説明

安定剤混合物

本発明は、(a)一般式(I)の繰り返し単位を含有するオリゴマー化合物又はその酸付加塩、及び/又は、(b)一般式(II)の化合物又はその酸付加塩、及び、(c)一般式(III)の少なくとも1の化合物、及び、(d)場合により他の添加物を含有する混合物、並びに、非生物的有機材料を光、酸素及び/又は熱の作用に対して安定化させるための前記混合物の使用に関する。さらに、本発明は、少なくとも1の前記混合物を含有する非生物的有機材料及び該非生物的有機材料から製造された物品に関する。さらに、本発明は、非生物的有機材料を光、酸素及び/又は熱の作用に対して安定化させるための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下:
(a)一般式(I)
【化1】

[式中、
1は、H、C1−C30−アルキル、C2−C22−アルケニル、C1−C20−アルコキシ、シアノメチル、2−ヒドロキシエチル、ホルミル、C2−C6−アルカノイル、ベンジル又は式−CR7=CH−CO−OR8の基を表し、
2は、H、C1−C30−アルキル、C14−C28−アルキル基からの混合物を表し、
3、R4、R5、R6は、相互に無関係に同じか又は異なって、C1−C30−アルキルを表し、
7は、H、C1−C6−アルキル又は式CO−OR8の基を表し、
8は、C1−C18−アルキル、C3−C15−シクロアルキル、C7−C18−アラルキル、フェニル又はトリルを表す]
の繰り返し単位を含有するオリゴマー化合物又はその酸付加塩
及び/又は
(b)一般式(II)
【化2】

[式中、
nは、1又は2を表し、
9は、H、C1−C4−アルキルを表し、
10、R11、R12、R13は、相互に無関係に同じか又は異なって、C1−C4−アルキルを表すか、又は、R10とR11又はR12とR13は一緒になってテトラメチレン基又はペンタメチレン基を表し、
14は、H、C1−C30−アルキル、C2−C22−アルケニル、場合によりC1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ及び/又はジ−C1−C4−アルキルアミノにより置換されたC7−C12−フェニルアルキル、C1−C22−アルカノイル、C2−C3−シアンアルキル、C1−C22−ヒドロキシアルキル又はC2−C22−アミノアルキルを表し、
16は、H、C1−C30−アルキルを表し、
かつ
nが1である場合には、
15は、H、C1−C22−アルキル、C2−C22−アルケニル、C3−C12−シクロアルキル又はビシクロアルキル、シアン、ヒドロキシ又はカルボ−C1−C4−アルコキシにより置換されたC2−C22−アルキル、エーテル酸素、窒素又は硫黄により中断されたC4−C22−アルキル、場合によりC1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ又はジ−C1−C4−アルキルアミノにより置換されたC7−C22−フェニル−又はジフェニルアルキル、場合によりC1−C4−アルキル又はカルボ−C1−C4−アルコキシにより置換されたフェニル、一般式(IV)
【化3】

の基又は複素環式基を含有するC1−C22−アルキルを表すか、
又は
nが2である場合には、
15は、C2−C22−アルキレン、C5−C22−シクロアルキレン、C8−C14−フェニルアルキレン、フェニレン、又は、エーテル酸素、窒素、硫黄又は五員−又は六員複素環により中断されたC4−C30−アルキレンを表す]
の化合物又はその酸付加塩、
及び
(c)一般式(III)
【化4】

