説明

実装基板及び表面実装型電子部品

【課題】
電気的接続の信頼性を向上し得る実装基板及び表面実装型電子部品を提案する。
【解決手段】
一面側に表面実装型電子部品の各ボール電極に対応して第1のランドがそれぞれ形成されると共に、他面側に配線基板の各電極に対応しかつ各第1のランドと導通接続するように第2のランドがそれぞれ形成された中間基板を設け、中間基板は、第1及び第2のランドの配列パターンよりも狭ピッチの配列パターンを含む所定部位のみを介して一面側及び他面側間が接続され、表面実装型電子部品の各ボール電極が中間基板の対応する各第1のランドと接合すると共に、当該中間基板の対応する各第2のランドが配線基板の対応する各電極と接合するように、表面実装型電子部品を中間基板を介挿して配線基板の実装面に実装するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は実装基板及び表面実装型電子部品に関し、例えば一面に信号入出力用の複数の電極が形成された表面実装型電子部品を実装する実装基板及び当該表面実装型電子部品に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の表面実装型電子部品として、端子形状が球状でなるBGA(Ball Grid Array)や平面形状でなるLGA(Land Grid Array Package)及びQFN(Quad Flat No Lead Package)などの半導体パッケージがある。
【0003】
このうち図8(A)に示すようなBGAでなる半導体パッケージ1は、半導体チップ(図示せず)を封止するパッケージ基板2の裏面(すなわちプリント配線板との接合面)2A側に外部接続用の端子として所定数のボール電極3が格子状に配設されている。
【0004】
近年特に、携帯機器や小型機器に搭載する表面実装型の半導体パッケージ1では、パッケージ基板2のサイズが大型化しているにもかかわらず、各ボール電極3が狭ピッチ化している傾向にある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−7921公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、通常、半導体パッケージ1のパッケージ基板2は、四角形状でなることから、図8(B)に示すように、プリント配線板5への実装時に矢印aで示す方向に外圧等が加えられてプリント配線板5に反りが生じた場合には、当該反りによる応力が各角部に集中する傾向にある。
【0006】
このため半導体パッケージ1が実装されたプリント配線板5に加えられる外圧等が比較的小さい場合でも、半導体パッケージ1のパッケージ基板2の各角部に形成されているボール電極3がプリント配線板5から剥離や破断等を起こして導通不良状態となるおそれがある。
【0007】
この問題を解決する1つの方法として、半導体パッケージとプリント配線板との間に熱硬化性接着剤などのアンダフィル剤を充填させるようにして、当該半導体パッケージ及びプリント配線板間の接続状態を強化する方法が提案されている。
【0008】
しかし、かかるアンダフィル剤を充填する方法では、修理や改良等により取り外しが必要な場合に、半導体パッケージ及びプリント配線板間からアンダフィル剤を除去することが非常に困難であることや、当該アンダフィル剤を除去することによってプリント配線板に生じる傷や破損等のダメージが大きいなどの問題があった。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、電気的接続の信頼性を向上し得る実装基板及び表面実装型電子部品を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため本発明においては、接続面に複数のボール電極が形成された表面実装型電子部品と、実装面に各ボール電極に対応してそれぞれ電極が形成された配線基板と、一面側に表面実装型電子部品の各ボール電極に対応して第1のランドがそれぞれ形成されると共に、他面側に配線基板の各電極に対応しかつ各第1のランドと導通接続するように第2のランドがそれぞれ形成された中間基板とを設け、中間基板は、第1及び第2のランドの配列パターンよりも狭ピッチの配列パターンを含む所定部位のみを介して一面側及び他面側間が接続され、表面実装型電子部品の各ボール電極が中間基板の対応する各第1のランドと接合すると共に、当該中間基板の対応する各第2のランドが配線基板の対応する各電極と接合するように、表面実装型電子部品を中間基板を介挿して配線基板の実装面に実装するようにした。
