説明

安定な多価不飽和脂肪酸エマルション及びエマルション中の多価不飽和脂肪酸の分解を阻止、抑制又は低減するための方法

【課題】酸が不安定になったり、分解したりしない状態でオメガ−3脂肪酸を消費者に提供すること。
【解決手段】連続液相と、乳化剤と、多価不飽和脂肪酸源及び分散剤を含むブレンドを含む不連続液相とを含むエマルション。多価不飽和脂肪酸源が、少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含み、ブレンド中の脂肪酸源の分散剤に対する重量比は、約9:1と1:10の間の範囲である。エマルションの製造方法。エマルションの安定性は、茶ポリフェノールなどの抗酸化剤によって保護することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、米国特許法第119条第(e)項により、2006年9月6日出願の米国仮特許出願第60/824,709号、2007年2月5日出願の米国仮特許出願第60/888,256号、及び2007年7月6日出願の米国仮特許出願第60/948,338号に対する優先権を主張し、その開示は参照により明示的に本明細書に組み込むものとする。
【0002】
[0002] 本発明は、多価不飽和脂肪酸の分解を阻止、抑制、又は低減し、特に、多価不飽和脂肪酸の分解が、阻止、抑制又は低減された多価不飽和脂肪酸を含む組成物を生成するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 多価不飽和脂肪酸(長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)を含む)、特に長鎖オメガ−3脂肪酸(例えば、ドコサヘキサエン酸(DHA)及びエイコサペンタエン酸(EPA))は、他の健康上の利点の中でも認知機能を向上させ、心臓血管の健康を維持することが知られている(例えば、C.von Schackyの「Omega−3 Fatty Acids and Cardiovascular Disease」(Current Opinion in Clinical Nutrition and Metabolic Care 7、no.2、2004年3月、131−6)及びA.P.Simopoulosの「Essential Fatty Acids in Health and Chronic Disease」(American Journal of Clinical Nutrition 79、no.3、2004年3月、523−4を参照)。最近の認定された研究は、オメガ−3脂肪酸は冠状動脈性心疾患のリスクを低減するのに効果的であることも示した(「FDA Announces Qualified Health Claims for Omega−3 Fatty Acids」FDAニュース、2004年9月8日、www.fda.gov/bbs/topics/news/2004/NEW01115.html参照)。また、消費者の動向は、多価不飽和脂肪酸を含む製品への需要が増加していることを示す。
【0004】
[0004] オメガ−3脂肪酸などの基本的な脂肪酸は、人間の食生活に必要な栄養素である。しかし、オメガ−3脂肪酸は人体内では合成されず、魚、クルミ、コケモモ、麻、亜麻、チーア、シソ、スベリヒユ、及び藻類などの特定の植物及び動物の油のような天然の源に見られる。オメガ−3脂肪酸は体内で合成されないので、それとその健康上の利点は、食物又は栄養補助食品を通して取得しなければならない。食べ物にオメガ−3脂肪酸を添加すると、多くの場合、魚のような臭気及び/又は味を有する栄養補助食品を摂取することを伴う。
【0005】
[0005] オメガ−3脂肪酸は体内で変化して、炎症及び他の細胞機能に影響するエイコサノイド、気分、挙動及び炎症に影響する内在性カンナビノイド、レゾルビン、イソフラン、イソプロスタン、エポキシエイコサトリエン酸(EET)、及びニューロプロテクチンDを作成する。また、オメガ−3脂肪酸は、細胞の情報伝達に作用する脂質ラフトを形成し、DNAに作用して、NFkB、すなわち、炎症誘発性サイトカインの転写因子を活性化するか、又は阻止する。
【0006】
[0006] 特定の状態で保存している間に、多価不飽和脂肪酸は不安定になり、分解することがある。それ故、消費者に提供するために多価不飽和脂肪酸の分解を低減するか、又は解消しようと試みて、多価不飽和脂肪酸を機能性食品及び飲料製品に組み込む様々な手段が使用されてきた。例えば、(スプレッド及びソフトカプセル用の)バルクオイル、(シリアルバー用の)粉末状オメガ−3、(シリアルバー、ヨーグルト及び飲料用の)マイクロカプセル化したオメガ−3油、及び(飲料用の)リポソーム/エマルション濃縮物として、製品が生産されている。乳化剤としてホエータンパクを使用した食品にオメガ−3脂肪酸を分散させる技術、及び油を多く装填できるリポソームを使用して多価不飽和脂肪酸を送達する技術も開発されている。
【0007】
[0007] しかし、従来のエマルション技術、すなわち食品等級の乳化剤(例えば、アラビアゴム又はレシチン)を使用してオメガ−3脂肪油を均質化する技術では、油の粒子サイズが大きい不安定なエマルションになる。飲料などの組成物中で多価不飽和脂肪酸の物理的安定性と化学的安定性の両方を維持することは特に困難である。何故なら、多価不飽和脂肪酸が酸化しやすく、これらの組成物の官能特性に悪影響を及ぼし得るからである。また、このような酸化は、最近の研究によると望ましくない。何故なら、高度に酸化した脂質を含む食物の摂取は、健康に有害という含みがあるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[0008] さらに、多価不飽和脂肪酸を含む組成物を均質化することによって典型的なエマルションを処理するには、これらの脂肪酸エマルションを消費者に容易に提供するために、大型の混合機器、保存、及び輸送の要件が必要である。従って、酸が不安定になったり、分解したりしない状態でオメガ−3脂肪酸を消費者に提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0009] 本発明の実施形態は、連続液相、乳化剤、及び多価不飽和脂肪酸源及び分散剤を含むブレンドを含む不連続液相を含むエマルションを提供する。多価不飽和脂肪酸源は、少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含み、混合物中の脂肪酸源と分散剤との重量比は約9:1から1:10の範囲である。
【0010】
[0010] また、本発明の実施形態は、第1の液体を用意する工程と、長鎖多価不飽和脂肪酸源及び分散剤を含むブレンドを含む第2の液体を用意する工程と、第1の液体を含む連続液相及び第2の液体を含む不連続液相を含むエマルションを形成するように、第1の液体、第2の液体、及び乳化剤を混合する工程とを含む、エマルションの製造方法を提供する。ブレンド中の多価不飽和脂肪酸源と分散剤との重量比は、約9:1と1:10の間の範囲であり、長鎖多価不飽和脂肪酸源には、少なくとも1つの長鎖多価不飽和脂肪酸が含まれる。
【0011】
[0011] さらに、本発明の実施形態は、組成物中の少なくとも1つのオメガ−3脂肪酸の任意の分解の少なくとも一部を阻止、抑制、又は低減するための方法を含む。この方法は、組成物中に少なくとも1つのポリフェノールを供給する工程を含む。
【0012】
[0012] また、本発明の実施形態は、連続液相、乳化剤、及び不連続液相を含むエマルションを含む。不連続液相は、多価不飽和脂肪酸源、増量剤、及び分散剤を含むブレンドを含む。多価不飽和脂肪酸源には、少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸が含まれる。
【0013】
[0013] 本発明の多の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲から明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】[0014] 実施例2で形成されたエマルションの粒子径のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0015] 以上で要約したように、本開示は、多価不飽和脂肪酸を含むエマルション、及びこのようなエマルションを作成するための方法を含む。また、本開示は、飲料、ハーブ組成物、又は医薬組成物、及びこれらの組合せのようなエマルションを含むが、これに限定されない。本発明の実施形態による安定なエマルションの形成は、LC−PUFAの酸化、及び関連する魚のような臭気を阻止、低減、又は抑制する。特定の実施形態では、エマルションには、エマルション濃縮物が含まれる。飲料エマルション濃縮物、飲料などとして本発明の実施形態を生成することにより、多価不飽和脂肪酸、及び特にLC−PUFA類、及びその健康上の利点を、安定して、良好に分散した形態で消費者に提供することができる。
【0016】