[式中、
17は、C1−C20−アルキル、アリールを表す]
の少なくとも1の化合物
及び
場合により他の添加物
を含有する混合物に関する。さらに、本発明は、前記混合物の使用下での、光、酸素及び/又は熱の作用に対する、非生物的有機材料、殊にプラスチックの安定化のための方法に関する。さらに本発明は、そのように安定化された非生物的有機材料から製造される物品に関する。
【0002】
本発明の他の実施態様は、特許請求の範囲、明細書及び実施例の記載から引用可能である。本発明による対象の前述の特徴及び以下でさらに説明されるべき特徴は、そのつど具体的に記載された組み合わせにおいて使用可能であるだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、別の組み合わせにおいても使用可能である。特に、本発明による対象の全ての特徴が有利ないし極めて有利な意味を有する本発明による実施態様も、有利ないし極めて有利である。
【0003】
非生物的有機材料、殊にプラスチックは、公知の通り、とりわけ光、酸素及び/又は熱の作用によって非常に早く損傷される。この損傷は、通常、該材料の黄変、変色、亀裂形成又は脆化において現れる。従って、光保護剤及び安定剤により、光、酸素及び/又は熱による非生物的有機材料の損傷に対して満足のいく保護が達成されることが望ましい。
【0004】
2,2,6,6−テトラアルキルピペリジンの誘導体は、HALS(Hindered Amine Light Stabilizers)なる名称で、すでに約30年前から、殊にプラスチック及びラッカーのための光保護剤及び安定剤として商業的に使用されている。
【0005】
WO2004/046234A2から、UV吸収剤と5つの化合物クラスの群から選択された少なくとも1の他の成分とを含有する安定化剤混合物は公知である。UV吸収剤としてとりわけベンゾエートが挙げられており、かつ他の成分のうち1つは立体障害アミンであってもよい。ヒドロキシベンゾエートとHALS化合物とからの組合せは開示されていない。
【0006】
JP2003253083には、アルキルベンゾエート及びHALSからの混合物0.03〜3%を含有するプロピレン−エチレンブロックコポリマーが記載されている。
【0007】
JP10195258から、HALS及びベンゾエートで安定化されているポリオレフィンからなる農業用フィルムは公知である。
【0008】
US特許6,897,250B1には、アルキルベンゾエート0.001〜10%及びHALS0.1〜0.5%を含有する熱可塑性エラストマーからなる自動車用部品が記載されている。
【0009】
前記化合物及び混合物が優れていることは商業的実地においてすでに実証されているが、特に高いUV分を有する光に対する安定性に関してなおも改善の余地がある。
【0010】
従って本発明の課題は、高いUV分及び/又は高い光強度を有する光に対する非生物的有機材料の改善された安定化を保証する混合物を提供することであった。本発明のもう1つの課題は、高度の安定化をもたらしかつ容易に入手可能な出発物質に基づく混合物を提供することであった。本発明のもう1つの部分的課題は、酸素又は熱に対する非生物的有機材料の改善された安定性を保証する混合物を提供することであった。
【0011】
それに応じて、冒頭に記載した混合物が見出された。
【0012】
式Ca−Cbなる表記は、本発明の範囲内で、所定数の炭素原子を有する化学化合物又は置換基を表す。炭素原子の数はa及びbを含むa〜bの全範囲から選択されてよく、aは少なくとも1でありかつbは常にaよりも大きい。化学化合物又は置換基は、さらに式Ca−Cb−Vなる表記により規定される。ここで、Vは化学化合物クラス又は置換基クラス、例えばアルキル化合物又はアルキル置換基を表す。
【0013】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、有利にはフッ素、塩素又は臭素、特に有利にはフッ素又は塩素を表す。
【0014】
詳細には、種々に記載された包括的定義は以下の意味を有する:
1−C30−アルキル:30個までの炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素基、例えば、C1−C18−アルキル、C1−C10−アルキル又はC11−C20−アルキル、有利にはC1−C10−アルキル、例えばC1−C6−アルキル、C1−C4−アルキル、C1−C3−アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、又は、C4−C6−アルキル、n−ブチル、s−ブチル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチル−ペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エトキシブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、又は、C7−C10−アルキル、例えば、ヘプチル、オクチル、2−エチル−ヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル又はデシル(例えば、2−プロピルヘプチル)並びにその異性体。
【0015】
2−C22−アルケニル:2〜22個の炭素原子と、少なくとも1個の二重結合、有利には1個の二重結合を任意の位置に有する、不飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素基、例えば、C2−C10−アルケニル又はC11−C22−アルケニル、有利にはC2−C10−アルケニル、例えばC2−C4−アルケニル、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、又はC5−C6−アルケニル、例えば、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、3,3−ジメチル−2−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル又は1−エチル−2−メチル−2−プロペニル、並びにC7−C10−アルケニル、例えばヘプテニル、オクテニル、ノネニル又はデセニルの異性体。
【0016】
3−C15−シクロアルキル:3〜15個の炭素環員を有する単環式飽和炭化水素基、有利にはC3−C8−シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチル、並びに、飽和又は不飽和環系、例えば、ノルボルニル又はノルベニル。特に有利にはC5−C6−シクロアルキル。
【0017】
1−C22−アルカノイル:カルボニル基(−CO−)を介して結合している、1〜22個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基(上記の通り)、例えば、C1−C11−アルカノイル又はC12−C22−アルカノイル、有利にはC1−C11−アルカノイル、例えば、C1−C6−アルカノイル、例えば、ホルミル、アセチル、n−又はイソ−プロピオニル、n−、イソ−、s−又はt−ブタノイル、n−、イソ−、s−又はt−ペンタノイル、ヘキサノイル、又はC9−C12−アルカノイル、例えば、n−又はイソ−ノナノイル、又はn−ドデカノイル。
【0018】
アリール:6〜14個の炭素原子環員を含有する単環〜三環の芳香環系、例えばフェニル、ヒドロキシフェニル、ナフチル又はアントラセニル、有利には単環〜二環の、特に有利には単環の芳香環系。
【0019】
置換アリール:任意の位置で、但し5回以下で、有利には4回以下で、特に有利には3回以下で、極めて特に有利には2回又は1回、C1−C20−アルキル又はヒドロキシにより置換されていてよいアリール。
【0020】
アラルキル:アリール置換アルキル。例えば、ナフチルメチル、ジフェニルメチル又はメチルベンジル、特に1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、2−フェニル−プロプ−2−イル、4−フェニルブチル、2,2−ジメチル−2−フェニルエチル、5−フェニルアミル、10−フェニルデシル、12−フェニルドデシル又はとりわけベンジル。有利にはC7−C18−アラルキル:7〜18個の炭素原子を有するアリール置換アルキル。
【0021】
トリル基として、オルト−、メタ及びとりわけp−トリルが該当する。
【0022】
複素環:五員〜十二員環の、有利には五員〜九員環の、特に有利には五員〜六員環の、酸素−、窒素−及び/又は硫黄原子、場合により複数の環を有する環系、例えば、フリル、チオフェニル、ピリル、ピリジル、イミダゾイル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、ジオキソリル、ジオキシル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ジメチルピリジル、メチルキノリル、ジメチルピリル、メトキシフリル、ジメトキシピリジル、ジフルオルピリジル、メチルチオフェニル、イソプロピルチオフェニル又はt−ブチルチオフェニル。
【0023】
1−C20−アルコキシは、酸素原子(−O−)を介して結合している、1〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基(上記の通り)、例えば、C1−C10−アルコキシ、例えば、n−ヘキソキシ、イソ−ヘキソキシ、n−オクトキシ、2−エチルヘキソキシ及びイソ−オクトキシ、またさらに、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ノノキシ、n−デコキシ、又はC11−C20−アルコキシ、例えば、n−ウンデコキシ及びn−ドデコキシ、有利には、C1−C10−アルコキシ、特に有利にはC1−C3−アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシを意味する。
【0024】
1−C22−アルキレン:1〜22個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素基、例えば、C2−C10−アルキレン又はC11−C22−アルキレン、有利にはC2−C10−アルキレン、特にメチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン又はヘキサメチレン。
【0025】
5−C22−シクロアルキレン:5〜22個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素基、その際、アルキレンはシクロアルキル基により中断されており、即ち、シクロアルキル基の2個の水素原子はアルキレンで置換されている。
【0026】
8−C14−フェニルアルキレン:8〜14個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素基、その際、アルキレン鎖はフェニレン基により中断されている。
【0027】
1−C22−ヒドロキシアルキル:任意の位置でヒドロキシ基により置換されているC1−C22−アルキル。
【0028】
1−C22−アミノアルキル:任意の位置でアミノ基により置換されているC1−C22−アルキル。
【0029】
個々に記載したR1〜R17は、それぞれ任意の位置で1以上のヘテロ原子により中断されていてよく、その際、前記ヘテロ原子の数は10以下、有利には8以下、極めて特に有利には5以下、特に3以下であり、かつ/又は、それぞれ任意の位置で、但し5回以下、有利には4回以下、特に有利には3回以下で、C1−C30−アルキル、C1−C20−アルコキシ、アリール、複素環、ヘテロ原子又はハロゲンにより置換されていてよく、その際、これらは同様に最高で2回、有利には最高で1回、上記基か又は置換アリールで置換されていてよい。
【0030】
前記基中に記載された化合物クラスC1−C30−アルキル、C1−C20−アルコキシ、アリール及び複素環は上記の意味を有する。
【0031】
ヘテロ原子は、有利には酸素、窒素、硫黄又はリンである。
【0032】
酸付加塩は、それぞれの化合物と鉱酸、例えばHCl又は有機酸、例えば酢酸との塩である。
【0033】
本発明による混合物中で、成分(a)は、一般式(I)の繰り返し単位を含有する1以上の異なるオリゴマー化合物又はその酸付加塩を含有することができる。
【0034】
さらに、本発明による混合物中で、成分(b)は一般式(II)の1以上の異なる化合物又はその酸付加塩を含有することができる。
【0035】
さらに、本発明による混合物中で、成分(c)は一般式(III)の1以上の異なる化合物を含有することができ、かつ成分(d)は場合により1以上の添加物を含有することができる。
【0036】
成分(a)のオリゴマー化合物は、一般的に、1000〜50000、有利には1500〜10000、殊に3000〜5000の平均分子量を有する。前記分子量データは、数平均平均分子量である。
【0037】
オリゴマー化合物中の繰り返し単位の平均数は、3〜100、有利には4〜30、殊に5〜10である。
【0038】
基R1は、有利にはH、C1−C6−アルキル、ホルミル、アシル、C1−C6−アルコキシ、ベンジル又は式−CH=CH−CO−R’の基であり、その際、R’はC1−C6−アルキル、特にメチル又はエチルを意味する。特に有利には、R1はH、メチル、C1−C6−アルコキシ、特にHである。
【0039】
基R2は、有利にはC12−C30−アルキル基である。さらに、基R2はC14−C28−アルキル基、有利にはC16−C24−アルキル基、特にC18−C22−アルキル基からの混合物であってよい。R2は有利には直鎖アルキル基である。
【0040】
2に関してアルキル基の混合物が存在しているということは、存在する全てのアルキル基の全数に関する統計学的平均で2つの特定のアルキル基が、2個以下のC原子分だけ異なってよく、前記混合物のそれぞれ少なくとも30%、有利にはそれぞれ少なくとも40%を占めることと理解されるべきである。殊に、これは3つの特定のアルキル基、例えばオクタデシル、エイコシル及びドコシルの混合物であり、その際、前記基のうち2つはC原子2個分だけ異なっていて、混合物の40%を上回り、かつ3つ目の基は混合物の3〜18%を占め;ここで、18を幾分下回る数か又は22を幾分上回る数のC原子を有する他のアルキル基が、ごくわずかな量で、通常2%未満で混合物中に存在してよい。
【0041】
基R3、R4、R5及びR6は、有利にはC1−C4−アルキル、特に有利にはメチルであり、特に有利には基R3、R4、R5及びR6のそれぞれ全てがメチルの意味を有する。
【0042】
成分(a)のオリゴマー化合物として特に有利なのは、繰り返し単位(Ia)
【化5】

