特に単結晶シリコンでは励起波長のピークが800nm、アモルファスシリコンでは600nm前後にあり、太陽光のピーク波長550nmに比べ長波長側にずれている。そこで太陽光のピーク波長550nmによって色素を励起して長波長の光に変換する方法の特許出願が多い。二酸化チタンを光電変換の基幹部品に用いる色素増感型太陽電池の研究がそれを物語っている。例えば、金属イオンをドープした酸化チタン半導体層の表面に、遷移金属錯体などの分光増感色素を吸着させた色素増感型太陽電池が特許文献1に記載されている。色素増感された酸化物半導体微粒子薄膜を用いた太陽電池について特許文献2に開示されている。しかしこれら色素増感型太陽電池の吸収波長域がシリコンより狭いため実用にはいたっていない。
【0004】
太陽電池に使われていない短波長域の光を利用する試みとして特許文献3には太陽電池表面に蒸着されている無反射膜にEuなどの希土類金属をドープして熱拡散することにより、短波長領域の光を希土類イオンに一旦きゅうしゅうさせて、長波長側に発光させ、この発光光をシリコンに効率よく吸収させた両のキャリアを励起して高効率で光電変換を行うことができることが開示されている。
【0005】
熱電素子はペルチェ素子とも言い異種の半導体を接合して電流を流すと、一方の接合部で発熱が、他方の接合部で吸熱が起こる。このことは一方で吸熱した熱を他方で放出することを意味し、電流の向きを逆にすると発熱、吸熱が逆になる。また両接合面に温度差を持たすと電位差が現れ、これが温度差発電素子としても働く。本願発明者はこの熱電素子に正弦波直流電圧をプラス電位からマイナス電位に変化するようにして熱電素子に印加して、温度差を周期的に変化させて、その熱変化を岩石試料に与え、岩石の熱定数測定装置を作ったことが非特許文献1に開示されている。また熱電素子の一方をレーザーミラーに密接させ、他方を冷却水で冷却した状態で素子に直流を流す事によってレーザーミラーを冷却する装置を特許文献4に開示されている。またこの熱電素子を一方に500℃以下の高温を与え、他方を100℃以下にした温度差を発電素子に使うことが非特許文献2が、その素子の製作方法が特許文献5に開示されている。
【0006】
太陽電池の裏側に赤外線のみ透過する層と熱吸収層の背後に熱電素子その背後に冷却装置を付けて太陽光発電と熱発電を併用する方法が特許文献6に開示されている。太陽電池の裏側と熱伝素子の裏側との間に熱交換用のフィンを付け、太陽電池と熱伝素子を冷却して太陽光発電と熱発電を併用する方法が特許文献7に開示されている。ドーナツ型の中央部は太陽光の入射口、周辺部はフレネルレンズからなりこのレンズにより集められた太陽エネルギーと中央部の開口部を通過した太陽光とを重畳して集光し、太陽電池または熱電素子に照射する方法が特許文献8に開示されている。
【0007】
地球に降注ぐ太陽光のエネルギー密度は1kW/m2あり、このエネルギーの可視光線を半導体の量子光電効果を利用して発電するのが太陽電池であるが、その光電効率は高々20%である。この効率を上げる最も容易な方法が、太陽光の密度を高くすることである。本願発明者は円筒鏡を製造する方法として、耐熱煉瓦表面を円筒状にNCフライス加工したミラー鋳型を作り、その上に電気炉中でガラス板を載せ、ガラスの軟化点近くまで炉の温度を上げ、鋳型の下部から真空脱気することによりガラス表面が予め計算された曲面まで馴染ませル事により、大口径球面ミラーを作る方法を非特許文献3および特許文献9に開示している。この手法は昭和49年4月から通産省工業技術院のサンシャイン計画の中で「筒型法物面鏡」として日立製作所原子力研究所が「太陽熱発電システムの開発」で使用した事が非特許文献4に開示されている。さらに本願発明者は特許文献10で太陽励起レーザーに集光鏡としてトロイダル鏡を使うことを開示している。
【特許文献1】特公平8-15097号公報
【特許文献2】特願 2001−272252 (特開 2003−86257)
【特許文献3】特願 平7−027359 (特開平 8−204222)
【特許文献4】特願 昭53−024972
【特許文献5】特願 2000−399255 (特開 2002−203993)
【特許文献6】特願 平8−264144 (特開平 10−110670)
【特許文献7】特願 平4−324162 (特開平 6−174249)
【特許文献8】特願 2003−1106 (特開 2004−214491)
【特許文献9】特願 昭51−79055 (特開昭53−5647)
【特許文献10】特願 2005−338425
【非特許文献1】村原正隆、岩石の熱拡散率熱半導体で測定、日刊工業新聞、昭和52年3月30日
【非特許文献2】東芝プレスリリース、2004年3月29日号、上下面の温度差を利用して発電する熱伝モジュール開発について
【非特許文献3】村原正隆・萩原義一、応用物理、第45巻 第9号、700−703(1976)
【非特許文献4】稲垣清和、隅田 勲、梶浦宗次、土井 彰、大島亮一郎、応用物理、第46巻 第10号、1040−1044(1977)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
太陽電池の変換効率が高々20%と低い理由は、地球上に降注ぐ太陽光の波長域0.25〜1.8μmの内、0.4〜0.8μmの光のみしか使われていない。特に単結晶シリコンでは励起波長のピークが800nm、アモルファスシリコンでは600nm前後にあり、太陽光のピーク波長550nmに比べ長波長側にずれている。極端なことを言うと近紫外線と近赤外線および可視光線の内太陽光のピーク波長550nm以下の光が未使用のままである。特に850nm以上の近赤外線すなわち熱線は太陽電池素子の温度上昇を来たし、光電変換効率を著しく低下させる。さらに光量子効率が高い紫外線も殆ど使われていない。
【0009】
そこで、本願発明では、太陽光に含まれる紫外線、可視光線、赤外線を分波するために、フィルターミラーを使用する。フィルターミラーとは誘電体多層膜の干渉を利用して、特定範囲の波長の光のみを透過させ、残りを反射させるフィルターのことで、コールドミラーやコールドフィルターあるいはダイクロイックミラーなどがこれに属する。この光電変換効率を著しく低下させる。さらに光量子効率が高い紫外線も殆ど使われていない。そこで太陽電池の光入射面にフィルターミラーにより分光した太陽光を夫々の波長が持つ長所を生かして高効率の太陽光発電を行うことが本願発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、単結晶シリコンでは励起波長のピークが800nm、アモルファスシリコンでは600nm前後にあり、太陽光のピーク波長550nmに比べ長波長側にずれていることに鑑み、フィルターミラーを用いて900nm以上の赤外線を反射させ、または透過させてその熱線を熱吸収体に吸収させ、その熱を半導体熱電素子の一方の側に与え、他方側を水冷することにより、高い温度差を発生させ、この温度差により温度差発電を行う。450〜850nmの可視光線と赤外線はフィルターミラーの表面で透過し、さらにフィルターミラーの裏面で250nm以下の光は反射して蛍光剤を励起し、450〜800nmの光に変換され再度太陽電池を励起する。フィルターミラーを透過した450〜850nmの光は太陽電池を直接励起する。
