妊娠の合併症を診断および治療する方法
可溶性エンドグリン、内皮一酸化窒素合成酵素、PGI2、TGF-β1、TGF-β3、アクチビンA、BMP2、BMP7、およびsFlt-1の発現レベルまたは生物活性を改変する化合物の組合せを使用して、子癇前症および子癇などの妊娠関連高血圧障害を治療するための方法を本明細書で開示する。可溶性エンドグリン、内皮一酸化窒素合成酵素、PGI2、TGF-β1、TGF-β3、アクチビンA、BMP2、BMP7、およびsFlt-1の発現レベルまたは生物活性のいずれか1つまたは複数の測定を含む、子癇前症および子癇などの妊娠関連高血圧障害を診断する方法も開示する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体における妊娠関連高血圧障害を治療または予防する方法であって、NOSの発現レベルまたは生物活性を増大させることができる化合物を該被験体に投与するステップを含み、該投与ステップが該被験体における該妊娠関連高血圧障害を治療または予防するのに十分な時間および量である、上記方法。
【請求項2】
前記NOSがeNOSである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物がeNOSのSer1177のリン酸化を増大させる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物がVEGFまたはその生物学的に活性な断片である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記VEGFがVEGF121、VEGF165、または修飾型VEGF、またはその生物学的に活性な断片である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記化合物がPlGFまたはその生物学的に活性な断片である、請求項25に記載の方法。
【請求項7】
前記化合物がeNOSのThr495の脱リン酸化を増大させる、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記化合物がTGF-β1、TGF-β3、アクチビンA、BMP-2、BMP-7、およびそれらの生物学的に活性な断片からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
可溶性エンドグリンの発現または可溶性エンドグリンの生物活性を低下させることができる化合物を前記被験体に投与するステップをさらに含み、該投与ステップが該被験体における前記妊娠関連高血圧障害を治療または予防するのに十分である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物が可溶性エンドグリンと特異的に結合する精製抗体または可溶性エンドグリン抗原結合断片である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記抗体が図30Bに示されるヒトエンドグリン配列のアミノ酸26〜437、40〜406、または26〜587からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む可溶性エンドグリンポリペプチドまたはその断片と結合する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記抗体が図30Bに示されるヒトエンドグリン配列のアミノ酸40〜86、144〜199、206〜222、289〜304、または375〜381を含む可溶性エンドグリン上のエピトープと結合する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記化合物がマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、カテプシン、およびエラスターゼからなる群より選択されるタンパク質分解酵素を阻害する化合物である、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記妊娠関連高血圧障害が正常参照と比較して増大したsFlt-1のレベルを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
sFlt-1の発現レベルまたはsFlt-1の生物活性を低下させることができる化合物を前記被験体に投与するステップをさらに含み、該投与ステップが該被験体における前記妊娠関連高血圧障害を治療または予防するのに十分である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物がsFlt-1と結合する精製増殖因子または抗体または抗原結合断片である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記被験体が妊娠したヒト、産後のヒト、または妊娠したヒト以外の動物である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記被験体における前記妊娠関連高血圧障害をモニタリングするステップをさらに含み、該モニタリングステップが該被験体由来の血清または血漿サンプル中の可溶性エンドグリンポリペプチドのレベルを測定することを含み、25ng/ml未満の可溶性エンドグリンポリペプチドのレベルが該妊娠関連高血圧障害の改善を示すものである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記被験体における前記妊娠関連高血圧障害をモニタリングするステップをさらに含み、該モニタリングステップが該被験体由来のサンプル中の可溶性エンドグリンポリペプチドのレベルを測定することを含み、該レベルの測定を2回以上行い、測定間の該可溶性エンドグリンレベルの低下が該妊娠関連高血圧障害の改善の指標である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記被験体における前記妊娠関連高血圧障害をモニタリングするステップをさらに含み、該モニタリングステップが該被験体由来のサンプル中の可溶性エンドグリンポリペプチドのレベルを測定すること、および陽性参照サンプルと該レベルを比較することを含み、該陽性参照サンプルに対する可溶性エンドグリンレベルの低下が該被験体における該妊娠関連高血圧障害の改善を示すものである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記モニタリングを使用して化合物の治療用量を決定する、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記測定が免疫アッセイの使用を含む、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
