説明

定着用回転体及びこの定着用回転体を搭載する定着装置

【課題】 剥離オフセットと加圧ローラトナー汚れの抑制が両立できる定着用回転体、及び定着装置を提供すること。
【解決手段】 少なくとも基材と離型層を有する定着用回転体の離型層が、フッ素樹脂に、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレートの中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーと、モノマー電解質とを含有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に搭載する定着装置に用いれば好適な定着用回転体、及びこの定着用回転体を有する定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式のプリンタや複写機に搭載する定着装置として、ハロゲンヒータと、このハロゲンヒータにより加熱される定着ローラと、その定着ローラと接触してニップ部を形成する加圧ローラと、を有する熱ローラ方式のものがある。
【0003】
また、定着装置として、セラミックス製の基板上に発熱抵抗体を有するヒータと、このヒータに接触しつつ移動する定着フィルムと、その定着フィルムを介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有するフィルム加熱方式のものがある。
熱ローラ方式、或いはフィルム加熱方式の定着装置は、何れも未定着トナー画像を担持する記録材をニップ部で挟持搬送しつつ記録材にトナー画像を加熱定着するものである。
【0004】
これらの方式に用いられる定着ローラや定着フィルム(以後定着部材と称す)、そして加圧ローラの表層にもトナーの付着を防止するために離型層を設けるのが一般的であり、フッ素樹脂が好適に用いられる。
【0005】
しかしながら、フッ素樹脂は高絶縁材料であるため、帯電しやすく静電気が逃げにくい性質を持つ。このため、未定着トナー画像を担持した記録材が定着装置のニップ部に搬送されると、未定着トナーが電気的に定着部材表面に付着し、定着部材の周回時に記録材に定着する、いわゆる静電オフセット画像が発生してしまうことがある。
【0006】
静電オフセットの種類はいくつかあるが、記録材後端が定着装置を抜ける際の剥離帯電によって定着部材表面が局所的に強く帯電し、それによってその帯電部位が記録材に対向したときにオフセット電界が形成されて静電オフセットが発生するものがある。これは画像上主走査方向に一直線に発生する。(以後剥離オフセットと称す)
この剥離オフセットは非常に強く定着部材表面が帯電するため、静電オフセットのいくつかの種類の中でも醜い画像不良として現れてしまう。
【0007】
従って、定着部材離型層のフッ素樹脂が剥離帯電しないように、或いは剥離帯電したとしても速やかに減衰するようにフッ素樹脂に帯電制御剤を分散させた提案や、オフセット電界を打ち消すような電圧を加圧ローラに印加する提案がされている。
例えば、特許文献1には内部に発熱体を有する定着部材と、定着部材に対向して回転自在に配設された加圧ローラとを備えた定着装置において、上記加圧ローラは、導電性の芯金上に弾性層を有し、弾性層上に導電性PFAチューブの表層が形成されている定着装置が提案されている。
【0008】
また、特許文献2には加圧ローラの最外層に絶縁表層を有し、その内側に少なくとも1層の電圧が印加される低抵抗層を有し、かつ加圧ローラの両端側面が絶縁体で被覆された構造から成る事を特徴とする加圧ローラと定着装置が提案されている。
また、特許文献3にはフッ素樹脂とフルオロアルキルスルホン酸塩とを含有し、導電性粒子を含有しないフッ素樹脂組成物が提案され、複写機、プリンタへの適用も記されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平04−019687号公報
【特許文献2】特許第3102317号公報
【特許文献3】特開2008−222942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の構成では剥離オフセットとトナー汚れに関して以下のような課題を持っている。
まず初めにトナー汚れについて説明する。トナー汚れは加圧ローラ表層にオフセットトナーが付着堆積することであり、あるタイミングで記録材裏面に塊としてトナーが付着し、画像不良となる。
【0011】
ここで、加圧ローラ表層に導電性PFAチューブを設ける従来例の場合、加圧ローラのトナー汚れが生じ易い。この導電性PFAチューブは導電性を出すために絶縁性PFAにカーボンを添加しており、導電性材料を含有しない絶縁性のPFAチューブに比べて剥離オフセットは優れるがトナーの離型性が劣っている。
なお、カーボンの添加量を減らすことで離型性は向上するものの、逆に剥離オフセットは悪化していくため、カーボン添加での導電性PFAチューブは剥離オフセットと加圧ローラ汚れがトレードオフの関係にある。
【0012】
