説明

定量吐出装置の制御方法

【課題】液体の吐出量が常に一定となるように高精度に制御すると共に、前記液体内にエアが混入した場合を検知して吐出精度の低下を防止する。
【解決手段】定量吐出装置10は、液体が流通する第1及び第2通路12、16を有し、前記第1及び第2通路12、16の下部には、前記第1及び第2通路12、16内の液体の圧力を検出可能な一組の検出部20a、20bが設けられると共に、前記第1及び第2通路12、16の上部には、液体内に含まれるエアを排出可能なエア抜き通路48a、48bがそれぞれ設けられている。そして、第1ハウジング14と第2ハウジング18の間には、第1及び第2通路12、16に臨むように液体の流量を絞るための流量調整部22が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、常に所定量の流体を吐出可能な定量吐出装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体等の製造装置、塗装用装置、医療用機器等において薬液、塗料、洗浄液等を供給するための液体吐出装置が採用されている。
【0003】
このような液体吐出装置は、例えば、充填液が充填された充填液タンクと、前記充填液タンクに配管を介して接続され、前記充填液を外部へと吐出する充填ノズルとを備え、前記充填液タンクと充填ノズルとの間には、前記充填液の流量を計測する流量計と、前記充填液のノズルへの供給状態を切り換えるストップ弁が配管を介して接続される。そして、充填液タンクから充填ノズルに向かって充填液が供給される際、流量計によって流量が計測されると共に、前記充填ノズルから充填液が吐出され、前記流量が制御装置に予め設定された設定値となった場合に前記制御装置からストップ弁へと信号を出力し、前記ストップ弁を弁閉させて前記配管内を流通する充填液の流通を遮断する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−39430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に係る従来技術においては、充填液の吐出制御をストップ弁の開閉作用下に行う構成としているが、制御装置からの信号によって前記ストップ弁が開閉動作し始め、実際に配管の連通状態が完全に切り換わるまでにタイムラグ(遅れ)が生じる。換言すると、ストップ弁は、信号が入力されてから実際に開閉動作し始めるまでに所定時間を要する。
【0006】
そのため、例えば、流量計によって計測された流量が予め設定された充填ノズルからの吐出量となった際に、前記制御装置からの信号によってストップ弁が弁閉し始めてから完全に弁閉するまでの間に所定量の充填液が吐出されてしまうこととなる。その結果、予め設定された充填ノズルからの吐出量と、実際に吐出された吐出量との間にばらつきが生じることとなり、前記吐出量を高精度に制御することが困難である。
【0007】
また、このような液体吐出装置では、何らかの原因で充填液内にエアが混入してしまうことがあり、前記エアを含有した充填液の吐出量(流量)を流量計で計測した場合に前記エアの影響により誤差が生じてしまい、前記吐出量の正確な計測ができず計測精度の低下を招くという問題がある。
【0008】
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、液体の吐出量を高精度に制御することができると共に、前記液体内へのエアの混入を検知して前記吐出量の検出精度を維持することが可能な定量吐出装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本発明は、流量制御弁に対して弁開指令を出力し、液体を通路内に流通させる工程と、
前記通路に沿って配設された一組の検出部を介して流量調整部の上流側及び下流側となる前記液体の第1圧力及び第2圧力をそれぞれ検出し、前記第1圧力と第2圧力との差圧に基づいた前記液体の流量を積算して吐出量を算出する工程と、
前記差圧が一定に維持された定常状態にあり、且つ、前記差圧が予め設定された定常圧に到達した場合に、前記弁開指令が出力されてから弁開作用下に前記定常圧に到達するまでの前記差圧の立ち上がり特性に基づいて補正量を算出する工程と、
予め設定された設定吐出量から前記補正量を減じた目標値と前記吐出量とを比較し、前記吐出量が前記目標値に達した場合に前記流量制御弁に対して弁閉指令を出力する工程と、
前記弁閉指令が出力されてから前記流量制御弁が弁閉するまでの吐出量を算出する工程と、
を有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、流量制御弁に弁開指令が出力された後、検出部によって検出された第1及び第2圧力に基づいた差圧から吐出量を積算し、前記差圧が増大して設定された定常圧となり、且つ、前記定常圧が一定に維持されたことが確認された際に、前記差圧の立ち上がり特性に基づいて補正量を算出している。
【0011】