【0011】
この結果この実装基板では、配線基板に外圧等が加えられても、当該配線基板に生じた応力が、表面実装型電子部品よりも格段と面積の小さくかつ第1及び第2のランドの配列パターンよりも狭ピッチの配列パターンを含む所定部位によって緩衝されるため、表面実装型電子部品の各角部において導通不良状態となるのを回避することができる。
【0012】
また本発明においては、接続面に複数のボール電極が形成された表面実装型電子部品において、一面側に接続面の各ボール電極に対応して第1のランドがそれぞれ形成されると共に、他面側に被実装対象の実装面に形成された複数の電極に対応しかつ各第1のランドと導通接続するように第2のランドがそれぞれ形成された中間基板を設け、中間基板は、第1及び第2のランドの配列パターンよりも狭ピッチの配列パターンを含む所定部位のみを介して一面側及び他面側間が接続されており、中間基板を各第1のランドが接続面の対応する各ボール電極と接合するように当該接続面に貼り付けるようにした。
【0013】
この結果この表面実装型電子部品では、被実装対象に外圧等が加えられても、当該被実装対象に生じた応力が、表面実装型電子部品よりも格段と面積の小さくかつ第1及び第2のランドの配列パターンよりも狭ピッチの配列パターンを含む所定部位によって緩衝されるため、表面実装型電子部品の各角部において導通不良状態となるのを回避することができる。
【発明の効果】
【0014】
上述のように本発明によれば、接続面に複数のボール電極が形成された表面実装型電子部品と、実装面に各ボール電極に対応してそれぞれ電極が形成された配線基板と、一面側に表面実装型電子部品の各ボール電極に対応して第1のランドがそれぞれ形成されると共に、他面側に配線基板の各電極に対応しかつ各第1のランドと導通接続するように第2のランドがそれぞれ形成された中間基板とを設け、中間基板は、第1及び第2のランドの配列パターンよりも狭ピッチの配列パターンを含む所定部位のみを介して一面側及び他面側間が接続され、表面実装型電子部品の各ボール電極が中間基板の対応する各第1のランドと接合すると共に、当該中間基板の対応する各第2のランドが配線基板の対応する各電極と接合するように、表面実装型電子部品を中間基板を介挿して配線基板の実装面に実装するようにしたことにより、配線基板に外圧等が加えられても、当該配線基板に生じた応力が中間基板によって緩衝されるため、表面実装型電子部品の各角部において導通不良状態となるのを回避することができ、かくして電気的接続の信頼性を向上し得る実装基板を実現できる。
【0015】
また本発明によれば、接続面に複数のボール電極が形成された表面実装型電子部品において、一面側に接続面の各ボール電極に対応して第1のランドがそれぞれ形成されると共に、他面側に被実装対象の実装面に形成された複数の電極に対応しかつ各第1のランドと導通接続するように第2のランドがそれぞれ形成された中間基板を設け、中間基板は、第1及び第2のランドの配列パターンよりも狭ピッチの配列パターンを含む所定部位のみを介して一面側及び他面側間が接続されており、中間基板を各第1のランドが表面実装型電子部品の対応する各ボール電極と接合するように当該表面実装型電子部品に貼り付けるようにしたことにより、被実装対象に外圧等が加えられても、当該被実装対象に生じた応力が中間基板によって緩衝されるため、表面実装型電子部品の各角部において導通不良状態となるのを回避することができ、かくして電気的接続の信頼性を向上し得る表面実装型電子部品を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0017】
(1)第1の実施の形態
(1−1)第1の実施の形態による実装基板の構成
図1において、10は全体として第1の実施の形態による実装基板を示し、所定の配線パターンが形成されたプリント配線板11の実装面11A上に中間基板12を介してBGAでなる半導体パッケージ13が実装されることにより構成されている。
【0018】
この中間基板12は、2枚のガラスエポキシ等の柔軟な絶縁樹脂材からなるフィルム(以下、これを緩衝導通フィルムと呼ぶ)14A、14Bが導電性接着剤15を介して貼り合わされた構成でなり、当該各緩衝導通フィルム14A、14Bの外側表面に形成されたランドパターン同士が互いに導通接続された状態にある。
【0019】
そして半導体パッケージ13及びプリント配線板11間に介挿された中間基板12は、半導体パッケージ13のパッケージ基板13Aの裏面に形成された複数のボール電極16と、プリント配線板11の実装面11Aに形成された複数のボール電極17とをそれぞれ対応させて導通接続するようになされている。