[0016] 本明細書では、「エマルション濃縮物」とは、最終生成物のエマルションを生成するために使用することができる、エマルション濃縮物の乳化剤及び不連続液相濃度より低い乳化剤及び不連続液相濃度のエマルションを意味する。例えば、エマルション濃縮物は、飲料の形成に使用することができる飲料エマルション濃縮物を含むことができる。特に、エマルション濃縮物は、さらなる均質化を必要とせずに、連続液相内に容易に分散する。エマルション濃縮物を形成すると、消費者が消費するために最終的なエマルションの形態に投与する前に、保存並びに輸送のために安定してコンパクトな形態でLC−PUFAを保存することができる。また、エマルション濃縮物の均質化は、消費者が消費する最終的なエマルションの形態の均質化よりも小さい規模で実行することができる。それ故、機器費用の削減が実現される。
【0017】
[0017] 本発明のエマルションの実施形態は、連続液相、乳化剤、及び不連続液相を含む。本明細書では、「エマルション」とは、連続液相と不連続液相の不混和性混合物を意味する。本明細書では、「連続液相」とは、不連続液相が分散しているエマルションの部分を意味する。従って、本明細書で使用する「不連続液相」は、連続液相内に分散し、それと混合しない複数の個別の要素を意味する。また、不連続液相の実施形態は、分散剤とLC−PUFA源を含むブレンドを含む。LC−PUFA源は、少なくとも1つのLC−PUFAを含む。本明細書では、「分散剤」とは、連続液相中における本発明のエマルションの安定性を向上させる、及び/又は本発明の不連続液相の分散の容易さを向上させる任意の材料を意味する。本明細書では、「LC−PUFA」とは、長い脂肪族の尾がある任意の多価不飽和カルボキシル酸又は有機酸を意味する。また、当業者であれば、LC−PUFAを含む本明細書で述べる実施形態は、LC−PUFAの代わりに、又はそれと組み合わせて短鎖多価不飽和脂肪酸又は中鎖多価不飽和脂肪酸などの他の多価不飽和脂肪酸を含むことができることを理解することができるだろう。
【0018】
[0018] 本明細書では、「乳化剤」とは、エマルションがいったん形成されたら、不連続液相が連続液相中に実質的に分散したままであるように、エマルションの安定性を向上させる任意の物質を意味する。本発明のエマルションの特定の実施形態では、乳化剤は連続液相、不連続液相、又はその両方に少なくとも部分的に溶解可能であってもよい。
【0019】
[0019] 本発明の実施形態では、連続液相としては、LC−PUFA、不連続液相、及び乳化剤と相溶性の任意の液体を使用することができる。幾つかの実施形態では、連続液相は、LC−PUFAを消費者に送達するように摂取可能な消費製品であってもよいが、これに限定されない。それ故、本発明の特定の実施形態によれば、連続液相としては、水、炭酸水、シロップ、ダイエット飲料、炭酸清涼飲料、フルーツジュース、野菜ジュース、アイソトニック飲料、非アイソトニック飲料、フルーツジュースを含む清涼飲料、コーヒー、茶、他の水性液体、医薬品添加物、天然甘味料、合成甘味料、カロリー甘味料、ノンカロリー甘味料、安息香酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、アスコルビン酸、クエン酸、食物繊維、乳製品、大豆製品など、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
[0020] 特定の実施形態では、連続液相は、少なくとも1つのポリフェノールを含む。ポリフェノールは、LC−PUFAの分解を阻止、抑制、又は低減することができ、脂質の酸化を防止する。それ故、ポリフェノールは、消費者がLC−PUFAの臭気又は味を知覚することも防止することができる。また、ポリフェノールは、心臓血管疾患及び癌から保護するのに効果的であるとも認められている(Arts and Hollman、「Polyphenols and Disease Risk in Epidemiologic Studies」、Am J Clin Nutr 2005;81(別冊):317S−25S参照)。
【0021】
[0021] 本発明の実施形態に適切なポリフェノールの例としては、植物、茶葉、果実、野菜、及びカカオなどの様々な食物に天然に見られるポリフェノールが挙げられるが、これらに限定されず、合成するか、又は合成物であってもよい。例えば、ポリフェノールは、フェノール酸又はフラボノイドを含むことができる。フェノール酸の例としては、桂皮酸又は安息香酸が挙げられるが、これに限定されない。本発明の実施形態で使用することができるフラボノイドは、例えば、フラボノール、フラボン、フラバノン、フラバノール、イソフラボン、アントシアニジン、タンニン、及びスチルベンを含む。
【0022】
[0022] 特定の実施形態では、ポリフェノールは、例えば、ケルセチン、プロアントシアニジン、カテキン、レスベラトロール、及びプロシアニジンなどのフラボノイドを含むことができる。他の実施形態では、ポリフェノールは、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、及びエピガロカテキンガレートからなる群から選択されるカテキンを含むことができる。特定の実施形態では、適切なポリフェノールは、以下の表1に列挙された抗酸化剤などの市販の抗酸化剤中のエマルションに含まれる。
【表1】

【0023】
[0023] 本発明の特定の実施形態によれば、ポリフェノールは、エマルション中に、エマルションの約0.01重量%からエマルションの約10重量%の範囲の量で存在することができる。より詳細には、ポリフェノールはエマルション中に、エマルションの約0.01重量%からエマルションの約5重量%の範囲の量で存在することができる。より詳細には、ポリフェノールはエマルション中に、エマルションの約0.1重量%からエマルションの約3重量%の範囲の量で存在することができる。
【0024】
[0024] 特定の実施形態では、連続液相は追加的に水分散性生理活性物質を含むことができる。本明細書では、「水分散性生理活性物質」とは、水中に分散可能で、さらに水中で溶解可能な材料を意味する。本発明の実施形態に適切な水分散性生理活性物質としては、例えば、ルテイン、β−カロチン、(例えば、トマトの)リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、(例えば、パパイヤの)パパインなどの酵素、(例えば、オランダカラシの)カロチノイド、(例えば、バジル又はローズマリーの)オイカリプトール、(例えば、バジルの)オイゲノール、(例えば、ショウガの)ジンゲノール、(例えば、オートムギの)アベナコシド、(例えば、ブルーベリーの)没食子酸又は(例えば、ローズマリーの)ローズマリー酸のようなフェノール酸、(例えば、ブルーベリー、ブドウ種子、ブドウ、マテ茶、又は緑茶の)ケルセチンなどの(例えば、オランダカラシ又はヤナギの)フラボノイド、(例えば、緑茶の)カテキン、(例えば、ブドウ種子、ブドウ、又はブルーベリーの)アントシアニン、(例えば、ムラサキツメクサの)フィトエストロゲン、又は(例えば、グレープフルーツの)ナリンギン、(例えば、オートムギの)クマリン、(例えば、ブドウ種子、緑茶、ガラナ、又はマテ茶の)プロアントシアニジン、(例えば、ウコンの)クルクミノイド、カラメル着色剤、(例えば、キュウリの)ビタミンE又は(例えば、アルファルファの)ビタミンKなどのビタミン類、及びこれらの組合せ、又はUV光を吸収する任意の天然又は合成の食品等級の着色又は非着色材料、又は適切な水分散性生理活性物質であると当業者であれば理解することができる任意の他の物質が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の実施形態に使用することができる追加の水分散性生理活性物質は、参照により本明細書に組み込むものとする、E.N. Frankelの「Lipid Oxidation」第2版209〜298ページ(The Oily Press,2005)に見られる。本発明の特定の実施形態によれば、水分散性生理活性物質は連続液相中に、連続液相の約0重量%から連続液相の約20重量%の範囲の量で存在することができる。本発明の他の実施形態によれば、水分散性生理活性物質は連続液相中に、約50mgから約100mgの範囲の量で存在することができる。
【0025】
[0025] 幾つかの実施形態では、理論に拘束されないが、水分散性生理活性物質は多価不飽和脂肪酸の酸化が低減、阻止、又は抑制されるように、光酸化保護をする。水溶性生理活性物質は多少のUV光を吸収し、従って多価不飽和脂肪酸が曝露する光が少なくなると考えられている。摂取可能な本発明の幾つかの実施形態では、水溶性生理活性物質はエマルションを摂取する消費者の皮膚の一部を水和することができる。
【0026】
[0026] 本発明の実施形態は、また、連続液相中に分散することができ、LC−PUFA源及び分散剤を含むブレンドを含む不連続液相を含む。不連続液相は、連続液相中で不混和性である。
【0027】