また、加圧ローラ表層に絶縁PFAチューブを用い、その内側に少なくとも1層の低抵抗層を有し、その層に電圧を印加する構成においては、非常に高い印加電圧値が必要であった。これは、通紙により定着部材表層が強く剥離帯電することで形成されるオフセット電界を、電圧印加により打ち消す必要があるからである。この場合、PFAチューブ表面に部分的な絶縁破壊によるリークなどが発生し易くなってしまう。
また、カーボンの添加量を徐々に減らしつつ電圧を印加させながら剥離オフセットと加圧ローラ汚れを検討したが、剥離オフセットと加圧ローラ汚れの両立は出来なかった。
【0013】
一方、フッ素樹脂(PFA)にフルオロアルキルスルホン酸塩を含有したチューブは絶縁PFAチューブに比べ、紙との摩擦帯電特性は良化する傾向にあるが、剥離帯電部分の電荷減衰能力は無いため剥離オフセットに対する効果が見られない。
【0014】
ここで、前述の通り加圧ローラトナー汚れを抑制する為には、加圧ローラ離型層に離型性の高い材質を用いることが好ましいが、その場合剥離オフセットが悪化してしまう。つまり、加圧ローラ離型層の材質に寄らず定着用回転体での剥離オフセット抑制が求められていた。
従って、本発明の目的は剥離オフセットと加圧ローラトナー汚れの抑制が両立できる定着用回転体、及び定着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述の課題を解決するための本発明は、加圧部材と記録材を挟持搬送しつつ、記録材上のトナー像と接して加熱するための定着用回転体であって、少なくとも基材と離型層を有する定着用回転体において、前記離型層が、フッ素樹脂に、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレートの中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーと、モノマー電解質と、を含有していることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、定着用回転体と、前記定着用回転体と共に画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱するためのニップ部を形成する加圧部材と、を有する定着装置において、
前記定着用回転体が少なくとも基材と離型層を有し、前記離型層が、フッ素樹脂に、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレートの中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーと、モノマー電解質と、を含有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、加圧ローラ離型層の材質に寄らず剥離オフセットを抑制できるため、剥離オフセット抑制と加圧ローラ汚れ防止の両立が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】定着装置の概略構成図
【図2】耐熱性ベルトの層構成図
【図3】実施例18の説明図
【発明を実施するための形態】
【0019】
(1)定着装置6
定着装置を搭載する画像形成装置は、周知の構成なので説明は割愛する。図1は本例で用いた定着装置6の概略構成模型図である。21は横断面略半円弧状・樋型で、図面に垂直方向を長手とする横長のフィルムガイド部材(ステイ)、22はこのフィルムガイド部材21の下面の略中央部に長手に沿って形成した溝内に収容保持させた横長のヒータ、23はこのヒータ付きのフィルムガイド部材21にルーズに外嵌させたエンドレスベルト状の耐熱性ベルト(定着フィルム)である。これら21〜23が本実施例の加熱部材を構成している。24は耐熱性ベルト23を挟ませてヒータ22の下面に圧接させた加圧部材としての加圧ローラである。
【0020】
Nは耐熱性ベルト23を挟ませてヒータ22と加圧ローラ24によって形成した定着ニップ部である。加圧ローラ24は、駆動源Mによって回転駆動される。フィルムガイド部材21は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイト)や液晶ポリマー等の耐熱性樹脂の成形品である。
【0021】
ヒータ22は、アルミナ、AlN等の横長・薄板状のヒータ基板22a、その表面側(フィルム摺動面側)に長手に沿って形成具備させた線状あるいは細帯状のAg/Pdなどの抵抗発熱体22b、ガラス層等の薄い表面保護層22c、ヒータ基板22aの裏面側に配設したサーミスタ等の温度検知素子22d等からなる全体に低熱容量のセラミックヒータである。このセラミックヒータ22は発熱体22bに対する電力供給により迅速に昇温した後、温度検知素子22dを含む電力制御部により所定の定着温度(制御目標温度)を維持するように制御される。
【0022】
耐熱性ベルト23は、熱容量を小さくして装置のクイックスタート性を向上させるために、膜厚を総厚400μm以下、好ましくは50μm以上300μm以下とした複合層フィルムである。
加圧ローラ24は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金24aと、ゴム弾性層24b、離型層24c等からなる。