可溶性エンドグリンのレベルが遊離、結合、または全可溶性エンドグリンのレベル、または分解もしくは酵素的切断から生成されるエンドグリンポリペプチドのレベルである、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記モニタリングが前記被験体由来のサンプル中のsFlt-1、VEGF、またはPlGFポリペプチドの少なくとも1つのレベルを測定することをさらに含む、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
測定基準(metric)を使用して可溶性エンドグリン、sFlt-1、VEGF、またはPlGFの前記レベル間の関係を予測することをさらに含み、参照サンプルに対する被験体サンプルにおける該レベル間の関係の変化が前記被験体における前記妊娠関連高血圧障害の改善を示すものである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記測定基準が[(sFlt-1+0.25可溶性エンドグリン)/PlGF]、[(可溶性エンドグリン+sFlt-1)/PlGF]、および[sFlt-1×可溶性エンドグリン]からなる群より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記測定基準が[dproduct=妊娠第二期中の(sFlt1×sEng)-妊娠第一期中の(sFlt1×sEng)]であり、0を超えるdproduct値が前記被験体における妊娠関連高血圧障害を示し、陽性参照サンプルと比較した該dproduct値の低下が該被験体における該妊娠関連高血圧障害の改善を示す、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
可溶性エンドグリンポリペプチドと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片であって、該抗体が図30Bに示されるヒトエンドグリン配列のアミノ酸40〜86、144〜199、206〜222、289〜304、または375〜381を含むエピトープと結合する、上記抗体またはその抗原結合断片。
【請求項29】
増殖因子と可溶性エンドグリンの結合を妨げる、請求項28に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項30】
前記増殖因子がTGF-β1、TGF-β3、アクチビンA、BMP-2、およびBMP-7からなる群より選択される、請求項29に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項31】
モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体である、請求項28に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項32】
Fc部分、F(ab')2、Fab、またはFv構造を欠く、請求項28に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項33】
製薬上許容される担体中に存在する、請求項28に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項34】
妊娠関連高血圧障害を有するか、またはそれに対する素因を有する被験体を診断する方法であって、該被験体由来のサンプル中の可溶性エンドグリンポリペプチドならびにTGF-β1、TGF-β3、アクチビンA、BMP2、BMP7、eNOS、およびPGI2からなる群より選択される少なくとも1つの他のポリペプチドのレベルを測定することを含み、正常参照サンプル、標準、またはレベルと比較した可溶性エンドグリンレベルの増大および該少なくとも1つの他のポリペプチドのレベルの低下が、妊娠関連高血圧障害の診断指標または妊娠関連高血圧障害を発症する傾向の診断指標である、上記方法。
【請求項35】
前記測定が免疫アッセイの使用を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記免疫アッセイがELISAである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記正常参照サンプルが前記被験体由来の事前サンプルである、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
妊娠関連高血圧障害を有するか、またはそれに対する素因を有する被験体を診断する方法であって、該被験体由来の可溶性エンドグリンポリペプチドおよびsFlt-1ポリペプチドのレベルを測定すること、および[可溶性エンドグリン×sFlt-1]の測定基準(metric)を使用して可溶性エンドグリンとsFlt-1の該レベル間の関係を算出することを含み、正常参照サンプルに対する被験体サンプルにおける該測定基準の増大が該被験体における妊娠関連高血圧障害の診断指標である、上記方法。
【請求項39】
前記測定基準が母親の体格指数または胎児の在胎期間をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