及び3000〜4000g/モルの数平均分子量を有するオリゴマー化合物である。
【0043】
かかる化合物は、商品名Uvinul(R)5050Hでドイツ連邦共和国ルートヴィヒスハーフェン在、BASF Aktiengesellschaftから入手可能である。
【0044】
特に有利な成分(a)のオリゴマー化合物は、可能な限り多くの、特に全ての、置換基、記号及び添え字が、その有利ないしは特に有利な意味を有する化合物である。
【0045】
成分(a)のオリゴマー化合物の製造は、該化合物が商業的に入手可能でない限りにおいて、WO 94/12544に記載されている方法によって行うことができる。
【0046】
成分(b)の一般式(II)の化合物のうち、記号及び添え字が以下の意味を有する化合物が有利である:
14は、有利にはH、C1−C4−アルキル、ホルミル、アシル又はベンジル、特に有利にはH、メチル、ホルミル、アシル又はベンジル、特にHである。
【0047】
10、R11、R12及びR13は、有利にはC1−C4−アルキル、特に有利にはメチルであり、特に有利には基R10、R11、R12及びR13の全てがメチルである。
【0048】
16は、有利にはHである。
【0049】
nは、有利には2である。
【0050】
nが2である場合には、R15は有利にはC2−C22−アルキレン、特に有利にはC4−C10−アルキレン、極めて特に有利にはC6−C8−アルキレン、特にC6−アルキレンである。
【0051】
成分(b)の一般式(II)の化合物として特に有利なのは、化合物(IIa)
【化6】