【0011】
太陽電池表面に850nm以上の赤外線を反射するフィルターミラーが蒸着された複数個の太陽電池あるいは太陽電池の上にガラス板の表面あるいは裏面または両面に干渉膜を蒸着したフィルターミラー板を載せ、太陽集光用の円筒型放物面や円筒型凹面面、あるいは軸対称球面や放物面、または一面または帯状面に集光するように複数個のフィルターミラーが蒸着された太陽電池を夫々煽りを付けて平面上に並べた球面型あるいは円筒型フレネル型ミラー(セグメントミラー)で受けた太陽光を、フィルターミラーから反射される850nm以上の赤外線を熱線吸収体を介して半導体熱電素子に照射する。 この集光された高密度赤外線は半導体熱電素子の熱吸収体に直接または凸面あるいは凹面または平面鏡を介して一点を共有する面または帯状面に集光される。この集光面には半導体熱電素の代わりに、水や油が循環する集熱器や収熱パイプを付けて光熱変換することが出来る。他方フィルターミラーを透過した太陽光は太陽電池を励起する。これら太陽電池および半導体熱電素子の背面部は冷却水で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池では動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させる。
【0012】
太陽電池のエネルギー変換効率は太陽電池に入射されたエネルギーと太陽電池の電気出力エネルギーの比をパーセントで表したものである。然るに太陽電池に入射するエネルギー密度を高くすれば発電効率は上がる。さらに太陽電池の数量も少なくてすみ、フィルターミラーの個数も軽減される。地球に降注ぐ太陽光のエネルギー密度は1kW/m2であるため、この密度を集光ミラーやレンズで集光すれば課題を満足できる。さらに集光した太陽光であっても、太陽光が太陽電池に入射される前に、赤外線を取り除いておけば、太陽電池素子の熱による破壊を防ぐことが出来る。この赤外線である熱線を分光するのがフィルターミラーである。このフィルターミラーは太陽光が集光された部分に置くため、耐熱性が必要であるが、面積は著しく小さくてすむため、経済的である。耐熱性のあるガラスとしては合成石英ガラスが良く、かつ紫外線も透過するため、蛍光剤を紫外線励起する時に好都合である。このような高密度太陽光を作るためにはと太陽光を集光するための凹面鏡や放物面鏡あるいは複数個の平面鏡を円筒面または円筒型放物面あるいは球面、または平面上に夫々のミラーに煽りを付けた小面積平面鏡を複数個配列しこれらを、1面または帯状面に集光するように配置したセグメントミラーあるいは光学レンズやフレネルレンズなどを組み合わせることにより集光光学系が成立する。そこでフィルターミラーから反射される高密度可視光線で太陽電池を直接励起し、フィルターミラーを透過した高密度赤外線を一点を共有する面または帯状面に集光し、その集光面に半導体熱電素子あるいは水や油が循環する集熱器を備えるか、またはフィルターミラーを透過した高密度可視光線で太陽電池を直接励起し、フィルターミラーで反射した高密度赤外線を一点を共有する面または帯状面に集光し、その集光面に半導体熱電素子あるいは水や油が循環する集熱器を備えることにより高効率の熱・光発電が行われる。尚レンズやミラーで集光された集光面近傍に集められた部分に凸面、凹面、平面、メニスカスレンズなどに干渉膜を蒸着したフィルターミラーが使われ、太陽光の波長別有効利用が行われる。
【0013】
太陽光の内850nm以上の赤外線や500nm以下の可視光線を含む高密度紫外線を反射し、500から850nmの光のみを太陽電池に供給するフィルターミラー(バンドパスフィルター)が必要である。このため太陽電池の前面にガラス板を載せ、その表面には850nm以上の赤外線を反射し、紫外線を含めた全ての光を透過するような干渉膜を蒸着し、ガラス板の裏面では500nm以下の光を反射させる干渉膜を蒸着させることにより、赤外線と紫外線を共に反射するミラーが出来る。赤外線と紫外線が混合した光は、半導体熱電素子や水や油が循環する集熱器などの表面の第一層目(半導体熱電素子側)に吸熱体を、第2層目に蛍光剤を塗布し、紫外線によって励起された蛍光体からの赤色発光は太陽電池を再度励起して発電効率を向上させる。赤外線は蛍光体の背部の熱吸収層に吸熱され半導体熱電素子に伝導する。他方、赤外線により集熱器を加熱し、さらに紫外線による蛍光体で太陽電池を再励起するために、フィルターミラー付き太陽電池を円筒面上または円筒型放物面上あるいは球面上または平面上に1面または帯状面に集光するように配置したセグメントミラーとして配列し、フィルターミラーから反射される紫外線により帯状集光面や集熱パイプに塗布された蛍光剤を励起して可視光線に変換した光で太陽電池群を励起することにより太陽光のp波長別有効利用が行われる。
【0014】
蛍光体は紫外線励によって励起され赤色発光するが、その光は散乱光であり指向性が無い。そこで積分球の内部に太陽電池を、積分球の内面には蛍光体を塗布して、発光を効率よく太陽電池を励起できるようにした。また積分球の天井部には太陽光の入射窓を装付けしている。積分球の内部に置かれた太陽電池の前面には赤外線を反射し、紫外線を含めた全ての光を透過するような干渉膜を蒸着し、ガラス板の裏面では500nm以下の光を反射させる干渉膜を蒸着させることにより、赤外線と紫外線を共に反射するミラーを装着している。赤外線と紫外線が混合した光は、半導体熱電素子表面の第一層目(半導体熱電素子側)に吸熱体を、第2層目に蛍光剤を塗布し、紫外線によって励起された蛍光体からの赤色発光が太陽電池を再度励起して発電効率を向上させ、かつ太陽電池前面のフィルターミラーで反射した赤外線は半導体熱電素子を加熱する。さらにこの積分球の外壁は冷却水を循環し、半導体熱電素子に温度差を与えるためと太陽電池の冷却に使われる。さらにこの積分球の太陽光入射窓を集光レンズやミラーの焦点前に置く時は太陽光線を散乱させる為マイクロ凹レンズアレーを有する入射窓を、太陽光入射窓を集光レンズやミラーの焦点後方に置く時は入射窓は大気開放としている。