説明

実装部品の接合装置、基板のアライメント装置およびアライメント方法

【課題】簡易な装置構成で、生産効率を向上させることができる実装部品の接合装置、基板のアライメント装置およびアライメント方法を提供する。
【解決手段】第1基板を位置決め状態で載置すると共に、第2基板を第1基板に対し仮位置決め状態で載置するワークテーブル52と、ワークテーブル52を介して両基板を、各ステーションを一方向に搬送するワーク搬送手段51と、アライメントステーションに配設され、仮位置決め状態の第2基板をワークテーブル52から受け取って、第2基板を第1基板に対し位置決めすると共に、位置決め後の第2基板をワークテーブル52に受け渡すアライメント手段53と、圧着ステーションに配設され、位置決めされた両基板が載置されたワークテーブル52に臨み、ワークテーブル52上の両基板を端子接続する熱圧着手段54と、を備えるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルの製造工程において、パネル基板にフレキシブル基板(FPC)を熱圧着により張り合わせる実装部品の接合装置、基板のアライメント装置およびアライメント方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の実装部品の接合装置として搬送ユニットにアライメント用のX・Y・θテーブルを搭載し、パネルおよびPCB(回路基板)をアライメントした状態で圧着ステーションに臨ませるものが知られている(特許文献1参照)。この実装部品の接合装置では、搬送ユニット上にパネルおよびPCBを真空吸着にて位置決め保持し、圧着ステーションにおいてPCBとパネルとの位置合わせ及び重ね合わせ(アライメント)を行い、パネルとPCBとを熱圧着することで接合を行っている。
【特許文献1】特開平11−242236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記構成は搬送ユニット上にアライメント用のX・Y・θテーブルを搭載しているが、1サイクル時間に占める圧着時間を最小にして生産性をあげるために、インデックス装置上に分割数と同じ数のX・Y・θテーブルを等間隔に搭載する構成が考えられる。しかし、この場合、インデックス装置上に複数のX・Y・θテーブルを搭載するため装置の大型化、装置コストの増大およびインデックスの可動部重量が重くなるので回転速度が遅くなり、生産効率が低下するという問題が生ずる。
【0004】
本発明は、簡易な装置構成で、生産効率を向上させることができる実装部品の接合装置、基板のアライメント装置およびアライメント方法を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実装部品の接合装置は、第1基板および第2基板のいずれか一方に貼着した異方性導電フィルムを介して、第1基板と第2基板とを熱圧着により端子接続する実装部品の接合装置において、第1基板を位置決め状態で吸着載置すると共に、第2基板を第1基板に対し仮位置決め状態で吸着載置するワークテーブルと、ワークテーブルを搭載し、ワークテーブルを介して第1基板および第2基板を、給材ステーション、アライメントステーション、圧着ステーションおよび除材ステーションの順で搬送するワーク搬送手段と、アライメントステーションに配設され、仮位置決め状態の第2基板をワークテーブルから受け取って、第2基板を第1基板に対し位置決めすると共に、位置決め後の第2基板をワークテーブルに受け渡すアライメント手段と、圧着ステーションに配設され、位置決めされた第1基板および第2基板が吸着載置されたワークテーブルに臨み、ワークテーブル上の第1基板と第2基板とを熱圧着により端子接続する熱圧着手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、アライメント手段は、ワーク搬送手段に搭載されておらず、第2基板をワーク搬送手段との間で相互に受取りおよび受渡しを行なって、第2基板の位置決めを行なう。このため、アライメント手段をワーク搬送手段とは別体で固定的に設けることができ、ワーク搬送手段の小型化および軽量化を達成することができる。また、ワーク搬送手段の可搬重量を小さくすることができるため、第1基板および第2基板を高速搬送することができ、生産性を向上させることができる。
【0007】
この場合、ワーク搬送手段が、周端部にワークテーブルを搭載した回転体と、回転体を回転駆動する回転機構と、で構成されていることが、好ましい。
【0008】
この構成によれば、第1基板および第2基板の搬送に対し、回転体を一方向に回転させればよいので装置の構造および制御が容易となる。
【0009】
この場合、給材ステーションと除材ステーションとは、兼用の給材・除材ステーションとなっており、給材・除材ステーションに配設され、ワークテーブルに第1基板を位置決め状態で給材すると共に第2基板を第1基板に対し仮位置決め状態で給材し、且つ熱圧着後の第1基板および第2基板を除材する給材・除材手段を、更に備えたことが、好ましい。
【0010】
