説明

媒体処理装置

【課題】曲がりやすい第1媒体の処理と同様に曲がり難い第2媒体の読み取り処理を装置手前側から操作性よく行い得る媒体処理装置を提案すること。
【解決手段】媒体処理装置1は、媒体挿入口4aから挿入される第1媒体S1を、装置前後方向の後方に向けて案内した後に再び前方に向けて案内して媒体排出口5aまで導く媒体搬送路P1を有し、媒体排出口5aに繋がる部分には装置幅方向の内側に傾斜する直線状搬送路P13が形成され、媒体排出口5aには直線状搬送路P13から前方に直線状に延長している第2媒体挿入路15が繋がっている。媒体排出口5aからの第1媒体S1の排出方向は装置前後方向Yであるので、排出される第1媒体S1に干渉することなく、斜め前方から第2媒体Cを第2媒体挿入路15に挿入して直線状搬送路P13に送り込み、第1媒体読取用の光学式読取部43を利用して第2媒体Cの画像の読取ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湾曲した搬送路に沿って搬送される媒体の画像を読み取る光学式読取部を備えた小切手処理装置等の媒体処理装置に関する。さらに詳しくは、小切手等のように曲げることが容易な第1媒体と、運転免許証やカードのような曲げることが困難な第2媒体の双方から画像を読み取ることのできる操作性に優れた媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
入金処理、出金処理を含む銀行業務においては、小切手を利用した決済方法が利用されている。小切手による決済方法では、銀行窓口で小切手に記載されている日時、署名などを確認し、必要な入金処理、出金処理等を行い、その後に処理済の小切手に裏書きを行う。また、当該小切手処理に関するレシートを顧客に発行する。さらに、小切手処理に当っては、本人確認のために、免許証やIDカードの提示を求め、必要に応じて、複写機でこれらのコピーを取って保管している。銀行窓口においては、このような処理を短時間で大量に行うことが必要である。
【0003】
近年、これらの処理を電子的に行うことが試みられている。小切手の磁気情報、光学情報をMICR(Magnetic-Ink Character Reader)、光学スキャナーで読み取り、小切手の裏書きを印刷装置で行うことが試みられている。
【0004】
特許文献1には、小切手処理を一括して狭い銀行窓口などにおいて行うことができるように、MICR、光学スキャナー、小切手印刷ヘッドおよびレシート印刷ヘッドを備えたコンパクトな複合型印刷装置が提案されている。この複合型印刷装置では、小切手などの単票紙を搬送する平面視でU字状に湾曲している搬送路と、レシート用の連続紙を搬送する搬送路とを直交して配置し、両者の搬送路が交わる部分に、小切手及びレシートを印刷する単一の印刷ヘッドが配置されている。
【0005】
また、特許文献2には、曲げることの困難な身分証明用の免許証を、U字状に湾曲している小切手搬送路に配置されている画像読み取りセンサーを利用して読み取ることのできるデータ読取装置が提案されている。ここに開示のデータ読取装置を用いれば、1台の装置で小切手処理と、その処理のために必要な本人確認処理を効率良く行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−243764号公報
【特許文献2】特開2004−297761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
U字状の小切手搬送路を備えた小切手処理装置では、装置前側から装置後側を湾曲して再び装置前側に戻る小切手搬送路を形成して、操作者は装置手前側から処理対象の小切手の挿入、処理後の小切手の回収を行うことができるようにしている。しかるに、特許文献2に開示のデータ読取装置を用いる場合には、小切手の取扱は装置前側から行うことができるが、カードなどの媒体の画像読み取り処理を装置前側から簡単に行うことができない場合がある。
【0008】
すなわち、特許文献2のデータ処理装置では、平面視でU字状に湾曲している小切手搬送路における装置幅方向に直線状に延びている装置後側の搬送路部分に画像読み取りセンサーを配置し、この搬送路部分に、装置後端側の側面から免許証、カードなどを挿入して画像の読み取り操作を行うようになっている。したがって、操作者は、装置側方に顔を向け、カードを持った手を装置側方に回して、カードを挿入する操作が必要である。装置前方から挿入場所を直視できないので、操作者にとって使い勝手が悪い場合がある。また、装置後側の側方に空いている挿入口を見ずに見当をつけてカードの挿入操作を行うと、カードの先が装置側面部分に突き当たり、装置側あるいはカード側に傷が付くこともある。
【0009】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、小切手などの曲がりやすい第1媒体の処理と同様に、カード等の曲がり難い第2媒体の読み取り処理を装置手前側から操作性よく行うことのできる媒体処理装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の媒体処理装置は、
媒体挿入口および媒体排出口を備えた装置筐体と、
平面上に正立状態で前記装置筐体を置いた場合における前記平面に平行な一つの方向を装置前後方向、前記平面に平行で前記装置前後方向に直交する方向を装置幅方向、前記平面に直交する方向を装置上下方向と規定した場合に、前記媒体挿入口から挿入される第1媒体を、前記装置前後方向の前方から後方に向けて案内した後に前記装置前後方向の後方から前方に向けて案内して前記媒体排出口まで導くために、前記装置筐体に形成した媒体搬送路と、