であり、該化合物は、商品名Uvinul(R)4050Hでドイツ連邦共和国ルートヴィヒスハーフェン在、BASF Aktiengesellschaftから商業的に入手可能である。
【0052】
成分(b)の一般式(II)の特に有利な化合物は、可能な限り多くの、特に全ての、置換基、記号及び添え字が、その有利ないしは特に有利な意味を有する化合物である。
【0053】
一般式(II)の化合物、特に式(IIa)の化合物の製造は、該化合物が商業的に入手可能でない限りにおいて、EP−A0316582及びGB2311292に記載されている方法によって行うことができる。
【0054】
成分(c)の一般式(III)の化合物のうち、記号及び添え字が以下の意味を有する化合物が有利である:
17は、有利にはC10−C20−アルキル又は置換アリール、極めて有利にはC14−C18−アルキル又は置換フェニル、特にC16−アルキル(C1633)又は二置換フェニルである。極めて特に有利には、R17は、直鎖C16−アルキルか又は2,4−ジ−t−ブチル−フェニルである。
【0055】
一般式(III)の化合物の製造は、該化合物が商業的に入手可能でない限りにおいて、例えば文献US4128726ないしEP139919に記載されているような当業者に慣用されている公知の方法によって行うことができる。
【0056】
成分(a)及び成分(b)が存在する場合、本発明による混合物中の成分(a)対(b)の質量比は、一般的に5:1〜1:5、有利には2:1〜1:2であり、殊に有利には1.2:1〜1:1.2であり、特に有利なのは、およそ1:1の質量比の混合物である。
【0057】
成分(b)が存在しない場合、本発明による混合物中の成分(a)対(c)の質量比は、一般的に10:1〜1:2、有利には5:1〜1:1、特に有利には2:1〜1:1であり、殊に有利なのは、およそ2:1の質量比の混合物である。
【0058】
成分(a)が存在しない場合、本発明による混合物中の成分(b)対(c)の質量比は、一般的に10:1〜1:2、有利には5:1〜1:1、特に有利には2:1〜1:1であり、殊に有利なのは、およそ2:1の質量比の混合物である。
【0059】
成分(a)及び成分(b)が存在する場合、本発明による混合物中の成分(a)及び(b)の総和対成分(c)の質量比は、一般的に10:1〜1:2、有利には5:1〜1:1、特に有利には2:1〜1:1であり、殊に有利なのは、およそ2:1の質量比の混合物である。
【0060】
本発明による混合物の製造は、当業者に慣用されている公知の方法に従って行うことができる。
【0061】
有利には、成分(c)を成分(a)及び/又は(b)の溶融物に添加し、均質化し、所望の形、例えばペレット(Pastillen)に変換し、かつ冷却することができる。
【0062】
しかしながら、成分(c)及び(a)及び/又は(b)の溶液を混合し、その後溶剤を除去することもできる。
【0063】
場合により予め粉砕された生成物の混合も可能である。混合物を、場合により混合後に、例えば造粒により好適な形にすることもできる。
【0064】
従って、本発明による混合物の相応する製造法も本発明の対象である。
【0065】
殊に有利なのは、成分(c)及び(a)及び/又は(b)の化合物の以下の組合せである:
化合物(IIIa)又は(IIIb)と(Ia)との組合せ、(IIIa)又は(IIIb)と(IIa)との組合せ、並びに、(Ia)及び(IIb)からの混合物と(IIIa)又は(IIIb)との組合せ
【化7】

【0066】
殊に有利なのは、化合物(Ia)と化合物(IIIa)との組合せ、及び、化合物(Ia)と(IIIb)との組合せである。
【0067】
本発明による混合物は、光、酸素及び熱の作用に対して非生物的有機材料を安定化するための安定剤としての使用に極めて抜群に適している。本発明による混合物は、安定化すべき非生物的有機材料に、通常、所望の安定化作用を達成するために十分な濃度で添加される。有利には、本発明による混合物は該非生物的有機材料に対して0.01〜5質量%、有利には0.02〜1質量%の濃度で、該非生物的有機材料の製造前、製造中又は製造後に添加される。
【0068】
本発明による混合物は、保護すべき非生物的有機材料に、成分(a)及び/又は(b)及び(c)の予め製造された混合物として添加することができるが、しかしながら同様に、成分(a)及び/又は(b)及び(c)を保護すべき材料へ別個に添加し、その時に初めて、保護すべき材料中で該混合物を形成させることも可能である。成分(a)及び/又は(b)及び(c)を別個に添加する場合には、該添加を同時にか又は時間的にずらして行ってよく、その際、一般的に順序は重要ではない。
【0069】
非生物的有機材料とは、例えば、化粧用調製物、例えばクリーム及びローション、医薬処方物、例えば丸薬及び坐薬、写真記録材料、例えば写真乳剤、又は、プラスチック及びラッカーのための前駆体、しかしながら特にプラスチック及びラッカー自体と理解されるべきである。非生物的有機材料から物品が製造可能である。
【0070】
さらに、本発明の対象は、本発明による混合物を有利には上記濃度で含有する、光、酸素及び熱の作用に対して安定化された非生物的有機材料、殊にプラスチック及びラッカーである。
【0071】
本発明による混合物を殊にプラスチックと混合するために、安定剤又は他の添加物質をポリマーに混入するための全ての公知の装置及び方法を適用することができる。
【0072】
選択的に、本発明による混合物は成分(d)として、又は、該混合物によって安定化すべき非生物的有機材料は、付加的に少なくとも1のさらなる光安定剤及び/又はさらなる(補助)安定剤を含有する。好適な光安定剤及びさらなる(補助)安定剤は、例えば群a)〜s)から選択されている:
a)4,4−ジアリールブタジエン、
b)ケイ皮酸エステル、
c)ベンゾトリアゾール、
d)ヒドロキシベンゾフェノン、
e)ジフェニルシアンアクリレート、
f)オキサミド、
g)2−フェニル−1,3,5−トリアジン、
h)酸化防止剤、
i)ニッケル化合物、
j)一般式(I)及び(II)の化合物とは異なる立体障害アミン、
k)金属失活剤、
l)ホスファイト及びホスホナイト、
m)ヒドロキシルアミン、
n)ニトロン、
o)アミンオキシド、
p)ベンゾフラノン及びインドリノン、
q)チオ相乗剤、
r)ペルオキシド分解性化合物、及び
s)塩基性補助安定剤。
【0073】
4,4−ジアリールブタジエンの群a)には、例えば式(aa)の化合物が含まれる。
【0074】
【化8】