この構成によれば、単一のステーションで給材および除材が行われるため、給材・除材ステーションのスペースを小さくすることができると共に、給材および除材の別々の手段を必要としないため、装置構成も単純化することができる。また、給材した時点で第1基板および第2基板の相互のプリアライメントが行われるため、アライメントステーションにおいてプリアライメント手段を省略することができる。また、アライメントステーションにおいて、第1基板および第2基板を単一の認識装置により同時に画像認識することが可能となる。
【0011】
この場合、給材・除材ステーション、アライメントステーションおよび圧着ステーションが、回転体の周方向に等ピッチで配設されており、ワークテーブルは、回転体の周方向に等ピッチで3個搭載されていることが、好ましい。
【0012】
この構成によれば、圧着ステーションに臨んだワークテーブル上の第1基板と第2基板とを圧着している間に、他の2個のワークテーブルはそれぞれ給材・除材ステーションおよびアライメントステーションに臨んで、第1基板および第2基板の給材・除材およびアライメントを受けることができる。これにより、一層生産性を向上させることができる。
【0013】
本発明の他の実装部品の接合装置は、第1基板および第2基板のいずれか一方に貼着した異方性導電フィルムを介して、第1基板と第2基板とを熱圧着により端子接続する実装部品の接合装置において、第1基板を位置決め状態で吸着載置すると共に、第2基板を第1基板に対し仮位置決め状態で吸着載置する一対のワークテーブルと、一対のワークテーブルを搭載し、一方のワークテーブルを介して第1基板および第2基板を第1アライメントステーションおよび圧着ステーションの相互間で搬送すると同時に、他方のワークテーブルを介して第1基板および第2基板を圧着ステーションおよび第2アライメントステーションの相互間で搬送するワーク搬送手段と、第1アライメントステーションおよび第2アライメントステーションにそれぞれ配設され、仮位置決め状態の第2基板をワークテーブルから受け取って、第2基板を第1基板に対し位置決めすると共に、位置決め後の第2基板をワークテーブルに受け渡す一対のアライメント手段と、圧着ステーションに配設され、位置決めされた第1基板および第2基板が吸着載置されたワークテーブルに臨み、ワークテーブル上の第1基板と第2基板とを熱圧着により端子接続する熱圧着手段と、ワーク搬送手段、一対のアライメント手段および熱圧着手段を制御し、第1アライメントステーションおよび圧着ステーションによる第1基板および第2基板の位置決め・圧着動作と、第2アライメントステーションおよび圧着ステーションによる第1基板および第2基板の位置決め・圧着動作と、を交互に行わせる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、アライメント手段は、ワーク搬送手段に搭載されておらず、第2基板をワーク搬送手段との間で相互に受取りおよび受渡しを行なって、第2基板の位置決めを行なう。このため、アライメント手段をワーク搬送手段とは別体で固定的に設けることができ、ワーク搬送手段の小型化および軽量化を達成することができる。また、ワーク搬送手段の可搬重量を小さくすることができるため、第1基板および第2基板を高速搬送することができ、生産性を向上させることができる。さらに、一対のアライメント手段により交互にアライメントを行うようにしているため、熱圧着手段による熱圧着を連続して行なうことができ、生産性を向上させることができる。
【0015】
この場合、一対のワークテーブルは、一体に形成されていることが、好ましい。
【0016】
この構成によれば、単一の駆動源で一対のワークテーブルを同時に移動させることができる。
【0017】
この場合、各ワークテーブルは、第1基板を吸着載置する第1テーブル部と、第2基板を吸着載置すると共にワーク搬送手段からはみ出すように突出した第2テーブル部と、から成り、且つ第2テーブル部は、その輪郭内に第2基板の略半部を位置させて吸着載置しており、各アライメント手段は、第2基板を吸着載置すると共に、第2テーブル部に対し第2基板の受取りおよび受渡しを行なう授受テーブルと、授受テーブルを支持すると共に、授受テーブルを下降端位置から受取り位置を経て上昇端位置まで上昇動作させ且つ上昇端位置から受渡し位置を経て下降端位置まで下降動作させるZ軸テーブルと、Z軸テーブルを介して、授受テーブルをX・Y・θ方向に移動させ第1基板に対し第2基板を位置決めするXYθテーブルと、第1テーブル部に吸着した第1基板を画像認識すると共に、授受テーブルに吸着した第2基板を画像認識する基板認識手段と、第2テーブル部および授受テーブルによる吸着動作を制御すると共に、Z軸テーブルおよびXYθテーブルによる移動動作を制御する制御手段と、を有し、制御手段は、授受テーブルを上昇させ第2テーブル部から授受テーブルに吸着動作を切り替えて第2テーブル部から第2基板を受取った後、基板認識手段の認識結果に基づいて、第2基板を第1基板に対し位置決めし、更に授受テーブルを下降させ授受テーブルから第2テーブル部に吸着動作を切り替えて第2テーブル部に第2基板を受渡すことが、好ましい。
【0018】
この構成によれば、アライメント手段の授受テーブルが、ワークテーブル上の第2基板を上昇して受け取り、アライメントの後、下降してワークテーブルに受け渡すようになっている。このため、アライメント手段およびこれに臨むワークテーブルの上方空間に、十分なスペースを構成することができ、例えばアライメントのための基板認識手段等の設置スペースが制約を受けることがない。
