説明

完全統合イーサネット(登録商標)コネクタ

【課題】好適な完全統合イーサネット(登録商標)コネクタを提供すること。
【解決手段】本発明は、前面に複数のコンタクト(22)を持つオープンキャビティ(14)を備えた遮蔽されたハウジング(12)を有するコネクタジャック(10)と、内部チャンバ内に、並びに、コンタクト(22)との電気的通信時に、2つの回路基板(43、50)を持つキャビティから壁によって分離された内部チャンバ(40)とに関する。本発明の実施形態では、シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換用電子部品は小型化され、RJ-45ジャック内に完全に収納される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
本発明は一般にイーサネット(登録商標)ポート、並びに、このようなポートと関連するシリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換に関する。特に、本発明は、断面形状を縮小し、かつ、製造コストと複雑さとを低減するためにイーサネット(登録商標)ジャック内に完全に収納されるシリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換器の組立て構造および方法に関する。さらに、シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換器には汎用プログラムが可能な入出力用ピン(PIO)も含まれる。これらのPIOを用いて、マイクロコントローラを持たないデバイスの制御を行い、このようなデバイスからデータの読み出しを行うようにすることも可能である。この一体型RJ-45/変換器デバイスは、知能が
足りない(マイクロコントローラを持たない)電子デバイス用の完全なモジュラ型イーサネット(登録商標)インタフェースとして使用することが可能である。
【0002】
商標登録済みのジャック-45(RJ-45)は、ローカルエリアネットワーク(LAN)上へ、特にイーサネット(登録商標)上へマイクロコントローラベース製品のインタフェースを行うために一般に使用されるワイヤコネクタである。RJ-45コネクタは雄プラ
グと雌ジャックすなわちソケットを使用する。本発明は、電子デバイスとのインタフェースに必要な機能を一体化した、改善されたRJ-45イーサネット(登録商標)ジャックに
関するものである。
【0003】
RJ-45ジャックは、特徴的には、RJ-45プラグとその整列した電気的コンタクトとを嵌合するための並列の電気的コンタクトからなる平面アレイを一体化するハウジングから構成される。このジャック・コンタクトは、典型的にはスプリングコンタクトであり、プラグとのバイアス係合用として用いられる。
【0004】
マイクロコントローラをベースとする製品では一般にシリアル通信が利用され、RS−232[EIA−232]フォーマットでのシリアル通信の符号化が通常行われる。したがって、シリアルプロトコルをイーサネット(登録商標)信号に変換することにより、LANへのアクセスが可能となるようにする必要がある。この変換は、一般に、RS−232符号化TTLデータを受け取るシリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換器を通じて行われ、次いで、データを撚り対イーサネット(登録商標)プロトコル信号[10/100ベース-T]に透過的に変換する。従来技術では、シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換のような信号変換と条件設定とは、RJ-45ジャックに隣接したプリント回路基板(PCB)に取り付けられた、あるいは、ジャックを備えたPCBに取り付けられた部品を通じて行われてきた。
【0005】
シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換で使用されるPCB部品には、汎用マイクロコントローラ、媒体アクセスコントローラ、イーサネット(登録商標)物理層デバイス(PHY)、メモリチップ、電圧レギュレータチップ、監視回路、種々の受動素子(抵抗器、コンデンサ、インダクタ、クリスタル発振子)などの電子装置が含まれる。PCBには、一般に、隣接状態表示用または診断用発光ダイオード(LED)も含まれる。さらに、隣接PCBには、一般に、電気絶縁と、静電放電(ESD)保護と、着信する干渉信号の抑制と、放射妨害並びに伝導妨害の抑制を行うための部品が含まれる。これらの目的に使用される上記部品は、一般に、磁気絶縁変圧器およびチョーク、コンデンサ、並びに、抵抗器から構成される。これらの部品は一般に“磁気部品”と呼ばれている。
【0006】
公知の素子では、シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換と関連する多数の電子
部品は、ジャックがPCB基板に直接取り付けられる場合、一連の印刷ワイヤやディスクリートワイヤあるいはリード線を通じてRJ-45コネクタジャックと接続され、RJ-45ジャックから離れて隣接しているか、RJ-45ジャックに直接隣接しているかのいず
