説明

太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法

【課題】配線作業を簡便に行なうことができる太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】太陽電池セル同士を電気的に接続するための配線を有する配線基板と、配線基板の配線上に設置されて電気的に接続された複数の太陽電池セルとを備えた太陽電池構造体を含み、太陽電池構造体は、太陽電池構造体の対向する両端部の少なくとも一方における配線の一部が太陽電池セルの受光面側とは反対側に位置するように封止材中に設置されており、太陽電池セルの受光面側とは反対側に位置する配線の少なくとも一部が封止材から露出している太陽電池モジュールとその製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法に関し、特に、配線作業を簡便に行なうことができる太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギ資源の枯渇の問題や大気中のCO2の増加のような地球環境問題等からクリーンなエネルギの開発が望まれており、特に、太陽電池セルを用いた太陽光発電が新しいエネルギ源として開発、実用化され、発展の道を歩んでいる。
【0003】
従来の太陽電池セルにおいては、たとえば単結晶または多結晶のシリコン基板の太陽光が入射する側の表面(受光面)にシリコン基板の導電型と反対の導電型となる不純物を拡散することによって受光面近傍にpn接合を形成するとともに、受光面に一方の電極を配置し、受光面の反対側にある表面(裏面)に他方の電極を配置して製造されたものが主流となっている。
【0004】
そして、上記の構成の太陽電池セルの複数をインターコネクタで電気的に接続することによって太陽電池ストリングを形成し、その太陽電池ストリングの複数を電気的に接続した後に樹脂等の封止材で封止することによって太陽電池モジュールを作製し、太陽光発電が行なわれている。
【0005】
図21に、従来の太陽電池モジュールの一例の模式的な断面図を示す。ここで、従来の太陽電池モジュールは、シリコン基板801のテクスチャ構造が形成された受光面上に反射防止膜812と共に受光面側電極(図示せず)を形成し、裏面に裏面側電極807を形成した太陽電池セルをインターコネクタ822で接続した太陽電池ストリングが透明樹脂等の封止材818中に封止された構成を有している。そして、太陽電池ストリングを封止した封止材818の上面にはガラス基板817が設置されるとともに、下面には耐候性フィルム819が設置されており、その外周がアルミニウム枠820で取り囲まれている。また、太陽電池ストリングの両端部のインターコネクタ822には、他の太陽電池ストリングに接続されている接続用部材816が設けられている。
【0006】
図22に、図21に示す太陽電池モジュールの裏面側の一部の模式的な構成を示す。ここで、図示はしていないが、太陽電池セルは、図22の紙面の下方向に配列されて直列に接続されており、太陽電池セルの列ごとに太陽電池ストリングを構成している。また、隣接する太陽電池ストリングのインターコネクタ822の端部同士が接続用部材816で接続され、接続用部材816は太陽電池モジュールの外周を引き回されて1箇所に集められる。そして、1箇所に集められた接続用部材816は、リード線803a、リード線803bおよびバイパスダイオード(図示せず)を備えた端子ボックス802に接続される。これにより、太陽電池モジュールで発生した電流は、リード線803a、803bによって外部に取り出される。
【特許文献1】特開2005−340362号公報
【特許文献2】特開2007−115915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記構造の従来の太陽電池モジュールにおいては、端子ボックス802と接続するために、接続用部材816を太陽電池モジュールの外周を引き回して1箇所に集める必要があるため、配線の接続作業に非常に手間がかかるという問題があった。さらに、接続用部材816と太陽電池セルとが電気的に接続しないように、接続用部材816の表面には絶縁性部材を被覆する等の絶縁処理をする必要があるという問題があった。
【0008】
また、太陽電池ストリングを接続する接続用部材816には太陽電池セル10枚前後の電力が集中し、端子ボックス802と接続する接続用部材816には太陽電池セル数十〜百枚前後の電力が集中するため、確実に接続を行なう必要があるため、この接続作業は作業者の熟練を要する工程となっていた。
【0009】
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、太陽電池モジュールの作製の際の配線作業において、材料点数を減らすとともに、接続作業自体を簡便に行なうことができるようにすることで、製造コストの低減と作業効率の向上を図った太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、太陽電池セル同士を電気的に接続するための配線を有する配線基板と、配線基板の配線上に設置されて電気的に接続された複数の太陽電池セルとを備えた太陽電池構造体を含み、太陽電池構造体は、太陽電池構造体の対向する両端部の少なくとも一方における配線の一部が太陽電池セルの受光面側とは反対側に位置するように封止材中に設置されており、太陽電池セルの受光面側とは反対側に位置する配線の少なくとも一部が封止材から露出している太陽電池モジュールである。
【0011】
ここで、本発明の太陽電池モジュールにおいては、配線の少なくとも一部が、銅、アルミニウムおよび銀からなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0012】
