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安定したサブミクロンレベルのチタニアゾル
説明

安定したサブミクロンレベルのチタニアゾル

本発明は、不快な匂いを最小限に抑えた、安定した、アルカリ性の、固体率の高い、低粘度の、表面張力の低い、低燃焼性の、サブミクロンのサイズのチタニアゾルの組成物およびプロセス、並びにその利用方法に係る。本発明の組成物では、例えば、強い有機塩基および弱い有機塩基の混合物が分散剤として利用されて、チタニアゾルを安定させている。分散剤の混合物を利用すると、比較的高いチタニア固体率、低い表面張力、および、低い粘度の懸濁物、および低燃焼性、といった特徴が達成されることが分かっている。本発明で生成されるゾルは、チタニアをゾル形態で含むと都合のよい、ディーゼル排ガス規制または汚染物光触媒等の触媒補助剤として利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒補助剤または結合剤として有用な、表面積の広いアルカリ性のアナターゼ型チタニアゾル組成物、およびその製造方法に係る。表面積が広く、超微細なアナターゼ型チタニア(TiO)は、特にディーゼルエンジンの排気ガスに含まれている窒素の酸化物等の大気汚染物質を、選択的触媒還元(SCR)と称されているプロセスでアンモニアまたは尿素によって還元するための触媒補助材料として一般的に利用されている。触媒プロセスでは、活性触媒金属または酸化物(通常は、鉄、セリウム、銅および/または酸化マンガン等のバナジア系その他の活性材料である)の補助剤として通常チタニアが利用される。アナターゼ型チタニアは、窒素、硫黄、オゾン、有害および不快な匂いを発するVOC、および煤塵や泥等の粒子状物質などの大気汚染物質の、光触媒(光触媒:PC)による破壊の際に、自ら活性化することもできる。チタニアは、単独での利用も可能であるが、他の材料と混合されたり、表面上にコーティングされたりして利用される場合もある。チタニアのコーティングは、紫外線が照射されると、紫外線を吸収して、汚染物質を劣化させたり、低減したり、酸化させたりする光触媒プロセスを始めることができる。チタニアは、安定した水性のコロイドが分散したもの(ゾル)として提供される(つまり、チタニア粒子が、時間を経ても沈殿しない程度の細かさを持っているような混合物のことである)。超微細のアナターゼ型チタニアゾルの例は、S5−300A(登録商標)およびS5−300B(登録商標)であり、これらはそれぞれ、酸および塩基(base)により解膠されており、Millennium Chemical Co.から入手可能である。ゾルS5−300(登録商標)は例えば、11.5±1のpHにおいて17.5±2.5の重量%のチタニアを含み、BETによる計測において乾燥生成物における表面積が250m/gを超える。触媒材料としての機能に加えて、アナターゼ型チタニアの小さな粒子を安定したゾルに組み入れたものは、結合材料として利用することができ、他のチタニア粒子のモノリス補助剤への付着を促進することができる。チタニア触媒材料を提供して、小さい粒子状の材料を補助する機能は、特に、壁流粒子フィルタの壁の孔をコーティングすることによりディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)にSCR機能を持たせる目的に有用である。この微粒子フィルタとSCRの触媒とを組み合わせたものはSCR−Fと称され、この方法により、SCR/DPF触媒を別々に設けた場合よりも格段に高い効果が得られる。
【0002】
S5−300B(登録商標)チタニアゾルは、触媒材料を製造する際のチタニア源として有用性が高いことが証明されているものの、幾つかの欠点も有している。上述したようにS5−300B(登録商標)は、チタニア含有量が約17.5重量%である。ゾルの固体含有量を増加させることが、幾つかの理由から望まれている。第一に、ゾルの固体率の高くすると、積荷にかかるコストおよび税金が低くすることができる。第二に、モノリスの洗浄コーティング等の製造プロセスで利用される場合、固体率の高いゾルは、1つの洗浄コーティングステップで成膜できるチタニア固体の量を増やすことができるので、機能性を高めたり、処理コストを低減させたり、これら両方を達成することができるようになる。さらにS5−300B(登録商標)は、強アルカリ性および水混和性を有する有機分散剤であるジエチルアミン(DEA)により約11.5のpHで安定するので、良好な解膠剤である。しかしこの従来から利用されてきたS5−300B(登録商標)ゾルは、ゾルの約2.6重量%を構成するジエチルアミンの沸点が低く、蒸気圧が高いことから、比較的燃焼しやすい(引火点が摂氏35度である)。
【0003】
S5−300B(登録商標)は、蒸気圧が高い分散物を含み、固体率が比較的低い、という望ましくない特性も有しているが、粘度が低く表面張力が低いという望ましい特性も有している。これらの望ましい特性は、モノリス補助剤のチャネルおよび/または孔にゾルを投入させやすくし、洗浄コーティングプロセスを向上させるので好適である。
【0004】
従って、比較的厳しくない条件においても製造できるように、固体率が高まり、蒸気圧が低下しており、また同時に、粘度および表面張力の低さを維持している、向上したゾルの開発が望ましい。
【0005】