[0027] 本発明の実施形態に適切なLC−PUFA源は、エマルション中に分散可能な少なくとも1つのLC−PUFAを含む任意のLC−PUFA源を含む。本発明の特定の実施形態によれば、LC−PUFA源は、LC−PUFA油又はLC−PUFA粉末であってもよい。適切なLC−PUFA油は、例えば、藻類、魚、動物、植物、又はこれらの組合せから引き出すことができる。LC−PUFA油を含むエマルションのこのような実施形態において、ブレンドを本明細書では「油ブレンド」ということもある。本発明の実施形態のLC−PUFA油は、例えば、オメガ−3脂肪酸油、オメガ6脂肪酸油及びオメガ9脂肪酸油を含む。本発明の実施形態に適切なオメガ−3脂肪酸油の例としては、α−リノレン酸油、エイコサペンタエン酸油、ドコサヘキサエン酸油、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、オメガ−3脂肪酸を合成することができる。本発明の実施形態に適切なオメガ6脂肪酸油は、γ−リノレン酸油及びアラキドン酸油を含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、適切なオメガ−3脂肪酸油には、魚油(例えば、メンヘーデン油、マグロ油、サケ油、カツオ油、及びタラ油)、微細藻類、ドコサヘキサエン酸油、微細藻類オメガ−3油など、又はこれらの組合せが含まれる。魚油は、未精製又は精製状態でよく、酵素処理することもできる。特定の実施形態では、適切なオメガ−3脂肪酸油としては、市販の(メリーランド州コロンビアのMartekの)Microalgae DHA油、(テキサス州ヒューストンのOmega Proteinの)OmegaPure、(イリノイ州ChannahonのLipid Nutritionの)Marinol C−38、(ノヴァスコシア州ダートマスのOcean Nutritionの)Bonito油及びMEG−3、(ドイツHolzmindenのSymriseの)Evogel、(コネチカット州Arista Wiltonの)マグロ又はサケのMarine Oil、(ノースカロライナ州Omega Source, RTPの)メンヘーデンのOmegaSource 2000、Marine Oil及びタラのMarine Oilなどのオメガ−3脂肪酸油が挙げられる。
【0028】
[0028] エマルションがエマルション濃縮物を含む特定の実施形態では、LC−PUFA源は、エマルション濃縮物中に、エマルション濃縮物の約0.5重量%からエマルション濃縮物の約35重量%の範囲の量で存在する。より詳細には、LC−PUFA源はエマルション濃縮物中に、エマルション濃縮物の約2重量%からエマルション濃縮物の約30重量%の範囲の量で存在する。より詳細には、LC−PUFA源はエマルション濃縮物中に、エマルション濃縮物の約5重量%からエマルション濃縮物の約20重量%の範囲の量で存在する。より詳細には、LC−PUFA源はエマルション濃縮物中に、エマルション濃縮物の約15重量%からエマルション濃縮物の約20重量%の範囲の量で存在する。
【0029】
[0029] 特定の実施形態では、LC−PUFA源はエマルション中に、エマルションの約0.002重量%からエマルションの約35重量%の範囲の量で存在する。より詳細には、LC−PUFA源はエマルション中に、エマルションの約0.005重量%からエマルションの約30重量%の範囲の量で存在する。より詳細には、LC−PUFA源はエマルション中に、エマルションの約0.01重量%からエマルションの約20重量%の範囲の量で存在する。
【0030】
[0030] 幾つかの実施形態では、分散剤は、ビタミンE、アスコルビン酸パルミテート、ローズマリー抽出物、テルペン、香味油、植物油、又は精油など、及びこれらの組合せから選択される。特定の実施形態によれば、精油は、柑橘油、リーフ油、スパイス油、果皮油、及びこれらの組合せであってもよい。本発明の実施形態に適切な精油の例としては、レモン油、オレンジ油、ライム油、グレープフルーツ油、マンダリン油、橙皮油、ハッカ油、ペパーミント油、ローズマリー油、アマニ油、クランベリシード油、ベルガモット油、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。分散剤がテルペンを含む実施形態では、適切なテルペンは、d−リモネン、l−リモネン、dl−リモネン(すなわち99重量%を超えるdl−リモネン)、オレンジ留出油(すなわち97重量%を超えるdl−リモネン)、及びこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
【0031】
[0031] 幾つかの実施形態では、ブレンドは追加的に増量剤を含む。本発明の実施形態に適切な増量剤は、例えば、臭素化植物油、エステルガム及び他のウッドロジン、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート(SAIB)、精製したダンマルゴム(gum damar)、ガヌアバ蝋(ganuaba wax)、安息香酸ベンジル、ポリグリセリルエステル、三安息香酸グリセリル、及びこれらの組合せを含む。特定の実施形態では、連続液相は、さらに糖を含む。本発明の実施形態に適切な糖の例としては、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、又はこれらの組合せが挙げられる。糖を含む連続液相の例としては、カロリー甘味料を有する炭酸飲料、フルーツジュース、及びこれらの組合せが挙げられる。
【0032】
[0032] 幾つかの実施形態では、連続液相は、また、高甘味度甘味料を含むことができる。適切な高甘味度甘味料の例としては、ズルコシドA、ズルコシドB、ルブソシド、ステビア、ステビオシド、モグロサイドIV、モグロサイドV、羅漢果甘味料、シアメノサイド、モナチン及びその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、クルクリン、グリシルリジン酸及びその塩、タウマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ヘルナンズルシン、フィロズルチン、グリシフィリン、フロリジン、トリロバチン、バイユノサイド、オスラジン、ポリポドサイドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソサイドI、ペリアンドリンI、アブルソサイドA、シクロカリオシドI、スクラロース、アセスルファームカリウム又は他の塩、アスパルテーム、アリテーム、サッカリン、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、シクラメート、ネオテーム、N−[N−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アルパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル、N−[N−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−メチルブチル]−L−α−アスパチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル、N−[N−[3−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル、その塩、及びこれらの組合せが挙げられる。
【0033】
[0033] 理論に拘束されないが、このような実施形態の増量剤は不連続液相の密度の違いを増加させ、これにより不連続液相がエマルションの上部に浮いて凝集しないようにする。このような機能は、連続液相が連続液相の密度を増加させ得る糖を含む実施形態で特に有用である。この場合、糖が存在することによって連続液相の密度が増加し、連続及び不連続液相の密度の違いが増加し、その結果、もし増量剤がなかったら密度が低い方の不連続液相がエマルションの上に上昇する傾向を有する。
【0034】
[0034] 特定の実施形態では、増量剤は不連続液相中に不連続液相の約1%から約50%の範囲の量で存在する。他の実施形態では、増量剤は不連続液相中に不連続液相の約5%から約35%の範囲の量で存在する。
【0035】
[0035] 増量剤が臭化植物油(BVO)を含む実施形態では、増量剤が不連続液相中に不連続液相の約1%から約30%の範囲の量で存在する。より詳細には、臭化植物油(BVO)の増量剤は、不連続液相中に不連続液相の約5%から約20%の範囲の量で存在することができる。増量剤がウッドロジンのグリセリルエステル(すなわちエステルガム)を含む実施形態では、増量剤は不連続液相中に不連続液相の約1%から約50%の範囲の量で存在する。より詳細には、ウッドロジン増量剤のグリセリルエステルは、不連続液相中に不連続液相の約5%から約35%の範囲の量で存在することができる。増量剤がスクロースジアセテートヘキサイソブチレート(SAIB)を含む実施形態では、増量剤は不連続液相中に不連続液相の約1%から約50%の範囲の量で存在する。より詳細には、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート増量剤は不連続液相中に不連続液相の約5%から約35%の範囲の量で存在することができる。増量剤が精製したダンマルゴムを含む実施形態では、増量剤は不連続液相中に不連続液相の約1%から約50%の範囲の量で存在する。より詳細には、精製したダンマルゴム増量剤は不連続液相中に不連続液相の約5%から約35%の範囲の量で存在することができる。増量剤がガヌアバ蝋を含む実施形態では、増量剤は不連続液相中に不連続液相の約1%から約50%の範囲の量で存在する。より詳細には、ガヌアバ蝋増量剤は不連続液相中に不連続液相の約5%から約35%の範囲の量で存在することができる。増量剤が安息香酸ベンジルを含む実施形態では、増量剤は不連続液相中に不連続液相の約1%から約40%の範囲の量で存在する。より詳細には、安息香酸ベンジル増量剤は不連続液相中に不連続液相の約5%から約30%の範囲の量で存在することができる。増量剤がポリグリセリルエステルを含む実施形態では、増量剤は不連続液相中に不連続液相の約1%から約50%の範囲の量で存在する。より詳細には、ポリグリセリルエステル増量剤は不連続液相中に不連続液相の約5%から約35%の範囲の量で存在することができる。増量剤が三安息香酸グリセリルを含む実施形態では、増量剤は不連続液相中に不連続液相の約1%から約30%の範囲の量で存在する。より詳細には、三安息香酸ベンジル増量剤は不連続液相中に不連続液相の約5%から約25%の範囲の量で存在することができる。