また、本発明の太陽電池モジュールにおいては、太陽電池セルが直列に接続されて一列に配列されてなる太陽電池ストリングの複数と、太陽電池モジュールに発生した電流を外部に取り出すための出力端子を有する端子ボックスとを含み、配線基板の配線は、太陽電池ストリング同士が接続されている太陽電池ストリング接続用配線と、出力端子が接続されている出力端子接続用配線とを含むことが好ましい。
【0013】
また、本発明の太陽電池モジュールにおいては、太陽電池ストリング接続用配線に接続されたバイパスダイオードが含まれることが好ましい。
【0014】
また、本発明の太陽電池モジュールにおいては、出力端子接続用配線と出力端子とは、物理的圧着による接続および導電性物質を介した接続の少なくとも一方により接続されていることが好ましい。
【0015】
また、本発明の太陽電池モジュールにおいては、出力端子接続用配線と出力端子とが磁力を利用した物理的圧着により接続されていてもよい。
【0016】
また、本発明の太陽電池モジュールにおいては、出力端子接続用配線と出力端子とが端子ボックスを配線基板にネジ止めすることによって物理的圧着により接続されていてもよい。
【0017】
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、配線基板は配線が設置された基材を有し、基材はポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミドおよびエチレンビニルアセテートからなる群から選択された少なくとも1種を含む可撓性を有する基材であることが好ましい。
【0018】
また、本発明の太陽電池モジュールにおいては、太陽電池構造体の対向する両端部の少なくとも一方における基材の一部を折り曲げることによって配線の一部を太陽電池セルの受光面側とは反対側に位置させていることが好ましい。
【0019】
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セルは太陽電池セルの受光面側とは反対側の裏面にp型用電極およびn型用電極を備えた裏面電極型太陽電池セルであることが好ましい。
【0020】
さらに、本発明は、上記のいずれかの太陽電池モジュールを製造するための方法であって、配線基板の配線に太陽電池セルを電気的に接続することによって太陽電池構造体を形成する工程と、太陽電池セルの受光面側とは反対側において太陽電池構造体の対向する両端部の少なくとも一方における配線の少なくとも一部が封止材から露出するように太陽電池構造体を封止材中に設置する工程とを含む太陽電池モジュールの製造方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、配線作業を簡便に行なうことができる太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
【0023】
図1に、本発明の太陽電池モジュールの一例の模式的な断面図を示す。ここで、本発明の太陽電池モジュールにおいては、たとえばp型またはn型のシリコン基板101の裏面に形成されたパッシベーション膜103から露出している表面にn型領域104およびp型領域105がそれぞれ形成されている。そして、n型領域104上にn型用電極106が形成されるとともに、p型領域105上にp型用電極107が形成されており、シリコン基板101の受光面に反射防止膜102が形成された構成の裏面電極型太陽電池セル100を有している。なお、シリコン基板101の受光面はテクスチャ構造となっている。
【0024】
そして、裏面電極型太陽電池セル100のn型用電極106およびp型用電極107はそれぞれ、配線基板111上に設置されたn型用配線109およびp型用配線110に電気的に接続されており、隣接する裏面電極型太陽電池セル100のうち一方の裏面電極型太陽電池セル100のn型用電極106と他方の裏面電極型太陽電池セル100のp型用電極107とが電気的に接続されることにより、隣接する裏面電極型太陽電池セル100が直列に接続されて、太陽電池構造体が構成されている。この配線基板111上には、裏面電極型太陽電池セル100が直列に一列に配列されてなる太陽電池ストリング同士を接続するための太陽電池ストリング接続用配線と、後述する端子ボックス内の出力端子を接続するための出力端子接続用配線とを備えていることが好ましい。また、配線基板111は、たとえば絶縁性の基材上に金属箔を貼り合わせ、金属箔上において所望の形状にエッチング保護用レジストを形成し、エッチング保護用レジストから露出している金属箔をエッチングした後に、エッチング保護用レジストを除去することにより形成可能である。
【0025】
また、太陽電池構造体は、たとえばガラス等からなる透明基板117と耐候性フィルム等からなる裏面基材119との間の封止材118中に設置されており、太陽電池構造体の配線基板111は、太陽電池ストリングを構成する裏面電極型太陽電池セル100の接続方向における両端部が折り曲げられて設置されていることが好ましい。なお、本発明において、封止材118としては、特に限定されることなく用いることができ、たとえば、EVA(エチレンビニルアセテート)等の透明樹脂を用いることができる。
【0026】
さらに、太陽電池構造体の配線基板111の両端を折り曲げることによって裏面電極型太陽電池セル100の受光面側と反対側に設置された配線である配線端部114a、114bおよび配線端部115bのうち、配線端部114aは封止材118の裏面に設けられた開口部301から外部に露出しており、太陽電池モジュールに発生した電流を外部に取り出すための出力端子と電気的に接続可能となっている。そして、太陽電池構造体を封止している透明基板117、封止材118および裏面基材119の外周を取り囲むようにしてアルミニウム等の枠体120が嵌め込まれている。
【0027】
図2に、図1に示す太陽電池モジュールを構成する太陽電池構造体の折り曲げ前の受光面側の一例の模式的な平面図を示す。この例では、24枚の裏面電極型太陽電池セル100が配線基板111の配線上に縦6列×横4列の形態で配置されて太陽電池構造体を構成しており、配線基板111の端部に設けられたスリット112に対応する破線A−Aおよび破線B−Bに沿って折り曲げられて封止材中に封止されることによって図1に示す構成の太陽電池モジュールとなる。