妊娠関連高血圧障害を有するか、またはそれに対する素因を有する被験体を診断する方法であって、妊娠第一期および妊娠第二期中の該被験体由来の可溶性エンドグリンポリペプチドおよびsFlt-1ポリペプチドのレベルを測定すること、および以下の測定基準(metric):[dproduct=妊娠第二期中の(sFlt1×sEng)-妊娠第一期中の(sFlt1×sEng)]を使用して可溶性エンドグリンとsFlt-1の該レベル間の関係を算出することを含み、0を超えるdproduct値が該被験体における妊娠関連高血圧障害の診断指標である、上記方法。
【請求項41】
1を超えるdproduct値が前記被験体における妊娠関連高血圧障害の診断指標である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
1を超えるdproduct値が早産の子癇前症の診断指標である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記サンプルが、前記可溶性エンドグリンが通常検出可能である前記被験体の体液、細胞、または組織である、請求項34、38、または40に記載の方法。
【請求項44】
前記体液が尿、羊水、血液、血清、および血漿からなる群より選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記細胞が内皮細胞、白血球、単球、および胎盤由来の細胞からなる群より選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記組織が胎盤組織である、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記被験体が非妊娠状態のヒト、妊娠したヒト、産後のヒト、またはヒト以外の動物であり、かつ前記方法が妊娠関連高血圧障害を発症する傾向を診断する、請求項34、38、または40に記載の方法。
【請求項48】
前記ヒト以外の動物がウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、イヌ、またはネコからなる群より選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
症状の発現前に少なくとも4週間、前記方法を使用して、妊娠関連高血圧障害または妊娠関連高血圧障害を発症する傾向を診断する、請求項34、38、または40に記載の方法。
【請求項50】
前記妊娠関連高血圧障害が子癇前症、子癇、妊娠性高血圧、慢性高血圧、HELLP症候群、およびSGA幼児を伴う妊娠である、請求項1、34、38、または40に記載の方法。
【請求項51】
前記妊娠関連高血圧障害が子癇前症または子癇である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
被験体における妊娠関連高血圧障害を診断するためのキットであって、(i)可溶性エンドグリン結合物質および(ii)TGF-β1、TGF-β3、アクチビンA、BMP2、BMP7、eNOS、およびPGI2からなる群より選択されるポリペプチドと結合する少なくとも1つの他の結合物質、ならびに(iii)妊娠関連高血圧障害または妊娠関連高血圧障害を発症する傾向を診断するための(i)の結合物質および(ii)の少なくとも1つの結合物質の使用説明書を含む、上記キット。
【請求項53】
前記(i)の結合物質が可溶性エンドグリンと特異的に結合する抗体、またはその抗原結合断片であり、かつ(ii)の少なくとも1つの結合物質がTGF-β1、TGF-β3、アクチビンA、BMP2、BMP7、eNOS、またはPGI2と特異的に結合する抗体、またはその抗原結合断片である、請求項52に記載のキット。
【請求項54】
前記キットがVEGF、sFlt-1、またはPlGF結合分子をさらに含む、請求項52に記載のキット。
【請求項55】
前記妊娠関連高血圧障害が子癇前症、子癇、慢性高血圧、HELLP症候群、妊娠性高血圧、またはSGA幼児を伴う妊娠である、請求項52に記載のキット。
【請求項56】
妊娠関連高血圧障害を改善する化合物を同定する方法であって、
(a)細胞を可溶性エンドグリン化合物と接触させるステップ、
(b)ステップ(a)の該細胞中のeNOSのThr495のリン酸化状態を測定するステップ、
(c)該細胞を候補化合物と接触させるステップ、
(d)ステップ(c)の前記細胞中のeNOSのThr495のリン酸化状態を測定するステップ、および
(e)ステップ(b)およびステップ(d)において測定したリン酸化状態を比較するステップ
を含み、ステップ(b)と比較したステップ(d)におけるeNOSのThr495の脱リン酸化の増大によって、該候補化合物が妊娠関連高血圧障害を改善する化合物として同定される、上記方法。
【請求項57】
妊娠関連高血圧障害を改善する化合物を同定する方法であって、
(a)細胞をSmad2/3依存性レポーター構築物および可溶性エンドグリン化合物と接触させるステップ、
(b)ステップ(a)の細胞中のSmad2/3レポーター構築物の活性化のレベルを測定するステップ、
(c)ステップ(a)の該細胞を候補化合物と接触させるステップ、
(d)ステップ(c)の細胞中のSmad2/3レポーター構築物の活性化のレベルを測定するステップ、および
(e)ステップ(b)およびステップ(d)において測定したSmad2/3レポーター構築物の活性化のレベルを比較するステップ
を含み、ステップ(b)と比較したステップ(d)におけるSmad2/3レポーター構築物の活性化のレベルの増大によって、該候補化合物が妊娠関連高血圧障害を改善する化合物として同定される、上記方法。
【請求項1】
被験体における妊娠関連高血圧障害を治療または予防する方法であって、NOSの発現レベルまたは生物活性を増大させることができる化合物を該被験体に投与するステップを含み、該投与ステップが該被験体における該妊娠関連高血圧障害を治療または予防するのに十分な時間および量である、上記方法。
【請求項2】