前記媒体搬送路における前記媒体挿入口あるいは前記媒体排出口に繋がっている直線状搬送路と、
前記媒体挿入口から前記直線状搬送路内に第2媒体を挿入するため、あるいは、前記媒体排出口から前記直線状搬送路の外に第2媒体を排出するために、前記装置筐体における前記装置上下方向の上方を向く装置上面部分において、前記媒体挿入口あるいは前記媒体排出口から前記直線状搬送路の延長線に沿って前記装置前後方向の前方に向かって延びている直線状の第2媒体挿入路と、
前記直線状搬送路を通過する媒体から画像を読み取る光学式読取部とを有し、
前記直線状搬送路および前記第2媒体挿入路は、前記装置前後方向に沿った方向あるいは当該装置前後方向に対して鋭角で傾斜した方向に延びており、
前記媒体挿入口から挿入される前記第1媒体の挿入方向、あるいは、前記媒体排出口から排出される前記第1媒体の排出方向は、前記第2媒体挿入路とは異なる方向であり、且つ、前記装置前後方向に沿った方向あるいは当該装置前後方向に対して鋭角で傾斜した方向であることを特徴としている。
【0011】
本発明では、小切手などの曲げることの容易な第1媒体を搬送する媒体搬送路における媒体挿入口から挿入される第1媒体の挿入方向、あるいは、その媒体排出口から排出される第1媒体の排出方向に対して、カードなどの曲げることの困難な第2媒体を挿入する第2媒体挿入路の方向が鋭角で傾斜した方向となっている。これにより、媒体搬送路に挿入される第1媒体、あるいは、媒体搬送路から排出された第1媒体に干渉することなく、第2媒体を装置上面部分に形成されている第2媒体挿入路から媒体搬送路に挿入して、直線搬送路部分に配置されている画像読取部を利用して第2媒体の画像の読み取り操作を行うことができる。この結果、第2媒体挿入路を、媒体搬送路の媒体挿入口あるいは媒体排出口に隣接した位置に配置できる。よって、第1媒体の取扱と同様に、第2媒体の取扱も装置前側から第2媒体挿入路を直視した状態で行うことができ、第2媒体の画像読み取り操作の操作性あるいは第2媒体の取扱性を改善できる。
【0012】
ここで、装置寸法の増加を抑制して装置の小型・コンパクト化、特に装置幅方向の寸法増加を抑制するためには、前記媒体挿入口から挿入される前記第1媒体の挿入方向、あるいは、前記媒体排出口から排出される前記第1媒体の排出方向を、前記装置前後方向に沿った方向とし、前記直線状搬送路および前記第2媒体挿入路を、前記装置前後方向に沿った方向に対して、前記装置前後方向の前方に向かって前記装置幅方向の内側に鋭角で傾斜した方向となるようにすればよい。
【0013】
また、媒体搬送路の直線状搬送路が短い場合、あるいは、第2媒体の搬送方向の寸法が大きい場合には、画像読取部の読取位置を経由させて第2媒体を搬送するための搬送路長を確保するために、前記直線状搬送路の前記装置前後方向の後側の端から、当該直線状搬送路の延長線に沿って直線状に延長路を形成し、当該延長路の前記装置前後方向の後側の端を装置後方に開口させておけばよい。
【0014】
さらに、前記直線状搬送路が、前記媒体搬送路における前記媒体排出口に繋がっている搬送路であり、前記媒体排出口から排出される第1媒体を回収する回収ポケットを有している場合には、前記第2媒体挿入路を前記回収ポケットに対して前記装置幅方向の内側に配置し、前記回収ポケットを前記装置前後方向に沿った方向に延びる状態に形成し、前記直線状搬送路および前記第2媒体挿入路を、前記装置前後方向に沿った方向に対して前方に向かって前記装置幅方向の内側に鋭角で傾斜した方向となるように形成すればよい。
【0015】
また、前記媒体搬送路の前記直線状搬送路が、前記装置上下方向の上方に開口している所定の深さの溝によって底面が規定され、前記回収ポケットは前記直線状搬送路の溝底面と同一高さ位置にある底面を備えた装置上方に開口している凹部によって規定されている場合には、前記第2媒体挿入路を、前記直線状搬送路の溝深さ方向における途中の高さ位置、すなわち、前記第2媒体挿入路の底面を、前記直線状搬送路の前記溝底面から前記装置上下方向の上方に開口している溝上端開口までの間の高さ位置に配置し、前記第2媒体挿入路から前記直線状搬送路に挿入される第2媒体を、当該直線状搬送路内を前記第2媒体挿入路の底面と同一高さ位置の状態で搬送するように構成すればよい。このようにすれば、第2媒体挿入路を直線状搬送路の溝底面に比べて高い位置に配置できるので、幅の狭い第2媒体を装置上面部分から直線状搬送路の溝底面まで挿入する場合に比べて、挿入操作が容易になる。
【0016】
次に、本発明の媒体処理装置は小切手処理装置として用いることができる。この場合には、上記構成に加えて、前記媒体搬送路を搬送される第1媒体の磁気情報を読み取る磁気読取部と、前記媒体搬送路を搬送される第1媒体に印刷を行う媒体印刷部とを配置し、前記媒体搬送路を小切手搬送路とし、前記第2媒体挿入路をカード挿入路として形成しておけばよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の小切手処理装置を示す斜視図である。
【図2】図1の小切手処理装置の上面の二つのカバーを開けた状態の斜視図である。
【図3】図1の小切手処理装置を上方から見た場合の斜視図である。
【図4】図1の小切手処理装置の小切手搬送路機構を示す構成図である。
【図5】図1の小切手処理装置のレシート発行機構を示す縦断面図である。