必要に応じて、定着ニップ部Nで記録材P上のトナーを電気的に記録材上に保持させるための電圧印加回路(電圧印加手段)25を耐熱性ベルト23に電気的に接続しても良い。
耐熱性ベルト23に接続する場所は導電性を有する部分であれば特に限定されず、適宜最適な場所を選択すれば良い。また、本件の発明の範囲を超えなければ、電気的な接続のために耐熱性ベルト23の層を増やすことは何ら問題ない。
【0023】
なお、電圧印加回路は耐熱性ベルト23に接続しても良いし、加圧ローラ24に接続しても良い。また、電圧印加回路を定着ベルト23と加圧ローラ24に別々に接続しても良い。
【0024】
耐熱性ベルト23は、少なくとも画像形成実行時に加圧ローラ24が矢印bの反時計方向に回転駆動されることで、加圧ローラ24の回転に従動する。つまり、加圧ローラ24を駆動すると定着ニップ部Nにおいて加圧ローラ24と耐熱性ベルト23の外面との摩擦力で耐熱性ベルト23に回転力が作用するのである。耐熱性ベルト23が回転している際には、耐熱性ベルト内面が定着ニップ部Nにおいてヒータ22の表面である下面に密着して摺動する。この場合、耐熱性ベルト23の内面と、これが摺動するヒータ22下面との摺動抵抗を低減するために両者間に耐熱性グリス等の潤滑剤を介在させるとよい。
記録材Pが定着ニップ部Nで挟持搬送されることにより記録材Pに担持されたトナー像は加熱定着される。そして、定着ニップ部Nを通った記録材Pは耐熱性ベルト23の外面から分離されて搬送される。
【0025】
本例のようなフィルム加熱方式の定着装置6は、熱容量が小さく昇温の速いヒータ22を用いることができ、ヒータ22が所定の温度に達するまでの時間を大きく短縮できる。常温からでも容易に高温に立ち上げることができるため、非プリント時に装置が待機状態にあるときのスタンバイ温調をする必要がなく省電力化できる。また、回転する耐熱性ベルト23には定着ニップ部N以外には実質的にテンションが作用しておらず、ベルト寄り移動規制手段としては耐熱性ベルト23の端部を単純に受け止めるだけのフランジ部材のみを配設している。
【0026】
(2)耐熱性ベルト23
定着装置6における耐熱性ベルト23について、それを構成する材料、成型方法等を以下に詳細に説明する。
【0027】
2−1)定着ベルト23の層構成
図2は定着ベルト23の層構成模型図である。定着ベルト23は、少なくとも基材23aの外周に、
1:フッ素樹脂にポリフッ化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレートの中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーとモノマー電解質を含有した離型層23d。
を積層した定着用回転体である。必要に応じて、以下の層を付け加えても良い。
2:シリコーンゴムに代表されるような柔軟で耐熱性のある材料からなる弾性層23b。
3:弾性層23bと離型層23dを接着させるための接着層23c。
また、本発明の機能を損なわない範囲であれば上記層の複数化は何ら問題ない。
【0028】
2−1−1)基材23a
基材23aとしては、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、ニッケルなどの金属や合金、ポリイミドなどの耐熱性樹脂が用いられる。
【0029】
2−1−2)弾性層23b
弾性層23bは、定着時にトナーとの接触面積を多くするべく、弾性を耐熱性ベルト23に付与させるものである。
このような機能を発現させる上で、フィラーの種類や添加量に応じて、弾性を調整することができるため、弾性層23bは付加硬化型シリコーンゴムの硬化物で構成することが好ましい。また、その架橋度を調整することで、弾性を調整することもできる。
基材23a上への弾性層23bの形成は公知の成型法、例えばリングコート法、ビーム塗工法等により形成すればよい。
【0030】
2−1−3)接着層23c
接着層23cはシリコーンゴム接着剤タイプとシリコーンプライマータイプのどちらを用いても構わない。シリコーンゴム接着剤タイプであれば、以下の材料を用いることで弾性層23bと離型層23dを強固に接着することが可能となる。
タイプA:市販されている付加型シリコーンゴム接着剤。
タイプB:接着性付与剤を配合していない付加型シリコーンゴム組成物に接着性付与剤を配合した組成物。
シリコーンゴム接着剤には、充填剤として各種の導電性付与剤、または帯電防止剤を使用しても良い。例えば、導電性付与材としては導電性カーボンブラック、グラファイト、銀、銅、ニッケルなどの金属粉、導電性亜鉛華、導電性炭酸カルシウム、カーボン繊維などがあるが導電性カーボンブラックが一般的である。
【0031】
また、帯電防止剤としてはポリエーテル系やイオン導電性帯電防止剤等を用いれば良いが、耐熱性の面でイオン導電性帯電防止剤が好ましく、リチウム塩、カリウム塩が好適である。
【0032】
2−1−4)離型層23d
耐熱性ベルト23に具備される離型層23dは、トナーに対する離型性は純粋なフッ素樹脂の特性を維持しつつ、電荷減衰性能が高いことが特徴である。それは、メインバインダーのフッ素樹脂に含有させる添加剤が少量で電荷減衰性能が高いことによるものである。