またこの太陽光入射窓の太陽光入射面を赤外線を反射するフィルターミラーを付けて積分球の外に半導体熱電素子を付けることも出来る。この積分球は半球(ドーム型)でも、反円筒(かまぼこ型)でも同様な効果が得られる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、太陽光に含まれる紫外線、可視光線、赤外線をフィルターミラーで分波するために、900nm以上の赤外線を半導体熱電素子の一方の側に与え、他方側を水冷することにより、高い温度差を発生させ、この温度差により温度差発電を行う。さらに450〜850nmの可視光線は太陽電池を直接励起し、フィルターミラーの裏面で反射した250から450nmの光は蛍光剤を励起し、450〜800nmの光に変換され再度太陽電池を励起する。このようにして太陽光の持つエネルギーをス別使用する発電様式を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図23に基づいて説明する。
【0017】
図1で本発明の太陽光・熱発電装置の動作原理を太陽電池素子について説明する。ガラス基板1の上面に赤外線反射干渉膜2、下面に紫外線反射干渉膜3を蒸着したフィルターミラー4を、太陽電池5の上に密着させ、太陽電池5の背部は冷却水6で冷却する。入射太陽光の内赤外線7はフィルターミラー4の上面2で反射して半導体熱電素子を加熱する。可視光線8はフィルターミラー4を透過して太陽電池5を励起する。紫外線9はフィルターミラー4の下層面3で反射され蛍光体を励起するために使われる。
【0018】
図2は太陽光・熱発電装置の動作原理を半導体熱電素子について説明する。赤外線を吸収する熱吸収層10を半導体熱電素子11に塗布し、半導体熱電素子11の背部から冷却水6を流すことにより高い温度差を発生させ熱発電を行う。
【0019】
図3は集光面に半導体熱電素子を装着した場合の球面鏡集光形太陽光・熱発電装置略図である。球面鏡の鋳型12の上にフィルターミラー4付き太陽電池5を並べ、球面鏡鋳型12の下面は冷却水6で冷却されている。太陽光線7、8、9の内赤外線7はフィルターミラー4で反射され、熱吸収体10で熱に変換されその温度と冷却水6で挟まれた半導体熱電素子11は温度差により起電力が発生する。フィルターミラーを透過した可視光線8は太陽電池5で光発電される。図4は集光面に凸面鏡を装着し、球面中央部に半導体熱電素子を装着した場合の球面鏡集光形太陽光・熱発電装置略図である。太陽電池5の表面のフィルターミラー4で反射した赤外線7を凸面鏡13で平行光あるいはさらに集光した後熱吸収体10で熱に変換されその温度と冷却水6で挟まれた半導体熱電素子11は温度差により起電力が発生する。この装置の特徴は半導体熱電素子11と太陽電池5の冷却水が同一であることである。
【0020】
図5は集光面に半導体熱電素子を装着した場合のセグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図である。太陽電池5の表面に850nm以上の赤外線を反射するフィルターミラー4が蒸着された複数個の太陽電池5を載せ、一面または帯状面に集光するように複数個のフィルターミラーが蒸着された太陽電池を夫々煽りを付けて平面円盤14上に並べた球面型あるいは円筒型フレネル型ミラー(セグメントミラー)で受けた太陽光7、8、9を、フィルターミラーから反射される850nm以上の赤外線7を熱線吸収体10を介して半導体熱電素子11に照射する。 この集光された高密度赤外線7は半導体熱電素子11の熱吸収体10に一点を共有する面に集光される。この半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池5も冷却水6で動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させている。図6は集光面に凸面鏡を装着し、球面中央部に半導体熱電素子を装着した場合のセグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図である。太陽電池5の表面に850nm以上の赤外線を反射するフィルターミラー4が蒸着された複数個の太陽電池5を載せ、一面または帯状面に集光するように複数個のフィルターミラーが蒸着された太陽電池を夫々煽りを付けて平面円盤14上に並べた球面型あるいは円筒型フレネル型ミラー(セグメントミラー)で受けた太陽光7、8、9を、フィルターミラーから反射される850nm以上の赤外線7を凸面鏡13で反射させ、セグメントミラーの中央部にセットした熱線吸収体10を介して半導体熱電素子11に照射する。 この集光された高密度赤外線7は半導体熱電素子11の熱吸収体10に直接または凸面あるいは凹面または平面鏡を介して一点を共有する面に集光される。この半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池5も冷却水6で動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させている。
【0021】
図7は帯状集光面に半導体熱電素子を装着した場合のセグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図である。太陽電池5の表面に850nm以上の赤外線を反射するフィルターミラー4が蒸着された複数個の太陽電池5を載せ、帯状面に集光するように複数個のフィルターミラーが蒸着された太陽電池を夫々煽りを付けて矩形状平面板15上に並べたセグメントミラー4で受けた太陽光7、8、9を、フィルターミラーから反射される850nm以上の赤外線7を熱線吸収体10を介して半導体熱電素子11に照射する。 この集光された高密度赤外線7は半導体熱電素子11の熱吸収体10に一点を共有する帯状面に集光される。この半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池5も冷却水6で動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させている。図8は矩形状に並べた太陽電池の中央に帯状に半導体熱電素子を装着した場合のセグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図である。太陽電池5の表面に850nm以上の赤外線を反射するフィルターミラー4が蒸着された複数個の太陽電池5を載せ、帯状面に集光するように複数個のフィルターミラーが蒸着された太陽電池を夫々煽りを付けて矩形状平面板15上に並べた矩形型セグメントミラー5で受けた太陽光7、8、9を、フィルターミラーから反射される850nm以上の赤外線7を帯状凸面鏡16で反射させ、セグメントミラーの中央部にセットした熱線吸収体10を介して半導体熱電素子11に照射する。 この集光された高密度赤外線7は半導体熱電素子11の熱吸収体10に帯状凸面鏡16で反射され矩形状に配列された太陽電池5の中央部に帯状に置かれた半導体熱電素子11に集光される。この半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池5も冷却水6で動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させている。