れかの態様をとる。メーカーはイーサネット(登録商標)−シリアル変換用モジュラ型システムの提供を試みてきたが、すべての例で、変換と関連する電子回路がRJ-45ジャッ
クハウジングの外側のPCB基板に取り付けられていた。RJ-45ジャックの標準的配
置構成並びに付随する電子回路部品とに起因して、周知のシステムでは、クリティカルな限られた空間を占める極めて大きな設置面積が必要となる。
【0007】
コネクタメーカーはコネクタの本体部分の内部に信号調整用部品とLEDとを配置しようと試みてきた。例えば、コネクタの後部に拡張したジャックハウジング内に絶縁用磁気部品およびフィルタリング用磁気部品を置いて、PCBと巻線とを収容した。状態表示用LEDがRJ-45ジャックの前面に取り付けられ、コネクタの底部から突き出る追加の
リード線を通じてこのLEDを制御した。組み込まれたLED部品の1例が米国特許出願第4,978,317号に記載されている。該特許の要旨は本願明細書で参照により援用される。公知の素子において、メーカーはシリアルから−イーサネット(登録商標)への完全な変換に必要なすべての部品を標準的ジャックハウジング内に配置することはできなかった。この点に関して、メーカーは、完全なシリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換機能を備えたモジュラ型RJ-45ジャックの提供を行うことはできなかった。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の簡単な説明)
本発明はシリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)モジュラ型変換用ジャック、並びに、同変換用ジャックの組立て製造方法に関する。本発明の実施形態では、シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換用電子部品は小型化され、RJ-45ジャック内に完全に
収納される。コントローラハードウェア、磁気部品ハードウェアおよびファームウェアを含む(但しこれらに限定されるものではない)、シリアルからイーサネット(登録商標)への変換に必要なすべての部品が上記ハードウェアおよびファームウェアと共に含まれる。制御用通信機能が、メモリ、電圧レギュレータおよび監視回路を含むICパッケージと、小型化された周辺機器チップとの中へ組み込まれ、さらに、上記制御用通信機能はジャックのハウジング内の1または2以上のPCB上に設けられる。本発明の変換用ジャックは基板メモリ上に十分な部品をさらに備え、それによって必要なすべての制御用ファームウェアが変換器内に含まれることになる。制御機能と監視機能、並びに、PIOピンの追加により、非インテリジェントデバイス(RS232シリアルデータを用いて作動できない)とのイーサネット(登録商標)接続機能を追加する措置も講じられる。IC間制御(I2C)、シリアル周辺機器用インタフェース(SPI)、コントローラエリアネットワーク(CAN)、ProfiBus、ユニバーサルシリアルバス(USB)、デュアルポートメモリ)(但しこれらに限定されるものではない)などの組み込まれたマイクロコントローラの機能に起因して、わずかな変更によりその他の通信用インタフェースを追加することも可能である。これは、イーサネット(登録商標)と他の多くのインタフェース間でモジュールが変換器として機能できることを意味するものである。
【0009】
本発明のデバイスは、簡単でかつコスト効果のある方法で新製品とのイーサネット(登
録商標)接続機能の追加をサポートするものである。本発明のデバイスは、効果的なシリ
アル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換を行うために必要なすべてのハードウェアとファームウェアとを備え、典型的RJ-45ジャックに比べて、製品のプリント回路基板間
で非常に少数の接続部(一般に10個以下)しか必要とせず、あまりスペースを必要としない。
【0010】
本発明のシリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換用ジャックは、接続ポート用として開かれた前部を画定する遮蔽されたハウジングから構成される。接続ポートはハウジングのオープンキャビティ内に配置された複数の電気的コンタクトを備え、プラグ対の片方と嵌合される。本発明のハウジングは、データのシリアル・トゥ・イーサネット(登録
商標)変換の完了に必要なすべての電気部品を収納する隔離された内部チャンバも備える
。接続ポートの電気的コンタクト部と通常の電気的通信を行っている状態で、第1、第2および第3の回路基板にはシリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)回路部品が一括して組み込まれる。第1および第2の回路基板は内部チャンバ内に略水平な平行関係に配置される。第3の回路基板は、第1と第2の回路基板に対して略垂直に配置され、前記第1と第2の回路基板と構造的に接続され、さらに、前記第1と第2の回路基板に対して構造上の支持部材が設けられる。第3の回路基板はさらに前記第1と第2の回路基板を電気的に相互に接続する。
【0011】