【0075】
該化合物は、EP−A−916335から公知である。置換基R19及びR20は相互に無関係に同じか又は異なって、有利にはC1−C8−アルキル及びC5−C8−シクロアルキルを意味する。
【0076】
ケイ皮酸エステルの群b)には、例えば、4−メトキシケイ皮酸−2−イソアミルエステル、4−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル、メチル−α−メトキシカルボニル−シンナメート、メチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート及びメチル−α−メトキシカルボニル−p−メトキシシンナメートが含まれる。
【0077】
ベンゾトリアゾールの群c)には、例えば、2−(2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−s−ブチル−5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール及び2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)−フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェノール];2−[3’−t−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル化生成物;[R−CH2CH2−COO(CH232(R=3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェニル)及びそれらの混合物が含まれる。
【0078】
ヒドロキシベンゾフェノンの群d)には、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(n−オクチルオキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸及びそのナトリウム塩、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ビススルホン酸及びそのナトリウム塩が含まれる。
【0079】
ジフェニルシアンアクリレートの群e)には、例えば、ルートヴィヒスハーフェン在、BASF AG社のUvinul(R)3035なる商品名で市販されているエチル−2−シアン−3,3−ジフェニルアクリレート、例えばルートヴィヒスハーフェン在、BASF AG社のUvinul(R)3039として市販されている2−エチルヘキシル−2−シアン−3,3−ジフェニルアクリレート、及び、例えばルートヴィヒスハーフェン在、BASF AG社のUvinul(R)3030の商品名で市販されている1,3−ビス−[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパンが含まれる。
【0080】
オキサミドの群f)には、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エトキサニリド、及び、2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−t−ブトキサニリドとのその混合物、並びに、オルト−、パラ−メトキシ二置換オキサニリドの混合物、及び、オルト−及びパラ−エトキシ二置換オキサニリドの混合物が含まれる。
【0081】
2−フェニル−1,3,5−トリアジンの群g)には、例えば、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシ−プロポキシ)−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシ−プロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシ−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシ−プロポキシ)フェニル]−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン及び2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジンが含まれる。
【0082】
酸化防止剤の群h)は、例えば以下のものを包含する:
アルキル化モノフェノール、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、非分枝鎖か又は側鎖中で分岐しているノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルウンデシ−1−イル)−フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルヘプタデシ−1−イル)−フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルトリデシ−1−イル−)フェノール及びそれらの混合物。
【0083】
アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−t−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0084】
ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0085】
トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0086】
ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオ−ビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオ−ビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(3,6−ジ−s−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0087】
アルキリデン−ビスフェノール、例えば、2,2’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス(6−t−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレン−ビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブタン、2,6−ビス(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール−ビス−[3,3−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−6−t−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ペンタン。
【0088】
ベンジル化合物、例えば3,5,3’,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、1,3,5−トリ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、ジ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−メルカプト−酢酸イソオクチルエステル、ビス−(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオールテレフタレート、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジオクタデシルエステル及び3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチルエステル、カルシウム塩。
【0089】
ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)−マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−マロネート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0090】
ヒドロキシベンジル芳香族化合物、例えば、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0091】
トリアジン化合物、例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート。
【0092】
ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル−2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ホスホン酸ジエチルエステル)、ジオクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸−モノエチルエステルのカルシウム塩。
【0093】
アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシ−ラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、2,4−ビス−オクチルメルカプト−6−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジン及びオクチル−N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0094】
β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価のアルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリット、トリス(ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート、N,N’−ビス−(ヒドロキシエチル)シュウ酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0095】
β−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価又は多価のアルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリット、トリス(ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)シュウ酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0096】
β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価のアルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリット、トリス−(ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)シュウ酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0097】
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価又は多価のアルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリット、トリス(ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)−シュウ酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0098】
β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]−プロピオニルオキシ)エチル]−オキサミド(例えば、Uniroyal社のNaugard(R)XL−1)。
【0099】
アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0100】
アミン系酸化防止剤、例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−t−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p,p’−ジ−t−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス−(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス−[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)−プロパン、(o−トリル)−ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、t−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化t−ブチル/t−オクチルジフェニルアミンからの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンからの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンからの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシル−ジフェニルアミンからの混合物、モノ−及びジアルキル化t−ブチルジフェニルアミンからの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化t−ブチル/t−オクチルフェノチアジンからの混合物、モノ−及びジアルキル化t−オクチルフェノチアジンからの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブト−2−エン、N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのジメチルスクシネート重合体[CAS番号65447−77−0](例えば、Ciba Specialty Chemicals.Inc社のTinuvin(R)622)、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−ジスピロ[5.1.11.2]−ヘイコサン−21−オンとエピクロロヒドリンとの重合体[CAS番号:202483−55−4]、例えば(Clariant社のHostavin(R)N30)。
【0101】
ニッケル化合物の群i)には、例えば、2,2’−チオ−ビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば、1:1又は1:2の錯体(場合により、付加的な配位子、例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシル−ジエタノールアミンを有する)、ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルホスホン酸モノアルキルエステル、例えばメチルエステル又はエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム、例えば、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体(場合により、付加的な配位子を有する)が含まれる。
【0102】