【図6】カード挿入路の配置例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した媒体処理装置の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る媒体処理装置は、曲げることの容易な第1媒体である小切手を処理する小切手処理装置である。また、小切手処理装置には、小切手処理に当っての本人確認などのために曲げることの困難な第2媒体である運転免許証やその他のカードの画像情報を読み取るカードスキャン機構と、小切手の処理済情報などが印刷されたレシートを発行するレシート発行機構とが備わっている。なお、本発明は、小切手以外の曲げることの容易な第1媒体を処理する媒体処理装置に対しても同様に適用できることは勿論である。また、レシート発行機構の備わっていない媒体処理装置に対しても適用可能なことは勿論である。
【0019】
(全体構成)
図1は本実施の形態に係る小切手処理装置を前方右側の斜め上方から見た場合の斜視図である。図2は小切手処理装置を前方左側の斜め上方から見た場合の斜視図であり、上面に配置されている前後のカバーを開けた状態のものである。また、図3は小切手処理装置を上方前側から見た場合の斜視図である。
【0020】
これらの図を参照して説明すると、小切手処理装置1の装置筐体1aは、矩形輪郭をした一定厚さの下側筐体部2と、この上に配置されている上側筐体部3とを備えている。上側筐体部3には、処理対象の小切手S1を挿入する入口ポケット4と、入口ポケット4から送り出される小切手S1を搬送する小切手搬送路P1と、小切手搬送路P1から送り出される小切手S1を回収する回収ポケット5が形成されている。小切手搬送路P1に沿って搬送される間に、小切手S1の磁気情報の読み取り、小切手S1の裏書き印刷、および小切手S1の両面の画像情報の読み取りがこの順序で行われる。なお、以下の説明においては、図1に示すように、小切手処理装置1を水平な平面に正立状態で置いた通常の使用状態において、当該小切手処理装置1(装置筐体1a)における操作者の側に向ける側を前面とし、反対側を後面とすると、これら前面および後面が位置する方向を装置前後方向Yとし、平面に平行で装置前後方向Yに直交する方向を装置幅方向Xとし、平面に垂直な方向を装置上下方向Zとする。
【0021】
入口ポケット4から小切手搬送路P1を経由して回収ポケット5に至る小切手搬送経路は、上側筐体部3に形成した装置上下方向Zの上方に開口している所定幅の縦溝によって規定されている。小切手S1は、図1に示すように、その長辺縁が上下となる立てた状態で入口ポケット4に挿入され、その状態のまま小切手搬送路P1を搬送されて回収ポケット5に排出される。この小切手搬送経路は平面視で装置前方に開く略U字形状の経路である。
【0022】
すなわち、図3から分かるように、入口ポケット4は上側筐体部3における装置幅方向Xの右側の前端から装置後方に延びており、この入口ポケット4の装置後端に形成されている小切手挿入口4aからは、小切手搬送路P1の上流側搬送路P11が装置後方に向けて直線状に延びている。上流側搬送路P11の下流端部分は装置幅方向Xの内側に向けて湾曲して、小切手搬送路P1の後側搬送路P12に繋がっている。後側搬送路P12は装置幅方向にほぼ直線状に延びており、その下流端部分は装置前方に向けて湾曲して、小切手搬送路P1の下流側搬送路P13に繋がっている。下流側搬送路P13は直線状搬送路であり、装置前後方向Yに対して装置幅方向の内側に鋭角θで傾斜した方向、例えば10〜20度程度傾斜した方向に延びている。下流側搬送路P13の下流端は小切手排出口5aを介して回収ポケット5に繋がっている。回収ポケット5は装置前後方向Yに沿って装置前端まで延びている。
【0023】
上側筐体部3は、このU字形状の小切手搬送経路によって、右側筐体部分6、後側筐体部分7および左側筐体部分8と、これらの内側に位置する内側筐体部分9に分かれている。内側筐体部分9の上面には、前側カバー11、後側カバー12、後述のレシート発行機構のレシート発行口13および操作面14が配置されている。また、後述のカードスキャン機構による読み取り対象のカードCを挿入するためのカード挿入路15が形成されている。
【0024】
図2から分かるように、前側カバー11は装置前端側の部位を中心として装置前方に開けることができ、後側カバー12は装置後端側の部位を中心として装置後方に開けることができる。レシート発行口13は、前側カバー11の開閉側の縁と後側カバー12の開閉側の縁との間に形成されており、装置幅方向に細長い矩形状をしている。操作面14は、後側カバー12の左側における装置後側部分に形成されており、一段高い位置に形成されたほぼ平坦な面であり、ここには、複数の操作スイッチ14a、動作表示用の複数のLED表示部14bなどが配列されている。
【0025】
内側筐体部分9における後側カバー12によって覆われている部分には、ロール紙収納部16が設けられている。後側カバー12を開けるとロール紙収納部16が装置上方に開口し、ロール紙R(図5参照)の交換作業などを行うことができる。内側筐体部分9の前側カバー11によって覆われている部分には、ロール紙収納部16に収納したロール紙Rから繰り出された連続紙S2(図5参照)を幅方向に切断するためのオートカッター17が配置されている。ロール紙収納部16に収納されたロール紙Rから繰り出される連続紙S2に小切手情報に対応する情報などが印刷され、印刷された部分の後端が切断されて所定長さのレシートとしてレシート発行口13から発行される。また、オートカッター17の装置前側にはインクカートリッジ装着部18が配置されており、ここには小切手印刷用のインク供給源であるインクカートリッジ19が装着されている。前側カバー11を開けると、オートカッター17の駆動ユニット17cが露出すると共に、インクカートリッジ装着部18が上方に開口するので、オートカッター17の点検作業等やインクカートリッジの交換作業などを装置上方から簡単に行うことができる。
