説明

太陽電池モジュール用のヒンダードアミン類を含むポリ(ビニルブチラール)封止材

太陽電池アセンブリを含む太陽電池モジュールを提供する。本発明の太陽電池アセンブリは、ポリ(ビニルブチラール)封止材によって封止され、ポリ(ビニルブチラール)封止材に少なくとも部分的に接触する被酸化性金属部品を有する。本発明のポリ(ビニルブチラール)封止材は、ポリ(ビニルブチラール)と、ポリ(ビニルブチラール)封止材の全重量を基準として約15〜約45重量%の1種類以上の可塑剤と、約0.5〜約2重量%の1種類以上のヒンダードアミンとを含む。太陽電池モジュールを製造するためのアセンブリ;太陽電池モジュール中の被酸化性金属部品と接触するポリ(ビニルブチラール)封止材の変色を防止または軽減する方法;ならびに太陽エネルギーを電気に変換するための太陽電池モジュールの使用をさらに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、35 U.S.C.§ 120に基づき、その記載内容全体が本明細書に援用される2009年1月22日に出願された米国仮特許出願第61/146,522号明細書の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、太陽電池モジュール用の封止材料として有用な改善されたポリ(ビニルブチラール)組成物に関する。特に、本明細書においてのポリ(ビニルブチラール)封止材は1種類以上のヒンダードアミン類を含む。
【背景技術】
【0003】
本発明が属する分野の最新技術をより十分に説明するため、本明細書の説明において、いくつかの特許および刊行物が引用される。それらの特許および刊行物のそれぞれの開示全体が、参照により本明細書に援用される。
【0004】
太陽電池の使用は、持続可能なエネルギー資源を提供するため、急速に拡大している。太陽電池は、典型的には、使用される光吸収材料に基づいて2つの種類に分類することができ、すなわち、バルクまたはウエハ系太陽電池と薄膜太陽電池とに分類することができる。
【0005】
単結晶シリコン(c−Si)、多結晶(ポリ−Si)、多結晶シリコン(mc−Si)、およびリボンシリコンは、より伝統的なウエハ系太陽電池の形成に最も一般的に使用されている材料である。ウエハ系太陽電池から得られる太陽電池モジュールは、互いにはんだ付けされた厚さ約180および約240μmの一連の自立ウエハ(またはセル)を含むことが多い。次に、このような太陽電池パネルは、その表面上に堆積された導電性ペースト層および/または導線およびバスバーとともにポリマー封止材によって封止されて、太陽電池アセンブリが形成され、これを2つの保護外層の間にさらに挟んで耐候性モジュールを形成することができる。保護外層は、ガラス、金属シートまたはフィルム、あるいはプラスチックシートまたはフィルムから形成することができる。しかし、一般に、太陽光に面する外層は、太陽電池に光子が到達するために十分に透明である必要がある。
【0006】
ますます重要となる代替物の薄膜太陽電池に関しては、一般に使用される材料としては、非晶質シリコン(a−Si)、微結晶シリコン(μc−Si)、テルル化カドミウム(CdTe)、セレン化銅インジウム(CuInSe2または「CIS」)、二セレン化銅インジウム/ガリウム(CuInxGa(1-x)Se2または「CIGS」)、光吸収染料、有機半導体などが挙げられる。たとえば、薄膜太陽電池は、米国特許第5,507,881号明細書、米国特許第5,512,107号明細書、米国特許第5,948,176号明細書、米国特許第5,994,163号明細書、米国特許第6,040,521号明細書、米国特許第6,123,824号明細書、米国特許第6,137,048号明細書、米国特許第6,288,325号明細書、米国特許第6,258,620号明細書、米国特許第6,613,603号明細書、および米国特許第6,784,301号明細書、ならびに米国特許出願公開第20070298590号明細書、米国特許出願公開第20070281090号明細書、米国特許出願公開第20070240759号明細書、米国特許出願公開第20070232057号明細書、米国特許出願公開第20070238285号明細書、米国特許出願公開第20070227578号明細書、米国特許出願公開第20070209699号明細書、米国特許出願公開第20070079866号明細書、米国特許出願公開第20080223436号明細書、および米国特許出願公開第20080271675号明細書に記載されている。2μm未満の典型的な厚さを有する薄膜太陽電池は、基板上に半導体材料の多層を堆積することによって一般に製造される。基板は、ガラスまたは可撓性フィルムから形成することができ、これらのモジュール中で太陽光に面する「スーパーストレート」と呼ばれる場合もある。ウエハ系太陽電池モジュールと同様に、薄膜太陽電池は、ポリマー封止材によってさらに封止され、保護外層の間に挟まれる。あるモジュールにおいては、基板と反対側にある薄膜太陽電池の側のみがポリマー封止材によって封止され、さらに保護外層に積層される。さらに、導線およびバスバー、金属導電性コーティング、および/または金属反射フィルムを、薄膜太陽電池の表面上に堆積し、封止材によって薄膜太陽電池とともに封止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
太陽電池モジュール中、導線およびバスバー、ウエハ系太陽電池モジュール中に使用される導電性ペースト、薄膜太陽電池中に使用される導電性コーティング、ならびに薄膜太陽電池モジュール中に使用される背面反射フィルムなどの一部の部品は、銀などの金属を含むことができる。さらに、これらの金属を含む部品は、ポリマー封止材と接触する場合がある。ポリ(ビニルブチラール)(PVB)が封止材料として使用されるモジュールにおいては、被酸化性金属部品と接触するとPVBが経時により変色する傾向にあることが分かった。したがって、太陽電池モジュールの寿命の間に被酸化性金属部品と接触しても変色に抵抗する、太陽電池モジュール用封止材料として有用なPVB組成物を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、太陽電池アセンブリを含む太陽電池モジュールを提供する。本発明の太陽電池アセンブリは、ポリ(ビニルブチラール)封止材によって封止され、ポリ(ビニルブチラール)封止材と少なくとも部分的に接触する被酸化性金属部品を有する。本発明のポリ(ビニルブチラール)封止材は、ポリ(ビニルブチラール)と、ポリ(ビニルブチラール)封止材の全重量を基準として約15〜約45重量%の1種類以上の可塑剤と、約0.5〜約2重量%の1種類以上のヒンダードアミンとを含む。
【0009】
好ましくは、被酸化性金属部品は、1種類以上の被酸化性金属、または1種類以上の被酸化性金属の1種類以上の合金を含む。より好ましくは、被酸化性金属または金属合金は、銀、セリウム、銅、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、スズ、鉛、およびこれらの金属の2種類以上の組み合わせ、およびこれらの金属のいずれかを含有する合金からなる群から選択される。さらにより好ましくは、被酸化性金属は銀である。別の好ましいモジュールにおいては、被酸化性金属は、銀を含有する合金であり、好ましくは実質的な量の銀を含有する合金である。
【0010】
好ましくは、被酸化性金属部品は、導電性ペースト、導線、バスバー、導電性コーティング、または反射フィルムからなる群から選択される。好ましいモジュールの1つにおいては、被酸化性金属部品は、銀または銀合金を含む反射フィルムである。
【0011】