【0019】
この場合、第2テーブル部の吸着部位および授受テーブルの吸着部位は、第2基板の略半部ずつが載置される形状にそれぞれ形成されていることが、好ましい。
【0020】
この構成によれば、第2基板の第2テーブルとの接触面積と授受テーブルとの接触面積がほぼ等しくなるため、第2基板を第2テーブル部と授受テーブルとの間で安定した状態で受渡すことができる。なお、第2基板の受取りおよび受渡しに際し、第2テーブル部および授受テーブルは、それぞれの吸着および吸着解除を瞬時に切り替えるようにする。
【0021】
この場合、第2テーブル部の吸着部位および授受テーブルの吸着部位は、櫛歯状に相互に噛み合う形状にそれぞれ形成されていることが、好ましい。
【0022】
この構成によれば、第2基板がフラットな状態で第2テーブル部および授受テーブルに載置されるため第2基板を第2テーブル部と授受テーブルとの間で、より安定した状態で受渡すことができる。なお、第2基板の受取りおよび受渡しに際し、第2テーブル部および授受テーブルは、それぞれの吸着および吸着解除を瞬時に切り替えるようにする。
【0023】
この場合、第1基板が液晶パネル基板であり、第2基板が液晶パネル基板に接続されるフレキシブル基板であることが、好ましい。
【0024】
この構成によれば、液晶パネル基板とフレキシブル基板とを、効率良く接合することができる。
【0025】
本発明の基板のアライメント装置は、第1基板を位置決め状態で吸着載置する第1テーブル部と、第2基板を第1基板に対し仮位置決め状態で且つ輪郭内に第2基板の略半部を位置させ吸着載置するワークテーブルに臨み、第2基板を第1基板に対し位置決めする基板のアライメント装置において、第2基板を吸着載置すると共に、第2テーブル部に対し第2基板の受取りおよび受渡しを行なう授受テーブルと、授受テーブルを支持すると共に、授受テーブルを下降端位置から受取り位置を経て上昇端位置まで上昇動作させ且つ上昇端位置から受渡し位置を経て下降端位置まで下降動作させるZ軸テーブルと、Z軸テーブルを介して、授受テーブルをX・Y・θ方向に移動させ第1基板に対し第2基板を位置決めするXYθテーブルと、第1テーブル部に吸着した第1基板を画像認識すると共に、授受テーブルに吸着した第2基板を画像認識する基板認識手段と、第2テーブル部および授受テーブルによる吸着動作を制御すると共に、Z軸テーブルおよびXYθテーブルによる移動動作を制御する制御手段と、を有し、制御手段は、授受テーブルを上昇させ第2テーブル部から授受テーブルに吸着動作を切り替えて第2テーブル部から第2基板を受取った後、基板認識手段の認識結果に基づいて、第2基板を第1基板に対し位置決めし、更に授受テーブルを下降させ授受テーブルから第2テーブル部に吸着動作を切り替えて第2テーブル部に第2基板を受渡すことを特徴とする。
【0026】
本発明の基板のアライメント方法は、第1基板を位置決め状態で吸着載置する第1テーブル部と、第2基板を第1基板に対し仮位置決め状態で且つ輪郭内に第2基板の略半部を位置させ吸着載置するワークテーブルに臨み、第2基板を第1基板に対し位置決めする基板のアライメント方法において、第2基板を吸着載置可能な授受テーブルを用い、授受テーブルを上昇させ第2テーブル部から授受テーブルに吸着動作を切り替えて第2テーブル部から第2基板を受取った後、第1基板に対する第2基板の位置決めを行い、更に授受テーブルを下降させ授受テーブルから第2テーブル部に吸着動作を切り替えて第2テーブル部に第2基板を受渡すことを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、アライメント手段の授受テーブルが、ワークテーブル上の第2基板を上昇して受け取り、アライメントの後、下降してワークテーブルに受け渡すようになっている。このため、アライメント手段およびこれに臨むワークテーブルの上方空間に、十分なスペースを構成することができ、例えばアライメントのための基板認識手段等の設置スペースが制約を受けることがない。したがって、アライメント装置廻りのスペース効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、添付の図面に基づいて、本発明の一実施形態に係る実装部品の接合装置(以下、「接合装置」という。)を組み込んだ圧着ブースについて説明する。この圧着ブースは、液晶パネルの製造ラインの一部を構成しており、上下一対の透明ガラス(ガラス基板)を貼り合わせてなるパネル基板と、ACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電フィルム)を貼着したフレキシブル基板(FPC)を導入し、接合装置により、パネル基板とフレキシブル基板とを熱圧着により端子接続するものである。
【0029】
図1は、圧着ブース1の全体斜視図であり、圧着ブース1は、基台2と、基台2上に設置した接合装置3と、接合装置3に接合前のパネル基板W1およびフレキシブル基板W2を搬入する基板搬入装置4と、接合装置3から接合後のパネル基板W1およびフレキシブル基板W2を搬出する基板搬出装置5と、これらを統括制御する制御装置(図示省略)と、を備えている。接合装置3は、3個のワークテーブル52を固定的に搭載したインデックス装置51(ワーク搬送手段)の周囲に、給材除材ステーション91、アライメントステーション92および圧着ステーション93を配置して、構成されている(図3参照)。この場合、3個のワークテーブル52は、120°の角度間隔を存してインデックス装置51上に搭載され、また給材除材ステーション91、アライメントステーション92および圧着ステーション93は、120°の角度間隔を存してインデックス装置51の周囲に配設されている。