第1の回路基板は磁気絶縁部品とフィルタ回路部品とを備える。対向する側部を画定する第2の回路基板は、前記第2の回路基板の両側部の上部と下部に配置されたコントローラ回路部品を備える。第3の回路基板はその他の回路基板とLEDとを一体に接続するものである。
【0012】
本発明は、組込み型シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換用ジャックの形成方法をさらに含むものである。上記変換用ジャックの形成方法には、以下のステップ、すなわち、隔離された内部チャンバにオープンキャビティを設けたハウジングを提供するステップと、オープンキャビティ内に電気的コンタクトからなるアレイを配置して、コネクタポートを形成するステップと、第1と第2の回路基板をチャンバ内部に配置し、前記回路基板が略水平で平行な関係に配置されるステップと、第3の回路基板が第1と第2の回路基板に対して略垂直な関係に配置され、前記第1と第2の回路基板を電気的に接続し、この回路基板を構造的に支持するステップと、が含まれる。
【0013】
代替実施形態をさらに開示すると、これらの実施形態ではハウジングの内部チャンバ内にシリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)回路を配置する様々な方法が含まれている。第1の代替実施形態では、2枚の回路基板が開示され、第1の回路基板は内部チャンバ内に略水平に配置され、第2の回路基板は第1の回路基板に対して或る角度をつけて配置される。本発明の第3の実施形態は柔基板上に形成される複数の回路基板を開示する。この場合、該柔基板は曲げられて内部チャンバ内にぴったり取り付けられる。第4の実施形態では、本発明のコネクタジャックを形成する装置および方法が開示される。この場合、第1の回路基板は内部チャンバ内に垂直に配置され、第2の回路基板はハウジングの内部チャンバ内で第1の回路基板に対して或る角度をつけて配置される。本発明の第5の実施形態は接続ポートより下に配置された内部チャンバを提供するものであり、内部チャンバ内にシリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)回路を配置してもよい。この好ましい実施形態では、並びに、別のすべての実施形態では、内部チャンバ内で回路と電気的に接続されるリードピンがコネクタジャックの基部から突き出て、ジャックを回路基板と嵌合させる手段が与えられる。
【0014】
本発明の実施形態に関して、提案されている材料の変更あるいは代用が可能であり、その結果生じる高い効率の達成が可能である点に留意し、この点を理解されたい。材料の代用あるいは寸法は本発明の精神と範囲内にそのまま含まれるものとする。
【0015】
(発明の詳細な説明)
添付図面と関連して以下に記載するような詳細な説明は、本発明の一般に好ましい実施形態についての説明を意図するものであって、本発明の唯一の実施形態を表すものではない。本発明に対する種々の変更が様々な実施形態に含まれてもよく、このような変更は本
発明の精神と範囲内に含まれるものであることを理解されたい。
【0016】
特に、図1、2、3を参照すると、図1は、本発明のイーサネット(登録商標)コネクタ10の透視画法による正面図を示す。図2は本発明のコネクタ10の正面図を示す。図3はコネクタ10の側部断面図を示す。コネクタ10は一般に矩形のハウジング12を備える。ハウジングの前部はオープンキャビティ14を備える。メタルファラデーシールドがハウジングの上部と、両側部と、後部とをカバーし、電磁放射線(EMR)に対する保護が行われる。コネクタ10は、コネクタが取り付けられている容器と接触することによりファラデーシールドをシャーシ(EARTH)アースと接続するスプリング付勢されたアース用タブ16をさらに備える。また、コネクタ10をPCB18と電気的に相互に接続するためのリード線20のアレイが示されている。
【0017】
ハウジング12のキャビティ14は、並列の電気的コンタクト22からなる平面アレイを組み込み、キャビティ14内に接続ポートの形成に必要な電気的コンタクトを設ける。キャビティ14のサイズと寸法がとられ、コンタクト22は上記キャビティ内に置かれ、差込プラグ(図示せず)が設けられる。コンタクト22と共に設けられた上記サイズのキャビティ14によって標準RJ-45コネクタジャックが形成される。ジャック・コンタ
クト22には、差込プラグ(図示せず)と係合するためにスプリング付勢が設けられる。
【0018】
ハウジング12は、成型プラスチックから、あるいは、当業で用いる別の好適な材料から形成され、前壁24、後壁26、上壁28、底壁30、側壁32と34を備えたファラデーシールドによりカバーされる。本明細書で言及する“上部”、“底部”および“側部”という用語は本発明の説明を容易にするためのものであって、限定のための言及と解釈すべきではない。コネクタ10は製品に取り付けられた場合多くの方向に配向してもよいと考えられる。
【0019】