【0028】
ここで、配線端部114a−配線端部115a間、配線端部115a−配線端部114b間、配線端部114b−配線端部115b間、配線端部115b−配線端部114c間、配線端部114c−配線端部115c間および配線端部115c−配線端部114d間に配列された太陽電池セル100はそれぞれ隣接する太陽電池セル100と電気的に直列に接続されている。なお、この例においては、図2に示すL2の方向に直列に接続されて一列に配列されている4枚の裏面電極型太陽電池セル100によって1つの太陽電池ストリングが構成されている。また、この例においては、配線端部114b、配線端部114c、配線端部115a、配線端部115bおよび配線端部115cがそれぞれ上記の太陽電池ストリング接続用配線に相当する。
【0029】
また、太陽電池構造体においては、太陽電池構造体の直列抵抗を低減するために配線の断面積を大きくすることが好ましい。ここで、配線の断面積を十分に大きくするために配線の幅を広げた場合には、たとえば図2に示される太陽電池構造体の裏面電極型太陽電池セル100の接続方向(図2に示すL2の方向)における太陽電池構造体の折り曲げ前の長さL2が、図1に示す裏面電極型太陽電池セル100の接続方向(太陽電池モジュールの短辺方向)における枠の厚みを除いた太陽電池モジュールの長さL1よりも長くなる場合がある。
【0030】
しかしながら、本発明においては、このような場合でも、太陽電池構造体の配線基板111の両端部を裏面電極型太陽電池セル100の受光面側とは反対側に折り曲げた状態で封止して太陽電池モジュールが作製されることから、太陽電池モジュールの形状によることなく配線の設計が可能となり、太陽電池構造体の直列抵抗を十分に低減することができるため、太陽電池モジュールのF.F等の特性を向上することもできる。
【0031】
また、太陽電池モジュールにおいては、一部の太陽電池セルに影がかかり、太陽光が当たらずに未発電状態になった場合には、未発電状態の太陽電池セルに発電状態の太陽電池セルから逆方向電流が流れて太陽電池セルが破壊するおそれがある。そこで、この逆方向電流を防ぐために、通常、端子ボックス内にダイオード(バイパスダイオード)が設置されている。バイパスダイオードに電流が流れる場合には、バイパスダイオードが発熱するため、放熱特性を高めた端子ボックスの開発が行なわれている。本発明においては、配線基板111を折り返すことによって配線の面積を大きくすることができることから、高い放熱特性を得るために従来の端子ボックスに設置されていたバイパスダイオードを配線に設置することが好ましい。
【0032】
この例においては、配線端部114aと配線端部114bとの間にバイパスダイオード300aが接続されており、配線端部114bと配線端部114cとの間にバイパスダイオード300bが接続されており、配線端部114cと配線端部114dとの間にバイパスダイオード300cが接続されている。なお、本発明において、バイパスダイオードとしては、たとえば従来から公知のダイオード(バイパスダイオード)を用いることができる。
【0033】
図3に、図1に示す太陽電池モジュールを構成する太陽電池構造体を折り曲げて封止材中に封止して作製された太陽電池モジュールの裏面側の一例の模式的な平面図を示す。この例においては、太陽電池モジュールの両端部の裏面基材119の一部およびその内側の封止材の一部が除去されており、これにより、太陽電池モジュールの両端部の配線端部114aの表面および配線端部114dの表面が円形状の開口部301からそれぞれ外部に露出している。
【0034】
そして、外部に露出している配線端部114aおよび配線端部114dの表面にリード線303a、303bおよび出力端子310a、310bを内部に収容した端子ボックス302を取り付けて電気的に接続することによって、太陽光の照射により太陽電池モジュールで発生した電流がこれらのリード線303a、303bから外部に取り出すことができる。
【0035】
このように、本発明の太陽電池モジュールにおいては、配線基板111上に、外部に露出している配線端部に出力端子を取り付けることによって簡単に電流を外部に取り出すことができるため、従来の図22に示されるような専用の接続用部材816を用いなくてもよく、従来のように端子ボックスに接続するための接続用部材を何本も太陽電池モジュールの外周を引き回して1箇所に集める必要がない。さらには、接続用部材同士が電気的に接続しないように接続用部材の表面に新たに絶縁処理をする必要もない。したがって、本発明の太陽電池モジュールにおいては、従来と比べて配線作業を大幅に簡易化することができる。また、本発明の太陽電池モジュールにおいては、接続用部材を何本も形成する必要がないため、製造コストの低減も図ることができる。
【0036】
図4に、図1に示す太陽電池モジュールに用いられている裏面電極型太陽電池セル100の裏面の模式的な平面図を示す。ここで、n型用電極106およびp型用電極107はそれぞれ、シリコン基板101の裏面において櫛形状に形成されており、n型用電極106およびp型用電極107は、それぞれの櫛歯が噛み合わさって互い違いになるように設置されている。ここで、n型用電極106およびp型用電極107はそれぞれ金属材料で形成されることが好ましく、特に銀を含む材料で形成されることが好ましい。
【0037】
図5に、図1に示す太陽電池モジュールに用いられている配線基板111の模式的な平面図を示す。ここで、配線基板111には、n型用配線109とp型用配線110とが備えられているとともに、裏面電極型太陽電池セル100のn型用電極106に電気的に接続されるn型用配線109と、p型用電極107に電気的に接続されるp型用配線110とを電気的に接続するための接続用配線113が備えられている。
【0038】