【0030】
図1および図3に示すように、給材除材ステーション91には、接合前のパネル基板W1およびフレキシブル基板W2を基板搬入装置4からワークテーブル52に移載すると共に、接合後のパネル基板W1およびフレキシブル基板W2をワークテーブル52から基板搬出装置5に移載する給材除材装置55(給材・除材手段)が設けられている。アライメントステーション92には、パネル基板W1に対しフレキシブル基板W2を位置決めするアライメント装置53(アライメント手段)が設けられ、また圧着ステーション93には、位置決めされたパネル基板W1とフレキシブル基板W2とを熱圧着する熱圧着装置54(熱圧着手段)が設けられている。すなわち、給材除材装置55、アライメント装置53および熱圧着装置54は、120°の角度間隔を存してインデックス装置51に臨んでいる。
【0031】
給材除材装置55により、基板搬入装置4からワークテーブル52に仮位置決めの状態で載置されたパネル基板W1およびフレキシブル基板W2は、アライメント装置53で位置決めされ、さらに熱圧着装置54で熱圧着されて、最終的に給材除材装置55から基板搬出装置5に移載され、後工程の装置に向かって搬出される。
ここで、各装置を詳細に説明する前に、パネル基板W1およびフレキシブル基板W2について簡単に説明する。
【0032】
図2は、パネル基板W1およびフレキシブル基板W2が接合して形成された接合基板Wの全体図である。パネル基板W1は、2枚のガラス基板の間に液晶を封入して構成されており、その一方の長辺には透明電極の配線パターンの端子部が設けられている。また、パネル基板W1には、端子部を挟むように一対のアライメントマーク141が印されている。
フレキシブル基板W2は、短冊状のポリイミドフィルム等で構成され、その短辺の一方にはパネル基板W1に接続する配線パターンの端子部が設けられている。また、フレキシブル基板W2には、パネル基板W1のアライメントマーク141との位置合わせのため、端子部を挟むように突起部142が設けられている。そして、両基板はACFを介して端子部同士が熱圧着されることにより端子接合される。なお、本実施形態では、ACFはフレキシブル基板W2に貼着された状態で搬入される。
【0033】
図1に示すように、基板搬入装置4は、上下に2段に亘って配設した上コンベアおよび下コンベアと、上下両コンベアの搬送端に配設したバックアップ機構11とで構成されている。上コンベアは、パネル基板W1をベルト搬送により搬入し、下コンベアは、フレキシブル基板W2をベルト搬送により搬入する。また、バックアップ機構11は、上コンベアで搬入したパネル基板W1と下コンベアで搬入したフレキシブル基板W2と、を同時に受け取って、給材除材装置55への受け渡し位置まで上昇させる。この場合、上下両コンベアとバックアップ機構11とは、協動してパネル基板W1に対しフレキシブル基板W2を仮位置決め状態で給材除材装置55に受け渡すようになっている。同様に、基板搬出装置5は、単一のベルトコンベアで構成され、接合基板Wを給材除材装置55から受け取って、これを搬出する。
【0034】
図1および図4(a)に示すように、給材除材装置55は、給材アーム部41および除材アーム部42から成る平面略「L」字状の給材・除材アーム32と、給材アーム部41および除材アーム部42にそれぞれ2個ずつ搭載した計4個の吸着パッド31と、給材・除材アーム32を90°の角度で正逆回動させる回動機構33と、回動機構33を介して給材・除材アーム32を昇降させる昇降機構34と、で構成されている。給材アーム部41の2個の吸着パッド31は、パネル基板W1およびフレキシブル基板W2を吸着し、除材アーム部42の2個の吸着パッド31は、接合基板Wを吸着する。そして、これら4個の吸着パッド31は、それぞれ4本のエアーチューブを介して図外のエアー吸引装置に連通している。また、回動機構33により、給材・除材アーム32の給材アーム部41がバックアップ機構11に臨んでいる状態で除材アーム部42はワークテーブル52に臨み、給材アーム部41がワークテーブル52に臨んでいる状態で除材アーム部42は基板搬出装置5に臨むようになっている。
【0035】
基板搬入装置4からワークテーブル52への給材およびこれと同期してワークテーブル52から基板搬出装置5への除材では、先ず給材・除材アーム32を回動させ、給材アーム部41をバックアップ機構11により受渡し位置に搬入されたパネル基板W1およびフレキシブル基板W2の直上部に臨ませると同時に、除材アーム部42をワークテーブル52上の接合基板Wの直上部に臨ませる。次に、給材・除材アーム32を下降させ、給材アーム部41の2個の吸着パッド31により、バックアップ機構11上のパネル基板W1およびフレキシブル基板W2を吸着すると同時に、除材アーム部42の2個の吸着パッド31により、ワークテーブル52上の接合基板Wを吸着する。ここで、給材・除材アーム32を僅かに上昇させた後、90°回動させ、給材アーム部41に吸着したパネル基板W1およびフレキシブル基板W2をワークテーブル52に臨ませると同時に、除材アーム部に吸着した接合基板Wを基板搬出装置5に臨ませる。続いて、再度の給材・除材アーム32を下降させ、給材アーム部41が、ワークテーブル52にパネル基板W1およびフレキシブル基板W2を受け渡す(給材)と同時に、除材アーム部42が接合基板Wを基板搬出装置5に受け渡す(除材)。