【0022】
図9は球面鏡や円筒型凹面鏡による太陽光・熱発電装置の動作原理説明図で集光面にメニスカス型フィルターミラーを装着し、可視光を透過、赤外線を反射し、球面中央部に半導体熱電素子をフィルターミラーの後方に太陽電池を装着した場合の説明図である。球面鏡または円筒型凹面鏡17により太陽光7,8,9は、球面または円筒型メニスカス型フィルターミラー18で可視光線8を透過し赤外線7を反射し球面鏡あるいは円筒型凹面鏡の中央部に置かれた半導体熱電素子11に集光する。他方フィルターミラー18を透過した可視光線8は太陽電池5に集光される。この半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池5も冷却水6で動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させている。さらにこのシステムの特徴は太陽電池を高密度励起することにより発電効率を高くしている。図10は球面鏡や円筒型凹面鏡による太陽光・熱発電装置の動作原理説明図で集光面にメニスカス型フィルターミラーを装着し、可視光を反射、赤外線を透過し、球面あるいは円筒面中央部に太陽電池をフィルターミラーの後方に半導体熱電素子を装着した場合の説明図である。球面鏡または円筒型凹面鏡17により太陽光7,8,9は、球面または円筒型メニスカス型フィルターミラー18で可視光線8を反射し、赤外線7を透過し、球面鏡あるいは円筒型凹面鏡の中央部に置かれた太陽電池5に集光する。他方フィルターミラー19を透過した赤外線7は半導体熱電素子11に集光される。この半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池5も冷却水6で動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させている。さらにこのシステムの特徴は太陽電池を高密度励起することにより発電効率を高くしている。
【0023】
図11は球面や円筒型凹面鋳型上に角型あるいは矩形形平面鏡を配列した太陽光・熱発電装置の動作原理説明図であり集光面にメニスカス型フィルターミラーを装着し、可視光を透過、赤外線を反射し、球面中央部に半導体熱電素子をフィルターミラーの後方に太陽電池を装着した場合を説明する。球面や円筒型凹面鋳型上に角型あるいは矩形形平面鏡を配列したセグメントミラー20により太陽光7,8,9は、球面または円筒型メニスカス型フィルターミラー18で可視光線8を透過し赤外線7を反射し球面鏡あるいは円筒型セグメントミラー20の中央部に置かれた1面あるいは帯表に並べた半導体熱電素子11に集光する。他方フィルターミラー18を透過した可視光線8は1面または帯状に並べた太陽電池5に集光される。この半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池5も冷却水6で動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させている。さらにこのシステムの特徴は太陽電池を高密度励起することにより発電効率を高くしている。図12は球面や円筒型凹面鋳型上に角型あるいは矩形形平面鏡を配列した太陽光・熱発電装置の動作原理説明図であり、集光面にメニスカス型フィルターミラーを装着し、赤外線を透過、可視光線を反射し、球面中央部に太陽電池をフィルターミラーの後方に半導体熱電素子装着する場合の説明図である。球面や円筒型凹面鋳型上に角型あるいは矩形形平面鏡を配列したセグメントミラー20により太陽光7,8,9は、球面または円筒型メニスカス型フィルターミラー19で可視光線8を反射し、赤外線7を透過し、球面鏡あるいは円筒型セグメントミラー20の中央部に置かれた1面あるいは帯表に並べた太陽電池5に集光する。他方フィルターミラー18を透過した赤外線7は1面または帯状に並べた半導体熱電素子11に集光される。この半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池5も冷却水6で動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させている。さらにこのシステムの特徴は太陽電池を高密度励起することにより発電効率を高くしている。
【0024】
図13は帯状または四角形平面鏡を平面状で煽り1面または短冊状に集光するように並べたセグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図であり、集光面にメニスカス型フィルターミラーを装着し、可視光を透過、赤外線を反射し、球面中央部に半導体熱電素子をフィルターミラーの後方に太陽電池を装着した方式を示す。太陽光7、8、9は帯状または四角形平面鏡を平面状で煽り1面または短冊状に集光するように並べたセグメントミラー21により反射してフィルターミラー18に至る。ここで反射した赤外線7はセグメントミラーの中央部に装着した半導体熱電素子11を加熱する。フィルターミラー18を透過した可視光線8は太陽電池5を励起する。 この集光された高密度赤外線7は半導体熱電素子11の熱吸収体10に直接または凸面あるいは凹面または平面鏡を介して一点を共有する面に集光される。この半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池5も冷却水6で動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させている。図14は帯状または四角形平面鏡を平面状で煽り1面または短冊状に集光するように並べたセグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図であり、集光面にメニスカス型フィルターミラーを装着し、赤外線を透過、可視光線を反射し、球面中央部に半導体熱電素子をフィルターミラーの後方に太陽電池を装着した方式を示す。太陽光7、8、9は帯状または四角形平面鏡を平面状で煽り1面または短冊状に集光するように並べたセグメントミラー21により反射してフィルターミラー19に至る。ここで透過した赤外線7は半導体熱電素子11を加熱する。フィルターミラー19で反射した可視光線8はセグメントミラーの中央に装着した太陽電池5を励起する。この半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池5も冷却水6で動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させている。