また好ましくは、本発明のポリ(ビニルブチラール)は、ポリ(ビニルブチラール)封止材の全重量を基準として最大約1.5重量%、より好ましくは最大約1.2重量%のヒンダードアミンを含む。より好ましくは本発明のポリ(ビニルブチラール)封止材は、ポリ(ビニルブチラール)封止材の全重量を基準として少なくとも約0.6重量%のヒンダードアミンを含む。
【0012】
太陽電池モジュールを製造するためのアセンブリ;太陽電池モジュール中の被酸化性金属部品と接触するポリ(ビニルブチラール)封止材の変色を防止または軽減する方法;ならびに太陽エネルギーを電気に変換するための太陽電池モジュールの使用をさらに提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
特に定義しない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。矛盾が生じる場合には、定義を含めて本明細書に従うものとする
【0014】
本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、好適な方法および材料について本明細書において説明する。
【0015】
特に明記しない限り、すべてのパーセント値、部数、比率などは重量を基準としている。
【0016】
ある量、濃度、あるいはその他の値またはパラメーターが、ある範囲、好ましい範囲、あるいは一連の好ましい上限値および好ましい下限値のいずれかで示される場合、これは、範囲が別々に開示されているかどうかとは無関係に、範囲の任意の上限または好ましい値と、範囲の任意の下限または好ましい値との任意の組から形成されるすべての範囲を明確に開示しているものと理解されたい。本明細書において数値の範囲が記載されている場合、特に明記しない限り、その範囲がそれらの端点、ならびにその範囲内のすべての整数および分数を含むことを意図している。ある範囲が画定される場合に、記載される特定の値に本発明の範囲が限定されることを意図するものではない。
【0017】
本明細書において使用される場合、用語「含んでなる」、「含んでなること」、「含む」、「含むこと」、「含有すること」、「を特徴とする」、「有する」、「有すること」またはそれらの他の任意の変形は、非排他的な包含を扱うことを意図している。たとえば、ある一連の要素を含むプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素にのみに必ずしも限定されるわけではなく、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に関して明示されず固有のものでもない他の要素を含むことができる。さらに、反対の意味で明記されない限り、「または」は、包含的なまたはを意味するのであって、排他的なまたはを意味するのではない。
【0018】
移行句の「から実質的になる」によって、特許請求の範囲は、特定の材料またはステップ、ならびに請求される本発明の基本的で新規な特徴に実質的に影響を与えない材料またはステップに限定される。
【0019】
本出願人らが、「含む」などの制限のない用語を使用して発明またはその一部を規定している場合、特に明記しない限り、その記述が、用語「から実質的になる」および「からなる」を使用しても、そのような発明を記述できると解釈すべきであることは容易に理解できよう。
【0020】
冠詞「a」および「an」を、本明細書に記載の組成物、プロセス、または構造の種々の要素および部品とに関連して使用することができる。これは単に便宜的なものであり、本発明の組成物、プロセス、または構造の一般的な意味を提供するためのものである。このような記述は、「1つまたは少なくとも1つ」の要素または部品を含んでいる。さらに、本明細書において使用される場合、特定の文脈から複数が排除されることが明らかである場合を除けば、単数形の冠詞は複数の要素または部品の記述をも含んでいる。
【0021】
本明細書において使用される場合、用語「コポリマー」は、2種類以上のコモノマーの共重合の結果得られる共重合単位を含むポリマーを意味する。このようなコポリマーとしては、ジポリマー、ターポリマー、またはより高次のコポリマーが挙げられる。これに関連して、本明細書においてコポリマーは、その構成コモノマー、またはその構成コモノマーの量に関して説明する場合があり、たとえば「エチレンと15重量%のアクリル酸とを含むコポリマー」または類似に説明が行われる場合がある。このような説明は、共重合した単位としてのコモノマーに言及しておらず;コポリマーの従来の命名法、たとえばInternational Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)命名法を含んでおらず;プロダクトバイプロセスによる生成物の専門用語を使用しておらず;または別の理由で、非公式なものと見なすことができる。しかし、本明細書において使用される場合、その構成コモノマーまたはその構成コモノマーの量に関連したコポリマーの説明は、コポリマーが明記されるコモノマーの共重合単位を(明記される場合には明記される量で)含有することを意味する。当然の結果として、限られた状況においてそのように明記されるのでなければ、コポリマーは、特定の量の特定のコモノマーを含有する反応混合物の生成物ではない。
【0022】
用語「約」は、量、大きさ、処方、パラメーター、ならびにその他の量および特徴が、厳密ではなく厳密である必要もないが、許容範囲、換算率、端数計算、測定誤差など、ならびに当業者に周知のその他の要因を反映して、希望通りに概算値、および/またはより大きいまたはより小さい値であってもよいことを意味する。一般に、そのように明記されていてもいなくても、量、大きさ、処方、パラメーター、あるいはその他の量または特徴は、「約」または「おおよそ」のものである。値またはある範囲の端点の記述において用語「約」が使用される場合、その記述は言及されるその特定の値または端点を含むものと理解されたい。
【0023】
本明細書において使用される場合、用語「または」は、包含的なものであり;すなわち語句「AまたはB」は、「A、B、あるいはAおよびBの両方」を意味する。より具体的には、条件「AまたはB」が満たされるのは:Aが真であり(または存在し)Bが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)Bが真である(または存在する)、あるいはAおよびBの両方が真である(または存在する)のいずれか1つによってである。排他的な「または」は、本明細書においては「AまたはBのいずれか」および「AまたはBの一方」などの用語によって示される。
【0024】
最後に、材料、方法、または機械が、用語「当業者に周知」、「従来の」、あるいは同義の単語または語句を使用して説明される場合、この用語は、本出願の出願時において従来通りである材料、方法、および機械がこの説明によって含まれることを示している。現在では従来通りではないが類似の目的で好適であるとして当分野において認識されるようになる材料、方法、および機械も含まれている。
【0025】
太陽電池モジュール中の封止材料として有用な改善されたポリ(ビニルブチラール)組成物を本発明において提供する。本発明のポリ(ビニルブチラール)組成物はポリ(ビニルブチラール)樹脂を含む。封止材組成物中のポリ(ビニルブチラール)樹脂の量は、封止材組成物の他の部品に対する差によって決定されるが、一般に約40〜約80重量%の範囲内である。ポリ(ビニルブチラール)(PVB)は、ポリ(ビニルアルコール)とブチルアルデヒドとの縮合によって得られるビニル樹脂である。PVBは、水性または溶媒アセタール化によって生成することができる。溶媒法においては、アセタール化は、PVBを溶解させ、アセタール化の終了時に均一な溶液が得られるのに十分な溶媒の存在下で行われる。PVBは、水によって固体粒子を沈殿させることによって溶液から分離され、次に洗浄および乾燥が行われる。使用される溶媒は、エタノールなどの低級脂肪族アルコール類である。水性法においては、アセタール化は、酸触媒の存在下でブチルアルデヒドをポリ(ビニルアルコール)水溶液に約20℃〜約100℃の温度において加え、その混合物を撹拌して中間PVBを微細な形態で沈殿させ、反応混合物が所望の終点に進行するまで加熱しながら撹拌を続け、続いて触媒を中和し、PVBを分離、安定化、および乾燥することによって行われる。たとえば、PVBは、米国特許第3,153,009号明細書および米国特許第4,696,971号明細書に記載されるように生成することができる。