【0036】
このようにして、給材除材装置55の給材動作が行われることで、基板搬入装置4から仮位置決め状態で搬送されてきたパネル基板W1およびフレキシブル基板W2を、パネル基板W1に対しフレキシブル基板W2を仮位置決め状態を維持したまま、接合装置3(ワークテーブル52)に移載することができる。この構成により、アライメント装置53に仮位置決め装置を設ける必要がなく、装置の小型化、装置コストの削減を達成することができる。
【0037】
インデックス装置51は、周端部に3個のワークテーブル52を搭載した円板状のインデックステーブル61(回転体)と、回転軸を介してインデックステーブル61を一方向に回転駆動する回転機構62と、から構成されている。回転機構62は、3個のワークテーブルに載置されたパネル基板W1およびフレキシブル基板W2をそれぞれ各ステーションに臨ませるように、120°間隔でインデックステーブル61を間欠回転させる。回転機構62は、インデックステーブル61を一方向に回転させればよいので装置の構造および制御が容易となる(図3参照)。
【0038】
図3および図4に示すように、ワークテーブル52は、パネル基板W1を吸着載置する長方形のパネルテーブル部71(第1テーブル部)と、パネルテーブル部71からインデックステーブル61から径方向外側にはみ出すように延在する長方形のフレキシブルテーブル部72(第2テーブル部)と、で略「T」字状に一体に形成されている。パネルテーブル部71およびフレキシブルテーブル部72には、それぞれ真空吸着機構が組み込まれており、これらは個別に制御されるようになっている(詳細は後述する)。
【0039】
具体的には、図7(a)に示すように、パネルテーブル部71は、中央部にパネル基板を吸着するための複数の吸着穴71aが形成されている。フレキシブルテーブル部72は、パネルテーブル部71の中心線に対し、回転方向後ろ寄りに位置して複数の吸着穴72aが長手方向に並ぶように形成されている。詳細は後述するが、フレキシブルテーブル部72には、アライメント装置53の授受テーブル81が近接して臨むようになっており、授受テーブル81は、フレキシブルテーブル部72と略同形に形成されている。そして、フレキシブルテーブル部72には、フレキシブル基板W2の短辺方向の略半部が吸着されるようになっている。
【0040】
図4(b)に示すように、アライメント装置53は、ワークテーブル52のフレキシブルテーブル部72に対し、フレキシブル基板W2の受取りおよび受渡しを行なう授受テーブル81と、授受テーブル81を支持すると共に、授受テーブル81を下降端位置から受け取り位置を経て上昇端位置まで上昇させ、且つ上昇端位置から受け渡し位置を経て下降端位置まで下降動作させるZ軸テーブル82と、Z軸テーブル82を介して、授受テーブル81をX・Y・θ方向に移動させパネル基板W1に対してフレキシブル基板W2を本位置決めするXYθテーブル83と、パネルテーブル部71に吸着したパネル基板W1を上方から画像認識すると共に、授受テーブル81に吸着したフレキシブル基板W2を画像認識する一対の基板認識カメラ84、84(基板認識手段)と、を有している。
【0041】
授受テーブル81は、フレキシブルテーブル部72と略同形の長方形に形成され、フレキシブルテーブル部72の側部近傍(回転方向後方近傍)に、添うように臨む。授受テーブル81は、フレキシブルテーブル部72の複数の吸着穴72aに対応して、これに平行となるように複数の吸着穴81aが形成され、フレキシブル基板W2の短辺方向の略半部を吸着する。すなわち、授受テーブル81とフレキシブルテーブル部72とは、それぞれの吸着部位にフレキシブル基板W2の略半部ずつ吸着載置する。これにより、フレキシブル基板W2に対するフレキシブルテーブル部72との接触面積と授受テーブル81との接触面積とがほぼ等しくなるため、フレキシブル基板W2をフレキシブルテーブル部72と授受テーブル81との間で安定した状態で、受取りおよび受渡しが可能になる(図7(a)参照)。
【0042】
なお、上記構成に代えて、図7(b)に示すように、フレキシブルテーブル部72および授受テーブル81の吸着部位が、櫛歯状に相互に噛み合う形状に形成してもよい。これにより、フレキシブル基板W2がフラットな状態でフレキシブルテーブル部72および授受テーブル81に載置されるため、フレキシブル基板W2をフレキシブルテーブル部72と授受テーブル81との間で安定した状態で、受取りおよび受渡しが可能になる。なお、この場合の複数の吸着穴72a、81aは、フレキシブルテーブル部72および授受テーブル81共に、櫛歯部分に形成されている。
【0043】