前壁24にはLED36と38とが設けられる。LEDは、イーサネット(登録商標)接続スピード、リンクの存在/不在、全二重/半二重、イーサネット(登録商標)の活動、シリアルポートの活動およびマイクロコントローラのエラー判定条件などの(但しこれらに限定されるものではない)シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換の種々の機能に関連する目に見える状態と障害情報とを示す。
【0020】
特に、図3と図4とを参照すると、ハウジング12は隔離された内部チャンバ40を備える。第1のPCB42は、底壁30に対して略水平かつ平行に内部チャンバ40内に配置される。第1のPCB42は、接触境界44とハンダ付けされ(そうでない場合には電気的に接続される)、これらPCB42と、接触境界44とはプラスチック製インサート内に取り付けられる。完成したインサートアセンブリはスライドして、主ハウジング12の中へパチンと嵌まる。接触境界ピン44はそれらの端部がワイパコンタクト22になるように形成される。この結果、第1のPCB42はポートキャビティ14のコンタクト22と電気的に相互に接続される。接触境界44は第1のPCB42に対して構造支持部材をさらに提供する。
【0021】
第2のPCB50も内部チャンバ40内に置かれ、底壁30に対して略水平に配置され、かつ、底壁30に対して略平行な関係に在る。第3のPCB50は、リード線54のアレイとハンダ付けされ(そうでない場合には電気的に接続される)、このPCB50と、リード線54のアレイとはそれらの端部が、ユーザのPCB20と接続する入出力用ピン20となるように形成される(詳細には、これらのピン20は、電源並びにアースと、リセットラインと、シリアルデータ入出力ラインと、ハンドシェイクラインおよびフロー制御ラインと、PIOラインとを接続する)。リード線54のアレイはプラスチック製インサート内に取り付けられる。第3のPCB50がリード線54とハンダ付けされた(そう
でない場合には接続された)後、完成したインサートアセンブリはスライドして、主ハウジング12の中へパチンと嵌まる。
【0022】
第3のPCB48は内部チャンバ40内に略垂直方向に置かれ、かつ、他方のPCB42と50とに対して略垂直な関係にある。PCB48は後壁26に隣接して配置され、形成済みのピン49と52とによって、他方のPCB42と50と構造的に並びに電気的に相互に接続する。PCB48と、形成済みのピン49と52とによって、PCB42と50との間に電気的接続が行われる。LED38は、容器12の頂部近くまで伸びるリード線(図示せず)を備え、さらに、これらのリード線はPCB48内の孔とも接続する。この接続によってLED38と制御PCB50間に電気的接続が得られる。
【0023】
第1のPCB42と第2のPCB50には、データのシリアル・トゥ・イーサネット(
登録商標)変換の完成に必要な電子回路部品が一括して組み込まれている。PCB42に
は、絶縁変圧器と、同相チョークと、終端抵抗器と、(ESDおよび電圧サージ用の)高電圧放電コンデンサとを含む(但しこれらに限定されるものではない)回路の磁気部品部が含まれる。この実施構成では、PCB48は単に電気的相互接続を行うためにのみ使用されているが、必要な場合、回路部品用とし使用することも可能である。
【0024】
PCB50は、シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換の制御機能に必要な電子回路部品のすべてを一体化する。基板PCB50上の電子部品には、(本発明用としてASICの形で組み合わされた)マイクロプロセッサとイーサネット(登録商標)コントローラ、不揮発性メモリ(本発明で用いるフラッシュメモリ)、電圧レギュレータ、電圧監視回路、クリスタル発振子、抵抗器、コンデンサ、フェライトビーズ(本発明で用いる表面取り付け用ビーズ)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0025】
作動中、完全なアセンブリが或る装置または機器の一部であるPCBにマウントされる。シリアルデータと汎用PIOデータとがリード線20のアレイを介して装置から流れ出し、PCB42、48、50上へ一括して組み込まれた回路により処理される。PCB42は、プラグ(図示せず)と嵌合されるコンタクト22と相互に接続され、イーサネット(登録商標)データを効果的に伝送する。イーサネット(登録商標)データは、ワイパコンタクト22を介してイーサネット(登録商標)ポートから流れ出し、PCB42、48、50上へ一括して組み込まれた回路により該データは処理され、リード線ピン20を通じてシリアルデータと汎用汎用PIOデータとして外部装置の中へ流れ出ることもできる。制御回路、磁気回路並びにLED回路をPCB42、48、50間で入れ替えることが可能であること、および、個々のPCBの42、48、50の片側または両側に部品を配置してもよいことが本発明によりさらに想定されている。
【0026】