【0020】
具体的に、緩衝導通フィルム14A、14Bは、図2(A)及び(B)に示すように、全体として略正方形のフィルム状でなり、一面に半導体パッケージ13の複数のボール電極16(又はプリント配線板11の複数のボール電極17)に対応する所定パターンのランド(以下、これを電極側ランドと呼ぶ)18が形成されると共に、他面に当該各電極側ランド18と導通する微細ピッチでなる所定パターンのランド(以下、これを接合側ランドと呼ぶ)19が形成されている。
【0021】
この緩衝導通フィルム14A、14Bの接合側ランド(図2(A))19は、中央の一部の領域(フィルム全体の約9分の1)に、半導体パッケージ13の複数のボール電極16(又はプリント配線板11の複数のボール電極17)と同じ数だけ非常に微細なピッチで集中して形成されている。
【0022】
なお第1の実施の形態では、半導体パッケージ13のパッケージ基板13Aの裏面には、中央部を除いてその周端を取り囲むように、複数のボール電極16が2列ずつ所定ピッチで形成されている。これに対応してプリント配線板11の実装面11Aには、上述の複数のボール電極16と同じ配列パターンで複数のボール電極17が形成されている。
【0023】
実際に半導体パッケージ13をプリント配線板11の実装面11Aに実装する工程を図3(A)〜(C)に示す。まず一対の緩衝導通フィルム14A、14Bをそれぞれ接合側ランド19を対向させた状態で、当該各接合側ランド19を位置合わせしながら間に導電性接着剤15を介して貼り合わせることにより、中間基板12を形成する(図3(A))。
【0024】
ここで用いられる導電性接着剤15は、各緩衝導通フィルム14A、14Bの接合側ランドのみを覆うようなサイズに設定されると共に、当該各緩衝導通フィルム14A、14B同士を接合した際に双方が互いに接触しない程度に厚みが設定されている。
【0025】
続いて半導体パッケージ13の各ボール電極16に、中間基板12を形成する一方の緩衝導通フィルム14Aの各電極側ランド18を位置決めした状態で、当該中間基板12を半導体パッケージ13に導通させながら接合する(図3(B))。
【0026】
そして中間基板12が導通した状態で接合された半導体パッケージ13を、当該中間基板12を介してプリント配線板11の実装面11Aに実装する(図3(C))。このときプリント配線板11の実装面11Aに形成されたランドパターン(すなわち複数のボール電極17)が、中間基板12を形成する他方の緩衝導通フィルム14Bの各電極側ランド18とそれぞれ導通するように位置決めさせる。
【0027】
このようにして、図4(A)に示すように、半導体パッケージ13を中間基板12を介してプリント配線板11の実装面11A上に実装してなる実装基板10を得ることができる。
【0028】
(1−2)第1の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、この実装基板10を製造する際、まず一対の緩衝導通フィルム14A、14Bをそれぞれ各電極側ランド18を外部に露出させると共に双方の各接合側ランド19を導電性接着剤15を介して互いに貼り合わせるようにして、中間基板12を形成しておく。
【0029】
そしてこの中間基板12を半導体パッケージ13のパッケージ基板13Aに導通接続するように貼り付けた後、当該中間基板12を間に挟んで半導体パッケージ13をプリント配線板11の実装面11A上に実装するようにして実装基板10を製造する。
【0030】
この実装基板10に外圧等が加えられてプリント配線板11に反りが生じた場合には、当該反りによる応力が中間基板12の一方の緩衝導電フィルム14Bに加えられるが、導電性接着剤15のサイズが半導体パッケージ13のパッケージ基板13Aよりも格段と小さい(接合側ランド19の形成部位のみである)ことから、他方の緩衝導電フィルム14Aには何ら応力が与えられなくて済む(図4(B))。
【0031】
従って半導体パッケージ13のパッケージ基板13Aの各角部に形成されているボール電極16が中間基板12の他方の緩衝導通フィルム14Aから剥離や破断等を起こして導通不良状態となるのを回避することができる。
【0032】