【0026】
一方、カード挿入路15は、図2、図3から分かるように、内側筐体部分9の上面における前側カバー11の左側の平坦な装置上面部分20に形成されている。装置上面部分20は、その後側の操作面14に比べて低い位置にある。カード挿入路15は、この装置上面部分20において、装置上方に開口している一定幅で一定深さの直線状の溝である。カード挿入路15の装置後側の後端は、小切手搬送路P1の下流側搬送路P13における装置前方に開口している下流端開口P13aにおける上側の部分に繋がっており、その装置前側の前端は前側カバー11の側縁近傍に位置している。また、カード挿入路15は、図3から分かるように、直線状搬送路である下流側搬送路P13の装置前方への延長線に沿って延びる直線状の挿入路である。すなわち、装置前後方向Yに対して装置内側に鋭角θで傾斜した方向に延びている。
【0027】
曲げることの困難なカードCの画像情報を読み取る場合には、図3に示すように、当該カードCをカード挿入路15に対して装置前側から挿入して装置後方に押し込む。カード挿入路15に押し込まれたカードCは、カード挿入路15から下流側搬送路P13に送り込まれ、当該下流側搬送路P13に配置されている後述の小切手読取用の光学式読取部43(図4参照)によって画像情報が読み取られる。読み取り後のカードCは当該下流側搬送路P13から装置前側のカード挿入路15に送り出される。
【0028】
なお、本例の小切手処理装置1では、曲げることの困難なカードCの磁気情報を読み取るためのカードスロット21も形成されている。カードスロット21は上側筐体部3の右側筐体部分6の上面部分に形成されている。この右側筐体部分6の内部には不図示の磁気読取部が配置されており、カードCを当該カードスロット21に沿って引き抜くことにより、カードCに担持されている磁気情報が読み取られる。
【0029】
(小切手搬送機構)
図4はU字状の小切手搬送経路に沿って小切手S1を搬送するための小切手搬送機構の主要部分を示す構成図であり、この図を参照して小切手搬送機構を説明する。まず、入口ポケット4には、その右側筐体部分6の側の側面に給紙ローラー30aが配置され、内側筐体部分9の側の側面に押圧部材30bが配置されている。押圧部材30bは入口ポケット4に挿入された小切手S1を給紙ローラー30aの側に押圧する。送り出しモーター22により駆動される給紙ローラー30aによって小切手S1は小切手搬送路P1の上流側搬送路P11に送り出される。本例では、小切手S1は、その裏面が装置内側(内側筐体部9の側)を向くように、入口ポケット4に立てた状態で挿入される。
【0030】
小切手搬送路P1の上流側搬送路P11には、入口ポケット4から送り出された小切手S1を送り出す送り出しローラー31bと、上流側搬送路P11を介して当該送り出しローラー31bに向かい合うリタードローラー31aとが設けられている。送り出しローラー31bは、送り出しモーター22により駆動され、給紙ローラー30aと同期して回転される。リタードローラー31aは送り出しローラー31bの側に付勢されており、小切手S1を一枚ずつ分離しながら下流側に送り出す。
【0031】
小切手搬送路P1における送り出しローラー31bの下流側の搬送路部分には、複数の搬送ローラー対32〜36が配置されている。上流側搬送路P11には搬送ローラー対32が配置されており、後側搬送路P12には搬送ローラー対33、34が配置されており、下流側搬送路P13には残りの搬送ローラー対35、36が配置されている。これらの搬送ローラー対32〜36はそれぞれ、内側筐体部分9の側に配置されている駆動ローラー32a、33a、34a、35a、36aと、外側の右側筐体部分6、後側筐体部分7および左側筐体部分8の側において、小切手搬送路P1を介して対向するように設けられた従動ローラー32b、33b、34b、35b、36bとを備えている。駆動ローラー32a、33a、34a、35a、36aは、無端ベルト37を介して、駆動モーター40によりそれぞれが同期して回転駆動される。また、従動ローラー32b、33b、34b、35b、36bは、不図示の付勢部材により、対向する駆動ローラー32a〜36aの側に付勢されている。
【0032】
小切手搬送路P1の上流側搬送路P11には磁気読取部41が配置されている。磁気読取部41は、小切手S1に磁気インク等で書き込まれた磁気情報を読み取り可能なMICR等の磁気スキャナー41aを備え、磁気スキャナー41aは、その磁気読取面が上流側搬送路P11の側を向く姿勢で右側筐体部分6に配置されている。また、磁気スキャナー41aの磁気読取面には、上流側搬送路P11を挟み、押し付けローラー41bが対向配置されている。押し付けローラー41bによって、搬送される小切手S1が磁気スキャナー41aの磁気読取面に押し付けられて、磁気スキャナー41aによって確実に磁気情報が読み取られる。
【0033】
上流側搬送路P11の下流端に連続して装置幅方向に延びている後側搬送路P12には、その装置右隅の側の部分に、小切手S1の裏面に裏書き印刷を行う小切手印刷部42が設けられている。小切手印刷部42は装置上下方向に延びる状態に配置されたライン型のインクジェットヘッド42aを備え、当該インクジェットヘッド42aのノズル面が後側搬送路P12の側を向く状態に配置されている。後側搬送路P12を挟み、このノズル面に対峙する後側筐体部分7の部位には、インクジェットヘッド42aの印刷位置を規定するプラテン42bが配置されている。インクジェットヘッド42aのインク供給源は、図2を参照して説明したように、インクカートリッジ装着部18に装着したインクカートリッジ19である。本例のようにライン型のヘッドを用いると、シリアル型のヘッドを用いる場合に比べて、当該小切手印刷部42をコンパクトに形成できるので好ましい。