安定したチタニアゾルを準備するための解膠法(peptization route)は、米国特許第5,049,309号明細書に記載されており、より最近では、米国特許出願公開第2009/0062111号明細書に記載されている。この方法では、硫酸化プロセスからの解膠された水和性のチタニアの前駆体を利用することができる。この解膠された水和性のチタニアの前駆体の物理的構成については、Sathyamoorty,S.氏らの「結晶成長および設計」(2001)1巻、2号、123−129ページ、および、Jalava,J.−P.氏による文献、産業および工学化学研究(Industrial & Engineering Chemistry Research)(2000)、39巻、2号、349−361ページに記載されている。簡単にまとめると、このような解膠した材料は、通常は数nmのオーダのサイズである小さなアナターゼの一次晶子(primary crystallite)から構成されている。これら晶子は、互いに結合されて、通常は50−100nmの直径の一次凝集体(primary aggregate)と称されるものを形成する。これら一次凝集体がさらに互いに結合されて、直径が略1から2ミクロン(1μm−2μm)の集塊(agglomerate)が形成される。最終物である集塊の粒子は、内部に網目状の多くの孔を有する。解膠プロセスでは、時間、温度、およびpHの条件を厳しくして、一次凝集体同士を結合させてミクロンのサイズの集塊を形成させる力を妨害する化学的力を形成する、と思われている。この後者の力が克服されると、集塊は、サイズが略50−100nmの一次凝集体に分割される。解膠条件をより過酷にすると、一次凝集体は一次晶子に分割される。本発明の目的の1つは、pH、時間、および温度の条件をここまで過酷にしなくても、固体率の高いゾルを形成することのできる、集塊を小さな粒子に分割するための別の手段を設けることである。
【0006】
チタニアゾルを活性触媒材料、触媒補助剤、または、触媒結合材として利用する目的においては、IAまたはIIA元素群の水酸化物を分散剤または解膠剤として利用すると、これらのアルカリ(例えばNaOHおよびKOH)がSCR反応における強い触媒毒となるために、不都合である。従って本発明のアルカリ性分散剤は、有機塩基に限定する(従って、SCR等の用途のための最終物である触媒物品の製造プロセス中に燃え尽きさせることができる)。DEAよりも燃焼性が弱くコストも低い、弱い有機塩基(例えばNHおよびアルカノールアミン)は、DEA等のように強アルカリ性ではないために、チタニアを解膠化して安定したゾルを得る、という目的には効果的ではない。DEAより燃焼性の低い非常に強い塩基の例に、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)がある。この試薬は、水溶液中の塩であり、比較的高い表面張力を有するゾルを生成する。さらに、TMAOHおよびその分解生成物(アミン)は、非常に強い不快な匂いを持つ。最後に、TMAOHは、アルカノールアミン等の他の有機塩基に比べて比較的高価な試薬である。
【0007】
高い固体含有量と安定性という望ましい特徴が最適化され、燃焼性、粘度、および表面張力等の特徴を最小限に抑えることのできるチタニアゾルを生成できると、非常に望ましい。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、不快な匂いを最小限に抑えた、安定した、アルカリ性の、固体率の高い、低粘度の、表面張力の低い、低燃焼性の、サブミクロンのサイズのチタニアゾルの組成物およびプロセス、並びにその利用方法に係る。本発明の組成物では、例えば、強い有機塩基および弱い有機塩基の混合物が分散剤として利用されて、チタニアゾルを安定させている。分散剤の混合物を利用すると、比較的高いチタニア固体率、低い表面張力、および、低い粘度の懸濁物、および低燃焼性、といった特徴が達成されることが分かっている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】様々な孔の体積の粒子について、仮想的なアナターゼ粒子懸濁物の粘度を粒子質量分率の関数として比較したグラフである。
【0010】
【図2】ゾルS5−300B(登録商標)のTEMである。
【0011】
【図3】本発明における媒体粉砕後のゾル(例23)の粒子のTEM画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、不快な匂いを最小限に抑えた、安定した、アルカリ性の、固体率の高い、低粘度の、表面張力の低い、低燃焼性の、サブミクロンのサイズのチタニアゾルの組成物およびプロセス、並びにその利用方法に係る。本発明の組成物では、例えば、強い有機塩基および弱い有機塩基の混合物が分散剤として利用されて、チタニアゾルを安定させている。分散剤の混合物を利用すると、比較的高いチタニア固体率、低い表面張力、および、低い粘度の懸濁物、および低燃焼性、といった特徴が達成されることが分かっている。プロセスでは、チタニアの前駆体材料を、小さな高密度の粉砕媒体を利用して媒体粉砕することで、超微細な粒子を、比較的厳しくない時間、温度、およびpHの条件の下で生成する。プロセスはさらに、非常に柔軟性が高く、機能性を向上させるために、チタニアの表面をさらに修正および向上させることのできる無機添加物をさらに追加することができる。例えばチタニアを、珪酸テトラ(アルキル)アンモニウム(珪酸テトラメチルアンモニウム等)等の形態のシリカとともに粉砕すると、チタニア粒子が焼結時に安定し、これにより、チタニアのアナターゼ相を効率的に維持することができ、触媒生成物として利用するためにバナジア(vanadia)をチタニアに添加した場合であっても、過酷な温度および熱水条件での結晶成長を妨げる。この後者の向上点は、フィルタの再生中の煤煙の燃焼の結果、温度が非常に高くなるSCR−Fの用途にチタニアゾルを利用する際に特に有用である。