前記NOSがeNOSである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物がeNOSのSer1177のリン酸化を増大させる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物がVEGFまたはその生物学的に活性な断片である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記VEGFがVEGF121、VEGF165、または修飾型VEGF、またはその生物学的に活性な断片である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記化合物がPlGFまたはその生物学的に活性な断片である、請求項25に記載の方法。
【請求項7】
前記化合物がeNOSのThr495の脱リン酸化を増大させる、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記化合物がTGF-β1、TGF-β3、アクチビンA、BMP-2、BMP-7、およびそれらの生物学的に活性な断片からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
可溶性エンドグリンの発現または可溶性エンドグリンの生物活性を低下させることができる化合物を前記被験体に投与するステップをさらに含み、該投与ステップが該被験体における前記妊娠関連高血圧障害を治療または予防するのに十分である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物が可溶性エンドグリンと特異的に結合する精製抗体または可溶性エンドグリン抗原結合断片である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記抗体が図30Bに示されるヒトエンドグリン配列のアミノ酸26〜437、40〜406、または26〜587からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む可溶性エンドグリンポリペプチドまたはその断片と結合する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記抗体が図30Bに示されるヒトエンドグリン配列のアミノ酸40〜86、144〜199、206〜222、289〜304、または375〜381を含む可溶性エンドグリン上のエピトープと結合する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記化合物がマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、カテプシン、およびエラスターゼからなる群より選択されるタンパク質分解酵素を阻害する化合物である、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記妊娠関連高血圧障害が正常参照と比較して増大したsFlt-1のレベルを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
sFlt-1の発現レベルまたはsFlt-1の生物活性を低下させることができる化合物を前記被験体に投与するステップをさらに含み、該投与ステップが該被験体における前記妊娠関連高血圧障害を治療または予防するのに十分である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物がsFlt-1と結合する精製増殖因子または抗体または抗原結合断片である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記被験体が妊娠したヒト、産後のヒト、または妊娠したヒト以外の動物である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記被験体における前記妊娠関連高血圧障害をモニタリングするステップをさらに含み、該モニタリングステップが該被験体由来の血清または血漿サンプル中の可溶性エンドグリンポリペプチドのレベルを測定することを含み、25ng/ml未満の可溶性エンドグリンポリペプチドのレベルが該妊娠関連高血圧障害の改善を示すものである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記被験体における前記妊娠関連高血圧障害をモニタリングするステップをさらに含み、該モニタリングステップが該被験体由来のサンプル中の可溶性エンドグリンポリペプチドのレベルを測定することを含み、該レベルの測定を2回以上行い、測定間の該可溶性エンドグリンレベルの低下が該妊娠関連高血圧障害の改善の指標である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記被験体における前記妊娠関連高血圧障害をモニタリングするステップをさらに含み、該モニタリングステップが該被験体由来のサンプル中の可溶性エンドグリンポリペプチドのレベルを測定すること、および陽性参照サンプルと該レベルを比較することを含み、該陽性参照サンプルに対する可溶性エンドグリンレベルの低下が該被験体における該妊娠関連高血圧障害の改善を示すものである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記モニタリングを使用して化合物の治療用量を決定する、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記測定が免疫アッセイの使用を含む、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
可溶性エンドグリンのレベルが遊離、結合、または全可溶性エンドグリンのレベル、または分解もしくは酵素的切断から生成されるエンドグリンポリペプチドのレベルである、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記モニタリングが前記被験体由来のサンプル中のsFlt-1、VEGF、またはPlGFポリペプチドの少なくとも1つのレベルを測定することをさらに含む、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