【0025】
図15は帯状平面鏡を平面状で煽り、短冊状に集光するように並べたセグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図であり、集光面に凹面状に曲げた短冊状鋳型の上にフィルターミラーが付いた太陽電池アレイを1列に並べ、可視光を透過、赤外線を反射し、矩形状ミラーを配列した中央部に半導体熱電素子をフィルターミラーを装着倍について説明する。太陽光7、8、9は帯状平面鏡を平面状で煽り、短冊状に集光するように並べたセグメントミラー23により反射してフィルターミラー18張られたあるいは蒸着した凹面状短冊鋳型22に取り付けた太陽電池アレイに至る。ここで反射した赤外線7はセグメントミラーの中央部に装着した半導体熱電素子11を加熱する。フィルターミラー18を透過した可視光線8は太陽電池5を励起する。 この半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池5も凹面状短冊鋳型22に取り付けた冷却水6で動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させている。
【0026】
図16はメニスカスレンズ型フィルターミラーで反射して集光された可視光線で太陽電池を励起し透過して集光された赤外線で半導体熱電素子を加熱することによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図である。反射面が凹面鏡で可視光線を反射し、透過面は凸レンズを成し赤外線を集光するメニスカス型フィルターミラー24で分波され、反射して集光された可視光線8は太陽電池5を励起し、透過して集光された赤外線7は半導体熱電素子を加熱する。この半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池5も冷却水6で動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させている。図17はメニスカスレンズ型フィルターミラーで反射して集光された赤外線で半導体熱電素子を加熱し、透過して集光された可視光線で太陽電池を励起することによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図である。反射面が凹面鏡で赤外線を反射し、透過面は凸レンズを成し可視光線を集光するメニスカス型フィルターミラー24で分波され、反射して集光された赤外線7は半導体熱電素子を加熱し、透過して集光された可視光線8は太陽電池5を励起する。この半導体熱電素子11の背面部は冷却水6で冷却し、半導体熱電素子では温度差を発生させ、太陽電池5も冷却水6で動作温度を下げることにより共に発電効率を向上させている。
【0027】
図18はフィルターミラーを装着した角形平面鏡を平面状で煽り1面に集光するように並べたセグメントミラーにより、反射した紫外線で蛍光体を励起して赤色発光を行い、可視光線と共に太陽電池を励起、反射した赤外線で半導体熱電素子を加熱して熱発電を行う太陽光・熱発電装置の動作原理説明図
太陽光7、8、9の内850nm以上の赤外線7や500nm以下の可視光線を含む高密度紫外線9を反射し、500から850nmの光のみを太陽電池5に供給するフィルターミラー4を太陽電池の前面にガラス板を載せ、その表面には850nm以上の赤外線7を反射し、紫外線を含めた全ての光を透過するような干渉膜を蒸着し、ガラス板の裏面では500nm以下の光を反射させる干渉膜を蒸着させることにより、赤外線7と紫外線9を共に反射するミラーが出来る。赤外線と紫外線が混合した光は、半導体熱電素子11や水や油が循環する集熱器などの表面の第一層目(半導体熱電素子側)に吸熱体を、第2層目に蛍光剤を塗布し、紫外線によって励起された蛍光体からの赤色発光は太陽電池を再度励起して発電効率を向上させる。蛍光剤としては高温に耐性があり蛍光強度の比較的高いランプ用蛍光体を使用した。特に250〜450nmで効率よく励起でき、かつ400〜800nmに発光を有するものの中から以下の物質を選択した。 (Sr,Mg)3(PO4)2:Sn2+ 、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn2+、 (Sr,Ca)5(PO4)3Cl:Eu2+、 2Sr 0.84P2O5 0.16B2O3:Eu2+、 LaPO4:Ce3+ 、Tb3+ Y2O3:Eu3+ などである。 赤外線7は蛍光体26の背部の熱吸収層10に吸熱され半導体熱電素子に伝導する。他方、赤外線により集熱器を加熱し、さらに紫外線による蛍光体で太陽電池を再励起するために、フィルターミラー付き太陽電池を円筒面上または円筒型放物面上あるいは球面上または平面上に1面または帯状面に集光するように配置したセグメントミラーとして配列し、フィルターミラーから反射される紫外線により帯状集光面や集熱パイプに塗布された蛍光剤を励起して可視光線に変換した光で太陽電池群を励起することにより太陽光の波長別有効利用が行われる。
【0028】
図19はフィルターミラーを装着した角形または短冊状平面鏡を平面状で煽り帯状に集光するように並べたセグメントミラーにより、反射した紫外線で蛍光体を励起して赤色発光を行い、可視光線と共に太陽電池を励起、反射した赤外線で半導体熱電素子を加熱して熱発電を行う太陽光・熱発電装置の動作原理説明図である。太陽光7、8、9の内850nm以上の赤外線7や500nm以下の可視光線を含む高密度紫外線9を反射し、500から850nmの光のみを太陽電池5に供給するフィルターミラー4を太陽電池の前面にガラス板を載せ、その表面には850nm以上の赤外線7を反射し、紫外線を含めた全ての光を透過するような干渉膜を蒸着し、ガラス板の裏面では500nm以下の光を反射させる干渉膜を蒸着させることにより、赤外線7と紫外線9を共に反射するミラーが出来る。赤外線と紫外線が混合した光は、半導体熱電素子11表面の第一層目(半導体熱電素子側)に吸熱体を、第2層目に蛍光剤を塗布し、紫外線によって励起された蛍光体からの赤色発光は太陽電池を再度励起して発電効率を向上させる。赤外線は蛍光体の背部の熱吸収層に吸熱され半導体熱電素子に伝導する。さらに紫外線による蛍光体で太陽電池を再励起するために、フィルターミラー付き太陽電池を球面上に集光するように配置したセグメントミラーとして配列し、フィルターミラーから反射される紫外線により半導体熱電素子11に塗布された蛍光剤を励起して可視光線に変換した光で太陽電池5を励起することにより太陽光の波長別有効利用が行われる。