【0013】
本発明の組成物は、従来から利用されてきたS5−300B(登録商標)よりチタニア固体率が高く(S5−300Bでは17.5±2重量%であるのに対して、30重量%等である)、燃焼性が低く、粘度が低く、表面張力も低い。さらなる利点としては、この混合物の比較的強くない匂いが挙げられる。この組成物についていうと、媒体粉砕プロセスは、極小の粒径のチタニアゾルを生成する手段として非常に効率が高い。熱または熱水でエージングされたゾルから復帰させたチタニアの表面積は、上述したように、水性のシリカによる処理により向上させることができ、さらに、アナターゼ相もより安定させることができ、触媒への用途に好適である。チタニアゾルの触媒機能は、湿式粉砕プロセスにおいて無機添加物(例えば三酸化タングステン)を追加することで、さらに向上させることができる。
【0014】
これら方法では、本発明は、高い固体の重量%、低粘度、低表面張力、小さな粒径を実現することができ準備の容易な別の分散剤の組成物を提供することもできる。好適な分散剤の混合物は、弱い有機塩基(アルカノールアミン等)および強い有機塩基(水酸化第四級アルキルアンモニウム:quarternary alkylammonium hydroxide等)を含む。加えて、このようにしてシリカが安定したゾルは、シリカが安定されていない、または別の形態でシリカを安定させたゾルよりも、ゾルの相安定性が良好であり、表面積が広い。さらに、シリカおよびタングスタ(tungsta)を追加されたゾルは、バナジア系のSCR触媒の触媒補助剤として優れている。
【0015】
本発明で生成されるゾルは、チタニアをゾル形態で含むと都合のよい、ディーゼル排ガス規制または汚染物光触媒等の触媒補助剤として利用することができる。
【0016】
本発明の様々な実施形態を詳しく説明する前に、当業者であればここに記載する記述を利用して、本発明を完全に実行することができることを理解する旨を述べておく。以下の実施形態および例は、本発明の様々な組成物およびプロセスの実行方法を示しているにすぎず、あくまで例示であり、本開示をいかなる形態であっても限定するものではない。当業者は、処理の適切な変形例を容易に想到する。
【0017】
本発明の目的の1つは、固体率が高く(高いチタニア重量%)、安定して、燃焼性が低く、粘度が低く、表面張力が低く、非常に小さい粒径のアルカリ性の懸濁物(ゾル)、アナスターゼの結晶形態におけるチタニアの表面積が高い、という特性を達成することである。ここで「安定」という用語は、時間が経っても沈降せず、時間が経っても低粘度を維持できる、ということでる。つまり、不安定なゾルは、数ヶ月経つと、許容範囲を超える沈降量が生じがちであったり、最終的には「ジェル」状になってしまうような粘度の実質的な増加がみられたりする傾向がある。粒径を小さくすることで沈降を回避することができる。
【0018】
これらゾルの用途には、これらに限定はされないが、光触媒としての用途、ディーゼル排ガス規制の触媒への用途等が含まれる。ゾルは、産業のスケールで簡単に実行可能な媒体粉砕を利用するプロセスを利用して製造される。追加の表面改質ステップ(利用する場合)は、活性化させたタングスタおよび/またはシリカ等の別の無機材料でチタニアゾルを処理することを含む。さらなる実施形態では、タングスタ、セリア、マンガン、胴、バナジア、その他の活性触媒、触媒プロモータ、または触媒安定剤で、チタニアの表面を改質することが含まれる。本発明の生成物は、説明する固有の特性を有する。
【0019】
<チタニアの出発材料>
【0020】
本発明では、通常、表面積の広いアナターゼの出発原材料として、硫酸化プロセスで形成される沈殿物である、含水性のTiOを利用する。例えば、アナターゼ結晶構造を有するチタニア材料は、フランスのThannのMIC工場から入手することができたが、このチタニア材料は、揮発性含有物は約16重量%(燃焼時に重量が減る)であり、残りの硫酸含有物(SOとして報告)が約0.8重量%であり、表面積が多く(約250m/gを超える)、孔体積が大きく(約0.25cm/gを超える)、粒径(光散乱法で計測したD50−)が約1.5ミクロンである。しかし、粒子状物質であるチタニアの他の材料を利用することもできる(特に、400m/gまでの、より広い表面積を有したり、孔体積が0.4cm/gまでであったりする材料が利用可能である)。上述した材料を水性アンモニアで中和して水洗浄することで、硫酸塩(sulfate)の含有率が比較的低い生成物が提供される。粒子状物質のチタニアは、揮発性物質の含有量および硫酸塩含有量がより多いアップストリームプロセスステップで捕捉することができる。ただこの場合、硫酸塩のレベルが高いとコロイド状のゾルを不安定にさせることが知られているために、ゾル製造プロセスには、硫酸塩のレベルを下げるようなステップを追加する必要があるだろう。硫酸塩含有量の低いチタニアを利用すると、好適である。
【0021】
本願の固有の特徴は、特に多孔率の高い(high porosity)チタニア源を利用することで、高い固体率(具体的には体積分率が高いこと)で、低い粘度のチタニアゾルを容易に準備できることである。例えば、HiemenzとRajagopalanによる「コロイドおよび表面化学の原理:Principles of Colloid and Surface Chemistry」の168ページに記載されているDougherty-Kriegerモデルは、球形粒子の理想的な懸濁物を、粒子をφおよび2つの定数項で表す分数占有量および限定的に占有される量(φmax)および固有の粘度(η)で表しており、η/η=[1−(φ/φmax)]−[η]*φmaxとなる。 この式において、ηは、粒子の懸濁物の粘度であり、ηは、純粋な溶媒の粘度を表す。