【0026】
好適なPVB樹脂は、小角レーザー光散乱を使用したサイズ排除クロマトグラフィーによって測定される重量平均分子量が約30,000Da、または約45,000Da、または約200,000Da〜約600,000Da、または約300,000Daである。PVBは、約12重量%、または約14重量%、または約15重量%〜約23重量%、または約21重量%、または約19.5重量%、または約19重量%の、ポリビニルアルコール(PVOH)として計算したヒドロキシル基を含むことができる。ヒドロキシル価は、ASTM D1396−92(1998)などの標準方法により測定することができる。さらに、好適なPVB樹脂は、最大約10%、または最大約3%のポリビニルエステルとして計算される残留エステル基、典型的にはアセテート基を含むことができ、その残分はブチルアルデヒドアセタールである。米国特許第5,137,954号明細書に記載されるように、PVBはブチラール以外の少量のアセタール基、たとえば、2−エチルヘキサナールをさらに含むことができる。
【0027】
本発明のポリ(ビニルブチラール)組成物は、PVB組成物の全重量を基準にして約15重量%、または約20重量%、または約25重量%〜約45重量%、または約35重量%、または約30重量%の範囲の量の1種類以上の可塑剤をさらに含む。当該技術分野において周知の任意の可塑剤が、本明細書に記載のPVB組成物中での使用に好適となりうる。たとえば、米国特許第3,841,890号明細書、米国特許第4,144,217号明細書、米国特許第4,276,351号明細書、米国特許第4,335,036号明細書、米国特許第4,902,464号明細書、米国特許第5,013,779号明細書、および米国特許第5,886,075号明細書を参照されたい。一般に使用される可塑剤の中では、多塩酸基または多価アルコールのエステル類が挙げられる。好ましい封止材組成物においては、可塑剤としては、1種類以上の、トリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールと、6〜10個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸との反応から得られるジエステル類;セバシン酸と、1〜18個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとの反応から得られるジエステル類;オリゴエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート;テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート;アジピン酸ジヘキシル;アジピン酸ジオクチル;アジピン酸ジブトキシエチル;アジピン酸ヘプチルおよびアジピン酸ノニルの混合物;セバシン酸ジブチル;トリブトキシエチルホスフェート;イソデシルフェニルホスフェート;トリイソプロピルホスフィット;油変性セバシドアルキド(sebacid alkyd)類などのポリマー可塑剤;ホスフェート類およびアジペート類の混合物;アジペート類およびフタル酸アルキルベンジル類の混合物;ならびに2種類以上のこれらの可塑剤の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。別の好ましい封止材組成物においては、可塑剤としては、1種類以上の、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、セバシン酸ジブチル、およびそれらの2種類以上の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに別の好ましい封止材組成物においては、可塑剤としては、1種類以上の、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、およびそれらの2種類以上の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに別の好ましい封止材組成物においては、可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチル−ヘキサノエートである。
【0028】
本発明のポリ(ビニルブチラール)組成物は、ポリ(ビニルブチラール)組成物の全重量を基準にして、約0.01重量%、0.5重量%、または約0.6重量%、または約0.7重量%、または約0.8重量%〜約2重量%、または約1.5重量%、または約1.2重量%、または約1重量%の範囲の量の1種類以上のヒンダードアミン類をさらに含む。ヒンダードアミンは、第2級または第3級ヒンダードアミン類であってもよい。好適な第2級ヒンダードアミン類の例としては、2,2,6,6−テトラメチルピペラジン(2,2,6,6−tetramethylpiperadine)、2,2,6,6−テトラメチルピペラジノール(2,2,6,6−tetramethylpiperadinol)、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な第3級ヒンダードアミン類の例としては、2−(ジメチルアミノ)ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、N−ブチルピペリジン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、およびそれらのいずれかの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
好ましいモジュールの1つにおいては、ヒンダードアミン類は、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)であり、これらは、典型的には第2級、第3級、アセチル化、N−ヒドロカルビルオキシ置換、ヒドロキシ置換、N−ヒドロカルビルオキシ置換、またはその他の置換が行われた環状アミン類であって、アミン官能基に隣接する炭素原子上で脂肪族置換から一般に誘導される立体障害をさらに含む。HALSは当該技術分野において周知であり、市販されている。たとえば、Ciba(Tarrytown,NY)製造のTinuvin(商標)111、Tinuvin(商標)123、Tinuvin(商標)144、Tinuvin(商標)152、Tinuvin(商標)292、Tinuvin(商標)622、Tinuvin(商標)765、Tinuvin(商標)770、Tinuvin(商標)783、Tinuvin(商標)791、Chimassorb(商標)119、Chimassorb(商標)2020、またはChimassorb(商標)944、Cytec Industries,Inc.(Paterson,NJ)製造のCyasorb(商標)3346またはCyasorb(商標)3853S、あるいはこれらのHALSの任意の2種類以上の組み合わせを本明細書に記載のPVB組成物中に使用することができる。
【0030】