以上の構成によれば、この実装基板10において、半導体パッケージ13及びプリント配線板11間に、一対の緩衝導通フィルム14A、14Bを双方を導通接続させるように中央の一部のみ導電性接着剤15を介して互いに貼り合わせてなる中間基板12を介挿するようにしたことにより、プリント配線板11に外圧等が加えられても、当該プリント配線板11に生じた応力が半導体パッケージ13のパッケージ基板13Aよりも格段と面積の小さい導電性接着剤15によって緩衝されるため、半導体パッケージ13のパッケージ基板13Aの各角部において導通不良状態となるのを回避することができ、かくして電気的接続の信頼性を向上し得る実装基板10を実現できる。
【0033】
(2)第2の実施の形態
(2−1)第2の実施の形態による実装基板の構成
図4(A)及び(B)との対応部分に同一符号を付して示す図5(A)及び(B)において、第2の実施の形態による実装基板20は、半導体パッケージ21及びプリント配線板22の電極パターンが異なると共に、中間基板23の構成が異なることを除いて、第1の実施の形態による実装基板10と同様に構成されている。
【0034】
具体的には、第2の実施の形態では、半導体パッケージ21のパッケージ基板21Aの裏面には、全体に亘って格子状に縦横それぞれ所定の間隔を保って複数のボール電極24が形成されている。これに対応してプリント配線板22の実装面22Aには、上述の複数のボール電極24と同じ配列パターンで複数のボール電極26が形成されている。
【0035】
これに対応して、中間基板23では、一対の緩衝導通フィルム25A、25Bは、図6(A)及び(B)に示すように、それぞれ一面に半導体パッケージ21のパッケージ基板21Aの裏面に形成された複数のボール電極24に対応する所定パターンの電極側ランド27が形成されると共に、他面に当該各電極側ランド27と導通する微細ピッチでなる所定パターンの接合側ランド28が形成されている。
【0036】
この中間基板23を形成する各緩衝導通フィルム25A、25Bでは、一面に形成された複数の電極側ランド27と他面に形成された複数の接合側ランド28とが同一位置にある場合には、双方を対応させるように、所定部位にそれぞれ緩衝導通フィルム25A、25Bを厚み方向に貫通するスルーホールSHが形成されている。
【0037】
この点で各緩衝導通フィルム25A、25Bでは、第1の実施の形態(図2(B))のような複数の電極側ランド18及びこれらに対応する接合側ランド19間を単にフィルム内でそれぞれ導通させる場合と異なり、双方のランド27、28間の形成位置を自由に決定することができる。
【0038】
これにより各緩衝導通フィルム25A、25Bでは、一面及び他面における同一位置に電極側ランド27及び接合側ランド28が形成されている場合でも、双方のランド27、28間をスルーホールSHを介して導通接続させることができる。従って各緩衝導通フィルム25A、25Bでは、一面に形成された複数の電極側ランド27の配列パターンにかかわらず、他面に微細ピッチでなる所定パターンの接合側ランド28を自由な位置に形成することができる。
【0039】
(2−2)第2の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、第2の実施の形態の場合も、まず一対の緩衝導通フィルム25A、25Bをそれぞれ各電極側ランド27を外部に露出させると共に双方の各接合側ランド28を導電性接着剤15を介して互いに貼り合わせるようにして、中間基板23を形成する。そしてこの中間基板23を半導体パッケージ21のパッケージ基板21Aに導通接続するように貼り付けた後、当該中間基板23を間に挟んで半導体パッケージ21をプリント配線板22の実装面22A上に実装するようにして実装基板20を製造する。
【0040】
この実装基板20に外圧等が加えられてプリント配線板22に反りが生じた場合であっても、当該反りによる応力が中間基板23の一方の緩衝導電フィルム25Bに加えられるが、他方の緩衝導電フィルム25Aには何ら応力が与えられなくて済み(図5(B))、この結果、半導体パッケージ21のパッケージ基板21Aの各角部に形成されているボール電極24が中間基板23の他方の緩衝導通フィルム25Aから剥離や破断等を起こして導通不良状態となるのを回避することができる。
【0041】
また第2の実施の形態による中間基板23では、各緩衝導通フィルム25A、25Bの電極側ランド27の配列パターンと接合側ランド28の配列パターンが厚み方向に一致する場合には、当該一致する部位における双方のランド27、28間をスルーホールSHを介して導通接続させるようにしたことにより、半導体パッケージ21のパッケージ基板21Aに形成する電極パターンにかかわらず中間基板23の各緩衝導通フィルム25A、25Bの接合側ランド28を自由にピッチ間隔や配列パターンを設定することができる。