【0022】
多孔性の粒子には、φと固体の質量分率(x)との間に、粒子の骨格密度(3.8g/ccをアナスターゼとしたとき、ρ)、流体密度(ρ)、および、例えば窒素ので計測した場合の粒子の細孔体積PVに依存する、窒素のポロシメータで計測したときのФ = (1/ρs + PV)*ρf*x/(1-x*(1-ρfs))という関係がある。
【0023】
図1は、細孔体積(PV)がそれぞれ0.0cm/g、0.40cm/g、および0.50cm/gであり、通常の値がそれぞれφmax=0.632であり、[η]=3.13である、代表的なアナターゼ粒子について計算した曲線である。
【0024】
図1から分かるように、スラリーの固体が質量分率0.40を超えて増加するとき、細孔体積を持つ粒子の粘度が急峻に増加するが、非多孔質の粒子では粘度が非常に低い値にとどまる。さらに、粒子の細孔体積が増えると、一定の質量分率でも粘度は上昇する。この説明から導かれる重要な結論は、数多くの先行技術におけるチタニアの固体率の高い懸濁物(顔料に利用するルチル相のチタニアを含む)が、細孔体積の少ない、または全くないチタニア粒子からのものであるということである。従って、本発明の、孔の多い多孔質のアナターゼチタニア粒子を、固体率の高いゾルに形成して、且つ、低い粘度を保つということは、粒子の孔に混入する流体のせいで、ずっとこれより難しいことが分かる。
【0025】
<分散剤>
【0026】
上述したように、本発明の目的の1つは、従来の生成物S5−300B(登録商標)より固体率が高く、燃焼性が低い、安定しているが、従来の生成物の特性を維持する、またはより良い特性を備える水性アルカリゾルを提供することである。チタニア原材料は、水を添加することで、アルカリ性の分散剤を含むスラリーにすることができる。分散剤は、NaまたはKイオンが残留してしまうと強い触媒毒となるような用途(SCR等)向けに、後の焼成で燃えた後に残留物を残さない有機組成物とすると好適である。この残留物は、さらに、PCの用途に利用されたとき、チタニアの光触媒処理を超える処理を発揮することができる。さらには、分散剤を水に対する混和性を有するものとして、最終物であるゾルが水相および有機相に分離しないようにすると好適である。本発明で利用できる分散剤のリストを表1に示し、この表から、アルカリ性で、DEAより蒸気圧が低く(沸点および引火点が高い)、水に対する混和性を有する様々な有機組成物が存在することが分かる。例えば、特に適している一般的なクラスの材料として、アルカノールアミンが挙げられる(これらに限定はされないが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、および、アミノメチルプロパノールを含む)。本発明で利用可能なアルカノールアミンの別の例としては、これらに限定はされないが、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、および、トリイソプロパノールアミンが挙げられる。アルキル置換アルカノールアミン等の置換アルカノールアミンを利用することもでき、この例には、これらに限定はされないが、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、および、N,N−ジエチルエタノールアミンが含まれる。例えば排ガスを洗浄する用途では、容易に入手可能な試薬が存在しており、チタニアの分散剤としても有用である。表1に示す別の材料としては、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)もある。しかしTMAOHは、比較的高価であり強い悪臭を放ち、水と混合すると比較的表面張力が高いので、単一の分散剤として多量に利用する用途には適さない。同様の特性を持つ他の水酸化第四級アルキルアンモニウムとしては、これらに限定はされないが、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム等が挙げられる。
【0027】
表1では(殆どの分散物の例について)塩基の強さの計測値をpKaで示している(酸解離定数の負の対数)。pKaが大きくなると、塩基も強くなる。従って例えば、ジエチルアミンは、ジエタノールアミンより強い塩基であるモノエタノールアミンより強い塩基である(pKa10.8>9.5>8.9)。上述したアミンも比較的強い塩基であるが、表1において最強の塩基は、試薬が水で略完全に解離する(1:1の電解質である)TMAOHであり、従って、水酸化物の濃度が最初のTMAOH濃度に実質的に等しくなる。
【0028】
【表1】

【0029】
<例:様々なゾルの特徴および特性>
【0030】
<例1:S5−300B>
【0031】
商用の先行技術のチタニア分散物S5−300Bのサンプルは、フランスのThannのMIC製造工場から取得した。このゾル(本明細書でE1と称されることもある)は、強い有機塩基ジエチルアミン(DEA)を利用する解膠法により準備されたものである。このゾルは、物理特性を特定するべく様々な手段で特徴付けられる。TiOスラリーの表面張力は、KrussK−100張力計で、Du Nouyリング法を用いて計測したものである。粘度は、Brookfield粘度計で計測された。燃焼性は、Pensky−Martens法で計測されたものである。サンプルはさらに、透過型電子顕微鏡(TEM)で解析された。サンプルは、提供されたスラリー1,000:1を、水およびイソプロパノールを50:50の割合で混合した混合物で希釈して、TEM解析用に準備された。希釈懸濁物を簡単に手で振って、炭素で覆われた銅のTEMグリッドを直接懸濁物に浸した。グリッドは空気乾燥してから、50から400,000Xの範囲の倍率のTEMで観察した。200kVで動作するJEOL2000FX II TEMで解析した。撮像中に、特徴的な相のサイズと分布に注目した。画像の撮像はGatan MultiScan CCDカメラで行い、jpegフォーマットにした。