【0034】
次に、小切手搬送路P1の下流側搬送路P13には、搬送ローラー対35、36が配置されており、これらの間の搬送路部分には、小切手S1の両面の画像情報を読み取る光学式読取部43が設けられている。光学式読取部43は、小切手S1の裏面読取用の光学スキャナー43aと表面読取用の光学スキャナー43bとを備えており、互いの読取面が下流側搬送路P13を挟んで向かい合うように設けられている。
【0035】
下流側搬送路P13の下流端は、磁気情報の読取、裏書き印刷、および画像情報の読取が終了した処理済みの小切手S1を回収ポケット5に排出する小切手排出口5aに繋がっている。回収ポケット5は上方に開口しており、当該回収ポケット5に回収された小切手S1を上方から取り出すことができる。入口ポケット4および回収ポケット5のいずれもが上方に開口しているので、操作者は常に小切手処理装置1の手前上方から小切手S1を扱うことができる。
【0036】
(レシート発行機構)
次に、図5は小切手処理装置1の縦断面図である。この図を主に参照して上側筐体部3の内側筐体部分9に組み込まれているレシート発行機構を説明する。レシート発行機構は先に述べたロール紙Rが収納されるロール紙収納部16を備えている。ロール紙収納部16は、ロール紙Rを装置幅方向に横置き姿勢で転動自在の状態に収納するものである。ロール紙Rから繰り出される連続紙S2をレシート発行口13に導く連続紙搬送路P2は、その搬送路幅方向が装置幅方向を向く状態で、ロール紙収納部16から装置前方に延びている。
【0037】
ロール紙収納部16は、その底面が凹円弧状断面の底板51によって規定されており、その天面開口が後側カバー12によって封鎖されている。後側カバー12の後端部は装置幅方向に延びる回動中心線を中心軸線とするヒンジ52によって支持されており、このヒンジ52を中心として開閉することができる。
【0038】
ロール紙収納部16のロール紙Rから繰り出される連続紙S2は、底板51の装置前側の縁部分に取り付けた紙ガイド53によって前方に案内され、連続紙印刷部54に導かれる。なお、ロール紙収納部16の底部にロール紙Rの回転摩擦抵抗を軽減するために回転自在なガイドローラーを取り付け、この上にロール紙Rを載せるようにしてもよい。
【0039】
連続紙印刷部54は、ライン型のサーマルヘッド54aと、このサーマルヘッド54aのヘッド面に連続紙S2を押し付けながら搬送するプラテンローラー54bとを備えている。本例では、内側筐体部分9の側にサーマルヘッド54aが取り付けられ、プラテンローラー54bは後側カバー12の先端側の部位に搭載されている。
【0040】
連続紙印刷部54の上側にはオートカッター17が配置されている。オートカッター17は固定刃17aと、可動刃17bを備えた駆動ユニット17cからなる。固定刃17aは後側カバー12の側に搭載されており、可動刃17bおよび駆動ユニット17cは内側筐体部分9の側に搭載されている。連続紙S2は、連続紙印刷部54の印刷位置を経由した後にオートカッター17の切断位置を通り、その上側に開口しているレシート発行口13から上方に排出される。
【0041】
(カードスキャン機構)
小切手処理装置1は、レシート発行機構と共に、カード挿入路15から挿入されるカードCの画像情報を読み取るためのカードスキャン機構を備えている。図4を参照して説明すると、カードスキャン機構は、カード挿入路15と、ここに挿入されたカードCを検出するカードセンサー57を備えている。カードセンサー57はホトカプラなどの光学式センサー、メカニカルスイッチなどを用いることができる。
【0042】
カードセンサー57によってカードCがカード挿入路15に挿入されたことが検出されると、小切手処理機構の下流側搬送路P13に配置されている搬送ローラー対35、36が回転して、カード挿入路15から挿入されたカードCを下流側搬送路P13に沿って装置後方側に送り込むカード送り込み動作と、送り込まれたカードCを装置前方側に送り出してカード挿入路15に戻すカード送り出し動作が行われる。また、下流側搬送路P13からカード挿入路15に送り出されるカードCの画像を、小切手読取用の光学式読取部43を利用して読み取るカード画像読み取り動作が行われる。
【0043】
ここで、図1、図3から分かるように、小切手S1が搬送される直線状の下流側搬送路P13から回収ポケット5に回収される小切手S1の排出方向、すなわち、小切手排出口5aを通って回収ポケット5に排出される小切手S1の方向は、装置前後方向Yあるいは、これよりも装置幅方向の外方に鋭角で傾斜した方向となっている。回収ポケット5では、送り込まれた小切手S1を装置前後方向Yに沿った方向に整列させた状態で装置幅方向に順次に積層しながら回収する。これに対して、カード挿入路15の方向は、下流側搬送路P13の延長線に沿って延びる経路であり、装置前後方向Yに対して前側に向けて内側に鋭角θだけ傾斜した方向となっている。
【0044】