さらに、本発明のPVB組成物は、PVB組成物の全重量を基準として約0.01重量%、または約0.05重量%、または約0.08重量%〜約1重量%、または約0.8重量%、または約0.5重量%の範囲の量で1種類以上のUV吸収剤をさらに含むことができる。UV吸収剤は当該技術分野において周知である。任意の周知のUV吸収剤は、本発明のPVB組成物において有用性を見いだすことができる。好適なUV吸収剤の例としては、ベンゾトリアゾール誘導体類、ヒドロキシベンゾフェノン類、ヒドロキシフェニルトリアジン類、置換および非置換の安息香酸類のエステル類、ならびにそれらのいずれかの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明において使用可能な市販のUV吸収剤としては、Ciba製造のTinuvin(商標)P、Tinuvin(商標)1130、Tinuvin(商標)326、Tinuvin(商標)327、Tinuvin(商標)328、Tinuvin(商標)571、Tinuvin(商標)99−DW、またはChimassorb(商標)81、BASF(Ludwigshafen,Germany)製造のUvinul(商標)3000、Uvinul(商標)3008、Uvinul(商標)3040、またはUvinul(商標)3050、Cytec Industries,Inc.製造のCyasorb(商標)5411、あるいはこれらのUV吸収剤のいずれか2種類以上の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
本発明のPVB組成物は、PVB組成物の全重量を基準として、約0.01重量%、または約0.05重量%、または約0.08重量%〜約1重量%、または約0.8重量%、または約0.5重量%の範囲の量の1種類以上の熱安定剤をさらに含むことができる。熱安定剤は、フェノール系酸化防止剤と呼ばれることもあり、当産業においては周知である。好適な熱安定剤の例としては、Ciba製造のIrganox(商標)1010、Irganox(商標)1035、Irganox(商標)1076、Irganox(商標)1081、Irganox(商標)1098、Irganox(商標)1135、Irganox(商標)1330、Irganox(商標)1425 WL、Irganox(商標)1520、Irganox(商標)245、Irganox(商標)3114、Irganox(商標)565、Irganox(商標)E 201、またはIrganox(商標)MD 1024、Chemtura(Middlebury,CT)製造のLowinox(商標)1790、Lowinox(商標)22M46、Lowinox(商標)44B25、Lowinox(商標)CA22、Lowinox(商標)CPL、Lowinox(商標)HD 98、Lowinox(商標)MD24、Lowinox(商標)TBM−6、またはLowinox(商標)WSP、Cytec製造のCyanox(商標)1741、Cyanox(商標)2246、またはCyanox(商標)425、あるいはこれらの熱安定剤の任意の2種類以上の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましいPVB組成物の1つにおいては、熱安定剤は、Lowinox(商標)1790、Lowinox(商標)22M46、Lowinox(商標)44B25、Lowinox(商標)CA22、Lowinox(商標)CPL、Lowinox(商標)HD 98、Lowinox(商標)MD24、Lowinox(商標)TBM−6、またはLowinox(商標)WSPの1種類以上を含む。別の好ましいPVB組成物の1つにおいては、熱安定剤オクチルフェノール。さらに別の好ましいPVB組成物の1つにおいては、熱安定剤はブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)である。
【0032】
本発明のPVB組成物は、PVB組成物の全重量を基準として、約0.01重量%、または約0.05重量%、または約0.08重量%〜約1重量%、または約0.8重量%、または約0.5重量の範囲の量の1種類以上の不飽和複素環式化合物をさらに含むことができる。好適な不飽和複素環式化合物の例としては、トリアゾール、イミダゾール、ピロール、ピリジン、プリン、ピラジン、アデニン、トリアジン、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、2,2’−ジピリジル、2−メルカプトベンゾイミダゾール、チアゾール、およびこれらの不飽和複素環式化合物の任意の2種類以上の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の状況において使用される場合、用語「ベンゾトリアゾール」は、その化合物自体を意味し、UV吸収剤として使用することができ「ベンゾトリアゾールUV吸収剤」と呼ばれることもあるベンゾトリアゾール誘導体は含まない。好適な不飽和複素環式化合物およびそれらの封止材組成物中での使用に関するさらなる情報は、2009年1月22日に出願された米国仮特許出願第61/146,535号明細書(Attorney Docket No.PP0087)、および2009年6月30日に出願された米国仮特許出願第61/221,771号明細書、2009年7月17日に出願された米国仮特許出願第61/226,435号明細書(Attorney Docket No.PP0098)に見ることができる。
【0033】
本発明のPVB組成物は、PVB組成物の全重量を基準として約0.01重量%、または約0.05重量%、または約0.08重量%〜約1重量%、または約0.8重量%、または約0.5重量%の範囲の量の1種類以上のキレート剤をさらに含むことができる。好適なキレート剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン一酢酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、ジエチレントリアミン五酢酸、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適なキレート剤およびそれらの封止材組成物中での使用に関するさらなる情報は、2009年1月22日に出願された米国仮特許出願第61/146,547号明細書(Attorney Docket No.PP0088)に見ることができる。
【0034】
前述の可塑剤および添加剤に加えて、本発明のPVB組成物は、1種類以上の好適な別の添加剤をさらに含むことができ、そのようなものとしては、接着調整剤、表面張力調整剤、加工助剤、流動性向上剤、潤滑剤、顔料、染料、難燃剤、衝撃改質剤、核剤、シリカなどのアンチブロッキング剤、分散剤、界面活性剤、カップリング剤、ガラス繊維などの補強添加剤、フィラーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの添加剤は、たとえば、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,5th Edition,John Wiley & Sons(New Jersey,2004)に記載されている。
【0035】
これらの別の添加剤は、PVB組成物の基本的で新規な性質を損なうことがなく、さらに、組成物の性能またはその組成物から作製される太陽電池モジュールの性能に大きな悪影響を与えることがない限りは、PVB組成物の全重量を基準として、一般に0.01〜15重量%、好ましくは0.01〜10重量%、または0.01〜約5重量%、または0.1〜約1.0重量%の量で組成物中に存在することができる。これらの従来成分のPVB組成物中への場合による混入は、任意の周知の方法、たとえば、乾式混合、種々の成分の混合物の押出、マスターバッチ技術などによって行うことができる。これに関しても、Kirk−Othmer Encyclopediaを参照されたい。