【0032】
<例2:SB−X1>
【0033】
先行技術であるチタニア分散剤SB−X1のサンプルは、フランスのThannのMIC製造工場から取得した。このゾルは、強い有機塩基である水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)を利用して解膠法で準備された。このゾルの特徴は上述した通りである。
【0034】
【表2】

【0035】
表2から分かるように、例1および例2のゾルS5−300BおよびSB- X1は、両方とも解膠法で単一の強い有機塩基を利用して形成されたものであり、チタニアの固体含有率がたった17.5重量%と、比較的低い。これらゾルはさらに粘度も低い。しかしこれらは、引火点と表面張力の面で異なっている。S5−300Bの引火点が低いことは、SB- X1の表面張力が高いこと同様に、望ましくない。図2は、S5−300Bゾルのチタニア粒子が、略50−60nmのサイズの一次凝集体からなり、これら凝集体が、略数ナノメートルのサイズである一次アナターゼ晶子からなることを示している。
【0036】
SB- X1ゾルnTEM解析により、このケースのチタニア粒子もまた、略50−60nmのサイズの一次凝集体からなり、これら凝集体が、略数ナノメートルのサイズである一次アナターゼ晶子(primary anatase crystallites)からなることを示している。
【0037】
<例3−9>
【0038】
以下の例において、様々な分散物を単独でまたは組み合わせて利用して、様々なゾルを準備した。これら実施形態では、水生分散剤は、TiO含有量が30%で、TiOに対する分散物質量全体の比率が一定して20重量%であるので、全固体含有量(つまりチタニア+分散剤)は、約37.5重量%となる(分散剤の総量は7.5重量%である)。出発チタニアはフランスのThannのMIC製造工場から取得され、この材料は、摂氏1000度で燃焼させたときの損失が17重量%であり、SOが0.8重量%未満のアナターゼ結晶形態であった。平均粒径(D50)は、1.2ミクロンであった。各スラリーを100g準備して、粉砕媒体を75g(0.3mmのYTZ媒体)添加した。次いで、Brinkman Retzsch Planetaryミルを1時間利用して媒体粉砕によりチタニア粒子の粒径を小さくした。これにより得られた生成物は、pH、Brookfield粘度、および粒径の計測を行って特徴を調べられた(水中でMalvern Mastersizer2000の静的光散乱法を利用して)。結果を表3に示す。
【0039】
【表3】

【0040】
例3から7では、各ゾルが単一の分散物のみを含んでいる。例3(水酸化テトラメチルアンモニウム)のゾルを例外として、準備したゾルの粘度は非常に高く、あるケース(E7、水酸化アンモニウム)では、ゾルが、流れに逆らうようなジェル状にまで硬化してしまった。例3(TMAOH)では、粘度は比較的低いが、pHは法外に高く、上述したように、TMAOHのみで準備したSB−X1ゾルは表面張力も非常に高い。さらに、TMAOHは、非常に高価であり強い悪臭を放つ原材料であり、一般的な用途には向かない。
【0041】
例8および例9のゾルは、2つの分散剤の混合物(例8ではDEAOH/MEAOH、例9ではDEAOHおよびNHOH)を利用して準備された。これら混合物では、分散物総量を一定に保ち、チタニアの重量の20%として、表3の括弧内に示すように分散剤の比率を変化させた。例8のゾルは、TiOをベースとして、15重量%から5重量%の比率で、ジエタノールアミンおよびモノエタノールアミンを混合させて生成された。表3から分かるように、これら混合された分散剤でも、準備されたゾルの粘度は非常に高かかった。
【0042】
<例10−例22>
【0043】
本発明の好適な実施形態では、例8および例9に関して上述した方法によって、特定の分散剤の混合物を利用してゾルを生成した。分散物総量を一定に保ちつつ、チタニアの総重量の20%として、表3の括弧内に示すように分散剤の比率を変化させた。驚くべきことに、表3から容易に分かるように、TMAOHとアルカノールアミンであるMEAOH,DEAOH、TEAOH、およびDMEAOHとを混合させた混合物の粘度は非常に低かった(例10、11、13−15、19)。これら例では、TMAOHが1重量%から5重量%というように(TiOベースで)比較的少量である。アルカノールアミンと混合したときにこの少量添加されたTMAOHが粘度に対して持つ劇的な効果は、これら例のゾルを、アルカノールアミンを唯一の分散剤として利用している例(例4や5のゾル)と比較するとよく分かる。アルカノールアミンとTMAOHとの分散剤混合物から形成されるゾルの粘度は、S5−300B(登録商標)(例1)の粘度に匹敵するものであり、しかしながら本発明のゾルのほうが、固体含有量はずっと高い(TiOの含有量は約30%である)。
【0044】