また、配線基板111の端部に位置するp型用配線110およびn型用配線109は配線端部114a、配線端部114b、配線端部114c、配線端部114d、配線端部115a、配線端部115bまたは配線端部115cのいずれかに電気的に接続されている。
【0039】
さらに、配線端部114a、114b、114c、114dおよび配線端部115a、115b、115cにはそれぞれ位置決め用の開口部となるスリット112が形成されている。
【0040】
なお、図5においては、n型用配線109、p型用配線110、接続用配線113、配線端部114a、114b、114c、114dおよび配線端部115a、115b、115cのそれぞれの領域を破線によって分けているが、図5に示す分け方に限定されるものではない。
【0041】
図6に、図4に示す裏面を有する裏面電極型太陽電池セル100を図5に示す配線基板111に電気的に接続して構成された太陽電池構造体の模式的な概略断面図を示す。
【0042】
ここで、裏面電極型太陽電池セル100のn型用電極106は、配線基板111のn型用配線109と接触して電気的に接続されており、裏面電極型太陽電池セル100のp型用電極107は、配線基板111のp型用配線110と接触して電気的に接続されている。
【0043】
このように、本発明においては、裏面電極型太陽電池セル100の裏面に配線基板111を設置することで電気的な接続が可能となり、従来の太陽電池セルの接続のように、インターコネクタを受光面から裏面に取り回す必要がなくなるため、太陽電池モジュールの作製時の裏面電極型太陽電池セル100への負荷が低減し、裏面電極型太陽電池セル100の割れの発生を低減させることができる。したがって、本発明によれば、太陽電池モジュールの作製時の裏面電極型太陽電池セル100への負荷を低減することができるため、裏面電極型太陽電池セル100の薄型化(シリコン基板101の厚さが200μm以下)への対応も可能となる。
【0044】
さらに、配線端部114a、114b、114c、114dおよび配線端部115a、115b、115cが形成されている配線基板111の端部を裏面電極型太陽電池セル100の受光面側とは反対側に折り曲げた状態で太陽電池構造体を封止材中に封止することによって配線基板111の配線の設計自由度が上がる。これにより、配線端部の幅を広くして断面積を大きくすることによって、裏面電極型太陽電池セル100間の直列抵抗を低減することができ、高いF.Fの太陽電池モジュールを作製することができる。
【0045】
また、配線端部の幅を広げて裏面電極型太陽電池セル100間の直列抵抗を低減する観点からは、裏面電極型太陽電池セル100の接続方向が反転する部分となる配線端部114a、114b、114c、114dおよび配線端部115a、115b、115cに導電性部材を電気的に接続してもよい。なお、導電性部材としては、導電性を有する材質からなる部材であれば特に限定されずに用いることができ、たとえば太陽電池分野で用いられている従来から公知のインターコネクタ等を用いてもよい。
【0046】
以下に、図7(a)〜(c)の模式的断面図を参照して、図1に示す太陽電池モジュールを製造する方法の一例について説明する。
【0047】
まず、図7(a)に示すように、上述したように太陽電池構造体を作製し、太陽電池構造体の両端部にそれぞれ形成されたスリット112の下方に絶縁性の棒材121を設置する。ここで、絶縁性の棒材121としては、たとえばアクリル等の絶縁材料からなる直径1〜2mm程度の棒材を用いることができる。また、棒材121は、裏面電極型太陽電池セル100の割れの発生を抑制する観点から、たとえば図7(a)に示すように、裏面電極型太陽電池セル100の接続方向の端部に配置された裏面電極型太陽電池セル100の外側に設置されることが好ましい。また、スリット112は、配線基板111上の配線の抵抗に影響が出ない程度の大きさに形成されることが好ましい。
【0048】
次に、図7(b)に示すように、棒材121を軸として、太陽電池構造体の両端部の配線基板111の部分を裏面電極型太陽電池セル100の受光面側とは反対側に折り曲げる。太陽電池モジュールの受光面内における裏面電極型太陽電池セル100の充填率に無駄が生じないように、太陽電池モジュールの受光部には裏面電極型太陽電池セル100以外の部分をなるべく露出させないように設置されることが好ましい。
【0049】
また、ここでは、スリット112の部分を折り曲げ位置として棒材121を設置し、その棒材121を軸として太陽電池構造体の両端部の配線基板111の部分を折り曲げる形態について説明したが、本発明においては、棒材121を設置せずにスリット112の部分を折り曲げ位置として、裏面電極型太陽電池セル100の受光面側とは反対側に折り曲げてもよい。ただし、棒材121を用いずに折り曲げた場合には、折り曲げ部の折り目が鋭角になって配線が断線してしまうおそれがあることから、棒材121を軸として折り曲げることでその折り曲げ部分に対する負荷が軽減されるため、棒材121を使用して棒材121を軸として折り曲げることが好ましい。なお、棒材121は、太陽電池構造体の封止の際に取り外してもよく、そのまま残しておいてもよい。
【0050】
その後、図7(c)に示すように、太陽電池構造体の両端部の配線基板111の部分を裏面電極型太陽電池セル100の受光面側とは反対側に折り曲げた状態で、ガラス等の透明基板117と耐候性フィルム等の裏面基材119との間の透明樹脂等の封止材118中に封止する。そして、封止材118の一部および裏面基材119の一部をそれぞれ予め除去しておくことによって開口部301を形成し、その開口部301から配線端部114aの表面を露出させる。その後、透明基板117、封止材118および裏面基材119の外周にアルミニウム等からなる枠体120を嵌め込むことによって、図1に示す構成の太陽電池モジュールが作製される。
【0051】