そして、積算された吐出量が、予め設定された設定吐出量から補正量を減じた目標値に達した際に、前記流量制御弁に対して弁閉指令を出力して弁閉動作を開始させると共に、前記弁閉指令が出力されてから弁閉が完了するまでの吐出量を算出しておく。
【0012】
従って、流量制御弁における弁閉指令から弁閉が完了するまでの動作遅れを考慮して補正量を設定し、該補正量に基づいて弁閉指令を前記流量制御弁に対して早めに出力するように制御することにより、前記流量制御弁の動作時間が加味されているため該流量制御弁の動作遅れ(タイムラグ)の影響を受けることなく、定量吐出装置を高精度に制御することができ、予め設定された設定吐出量を得られる。
【0013】
また、弁閉指令から弁閉が完了するまでに吐出された吐出量に基づいて次回に吐出量を計測する際の補正量を算出して弁閉指令を出力するタイミングの補正を行うことにより、さらに高精度な吐出量の制御を行うことが可能となる。
【0014】
さらに、第2圧力及び差圧における圧力変化をそれぞれ検知し、前記液体へのエアの混入を検知する工程と、
前記圧力変化に応じて前記通路内における前記エアの存在している部位を特定する工程とを有するとよい。
【0015】
これにより、第2圧力及び差圧の圧力変化に基づいて液体内にエアが混入されていることを確認することができ、且つ、前記通路内における前記エアの存在部位を特定することができるため、前記エアの混入及び混入部位を警告し、それに伴って迅速且つ確実に対処することができる。そのため、エアの混入による吐出量の検出精度の低下を防止することができる。
【0016】
さらにまた、予め記憶されている前記液体が前記通路内を正常に流通している場合の第1圧力及び差圧に対して、検出部によって検出された現在の第1圧力と差圧との間で生じる圧力変化を検知する工程と、
前記圧力変化に基づいて前記通路内における前記液体の圧力異常が生じている部位を特定する工程とを有するとよい。
【0017】
これにより、検出部によって検出される第1圧力及び差圧の圧力変化を検知し、その検知結果に基づいて前記通路内における圧力異常を確認でき、且つ、前記通路内における圧力異常の発生部位を特定することができるため、例えば、配管内において目詰まり、漏れ等が発生した場合にも、迅速に発見し対処することができる。そのため、定量吐出装置における圧力異常を解消することにより液体の吐出量を計測した際のばらつきを防止し、前記吐出量を高精度に検出することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0019】
すなわち、流量制御弁における弁閉指令から弁閉するまでの動作遅れを考慮して補正量を設定し、該補正量に基づいて前記弁閉指令を前記流量制御弁に対して早めに出力するように制御すると共に、前記弁閉指令から弁閉するまでに吐出した吐出量を算出しておくことにより、前記流量制御弁の動作遅れの影響を受けることなく、定量吐出装置において吐出量の制御を高精度に行うことができると共に、弁閉指令後の吐出量に基づいて補正量を設定することにより、さらに高精度な制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る定量吐出装置の全体縦断面図である。
【図2】図1の定量吐出装置を含む定量吐出システムの概略構成図である。
【図3】図1の定量吐出装置から封止プラグを脱抜させ、液体内のエアを外部に排出する場合を示す縦断面図である。
【図4】図1の定量吐出装置によって液体の吐出量制御を行う内容を示すフローチャートである。
【図5】定量吐出装置から吐出される液体の圧力と時間との関係を示す特性曲線図である。
【図6】定量吐出装置からの液体の吐出量、開閉弁の開閉動作、制御部からの弁開・弁閉指令との関係を示す特性曲線図である。
【図7】図7A〜図7Dは、定量吐出システムにおいて目詰まり等が発生した場合の開閉弁への弁開・弁閉指令、圧力及び差圧との関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る定量吐出装置の制御方法について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0022】
図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係る定量吐出制御方法が適用される定量吐出装置を示す。
【0023】
この定量吐出装置10は、図1に示されるように、液体(例えば、純水)が導入される第1通路(通路)12を有する第1ハウジング14と、該第1ハウジング14と隣接配置され、前記第1通路12と連通する第2通路(通路)16を有する第2ハウジング18と、前記第1及び第2ハウジング14、18の内部にそれぞれ設けられ、前記液体の圧力を検出する一組の検出部20a、20bと、前記第1通路12と第2通路16との間に設けられ、前記液体の流量を所定量に調整可能な流量調整部22と、前記第1及び第2通路12、16に連通した開孔24a、24bを閉塞する一組の封止プラグ(封止部材)26a、26bと、前記第1及び第2通路12、16にそれぞれ接続される一組の継手28a、28bとを含む。なお、第1ハウジング14と第2ハウジング18とは略同一形状であるため、以下の説明では、前記第1ハウジング14についての詳細な説明を行い、第2ハウジング18についてはその詳細な説明を省略する。