【0033】
まず、耐熱性ベルト23の離型層23dは、メインバインダーのフッ素樹脂に、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)の中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーと、モノマー電解質とを含有している。
具体的なフッ素樹脂を列挙すれば次の通りである。ポリビニリデンフルオライド、ポリフッ化ビニルなどの単独ポリマー、エチレンと4フッ化エチレンとの2元共重合体(以下ETFEと略す)、エチレンと3フッ化塩化エチレンとの2元共重合体、4フッ化エチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの2元共重合体(以下PFAと略す)、4フッ化エチレンと6フッ化ポリプロピレンとの2元共重合体などである。なかでも成形性、耐熱性、耐屈曲性などの点からPFAとETFEとがより好ましい。
メインバインダーのフッ素樹脂に含有させるポリマーとしてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が好ましい。
【0034】
上記ポリマーを添加することで以下の効果が生じている。離型層23dのメインバインダーであるフッ素樹脂中では、フッ素樹脂が高い結晶性を有する為、後述するモノマー電解質を単独で含有させるだけでは乖離した電解質のイオン移動度が十分確保できない。
【0035】
そこで、フッ素樹脂中に含有させる電解質をポリマー電解質(モノマー電解質+ポリマー)として少量添加することでポリマー内でのイオンの移動が可能となり、フッ素樹脂本来の特性を失うことなく、大幅に電解質のイオン移動度を上げることが出来ていると推測している。前記選択されるポリマーは鋭意検討の結果、好ましいことが検討により見出された。
【0036】
前記ポリマーの中でも、溶媒との親和性、熱的及び化学的安定性、フッ素樹脂との相溶性の観点よりポリフッ化ビニリデン(PVDF)が好ましい。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のフッ素樹脂に対する添加量はフッ素樹脂100部に対して0.05部以上5部以下が好ましい。ここで添加量には溶剤の量は含まない原料のみの量である。0.05部以下では電荷減衰効果が不足し、5部以上では加工性が悪化する。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)は単独で用いても良いし混合で用いても良い。
メインバインダーのフッ素樹脂に含有させるモノマー電解質としては、高耐熱性の観点よりフッ素系の界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤の中では、フルオロアルキルスルホン酸誘導体のスルホン酸、ジスルホン酸、スルホンイミド、スルホンアミドから選ばれる以下の物質が好適に用いられる。
【0037】
例えばスルホン酸としては、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸アンモニウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸カリウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸ナトリウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸アンモニウム、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸カリウム、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸リチウム、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸ナトリウム、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸アンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム、ノナフルオロブタンスルホン酸リチウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、ノナフルオロブタンスルホン酸アンモニウム、ペルフルオロブタンスルホン酸カリウム、ペルフルオロブタンスルホン酸リチウムなどである。
【0038】
ジスルホン酸としては、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸二カリウム塩、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸二ナトリウム塩、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸二アンモニウム塩、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸二リチウム塩などである。
【0039】