測定基準(metric)を使用して可溶性エンドグリン、sFlt-1、VEGF、またはPlGFの前記レベル間の関係を予測することをさらに含み、参照サンプルに対する被験体サンプルにおける該レベル間の関係の変化が前記被験体における前記妊娠関連高血圧障害の改善を示すものである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記測定基準が[(sFlt-1+0.25可溶性エンドグリン)/PlGF]、[(可溶性エンドグリン+sFlt-1)/PlGF]、および[sFlt-1×可溶性エンドグリン]からなる群より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記測定基準が[dproduct=妊娠第二期中の(sFlt1×sEng)-妊娠第一期中の(sFlt1×sEng)]であり、0を超えるdproduct値が前記被験体における妊娠関連高血圧障害を示し、陽性参照サンプルと比較した該dproduct値の低下が該被験体における該妊娠関連高血圧障害の改善を示す、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
可溶性エンドグリンポリペプチドと特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片であって、該抗体が図30Bに示されるヒトエンドグリン配列のアミノ酸40〜86、144〜199、206〜222、289〜304、または375〜381を含むエピトープと結合する、上記抗体またはその抗原結合断片。
【請求項29】
増殖因子と可溶性エンドグリンの結合を妨げる、請求項28に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項30】
前記増殖因子がTGF-β1、TGF-β3、アクチビンA、BMP-2、およびBMP-7からなる群より選択される、請求項29に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項31】
モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体である、請求項28に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項32】
Fc部分、F(ab')2、Fab、またはFv構造を欠く、請求項28に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項33】
製薬上許容される担体中に存在する、請求項28に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項34】
妊娠関連高血圧障害を有するか、またはそれに対する素因を有する被験体を診断する方法であって、該被験体由来のサンプル中の可溶性エンドグリンポリペプチドならびにTGF-β1、TGF-β3、アクチビンA、BMP2、BMP7、eNOS、およびPGI2からなる群より選択される少なくとも1つの他のポリペプチドのレベルを測定することを含み、正常参照サンプル、標準、またはレベルと比較した可溶性エンドグリンレベルの増大および該少なくとも1つの他のポリペプチドのレベルの低下が、妊娠関連高血圧障害の診断指標または妊娠関連高血圧障害を発症する傾向の診断指標である、上記方法。
【請求項35】
前記測定が免疫アッセイの使用を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記免疫アッセイがELISAである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記正常参照サンプルが前記被験体由来の事前サンプルである、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
妊娠関連高血圧障害を有するか、またはそれに対する素因を有する被験体を診断する方法であって、該被験体由来の可溶性エンドグリンポリペプチドおよびsFlt-1ポリペプチドのレベルを測定すること、および[可溶性エンドグリン×sFlt-1]の測定基準(metric)を使用して可溶性エンドグリンとsFlt-1の該レベル間の関係を算出することを含み、正常参照サンプルに対する被験体サンプルにおける該測定基準の増大が該被験体における妊娠関連高血圧障害の診断指標である、上記方法。
【請求項39】
前記測定基準が母親の体格指数または胎児の在胎期間をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
妊娠関連高血圧障害を有するか、またはそれに対する素因を有する被験体を診断する方法であって、妊娠第一期および妊娠第二期中の該被験体由来の可溶性エンドグリンポリペプチドおよびsFlt-1ポリペプチドのレベルを測定すること、および以下の測定基準(metric):[dproduct=妊娠第二期中の(sFlt1×sEng)-妊娠第一期中の(sFlt1×sEng)]を使用して可溶性エンドグリンとsFlt-1の該レベル間の関係を算出することを含み、0を超えるdproduct値が該被験体における妊娠関連高血圧障害の診断指標である、上記方法。
【請求項41】
1を超えるdproduct値が前記被験体における妊娠関連高血圧障害の診断指標である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
1を超えるdproduct値が早産の子癇前症の診断指標である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記サンプルが、前記可溶性エンドグリンが通常検出可能である前記被験体の体液、細胞、または組織である、請求項34、38、または40に記載の方法。
【請求項44】
前記体液が尿、羊水、血液、血清、および血漿からなる群より選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記細胞が内皮細胞、白血球、単球、および胎盤由来の細胞からなる群より選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記組織が胎盤組織である、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記被験体が非妊娠状態のヒト、妊娠したヒト、産後のヒト、またはヒト以外の動物であり、かつ前記方法が妊娠関連高血圧障害を発症する傾向を診断する、請求項34、38、または40に記載の方法。