【0042】
以上の構成によれば、この実装基板20において、半導体パッケージ21及びプリント配線板22間に、一対の緩衝導通フィルム25A、25Bを双方を導通接続させるように中央の一部のみ導電性接着剤15を介して互いに貼り合わせてなる中間基板23を介挿するようにしたことにより、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて、中間基板23を、半導体パッケージ21のパッケージ基板21Aに形成する電極パターンにかかわらず各緩衝導通フィルム25A、25Bの接合側ランド28を自由にピッチ間隔や配列パターンを設定することができるように構成したことにより、あらゆる種類の半導体パッケージ21に広く適用することができ、かくして第1の実施の形態の場合よりも半導体パッケージ21に多様性を持たせることができる。
【0043】
(3)第3の実施の形態
(3−1)第3の実施の形態による実装基板の構成
図4(A)及び(B)との対応部分を付して示す図7(A)及び(B)において、第3の実施の形態による実装基板30は、半導体パッケージ13及びプリント配線板11間に上述した第1の実施の形態と同一構成でなる中間基板23を2枚重ねて積層したこと除いて、第1の実施の形態による実装基板10と同様に構成されている。
【0044】
これら2層構造の中間基板23(以下、これを中間多層基板31と呼ぶ)では、当該中間基板23同士で対向する緩衝導通フィルム14A、14Bは、何ら半導体パッケージ13やプリント配線板11の電極パターンの影響を受けることがないため、互いに同一の配列パターンであれば自由な位置にそれぞれ電極側ランド18を形成することができる。そして中間多層基板31における2枚の中間基板23間には、双方の各電極側ランド18が互いに導通接続するようにそれぞれボール電極32が対応して設けられている。
【0045】
(3−2)第3の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、まず一対の緩衝導通フィルム14A、14Bをそれぞれ各電極側ランド18を外部に露出させると共に双方の各接合側ランド19を導電性接着剤15を介して互いに貼り合わせるようにして、中間基板23を2枚形成した後、これらの中間基板23を互いに導通するように積層させる。
【0046】
そしてこれら2層構造でなる中間多層基板31を半導体パッケージ13のパッケージ基板13Aに導通接続するように貼り付けた後、当該2層構造の中間基板31を間に挟んで半導体パッケージ13をプリント配線板11の実装面11A上に実装するようにして実装基板30を製造する。
【0047】
この実装基板30に外圧等が加えられてプリント配線板11に反りが生じた場合であっても、当該反りによる応力が2層構造の中間多層基板31のうち一方の中間基板23に加えられるが、他方の中間基板23には何ら応力が与えられなくて済み(図7(B))、この結果、半導体パッケージ13のパッケージ基板13Aの各角部に形成されているボール電極16が他方の中間基板23から剥離や破断等を起こして導通不良状態となるのを回避することができる。
【0048】
さらに第3の実施の形態の実装基板30では、中間多層基板31を2枚の中間基板23を積層させて構成したことにより、第1の実施の形態の場合よりも、プリント配線板11に様々な方向から応力が加わっても実用上十分に耐えることができ、この結果、携帯機器や小型機器内のどの部分に搭載された場合でも十分にプリント配線板11に加わる応力を緩衝させることができる。
【0049】
以上の構成によれば、この実装基板30において、半導体パッケージ13及びプリント配線板11間に、一対の緩衝導通フィルム14A、14Bを双方を導通接続させるように中央の一部のみ導電性接着剤15を介して互いに貼り合わせてなる中間基板23を2枚積層させた中間多層基板31を介挿するようにしたことにより、プリント配線板11に様々な方向から外圧等が加えられても、当該プリント配線板11に生じた応力が2層構造でなる中間基板23の各導電性接着剤15によって緩衝されるため、半導体パッケージ13のパッケージ基板13Aの各角部において導通不良状態となるのを回避することができ、かくして電気的接続の信頼性を向上し得る実装基板30を実現できる。
【0050】
(4)他の実施の形態
なお第1〜第3の実施の形態においては、本発明を携帯機器や小型機器に搭載する実装基板10、20、30に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、搭載する機器が外圧等により変形し易いものであれば、種々の構成の機器に広く適用することができる。