【0029】
図20はフィルターミラーを装着した角形または短冊状平面鏡を平面状で煽り帯状に集光するように並べたセグメントミラーにより、反射した紫外線で収熱器に塗布された蛍光体を励起して赤色発光を行い、可視光線と共に太陽電池を励起、反射した赤外線でパイプ内の水や油が循環する収熱器を加熱して熱発電の熱源とするための太陽光・熱発電装置動作原理説明図である。フィルターミラーを装着した太陽電池5を煽り帯状に集光するように並べた太陽電池群により、反射した紫外線で収熱器に塗布された蛍光体を励起して赤色発光を行い、可視光線と共に太陽電池を励起、反射した赤外線で半導体熱電素子を加熱して熱発電を行う太陽光・熱発電装置の動作原理説明図である。太陽光7、8、9の内850nm以上の赤外線7や500nm以下の可視光線を含む高密度紫外線9を反射し、500から850nmの光のみを太陽電池5に供給するフィルターミラー4を太陽電池の前面にガラス板を載せ、その表面には850nm以上の赤外線7を反射し、紫外線を含めた全ての光を透過するような干渉膜を蒸着し、ガラス板の裏面では500nm以下の光を反射させる干渉膜を蒸着させることにより、赤外線7と紫外線9を共に反射するミラーが出来る。赤外線と紫外線が混合した光は、半導体熱電素子11表面の第一層目(半導体熱電素子側)に吸熱体を、第2層目に蛍光剤を塗布し、紫外線によって励起された蛍光体からの赤色発光は太陽電池を再度励起して発電効率を向上させる。赤外線は蛍光体の背部の熱吸収層に吸熱されパイプ内の油や水に伝導する。さらに紫外線による蛍光体で太陽電池を再励起するために、収熱パイプ28に塗布された蛍光剤26を励起して可視光線に変換した光で太陽電池5を励起することにより太陽光の波長別有効利用が行われる。
【0030】
図21は太陽光入射窓に付けたフィルターミラーで赤外線を反射し、積分球(半球でも蒲鉾型でも良い)内に入った紫外線による蛍光体の赤色発光と可視光線とで太陽電池を励起することによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図である。蛍光体は紫外線励によって励起され赤色発光するが、その光は散乱光であり指向性が無い。そこで積分球の内部に太陽電池を、積分球の内面には蛍光体を塗布して、発光を効率よく太陽電池を励起できるようにした。また積分球の天井部には太陽光の入射窓を装付けしている。積分球の内部に置かれた太陽電池の前面には赤外線を反射し、紫外線を含めた全ての光を透過するような干渉膜を蒸着し、ガラス板の裏面では500nm以下の光を反射させる干渉膜を蒸着させることにより、赤外線と紫外線を共に反射するミラーを装着している。赤外線と紫外線が混合した光は、半導体熱電素子表面の第一層目(半導体熱電素子側)に吸熱体を、第2層目に蛍光剤を塗布し、紫外線によって励起された蛍光体からの赤色発光が太陽電池を再度励起して発電効率を向上させ、かつ太陽電池前面のフィルターミラーで反射した赤外線は半導体熱電素子を加熱する。さらにこの積分球の外壁は冷却水を循環し、半導体熱電素子に温度差を与えるためと太陽電池の冷却に使われる。さらにこの積分球の太陽光入射窓を集光レンズやミラーの焦点前に置く時は太陽光線を散乱させる為マイクロ凹レンズアレーを有する入射窓を、太陽光入射窓を集光レンズやミラーの焦点後方に置く時は入射窓は大気開放としている。またこの太陽光入射窓の太陽光入射面を赤外線を反射するフィルターミラーを付けて積分球の外に半導体熱電素子を付けることも出来る。この積分球は半球(ドーム型)でも、半円筒(かまぼこ型)でも同様な効果が得られる。
【0031】
図22はマイクロ凹レンズアレ付き入射窓で入射光を散乱させた太陽光をフィルターミラーで赤外線を反射し、積分球(半球でも蒲鉾型でも良い)内の半導体熱電素子を加熱し、紫外線による蛍光体の赤色発光と可視光線とで太陽電池を励起することによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図である。蛍光体は紫外線励によって励起され赤色発光するが、その光は散乱光であり指向性が無い。そこで積分球の内部に太陽電池5を、積分球の内面には蛍光体26を塗布して、発光を効率よく太陽電池5を励起できるようにした。また積分球の天井部には太陽光の入射窓28を装付けしている。積分球の内部に置かれた太陽電池5の前面には赤外線7を反射し、紫外線9を含めた全ての光を透過するような干渉膜2を蒸着し、ガラス板1の裏面では500nm以下の光を反射させる干渉膜3を蒸着させることにより、赤外線7と紫外線9を共に反射するフィルターミラー4を装着している。赤外線7と紫外線9が混合した光は、半導体熱電素子表面の第一層目(半導体熱電素子側)に吸熱体を、第2層目に蛍光剤を塗布し、紫外線によって励起された蛍光体からの赤色発光が太陽電池を再度励起して発電効率を向上させ、かつ太陽電池前面のフィルターミラーで反射した赤外線7は半導体熱電素子5を加熱する。さらにこの積分球の外壁は冷却水6を循環し、半導体熱電素子に温度差を与えるためと太陽電池の冷却に使われる。さらにこの積分球の太陽光入射窓を集光レンズやミラーの焦点前に置く時は太陽光線を散乱させる為マイクロ凹レンズアレーを有する入射窓28を装着している。この積分球は半球(ドーム型)でも、反円筒(かまぼこ型)でも同様な効果が得られる。
【0032】