一対の基板認識カメラ84、84は、ワークテーブル52および授受テーブル81上に載置されたパネル基板W1およびフレキシブル基板W2に上方から臨み、パネル基板W1の一対のアライメントマーク141、141とフレキシブル基板W2の一対の突起部142とを撮像し、撮像結果を画像処理してアライメントマーク141および突起部142の位置を画像認識する。そして、この一対の基板認識カメラ84、84による認識結果に基づいて、XYθテーブル83が駆動し、パネル基板W1に対しフレキシブル基板W2の位置決めを行なう。
【0044】
XYθテーブル83は、Z軸テーブル82を搭載すると共に、授受テーブル81のZ軸廻りの回転補正を行うθテーブル113と、θテーブル113を搭載すると共にθテーブル113を介して授受テーブル81をX軸方向に移動させるX軸テーブル111と、X軸テーブル111を搭載し、θテーブル113およびX軸テーブル111を介して授受テーブル81をY軸方向に移動させるY軸テーブル112と、から構成されている。そして、X軸方向がインデックステーブル61の接線方向と合致し、Y軸方向がインデックステーブル61の法線方向と合致するようになっている。
【0045】
この構成により、下方から授受テーブル81がフレキシブル基板W2に臨み、フレキシブル基板W2の本位置決めを行うので、基板認識カメラ84の設置位置が制約されることがなく、パネル基板W1およびフレキシブル基板W2を真上から画像認識することができる。
【0046】
以下、図5、図6を参照してアライメント装置53のアライメント動作について説明する。インデックス装置51が回転駆動し、ワークテーブル52に仮位置決めされた状態でパネル基板W1とフレキシブル基板W2とがアライメントステーション92に臨む。この時、フレキシブルテーブル部72と授受テーブル部81とが回転方向において近接し、授受テーブル81が下降端位置に待機している(図5(a)、図6(a)参照)。この状態で、Z軸テーブル82が駆動し、授受テーブル81を上昇させ、受け渡し位置においてフレキシブルテーブル部72からフレキシブル基板W2を持ち去るように上昇端位置に移動する(図5(b)、図6(b)参照)。このとき、受け渡し位置では、フレキシブルテーブル部72の吸着動作を解除すると同時に授受テーブル81を吸着動作させ、授受テーブル81がフレキシブルテーブル部72からフレキシブル基板W2を受け取るようにする。なお、上昇端位置は、受け渡し高さから僅かに上昇した高さ(0.2mm程度)であることが好ましい。
【0047】
授受テーブル81が上昇端位置に移動後、一対の基板認識カメラ84、84により、パネル基板W1およびフレキシブル基板W2の位置認識が行なわれる。そして、この認識結果に基づいて、XYθテーブル83を駆動して本位置決めを行う。本位置決めを行った後、こんどは授受テーブル81を下降させ、受け渡し位置において授受テーブル81の吸着を解除し、授受テーブル81に吸着動作を切り替えて、フレキシブルテーブル部72にフレキシブル基板W2を置き去るように載置する(図5(c)、図6(c)参照)。受け渡されたフレキシブル基板W2は、パネル基板W1の端子部とフレキシブル基板W2の端子部とが重なった状態で、ワークテーブル52上において吸着固定される。ここで、例えば、端子部の配線パターンが狭ピッチでアライメント精度が厳しい場合には、再度、パネル基板W1およびフレキシブル基板W2の位置認識を行い、両者の本位置決めを確認する。この確認により、フレキシブル基板W2が位置ずれしている場合には、再度上記の動作を繰り返す。なお、フレキシブル基板W2の受け取りおよび受け渡しの動作は、受渡し位置で一時停止し、吸着動作および解除動作を行い、再度上昇または下降するように動作を行ってもよい。
【0048】
このように、授受テーブル81を上昇させ、ワークテーブル52からフレキシブル基板W2を受け取ってから位置決め動作を行い、位置決め後には、授受テーブル81を下降させて、フレキシブル基板W2を直接ワークテーブル52に受け渡すようにしているため、アライメント装置53の作業空間を略ワークテーブル52の下方にのみ考慮すればよい。したがって、授受テーブル81が基板認識カメラ84に干渉するおそれがなく、基板認識カメラ84の設置の自由度を増すことができる。
【0049】
図4(c)に示すように、熱圧着装置54は、パネル基板W1にACFを介してフレキシブル基板W2に熱圧着する圧着ヘッド121と、圧着ヘッド121を昇降させる昇降機構122と、を備えている。ワークテーブル52が圧着ステーション93に臨むと、ワークテーブル52上に位置決め状態で吸着固定されたパネル基板W1とフレキシブル基板W2との重なった接触部分に対し、圧着ヘッド121を上方から押し付けて熱圧着する。熱圧着することで、フレキシブル基板に貼着されたACFが溶解しパネル基板W1とフレキシブル基板W2とが電気的および物理的に接合される。
【0050】
以下、この接合装置3によりパネル基板W1とフレキシブル基板W2とが接合される一連の動作について簡単に説明する。給材除材装置55、アライメント装置53、熱圧着装置54のそれぞれの処理時間は、2sec、4sec、10sec、であるが、本実施形態では、処理時間の長い熱圧着装置54に合わせて10sec間隔でワークテーブル52(パネル基板W1およびフレキシブル基板W2)の移動が行われる。
【0051】