【0036】
本発明は、太陽電池アセンブリを含む太陽電池モジュールであって、(A)太陽電池アセンブリが被酸化性金属部品を含み;(B)太陽電池アセンブリは、前述のPVB組成物によって封止され;(C)被酸化性金属部品がPVB封止材に少なくとも部分的に接触する太陽電池モジュールをさらに提供する。
【0037】
本明細書において使用される場合、用語「金属部品」は、元素金属を含む、太陽電池アセンブリまたは太陽電池モジュールの1つの構成要素または複数の構成要素の任意の副次的な組み合わせを意味し、たとえば導電性ペースト、導線またはバスバー、金属導電性コーティング、あるいは金属反射フィルムなどである。特に、用語「元素金属」、「金属[元素]」、および「M0」、たとえば、「元素鉄」、「金属鉄」、および「Fe0」は同義語であり、本明細書においては交換可能に使用される。元素金属は、たとえば、銀が反射フィルム中に使用されるように、実質的にニートまたは純粋な形態で存在することができる。あるいは、元素金属は、たとえば担体またはフィラーなどの非金属材料と配合することもできるし、あるいは、固溶体中、合金中、結晶形態、粉末として、またはフレークとして、分散液の連続相または分散相として、あるいはその他の任意の形態で存在することもできる。たとえば、一部の接続線中に使用されるはんだ材料は、約2重量%の少量の銀を含有する銀およびアルミニウムの合金である。
【0038】
金属部品の特定の種類としては導電性ペーストが挙げられ、これは典型的にはウエハ系太陽電池中に使用され、太陽電池に効率的に接触し、光生成電流を移送するために太陽電池の太陽と面する側に堆積される導電性フィルムである。
【0039】
他の金属部品としては、ウエハ系太陽電池および薄膜太陽電池の両方に含まれることがある導線およびバスバーが挙げられ、これらは、個別の太陽電池の間に電気的接続を提供し、光生成電流をモジュール外に案内するために、典型的には太陽電池の表面上にはんだ付けされる。
【0040】
さらに、薄膜太陽電池の製造中、第1の導電層(たとえば、透明導電性酸化物(TCO)または金属コーティング)が最初に基板上にコーティングされ、その後、光子吸収材料がその上に堆積される。さらに、太陽電池の製造中、第2の導電層(たとえば、TCOまたは金属コーティング)が光子吸収材料上にさらに堆積される。本明細書において言及される被酸化性金属部品は、前述の2つの金属導電性コーティングの一方または両方であってもよい。
【0041】
金属背面反射フィルムは、光子を太陽電池中に跳ね返らせ、したがって発電効率を改善するために、薄膜太陽電池中に組み込まれることが多い。
【0042】
本明細書に記載の太陽電池モジュールにおいては、被酸化性金属部品はPVB封止材に完全または部分的に接触する。たとえば、あるモジュールにおいては、用語「部分的に接触する」は、被酸化性の部品の表面積の少なくとも約3.6×10-5%がPVB封止材に接触することを示す。この量は、薄膜セル中のスクライブラインに対して計算したものであるが、多くの他の種類の金属部品の場合に接触する最小面積の近似値となる。対照的に、金属部品が封止材と完全に接触する場合もあり、たとえば太陽電池モジュール中において、銀反射フィルムの表面積の実質的に100%がPVB封止材に接触する。しかし、たとえば用語「銀部品がPVB封止材に接触する」のように修飾せずに使用される場合、任意の0ではない量の接触を示している。言い換えると、部品の表面積の任意の0ではないパーセント値でPVB封止材に接触することができる。
【0043】
あるモジュールにおいては、被酸化性金属部品が、被酸化性金属または被酸化性金属合金を含む。特に、金属は、太陽電池モジュールの通常の運転条件下で被酸化性である。ある好ましい被酸化性金属は、太陽電池モジュール中に使用されるポリマー封止材と接触して1,000ボルトのバイアス下で85℃および相対湿度85%において1000時間維持される場合に被酸化性となる。好適な被酸化性金属の例としては、銀、セリウム、銅、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、ビスマス、カドミウム、銅、鉛、銀、スズ、鉛、および亜鉛が挙げられるが、これらに限定されるものではない。被酸化性金属としては、上記の金属を含有する被酸化性金属合金、またはこれらの金属の2種類以上の組み合わせ、特に実質的な量のそれらの金属を含有する合金も挙げられる。特に、本明細書に記載のPVB組成物は、銀または銀含有合金に接触するPVB封止材の変色を防止または軽減することができる。したがって、好ましいモジュールの1つにおいては、被酸化性金属部品は銀を含む。
【0044】
より具体的には、太陽電池モジュール中で、従来技術のPVB封止材が被酸化性金属部品に完全または部分的に接触すると、PVB封止材は経時により変色する傾向があることが分かった。理論によって束縛しようと望むものではないが、高電圧および高水分条件下で金属が酸化され始め、その陽イオンがPVB中に移動すると考えられる。PVB封止材中に、ヒンダードアミン類が加えられ、前述の別の添加剤も加えられてもよい場合に、酸化、移動、または変色の1つ以上が軽減または防止される。
【0045】
本明細書に記載のPVB封止材が、太陽電池モジュール中に使用され、1種類以上の銀部品と接触する場合、経時によるPVB封止材の黄色度指数(YI)の変化が軽減されるか、または最小限となる。PVB封止材のYIの変化は、1000時間後、相対湿度(RH)85%、85℃、およびバイアス(100〜1,000V)のPVBのサンプルシートを試験することによって計算することができる。あるいは、PVB封止材のYIは、ASTM E313−05に準拠し、2°観察者を使用し、Illuminant Cを光源として使用することによって求めることができる。これらの条件は「2°/C」と記載される場合もある。YIは、単位のない数として報告され、直接比較するために特定のサンプル光路長に規格化する必要がある。一般に、本明細書に記載のPVB封止材のYIは、1.0cmの光路長を有するサンプルの場合で、依然として約60以下、または約55以下、または約50以下、または40以下、または約30以下、または約20以下となる。また好ましくは、試験条件下または太陽電池モジュールの運転条件下で、ヒンダードアミンを含まないPVB封止材と比較して、本明細書に記載のPVB封止材のYIの変化は、500%未満、350%未満、200%未満、100%未満、50%未満、25%未満、または10%未満である。
【0046】
好ましい封止材は、本明細書に記載のPVB組成物を含み、約0.25mm〜約1.2mmの厚さを有し、ポリ(ビニルブチラール)シートの全重量を基準として約15〜約45重量%の可塑剤と、約0.5〜約2重量%のヒンダードアミンとを含む、ポリ(ビニルブチラール)シートである。また好ましくは、本発明のポリ(ビニルブチラール)シートは、ASTM E313−05に準拠して相対湿度(RH)85%および85℃において1,000Vのバイアスを使用して1000時間後に約60以下の黄色度指数を有する。
【0047】
被酸化性金属が銀ではない場合、封止材上の金属の視覚的効果は、黄変以外にも存在しうる。たとえば、金属接触によって、フィルム中に曇りが生じる場合があるし、黄色以外の色への変色が生じる場合もある。これらの場合において、本明細書に記載の封止材の効果は、透明度測定、電子顕微鏡法、および光学顕微鏡法などの方法によって定量化することができる。たとえば、黄色以外の色への変色を生じさせる金属の場合、可視波長の別の範囲を観察することを除けば、YI測定と類似の方法を使用することができる。