【0024】
第1ハウジング14は、一方の継手28aを介してその内部に液体が導入される上流側に配置され、略水平方向に貫通した第1通路12と、該第1通路12の下部に形成され、一方の検出部20aが装着される装着孔30aと、前記第1通路12の上部に形成され、一方の封止プラグ26aによって封止される開孔24aとを備える。
【0025】
第1通路12は、略同一直径で延在する主管部32と、該主管部32の一端部側に形成され、継手28aが接続される第1ポート34と、前記主管部32の他端部側に形成され、前記第1ポート34から離間する方向に向かって徐々に縮径する第1テーパ部(傾斜部)36とからなる。この第1ポート34には、内周面に沿って刻設されたねじを介して前記継手28aが螺合され、前記継手28aは、図2に示されるように、第1配管38aによって液体が充填されたタンク40と接続されている。そして、図1に示されるように、タンク40内の液体が、第1配管38a及び継手28aを通じて第1通路12へと供給される。
【0026】
なお、上述したタンク40を含む定量吐出システムは、図2に示されるように、定量吐出装置10と、該定量吐出装置10とタンク40とを接続する第1配管38aと、前記定量吐出装置10と第2配管38bを介して接続される開閉弁(流量制御弁)72(後述する)と、前記定量吐出装置10の検出部20a、20bにそれぞれ接続される制御部70とを有する。
【0027】
装着孔30aは、第1ハウジング14の下面側に開口するように形成され、第1連通路42を通じて第1通路12と連通している。この第1連通路42は、装着孔30aの内周径より小径に形成され、前記第1連通路42は、該第1連通路42から前記装着孔30a側に向かって徐々に拡径するテーパ孔44を介して該装着孔30aと連通している。すなわち、装着孔30aにエアが進入した場合に、該装着孔30aの上方に設けられたテーパ孔44の傾斜した壁面に沿って前記エアが第1連通路42側に向かって移動し、該第1連通路42を通じて前記装着孔30aより排出させることができる。そのため、エアが装着孔30a内に留まることが防止される。
【0028】
また、装着孔30aの下端部には、その周面に沿ってねじが刻設され、前記装着孔30aに検出部20aが挿入された後に、一方の保持プラグ46aが螺合される。これにより、検出部20aが装着孔30aに対して保持される。
【0029】
開孔24aは略同一直径からなり、その内周面に刻設されたねじを介して封止プラグ26aが螺合されている。そのため、開孔24aの外部との連通が封止プラグ26aによって遮断され、該開孔24a内の気密が保持される。なお、封止プラグ26aの下面と開孔24aの底壁面との間には、所定容量の空間Sが形成される。
【0030】
また、開孔24aには、第1通路12に向かって延在するエア抜き通路(排出通路)48aが接続され、該エア抜き通路48aを介して前記開孔24aと第1通路12とが連通している。詳細には、エア抜き通路48aは、第1通路12における主管部32と第1テーパ部36との境界部位に略直交して接続されている。すなわち、液体中に含まれたエアは、該液体中で上方に移動して第1通路12内の上面側に集まるため、前記エアが主管部32の内周面に沿って移動した後、第1テーパ部36へと到達する前に上方に向かって延在したエア抜き通路48aへと導かれる。
【0031】
一方、第1テーパ部36近傍に存在するエアは、主管部32側に向かって拡径した内周面に沿って徐々に前記主管部32側へと移動し、エア抜き通路48aへと導かれる。そして、エアが、エア抜き通路48aを通じて開孔24aの空間Sに導入される。
【0032】
第1ハウジング14には、第2ハウジング18と対向する側面に所定長だけ突出した凸部50が形成され、前記凸部50の略中央部には第1通路12が開口している。前記凸部50には、第2ハウジング18と対向する側面に環状溝を介してシール部材52aが装着され、前記シール部材52aが流量調整部22のプレート74(後述する)と当接することにより、前記第1ハウジング14と流量調整部22との間の気密が保持される。
【0033】
第2ハウジング18は、第1ハウジング14を通じて液体が供給される下流側に配置され、第1ハウジング14側となる側面に所定深さだけ窪んだ凹部54が形成されている。そして、前記凹部54に前記第1ハウジング14の凸部50が挿入されることにより、前記第2ハウジング18が第1ハウジング14に対して位置決めされた状態で連結される。この際、凹部54と凸部50との間には流量調整部22が挟持され、前記凹部54の端面に装着されたシール部材52bが、前記プレート74に当接することにより、前記第2ハウジング18と前記流量調整部22との間の気密が確実に保持される。
【0034】
また、第2ハウジング18には、略水平方向に貫通した第2通路16と、該第2通路16の下部に形成され、検出部20bが装着される装着孔30bと、前記第2通路16の上部に形成され、封止プラグ26bによって封止される開孔24bとを含む。なお、第2通路16は、第1ハウジング14の第1通路12と一直線上となるように形成される。