特に図5を参照すると、PCB50のコントローラ部品のブロック図が示されている。コントローラブロック56はシリアルとイーサネット(登録商標)間での変換のすべてを処理する。この処理には、デジタル(シリアル)信号とアナログ(イーサネット(登録商標))信号との処理、並びに、必要なコード・プロトコル変換が含まれる。コントローラブロック56は、以下さらに詳細に説明するイーサネット(登録商標)インタフェース58を介してイーサネット(登録商標)との通信を行う。フラッシュメモリ66は、コントローラブロック56がその機能の実行に利用するソフトウェアを格納する。監視回路68は、PCB10ピン64を通じて入ってくる印加電圧を監視する。監視回路68は、電圧降下が低すぎる場合、あるいは、PCB10ピン64からの出力信号がシステムリセットを要求する場合、コントローラブロックのリセットを行う。パワーフィルタ60は、入力印加電圧からノイズを除去し、電源ラインを通じてシリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換器から外界へ送信される可能性のあるいずれのノイズも減少させる。2.5Vの電力供給
装置62は、本発明でコントローラブロックが必要とする第2の印加電圧を出力する。シ
リアルデータはPCB10ピン64を介してコントローラブロック間を往来して外部装置へ伝送される。(PCB10ピン64を介して接続された)フロー制御ラインとハンドシェイクラインとは、シリアルデータ列の制御に用いられる標準的信号である。コントローラブロックは、PCB10ピン64を介して接続するPIOラインを通じて外部装置との通信を行うことができる。図5に図示のような部品が具体的に特定されてはいるが、シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換機能の制御を完成するいずれの制御回路も本発明により想定されていると理解されたい。
【0027】
特に図6を参照すると、PCB42の中へ組み込まれた磁気部品の概略図が示されている。コントローラ50から出された送出イーサネット(登録商標)信号70aは絶縁変圧器74を通り抜ける。これによって、イーサネット(登録商標)デバイス間のDC結合問題はいずれも取り除かれることになる。送出信号は同相チョーク78を通り抜ける。これによって(放射並びに伝導される)スプリアス発射が低減する。送出信号はRJ-45ジャッ
クのコンタクト72aを通じてイーサネット(登録商標)ケーブルと接続する。着信するイーサネット(登録商標)信号はコンタクト72cを通ってジャックの中へ入り、同相チョーク80を通り抜ける。これによってデバイスの中へ伝導されるスプリアス同相ノイズが低減する。信号は絶縁変圧器76を通り抜け、ピン52と26との中を通って制御ボード50へ達する。絶縁変圧器74と76のセンタタップ70bと70cは、制御ボード50上の送受信回路における適正なDCバイアスレベルの設定に利用される。またこれらのセンタタップはピン52と26とを介して制御ボード50とも接続されている。
【0028】
RJ-45コンタクト72cのうち4つのコンタクトはイーサネット(登録商標)信号用
としては使用されない。これらのコンタクトはマッチングレジスタ82cと82d並びにコンデンサ84を介してアースと終端され、ノイズとDCトランジェントとの低減が図られる。コンタクト72aと72cに存在する、イーサネット(登録商標)ケーブルのDCトランジェント(“ESD”)は抵抗器82aと82bとを介してアースヘ放電を行うことにより低減される。
【0029】
本発明によって、シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)ジャックデータ変換の磁気部分全体を完成することになる同様の部品のいずれの構成も本発明により想定されているという点を理解し、この点を考慮されたい。本開示を行うために、磁気部品という用語には図6に記載のような部品が含まれるものとする。
【0030】
特に図7を参照すると、本発明の代替実施形態が示されている。図7に図示のような代替実施形態のコネクタは、図1〜図4に図示の実施形態と構造上類似しているが、下記に強調する区別のみが存在する。すなわち、内部チャンバ40内に2つのPCB86と88とが配置されている。第1のPCB88は底壁30aに対して略平行に配置される。第2のPCB86は、内部チャンバ40内にぴったり合うようにPCB88に対して或る角度をつけた関係に配置される。PCB86と88とは電気回路部品を一括して組み込み、シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換の完成を図る。PCB86はリードアレイ20aと相互に接続される。PCB86は制御回路のすべてを備え、部品は前記PCBの上面と底面とに相互に接続される。PCB86はPCB88と相互に接続されている。PCB88はPCB86の下側面に形成される回路の磁気部品部を備える。LED38aと36a(図示せず)はリード線14aを通じてPCB86とも接続する。PCB88はコンタクト22aと相互に接続される。
【0031】
特に図8を参照すると、本発明の代替実施形態が示されている。図8に図示のような代替実施形態のコネクタは図1〜図4に図示のような実施形態と構造上類似しているが、下記に強調する区別のみが存在する。すなわち、普通の柔基板(さらに詳しく言えば、剛/柔PCB90、92、94、と96)が内部チャンバ40bにぴったり合うように形成さ