【0048】
本明細書において使用される場合、用語「太陽電池」は、光を電気エネルギーに変換することができる任意の物品を含んでいる。本発明において有用な太陽電池としては、ウエハ系太陽電池(たとえば、c−Siまたはmc−Si系太陽電池)、薄膜太陽電池(たとえば、a−Si、μc−Si、CdTe、またはCI(G)S系太陽電池)、ならびに光吸収染料または有機半導体などの材料を含む有機太陽電池が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
好ましいモジュールの1つにおいては、太陽電池がウエハ系太陽電池であり、被酸化性金属部品が、その上に堆積された導電性ペースト、あるいはその上にはんだ付けされた導線またはバスバーである。金属部品は、前述のPVB封止材に完全または部分的に接触している。さらに、ウエハ系太陽電池および被酸化性金属部品を含む太陽電池アセンブリは、PVB封止材によって封止され、2つの保護外層の間にさらに挟まれることがある。保護外層は、フロントシートおよびバックシートとも呼ばれ、これらは任意の好適なシートまたはフィルムから形成することができる。
【0050】
好適なシートとしては、ガラスシート、アルミニウム、鋼、亜鉛メッキ鋼などの金属シート、セラミックプレート、あるいはポリカーボネート類、アクリル類、ポリアクリレート類、環状ポリオレフィン類(たとえば、エチレンノルボルネンポリマー類)、ポリスチレン類(好ましくはメタロセン触媒の存在下で調製されたポリスチレン類)、ポリアミド類、ポリエステル類、フルオロポリマー類などのプラスチックシート、あるいはそれらの2種類以上の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
好適なフィルムとしては、アルミニウム箔などの金属フィルム、あるいはポリマーフィルムであって、ポリエステル類(たとえば、ポリ(エチレンテレフタレート)およびポリ(エチレンナフタレート))、ポリカーボネート、ポリオレフィン類(たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、および環状ポリオレフィン類)、ノルボルネンポリマー類、ポリスチレン(たとえば、シンジオタクチックポリスチレン)、スチレン−アクリレートコポリマー類、アクリロニトリル−スチレンコポリマー類、ポリスルホン類(たとえば、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ナイロン類、ポリ(ウレタン)類、アクリル類、酢酸セルロース類(たとえば、酢酸セルロース、セルローストリアセテート類など)、セロハン、シリコーン類、ポリ(塩化ビニル)類(たとえば、ポリ(塩化ビニリデン))、フルオロポリマー類(たとえば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー類など)を含むフィルムなどのポリマーフィルム、またはそれらの2種類以上の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ポリマーフィルムは、延伸されない場合もあるし、一軸延伸または二軸延伸される場合もある。
【0052】
好適なポリマーフィルムの具体例の一部としては、ポリエステルフィルム(たとえば、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム)、フルオロポリマーフィルム(たとえば、E.I.du Pont de Nemours and Company(DuPont),Wilmington,DEより入手可能なTedlar(登録商標)、Tefzel(登録商標)、およびTeflon(登録商標)フィルム)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、フルオロポリマー/ポリエステル/フルオロポリマー多層フィルム(たとえば、Tedlar(登録商標)フィルム/PETフィルム/Tedlar(登録商標)フィルム積層複合材料(TPT))などの多層フィルムを本発明において使用することもできる。
【0053】
別の好ましいモジュールの1つにおいては、太陽電池は、層状の基板上に堆積された光吸収材料を有する薄膜太陽電池である。基板は、保護外層に関して前述したようなガラス、あるいは任意の好適な金属またはポリマーシート、あるいはフィルムから製造することができる。薄膜太陽電池は、単一接合型または多接合型(タンデム接合型など)薄膜太陽電池であってもよい。太陽放射のスペクトルによって種々のエネルギーの光子が得られるので、太陽光が数層の太陽電池層を連続して通過する多接合太陽電池が開発された。多接合型太陽電池の個別の層は、特定の波長の光子を効率的に電気エネルギーに変化させるように調整されている。多接合型太陽電池は、通常は異なるエネルギーギャップの複数の層から構成される。より大きなエネルギーギャップを有する層は、光がモジュールに入る表面に隣接している。より低いエネルギーギャップを有する層は、モジュールのさらに内部または裏側に向かって配置される。原理上は、当該技術分野において周知の任意の種類の太陽電池が本発明において有用であり、そのような太陽電池としては、米国特許第4,017,332号明細書、米国特許第4,179,702号明細書、米国特許第4,292,416号明細書、米国特許第6,123,824号明細書、米国特許第6,288,325号明細書、米国特許第6,613,603号明細書、および米国特許第6,784,361号明細書、米国特許出願公開第2006/0213548号明細書、米国特許出願公開第2008/0185033号明細書、米国特許出願公開第2008/0223436号明細書、米国特許出願公開第2008/0251120号明細書;および米国特許出願公開第2008/0271675号明細書、ならびに国際公開第2004/084282号パンフレットおよび国際公開第2007/103598号パンフレットに記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
薄膜太陽電池モジュールにおいては、被酸化性金属部品は、導線、バスバー、導電性コーティング、または背面反射フィルム、あるいはそれらの2種類以上の組み合わせから選択することができる。この場合も、金属部品は、前述のPVB封止材に完全または部分的に接触している。あるモジュールにおいては、被酸化性金属部品が、銀または銀合金を含む導電性コーティングである。被酸化性金属部品は、銀または銀合金を含む背面反射フィルムであってもよい。さらに、一方の面において基板上に堆積され、他方の面上をPVB封止材によって封止された薄膜太陽電池材料および被酸化性金属部品を含を含むモジュールは、PVB封止材に積層された保護外層をさらに含むことができる。
【0055】
本明細書に記載の太陽電池モジュールを製造するためには、任意の好適な方法を使用することができる。特に、当該技術分野において周知の任意の好適な積層方法(オートクレーブ法または非オートクレーブ法など)を使用して太陽電池モジュールを製造することができる。たとえば、典型的な積層方法の1つにおいては、最初に、太陽電池をPVB封止材(たとえばPVBシートの形態)の間に積み重ねし、2つの保護フィルムまたはシートの間にさらに積み重ね、次に、この予備積層アセンブリに対して積層法を実施する。さらに、薄膜太陽電池モジュールの製造においては、基板上に堆積された太陽電池を、最初にPVB封止材(たとえばPVBシートの形態)の上に積み重ね、次に1つの保護フィルムまたはシートの上に積み重ねて、予備積層アセンブリを形成する。
【0056】