【0035】
第2通路16は、略同一直径で延在する主管部56と、該主管部56の一端部側に形成され、他方の継手28bが接続される第2ポート58と、前記主管部56の他端部側に形成され、前記第2ポート58から離間する方向に向かって徐々に縮径する第2テーパ部(傾斜部)60とを含む。この第2ポート58には継手28bが螺合されている。そして、第2通路16内の液体が継手28bを通じて第2配管38b(図2参照)へと導出される。なお、第2通路16は、第1通路12と略同一形状となるようにその長さ、直径等が設定される。
【0036】
また、第2ハウジング18が第1ハウジング14と連結された際、凹部54に開口した第2テーパ部60と第1テーパ部36とが隣設する。
【0037】
装着孔30bは、第2ハウジング18の下面側に形成され、第2連通路62を通じて第2通路16と連通し、その内部に検出部20bが挿入されて他方の保持プラグ46bによって保持される。
【0038】
開孔24bには他方の封止プラグ26bが螺合され、該開孔24bを閉塞することにより、前記開孔24b内の気密を保持する。また、開孔24bには、第2通路16と連通したエア抜き通路(排出通路)48bが接続されている。このエア抜き通路48bは、第2通路16における主管部56と第2テーパ部60との境界部位に略直交して接続されるため、液体中に含まれたエアが、該液体中で上方に移動して第2テーパ部60に沿って移動することにより、前記第2テーパ部60から主管部56へと到達した際に上方に向かって延在したエア抜き通路48bへと導かれる。一方、第2テーパ部60近傍に存在するエアは、主管部56側に向かって拡径した内周面に沿って徐々に前記主管部56側へと移動し、エア抜き通路48bへと導かれる。
【0039】
検出部20a、20bは、第1及び第2通路12、16を流通する液体の圧力を検出可能な圧力センサからなり、断面略U字状に形成されたボディ64と、該ボディ64の内部に配設され、第1連通路42と対向配置されるセンサ本体66と、前記ボディ64の端面に装着されるシールリング68とを含む。そして、ボディ64が装着孔30a、30bにそれぞれ装着された際、シールリング68が前記装着孔30a、30bの内壁面に当接することにより、前記ボディ64と装着孔30a、30bとの間から液体が漏出することが防止される。
【0040】
また、センサ本体66は、第1及び第2連通路42、62、テーパ孔44を介して第1及び第2連通路42、62と対向した位置に配置されるため、該第1及び第2連通路42、62を通じて第1及び第2通路12、16から装着孔30a、30b内に導入された液体の圧力P1、P2が検出される。そして、図2に示されるように、検出部20a、20bは、それぞれ配線を介して制御部70に接続され、該検出部20a、20bによって検出された圧力P1、P2が検出信号としてそれぞれ前記制御部70へと出力される。
【0041】
一方、第2ハウジング18の下流側には、継手28b及び該継手28bに接続された第2配管38bを介して開閉弁72が接続され、前記開閉弁72は制御部70からの制御信号によって開閉動作する。この開閉弁72は、例えば、電流の通電作用下にソレノイドを励磁させることにより弁体の開閉動作を行い、第2配管38bを流通する液体の流通状態を切換可能な電磁制御式が適用される。なお、開閉弁72の下流側には第3配管38cが接続され、該開閉弁72の開閉作用下に第2配管38bとの連通状態が切り換えられる。
【0042】
流量調整部22は、図1に示されるように、第1ハウジング14と第2ハウジング18との間に挟持されるプレート74に形成されたオリフィス孔76を含み、該オリフィス孔76が第1通路12と第2通路16との間となるように配置される。このオリフィス孔76は、第1及び第2通路12、16の直径より小径に形成されると共に、前記第1及び第2通路12、16と同軸上に形成されている。すなわち、第1通路12から第2通路16へと流通する液体が、前記オリフィス孔76を通過することにより、その流量が所定量だけ絞られて第2通路16へと流通することとなる。
【0043】
本発明の実施の形態に係る定量吐出装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について定量吐出制御方法との関係で説明する。
【0044】
このような定量吐出装置10では、一般的に、該定量吐出装置10に対して初めて液体を流通させる場合に、その流通開始時に液体と共にエアが導入されてしまい、前記エアが液体内に混入する可能性がある。このように、エアが混入した液体では、該液体の流量を正確に検出することができないという懸念が生じる。
【0045】
そこで、最初に、定量吐出装置10において液体内に混入されたエアを除去する方法について説明する。
【0046】