図23は積分球容器(半球でも蒲鉾型でも良い)への太陽光入射窓を大気開放し、焦点を容器の外に置き、太陽電池の上に装着したフィルターミラーで赤外線を反射し、積分球内の半導体熱電素子を加熱し、紫外線による蛍光体の赤色発光と可視光線とで太陽電池を励起することによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図である。積分球(半球でも蒲鉾型でも良い)内に入った紫外線による蛍光体の赤色発光と可視光線とで太陽電池を励起する。この蛍光体は紫外線励によって励起され赤色発光するが、その光は散乱光であり指向性が無い。そこで積分球の内部に太陽電池5を、積分球の内面には蛍光体26を塗布して、発光を効率よく太陽電池を励起できるようにした。積分球の内部に置かれた太陽電池の前面には赤外線を反射し、紫外線を含めた全ての光を透過するような干渉膜2を蒸着し、太陽電池5の上に密着させたフィルターミラー4はガラス板1の表面2では500nm以下の光を反射させる干渉膜3を蒸着させることにより、紫外線9を反射するミラーを装着している。積分球の内壁には蛍光体26を塗布し、紫外線9によって励起された蛍光体からの赤色発光が太陽電池を再度励起して発電効率を向上させ、かつ太陽電池前面のフィルターミラー28で反射した赤外線は半導体熱電素子を加熱する。さらにこの積分球の外壁は冷却水を循環し、半導体熱電素子の温度差発生と太陽電池の冷却に使われる。この積分球の太陽光入射窓を集光レンズやミラーの焦点の後方に設置しているため入射窓は大気開放している。この積分球は半球(ドーム型)でも、半円筒(かまぼこ型)でも同様な効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明によれば、太陽光に含まれる紫外線、可視光線、赤外線をフィルターミラーで分波した後、赤外線は半導体熱電素子による発電、可視光線は従来の太陽電池光発電、紫外線は蛍光剤を励起して赤色発光させ、この光を再度太陽電池の励起用に用いる。この半導体による熱発電の温度差は冷却水を用いるためこの冷却水が太陽電池の光変換効率をさらに増加させる。これは化石燃料である石油を使わないクリーンエネルギーの複合システムとしてこれからの産業に多大の貢献をすると考える。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】太陽電池素子の動作原理図
【図2】半導体熱電素子の動作原理図
【図3】球面鏡集光形太陽光・熱発電装置略図(集光面に半導体熱電素子を装着)
【図4】球面鏡集光形太陽光・熱発電装置略図(集光面に凸面鏡13を装着し、球面中央部に半導体熱電素子を装着)
【図5】セグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図(集光面に半導体熱電素子を装着)
【図6】セグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図(集光面に凸面鏡13を装着し、球面中央部に半導体熱電素子を装着)
【図7】帯状集光面に半導体熱電素子を装着した場合のセグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図
【図8】矩形状に並べた太陽電池の中央に帯状に半導体熱電素子を装着した場合のセグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図
【図9】球面鏡や円筒型凹面鏡による太陽光・熱発電装置の動作原理説明図(集光面にメニスカス型フィルターミラーを装着し、可視光を透過、赤外線を反射し、球面中央部に半導体熱電素子をフィルターミラーの後方に太陽電池を装着)
【図10】球面鏡や円筒型凹面鏡による太陽光・熱発電装置の動作原理説明図(集光面にメニスカス型フィルターミラーを装着し、赤外線を透過、可視光線を反射し、球面中央部に太陽電池をフィルターミラーの後方にを半導体熱電素子装着)
【図11】球面や円筒型凹面鋳型上に角型あるいは矩形形平面鏡を配列した太陽光・熱発電装置の動作原理説明図(集光面にメニスカス型フィルターミラーを装着し、可視光を透過、赤外線を反射し、球面中央部に半導体熱電素子をフィルターミラーの後方に太陽電池を装着)
【図12】球面や円筒型凹面鋳型上に角型あるいは矩形形平面鏡を配列した太陽光・熱発電装置の動作原理説明図(集光面にメニスカス型フィルターミラーを装着し、赤外線を透過、可視光線を反射し、球面中央部に太陽電池をフィルターミラーの後方にを半導体熱電素子装着)
【図13】帯状または四角形平面鏡を平面状で煽り1面または短冊状に集光するように並べたセグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図(集光面にメニスカス型フィルターミラーを装着し、可視光を透過、赤外線を反射し、球面中央部に半導体熱電素子をフィルターミラーの後方に太陽電池を装着)
【図14】帯状または四角形平面鏡を平面状で煽り1面または短冊状に集光するように並べたセグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図(集光面にメニスカス型フィルターミラーを装着し、赤外線を透過、可視光線を反射し、球面中央部に太陽電池をフィルターミラーの後方にを半導体熱電素子装着)
【図15】帯状平面鏡を平面状で煽り、短冊状に集光するように並べたセグメントミラーによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図(集光面に凹面状に曲げた短冊状鋳型の上にフィルターミラーが付いた太陽電池アレイを1列に並べ、可視光を透過、赤外線を反射し、矩形状ミラーを配列した中央部に半導体熱電素子をフィルターミラーを装着)
【図16】メニスカスレンズ型フィルターミラーで反射して集光された可視光線で太陽電池を励起し透過して集光された赤外線で半導体熱電素子を加熱することによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図
【図17】メニスカスレンズ型フィルターミラーで透過して集光された可視光線で太陽電池を励起し、反射して集光された赤外線で半導体熱電素子を加熱することによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図
【図18】フィルターミラーを装着した角形平面鏡を平面状で煽り1面に集光するように並べたセグメントミラーにより、反射した紫外線で蛍光体を励起して赤色発光を行い、可視光線と共に太陽電池を励起、反射した赤外線で半導体熱電素子を加熱して熱発電を行う太陽光・熱発電装置の動作原理説明図
【図19】フィルターミラーを装着した角形または短冊状平面鏡を平面状で煽り帯状に集光するように並べたセグメントミラーにより、反射した紫外線で蛍光体を励起して赤色発光を行い、可視光線と共に太陽電池を励起、反射した赤外線で半導体熱電素子を加熱して熱発電を行う太陽光・熱発電装置の動作原理説明図
【図20】フィルターミラーを装着した角形または短冊状平面鏡を平面状で煽り帯状に集光するように並べたセグメントミラーにより、反射した紫外線で収熱器に塗布された蛍光体を励起して赤色発光を行い、可視光線と共に太陽電池を励起、反射した赤外線でパイプ内の水や油が循環する収熱器を加熱して熱発電の熱源とするための太陽光・熱発電装置動作原理説明図