スルホンイミドとしては、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドカリウム塩、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドリチウム塩、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドナトリウム塩ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドアンモニウム塩、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドカリウム塩、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドナトリウム塩、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドアンモニウム塩、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドリチウム塩、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドカリウム塩、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドナトリウム塩、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドアンモニウム塩、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドリチウム塩などである。
【0040】
スルホンアミドとしては、トリフルオロメタンスルホンアミドカリウム塩、ペンタフルオロエタンスルホンアミド、ペンタフルオロエタンスルホンアミドカリウム塩、ヘプタフルオロプロパンスルホンアミド、ヘプタフルオロプロパンスルホンアミドカリウム塩、ノナフルオロブタンスルホンアミドカリウム塩などである。
【0041】
フルオロアルキルスルホン酸誘導体は分解温度が非常に高温で、高イオン電導性を有しているため、フッ素樹脂に含有させるのに適している。フルオロアルキル酸誘導体のフッ素樹脂に対する添加量はフッ素樹脂100部に対して0.05部以上5部以下が好ましい。ここで添加量には溶剤の量は含まない原料のみの量である。0.05部以下では電荷減衰効果が不足し、5部以上では加工性が悪化する。
【0042】
フッ素樹脂への含有は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)の中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーと、モノマー電解質とをフッ素樹脂に混ぜて溶融させることで行えば良い。
前記材料を用いて、公知の成型法、例えば押し出し成型法などでチューブ形状にしたものが強度、耐久面で優れるため好ましい。
離型層23dのフッ素樹脂チューブは接着層23cを塗布後に被覆させても良いし、金型に予めフッ素樹脂チューブをセットする方式を用いて成型しても良い。
耐熱性ベルト23に具備される離型層23dは、トナーに対する離型性は純粋なフッ素樹脂の特性を維持しつつ、電荷減衰性能が高いことが特徴であるが、併せて耐熱性ベルト23の接着層23cを低抵抗化または帯電防止性能を付与することで、更に良好な電荷減衰性能を有する耐熱性ベルト23とすることが出来る。
【0043】
また、耐熱性ベルト23に電圧印加手段により電圧を印加することで、剥離オフセットを抑制する効果を更に高めることが出来る。電圧印加手段は耐熱性ベルト23に設けても良いし、耐熱性ベルト23と加圧ローラ24の両方に設けても良い。
【0044】
ここで、本例のようなフィルム加熱方式以外の方式、例えば定着用回転体として熱ローラを用いる方式等においても、前述した離型層、弾性層、離型層と弾性層を接着させる接着層、及び前記電圧印加手段に関する構成を本件にて開示される実施形態に適合させることで同様な効果を得ることが出来る。
【0045】
以下に、実施例を用いてより具体的に本発明を説明する。
【0046】
(実施例1)
まず、耐熱性ベルトの基材23aに外形Φ30、厚み30μmのSUS材を用い、基材の上にアルミナフィラーを添加したシリコーンゴム弾性層23bを250μm形成した。(以後ベルト状成形物Aと称す)
次に接着層23cとして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)に導電性カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC600−JD(商品名、ライオン製)を添加し、体積抵抗値を10Ω・cmに調整したものを用いてベルト状成形物A上に20μmの厚さで均一塗布した。(以後ベルト状成形物Bと称す)
離型層23dは厚み25μmのチューブ形状とし、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)0.5部、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)0.5部を含有させたものを用いた。