先ず、図1に示されるように、第1及び第2ハウジング14、18の開孔24a、24bが封止プラグ26a、26bによって閉塞された状態で第1及び第2通路12、16内にタンク40から液体を供給する。なお、この場合、第2配管38bの端部を閉塞して液体の流通を遮断した状態で作業を行う。そして、第1及び第2通路12、16、第1配管38a内において液体に混入されたエアは、該液体との比重差により上方へと移動し、該第1及び第2通路12、16の上方に集まり、前記第1及び第2通路12、16の内周面に沿って移動して上方に向かって延在したエア抜き通路48a、48bへとそれぞれ導かれる。
【0047】
また、流量調整部22の近傍には、該オリフィス孔76から離間する方向に向かって徐々に拡径する第1及び第2テーパ部36、60が隣接しているため、前記オリフィス孔76近傍のエアが前記第1及び第2テーパ部36、60の内周面に沿ってエア抜き通路48a、48b側へと導かれる。
【0048】
そして、エアは、エア抜き通路48a、48bを介して開孔24a、24bと封止プラグ26a、26bとの間の空間Sに溜まる。なお、この空間S内には、エア抜き通路48a、48bを通じて液体の一部も流入している。
【0049】
次に、図3に示されるように、封止プラグ26a、26bを螺回させて開孔24a、24bからそれぞれ脱抜させることにより、前記開孔24a、24bが外部と連通した大気開放状態となり、第1及び第2通路12、16から前記開孔24a、24bへ導入されたエアが、該開孔24a、24bより外部へと排出される。これにより、定量吐出装置10内において前記液体に混入していたエアが確実且つ好適に除去される。
【0050】
最後に、開孔24a、24bに液体が満たされた状態で、該開孔24a、24bにエアが入らないように再び封止プラグ26a、26bを螺合することにより前記開孔24a、24bが再び閉塞され、前記液体にエアが混入されていない定量吐出装置10の最適な使用条件が得られる。
【0051】
次に、このように液体内のエア抜きが行われた定量吐出装置10の動作並びに作用効果について説明する。なお、開閉弁72(図2参照)が弁閉状態であり、前記定量吐出装置10からの液体の吐出が停止した場合を初期状態とする。
【0052】
先ず、図4のフローチャートに基づいて、ステップS1で制御部70から弁開指令となる制御信号を開閉弁72に対して出力し、上述した初期状態から該開閉弁72を弁開させる。これにより、開閉弁72によって遮断されていた液体の流通が解除され、第1配管38a、第1及び第2通路12、16内を前記液体が流通して第2及び第3配管38b、38cを通じて吐出可能な状態となる。
【0053】
次に、ステップS2において、一方の検出部20aによって第1通路12内における液体の圧力P1を検出すると共に、他方の検出部20bによって第2通路16内における液体の圧力P2を検出し、前記圧力P1、P2を検出信号として制御部70に出力する(図2参照)。これにより、前記圧力P1と圧力P2との差圧ΔPに基づいて前記第1及び第2通路12、16を流通する液体の流量(吐出量)が算出され、前記流量を積算することにより吐出量Qaが算出される。
【0054】
そして、図5に示されるように前記差圧ΔPが立ち上がり、制御部70に予め設定された定常圧Pcに到達したか否かがステップS3において判断される。
【0055】
例えば、開閉弁72に弁開指令が出力された直後には、第1通路12の圧力P1と第2通路16の圧力P2との差圧ΔPが0から徐々に増大するように変化する。この場合、定常圧Pcとなるまでに所定時間を要するため、この場合にステップS3では前記定常圧Pcに至らずステップS4へと進む。
【0056】
次に、ステップS4において、差圧ΔPが定常圧Pcとなり、且つ、略一定に維持された圧力定常状態であるか否かが判断され、液体の圧力が定常状態に到達するまで繰り返し前記判断が行われる。詳細には、圧力定常状態に到達していない場合には、ステップS5に移り、開閉弁72に対して弁開指令が出力されてから実際に該開閉弁72が完全に弁開するまでの動作時間T1と、制御部70に予め設定された弁開設定時間Tstとの比較が行われる。そして、前記弁開設定時間Tstと動作時間T1とが異なる場合(T1≠Tst)には、第2配管38b内において液体にエアが混入しているか、若しくは、前記第2配管38b内における圧力に異常が生じている可能性が考えられるため、ステップS6において第2配管38b内へのエアの混入若しくは圧力異常の警告を図示しない表示部に出力する。
【0057】
この第2配管38b内において液体にエア(例えば、気泡)が混入している場合には、圧力P2及び差圧ΔPの立ち上がりに要する時間、立ち下がりに要する時間が正常時と比較して長くなるため、前記エアが第2配管38b内に存在していることが確認される。
【0058】
一方、動作時間T1が弁開設定時間Tstと略同等の場合(T1≒Tst)には、再びステップS2において定常圧Pcに到達するまで流量の積算に基づいた吐出量Qaの算出が繰り返し行われる。
【0059】
一般的に、このような定量吐出装置10では、図6に示されるように、制御部70から開閉弁72に対して弁閉指令が出力されてから実際に該開閉弁72が動作して弁閉状態となるまでに遅れがあるため、液体が予め設定された所望量より多く吐出されてしまうこととなる。換言すれば、開閉弁72は、弁閉動作を行う制御信号(弁閉指令)が入力されてから完全に弁閉動作が完了するまでに所定時間を要する。そのため、開閉弁72における弁開動作の遅れに伴って吐出された吐出量を推定して補正を行う必要がある。