れる。剛/柔PCB90、92、94、96は電気回路部品を一括して組み込み、シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換を完成する。PCB92、94、96の剛部に電気部品と磁気部品とを取り付けることができる。剛部92、94、96間の電気的接続が柔部90で行われる。剛部96はリードアレイ20bと電気的に接続される。剛部92とおそらく94上に組み込まれた磁気回路と共に、剛部96とおそらく94上へ制御回路を一括して組み込むことができる。LEDはリード線14bを通じて剛部96と接続する。剛部92はコンタクト22と電気的に接続される。制御回路、磁気回路およびLED接続部は剛部92、94、96間で入れ替え可能であることがさらに想定されている。
【0032】
特に図9を参照すると、本発明に対する代替実施形態が示されている。図9に図示のような代替実施形態のコネクタは、実施形態図1〜図4に図示のものと構造上類似しているが、下記に強調する区別のみが存在する。すなわち、内部チャンバ40c内に2つのPCB98と100とが配置される。第1のPCB98は後壁26に対して平行な関係で略垂直に配置される。第2のPCB100は内部チャンバ40cにぴったり合うようにPCB98に対して或る角度をつけた関係に配置される。PCB98と100はシリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)データ変換を完成するために電気回路部品を一括して組み込む。PCB100はリードアレイ20cと相互に接続される。PCB100は制御回路のすべてを備え、部品は前記PCBの上面と底面とに相互に接続される。PCB98はPCB100と相互に接続される。PCB98は回路の磁気部品部を備える。PCB98はコンタクト22cと相互に接続される。PCB100はLED38cおよび36cと相互に接続される。
【0033】
特に図10を参照すると、本発明の代替実施形態が示されている。図10に示すような代替実施形態のコネクタは図1〜図4に図示の実施形態と構造上類似した接続ポートを備えているが、ポートの後部に配置される内部チャンバを備えていない。
【0034】
図10に図示の代替実施形態では内部チャンバ102はポートキャビティ14dの下に配置されている。内部チャンバ102内には、電気回路部品を組み込む少なくとも1つのPCBが中に配置され、シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)ジャックデータ変換の完成が図られる。図4、図7〜9の内部チャンバに関して記載されている種々の方法で、シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)回路を内部チャンバ102内へ組み込むことが可能であることが本発明により想定されている。
【0035】
本発明の方法並びに上記方法に基づいて使用される装置に対する追加の変更は当業者には自明である。このような追加の変更は本発明の精神と範囲内に属するものと理解されたい。
【0036】
図面を参照するとき本発明の上記特徴並びにその他の特徴はさらに明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は本発明のイーサネット(登録商標)コネクタの正面透視図である。
【図2】図2は本発明のイーサネット(登録商標)コネクタの正面図である。
【図3】図3は本発明のイーサネット(登録商標)コネクタの側部断面図である。
【図4】図4は本発明のイーサネット(登録商標)接続部の側部断面図である。
【図5】図5は本発明のイーサネット(登録商標)コネクタ用シリアル・トゥ・イーサネット(登録商標)変換用電気部品回路のブロック図である。
【図6】図6は本発明のイーサネット(登録商標)コネクタ用ピン入出力結線図である。
【図7】図7は、ハウジングの内部チャンバ内に角度をつけて配置された回路基板と組み合わされた水平な回路基板を示す本発明の代替実施形態の側部部分断面図である。
【図8】図8は、ハウジングの内部チャンバとぴったり合うように取り付けられた普通の柔基板上に置かれた回路基板を示す本発明の代替実施形態の側部部分断面図である。
【図9】図9は、垂直に配置された回路基板と、ハウジングの内部チャンバ内に角度をつけて配置された回路基板とを示す本発明の代替実施形態の側部断面図である。
【図10】図10は接続ポートの下に配置された内部チャンバを示す本発明の代替実施形態である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載されているモジュラ型通信用ジャック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−26776(P2009−26776A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287207(P2008−287207)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【分割の表示】特願2003−586971(P2003−586971)の分割
【原出願日】平成15年4月8日(2003.4.8)
【出願人】(504384619)ラントロニックス, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】