上述した方法でさらに二元混合物または三成分混合物を準備して、特に、強い塩基AMPおよびMIPA(それぞれpKaが9.8および9.7)を、非常に強い塩基TMAOHに置き換えて、アルカノールアミンMEAOH、DEAOH,およびTEAOHとの混合物を生成した。AMPが2から5重量%の範囲の量で(TiOベース)DEAOHと混合されると(例12および17)、混合物は、DEAOHのみからなるゾル(例5)よりも劇的に低い粘度を有する。同様に、TEAOHと混合させた場合にも(例20)、ゾルの粘度は比較的低い。しかしAMPをMEAOHと混合すると(例16)、粘度は高く、混合物はジェルを形成してしまう。従ってAMPはTMAOHのような強い効果を持たないことが分かる。同様の観察結果は、MIPAの、アルカノールアミンMEAOHとの混合物(例21)、およびDEAOHとの混合物(例22)でも見られた。例21の場合には、ゾルの粘度が非常に高いが、例22の場合にはゾルの粘度は程々であった。
【0045】
理論はさておき上述のデータから幾つかの傾向が見てとれる。第一に、これらアルカリ性の、高い固体率のチタニアゾルを、唯一の分散剤として低レベル(20重量%のTiOベース)の弱い塩基(pK<〜9.5)を利用して準備する際に生成されるゾルは、比較的高い粘度を有する傾向がある。第二に、非常に強い塩基のTMAOHおよび比較的弱いアルカノールアミンの塩基の混合物により、所望の低い粘度のゾルを形成することができる。
【0046】
<例:粉砕加工>
【0047】
本発明はさらに、新規な分散剤の組み合わせとともに極小の媒体を利用する粉砕を利用することにより、当初のチタニア凝集体粒子および集塊の粒子を非常に効率的に解凝集および分解(deaggregation)することができる。この準備方法は、上述したように通常利用されてきた化学的な解膠法(peptization route)によるこれらゾルの準備方法が、分散剤の混合物では有効ではないことが分かっていることから、本発明にとって重要である。粉砕加工では、反応物(チタニア原料および分散剤の混合物を含む)を、媒体粉砕機(Netzsch LabstarまたはLMZ−10ミル等)に通す。粉砕チャンバに短時間滞留させると、出発材料に含まれているチタニア凝集体またはチタニアの集塊が、解凝集または分解して、主に約5nmの粒径の粒子からなり、粒径が30−60nmの一次凝集体および100nmを超える粒径の、これより大きな集塊も微量に含む、超微細なチタニアの安定したゾルが生成される。粉砕加工では、粉砕媒体が生じる機械的なエネルギーにより、アルカリ解膠プロセスの化学的エネルギーが補われ、これによって、高い固体率のゾルを、比較的厳しくない時間、温度、およびpHの条件下で生成することができるようになる。この粉砕加工の別の重要な特徴は、これらに限定はされないがシリカ、タングスタ、およびアルミナ等のチタニア表面の改質剤とともに利用されると、柔軟な成型が可能になる、ということである。これに反して、これら添加物は、通常は化学的な解膠プロセスを妨害するが、添加物がチタニア表面をより安定化させる程度に粉砕ステップにおいて添加すると好適である。小さなチタニア粒子を安定化させて再度凝集させて、厳しくない粉砕条件下で低粘度、低表面張力のゾルを提供しようとする場合、分散剤の固有の化学的性質が必要となる。
【0048】
例23:DEAOH/TMAOH分散剤を混合されたチタニアの媒体粉砕による高い固体率のゾルの準備
【0049】
この例は、本発明において、新規で固体率の高いゾルの組成物を、媒体粉砕により容易に準備することができることを示している。スラリー組成物を、先ず6.66kgのジエタノールアミン(DEAOHを85%)および2.52kgの水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOHを25%)を、44.51kgの水に混合することで準備した。この溶液に、30.3kgのアナターゼ型チタニア(燃焼で17%が失われる、SOが0.8重量%未満)をよく混ぜ合わせる。この混合物は、30重量%のTiO、6.75重量%のDEAOH、および0.75重量%のTMAOHを含んでいた。これを、0.2から0.3mmの媒体を利用してNetzsch LMZ−10ミルで粉砕した。このスラリーを173分の間、粉砕チャンバで再循環させた。この材料をE23とする。例23のゾルの特性の幾つかを表4に示す。表から、ゾルのpHが10.8であり(S5−300BおよびS5−300B2のものより低い)、粘度が比較的低く、表面張力も低く(S5−300B2よりもずっと低い)、引火点が高いことが分かる。さらに、このゾルは基本的に匂いがない。
【0050】
【表4】

【0051】
新規のゾルの粒径をS5−300Bの粒径と比較評価するために、TEMおよびx線ディスク型遠心分離機(x-ray disc centrifuge)を利用した。後者の方法では、各ゾルを3−4重量%のTiOに希釈して、45分間の間、9000RPMでBrookhaven Instrument Corporation社製のBI−XDC機器にかけた。x線ディスク型遠心分離機の解析の結果(粒子数ベースで計算した)を以下の表5に示し、TEM解析の結果の一例は図3に示す。
【0052】
【表5】

【0053】
XDC計測の結果、粉砕加工で準備された本発明の組成物が、S5−300Bよりもメジアン粒径(D50)は小さいが、粒径分布がいくらか広いことが分かる。TEM画像(図3)は、粉砕されたサンプルも、約5nmのサイズの晶子からなるが、集塊の程度がS5−300B(図2)よりもかなり低減していることを示しており、粉砕されたサンプルには数多くの小さな粒子が存在している(図3)。E23(図3)の集塊または凝集のレベルの範囲の下限は略ゼロであり、サンプルのかなりの部分が自由な(集塊していない)晶子からなり、「標準的」な集塊のほんの一部が標準的なサンプルに類似した凝集/集塊である。
【0054】