【0047】
上記した離型層23dであるフッ素樹脂チューブをベルト状成形物B上に被覆し、200℃で4時間加熱硬化を行った後、余分な端部部分をカットすることで本実施例の耐熱性ベルト23を得た。
加圧ローラ24は、芯金24aに外形Φ23の鉄材を用い、芯金24aの上に導電シリコーンゴム弾性層24bを肉厚3.5mmで構成し、最外層の離型層24cとして厚み50μmの絶縁PFAを被覆したものを用いた。
耐熱性ベルト23の基材23aに電圧印加回路25よりマイナス600V印加し、加圧ローラ24の芯金24aは接地した。
【0048】
(剥離オフセット評価)
以下の手法で剥離オフセットを評価した。本実施例の定着装置を、LBP(レーザービームプリンター)であるHP−Laser Jet P4515(A4 60枚/分)に組み込み、Neenah Paper社製のNeenah Bond 60g/m2紙を低温低湿環境(15℃/10%)に放置した紙にハーフトーン画像パターンを連続50枚通紙して剥離オフセットを評価した。なお、本評価に用いているトナーはマイナス極性に帯電する特性を持つネガトナーを用いて評価している。
【0049】
評価は以下のように分類した。
◎:全く発生しない。
○:極軽微かつ部分的に発生する。よく見れば判るレベル。
△:軽微かつ部分的に発生する。問題ないレベル。
×:長手全域にシャープなスジ状で発生する。
【0050】
(トナー汚れ)
トナー汚れの評価には炭酸カルシウムを填料としたBoise Cascade社製の75g/m2(商品名:X−9)を用いて評価した。
【0051】
上記LBP及び本実施例の定着装置を用いて、低温低湿環境下(15℃/10%)で2枚通紙後10分放置を繰り返すプリントモードで5000枚通紙して加圧ローラ汚れを評価し、以下のように分類した。
◎:全く発生しない。
○:加圧ローラに軽微な汚れが発生するが、紙上には付着しない。
×:加圧ローラが醜く汚れ、紙上にも付着する。
【0052】
(実施例2〜4)
離型層23dのフッ素樹脂チューブのメインバインダーであるPFA100部に対する、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の配合を表1に記載したように変更した以外は実施例1と同様とする。
【0053】
(実施例5〜7)
離型層23dのフッ素樹脂チューブのメインバインダーであるPFA100部に対する、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)の配合を表1に記載したように変更した以外は実施例1と同様とする。
【0054】
(実施例8)
離型層23dのフッ素樹脂チューブを、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、ポリアクリルニトリル(PAN)0.5部、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
【0055】
(実施例9)
離型層23dのフッ素樹脂チューブを、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、ポリメチルメタクリレート(PMMA)0.5部、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
【0056】
(実施例10)
離型層23dのフッ素樹脂チューブを、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)0.5部、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸二リチウム塩(LiO3SCF2CF2CF2SO3Li)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
【0057】
(実施例11)
離型層23dのフッ素樹脂チューブを、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)0.5部、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドカリウム塩(CF2(CF2SO2)2NK)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
【0058】
(実施例12)
離型層23dのフッ素樹脂チューブを、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)0.5部、ノナフルオロブタンスルホンアミドカリウム塩(C4F9SO2NHK)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
【0059】
(実施例13)
接着層23cとして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)に導電性カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC600−JD(商品名、ライオン製)を添加し、体積抵抗値を1011Ω・cmに調整したものを用いた以外は実施例1と同様とする。