なお、バイパスダイオード300a、300b、300cは、封止材118への封止前に配線基板111の配線端部に取り付けられてもよく、予めバイパスダイオードの取り付け位置に対応する部分が開口するように封止材118および裏面基材119の一部を除去して太陽電池構造体を封止した後にバイパスダイオードを取り付けてもよい。このようにバイパスダイオードを配線基板111の配線端部上に取り付けることで小さい端子ボックスにバイパスダイオードを取り付ける場合と比べて簡易にバイパスダイオードの取り付けを行なうことができるため作業安定性が向上するとともに高い放熱性を期待することができる。
【0052】
なお、上記においては、配線基板111として、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミドおよびエチレンビニルアセテートからなる群から選択された少なくとも1種の可撓性を有するフィルムを用いた場合について説明したが、本発明においては配線基板111としてガラス基板、ガラスエポキシ基板、紙フェノール基板等の可撓性を有しない基板を用いることもできる。配線基板111が可撓性を有しない場合には、たとえば図8に示すように、配線端部114a、114b、114c、114dおよび配線端部115a、115b、115cが配線基板111の裏面(太陽電池セルの受光面側とは反対側の表面)に回り込むように配線が形成されていればよい。
【0053】
また、上記において、n型用配線109、p型用配線110、接続用配線113、配線端部114a、114b、114c、114dおよび配線端部115a、115b、115cのそれぞれの配線部材としては、銀、銅およびアルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種を含む金属材料を用いることが好ましい。
【0054】
また、上記においては、配線端部114aの表面と端子ボックス302中の出力端子310aとの接続および配線端部114dの表面と端子ボックス302中の出力端子310bとの接続はそれぞれ、たとえば、物理的圧着による接続および導電性物質を介した接続の少なくとも一方により行なうことができる。
【0055】
ここで、物理的圧着による接続としては、たとえば図9に示すように磁石305と鉄板等の磁性体304との間の磁力を利用して端子ボックス302内の出力端子310aと配線端部114aの表面とを接触させて固定する方法がある。このような構成の太陽電池モジュールは、たとえば以下のようにして作製することができる。
【0056】
まず、たとえば厚さ1mm程度の鉄板等の磁性体304を配線基板111の折り返し部分に挟み込む。そして、端子ボックス302の設置箇所に対応する部分が開口するように封止材118および裏面基材119の一部を除去することによって配線基板111の配線端部114a、114dに含まれる出力端子接続用配線が露出するように太陽電池構造体を封止する。そして、予め磁石305を底部に備えた端子ボックス302をその露出した出力端子接続用配線に設置することにより、端子ボックス302の磁石305と配線基板111の折り返し部分の磁性体304との間の磁力によって端子ボックス302が配線基板111に取り付けられる。したがって、この構成によれば、端子ボックス302の設置のみによって端子ボックス302の出力端子310a、310bと出力端子接続用配線との電気的な接続が可能となるため、作業者の熟練度に関係なく、簡便かつ確実に端子ボックス302の取り付けが可能となる。なお、磁性体304としては、たとえば、鉄、ニッケルおよびコバルトからなる群から選択された少なくとも1種を含む物質を用いることができる。また、磁石305としては、自ら磁場を保持する磁石を用いればよいが、太陽電池モジュールの長期信頼性を考慮すると永久磁石を用いることが好ましい。永久磁石としては、特に減磁の少ないフェライト磁石を用いることが好ましい。なお、端子ボックス302の出力端子と出力端子接続用配線との電気的な接続の信頼性を向上させるために端子ボックス302と裏面基材119とは接着剤等を用いて固定することが好ましい。
【0057】
また、図10に、図9に示す太陽電池モジュールの長辺方向(太陽電池モジュールの短辺方向に直交する方向)に沿った部分断面を模式的に示す。
【0058】
ここで、太陽電池構造体は配線基板111と透明基板117との間において封止材118により封止されており、配線基板111のn型用配線109は太陽電池構造体のn型用電極106と電気的に接続され、配線基板111のp型用配線110は太陽電池構造体のp型用電極107と電気的に接続されている。また、配線基板111の両端部は折り返されており、配線基板111の裏側に配線端部114aおよび配線端部114dが位置している。また、磁性体304は、配線基板111の折返し部分の端子ボックス302の設置位置に対応する位置に設置されている。
【0059】
また、配線基板111の出力端子接続用配線に相当する配線端部114aの表面には端子ボックス302の出力端子310aが接触することにより電気的に接続されており、配線基板111の出力端子接続用配線に相当する配線端部114dの表面には端子ボックス302の出力端子310bが接触することにより電気的に接続されている。また、出力端子310aはリード線303aと電気的に接続され、出力端子310bはリード線303bと電気的に接続されている。なお、出力端子310aとリード線303aとは、リード線固定部材420aをリード線303aに被せた後にピン421でリード線固定部材420aを端子ボックス302に固定することによって固定されている。また、出力端子310bとリード線303bとは、リード線固定部材420bをリード線303bに被せた後にピン421でリード線固定部材420bを端子ボックス302に固定することによって固定されている。
【0060】
また、端子ボックス302の両端部にはそれぞれ磁石305が設置されており、この端子ボックス302内の磁石305と配線基板111中の磁性体304との間の磁力によって端子ボックス302が配線基板111に固定されるようになる。
【0061】