【0060】
次に、ステップS4で圧力定常状態が確認された場合には、ステップS7において前記圧力定常状態となるまでに流量が積算された吐出量Qa(図5参照)に基づいて補正量Kの算出が行われる。
【0061】
この補正量Kは、定量吐出装置10に液体を初めて流通させた初回時には、図5に示されるように、弁開時における差圧ΔPの立ち上がり特性領域Vaが、開閉弁72に弁閉指令が入力されてから完全に弁閉するまでに吐出される液体の吐出量Vbと略同等(Va≒Vb)になると推定して設定される(K=Va≒Vb)。この弁開時における差圧ΔPの立ち上がり特性領域Vaは、圧力定常状態となった場合の流量Qcと前記圧力定常状態となるまでに要した時間Tとを乗した値に対して弁開指令から定常状態となるまで積算された吐出量Qaを減ずることにより算出される(Va=Qc×T−Qa)。
【0062】
また、定量吐出装置10に液体を流通させた2回目以降となる場合の補正量Kは、制御部70に記憶された前回までの立ち上がり特性領域Va´と、弁閉指令から弁閉するまでに吐出される液体の吐出量Vb´との比を、今回の立ち上がり特性領域Vaに対して乗じることにより算出される(K=Va×Vb´/Va´)。なお、立ち上がり特性領域Va´、吐出量Vb´は、過去数回の平均値を用いて算出される。
【0063】
そして、ステップS8で定常圧Pcの検知が確認された後に、ステップS9において前記定常圧Pcが設定圧に対して異常であるか否かが判断される。なお、この設定圧は、予め制御部70に設定されている。そして、定常圧Pcが設定圧と比較して異常と認められる場合には、ステップS10において圧力異常を図示しない表示部に出力すると共に、前記定常圧Pcが設定圧と略同等であり正常であると判断された場合には、再びステップS2に戻り液体の流量積算を行って吐出量Qaの算出が繰り返し行われる。
【0064】
一方、ステップS3で定常圧Pcの検知が完了した場合には、ステップS11において、制御部70から開閉弁72に対して弁閉指令となる制御信号を出力するか否かが判断される。そして、まだ弁閉指令を出力するタイミングでないと判断された場合には、ステップS12に移り、実際に吐出されて積算された吐出量Qaと、制御部70において予め設定された吐出量の設定値Qb(図6参照)から前記補正量Kを減じた目標値Qs(Qs=Qb−K)との比較を行い、前記吐出量Qaが目標値Qsに対して多いか否かが判断される。この積算された吐出量Qaが目標値Qsを上回っている場合(Qa>Qs)には、ステップS13で前記開閉弁72に対して弁閉指令となる制御信号が出力され、前記開閉弁72が弁閉動作を開始する。そして、再びステップS2に戻り、開閉弁72が完全に弁閉状態となり、第1及び第2通路12、16を流通する液体の流量が0となるまで前記流量の積算が行われ、吐出量Qaの算出が繰り返し続けられる。
【0065】
また、吐出量Qaが未だ目標値Qsに至っていない場合(Qa<Qs)には、定常圧Pcが予め設定された設定圧に対して異常か否かがステップS14で判断され、前記定常圧Pcが設定圧と相違した際に、流量調整部22における液体に混入されたエアの通過、若しくは、前記エアの吐出を警告として図示しない表示部へと出力して表示する(ステップS15)。
【0066】
この流量調整部22を液体に混入されたエア(例えば、気泡)が通過した場合には、予め設定された定常圧Pc、若しくは、過去に検出された定常圧に対して急激な圧力P2の上昇又は差圧ΔPの低下が生じるため、前記エアが流量調整部22を通過したことが確認される。
【0067】
また、前記定常圧Pcが設定圧と略同等であり正常である場合には、ステップS14から再びステップS2に戻り液体の吐出量Qaの算出を引き続き行う。
【0068】
そして、弁閉指令に基づいて開閉弁72が弁閉動作を開始した後、ステップS16において開閉弁72が実際に弁閉したか否かが確認される。前記開閉弁72が未だ弁閉していない場合には、完全に弁閉状態となるまでステップS2に戻り、繰り返し吐出量Qaの算出が行われると共に、弁閉が確認された場合には、ステップS17へと移り、弁閉指令後から実際に弁閉するまでの吐出量Qaが前記制御部70に記憶される(ステップS17)。
【0069】
最後に、ステップS18において、制御部70からの弁閉指令から実際に開閉弁72が弁閉するまでの動作時間T2が、前記制御部70に予め設定された弁閉設定時間Tspと比較され、前記弁閉設定時間Tsp未満又は超過して相違している場合には、第2配管38b内における液体内へのエアの混入、若しくは、前記第2配管38b内の圧力異常が考えられるため、ステップS19で前記液体内へのエアの混入、又は、前記液体の圧力異常を警告として表示し、図4に示すフローチャートにおける今回の処理を終了する。
【0070】
一方、前記動作時間T2が弁閉設定時間Tspと略同等(T2≒Tsp)である場合にも、図4に示すフローチャートにおける今回の処理を終了する。
【0071】