【図21】太陽光入射窓に付けたフィルターミラーで赤外線を反射し、積分球(半球でも蒲鉾型でも良い)内に入った紫外線による蛍光体の赤色発光と可視光線とで太陽電池を励起することによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図
【図22】マイクロ凹レンズアレ付き入射窓で入射光を散乱させた太陽光は、フィルターミラーで赤外線を反射し、積分球(半球でも蒲鉾型でも良い)内の半導体熱電素子を加熱し、紫外線による蛍光体の赤色発光と可視光線とで太陽電池を励起することによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図
【図23】積分球容器(半球でも蒲鉾型でも良い)への太陽光入射窓を大気開放し、焦点を容器の外に置き、太陽電池の上に装着したフィルターミラーで赤外線を反射し、積分球内の半導体熱電素子を加熱し、紫外線による蛍光体の赤色発光と可視光線とで太陽電池を励起することによる太陽光・熱発電装置の動作原理説明図
【符号の説明】
【0035】
1 ガラス基板
2 赤外線反射膜
3 紫外線反射膜
4 フィルターミラー
5 太陽電池
6 冷却水
7 赤外線
8 可視光線
9 紫外線
10 熱吸収層
11 半導体熱伝素子
12 球面鏡鋳型(下部に冷却水6層付け)
13 凸面鏡
14 平面円盤
15 矩形状平面板
16 帯状凸面鏡
17 球面鏡または円筒型凹面鏡
18 メニスカス型フィルターミラー(球面または円筒)可視光線を透過し赤外線を反射
19 メニスカス型フィルターミラー(球面または円筒)可視光線を反射し赤外線を透過
20 球面あるいは円筒凹面鋳型上に正方形や矩形状ミラーを配列したセグメントミラー
21 帯状または四角形平面鏡を平面状で煽り1面または短冊状に集光するように並べたセグメントミラー
22 凹面状短冊鋳型に取り付けた太陽電池アレイ
23 短冊状ミラー
24 メニスカス型フィルターミラー(反射面が凹面鏡で可視光線を反射、透過面は凸レンズを成し赤外線を集光)
25 メニスカス型フィルターミラー(反射面が凹面鏡で赤外線を反射、透過面は凸レンズを成し可視光線を集光)
26 蛍光体
27 パイプ(収熱器)
28 入射窓(散乱用マイクロ凹レンズアレイ)
29 冷却水入り口
30 冷却水出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルターミラーで赤外線、可視光線と紫外線に分光した太陽光の赤外部は半導体熱電素子あるいは水や油が循環する集熱器に集光し、可視光部は直接太陽電池を励起し、かつ太陽電池および半導体熱電素子の背面部は冷却水で冷却し、紫外部と可視光線の短波長側は蛍光剤により可視光変換した後、太陽電池を励起することを特徴とする太陽光・熱発電装置。
【請求項2】
前記フィルターミラーが蒸着された複数個の太陽電池あるいはフィルターミラー板を載せた太陽電池であり、これらを複数個の太陽電池を円筒面上または円筒型放物面上あるいは球面上、または平面上に1面または帯状面に集光するように配置したセグメントミラーとして配列し、フィルターミラーから反射される赤外線を直接、または凸面あるいは凹面または平面鏡により反射させ、その赤外線を一点を共有する面または帯状面に集光し、その集光面に半導体熱発電素子あるいは水や油が循環する集熱器を備えることを特徴とする請求項1記載の太陽光・熱発電装置。
【請求項3】
前記フィルターミラーが蒸着された複数個の太陽電池あるいはフィルターミラー板を載せた太陽電池を平面状に煽り角を付けて並べ、夫々の面を一点を共有する面に集光するか、または帯状面に集光するか、あるいはその集光面に反射鏡を設置し、そこでの反射光を太陽電池セグメント群の中央に置かれた半導体熱発電素子、あるいは水または油が循環する集熱パイプに集光することを特徴とする請求項1記載の太陽光・熱発電装置。
【請求項4】
前記フィルターミラーが蒸着された凸面あるいは凹面または平面鏡と太陽光を集光するための凹面鏡や放物面鏡あるいは複数個の平面鏡を円筒面または円筒型放物面あるいは球面、または平面上に1面または帯状面に集光するように配置したセグメントミラーなどの組み合わせより成り、フィルターミラーから反射される高密度可視光線で太陽電池を直接励起し、フィルターミラーを透過した高密度赤外線を一点を共有する面または帯状面に集光し、その集光面に半導体熱発電素子あるいは水や油が循環する集熱器を備えるか、またはフィルターミラーを透過した高密度可視光線で太陽電池を直接励起し、フィルターミラーで反射した高密度赤外線を一点を共有する面または帯状面に集光し、その集光面に半導体熱発電素子あるいは水や油が循環する集熱器を備えることを特徴とする請求項1記載の太陽光・熱発電装置。
【請求項5】
前記フィルターミラーが蒸着された複数個の太陽電池あるいはフィルターミラー板を載せた太陽電池であり、これらを複数個の太陽電池を円筒面上または円筒型放物面上あるいは球面上または平面上に1面または帯状面に集光するように配置したセグメントミラーとして配列し、フィルターミラーから反射される紫外線により帯状集光面や集熱パイプに塗布された蛍光剤を励起して可視光線に変換した光で太陽電池を再励起する。それら蛍光剤の下地は熱吸収剤が塗布されその下面に在る半導体熱発電素子あるいは水や油が循環する集熱器を加熱することを特徴とする請求項1記載の太陽光・熱発電装置。
【請求項6】
前記フィルターミラーを蒸着した太陽電池あるいはフィルターミラー板を載せた太陽電池を球状あるいは円筒状容器の中に複数個配列し、当該容器の内壁に蛍光剤あるいは蛍光剤と吸熱層を有する熱電素子を配置し、容器外壁および太陽電池の背面を冷却水で冷却し、当該容器の一部を太陽光入射用開口部とし、当該開口部分大気に開放あるいは太陽光側はフィルターミラーを蒸着した凸面を成し容器側がマイクロ凹レンズアレイで構成される一体型メニスカスレンズを装付けしたことを特徴とする請求項1記載の太陽光・熱発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−130801(P2008−130801A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−314062(P2006−314062)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(303045188)
【Fターム(参考)】