【0060】
(実施例14)
接着層23cとして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)にモノマー電解質としてトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)を添加し、体積抵抗値を1013Ω・cmに調整したものを用いた以外は実施例1と同様とする。
【0061】
(実施例15)
接着層23cとして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)に導電性カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC600−JD(商品名、ライオン製)とモノマー電解質としてトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)を添加し、体積抵抗値を1012Ω・cmに調整したものを用いた以外は実施例1と同様とする。
【0062】
(実施例16)
接着層23cとして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)を用いた以外は実施例1と同様とする。
【0063】
(実施例17)
耐熱性ベルト23に電圧を印加せずに基材を接地した以外は実施例1と同様とする。
【0064】
(実施例18)
図3に示すように電圧印加回路を2個(25、26)定着装置6に設け、1つは加圧ローラ24の芯金24aにプラス400V印加し、もう1つは実施例1と同様に耐熱性ベルト23基材にマイナス600Vの電圧を印加する構成とした。なお、耐熱性ベルト23は実施例1と同様とする。
【0065】
(実施例19)
実施例1と同様の耐熱性ベルト23の基材23a上に弾性層は形成せずに、実施例1と同様の接着層23cと離型層23dを形成した。加圧ローラ24、電圧印加手段25構成も実施例1と同様とした。
【0066】
(比較例1)
基材23a、弾性層23bは実施例1と同様のものを用い、接着層23cは付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)のみで構成し、離型層23dのフッ素樹脂チューブは、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)のみで構成したものを用いた。耐熱性ベルト23、加圧ローラ24は共に電圧を印加せずに接地した。
【0067】
(比較例2)
耐熱性ベルト23の基材23aにマイナス600V印加した以外は比較例1と同様とする。
【0068】
(比較例3)
離型層23dのフッ素樹脂チューブを、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)1.0部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様の構成とする。
【0069】
(比較例4)
加圧ローラ24の離型層24cのフッ素樹脂チューブを、デュポン社製の低抵抗PFA(商品名:C−9068)のみで構成したものを用いた以外は比較例1と同様の構成とする。
【0070】
表1に上記実施例と比較例の評価をまとめた。
【0071】
【表1】

【0072】
ここで比較例1から比較例3のいずれも、加圧ローラ汚れは良いが、酷い剥離オフセットが発生した。これは、耐熱性ベルト23の離型層23dに剥離帯電した電荷を減衰させる性能が無かったためである。
【0073】
また、比較例4は加圧ローラ24の離型層24cを低抵抗化したことで剥離オフセットは良好であるが、加圧ローラは酷く汚れ、紙上にも汚れたトナーが転移してしまった。
【0074】
実施例1、3、4、6、7において剥離オフセット、加圧ローラ汚れ共に良好な結果が得られた。
実施例2は比較例1から比較例3に対して剥離オフセットは良化している。しかし、実施例3と比較して、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のフッ素樹脂に対する添加量が少ないために剥離オフセットの効果が劣る結果となった。従ってポリフッ化ビニリデン(PVDF)の添加量はフッ素樹脂100部に対して0.05部以上であることが好ましい。
【0075】
実施例5は比較例1から比較例3に対して剥離オフセットは良化している。しかし、実施例6と比較して、フルオロアルキル酸誘導体のフッ素樹脂に対する添加量が少ないために剥離オフセットの効果が劣る結果となった。従ってフルオロアルキル酸誘導体の添加量はフッ素樹脂100部に対して0.05部以上であることが好ましい。
実施例8、実施例9より、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)でもポリフッ化ビニリデン(PVDF)と同様に良好な効果が得られた。
実施例10から実施例12より、ジスルホン酸、スルホンイミド、スルホンアミドでもスルホン酸と同様に良好な結果が得られた。