まず給材除材ステーション91において給材除材装置55によりワークテーブル52上においてパネル基板W1に対してフレキシブル基板W2が仮位置決め状態となるように載置固定される。この状態で、インデックス装置51が120度回転駆動し、アライメントステーション92に臨む。この時、アライメントステーション92に位置するワークテーブル52は、圧着ステーション93に、圧着ステーション93に位置するワークテーブル52は、給材除材ステーション91に、それぞれ移動する。
【0052】
ワークテーブル52が、アライメントステーション92に移動すると、アライメント装置53が駆動し、位置決めされたパネル基板W1に対し仮位置決めされたフレキシブル基板W2の本位置決めが行われる。パネル基板W1とフレキシブル基板W2とが本位置決めされると、その状態でワークテーブル52に吸着固定され、インデックス装置51が120度回転駆動し、圧着ステーション93に臨む。この時、給材除材ステーション91に位置するワークテーブル52は、アライメントステーション92に、圧着ステーション93に位置するワークテーブル52は、給材除材ステーション91に、それぞれ移動する。
【0053】
ワークテーブル52が、圧着ステーション93に移動すると、ワークテーブル52上に本位置決め状態で吸着固定されたパネル基板W1とフレキシブル基板W2とが熱圧着され、接合される。パネル基板W1とフレキシブル基板W2とが接合されると、その状態でワークテーブル52に吸着固定され、インデックス装置51が120度回転駆動し、給材除材ステーション91に臨む。この時、給材除材ステーション91に位置するワークテーブル52は、アライメントステーション92に、アライメントステーション92に位置するワークテーブル52は、圧着ステーション93に、それぞれ移動する。
【0054】
ワークテーブル52が、給材除材ステーション91に移動すると、接合された接合基板Wが除材され、新たにパネル基板W1とフレキシブル基板W2とが給材される。このように、圧着ステーション93に臨んだワークテーブル52上のパネル基板W1とフレキシブル基板W2とを圧着している間に、他の2個のワークテーブルはそれぞれ給材除材ステーション91およびアライメントステーション92に臨んでパネル基板W1およびフレキシブル基板W2の給材・除材およびアライメントを受けることができ、生産効率を向上させることができる。本実施形態では、10sec毎に接合が行われるため、移動時間0.5secを考慮してもタクトタイムは10.5secとなる。
【0055】
なお、本実施形態では、給材ステーションと除材ステーションとを兼用として給材除材ステーション91にしたが、別ステーションとする構成としてもよい。この場合、インデックス装置51は、90度ずつ回転する構成となる。
【0056】
また、図9に示すように、ワークテーブル52上にパネル基板W1およびフレキシブル基板W2の2セットを対称に載置する構成としてもよい。この場合、圧着ヘッド121およびXYθテーブル83を2式にすることで、タクトタイムを更に短縮することができる((10sec+0.5sec)/2=5.25sec)。なお、一対の基板認識カメラ84、84は移動式とすることで1セットで構成することができる。
【0057】
次に、図8を参照して、第2実施形態に係る接合装置3について説明する。第2実施形態は、第1実施形態のインデックス装置51に代えてリニア搬送装置131を用いたものである。なお、基本的な装置構成は第1実施形態と同じなので重複する部分については省略して説明する。また、給材除材装置55は省略されており、パネル基板W1およびフレキシブル基板W2の給材および除材は、オペレータにより行なわれる。
【0058】
第2実施形態に係る接合装置3は、パネル基板W1を位置決め状態で吸着載置すると共に、フレキシブル基板W2をパネル基板W1に対し仮位置決め状態で吸着載置する一対のワークテーブル52、52と、一対のワークテーブル52、52を搭載し、一方のワークテーブル52、52を介してパネル基板W1およびフレキシブル基板W2を第1アライメントステーション92および圧着ステーション93の相互間で搬送すると同時に、他方のワークテーブル52を介してパネル基板W1およびフレキシブル基板W2を圧着ステーション93および第2アライメントステーション92の相互間で搬送するリニア搬送装置131(ワーク搬送手段)と、第1アライメントステーション92および第2アライメントステーション92にそれぞれ配設され、仮位置決め状態のフレキシブル基板W2をワークテーブル52から受け取って、フレキシブル基板W2をパネル基板W1に対し本位置決めすると共に、本位置決め後のフレキシブル基板W2をワークテーブル52に受け渡す一対のアライメント装置53、53と、圧着ステーション93に配設され、位置決めされたパネル基板W1およびフレキシブル基板W2が吸着載置されたワークテーブル52に臨み、ワークテーブル52上のパネル基板W1とフレキシブル基板W2とを熱圧着により端子接続する熱圧着装置54と、を備えている。
【0059】
一対のワークテーブル52、52は、フレキシブルテーブル部72が同方向に平行に延在するように且つ、パネルテーブル部71において一体に形成されている。これにより、単一の駆動源により一対のワークテーブル52、52を移動させる構成となっている。
【0060】