【請求項48】
前記ヒト以外の動物がウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、イヌ、またはネコからなる群より選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
症状の発現前に少なくとも4週間、前記方法を使用して、妊娠関連高血圧障害または妊娠関連高血圧障害を発症する傾向を診断する、請求項34、38、または40に記載の方法。
【請求項50】
前記妊娠関連高血圧障害が子癇前症、子癇、妊娠性高血圧、慢性高血圧、HELLP症候群、およびSGA幼児を伴う妊娠である、請求項1、34、38、または40に記載の方法。
【請求項51】
前記妊娠関連高血圧障害が子癇前症または子癇である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
被験体における妊娠関連高血圧障害を診断するためのキットであって、(i)可溶性エンドグリン結合物質および(ii)TGF-β1、TGF-β3、アクチビンA、BMP2、BMP7、eNOS、およびPGI2からなる群より選択されるポリペプチドと結合する少なくとも1つの他の結合物質、ならびに(iii)妊娠関連高血圧障害または妊娠関連高血圧障害を発症する傾向を診断するための(i)の結合物質および(ii)の少なくとも1つの結合物質の使用説明書を含む、上記キット。
【請求項53】
前記(i)の結合物質が可溶性エンドグリンと特異的に結合する抗体、またはその抗原結合断片であり、かつ(ii)の少なくとも1つの結合物質がTGF-β1、TGF-β3、アクチビンA、BMP2、BMP7、eNOS、またはPGI2と特異的に結合する抗体、またはその抗原結合断片である、請求項52に記載のキット。
【請求項54】
前記キットがVEGF、sFlt-1、またはPlGF結合分子をさらに含む、請求項52に記載のキット。
【請求項55】
前記妊娠関連高血圧障害が子癇前症、子癇、慢性高血圧、HELLP症候群、妊娠性高血圧、またはSGA幼児を伴う妊娠である、請求項52に記載のキット。
【請求項56】
妊娠関連高血圧障害を改善する化合物を同定する方法であって、
(a)細胞を可溶性エンドグリン化合物と接触させるステップ、
(b)ステップ(a)の該細胞中のeNOSのThr495のリン酸化状態を測定するステップ、
(c)該細胞を候補化合物と接触させるステップ、
(d)ステップ(c)の前記細胞中のeNOSのThr495のリン酸化状態を測定するステップ、および
(e)ステップ(b)およびステップ(d)において測定したリン酸化状態を比較するステップ
を含み、ステップ(b)と比較したステップ(d)におけるeNOSのThr495の脱リン酸化の増大によって、該候補化合物が妊娠関連高血圧障害を改善する化合物として同定される、上記方法。
【請求項57】
妊娠関連高血圧障害を改善する化合物を同定する方法であって、
(a)細胞をSmad2/3依存性レポーター構築物および可溶性エンドグリン化合物と接触させるステップ、
(b)ステップ(a)の細胞中のSmad2/3レポーター構築物の活性化のレベルを測定するステップ、
(c)ステップ(a)の該細胞を候補化合物と接触させるステップ、
(d)ステップ(c)の細胞中のSmad2/3レポーター構築物の活性化のレベルを測定するステップ、および
(e)ステップ(b)およびステップ(d)において測定したSmad2/3レポーター構築物の活性化のレベルを比較するステップ
を含み、ステップ(b)と比較したステップ(d)におけるSmad2/3レポーター構築物の活性化のレベルの増大によって、該候補化合物が妊娠関連高血圧障害を改善する化合物として同定される、上記方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30A】
【図30B】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35A】
【図35B】
【図35C】
【図35D】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30A】
【図30B】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35A】
【図35B】
【図35C】
【図35D】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【公表番号】特表2009−538915(P2009−538915A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513263(P2009−513263)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/012787
【国際公開番号】WO2008/030283
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(303036197)ベス イスラエル ディーコネス メディカル センター (4)
【出願人】(501181075)
【氏名又は名称原語表記】THE HOSPITAL FOR SICK CHILDREN
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/012787
【国際公開番号】WO2008/030283
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(303036197)ベス イスラエル ディーコネス メディカル センター (4)
【出願人】(501181075)
【氏名又は名称原語表記】THE HOSPITAL FOR SICK CHILDREN
【Fターム(参考)】
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