これにより、回収ポケット5内において装置前後方向Yに整列された状態で積層されている小切手S1が存在していても、当該小切手S1に邪魔されることなくカードCをカード挿入路15から下流側搬送路P13の下流端開口P13aに挿入して画像の読み取り操作を行うことができる。この結果、カード挿入路15を、装置前側に配置されている回収ポケット5の隣接位置に配置でき、小切手S1の取扱と同様に、カードCの取扱も装置前側からカード挿入路15を直視した状態で行うことができる。よって、カードCの画像読み取り操作の操作性およびカードCの取扱性を改善できる。
【0045】
また、回収ポケット5は装置前後方向Yに沿った方向に延びる凹状のポケットであり、カード挿入路15は回収ポケット5に対して装置幅方向の内側に配置されている。したがって、装置幅方向の寸法増加を招くことなくカード挿入路15を配置することができる。なお、装置幅方向の寸法に余裕がある場合には、装置前後方向Yに延びる回収ポケット5の外側に外方に鋭角で傾斜するカード挿入路15を設けることも可能である。
【0046】
さらに、本例では、図1〜図3に示すように、下流側搬送路P13の上流端、すなわち、後側搬送路P12の下流端が繋がっている位置から、当該下流側搬送路P13から装置後方に引いた延長線に沿った方向に直線状の延長路58が延びている。この延長路58の後端58aは装置後端に開口している。したがって、下流側搬送路P13が短い場合、あるいは、カードCの搬送方向の長さが長い場合には、下流側搬送路P13のみでは、光学式読取部43の読取位置を経由させてカードCの全体を搬送する動作(すなわち、カードCの表面全体を搬送方向に沿ってスキャンする動作)を行うための搬送路長が不足する場合がある。本例では、延長路58が形成され、その後端58aが後方に開口しているので、このような場合にも対応できる。
【0047】
これに加えて、本例では、下流側搬送路P13の溝深さ方向における途中の高さ位置にある装置上面部分20にカード挿入路15が形成されている。すなわち、下流側搬送路P13の溝底面から溝上端開口までの間の高さ位置に、カード挿入路15の底面が配置されている。小切手搬送路の上側部分をカード読取用の搬送路部分として利用すれば、カード挿入路15の配置面を高い位置にすることができ、カードCを装置上面部分20よりも低い小切手搬送路P1の底部分にカードCを挿入する場合に比べて、カードCの挿入が容易になる。
【0048】
(小切手処理装置の制御系および動作)
小切手処理装置1の動作はMPU等の制御部61によって制御される。制御部61は、図4に示すように、下側筐体部2の上面に配置した基板60に搭載されている。単一の制御部61により小切手処理装置1の小切手処理機構、レシート発行機構およびカードスキャン機構を制御することにより、例えばドライバーのアップデートなどのメンテナンス性が向上する。なお、制御部61は、図4に示すように基板60の上面に設けるほか、基板60の裏面(小切手搬送路P1が形成される側とは反対側)に、制御基板として取り付けても良い。
【0049】
小切手S1が装置前側から入口ポケット4に挿入されると、制御部61は小切手処理機構の送り出しモーター22を駆動制御して小切手S1を給紙ローラー30a等により小切手搬送路P1に送り出す。これに同期させて駆動モーター40を駆動制御してリタードローラー31aと送り出しローラー31bにより小切手S1を一枚ずつ上流側搬送路P11に沿って搬送する。
【0050】
制御部61は、小切手S1が上流側搬送路P11を搬送されてくると、まず磁気読取部41を制御して小切手S1の磁気情報を読み取り、読み取られた磁気情報を取得する。次に制御部61は、読み取った磁気情報に基づいて、小切手印刷部42により小切手S1の裏面に裏書き印刷を実行する。また、制御部61は光学式読取部43を制御して小切手S1の両面の画像を読み取り、読み取られた画像情報を取得する。さらに、画像情報が読み取られた小切手S1は搬送ローラー対36により回収ポケット5に排出される。
【0051】
このように、小切手処理装置1の小切手処理機構によれば、磁気情報の読み取り、裏書き印刷、画像情報の読み取りといった一連の処理を一括して行うことができるので、ユーザーの負担を軽減することができる。
【0052】
また、制御部61はレシート発行機構の送り出しモーター22を制御してプラテンローラー54bを回転駆動し、ロール紙Rから連続紙S2を繰り出して連続紙搬送路P2に沿って送り出す。送り出された連続紙S2はサーマルヘッド54aとプラテンローラー54bの間を通って搬送される間に、制御部61の制御のもとに必要な情報が連続紙S2に印刷される。印刷された連続紙S2は更にプラテンローラー54bによってレシート発行口13から装置外部に排出される。連続紙S2における印刷済の先端部分が排出されて、印刷部分の後端がオートカッター17の切断位置に至ると連続紙S2の搬送が停止され、制御部61によってオートカッター17が駆動されて連続紙S2の印刷部分が幅方向に切断されて切り取られる。切り取られた一定長さの印刷済のシート片がレシートとして発行される。
【0053】
さらに、制御部61はカード挿入路15にカードCが挿入されたことをカードセンサー57からの出力によって検出すると、小切手搬送機構の駆動モーター40を駆動制御して小切手搬送用の搬送ローラー対35、36を駆動して、カード挿入路15に挿入されたカードCを下流側搬送路P13に送り込むカード送り込み動作を行わせる。カード送り込み動作時にカードCの搬送方向の長さ寸法がカードセンサー57の出力に基づき検出される。
【0054】
カードCの送り込み方向の後端が光学式読取部43の読取位置を通過し終えた時点でカード送り込み動作を終了し、次に、搬送ローラー対35、36を逆方向に回転駆動して、カードCを送り出すカード送り出し動作を開始する。カード送り出し動作において、光学式読取部43を駆動して、その読取位置を通過するカードCの表裏の画像情報の読み取り動作を行わせる。カードCの送り出し方向の後端がカードセンサー57によって検出されると、所定量だけカードCを送り出した後にカード送り出し動作を終了させる。このようにして、カードCの画像情報が読み取られる。