【0036】
[0036] 一般的に、ブレンド中の分散剤の量は、LC−PUFAの風味又は味を隠すだけではなく、安定したエマルションを生成するのに十分でなければならない。特に、分散剤の量は酸化安定性を提供し(すなわちLC−PUFAの酸化を阻止、抑制、又は低減し)、得られるエマルションを安定させるのに十分でなければならない。幾つかの実施形態では、ブレンド中のLC−PUFA源の分散剤に対する重量比は、約9:1から約1:10の範囲であってよい。より詳細には、ブレンド中のLC−PUFA源の分散剤に対する重量比は、約5:1から約1:1の範囲であってよい。より詳細には、ブレンド中のLC−PUFA源の分散剤に対する重量比は、約4:1から約3:1の範囲であってよい。
【0037】
[0037] エマルションが、エマルション濃縮物を含む特定の実施形態では、ブレンドはエマルション濃縮物中にエマルション濃縮物の約0.5重量%からエマルション濃縮物の約35重量%の範囲の量で存在することができる。より詳細には、ブレンドはエマルション中にエマルション濃縮物の約2重量%からエマルション濃縮物の約30重量%の範囲の量で存在する。より詳細には、ブレンドはエマルション濃縮物中にエマルション濃縮物の約5重量%からエマルション濃縮物の約20重量%の範囲の量で存在する。より詳細には、ブレンドはエマルション濃縮物中にエマルション濃縮物の約10重量%からエマルション濃縮物の約20重量%の範囲の量で存在する。
【0038】
[0038] 特定の実施形態では、ブレンドはエマルション中にエマルションの約0.001重量%からエマルションの約35重量%の範囲の量で存在することができる。より詳細には、ブレンドはエマルション中にエマルションの約0.005重量%からエマルションの約30重量%の範囲の量で存在することができる。より詳細には、ブレンドはエマルション中にエマルションの約0.01重量%からエマルションの約20重量%の範囲の量で存在することができる。より詳細には、ブレンドはエマルション中にエマルションの約0.02重量%からエマルションの約20重量%の範囲の量で存在することができる。
【0039】
[0039] 幾つかの実施形態では、ブレンドは、さらに、倍油(folded oil)を含むことができる。特定の実施形態では、倍油は、さらに酸化安定性を改良し、不連続液相の粒子サイズを小さくすることによって粒子サイズの分布を改良する。本発明の実施形態に適切な倍油としては、4倍ベルガモット油、ベルガプテンを含まないベルガモット油、テルペンを含まないグレープフルーツ油、4倍グレープフルーツ油、5倍グレープフルーツ油、6倍グレープフルーツ油、10倍グレープフルーツ油、高アルデヒドグレープフルーツ油、5倍グレープフルーツジュース抽出物、7倍グレープフルーツジュース抽出物、テルペンを含まないレモン油、2倍レモン油、3倍レモン油、5倍レモン油、10倍レモン油、13倍レモン油、精製5倍レモン油、10倍レモン油、セスキテルペンを含まないレモン油、FCを含まないレモン油、蒸留3倍ライム油、蒸留4倍ライム油、蒸留5倍ライム油、蒸留無テルペンライム油、蒸留無セスキテルペンライム油、蒸留精製5倍ライム油、冷圧3倍ライム油、冷圧4倍ライム油、冷圧5倍ライム油、冷圧10倍ライム油、冷圧無テルペンライム油、4倍マンダリン油、5倍マンダリン油、10倍マンダリン油、無テルペンオレンジ油、2倍オレンジ油、3倍オレンジ油、4倍オレンジ油、5倍オレンジ油、7倍オレンジ油、8倍オレンジ油、10倍オレンジ油、15倍オレンジ油、20倍オレンジ油、25倍オレンジ油、30倍オレンジ油、5倍オレンジジュース抽出物、8倍オレンジジュース抽出物、3倍タンジェリン油、5倍タンジェリン油、無テルペンタンジェリン油、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
[0040] 本発明の特定の実施形態によれば、倍油は不連続液相中に不連続液相の約1重量%から不連続液相の約60重量%の範囲の量で存在することができる。より詳細には、倍油は不連続液相中に不連続液相の約7.5重量%から不連続液相の約45重量%の範囲の量で存在することができる。より詳細には、倍油は不連続液相中に不連続液相の約10重量%から不連続液相の約40重量%の範囲の量で存在することができる。
【0041】
[0041] 本発明の代替実施形態では、エマルションは、連続液相、乳化剤、及び多価不飽和脂肪酸源及び倍油を含むブレンドを含む不連続液相を含むことができる。それ故、本発明の特定の代替実施形態では、エマルションは分散剤を含まなくてもよい。むしろ、倍油は、多価不飽和脂肪酸の分解が阻止、抑制、又は低減される安定したエマルションを形成するのに役立つ。
【0042】
[0042] 特定の実施形態では、不連続液相は、また、中鎖トリグリセリドを含むことができる。特定の実施形態では、中鎖トリグリセリドは、さらに酸化安定性を改良し、不連続液相の粒子サイズを小さくすることによって粒子サイズの分布を改良する。本発明の特定の実施形態によれば、中鎖トリグリセリドは不連続液相中に不連続液相の約1重量%から不連続液相の約60重量%の範囲の量で存在することができる。より詳細には、中鎖トリグリセリドは不連続液相中に、不連続液相の約7.5重量%から不連続液相の約40重量%の範囲の量で存在することができる。より詳細には、中鎖トリグリセリドは不連続液相中に、不連続液相の約10重量%から不連続液相の約30重量%の範囲の量で存在することができる。
【0043】
[0043] 幾つかの実施形態では、不連続液相は、また、油溶性ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、又はビタミンK)、植物化学物質、及び他の脂質栄養素などの他の成分を含むことができる。
【0044】
[0044] 特定の実施形態では、不連続液相は、追加的に油分散性生理活性物質を含むことができる。本明細書では、「油分散性生理活性物質」とは、油中に分散可能で、さらに油中で溶解可能な材料を意味する。本発明の実施形態に適切な油分散性生理活性物質は、(例えば、トマトの)ルテイン、β−カロチン及びリコピンなどの非酸化カロチノイド、及びこれらの組合せ、又は、例えば、UV光を吸収する任意の天然又は合成の食品等級の着色又は非着色材料を含むが、これらに限定されない。他の実施形態では、適切な油分散性生理活性物質としては、(例えば、パパイヤの)パパインなどの酵素、(例えば、オランダカラシの)カロチノイド、(例えば、バジル又はローズマリーの)オイカリプトール、(例えば、バジルの)オイゲノール、(例えば、ショウガの)ジンゲノール、(例えば、オートムギの)アベナコシド、(例えば、ブルーベリーの)没食子酸又は(例えば、ローズマリーの)ローズマリー酸のようなフェノール酸、(例えば、ブルーベリー、ブドウ種子、ブドウ、マテ茶、又は緑茶の)ケルセチンなどの(例えば、オランダカラシ又はヤナギの)フラボノイド、(例えば、緑茶の)カテキン、(例えば、ブドウ種子、ブドウ、又はブルーベリーの)アントシアニン、(例えば、ムラサキツメクサの)フィトエストロゲン、又は(例えば、グレープフルーツの)ナリンギン、(例えば、オートムギの)クマリン、(例えば、ブドウ種子、緑茶、ガラナ、又はマテ茶の)プロアントシアニジン、(例えば、ウコンの)クルクミノイド、カラメル着色剤、及び、例えば、適切な水分散性生理活性物質であると当業者であれば理解することができる任意の他の材料が挙げられる。本発明の実施形態に使用することができる追加の油分散性生理活性物質は、E.N.Frankelの「Lipid Oxidation」第2版209〜298ページ(The Oily Press,2005)に見られる。本発明の特定の実施形態によれば、油分散性生理活性物質は不連続液相中に、不連続液相の約0重量%から不連続液相の約20重量%の範囲の量で存在することができる。本発明の他の実施形態によれば、油分散性生理活性物質は不連続液相中に、約50mgから約100mgの範囲の量で存在することができる。幾つかの実施形態では、理論に拘束されないが、油分散性生理活性物質は光酸化保護を供給し、これにより多価不飽和脂肪酸の酸化が低減、阻止、又は抑制される。油分散性生理活性物質は多少のUV光を吸収し、これにより多価不飽和脂肪酸が曝露する光が少なくなると考えられる。摂取可能な本発明の幾つかの実施形態では、油分散性生理活性物質はエマルションを摂取する消費者の皮膚の一部を水和することができる。
【0045】
[0045] 他の実施形態では、不連続液相は、また、油ブレンド抗酸化剤を含むことができる。本発明の実施形態に適切な油ブレンド抗酸化剤は、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、t−ブチルヒドロキノン(TBHQ)、及びこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。本発明の特定の実施形態によれば、油ブレンド抗酸化剤は不連続液相中に不連続液相の約0重量%から不連続液相の約5重量%の範囲の量で存在することができる。