【0051】
また上述の第1及び第3の実施の形態においては、表面実装型電子部品として、図4(A)及び図7(A)に示すように、パッケージ基板13Aの裏面(接続面)に、中央部を除いてその周端を取り囲むように、複数のボール電極16が2列ずつ所定ピッチで形成された半導体パッケージ13を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、接続面の一部を除いていれば、この他種々の配列パターン及び配列ピッチで複数のボール電極16が形成された半導体パッケージに広く適用するようにしても良い。
【0052】
一方、上述の第2の実施の形態においては、表面実装型電子部品として、図5(A)に示すように、パッケージ基板21Aの裏面(接続面)に、全体に亘って格子状に縦横それぞれ所定の間隔を保って複数のボール電極24が形成された半導体パッケージ21を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、接続面の全体に亘っていれば、この他種々の配列パターン及び配列ピッチで複数のボール電極16が形成された半導体パッケージに広く適用するようにしても良い。
【0053】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、一面側に半導体パッケージ(表面実装型電子部品)13、21の各ボール電極16、24に対応して電極側ランド(第1のランド)18、27がそれぞれ形成されると共に、他面側にプリント配線板(配線基板)11、22の各ボール電極17、26に対応しかつ各電極側ランド(第1のランド)18、27と導通接続するように接合側ランド(第2のランド)19、28がそれぞれ形成された中間基板12、23として、図4(A)、図5(A)及び図7(A)に示すような一対の緩衝導電フィルム14A、14B又は25A、25B間に導電性接着剤15を介挿したものを適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、中間基板が第1及び第2のランドの配列パターンよりも狭ピッチの配列パターンを含む所定部位のみを介して一面側及び他面側間が接続されていれば、当該所定部位は導電性接着剤15以外にも金(Au)バンプを介して個別にランド間を導通接続するようにしても良い。
【0054】
さらに上述の第1〜第3の本実施の形態においては、中間基板12、23の一面側及び他面側間を接続する所定部位を中央部に設定した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これ以外にも所望の部位に設定するようにしても良い。その際、実装基板10、20、30の搭載位置に応じて、中間基板12、23の一面側及び他面側間を接続する所定部位の位置を決定すれば、より一層電気的接続の信頼性を向上し得る実装基板を実現できる。
【0055】
すなわち携帯機器や小型機器内におけるプリント配線板の実装位置が予め設定されていれば、そのとき当該プリント配線板にかかる応力分布に基づいて、半導体パッケージのパッケージ基板のどの部位にどのくらいの応力が加わるかを認識しておくことにより、半導体パッケージ及びプリント配線板間に介挿する中間基板の各緩衝導電フィルムの接合側ランドの配列位置及び配列パターンを決定すれば良い。
【0056】
さらに上述の第3の実施の形態においては、中間基板23を複数枚積層してなる中間多層基板31を設けた場合について述べたが、要は、プリント配線板11に様々な方向から応力が加わっても実用上十分に耐えることができれば、中間基板23の積層数やボール電極32の接合位置など自由に設定するようにしても良い。
【0057】
さらに上述の第1〜第3の実施の形態においては、図3(A)〜(C)に示すように、半導体パッケージ(表面実装型電子部品)13、21に中間基板12、23又は中間多層基板31を接合した後に、当該中間基板12、23又は中間多層基板31を間に挟んでプリント配線板(配線基板)11、22の実装面11A、22Aに実装するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、プリント配線板(配線基板)11、22の実装面11A、22Aの中間基板12、23又は中間多層基板31を接合した後に、当該中間基板12、23又は中間多層基板31を間に挟んで半導体パッケージ(表面実装型電子部品)13、21をプリント配線板(配線基板)11、22の実装面11A、22Aに実装するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、携帯機器や小型機器に搭載する実装基板のほか、この他種々の機器に搭載する実装基板に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】第1の実施の形態による実装基板の構成を示す略線的な側面図である。