これらの結果は、本発明における、媒体粉砕された、混合分散剤ゾルが、化学的な解膠法で製造される先行技術のチタニアゾル生成物(例えばS5−300B(登録商標))よりもかなり小さい粒子を含むことを示している。上述した新規な弱い塩基/強い塩基の分散剤の混合物(例えば例10−22)と組み合わせると、ここで記載する粉砕プロセスは、驚くほどチタニア含有量が多く、粘度が低く、表面張力が低く、燃焼性が低いチタニアゾルを形成することができることがわかる。
【0055】
<例25、26、28:ゾル準備中にチタニアの表面を改質する>
【0056】
チタニアを触媒として利用する用途では、粒径を最小化して、チタニア補助剤の表面積を最大化して、チタニアを主にアナスターゼ型の結晶形態に保つことが望ましい。さらには、様々な改質剤および安定剤を含ませて、触媒としての機能を向上させることが望ましい。一例として、SCR用途向けの商用のチタニアベースの触媒は、バナジア(触媒活性した酸化物)と、タングスタとを含み、任意でシリカも含む。タングスタは、改質剤/促進剤であり、バナジアの活動を抑える(例えば、バナジアがSOを酸化させやすい傾向を抑制する)。シリカは、表面に対して任意で加えることができ、触媒の熱安定性を向上させる。
【0057】
本発明における、アルカリ性の、粘度の低い、シリカで表面加工されたゾルは、表4に示す珪酸テトラメチルアンモニウム(tetramethylammonium silicate)および/またはタングスタを含む、溶解可能なシリカを利用して媒体粉砕をすることで準備されたものである。
【0058】
例26では、90%のTiO、4%のSiO、および6%のWOの組成物(無機酸化物ベース)のゾル(E26)を以下のようにして準備した。先ず、スラリーの組成物を、49gのモノエタノールアミン(85%MEAOH)と233gの珪酸テトラメチルアンモニウム(9%SiO)、36gのパラタングステン酸アンモニウム(APT、88%WO)と、864gの水とを混合することで準備した。この溶液に、569gのアナターゼ型チタニア(燃焼で17%が失われる、SOが0.8重量%未満)をよく混ぜ合わせた。この混合物の含む総無機酸化物は30重量%であった。これを、0.2から0.3mmのYTZ媒体を利用してNetzsch Labstar0.5−Lミルで粉砕した。このスラリーを30分の間、0.56L/分の流速で、粉砕チャンバで再循環させた。例25および28のゾル(それぞれE25、E28)も、最終的に得られる組成物は異なっているが、同様にして準備された。表4のデータから、上述した組成物で、媒体粉砕加工を用いて製造したゾルは、粒径が小さく、粘度が低く、表面張力も小さいことがわかる。このようなゾルは、例えば触媒用途(例えばSCR)等の本明細書が想定する用途に利用可能である。
【0059】
<例29>
【0060】
例29は、シリカおよびタングスタの改質剤をゾル製造時に加えることで触媒にもたらされる利点を示す。例26(90%のTiO、4%のSiO、および6%のWO)と同じ組成物を有する、比較例であるTiO−SiO−WO材料を準備した。この比較例の、例26からの違いは、WOとSiOとを(Ludoxのコロイド状シリカ)、TiOゾルを準備した後に加えた点のみである。例10のゾル100gに対して、2.27gのAPT(88%のWO)および4.4gのLudox AS−30(30%のSiO)をかき混ぜて加えた。この材料をE29として示す。
【0061】
ゾルE1、E26、E29の、バナジアベースの触媒の触媒補助剤としての機能を、以下のように評価した。それぞれのケースにおいて、0.31gのバナジアを適切なゾル量に対して添加して(例えば30重量%のゾル50g等)、2重量%のV2O5をコンスタントに添加して、この混合物をロートエバポレータ(roto-evaporator)により摂氏75度の真空状態で乾燥させた。バナジアを添加した材料は次に、熱水環境で高温エージング処理をされ(摂氏750度で16時間、10%のHOで行った)、実際の利用におけるエージングを加速化してシミュレーションした(例えば、移動型のディーゼル排出エンジンにおけるSCR触媒への用途を考慮して)。次いで、エージングした触媒のNOをNに変換する機能を、各バナジアを加えた触媒サンプルのうちの0.1gのサンプルを使って評価した。この触媒をペレット状にして、−20/+40の網目状にしてから、反応炉に組み込み、NHが存在する場合のNOの変換機能を確かめた。5%のO、500ppmのNH、500ppmのNO、および5%のHOを含むストリームを、650l/g.cat−hrの空間速度で触媒の上に流した。3つの異なる反応温度について報告された、NOの変換機能に関する結果を以下の表6に示す。
【0062】
【表6】

【0063】
この結果は、E26触媒材料が、対応する組成物である、WOおよびSiO酸化物を後で加えたE29よりも、また、E1のゾルから導出した組成物よりも活性機能がずっと高いことが分かる。
【0064】
従って、本発明の好適な実施形態では、1を超える種類の分散剤を適切な比率で混合することで、本発明の新規な、より低い燃焼性のアルカリ性ゾルを得ることができる。一実施形態では、少量の高価且つ悪臭のあるTMAOHを、これより多い量のアルカノールアミン(例えばジエタノールアミン)に混合して、安定した、高いpHのゾルを得ることができる。
【0065】
予期せぬことではあったが、ここで開示する分散剤の一部の特定の混合物は、本発明の固体率の高いチタニアゾルを準備するために利用するときでも、非常に低い粘度および表面張力を有することが分かった。
【0066】