立体障害アミンの群j)には、例えば、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−アリル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ブチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート(n−ブチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−エステル)、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピぺリジンとコハク酸とからの縮合生成物、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−t−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとからの直鎖又は環式縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,1'−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−セバケート、ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)−スクシネート、N,N'−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖又は環式縮合生成物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−及び4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとからの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとからの縮合生成物、並びに、4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS登録番号[136504−96−6]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、4−メトキシ−メチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキソ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オキシル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとt−アミルアルコールの炭素基とからの反応生成物、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタレート、2,4−ビス{N[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン、ヘキサヒドロ−2,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1H,4H,5H,8H−2,3a,4a,6,7a,8a−ヘキサアザシクロペンタ[def]フルオレン−4,8−ジオン(例えば、ルートヴィヒスハーフェン在、BASF AG社のUvinul(R)4049)、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]])[CAS番号71878−19−8]、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン,N,N'''−[1,2−エタン−ジイル−ビス[[4,6−ビス−[ブチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]ビス[N',N''−ジブチル−N',N''−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−(CAS番号106990−43−6)(例えば、Ciba Specialty Chemicals,Inc社のChimassorb 119)が含まれる。
【0103】
金属失活剤の群k)には、例えば、N,N’−ジフェニルシュウ酸ジアミド、N−サリチラル−N’−サリチロイル−ヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)−オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジピン酸ジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)シュウ酸ジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジドが含まれる。
【0104】
ホスファイト及びホスホナイトの群l)には、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリトリットジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリットジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリットジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリトリットジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリトリットジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)−ペンタエリトリットジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(t−ブチルフェニル)ペンタエリトリットジホスファイト、トリステアリルソルビットトリホスファイト、テトラキス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−ジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチル−トリス(3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル−(3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイトが含まれる。
【0105】
ヒドロキシルアミンの群m)には、例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−メチル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、及び、水素化獣脂アミンからのN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンが含まれる。
【0106】
ニトロンの群n)には、例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、N−メチル−α−ヘプタデシルニトロン、及び、水素化獣脂アミンから製造されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロンが含まれる。
【0107】
アミンオキシドの群o)には、例えば、US特許第5,844,029号及び第5,880,191号に記載されているアミンオキシド誘導体、ジデシルメチルアミンオキシド、トリデシルアミンオキシド、トリドデシルアミンオキシド及びトリヘキサデシルアミンオキシドが含まれる。
【0108】
ベンゾフラノン及びインドリノンの群p)には、例えば、US特許第4,325,863号;第4,338,244号;第5,175,312号;第5,216,052号;第5,252,643号;DE−A−4316611;DE−A−4316622;DE−A−4316876;EP−A−0589839又はEP−A−0591102に記載されているものか、又は、3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−t−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−t−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−t−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−t−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−t−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−t−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−t−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、Ciba Specialty Chemicals社のIrganoxs HP−136、及び3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−t−ブチル−ベンゾフラン−2−オンが含まれる。
【0109】
チオ相乗剤の群q)には、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート又はジステアリルチオジプロピオネートが含まれる。
【0110】
ペルオキシド分解性化合物の群r)には、例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリルエステル、ステアリルエステル、ミリスチルエステル又はトリデシルエステル、メルカプトベンゾイミダゾール、又は、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリット−テトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネートが含まれる。
【0111】
塩基性補助安定剤の群s)には、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム及びパルミチン酸カリウム、アンチモンブレンツカテキネート又は亜鉛ブレンツカテキネートが含まれる。
【0112】
さらに、本発明による混合物は成分d)として、又はプラスチックは、他の添加剤及び添加物を含有してよい。群t)の好適な添加剤として、慣用の添加剤、例えば、顔料、染料、成核剤、充填剤又は補強剤、曇り防止剤、殺生剤及び帯電防止剤が該当する。
【0113】
好適な顔料は、無機顔料、例えば、ルチル型、アナターゼ型又はブルッカイト型の三つの変態の二酸化チタン、ウルトラマリンブルー、酸化鉄、バナジン酸ビスマス又はカーボンブラック並びに有機顔料の部類、例えば、フタロシアニン、ペリレン、アゾ化合物、イソインドリン、キノフタロン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、ジオキサジン、インダントロンの部類からの化合物である。
【0114】
染料とは、使用されるプラスチック中に完全に溶解するかもしくは分子分散した形で分布して存在する、ひいては重合体の高透明性の、非散乱性の染色に使用されうる全ての着色剤と理解されるべきである。同様に染料は、蛍光染料のように、電磁スペクトルの可視部分において蛍光を有する有機化合物とみなされるべきである。
【0115】
好適な成核剤には、例えば、無機物質、例えば、タルク、金属酸化物、例えば、二酸化チタン又は酸化マグネシウム、有利にはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;有機化合物、例えば、モノカルボン酸又はポリカルボン酸並びにそれらの塩、例えば、4−t−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;重合体化合物、例えば、イオン性共重合体("イオノマー")が含まれる。
【0116】
好適な充填剤又は補強剤には、例えば、カルボン酸カルシウム、シリケート、タルク、マイカ、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及びその他の天然産物の粉又は繊維、合成繊維が含まれる。繊維状又は粉末状の充填剤の例としてさらに、ガラス織物、ガラスマット又はガラス絹糸ロービング、ガラス片、ガラス球並びに珪灰石の形の炭素繊維又はガラス繊維が挙げられる。ガラス繊維の混入は、ガラス短繊維の形でも連続繊維(ロービング)の形でも行われうる。
【0117】
好適な帯電防止剤は、例えば、アミン誘導体、例えば、N,N−ビス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミン又は−アルキレンアミン、ポリエチレングリコールエステル及び−エーテル、エトキシ化カルボン酸エステル−及び−アミド及びグリセリンモノ−及び−ジステアレート並びにそれらの混合物である。
【0118】
本発明による混合物によって安定化されうるプラスチックとして、例えば以下のものが挙げられる:
熱可塑性エラストマー:
モノ−及びジオレフィンの重合体、例えば、低密度及び高密度のポリエチレン、ポリプロピレン、直鎖ポリブテン−1、ポリイソプレン、ポリブタジエン並びにモノ−又はジオレフィンの共重合体又は上記重合体の混合物;
モノ−又はジオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体、例えば、エチレン−アルキルアクリレート−共重合体、エチレン−アルキルメタクリレート−共重合体、エチレン−ビニルアセテート−共重合体又はエチレン−アクリル酸−共重合体;
ポリスチレン、並びに、スチレン又はα−メチルスチレンとジエン及び/又はアクリル誘導体との共重合体、例えば、スチレン−ブタジエン、スチレン−アクリロニトリル(SAN)、スチレン−エチルメタクリレート、スチレン−ブタジエン−エチルアクリレート、スチレン−アクリロニトリル−メタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)又はメチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS);
ハロゲン含有重合体、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン並びにそれらの共重合体;
α,β−不飽和酸及びそれらの誘導体から誘導される重合体、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル;
不飽和アルコール及びアミンから、もしくはそれらのアクリル誘導体又はアセタールから誘導体される重合体、例えば、ポリビニルアルコール及びポリビニルアセテート;
ポリウレタン、ポリアミド、ポリ尿素、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0119】
さらに本発明による混合物により、例えば工業塗装において、ラッカー被覆が安定化されうる。このなかでも焼き付け塗装が、このなかでもまた車両塗装、有利には2層塗装がとりわけ際立ちうる。もう一つの使用分野は、例えば建物、他の建造物又は技術的装置の外側を塗料被覆するための塗料である。
【0120】
本発明による混合物は、固体又は溶解形でラッカーに添加することができる。その際、ラッカー系におけるその良好な溶解性はとりわけ有利である。
【0121】
有利には、本発明による混合物は、例えばポリオレフィンベースの熱可塑性エラストマーを安定化するために使用される。特に、本発明による混合物は、上記材料からの成形材料の安定化において使用される。
【0122】
もう一つの有利な使用分野は、低密度及び高密度のポリエチレンの、並びにポリプロピレン及びポリアミドの、例えばまたこれからなる繊維の安定化である。
【0123】
本発明による混合物は、高いUV分及び/又は高い光強度を有する光に対する非生物的有機材料の改善された安定化を示す。さらに、本発明による混合物は容易に入手可能な出発物質に基づく。本発明による混合物により、酸素又は熱に対する非生物的有機材料の有効な保護を保証することが可能となる。
【0124】
本発明による方法の上記実施態様及び以下の実施例により、本発明を例示的に詳説する。しかしながら当業者には、特許請求の範囲を逸脱することなく、方法の他の変形及び本発明による方法の特徴の組合せが可能である。
【実施例】
【0125】
TPO板は、ポリオレフィンベースの熱可塑性エラストマーをベースとする(ポリプロピレン、AW161 C、Sumitomo Chemical Industries Co., Ltd.社製の「リアクターグレード」TPO)。
【0126】
実施例1:本発明による混合物の製造
1a)ポリ−{3−(エイコシル−テトラコシル)−1−[2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−ピロリジン−2,5−ジオン}(CAS番号152261−33−1;HALS Ia)100gを加熱により溶融させ、かつヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(IIIa)50gと混合した。均質化後、高温の混合物からペレットを成形し、該ペレットは冷却の際に固化した。
【0127】
1b)N,N'−ビスホルミル−N,N'−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ヘキサメチレンジアミン(IIa)40g及び2,4−ジ−t−ブチル−フェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート20gをドラムミキサーに一緒に投入し、強力に混合した。
【0128】
実施例2:単一成分に対する混合物の相乗効果
種々の安定剤を含有するベージュ色に着色されたTPO板を製造し、次いでSAE J 1885により耐候性試験にかけた。450MJ/m2の照射後に変色(ΔE)を測定した。結果を以下の表に示す(変色がわずかであるほど結果は良好である)。
【0129】
【表1】