【0046】
[0046] 本発明の実施形態は、不連続液相が粒子の形態でエマルション中に存在するエマルションを含む。幾つかの実施形態では、これらの不連続液相粒子は、0.1μmと1.5μmの間の平均粒子サイズを有する。より詳細には、不連続液相粒子は、0.1μmと1.0μmの間の平均粒子サイズを有することができる。より詳細には、不連続液相粒子は、0.15μmと0.7μmの間の平均粒子サイズを有することができる。
【0047】
[0047] 本発明で使用することができる乳化剤としては、乳化剤中に使用するLC−PUFA及び分散剤と混和する任意の乳化剤が挙げられる。天然又は合成乳化剤は、本発明の実施形態に適切であり得る。本発明の特定の実施形態によれば、乳化剤は、変性天然乳化剤であってもよい。すなわち、乳化剤は、化学的に変性するか、酵素で変性するか、物理的に変性するか、又はこれらの組合せであってもよい。飲料などの消費者組成物にエマルションを使用する実施形態では、乳化剤は食品等級の乳化剤である。本発明の実施形態に適切な他の乳化剤の例としては、アラビアゴム、ペクチン、β−ペクチン、ガティゴム、変性アラビアゴム(例えば、メリーランド州ベルキャンプのTIC GumのTicamulsion(商標))、アカシアゴム(例えば、ニュージャージー州ブリッジウォータのColloidies Naturels International(CNI)のEficacia(商標))、変性食品デンプン(例えば、ニュージャージー州ブリッジウォータのNational Starch & Chemical製)、ポリソルベート(すなわちトゥイーン)、アルギン酸プロピレングリコール(PGA)のような共乳化剤、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
[0048] エマルションがフルーツジュース又はフルーツジュースを含む飲料(例えば、オレンジジュース又はグレープフルーツジュース)を含む実施形態では、柑橘油が連続液相中に存在してもよく、これはエマルションの化学的安定性を補助し、従って分散剤をエマルションに追加して添加する必要がない。連続液相が炭酸飲料などの酸性組成物を含む特定の実施形態では、乳化剤は、炭水化物系の高分子を含むことができる。適切な炭水化物系の高分子の例としては、アカシアゴム、変性食品デンプン、ガティゴム、ペクチン(例えば、β−ペクチン)、変性アカシアゴム、及びこれらの組合せが挙げられる。
【0049】
[0049] 特定の実施形態では、乳化剤は、エマルション中にエマルションの約0.0002重量%からエマルションの約45重量%の範囲の量で存在する。他の実施形態では、乳化剤は、エマルション中にエマルションの約0.001重量%からエマルションの約25重量%の範囲の量で存在する。さらに他の実施形態では、乳化剤は、エマルション中にエマルションの約0.01重量%からエマルションの約20重量%の範囲の量で存在する。さらに他の実施形態では、乳化剤はエマルション中にエマルションの約5重量%からエマルションの約20重量%の範囲の量で存在する。
【0050】
[0050] 幾つかの実施形態では、エマルションは、また、エマルションをさらに安定させ、また味覚プロファイルを改良し、及び/又はエマルションの保存寿命を改良する安定剤を含むことができる。本発明の実施形態に適切な安定剤の例としては、ビタミンC、ローズマリー抽出物、茶ポリフェノール及びブドウ種子抽出物などの果実及び野菜源由来のポリフェノール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム塩、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の特定の実施形態では、安定剤は、連続液相中、不連続液相中、又はその両方で少なくとも部分的に溶解可能であってもよい。1つの実施形態では、安定剤を含むエマルションは3カ月を超える保存寿命を有する。本明細書では、「保存寿命」とは、エマルションの実施形態を保存して、消費者が使用するのに適切な状態を維持する期間を意味する。
【0051】
[0051] 他の実施形態では、エマルションは、さらに、油相と懸濁媒質との間の表面張力を減少させ、それによってエマルションの安定性及びエマルションの均質性を改良する界面活性剤を含む。本発明の実施形態に適切な界面活性剤の例としては、コハク酸ジオクチルナトリウム塩(DSS)、中鎖トリグリセリド(MCT)、アルギン酸プロピレングリコール(PGA)及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の特定の実施形態では、界面活性剤は、連続液相中、不連続液相中、又はその両方で少なくとも部分的に溶解可能であってもよい。
【0052】
[0052] 本発明の特定の実施形態によれば、エマルションを作成するための方法は、第1の液体を用意する工程と、第2の液体を用意する工程と、エマルションを形成するように第1の液体、第2の液体及び乳化剤を混合する工程とを含む。第2の液体の実施形態は、長鎖多価不飽和脂肪酸源及び分散剤を含むブレンドを含む。長鎖多価不飽和脂肪酸源の特定の実施形態は、少なくとも1つの長鎖多価不飽和脂肪酸を含む。特定の実施形態では、エマルションは、第1の液体を含む連続液相と、第2の液体を含む不連続液相とを含む。エマルションの実施形態は、上述したエマルションのいずれであってもよい。
【0053】
[0053] 本発明の特定の実施形態では、第1の液体は、上記連続液相の実施形態に適切な同じ成分を含むことができる。第2の液体の実施形態は、上述した分散剤のいずれかに類似した分散剤を含むことができる。また、第2の液体の実施形態に含まれるLC−PUFA源は、上述したLC−PUFA源のいずれであってもよい。さらに、第2の液体の実施形態は、上述した不連続液相の実施形態に適切な同じ成分を含むことができる。適切な乳化剤は、上述乳化剤と類似のものであってもよい。
【0054】
[0054] 本発明の実施形態は、混合する工程が、1の液体と第2の液体と乳化剤を順番に、又は同時に混合することを含む方法を含む。例えば、特定の実施形態では、分散剤が長鎖多価不飽和脂肪酸源と混合されて、第2の液体中でブレンドを形成し、次に第1の液体と第2の液体と乳化剤が混合されて、エマルションを形成する。別の例では、特定の実施形態では、分散剤がLC−PUFA源及び乳化剤と混合されて、第2の液体中でブレンドを形成し、次に第1の液体と第2の液体が混合されて、エマルションを形成する。
【0055】
[0055] 特定の実施形態では、混合する工程が、乳化剤を第1の液体に混入する工程と、第2の液体中にブレンドを形成するために分散剤を多価不飽和脂肪酸源と混合する工程と、次にエマルションを形成するために第1の液体と第2の液体を均質化する工程と、を含む。例えば、第1の液体及び乳化剤を使用して、粘液又は乳化剤溶液を形成する。次に、第1の液体及び乳化剤を含む粘液を、多価不飽和脂肪酸と混合された分散剤を含む第2の液体と混合して、プレエマルションを形成することができる。これで、プレエマルションを均質化して、エマルションを形成することができる。
【0056】
[0056] また幾つかの実施形態では、均質化プロセスによって第1の液体と第2の液体と乳化剤を同時に混合することができる。さらに他の実施形態では、混合する工程は、第1の液体、第2の液体及び乳化剤の一部を含むエマルション濃縮物を形成する工程と、次に不連続液相及び連続液相を含むエマルションを形成するために第1の液体の残りの部分をエマルション濃縮物に添加する工程とを含む。
【0057】
[0057] 本開示は、また、第1の液体を用意する工程と、第2の液体を用意する工程と、エマルション濃縮物を形成するように第1の液体と第2の液体と乳化剤を混合する工程とを含むエマルションを作成する方法を提供する。第2の液体の実施形態は、長鎖多価不飽和脂肪酸源及び分散剤を含むブレンドを含む。エマルション濃縮物は第3の液体に添加することができ、ここでエマルション濃縮物が迅速に分散して、エマルションを形成する。特定の実施形態では、安定したエマルションを形成するために、エマルション濃縮物と第3の液体とを均質化する必要がない。第1の液体及び第3の液体の実施形態は、上述したような連続液相の成分を含むことができる。特定の実施形態では、エマルションには、例えば、飲料、ハーブ組成物、又は医薬組成物が含まれる。
【0058】
[0058] 本発明の実施形態には、また、噴霧乾燥そた、噴霧乾燥して被覆した、又は噴霧乾燥して凝集したエマルションが含まれる。当業者であれば、エマルションの実施形態は、噴霧乾燥の技術分野で周知の任意の方法で噴霧乾燥することができることを理解されたい。また、当業者であれば、噴霧乾燥したエマルションの実施形態は、他の成分で被覆するか凝集することができることを理解されたい。例えば、噴霧乾燥したエマルションの実施形態は、糖及びマルトデキストリン又はこれらの組合せで被覆するか、又は凝集することができる。さらに当業者であれば、噴霧乾燥したエマルションの実施形態は、被覆又は凝集の技術分野で周知の任意の方法で被覆するか、又は凝集することができることを理解されたい。特定の実施形態では、噴霧乾燥した、噴霧乾燥して被覆した、及び/又は被覆乾燥して凝集したエマルションを、エマルションが分散して液体エマルションを形成する液体組成物に添加することができる。例えば、噴霧乾燥するか、噴霧乾燥して被覆するか、又は噴霧乾燥して凝集した実施形態を飲料に添加して、飲料エマルションを形成することができる。