したがって、本発明は、太陽電池モジュールを製造するための予備積層アセンブリをさらに提供する。予備積層アセンブリは、太陽電池アセンブリを含み、この太陽電池アセンブリは、太陽電池と、被酸化性金属部品と、本明細書に記載のPVB組成物を含むポリ(ビニルブチラール)シートとを含む。好ましくは、ポリ(ビニルブチラール)シートは、約0.25mm〜約1.2mmの厚さを有し、相対湿度(RH)85%および85℃において1,000Vのバイアスで1000時間後にASTM E313−05に準拠した黄色度指数が約60以下である。予備積層アセンブリは:上記ポリ(ビニルブチラール)シートと同じ場合も異なる場合もある第2のポリ(ビニルブチラール)シートであって、太陽電池アセンブリに接触する第2のポリ(ビニルブチラール)シート;上記ポリ(ビニルブチラール)シートに接触する保護外層;上記保護外層と同じ場合も異なる場合もある第2の保護外層であって、第2のポリ(ビニルブチラール)シートに接触する第2の保護外層;ならびに太陽電池アセンブリおよび上記ポリ(ビニルブチラール)シートに接触する基板またはスーパーストレートからなる群から選択される1つ以上の追加層をさらに含むことができる。
【0057】
好適な方法の1つにおいては、予備積層アセンブリを、真空を持続させることが可能なバッグ(「真空バッグ」)中に入れ、真空ラインまたはその他の手段によってバッグから空気を抜き取り、真空を維持しながら(たとえば、少なくとも約27〜28in Hg(689〜711mm Hg))バッグを密封する。密封したバッグを、約150〜約250psi(約11.3〜約18.8bar)の圧力および約130℃〜約180℃、または約120℃〜約160℃、または約135℃〜約160℃、または約145℃〜約155℃の温度のオートクレーブ中に入れる。これらの条件を約10〜約50分、または約20〜約45分、または約20〜約40分、または約25〜約35分の間維持する。真空バッグの代わりに真空リングを使用することができる。真空バッグの好適な種類の1つが米国特許第3,311,517号明細書に記載されている。熱および圧力のサイクルの後、オートクレーブ中の空気を冷却するが、オートクレーブ中の圧力を維持するために追加のガスは加えない。冷却から約20分後、過剰の空気圧を放出し、積層体をオートクレーブから取り出す。
【0058】
あるいは、予備積層アセンブリを約80℃〜約120℃、または約90℃〜約100℃のオーブン中で約20〜約40分間加熱することができ、その後、加熱されたアセンブリをニップロールの組に通し、それによって個別の層の間の空間中の空気を絞り出すことができ、アセンブリの端部を封止することができる。この段階の予備積層アセンブリは、予備プレスアセンブリと呼ばれる。
【0059】
次に、約100〜約300psi(約6.9〜約20.7bar)、または好ましくは約200psi(13.8bar)の圧力において温度を約120℃〜約160℃、または約135℃〜約160℃に上昇させる空気オートクレーブ中に予備プレスアセンブリを入れることができる。これらの条件は約15〜約60分、または約20〜約50分の間維持され、その後、オートクレーブ中にさらなる空気を加えることなく、空気を冷却する。約20〜約40分の冷却の後、過剰の空気圧を放出し、積層製品をオートクレーブから取り出す。
【0060】
太陽電池モジュールは、非オートクレーブ法によって製造することもできる。好適な非オートクレーブ法は、たとえば、米国特許第3,234,062号明細書、米国特許第3,852,136号明細書、米国特許第4,341,576号明細書、米国特許第4,385,951号明細書、米国特許第4,398,979号明細書、米国特許第5,536,347号明細書、米国特許第5,853,516号明細書、米国特許第6,342,116号明細書、および米国特許第5,415,909号明細書、米国特許出願公開第20040182493号明細書、欧州特許第1235683B1号明細書、ならびに国際公開第9101880号パンフレットおよび国際公開第03057478号パンフレットに記載されている。一般に、非オートクレーブ法は、予備積層アセンブリを加熱し、真空、圧力、またはその両方を使用することを含む。たとえば、アセンブリは加熱炉およびニップロールに連続して通すことができる。積層方法のこれらの例は限定を意図したものではない。実質的に任意の積層方法を使用することができる。
【0061】
本発明は、前述の太陽電池モジュールを2つ以上含む太陽電池アレイをさらに提供する。
【0062】
本発明においては太陽エネルギーを電気に変換する方法をさらに提供する。この方法は、本明細書に記載の太陽電池モジュールと、電線などの電気接続と、抵抗器、コンデンサ、モーター、または光源、たとえば、電球またはLEDなどの電気負荷とを含む閉電気回路を提供するステップと;太陽電池モジュールを太陽放射に曝露するステップとを含む。太陽電池モジュールによって発生した電流は、電気負荷を循環して、それによって電気負荷が動作する。
【0063】
本発明は、太陽電池モジュール中のポリ(ビニルブチラール)封止材の変色を軽減または防止する方法をさらに提供する。太陽電池モジュールは、本明細書に記載のポリ(ビニルブチラール)封止材に完全または部分的に接触する被酸化性金属部品を含む太陽電池アセンブリを含む。この方法は、本明細書に記載の太陽電池モジュールを提供するステップと、一連の条件下で、ある期間、太陽電池モジュールを運転するステップとを含む。本明細書に記載の太陽電池モジュールにおいては、PVB封止材の黄色度指数は、この運転期間後に変化しない。あるいは、運転期間後の黄色度指数の変化は、他の点では本明細書に記載の太陽電池モジュールと実質的に同一である第2の太陽電池モジュール中で同じ一連の条件下で同じ運転期間後のヒンダードアミンを含まないPVB封止材の黄色度指数の変化よりも小さい。
【0064】
以下の実施例は、本発明をさらに詳細に説明するために提供している。本発明を実施するために現在考えられる好ましい形態を説明するこれらの実施例は、説明を意図したものであり、本発明の限定を意図したものではない。
【実施例】
【0065】
対照例1
DuPontより市販されるButacite(登録商標)PVBシートは、PVB組成物の全重量を基準として26.7重量%のトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、0.1重量%のTinuvin(登録商標)P(Ciba)、0.003重量%のTinuvin(登録商標)123ヒンダードアミン光安定剤(HALS)(Ciba)、および0.22重量%のオクチルフェノールを含むものであった。このシートを、銀がコーティングされたガラス板の銀がコーティングされた側に積層した。85%RHおよび85℃においてあるバイアス下で1000時間のコンディショニング後、PVBシートの色は、ほぼ無色透明から暗褐色に変化した。
【0066】
これと関連して、Tinuvin(登録商標)Pなどの「ベンゾトリアゾールUV吸収剤」と不飽和複素環類との間の区別については、詳細に前述していることに留意されたい。
【0067】
対照例2〜4および実施例1〜5
これらの実施例において、硝酸銀と添加剤とをメタノール中に溶解させ、次にPVBフレークのメタノール溶液中に加えることによって、PVB(6.9×10-5mol;分子量約145,000Da;18.8重量%のOH;1.5%未満の酢酸ビニル)と、硝酸銀(1.2×10-5mol)と、添加剤との溶液を調製した。次にこの溶液を60℃で2〜8時間加熱し、その色の変化を監視した。色の変化はHunterLab Ultrascan Colorimeter(Hunter Labs,Reston,VA)上で測定した。黄色度指数(YI)をASTM E313−05により計算し、表1中にまとめた。
【0068】
【表1】



注:
*Ciba,Tarrytown,NY.