【0130】
この結果に基づき、本発明による混合物(それぞれ番号2)が、HALS化合物(の混合物)を用いた相応する比較試験(それぞれ番号1)よりも良好な結果を示すことが明らかである。
【0131】
実施例3:着色されたTPO板の光沢保持性
種々の安定剤を含有するベージュ色に着色されたTPO板を製造し、次いでSAE J 1885により耐候性試験にかけた。150及び300MJ/m2の照射後に光沢保持性(60゜角で測定したもの)を測定した。光沢は表面の平滑性に関する尺度の一つである。表面が損傷されている場合、表面は粗くなり、かつ光沢値は低下する。結果を以下の表に示す:
【表2】

【0132】
*)HALS IVは、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]])(CAS番号71878−19−8、Chimassorb 944)であり;HALS Vは、N,N’’’−[1,2−エタン−ジイル−ビス[[[4,6−ビス−[ブチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]ビス[N’,N’’−ジブチル−N’,N’’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン(CAS番号106990−43−6、Chimassorb 199)である。
【0133】
該結果は、HALS及びベンゾエートの本発明による混合物が、HALS IV(番号4)ないしHALS V(番号5)を用いた比較試験に対して良好な安定化作用を示すことを明らかに示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
(a)一般式(I)
【化1】