また、配線基板111の配線端部114aの出力端子310aの接続箇所(すなわち、出力端子接続用配線)以外の箇所および配線端部114dの出力端子310bの接続箇所(すなわち、出力端子接続用配線)以外の箇所は封止材118で覆われており、その封止材118上に裏面基材119が設置されている。そして、端子ボックス302はその裏面基材119に接するようにして配線基板111に取り付けられている。なお、端子ボックス302と裏面基材119とは接着剤等を用いて固定することが好ましい。
【0062】
また、端子ボックス蓋材430は端子ボックス302の上面に被せられるが、出力端子接続用配線等の水分による劣化を有効に抑止する観点からは端子ボックス302の内部には樹脂が充填されることが好ましい。
【0063】
ここで、配線基板111の封止材118中に封止される磁性体304は、たとえば図11の模式的斜視図に示すように、配線基板111の下方に、端子ボックス302内に設置された磁石305が磁性体304の両端部に対応するようにして設置される。
【0064】
図12に、本発明の太陽電池モジュールの他の一例の長辺方向(太陽電池モジュールの短辺方向に直交する方向)に沿った部分断面を模式的に示す。この太陽電池モジュールにおいては、配線基板111の封止材118中にその一部が封止されてその四隅に上方への突出部が備え付けられているネジ受け部材416が備え付けられており、そのネジ受け部材416の突出部にネジ422を接合することによって端子ボックス302が取り付けられていることを特徴としている。さらに、端子ボックス302の内部にはたとえば樹脂等の充填材423が充填されている。
【0065】
すなわち、図12に示す構成の太陽電池モジュールにおいては、ネジ422と端子ボックス302の一部を貫通するネジ受け部材416とを接合することにより、端子ボックス302内の出力端子310a、310bと配線基板111の出力端子接続用配線に相当する配線端部114a、114dの表面とが接触する。これにより、出力端子310a、310bと出力端子接続用配線とが物理的圧着により接触して電気的に接続されている。
【0066】
ここで、図12に示す構成の太陽電池モジュールはたとえば図13の模式的斜視図に示すように、配線基板111の一部に貫通孔425を設けておき、ネジ受け部材416の突出部をその貫通孔425に通し、端子ボックス蓋材430および端子ボックス302を通してネジ受け部材416の突出部にネジ422をネジ止めすることによって作製することができる。
【0067】
図12に示す構成の太陽電池モジュールにおいては、ネジ止めによって端子ボックス302を配線基板111に固定することによって、端子ボックス302内の出力端子310a、310bをそれぞれ出力端子接続用配線に物理的圧着させて電気的に接続することができるため、作業者の熟練度に関係なく、簡便かつ確実に端子ボックス302の取り付けが可能となる。
【0068】
また、上述したように配線基板の出力端子接続用配線と端子ボックスの出力端子とを物理的圧着によって接続する場合には、端子ボックスの出力端子は、たとえば図14〜図16に例示されるように、弾性構造を有していることが好ましい。
【0069】
たとえば、図14に示す構成の出力端子は、U字状の導電性の弾性体502を導電性の支持体501に接合した構成とされている。このような構成とすることにより、端子ボックスの出力端子を配線基板の出力端子接続用配線に押し付けた場合には弾性体502が撓んで図14の破線に示されるような形状となる。このとき、弾性体502には、撓んだ弾性体502が元の形状に戻ろうとする応力が生じるため、その応力により端子ボックスの出力端子を配線基板の出力端子接続用配線とが物理的に圧着する。
【0070】
また、図15に示す構成の出力端子は、導電性の支持体501の表面上に接合された円筒状の導電性の被覆部503および導電性の被覆部503の内部に設置された導電性のバネ504を介して導電性の圧着部505を設置する構成とされている。このような構成とすることにより、端子ボックスの出力端子を配線基板の出力端子接続用配線に押し付けた場合にはバネ504が縮むことになる。このとき、縮んだバネ504には元の形状に戻ろうとする応力が生じるため、その応力により端子ボックスの出力端子と配線基板の出力端子接続用配線とが物理的に圧着することになる。
【0071】
また、図16に示す構成の出力端子は、導電性の支持体501の表面上に接合された導電性の弾性体502自体がバネ形状に形成された構成とされている。このような構成とすることにより、端子ボックスの出力端子を配線基板の出力端子接続用配線に押し付けた場合には弾性体502が縮むことになる。このとき、縮んだ弾性体502には元の形状に戻ろうとする応力が生じるため、その応力により端子ボックスの出力端子と配線基板の出力端子接続用配線とが物理的に圧着することになる。
【0072】
これらの中で、端子ボックスの出力端子には太陽電池モジュールの電力が集中するため、出力端子の断面積を大きくしやすい図14に示す構造または図16に示す構造が特に好ましい。
【0073】
このような物理的圧着を行なうには、従来の配線材に比べて凹凸の小さい配線基板を用いることで安定した接触を得ることができるため有利であり、特に、本発明では、配線端部114a、114dの面積が大きいため、配線端部と端子ボックスの出力端子の位置を合わせやすく作業性がよい。
【0074】
一方、導電性物質を介した接続としては、たとえば、従来一般的に行なわれているハンダ、導電性接着剤またはACF(Anisotropic Conductive Film)等の導電性物質を配線端部114aの表面と出力端子との間および/または配線端部114dの表面と出力端子との間にそれぞれ挟んでこれらを固定する方法等が挙げられる。
【0075】