【0059】
[0059] 本発明の方法の実施形態によって生成されたエマルションは安定し、長鎖多価不飽和脂肪酸を酸化から保護する。また、本発明のエマルションの実施形態は、バルク油と比較して、多価不飽和脂肪酸の生物学的利用能を改良することができる。
【0060】
[0060] 理論に拘束されないが、特定の実施形態では十分な量の分散剤が不連続液相の粘度及び表面張力を低下させ、これによりエマルションの均質化効率が改良されると考えられる。従って、連続液相と不連続液相との粘度の差が、乳化/均質化プロセスの有効性を割り出す際に役割を果たす。LC−PUFA油などのLC−PUFA源は疎水性かつ粘性であるので、これらの特性が均質化の有効性を低下させることがある。従って、分散剤が不連続液相に添加されて、不連続液相の粘度をLC−PUFA源の粘度より低い粘度まで低下させる。分散剤を不連続液相を添加すると、LC−PUFA源の表面張力より低い表面張力を有する不連続液相となる。その結果、LC−PUFA源を含む不連続液相の方が、エマルション中により容易に分散する。
【0061】
[0061] さらに、不連続液相の粒子サイズを小型化して、連続液相の粘度を上昇させると、エマルションの安定性を改良することができる。分散剤をエマルションに添加して、LC−PUFA源を有するブレンドを形成することでも、不連続液相の粒子サイズを小さくして、均質化の効率が改良できる。
【0062】
[0062] さらに、ストークスの法則は、不連続液相の密度がエマルションの安定性に影響することを示す。特に、ストークスの法則は、連続液相と不連続液相の間の密度差を小さくすることによって、エマルションの安定性を向上できることを示す。分散剤を不連続液相に添加することにより、不連続液相の密度を調節することができる。幾つかの実施形態では、LC−PUFAが第1の密度を有し、分散剤が第1の密度より小さい第2の密度を有する。そのため、特定の実施形態では、不連続液相中で分散剤の割合が増えると、不連続液相の密度が低下する。例えば、実質的に全ての不連続液相が、分散剤及びLC−PUFA油のブレンドを含む第2の液体を含む実施形態では、ブレンド中の分散剤の百分率が上昇する(すなわちLC−PUFA油の百分率が低下する)につれて、不連続液相の密度が低下する。
【0063】
[0063] LC−PUFA源を含む安定なエマルションを生成することの追加の利点は、長鎖多価不飽和脂肪酸源を有するエマルションを形成することによって、LC−PUFAの分解又は酸化の少なくとも一部が阻止、抑制、又は低減されることである。特定の実施形態では、長鎖多価不飽和脂肪酸源を有するエマルションを形成することによって、長鎖多価不飽和脂肪酸の分解が実質的に全て阻止、抑制、又は低減される。それ故、理論に拘束されないが、LC−PUFAが臭気又は味を有する実施形態では、少なくとも1つの長鎖多価不飽和脂肪酸を有するエマルションを形成すると、少なくとも1つの長鎖多価不飽和脂肪酸源の臭気又は味(例えば、魚臭)が実質的にマスクされると考えられる。分散剤をLC−PUFA源と混合することによっても、LC−PUFA源の酸化を低減する。例えば、極性を強化した分散剤は、LC−PUFA源と連続液相の間に保護層を形成すると考えられている。また、ビタミンE、アスコルビン酸パルミテート、及びローズマリー抽出物などの抗酸化分散剤は、LC−PUFAを酸化から保護するのに役立つと考えられている。さらに、LC−PUFAの分解を低減すると、エマルションの保存寿命が長くなる。
【0064】
[0064] 使用時には、本発明のエマルションの実施形態は、摂取するか、又は他の方法で消費者に導入され得る飲料、ハーブ組成物、医薬組成物などの組成物中で機能でき、LC−PUFA及びその有利な特性を利することができる。エマルションを摂取する実施形態では、本発明は、LC−PUFAが消費者の味覚又は嗅覚で実質的に検出不可能であるエマルションを提供する。それ故、消費者は、望ましくない臭気、味又は類似の特性のない状態で、エマルションを摂取することができる。
【0065】
[0065] 他の実施形態を、本開示の範囲をいかなる意味でも限定しないものと解釈される実施例で、以下でさらに示す。逆に、本明細書の記述を読むと、本開示の範囲及び特許請求の範囲から逸脱することなしに、当業者に思い浮かぶような様々な他の実施形態、変形、及びその均等物を利用することができることをはっきりと理解することができるだろう。
【実施例1】
【0066】
油添加剤がDHA乳化剤の平均粒子サイズ分布に与える効果
[0066] 以下の表2及び表3の処方を使用して、2つの250gのエマルションを生成した。ここでMCTは中鎖トリグリセリド、ODはオレンジ留出物である。
【表2】

【表3】

【0067】
[0067] エマルションは、はじめに600mlビーカーのバッチについて含水量を計量することによって、粘漿剤を調製することによって調製した。ビーカーをプロペラ式攪拌機の下に配置した。安息香酸ナトリウムを混合渦に添加し、乳化剤溶液を3分間混合した。クエン酸を混合渦に添加して、乳化剤溶液を3分間混合した。乳化剤を混合渦にゆっくり添加して、攪拌を1時間継続した。乳化剤溶液をテーブル上に1晩配置して、泡が分離できるようにした。
【0068】
[0068] 濾過した乳化剤溶液(粘漿剤を100メッシュの網に通した)をプロペラ式攪拌機の下に配置し、DHA油及びオレンジ留出物、中鎖トリグリセリド及び/又は倍油の油ブレンドを混合渦にゆっくり添加して、粗いエマルションを生成することによって、プレエマルションを調製した。粗エマルション溶液を高剪断混合機(PolytronPT3100又はPri Sci 250)に移送した。混合速度を4に設定し、乳化剤溶液を2分間混合して、プレエマルションを生成した。
【0069】
[0069] 蒸留水を流してNanoMizerに通し、プランジャ速度を調節して31MPa(4500psi)という均質化圧力を達成することによって、エマルションを調製した。プレエマルションを所望の均質化圧力で2回均質化した。必要に応じて、プランジャ速度を調節して、所望の均質化圧力を達成した。次に、エマルションを包装し、冷蔵状態で保存した。表4及び表5は、エマルションの粒子サイズの測定結果を要約し、オレンジ留出物、中鎖トリグリセリド及び/又は倍油をDHA油に添加すると、DHA油の乳化の容易さを大幅に改良することができることを示す。
【表4】

【表5】

【実施例2】
【0070】
[0070] 実施例1の手順を使用して、17.5%のEficacia又は17.5%のTicamulsion2010A、dl−リモネン、及び15%のMartekDHA油を含むオメガ−3脂肪酸水中油型エマルションを調製した。オメガ−3脂肪酸油はMartek Bioscienceから供給され、トコフェロール、アスコルビン酸パルミテート、大豆レシチン及びローズマリー抽出物の抗酸化混合系で安定させた。特殊な等級のアラビアゴムであるEficaciaはCNIから提供された。変性アラビアゴムのTicamulsion2010AはTIC Gumから供給された。成分は全て、それ以上精製せずに使用した。
【0071】
[0071] Omnionの食品安定性分析器(FSA)を使用して、オメガ−3脂肪エマルションの遅延脂質酸化の抗酸化効力を割り出した。FSAは高温(最高150℃)と触媒、有標重金属複合物の組合せを使用して、加速酸化試験を実施した。この複合物の酸化加速度は、実際の保存寿命研究より数百倍程度であった。FSAの計器は、サンプルセルの上部空間(容積約40cc又は20×1020個の酸素分子)で酸素濃度を測定した。FSA法は、高圧の純粋な酸素及び高温を使用する従来の酸素ボンブ法よりはるかに高い感度であった。酸化安定性分析についてFSAの終点決定は、添加した抗酸化剤が消費され、脂質の自動酸化が開始して加速する、酸素濃度と時間曲線との変曲点(鮮明な勾配変化)によって決定された。また、終点は通常、研究対象の基質が上部空間酸素の約5%又は約1019個の酸素分子を消費するのにかかる時間を示した。
【0072】
[0072] SatTest(登録商標)システムを使用して、自家オメガ−3エマルションの酸化分解を分析した。SafTest(登録商標)システムは(チオシアン第二鉄法に基づき、安全性の理由からベンゼン:メタノールをイソプロパノールで置換して変性する)比色法であり、AOACに認証されている。SafTest(登録商標)は、研究対象のエマルションの過酸化物価を迅速に割り出し、その結果が表6及び表7及び図1に要約されている。このようにして、その結果は、DHAエマルションに油及びポリフェノールを添加すると、酸化分解を低減することを示した。
【表6】

【表7】

【0073】
[0073] 緑茶ポリフェノール(GTP)を使用して、エマルションの実施形態中のオメガ−3油の酸化による異味生成を遅延させるGTPの抗酸化剤抗力を検査した。表8は、DHA油及び様々な添加剤で強化したファンタオレンジゼロの実行中の保存安定性評価を示す。その結果は、外界で12週間保存した後、GTPを含む試験サンプルは油臭及び味が発生しなかったことを示す。しかし、ビタミンCしか含まない試験サンプルは、外界で3週間保存した後に魚味及び魚臭が発生した。また、100人の消費者による試験の官能結果は、外界で12週間保存した後、DHA油及びビタミンC/EDTAで強化したファンタゼロオレンジは、わずかな魚臭及び魚味がするが、異味は冷却剤の使用によってマスクできることを示す。従って、緑茶ポリフェノールは、オメガ−3エマルション及びオメガ−3強化飲料中でビタミンC及びEDTAの代わりに用いて、脂質の酸化を遅延させ、保存安定性を確実にすることができるはずである。