【0055】
なお、上述の例では、磁気情報や画像情報が制御部61に伝達される構成を例に挙げて説明したが、読み取り情報をコンピューターやディスプレイといった外部機器に出力してもよい。この場合、外部機器からの出力を制御部61に入力し、制御部61は外部機器の指令に応じて小切手印刷部42および連続紙印刷部54で印刷を実行するように構成してもよい。
【0056】
また、小切手処理機構の側の駆動モーター40とレシート発行機構の側の送り出しモーター22とを別々に設ける例を挙げて説明したが、レシート発行機構のプラテンローラー54bも、減速機やプーリー、無端ベルトを介して小切手処理機構の側の駆動モーター40により駆動させてもよいことは勿論である。
【0057】
(本実施の形態に係る小切手処理装置の主な作用効果)
以上の如く、小切手処理装置1においては、曲げることの容易な小切手S1を搬送する小切手搬送路P1から回収ポケット5に排出される小切手排出方向Aあるいは回収ポケット5に回収される小切手S1の回収方向と、曲げることの困難なカードCの画像情報を読み取るために当該カードCが挿入されるカード挿入路15の挿入方向とを異なる方向としてある。回収ポケット5に回収された小切手S1があっても、当該小切手S1に邪魔されることなくカードCをカード挿入路15から小切手搬送路P1の下流側搬送路P13に挿入してカードCの画像の読み取り操作を行うことができる。この結果、カード挿入路15を、装置前側に配置されている回収ポケット5の隣接位置に配置でき、小切手S1の取扱と同様に、カードCの取扱もカード挿入路15を直視した状態で装置前側から行うことができる。よって、カードCの画像読み取り操作の操作性および当該カードCの取扱性を改善できる。
【0058】
また、図1〜図3から分かるように、カードCの画像読取操作だけでなく、小切手処理装置1の各部の操作を装置手前側において行うことが可能である。装置側方あるいは後側に回って操作する場合、装置側方あるいは後側に手などを回して操作する場合に比べて、操作性に優れており、ロール紙交換、インクカートリッジ交換などの作業の作業性にも優れている。
【0059】
さらに、小切手処理装置1では、小切手搬送路P1と連続紙搬送路P2が独立して設けられているので、小切手搬送路P1を搬送される小切手S1と、連続紙搬送路P2を搬送される連続紙S2を、独立して搬送することができる。また、小切手S1と連続紙S2を同時に搬送しても、両者が接触することがなく、紙詰まりの虞がない。さらに、小切手S1に印刷する小切手印刷部42と連続紙S2に印刷する連続紙印刷部54とは離れた位置にあり、独立して印刷動作を行うことができるので、それぞれ互いの印刷状況によらず、小切手S1と連続紙S2に同時に印刷したり、所定の時間差を設けて印刷したりすることができる。
【0060】
これに加えて、連続紙搬送路P2は、U字状の小切手搬送路P1によって囲まれた部分において、そのU字の開口側である装置前方に向けて延びる搬送路としてある。連続紙搬送路P2を装置幅方向に延びる状態に配置する場合などに比べて、小切手搬送路P1に干渉することなく必要な長さの連続紙搬送路P2を確保することができ、また、U字状の小切手搬送路P1によって囲まれている領域内に効率良くレシート発行機構の各部を配置することができる。よって、全体として、小型でコンパクトなレシート発行機構を備えた小切手処理装置1を実現できる。
【0061】
(その他の実施の形態)
図6(a)に示すように、上記の例では、カードスキャン用のカード挿入路15を回収ポケット5の内側に隣接した位置に配置してある。この代わりに、図6(b)に示すように、カード挿入路15を回収ポケット5に対して装置幅方向の外側に配置することも可能である。また、図6(c)に示すように、カード挿入路15を入口ポケット4の側において、その装置幅方向の内側に配置することも可能である。例えば、回収ポケット5の隣接位置に処理不能な小切手S1を排出する排出ポケット5Aが配置されている場合には、カード挿入路15を入口ポケット4の側に配置すればよい。この場合には、小切手搬送路P1における上流側搬送路P11を直線状搬送路とし、この部分に小切手読取用の光学式読取部43あるいはカード読み取り専用の光学式読取部43を配置しておけばよい。カード挿入路15を入口ポケット4に対して装置幅方向の外側に配置することも可能である。
【符号の説明】
【0062】
S1 小切手、S2 連続紙、R ロール紙、P1 小切手搬送路、P11 上流側搬送路、P12 後側搬送路、P13 下流側搬送路、P13a 下流端開口、P2 連続紙搬送路、C カード、X 装置幅方向、Y 装置前後方向、Z 装置上下方向、A 小切手排出方向、1 小切手処理装置、1a 装置筐体、2 下側筐体部、3 上側筐体部、4 入口ポケット、4a 小切手挿入口、5 回収ポケット、5A 排出ポケット、5a 小切手排出口、6 右側筐体部分、7 後側筐体部分、8 左側筐体部分、9 内側筐体部分、11 前側カバー、12 後側カバー、13 レシート発行口、14 操作面、14a 操作スイッチ、14b LED表示部、15 カード挿入路、16 ロール紙収納部、17 オートカッター、17a 固定刃、17b 可動刃、17c 駆動ユニット、18 インクカートリッジ装着部、19 インクカートリッジ、20 装置上面部分、21 カードスロット、22 送り出しモーター、30a 