なお、第3配管38c内において液体にエア(例えば、気泡)が混入している場合には、予め設定された定常圧Pc、若しくは、過去に検出された定常圧に対して圧力P2の低下又は差圧ΔPの上昇が生じるため、前記第3配管38c内にエアが存在していることが確認される。
【0072】
そして、次回、定量吐出装置10において吐出量の制御を行う場合には、このように算出された補正量Kに基づいて、図6に示されるように、開閉弁72に対する制御部70からの弁閉指令を予め設定された吐出量の設定値Qbから補正量Kを減じた目標値Qsに達した時点で弁閉指令を前記開閉弁72へと出力する。すなわち、前記開閉弁72を弁閉させる本来のタイミングDより所定時間Eだけ早めに弁閉動作の開始させ、前記開閉弁72の動作時間を加味して制御することにより、前記開閉弁72の動作遅れ(タイムラグ)の影響を受けることなく、定量吐出装置10において予め設定されている所望の吐出量(設定値Qb)を高精度に得ることができる。
【0073】
次に、定量吐出システムにおける第1〜第3配管38a〜38c、定量吐出装置10の圧力変化に基づいて目詰まり、漏れ等の発生を検知する場合について説明する。なお、図7A〜図7Dは、制御部70から開閉弁72に出力される弁開・弁閉指令、検出部20a、20bによって検出される圧力P1、P2及び前記制御部70で算出される差圧ΔPとの関係を示した特性図である。
【0074】
先ず、図7Aは、第1〜第3配管38a〜38c、定量吐出装置10内において目詰まり等の発生がなく、液体が第1配管38aから定量吐出装置10を通じて第2及び第3配管38b、38cへと正常に流通している場合を示す特性図である。この場合には、弁開・弁閉指令に関わらず第1通路12の圧力P1が略一定に維持されると共に、第2通路16の圧力P2が前記弁開・弁閉指令に応じて増減していることが諒解される。詳細には、弁開時には、圧力P2が低下して差圧ΔPが増大すると共に、反対に弁閉時には前記圧力P2が増大して前記差圧ΔPが低下することとなる。
【0075】
次に、図7Bは、流量調整部22において目詰まりや漏れが発生した場合の特性を示しており、前記流量調整部22は、第1通路12内の圧力を検出可能な一方の検出部20aの下流側に配置されているため、前記検出部20aで検出される圧力P1が図7Aと同様に略一定に維持される。一方、流量調整部22の下流側となる第2通路16では、目詰まりや漏れが生じた時点Hから圧力P2が低下して略一定状態となると共に、差圧ΔPがそれに伴って増大した状態で変化することなく略一定となっていることが諒解される。
【0076】
このように、弁開時においても圧力P2が低下したままで推移し、且つ、差圧ΔPが増大したままで推移している場合には、流量調整部22において目詰まりや漏れが発生していることを確認することができる。
【0077】
次に、図7Cは、流量調整部22の下流側となる第2通路16、第2及び第3配管38b、38cにおいて目詰まりが発生した場合の特性を示しており、前記第2及び第3配管38b、38cは、一方の検出部20aが設けられた第1通路12より下流側となるため、第1通路12内の圧力P1は図7Aと同様に略一定に維持され、第2通路16内の圧力P2が目詰まりが生じた時点Hから増大して略一定状態となると共に、同時に差圧ΔPが低下した状態で略一定となっていることが諒解される。
【0078】
このように、弁閉時においても圧力P2が増大したままで推移し、且つ、差圧ΔPが低下したままで推移している場合には、流量調整部22の下流側となる第2通路16、第2及び第3配管38b、38cのうちの少なくともいずれか1箇所で目詰まりが発生していることが確認される。
【0079】
一方、第2通路16、第2及び第3配管38b、38cから液体の漏れが生じた場合には、前記第2通路16内の圧力P2が低下すると共に、差圧ΔPが上昇するため、前記液体の漏れを確認することができる。
【0080】
最後に、図7Dは、流量調整部22の上流側となる第1配管38a及び第1通路12で目詰まりや漏れが発生した場合の特性を示し、目詰まりや漏れが生じた時点Hから第1通路12内の圧力P1が低下して略一定状態となると共に、それに伴って、第2通路16内の圧力P2及び差圧ΔPも同様に低下して略一定になっていることが諒解される。
【0081】
このように、弁閉時においても圧力P1、P2及び差圧ΔPのいずれもが低下したままで推移している場合には、流量調整部22の上流側となる第1通路12及び第1配管38aのうちの少なくともいずれか1箇所で目詰まりや漏れが発生していることが確認される。
【0082】
すなわち、定量吐出装置10における一組の検出部20a、20bによって検出される圧力P1、P2及び差圧ΔPの圧力変化を検知し、正常時における液体の圧力変化と比較することにより、前記定量吐出装置10の流量調整部22、第1〜第3配管38a〜38c、第1及び第2通路12、16内において生じた目詰まり、漏れ等を迅速且つ確実に確認することができる。そのため、例えば、目詰まり、漏れ等が発生している部位を表示部(図示しない)に表示することによって警告し、前記目詰まり等を解消することにより液体の吐出量を計測した際のばらつきを防止し、前記吐出量を高精度に検出することが可能となる。