【表8】

【実施例3】
【0074】
[0074] 表9の処方に従い、実施例1の手順を使用して200kgのオメガ−3脂肪酸水中油型安定エマルションを作成した。
【表9】

【実施例4】
【0075】
[0075] 以下の表10の処方を使用して、17.5%のTicamulsion2010Aを含むオメガ−3脂肪酸水中油型エマルションを調製した。スクロースジアセテートヘキサイソブチレートは増量剤として使用された。
【表10】

【0076】
[0076] エマルションは、はじめに2000mlビーカーのバッチについて含水量を計量して粘漿剤を調製することによって調製した。ビーカーをプロペラ式攪拌機の下に配置した。安息香酸ナトリウムを混合渦に添加し、乳化剤溶液を3分間混合した。クエン酸を混合渦に添加して、乳化剤溶液を3分間混合した。乳化剤を混合渦にゆっくり添加して、攪拌を1時間継続した。乳化剤溶液をテーブル上に1晩配置して、泡が分離できるようにした。
【0077】
[0077] 乳化剤溶液をプロペラ式攪拌機の下に配置し、DHA油、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート及びオレンジ留出物、中鎖トリグリセリド及び/又は倍油の油ブレンドを混合渦にゆっくり添加して、粗いエマルションを生成することによって、プレエマルションを調製した。粗エマルション溶液を高剪断混合機PolytronPT3100に移送した。混合速度を410,000rpmに設定し、乳化剤溶液を2分間混合して、プレエマルションを生成した。
【0078】
[0078] 蒸留水を流してAPV1000ホモジナイザに通し、均質化圧力を4500psiに調節することによって、エマルションを調製した。プレエマルションを所望の均質化圧力で2回均質化した。必要に応じて、プランジャ速度を調節して、所望の均質化圧力を達成した。次に、エマルションを包装し、冷蔵状態で保存した。得られたエマルションは、平均粒子サイズが0.173μmの不連続液相を有していた。
【0079】
[0079] 以上は本発明の特定の実施形態に関係し、特許請求の範囲で規定されるような本発明の範囲から逸脱することなしに、種々に変更することができることを理解することができるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続液相と、
乳化剤と、
多価不飽和脂肪酸源及び分散剤を含むブレンドを含む不連続液相であって、前記多価不飽和脂肪酸源が、少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含み、前記ブレンド中の前記脂肪酸源の前記分散剤に対する重量比が、約9:1から1:10の範囲にある不連続液相と、
を含むエマルション。
【請求項2】
前記ブレンド中の前記脂肪酸源の前記分散剤に対する前記重量比が、約5:1と1:5の間の範囲である、請求項1に記載のエマルション。
【請求項3】
前記ブレンド中の前記脂肪酸源の前記分散剤に対する前記重量比が、約4:1と3:1の間の範囲である、請求項1に記載のエマルション。
【請求項4】
前記エマルションが、エマルション濃縮物である、請求項1に記載のエマルション。
【請求項5】
前記エマルションが、飲料、ハーブ組成物、医薬組成物又はこれら組合せに含まれる、請求項1に記載のエマルション。
【請求項6】
前記分散剤が、ビタミンE、アスコルビン酸パルミテート、ローズマリー抽出物、テルペン、香味油、植物油、精油、又はこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のエマルション。
【請求項7】
前記分散剤が、柑橘油、リーフ油、スパイス油、果皮油、及びこれらの組合せからなる群から選択される精油を含む、請求項6に記載のエマルション。
【請求項8】
前記分散剤が、d−リモネン、l−リモネン、dl−リモネン、オレンジ留出油、及びこれらの組合せからなる群から選択されるテルペンを含む、請求項6に記載のエマルション。
【請求項9】
前記乳化剤が、炭水化物系高分子を含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項10】
前記炭水化物系高分子が、アカシアゴム、変性食品デンプン、ガティゴム、ペクチン、β−ペクチン、変性アカシアゴム、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項9に記載のエマルション。
【請求項11】
前記連続液相が、酸性である、請求項1に記載のエマルション。
【請求項12】
前記連続液相が、2と7の間のpHを有する、請求項11に記載のエマルション。
【請求項13】
前記連続液相が、2.5と5の間のpHを有する、請求項11に記載のエマルション。
【請求項14】
前記連続液相が、水、炭酸水、シロップ、ダイエット飲料、炭酸清涼飲料、フルーツジュース、野菜ジュース、アイソトニック飲料、非アイソトニック飲料、フルーツジュースを含む清涼飲料、コーヒー、茶、医薬品添加物、天然甘味料、合成甘味料、カロリー甘味料、ノンカロリー甘味料、安息香酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、食物繊維、乳製品、大豆製品、及びこれらの組合せからなる群から選択される成分を含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項15】
前記不連続液相が、4倍ベルガモット油、ベルガプテンを含まないベルガモット油、テルペンを含まないグレープフルーツ油、4倍グレープフルーツ油、5倍グレープフルーツ油、6倍グレープフルーツ油、10倍グレープフルーツ油、高アルデヒドグレープフルーツ油、5倍グレープフルーツジュース抽出物、7倍グレープフルーツジュース抽出物、テルペンを含まないレモン油、2倍レモン油、3倍レモン油、5倍レモン油、10倍レモン油、13倍レモン油、精製5倍レモン油、10倍レモン油、セスキテルペンを含まないレモン油、FCを含まないレモン油、蒸留3倍ライム油、蒸留4倍ライム油、蒸留5倍ライム油、蒸留無テルペンライム油、蒸留無セスキテルペンライム油、蒸留精製5倍ライム油、冷圧3倍ライム油、冷圧4倍ライム油、冷圧5倍ライム油、冷圧10倍ライム油、冷圧無テルペンライム油、4倍マンダリン油、5倍マンダリン油、10倍マンダリン油、無テルペンオレンジ油、2倍オレンジ油、3倍オレンジ油、4倍オレンジ油、5倍オレンジ油、7倍オレンジ油、8倍オレンジ油、10倍オレンジ油、15倍オレンジ油、20倍オレンジ油、25倍オレンジ油、30倍オレンジ油、5倍オレンジジュース抽出物、8倍オレンジジュース抽出物、3倍タンジェリン油、5倍タンジェリン油、無テルペンタンジェリン油、及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの倍油(folded oil)をさらに含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項16】
前記少なくとも1つの倍油が、前記不連続液相中に、前記エマルションの約1重量%から前記不連続液相の約60重量%の範囲の量で存在する、請求項15に記載のエマルション。
【請求項17】
前記不連続液相が、少なくとも1つの無テルペン油をさらに含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項18】
前記不連続液相が、中鎖トリグリセリドをさらに含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項19】
前記中鎖トリグリセリドが、前記不連続液相中に、前記エマルションの約1重量%から前記不連続液相の約60重量%の範囲の量で存在する、請求項18に記載のエマルション。
【請求項20】
前記不連続液相が、少なくとも1つのポリフェノールをさらに含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項21】
少なくとも1つのポリフェノールが、フェノール酸又はフラボノイドを含む、請求項20に記載のエマルション。
【請求項22】
前記少なくとも1つのポリフェノールが、桂皮酸又は安息香酸からなる群から選択されるフェノール酸を含む、請求項20に記載のエマルション。
【請求項23】
前記少なくとも1つのポリフェノールが、フラボノール類、フラボン類、フラバノン類、フラバノール類、イソフラボン類、アントシアニジン類、タンニン類、及びスチルベン類からなる群から選択されるフラボノイドを含む、請求項20に記載のエマルション。
【請求項24】
前記少なくとも1つのポリフェノールが、ケルセチン、プロアントシアニジン、カテキン、レスベラトロール及びプロシアニジンからなる群から選択されるフラボノイドを含む、請求項20に記載のエマルション。
【請求項25】
前記少なくとも1つのポリフェノールが、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、及びエピガロカテキンガレートからなる群から選択されるカテキンを含む、請求項24に記載のエマルション。