図17に、図1に示す太陽電池モジュールを構成する太陽電池構造体を折り曲げて封止材中に封止して作製された太陽電池モジュールの裏面側の他の一例の模式的な平面図を示す。この例においては、矩形状の開口部301から、配線端部114a、114b、114c、114dのそれぞれの一部と、バイパスダイオード300a、300b、300cとがそれぞれ露出するように設けられている。したがって、この例においては、太陽電池構造体を封止材に封止した後にバイパスダイオード300a、300b、300cを太陽電池ストリング接続用配線に接続することができるため、安定して作業をすることができる。また、リード線303a、リード線303b、出力端子310aおよび配線端部310bを備えた1つの端子ボックス302を取り付けるだけで太陽電池モジュールからの電流の取り出し用の配線が可能となるだけでなく、端子ボックス302によってダイオード300a、300b、300cを保護することも可能となる。
【0076】
図18に、本発明の太陽電池モジュールを構成する太陽電池構造体の折り曲げ前の受光面側の他の一例の模式的な平面図を示す。
【0077】
図19に、図18に示す太陽電池構造体を破線A−Aおよび破線B−Bに沿って折り曲げて封止材中に封止して作製された太陽電池モジュールの裏面側の一例の模式的な平面図を示す。この例においては、端子ボックスを正極または負極にそれぞれ分けて2箇所に設置している。このような構成とすることによって、端子ボックスを小型化することができ、端子ボックスへの配線を1箇所にまとめる必要がないため、配線基板の配線構造を簡略化することができる。また、隣接する太陽電池モジュールを接続するためのケーブル303を短くすることができる。
【0078】
図20に、図18に示す太陽電池構造体を破線A−Aおよび破線B−Bに沿って折り曲げて封止材中に封止して作製された太陽電池モジュールの裏面側の他の一例の模式的な平面図を示す。この例においては、矩形状の開口部301がダイオード300a、300b、300cをそれぞれ露出するように設けられていることに特徴がある。したがって、この例においては、太陽電池構造体を封止した後にバイパスダイオードを配線端部の太陽電池ストリング接続用配線に接続することができるため、作業の安定性が向上する傾向にある。
【0079】
また、この例においては、端子ボックス302aの出力端子310aを開口部301から露出している配線端部114aの出力端子接続用配線に電気的に接続するとともに、端子ボックス302a内にバイパスダイオード300aを収容することによってバイパスダイオード300aを保護する構成となっている。
【0080】
また、この例においては、開口部301から露出しているバイパスダイオード300bをダイオード保護ボックス302cに収容させることによって、バイパスダイオード300bを保護する構成となっている。
【0081】
また、この例においては、端子ボックス302b内の出力端子310bを開口部301から露出している配線端部114dに電気的に接続するとともに、端子ボックス302b内にバイパスダイオード300cを収容することによってバイパスダイオード300cを保護する構成となっている。
【0082】
なお、本明細書において、裏面電極型太陽電池セルおよび太陽電池モジュールの太陽光が入射する側の表面を受光面とし、受光面の反対側の表面を裏面とする。
【0083】
また、本発明においては、太陽電池セルとしては、上記で説明したように、シリコン基板等の半導体基板の裏面にp型用電極およびn型用電極の双方が形成された裏面電極型太陽電池セルを用いることが好ましい。
【0084】
また、本発明においては、シリコン基板以外の半導体基板を用いてもよく、p型とn型の導電型を入れ替えてもよい。
【0085】
また、上記においては、いずれの端子ボックスにもバイパスダイオード(ダイオード)が設置されていないが、配線基板上にダイオードを設置せず、端子ボックスに予めバイパスダイオード(ダイオード)を作りこんでおくこともできる。
【0086】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明によれば、配線作業を簡便に行なうことができる太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の太陽電池モジュールの一例の模式的な断面図である。
【図2】図1に示す太陽電池モジュールを構成する太陽電池構造体の折り曲げ前の受光面側の一例の模式的な平面図である。
【図3】図1に示す太陽電池モジュールを構成する太陽電池構造体を折り曲げて封止材中に封止して作製された太陽電池モジュールの裏面側の一例の模式的な平面図である。
【図4】図1に示す太陽電池モジュールに用いられている裏面電極型太陽電池セルの裏面の模式的な平面図である。
【図5】図1に示す太陽電池モジュールに用いられている配線基板の模式的な平面図である。
【図6】図4に示す裏面を有する裏面電極型太陽電池セルを図5に示す配線基板に電気的に接続して構成された太陽電池構造体の模式的な概略断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、図1に示す太陽電池モジュールを製造する方法の一例を図解する模式的な断面図である。
【図8】本発明の太陽電池モジュールに用いられる太陽電池構造体の一例の模式的な断面図である。
【図9】配線基板の出力端子接続用配線と端子ボックスの出力端子とを物理的圧着による接続に磁石と磁性体との間の磁力を用いた構成の本発明の太陽電池モジュールの一例の模式的な部分断面図である。
【図10】図9に示す太陽電池モジュールの短辺方向に沿った模式的な部分断面である。
【図11】図10に示す太陽電池モジュールの模式的な分解斜視図である。
【図12】本発明の太陽電池モジュールの他の一例の短辺方向に沿った模式的な部分断面である。
【図13】図12に示す太陽電池モジュールの模式的な分解斜視図である。
【図14】本発明に用いられる端子ボックスの出力端子の一例の模式的な断面図である。
【図15】本発明に用いられる端子ボックスの出力端子の他の一例の模式的な構成図である。
【図16】本発明に用いられる端子ボックスの出力端子のさらに他の一例の模式的な断面図である。
【図17】図1に示す太陽電池モジュールを構成する太陽電池構造体を折り曲げて封止材中に封止して作製された太陽電池モジュールの裏面側の他の一例の模式的な平面図である。