【0083】
以上のように、本実施の形態では、第1及び第2ハウジング14、18に第1及び第2通路12、16と連通して上方へと延在するエア抜き通路48a、48bを設け、液体内に混入されたエアを前記エア抜き通路48a、48bに導くことにより、封止プラグ26a、26bが脱抜された開孔24a、24bから前記エアを外部へと導くことができるため、液体内に混入されたエアを確実且つ好適に排出することができ、前記エアの液体への混入によって生じる前記液体の吐出精度の低下を防止することができる。
【0084】
また、一組の検出部20a、20bを、第1及び第2通路12、16の下部側となり、且つ、エア抜き通路48a、48bと略対向した位置に配置することにより、前記液体に含まれるエアが前記検出部20a、20b近傍に溜まることが回避され、前記検出部20a、20bによって検出を行う際に前記エアの影響を受けることがない。その結果、前記検出部20a、20bによって液体の圧力P1、P2を確実に検出することができる。
【0085】
さらに、検出部20a、20bが装着される装着孔30a、30bは、第1及び第2通路12、16側にエアが排出されやすい構造としているため、前記装着孔30a、30b内に前記エアが溜まることを防止することが可能となる。
【0086】
また、上述したように液体内のエアを排出した後に、何らかの原因で再びエアが混入していた場合にも、検出部20a、20bによって検出される圧力P1、P2、前記圧力P1、P2からなる差圧ΔPの変化を検知することにより、流量調整部22、第2及び第3配管38b、38cのうちのいずれの部位にエアが存在しているかを特定することができるため、前記エアを確実に除去することが可能となる。
【0087】
なお、本発明に係る定量吐出装置の制御方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0088】
10…定量吐出装置 12…第1通路
14…第1ハウジング 16…第2通路
18…第2ハウジング 20a、20b…検出部
22…流量調整部 24a、24b…開孔
26a、26b…封止プラグ 28a、28b…継手
34…第1ポート 36…第1テーパ部
38a…第1配管 38b…第2配管
38c…第3配管 40…タンク
46a、46b…保持プラグ 48a、48b…エア抜き通路
58…第2ポート 60…第2テーパ部
66…センサ本体 70…制御部
72…開閉弁 76…オリフィス孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量制御弁に対して弁開指令を出力し、液体を通路内に流通させる工程と、
前記通路に沿って配設された一組の検出部を介して流量調整部の上流側及び下流側となる前記液体の第1圧力及び第2圧力をそれぞれ検出し、前記第1圧力と第2圧力との差圧に基づいた前記液体の流量を積算して吐出量を算出する工程と、
前記差圧が一定に維持された定常状態にあり、且つ、前記差圧が予め設定された定常圧に到達した場合に、前記弁開指令から出力されて弁開作用下に前記定常圧に到達するまでの前記差圧の立ち上がり特性に基づいて補正量を算出する工程と、
予め設定された設定吐出量から前記補正量を減じた目標値と前記吐出量とを比較し、前記吐出量が前記目標値に達した場合に前記流量制御弁に対して弁閉指令を出力する工程と、
前記弁閉指令が出力されてから前記流量制御弁が弁閉するまでの吐出量を算出する工程と、
を有することを特徴とする定量吐出装置の制御方法。
【請求項2】
請求項1記載の制御方法において、
前記第2圧力及び差圧における圧力変化をそれぞれ検知し、前記液体へのエアの混入を検知する工程と、
前記圧力変化に応じて前記通路内における前記エアの存在している部位を特定する工程と、
を有することを特徴とする定量吐出装置の制御方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の制御方法において、
予め記憶されている前記液体が前記通路内を正常に流通している場合の第1圧力及び差圧に対して、検出部によって検出された現在の第1圧力と差圧との間で生じる圧力変化を検知する工程と、
前記圧力変化に基づいて前記通路内における前記液体の圧力異常が生じている部位を特定する工程と、
を有することを定量吐出装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−63362(P2012−63362A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255693(P2011−255693)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【分割の表示】特願2005−343680(P2005−343680)の分割
【原出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000102511)SMC株式会社 (344)
【Fターム(参考)】