**Sigma Aldrich,St. Louis,MO.
【0069】
表1の結果は、HALS(Tinuvin(登録商標)770)を含有する実施例E1の黄色度指数(YI)は、添加剤を含有しないPVB/硝酸銀対照溶液の比較例CE2よりも大きく低下した。さらに、実施例E1のYIは、UV吸収剤を含有するがHALSは含有しない比較例CE3およびCE4のYIと比較しても低下した。UV吸収剤(たとえば、Tinuvin(登録商標)326またはTinuvin(登録商標)P)とHALSとの組み合わせ(実施例E2およびE3)でも、比較例CE3およびCE4よりも低下したYIが得られる。最後に、HALSと不飽和複素環式化合物(この場合、ベンゾトリアゾール)との組み合わせによってYIがさらに低下する。
【0070】
本発明の特定の好ましい実施形態について説明を行い具体的に例示してきたが、本発明がこのような実施形態に限定されることを意図したものではない。以下の特許請求の範囲に記載されるような本発明の範囲および意図から逸脱せずに種々の変形を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池アセンブリを含む太陽電池モジュールであって、前記太陽電池アセンブリが、少なくとも1つの太陽電池と被酸化性金属部品とを含み、前記太陽電池アセンブリはポリ(ビニルブチラール)封止材によって封止され、前記被酸化性金属部品は、前記ポリ(ビニルブチラール)封止材と接触しており、さらに前記ポリ(ビニルブチラール)封止材が、ポリ(ビニルブチラール)樹脂と、前記ポリ(ビニルブチラール)の全重量を基準として約15〜約45重量%の可塑剤と、約0.5〜約2重量%のヒンダードアミンとを含む、太陽電池モジュール。
【請求項2】
ASTM E313−05に準拠して、相対湿度(RH)85%および85℃において1,000Vのバイアスで1000時間後に測定した場合に、前記ポリ(ビニルブチラール)封止材が約60以下の黄色度指数を有する、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記被酸化性金属部品が、銀、セリウム、銅、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、ビスマス、カドミウム、銅、鉛、銀、スズ、鉛、亜鉛、ならびに合金であって銀、セリウム、銅、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、ビスマス、カドミウム、銅、鉛、銀、スズ、鉛、および亜鉛の1種類以上を含む合金からなる群から選択される1種類以上の金属を含む、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記被酸化性金属部品が、銀または銀合金を含む、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記被酸化性金属部品が、導電性ペースト、導線、バスバー、導電性コーティング、および反射フィルムからなる群から選択される、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記ポリ(ビニルブチラール)封止材が、前記ポリ(ビニルブチラール)封止材の全重量を基準として最大約1.5重量%の前記ヒンダードアミンを含む、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記ヒンダードアミンがヒンダードアミン光安定剤である、あるいは前記ヒンダードアミンが第2級アミンまたは第3級アミンである、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記ヒンダードアミンが、2,2,6,6−テトラメチルピペラジン、2,2,6,6−テトラメチルピペラジノール、2−(ジメチルアミノ)ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、N−ブチルピペリジン、およびN,N−ジエチルシクロヘキシルアミンからなる群から選択される、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
前記ポリ(ビニルブチラール)封止材が、前記ポリ(ビニルブチラール)の全重量を基準として約0.01〜約1重量%の少なくとも1種類のUV吸収剤;約0.01〜約1重量%の少なくとも1種類の熱安定剤;約0.01〜約1重量%の少なくとも1種類の不飽和複素環式化合物;および約0.01〜約1重量%の少なくとも1種類のキレート剤からなる群から選択される1種類以上の添加剤をさらに含む、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記UV吸収剤がベンゾトリアゾール誘導体類である;あるいは前記熱安定剤がオクチルフェノールまたはブチル化ヒドロキシトルエンを含む;あるいは前記不飽和複素環式化合物が、トリアゾール、イミダゾール、ピロール、ピリジン、プリン、ピラジン、アデニン、トリアジン、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、2,2’−ジピリジル、2−メルカプトベンゾイミダゾール、およびチアゾールからなる群から選択される;あるいは前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン一酢酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、およびジエチレントリアミン五酢酸からなる群から選択される、請求項9に記載の太陽電池モジュール。
【請求項11】
前記太陽電池が、結晶シリコン(c−Si)および多結晶シリコーン(mc−Si)系の太陽電池からなる群から選択されるウエハ系太陽電池である、あるいは前記太陽電池が、非晶質シリコン(a−Si)、微結晶ケイ素(μc−Si)、テルル化カドミウム(CdTe)、セレン化銅インジウム(CIS)、二セレン化銅インジウム/ガリウム(CIGS)、光吸収染料、および有機半導体系の薄膜太陽電池からなる群から選択される薄膜太陽電池である、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項12】
前記被酸化性金属部品が、銀または銀合金を含む反射フィルムである、請求項11に記載の太陽電池モジュール。
【請求項13】
太陽電池モジュールを製造するための予備積層アセンブリであって、前記予備積層アセンブリが:
少なくとも1つの太陽電池と 被酸化性金属部品とを含む太陽電池アセンブリと;
約0.25mm〜約1.2mmの厚さを有し、ポリ(ビニルブチラール)封止材を含むポリ(ビニルブチラール)シートであって、前記ポリ(ビニルブチラール)封止材がポリ(ビニルブチラール)樹脂と、前記ポリ(ビニルブチラール)封止材の全重量を基準として約15〜約45重量%の可塑剤と、約0.5〜約2重量%のヒンダードアミンとを含み;ASTM E313−05に準拠して、相対湿度(RH)85%および85℃において1,000Vのバイアスで1000時間後に測定した場合に、前記ポリ(ビニルブチラール)シートが約60以下の黄色度指数を有してもよい、ポリ(ビニルブチラール)シートとを含み;
前記ポリ(ビニルブチラール)シートが前記被酸化性金属部品に接触している、予備積層アセンブリ。
【請求項14】
前記ポリ(ビニルブチラール)シートと同じ場合も異なる場合もある第2のポリ(ビニルブチラール)シートであって、前記太陽電池アセンブリに接触する第2のポリ(ビニルブチラール)シートと;
前記ポリ(ビニルブチラール)シートに接触する保護外層と;
前記保護外層と同じ場合も異なる場合もある第2の保護外層であって、前記第2のポリ(ビニルブチラール)シートに接触する前記第2の保護外層と;
前記太陽電池アセンブリおよび前記ポリ(ビニルブチラール)シートに接触する基板またはスーパーストレートと
からなる群から選択される1つ以上の追加層をさらに含む、請求項13に記載の予備積層アセンブリ。
【請求項15】
太陽電池モジュール中のポリ(ビニルブチラール)封止材の変色を軽減または防止する方法であって:
ポリ(ビニルブチラール)封止材を含むポリ(ビニルブチラール)シートを提供するステップであって、前記ポリ(ビニルブチラール)封止材が、前記ポリ(ビニルブチラール)封止材の全重量を基準として、ポリ(ビニルブチラール)樹脂と、約15〜約45重量%の可塑剤と、約0.5〜約2重量%のヒンダードアミンとを含み、ASTM E313−05に準拠して、相対湿度(RH)85%および85℃において1,000Vのバイアスで1000時間後に測定した場合に、前記ポリ(ビニルブチラール)シートが約60以下の黄色度指数を有してもよいステップと;
太陽電池アセンブリを前記ポリ(ビニルブチラール)シート中に封止することによって太陽電池モジュールを形成するステップであって、前記太陽電池アセンブリが、前記ポリ(ビニルブチラール)シートに接触する被酸化性金属部品を含むステップと;
前記太陽電池モジュールをある期間、一連の条件下で運転するステップとを含み;
前記ポリ(ビニルブチラール)封止材の前記黄色度指数が前記期間後に変化しない;あるいは
前記運転期間後の前記ポリ(ビニルブチラール)封止材の前記黄色度指数の変化が、前記太陽電池モジュールと実質的に同一である第2の太陽電池モジュール中、同じ一連の条件下で同じ運転期間後の第2のポリ(ビニルブチラール)封止材の黄色度指数の変化よりも小さく;前記第2のポリ(ビニルブチラール)封止材はヒンダードアミンを含まない、方法。

【公表番号】特表2012−516060(P2012−516060A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548132(P2011−548132)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/021796
【国際公開番号】WO2010/085640
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】