【図18】本発明の太陽電池モジュールを構成する太陽電池構造体の折り曲げ前の受光面側の他の一例の模式的な平面図である。
【図19】図18に示す太陽電池構造体を折り曲げて封止材中に封止して作製された太陽電池モジュールの裏面側の一例の模式的な平面図である。
【図20】図18に示す太陽電池構造体を折り曲げて封止材中に封止して作製された太陽電池モジュールの裏面側の他の一例の模式的な平面図である。
【図21】従来の太陽電池モジュールの一例の模式的な断面図である。
【図22】図21に示す太陽電池モジュールの裏面側の一部の模式的な構成図である。
【符号の説明】
【0089】
100 裏面電極型太陽電池セル、101,801 シリコン基板、102 反射防止膜、103 パッシベーション膜、104 n型領域、105 p型領域、106 n型用電極、107 p型用電極、109 n型用配線、110 p型用配線、111 配線基板、112 スリット、113 接続用配線、114a,114b,114c,114d,115a,115b,115c 配線端部、117 透明基板、118 封止材、119 裏面基材、120 枠体、121 棒材、300a,300b,300c ダイオード、301 開口部、302,302a,302b 端子ボックス、303a,303b,803a,803b リード線、304 磁性体、305 磁石、310a,310b 出力端子、416 ネジ受け部材、420a,420b リード線固定部材、421 ピン、422 ネジ、423 充填材、425 貫通孔、430 端子ボックス蓋材、501 支持体、502 弾性体、503 被覆部、504 バネ、505 圧着部、812 反射防止膜、807 裏面側電極、822 インターコネクタ、818 封止材、817 ガラス基板、819 耐候性フィルム、820 アルミニウム枠、816 接続用部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池セル同士を電気的に接続するための配線を有する配線基板と、前記配線基板の前記配線上に設置されて電気的に接続された複数の太陽電池セルとを備えた太陽電池構造体を含み、
前記太陽電池構造体は、前記太陽電池構造体の対向する両端部の少なくとも一方における前記配線の一部が前記太陽電池セルの受光面側とは反対側に位置するように封止材中に設置されており、
前記太陽電池セルの受光面側とは反対側に位置する前記配線の少なくとも一部が前記封止材から露出している、太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記配線の少なくとも一部が、銅、アルミニウムおよび銀からなる群から選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記太陽電池セルが直列に接続されて一列に配列されてなる太陽電池ストリングの複数と、前記太陽電池構造体に発生した電流を外部に取り出すための出力端子を有する端子ボックスとを含み、
前記配線基板の前記配線は、前記太陽電池ストリング同士が接続されている太陽電池ストリング接続用配線と、前記出力端子が接続されている出力端子接続用配線とを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記太陽電池ストリング接続用配線に接続されたバイパスダイオードを含むことを特徴とする、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記出力端子接続用配線と前記出力端子とは、物理的圧着による接続および導電性物質を介した接続の少なくとも一方により接続されていることを特徴とする、請求項3または4に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記出力端子接続用配線と前記出力端子とは、磁力を利用した物理的圧着により接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記出力端子接続用配線と前記出力端子とは、前記端子ボックスを前記配線基板にネジ止めすることによって物理的圧着により接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記配線基板は前記配線が設置された基材を有し、前記基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミドおよびエチレンビニルアセテートからなる群から選択された少なくとも1種を含む可撓性を有する基材であることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
前記太陽電池構造体の対向する両端部の少なくとも一方における前記配線基板の一部を折り曲げることによって前記配線の一部を前記太陽電池セルの受光面側とは反対側に位置させていることを特徴とする、請求項8に記載の太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記太陽電池セルは、前記太陽電池セルの受光面側とは反対側の裏面にp型用電極およびn型用電極を備えた裏面電極型太陽電池セルであることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の太陽電池モジュールを製造するための方法であって、
前記配線基板の前記配線に前記太陽電池セルを電気的に接続することによって前記太陽電池構造体を形成する工程と、
前記太陽電池セルの受光面側とは反対側において前記太陽電池構造体の対向する両端部の少なくとも一方における前記配線の少なくとも一部が前記封止材から露出するように前記太陽電池構造体を前記封止材中に設置する工程と、を含む、太陽電池モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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