給紙ローラー、30b 押圧部材、31a リタードローラー、31b 送り出しローラー、32,33,34,35,36 搬送ローラー対、32a,33a,34a,35a,36a 駆動ローラー、32b,33b,34b,35b,36b 従動ローラー、37 無端ベルト、40 駆動モーター、41 磁気読取部、41a 磁気スキャナー、41b 押し付けローラー、42 小切手印刷部、42a インクジェットヘッド、42b プラテン、43 光学式読取部、43a,43b 光学スキャナー、51 底板、52 ヒンジ、53 紙ガイド、54 連続紙印刷部、54a サーマルヘッド、54b プラテンローラー、57 カードセンサー、58 延長路、58a 後端、60 基板、61 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体挿入口および媒体排出口を備えた装置筐体と、
平面上に正立状態で前記装置筐体を置いた場合における前記平面に平行な一つの方向を装置前後方向、前記平面に平行で前記装置前後方向に直交する方向を装置幅方向、前記平面に直交する方向を装置上下方向と規定した場合に、前記媒体挿入口から挿入される第1媒体を、前記装置前後方向の前方から後方に向けて案内した後に前記装置前後方向の後方から前方に向けて案内して前記媒体排出口まで導くために、前記装置筐体に形成した媒体搬送路と、
前記媒体搬送路における前記媒体挿入口あるいは前記媒体排出口に繋がっている直線状搬送路と、
前記媒体挿入口から前記直線状搬送路内に第2媒体を挿入するため、あるいは、前記媒体排出口から前記直線状搬送路の外に第2媒体を排出するために、前記装置筐体における前記装置上下方向の上方を向く装置上面部分において、前記媒体挿入口あるいは前記媒体排出口から前記直線状搬送路の延長線に沿って前記装置前後方向の前方に向かって延びている直線状の第2媒体挿入路と、
前記直線状搬送路を通過する媒体から画像を読み取る光学式読取部とを有し、
前記直線状搬送路および前記第2媒体挿入路は、前記装置前後方向に沿った方向あるいは当該装置前後方向に対して鋭角で傾斜した方向に延びており、
前記媒体挿入口から挿入される前記第1媒体の挿入方向、あるいは、前記媒体排出口から排出される前記第1媒体の排出方向は、前記第2媒体挿入路とは異なる方向であり、且つ、前記装置前後方向に沿った方向あるいは当該装置前後方向に対して鋭角で傾斜した方向であることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記媒体挿入口から挿入される前記第1媒体の挿入方向、あるいは、前記媒体排出口から排出される前記第1媒体の排出方向は、前記装置前後方向に沿った方向であり、
前記直線状搬送路および前記第2媒体挿入路は、前記装置前後方向に沿った方向に対して、前記装置前後方向の前方に向かって前記装置幅方向の内側に鋭角で傾斜した方向であることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記媒体搬送路は、前記直線状搬送路の前記装置前後方向の後方側の端から前記装置幅方向に湾曲して延びる搬送路部分を備えており、
前記直線状搬送路の前記後方側の端には、当該直線状搬送路の前記装置前後方向の後方への延長線に沿って直線状に延びる延長路が形成され、当該延長路の前記装置前後方向の後方側の端は前記装置前後方向の後方に開口していることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記直線状搬送路は、前記媒体搬送路における前記媒体排出口に繋がっている搬送路であり、
前記媒体排出口から排出される第1媒体を回収する回収ポケットを有しており、
前記第2媒体挿入路は前記回収ポケットに対して前記装置幅方向の内側に配置されており、
前記回収ポケットは前記装置前後方向に沿った方向に延びており、
前記直線状搬送路および前記第2媒体挿入路は、前記装置前後方向に沿った方向に対して前記装置前後方向の前方に向かって前記装置幅方向の内側に鋭角で傾斜した方向であることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記媒体搬送路の前記直線状搬送路は、前記装置上下方向の上方に開口している所定の深さの溝によって底面が規定されており、
前記回収ポケットは前記直線状搬送路の溝底面と同一高さ位置にある底面を備えた装置上方に開口している凹部によって規定されており、
前記第2媒体挿入路の底面は、前記直線状搬送路の前記溝底面から前記装置上下方向の上方に開口している溝上端開口までの間の高さ位置にあり、
前記第2媒体挿入路から前記直線状搬送路に挿入される第2媒体は、当該直線状搬送路内を前記第2媒体挿入路の底面と同一高さ位置の状態で搬送されることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記媒体搬送路を搬送される第1媒体の磁気情報を読み取る磁気読取部と、
前記媒体搬送路を搬送される第1媒体に印刷を行う媒体印刷部とを有しており、
前記媒体搬送路は小切手搬送路であり、
前記第2媒体挿入路はカード挿入路であることを特徴とする媒体処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−20331(P2013−20331A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151546(P2011−151546)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】