【図2】第1の実施の形態による緩衝導電フィルムの構成を示す略線的な平面図及び部分的断面図である。
【図3】中間基板を介した半導体パッケージの実装工程の説明に供する略線的な斜視図である。
【図4】第1の実施の形態による中間基板を介した半導体パッケージの実装状態の説明に供する略線的な部分的断面図である。
【図5】第2の実施の形態による中間基板を介した半導体パッケージの実装状態の説明に供する略線的な部分的断面図である。
【図6】第2の実施の形態による緩衝導電フィルムの構成を示す略線的な平面図及び部分的断面図である。
【図7】第3の実施の形態による中間基板を介した半導体パッケージの実装状態の説明に供する略線的な部分的断面図である。
【図8】従来の半導体パッケージの実装状態の説明に供する略線的な側面図である。
【符号の説明】
【0060】
1、13、21……半導体パッケージ、5、11、22……プリント配線板、10、20、30……実装基板、12、23……中間基板、14A、14B、25A、25B……緩衝導電フィルム、15……導電性接着剤、16、17、24、26、32……ボール電極、18、27……電極側ランド、19、28……接合側ランド、31……中間多層基板、SH……スルーホール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続面に複数のボール電極が形成された表面実装型電子部品と、
実装面に各上記ボール電極に対応してそれぞれ電極が形成された配線基板と、
一面側に上記表面実装型電子部品の各上記ボール電極に対応して第1のランドがそれぞれ形成されると共に、他面側に上記配線基板の各上記電極に対応しかつ各上記第1のランドと導通接続するように第2のランドがそれぞれ形成された中間基板と
を具え、
上記中間基板は、上記第1及び第2のランドの配列パターンよりも狭ピッチの配列パターンを含む所定部位のみを介して上記一面側及び上記他面側間が接続され、
上記表面実装型電子部品の各上記ボール電極が上記中間基板の対応する各上記第1のランドと接合すると共に、当該中間基板の対応する各上記第2のランドが上記配線基板の対応する各上記電極と接合するように、上記表面実装型電子部品を上記中間基板を介挿して上記配線基板の上記実装面に実装するようにした
ことを特徴とする実装基板。
【請求項2】
上記中間基板を複数枚積層する
ことを特徴とする請求項1に記載の実装基板。
【請求項3】
上記実装基板の搭載位置に応じて、上記中間基板の上記一面側及び上記他面側間を接続する上記所定部位の位置を決定するようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の実装基板。
【請求項4】
接続面に複数のボール電極が形成された表面実装型電子部品において、
一面側に上記接続面の各上記ボール電極に対応して第1のランドがそれぞれ形成されると共に、他面側に被実装対象の実装面に形成された複数の電極に対応しかつ各上記第1のランドと導通接続するように第2のランドがそれぞれ形成された中間基板
を具え、
上記中間基板は、上記第1及び第2のランドの配列パターンよりも狭ピッチの配列パターンを含む所定部位のみを介して上記一面側及び上記他面側間が接続されており、
上記中間基板を各第1のランドが上記接続面の対応する各上記ボール電極と接合するように当該接続面に貼り付ける
ことを特徴とする表面実装型電子部品。
【請求項5】
上記中間基板を複数枚積層する
ことを特徴とする請求項4に記載の表面実装型電子部品。
【請求項6】
上記被実装対象の搭載位置に応じて、上記中間基板の上記一面側及び上記他面側間を接続する上記所定部位の位置を決定するようにした
ことを特徴とする請求項4に記載の表面実装型電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−60129(P2006−60129A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−242334(P2004−242334)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】