実施例1、実施例13及び実施例16より、接着層23cに導電性粒子としてケッチェンブラックを含有させると、接着層23cの体積抵抗値が低いほど剥離オフセットに良好な結果が得られることがわかる。
【0076】
また、実施例14、実施例15のように接着層23cに帯電制御剤としてモノマー電解質を含有させると、接着層23cの体積抵抗値は高くても剥離オフセットに良好な結果が得られることがわかる。
【0077】
実施例17より耐熱性ベルト23に電圧を印加しない構成においても比較例1から比較例3に対して効果があることがわかる。
実施例18より耐熱性ベルト23、加圧ローラ24の両方に電圧を印加し耐熱性ベルトと加圧ローラの電位差を大きくすることで剥離オフセット、加圧ローラ汚れ共に全く無い状態にすることも可能であった。また、定着用回転体と加圧部材の少なくとも一方に、記録材上の画像を記録材に押し付ける向きの電圧を印加すればよいこともわかった。
【0078】
耐熱性ベルト23と加圧ローラ24に印加する電圧値は本実施例に限ったものではなく、耐熱性ベルト23と加圧ローラ24の電位差を大きくするように適宜設定すればよい。
実施例19より耐熱性ベルト23に弾性層23bを具備しない構成においても剥離オフセットに良好な結果が得られた。
【符号の説明】
【0079】
6 定着装置
22 ヒータ
23 定着ベルト
24 加圧ローラ
25、26 電圧印加手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧部材と記録材を挟持搬送しつつ、記録材上のトナー像と接して加熱するための定着用回転体であって、少なくとも基材と離型層を有する定着用回転体において、
前記離型層が、フッ素樹脂に、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレートの中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーと、モノマー電解質と、を含有していることを特徴とする定着用回転体。
【請求項2】
前記モノマー電解質はフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の定着用回転体。
【請求項3】
前記フッ素系界面活性剤はフルオロアルキルスルホン酸誘導体であることを特徴とする請求項2に記載の定着用回転体。
【請求項4】
前記フルオロアルキルスルホン酸誘導体は、スルホン酸、ジスルホン酸、スルホンイミド、スルホンアミドのうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項3に記載の定着用回転体。
【請求項5】
前記基材と前記離型層の間に接着層を有し、前記接着層が導電性粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の定着用回転体。
【請求項6】
前記基材と前記離型層の間に接着層を有し、前記接着層がモノマー電解質を含有していることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の定着用回転体。
【請求項7】
前記基材と前記離型層の間に接着層を有し、前記接着層が導電性粒子とモノマー電解質を含有していることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の定着用回転体。
【請求項8】
前記基材と前記離型層の間に弾性層を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の定着用回転体。
【請求項9】
前記弾性層と前記離型層の間に接着層を有し、この接着層が導電性粒子を含むことを特徴とする請求項8に記載の定着用回転体。
【請求項10】
前記弾性層と前記離型層の間に接着層を有し、この接着層がモノマー電解質を含有していることを特徴とする請求項8に記載の定着用回転体。
【請求項11】
前記弾性層と前記離型層の間に接着層を有し、この接着層が導電性粒子とモノマー電解質を含有していることを特徴とする請求項8に記載の定着用回転体。
【請求項12】
前記離型層はチューブであることを特徴とする請求項1乃至11いずれか一項に記載の定着用回転体。
【請求項13】
定着用回転体と、前記定着用回転体と共に画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱するためのニップ部を形成する加圧部材と、を有する定着装置において、
前記定着用回転体が請求項1乃至12のいずれか一項に記載の定着用回転体であることを特徴とする定着装置。
【請求項14】
前記定着用回転体と加圧部材の少なくとも一方に、記録材上の画像を記録材に押し付ける向きの電圧を印加する電圧印加手段を有することを特徴とする請求項13に記載の定着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−155199(P2012−155199A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15344(P2011−15344)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】