一実施形態では、混合物に利用される分散剤の選択は、アミンpKに従って行うことができ、これにより、アミンの塩基性、ひいてはゾルのpHを構築することができる。例えば、比較的弱い塩基の(pK<10.5)アミンを一次的な分散剤成分として利用して、比較的強い塩基の(pK>10.5)アミンを二次的な分散剤成分として利用することができる。
【0067】
本発明およびその利点を詳述してきたが、請求項で定義する本発明の精神および範囲を逸脱せずに、様々な変更例、大体例、および変形例が可能である。さらに本発明の範囲は、述べてきたプロセス、物質の組成物、手段、並びに、方法およびステップ等の特定の実施形態に限定されない。当業者であれば、発明の開示から、ここで記載した対応する実施形態と実質的に同じ機能をもち、または、実質的に同じ結果を生じる既存のまたは将来開発されるプロセス、物質の組成物、手段、方法、またはステップが、本発明でも利用可能であることを理解する。従って添付請求項の範囲には、これらプロセス、物質の組成物、手段、方法、またはステップを含まれることが意図されている。
【0068】
ここで引用した文献、特許または公報それぞれの全体を、ここに明示的に参照として組み込む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナターゼ型のTiO粒子を少なくとも50%、および、TiOとは異なる無機酸化物を50%未満含む固体成分と、
pK<10.5の弱い塩基を含む少なくとも1つの第1のアルカリ性試薬とpK>10.5の強い塩基を含む少なくとも1つの第2のアルカリ性試薬との混合物を含む水性成分と
を備え、
pH>10であり、前記アナターゼ型のTiO粒子は実質的にサイズが1μm未満であり、前記水性のゾルにおいて質量分率および体積分率の少なくとも一方が0.25より大きい、水性チタニアゾル。
【請求項2】
前記無機酸化物は、追加の酸化物としてシリカ、タングスタ、アルミナ、セリア、銅、鉄、マンガン、およびバナジアのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の水性チタニアゾル。
【請求項3】
前記アナターゼ型のチタニアの粒子は、50m/gを超える表面積を有し、0.10cm/gを超える細孔体積を有する請求項1に記載の水性チタニアゾル。
【請求項4】
前記第1のアルカリ性試薬は、アルカノールアミンである請求項1に記載の水性チタニアゾル。
【請求項5】
前記第2のアルカリ性試薬は、水酸化第四級アルキルアンモニウムである請求項1に記載の水性チタニアゾル。
【請求項6】
粘度が100cp未満である請求項1に記載の水性チタニアゾル。
【請求項7】
表面張力が70mN/m未満である請求項1に記載の水性チタニアゾル。
【請求項8】
引火点が摂氏100度より大きい請求項1に記載の水性チタニアゾル。
【請求項9】
超微細な水性チタニアゾルの製造方法であって、
アナターゼ型のTiO粒子を少なくとも50%、および、TiOとは異なる無機酸化物を50%未満含む固体成分と、pK<10.5の弱い塩基を含む少なくとも1つの第1のアルカリ性試薬とpK>10.5の強い塩基を含む少なくとも1つの第2のアルカリ性試薬との混合物を含む水性成分とを有し、pH>10であり、前記アナターゼ型のTiO粒子は実質的にサイズが1μm未満であり、前記水性のゾルにおいて質量分率および体積分率の少なくとも一方が0.25より大きい水性チタニアゾルを提供する段階と、
媒体粉砕により前記水性チタニアゾルを加工して、前記TiO粒子のサイズが1μm未満になった後で、前記超微細な水性チタニアゾルを形成する段階と
を備える製造方法。
【請求項10】
前記無機酸化物は、追加の酸化物としてシリカ、タングスタ、アルミナ、セリア、銅、鉄、マンガン、およびバナジアのうち少なくとも1つを含む請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記アナターゼ型のチタニアの粒子は、50m/gを超える表面積を有し、0.10cm/gを超える細孔体積を有する請求項9に記載の製造方法。
【請求項12】
前記第1のアルカリ性試薬は、アルカノールアミンである請求項9に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第2のアルカリ性試薬は、水酸化第四級アルキルアンモニウムである請求項9に記載の製造方法。
【請求項14】
前記水性チタニアゾルはpH>10である請求項9に記載の製造方法。
【請求項15】
前記超微細な水性チタニアゾルは、粘度が100cp未満である請求項9に記載の製造方法。
【請求項16】
前記超微細な水性チタニアゾルは、表面張力が70mN/m未満である請求項9に記載の製造方法。
【請求項17】
前記超微細な水性チタニアゾルは、引火点が摂氏100度より大きい請求項9に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−510707(P2013−510707A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538822(P2012−538822)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/051810
【国際公開番号】WO2011/059606
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(506036493)ミレニアム インオーガニック ケミカルズ、 インコーポレイテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】MILLENNIUM INORGANIC CHEMICALS, INC.
【Fターム(参考)】