[式中、
1は、H、C1−C30−アルキル、C2−C22−アルケニル、C1−C20−アルコキシ、シアノメチル、2−ヒドロキシエチル、ホルミル、C2−C6−アルカノイル、ベンジル又は式−CR7=CH−CO−OR8の基を表し、
2は、H、C1−C30−アルキル、C14−C28−アルキル基からの混合物を表し、
3、R4、R5、R6は、相互に無関係に同じか又は異なって、C1−C30−アルキルを表し、
7は、H、C1−C6−アルキル又は式CO−OR8の基を表し、
8は、C1−C18−アルキル、C3−C15−シクロアルキル、C7−C18−アラルキル、フェニル又はトリルを表す]
の繰り返し単位を含有するオリゴマー化合物又はその酸付加塩
及び/又は
(b)一般式(II)
【化2】

[式中、
nは、1又は2を表し、
9は、H、C1−C4−アルキルを表し、
10、R11、R12、R13は、相互に無関係に同じか又は異なって、C1−C4−アルキルを表すか、又は、R10とR11又はR12とR13は一緒になってテトラメチレン基又はペンタメチレン基を表し、
14は、H、C1−C30−アルキル、C2−C22−アルケニル、場合によりC1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ及び/又はジ−C1−C4−アルキルアミノにより置換されたC7−C12−フェニルアルキル、C1−C22−アルカノイル、C2−C3−シアンアルキル、C1−C22−ヒドロキシアルキル又はC2−C22−アミノアルキルを表し、
16は、H、C1−C30−アルキルを表し、
かつ
nが1である場合には、
15は、H、C1−C22−アルキル、C2−C22−アルケニル、C3−C12−シクロアルキル又はビシクロアルキル、シアン、ヒドロキシ又はカルボ−C1−C4−アルコキシにより置換されたC2−C22−アルキル、エーテル酸素、窒素又は硫黄により中断されたC4−C22−アルキル、場合によりC1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ又はジ−C1−C4−アルキルアミノにより置換されたC7−C22−フェニル−又はジフェニルアルキル、場合によりC1−C4−アルキル又はカルボ−C1−C4−アルコキシにより置換されたフェニル、一般式(IV)
【化3】

の基又は複素環式基を含有するC1−C22−アルキルを表すか、
又は
nが2である場合には、
15は、C2−C22−アルキレン、C5−C22−シクロアルキレン、C8−C14−フェニルアルキレン、フェニレン、又は、エーテル酸素、窒素、硫黄又は五員−又は六員複素環により中断されたC4−C30−アルキレンを表す]
の化合物又はその酸付加塩、
及び
(c)一般式(III)
【化4】

[式中、
17は、C1−C20−アルキル、アリールを表す]
の少なくとも1の化合物
及び
(d)場合により他の添加物
を含有する混合物であって、
その際、置換基R1〜R17は、それぞれ任意の位置で1以上のヘテロ原子により中断されていてよく、その際、前記ヘテロ原子の数は10以下であり、かつ/又は、それぞれ任意の位置で、但し5回以下で、C1−C30−アルキル、C1−C20−アルコキシ、アリール、複素環、ヘテロ原子又はハロゲンにより置換されていてよく、その際、これらは同様に最高で2回、有利には最高で1回、上記基か又は置換アリールで置換されていてよい、混合物。
【請求項2】
付加的に成分(d)として酸化防止剤が含まれている、請求項1記載の混合物。
【請求項3】
2がC14−C28−アルキル基からの混合物に相当し、その際、前記アルキル基のうち2つは、2個以下のC原子分だけ異なってよく、前記混合物のそれぞれ少なくとも30%を占める、請求項1又は2記載の混合物。
【請求項4】
成分(a)が、一般式(I)[式中、R3、R4、R5及びR6はCH3であり、かつR2はC16−C26−アルキルである]の繰り返し単位を有するオリゴマー化合物を含有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の混合物。
【請求項5】
成分(b)が、一般式(II)[式中、R3、R4、R5及びR6はメチルを表し、かつR2は水素原子か又はC2−C10−アルキルである]の化合物を含有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の混合物。
【請求項6】
成分(c)が、一般式(III)[式中、R17はC16−アルキルである]の化合物を含有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の混合物。
【請求項7】
成分(c)が、一般式(III)[式中、R17は2,4−ジ−t−ブチル−フェニルである]の化合物を含有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の混合物。
【請求項8】
成分(a)及び/又は(b)対成分(c)の質量比が10:1〜1:2である、請求項1から7までのいずれか1項記載の混合物。
【請求項9】
光、酸素及び/又は熱の作用に対する非生物的有機材料の安定化のための、請求項1から8までのいずれか1項記載の混合物の使用。
【請求項10】
熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン、ポリスチレン、スチレン又はα−メチルスチレンのコポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレタンから選択された少なくとも1のポリマー並びに前記ポリマーの物理的ブレンドからなるプラスチックの安定化のための、請求項9記載の使用。
【請求項11】
オレフィンベースの熱可塑性エラストマーの安定化のための、請求項10記載の使用。
【請求項12】
請求項1から8までのいずれか1項記載の少なくとも1の混合物を含有する、非生物的有機材料。
【請求項13】
請求項12記載の非生物的有機材料から製造された物品。
【請求項14】
非生物的有機材料を光、酸素及び/又は熱の作用に対して安定化させるための方法において、非生物的有機材料に、請求項1から8までのいずれか1項記載の少なくとも1の混合物を有効量で添加することを特徴とする方法。

【公表番号】特表2010−537020(P2010−537020A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522288(P2010−522288)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/EP2008/060173
【国際公開番号】WO2009/027180
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】