【請求項26】
前記少なくとも1つのポリフェノールが、緑茶抽出物を含む、請求項20に記載のエマルション。
【請求項27】
前記多価不飽和脂肪酸源が、長鎖多価不飽和脂肪酸油、長鎖多価不飽和脂肪酸粉末、又はこれらの組合せを含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項28】
前記多価不飽和脂肪酸源が、オメガ−3脂肪酸油、オメガ6脂肪酸油、オメガ9脂肪酸油、及びこれらの組合せからなる群から選択される長鎖多価不飽和脂肪酸油である、請求項27に記載のエマルション。
【請求項29】
前記多価不飽和脂肪酸油が、α−リノレン酸油、エイコサペンタエン酸油、ドコサヘキサエン酸油、及びこれらの組合せからなる群から選択されるオメガ−3脂肪酸油である、請求項28に記載のエマルション。
【請求項30】
前記多価不飽和脂肪酸油が、メンヘーデン油、マグロ油、サケ油、タラ油、微細藻類ドコサヘキサエン酸油、微細藻類オメガ−3油、又はこれらの組合せからなる群から選択されるオメガ−3脂肪酸油である、請求項28に記載のエマルション。
【請求項31】
第1の液体を用意する工程と、
長鎖多価不飽和脂肪酸源及び分散剤を含むブレンドを含む第2の液体を用意する工程であって、前記ブレンド中の前記多価不飽和脂肪酸源の前記分散剤に対する重量比が、約9:1と1:10の間の範囲にあり、前記長鎖多価不飽和脂肪酸源が、少なくとも1つの長鎖多価不飽和脂肪酸を含む工程と、
前記第1の液体を含む連続液相及び前記第2の液体を含む不連続液相を含む前記エマルションを形成するように、前記第1の液体、前記第2の液体、及び乳化剤を混合する工程と、
を含むエマルション製造方法。
【請求項32】
前記ブレンド中の前記長鎖多価不飽和脂肪酸源の前記分散剤に対する前記重量比が、約5:1から約1:1の範囲である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ブレンド中の前記長鎖多価不飽和脂肪酸源の前記分散剤に対する前記重量比が、約4:1から約3:1の範囲である、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
組成物中に少なくとも1つのポリフェノールを供給する工程を含む、組成物中の少なくとも1つのオメガ−3脂肪酸の任意の分解の少なくとも一部を阻止、抑制、又は低減するための方法。
【請求項35】
前記組成物に前記少なくとも1つのポリフェノールを供給する工程によって、実質的に全ての前記オメガ−3脂肪酸の前記分解が、阻止、抑制、又は低減される、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
連続液相と、
乳化剤と、
多価不飽和脂肪酸源及び倍油を含むブレンドを含む不連続液相であって、前記多価不飽和脂肪酸源が少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含む不連続液相と、
を含むエマルション。
【請求項37】
連続液相と、
乳化剤と、
多価不飽和脂肪酸源と、増量剤と、分散剤とを含むブレンドを含む不連続液相であって、前記多価不飽和脂肪酸源が少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含む不連続液相と、
を含むエマルション。
【請求項38】
前記増量剤が、臭素化植物油、エステルガム、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート、精製ダンマルゴム、ガヌアバ蝋、安息香酸ベンジル、ポリグリセリルエステル、三安息香酸グリセリル、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記増量剤が、前記不連続液相中に、前記不連続液相の約1%から約50%の範囲の量で存在する、請求項37に記載の組成物。
【請求項40】
前記増量剤が、前記不連続液相中に、前記不連続液相の約5%から約35%の範囲の量で存在する、請求項37に記載の組成物。
【請求項41】
前記ブレンド中の前記脂肪酸源の前記分散剤に対する前記重量比が、約9:1と1:10の間の範囲にある、請求項37に記載の組成物。
【請求項42】
前記ブレンド中の前記脂肪酸源の前記分散剤に対する前記重量比が、約5:1と1:1の間の範囲にある、請求項37に記載の組成物。
【請求項43】
前記ブレンド中の前記脂肪酸源の前記分散剤に対する前記重量比が、約4:1と3:1の間の範囲にある、請求項37に記載の組成物。
【請求項44】
エマルションが、飲料、ハーブ組成物、医薬品組成物、又はこれらの組合せに含まれる、請求項37に記載の組成物。
【請求項45】
前記連続液相が、糖をさらに含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項46】
前記糖が、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、又はこれらの組合せを含む、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
多価不飽和脂肪酸の生物学的利用能を改良するための方法であって、
連続液相と、
乳化剤と、
多価不飽和脂肪酸源及び分散剤を含むブレンドを含む不連続液相であって、前記多価不飽和脂肪酸源が前記多価不飽和脂肪酸を含み、前記多価不飽和脂肪酸源が少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含み、前記ブレンド中の前記脂肪酸源の前記分散剤に対する重量比が約9:1から1:10の範囲にある不連続液相と、
を含むエマルションを用意する工程
を含む方法。
【請求項48】
多価不飽和脂肪酸を投与するための方法であって、
連続液相と、
乳化剤と、
多価不飽和脂肪酸源及び分散剤を含むブレンドを含む不連続液相であって、前記多価不飽和脂肪酸源が前記多価不飽和脂肪酸を含み、前記多価不飽和脂肪酸源が少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含み、前記ブレンド中の前記脂肪酸源の前記分散剤に対する重量比が約9:1から1:10の範囲にある不連続液相と、
を含むエマルションを用意する工程
を含む方法。
【請求項49】
前記多価不飽和脂肪酸源が、短鎖多価不飽和脂肪酸油、短鎖多価不飽和脂肪酸粉末、又はこれらの組合せを含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項50】
前記多価不飽和脂肪酸源が、短鎖多価不飽和脂肪酸油、短鎖多価不飽和脂肪酸粉末、又はこれらの組合せを含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項51】
前記不連続液相が、β−カロチン、酵素、カロチノイド類、オイカリプトール、オイゲノール、ジンゲノール、アベナコシド、フェノール酸類、フラボノイド類、クマリン類、プロアントシアニジン類、クルクミノイド類、ビタミンE、ビタミンK、及びこれらの組合せからなる群から選択される水分散性生理活性物質をさらに含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項52】
前記不連続液相が、β−カロチン、酵素、カロチノイド類、オイカリプトール、オイゲノール、ジンゲノール、アベナコシド、フェノール酸類、フラボノイド類、クマリン類、プロアントシアニジン類、クルクミノイド類、ビタミンE、ビタミンK、及びこれらの組合せからなる群から選択される油分散性生理活性物質をさらに含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項53】
前記連続液相が、ルテインを含む水分散性生理活性物質をさらに含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項54】
前記不連続液相が、ルテインを含む油分散性生理活性物質をさらに含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項55】
前記連続液相が、ルテイン及びポリフェノールを含む水分散性生理活性物質をさらに含む、請求項1に記載のエマルション。
【請求項56】
前記不連続液相が、ルテインを含む油分散性生理活性物質をさらに含み、前記連続相が、ポリフェノールをさらに含む、請求項1に記載のエマルション。

【図1】
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【公表番号】特表2010−502733(P2010−502733A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527562(P2009−527562)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/077745
【国際公開番号】WO2008/030949
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(391026058)ザ・コカ−コーラ・カンパニー (238)
【氏名又は名称原語表記】THE COCA−COLA COMPANY
【Fターム(参考)】