リニア搬送装置131は、上部にワークテーブル52を搭載した可動子と、可動子を介して一対のワークテーブル52、52を往復動する1軸テーブルと、を備え、可動子に内蔵したモータの出力軸に1軸テーブル内部のリードねじが接続されている。このリニア搬送装置131は、モータの出力がリードねじに伝達されることにより、一対のワークテーブル52、52を第1アライメントステーション92および第2アライメントステーション92に臨ませる構成となっている。
【0061】
以下、この実装部品の接合装置3によりパネル基板W1とフレキシブル基板W2とが接合される一連の動作について説明する。アライメント装置53、熱圧着装置54のそれぞれの処理時間は、4sec、10sec、であるが、本実施形態では、処理時間の長い熱圧着装置54に合わせて10sec間隔でワークテーブル52(パネル基板W1およびフレキシブル基板W2)の往復動が行われる。
【0062】
まず第1アライメントステーション92においてオペレータによりワークテーブル52上にパネル基板W1およびフレキシブル基板W2がパネル基板W1に対してフレキシブル基板W2が仮位置決め状態となるように載置される。そして、アライメント装置53が駆動し、位置決めされたパネル基板W1に対しフレキシブル基板W2の本位置決めが行われる。パネル基板W1とフレキシブル基板W2とが本位置決めされると、その状態でワークテーブル52に吸着固定され、リニア搬送装置131が移動し、圧着ステーション93に臨む。この時、圧着ステーション93に位置するワークテーブル52は、第2アライメントステーション92に、移動する。
【0063】
ワークテーブル52が、圧着ステーション93に移動すると、ワークテーブル52上に本位置決め状態で吸着固定されたパネル基板W1とフレキシブル基板W2とが熱圧着され、接合される。この間に、オペレータは、第2アライメントステーション92のワークテーブル52から接合された接合基板Wを除材すると共に、パネル基板W1およびフレキシブル基板W2を給材する。
【0064】
熱圧着されたパネル基板W1とフレキシブル基板W2とが接合されると、その状態でワークテーブル52に吸着固定され、リニア搬送装置131が復動し、第1アライメントステーション92に臨む。この時、第2アライメントステーション92に位置するワークテーブル52は、圧着ステーション93に移動する。
【0065】
このように、交互に本位置決めと熱圧着が行われるため、オペレータが一対のワークテーブル52、52に対し交互に接合基板Wの除材を行うと共に、パネル基板W1およびフレキシブル基板W2の給材を行うことで、圧着ステーション93に臨んだワークテーブル52上のパネル基板W1とフレキシブル基板W2とを圧着している間に、他のワークテーブル52で給材・除材および本位置決めが行われ、生産効率を向上させることができる。本実施形態では、10sec毎に接合が行われるため、移動時間0.5secを考慮してもタクトタイムは10.5secである。
【0066】
以上説明したとおり、この実装部品の接合装置3によれば、インデックス装置51やリニア搬送装置131等のワーク搬送装置とアライメント装置53とが別体で構成されているため、ワーク搬送装置上にステーション毎のアライメント装置53を設ける必要がなく、ワーク搬送装置の小型化および装置コストの削減をすることができる。また、ワーク搬送装置の可搬重量を小さくできるため高速搬送することができ、生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】圧着ブースの全体斜視図である。
【図2】パネル基板およびフレキシブル基板が接合して形成された接合基板の全体図である。
【図3】各ステーションおよびインデックス装置の模式図である。
【図4】(a)は給材・除材装置の斜視図、(b)はアライメント装置の斜視図および(c)は熱圧着装置の斜視図である。
【図5】(a)は給材・除材装置の動作説明図(側面図)、(b)はアライメント装置の動作説明図(側面図)、(c)は熱圧着装置の動作説明図(側面図)である。
【図6】(a)は給材・除材装置の動作説明図(斜視図)、(b)はアライメント装置の動作説明図(斜視図)、(c)は熱圧着装置の動作説明図(斜視図)および接合基板の状態説明図(平面図)である。
【図7】ワークテーブルの上面図である。
【図8】第2実施形態の全体模式図である。
【図9】ワークテーブル上にパネル基板およびフレキシブル基板の2セットを対称に載置する構成の各ステーションおよびインデックス装置の模式図である。
【符号の説明】
【0068】
3…接合装置 51…インデックス装置 52…ワークテーブル 53…アライメント装置 54…熱圧着装置 55…給材除材装置 61…インデックステーブル 62…回転機構 71…パネルテーブル部 72…フレキシブルテーブル部 81…授受テーブル 82…Z軸テーブル 83…XYθテーブル 84…基板認識カメラ 91…給材除材ステーション 92…アライメントステーション 93…圧着ステーション 94…第1アライメントステーション 95…第2アライメントステーション 131…リニア搬送装置 W1…パネル基板 W2…アライメント基板 W…接合基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板および第2基板のいずれか一方に貼着した異方性導電フィルムを介して、前記第1基板と前記第2基板とを熱圧着により端子接続する実装部品の接合装置において、
前記第1基板を位置決め状態で吸着載置すると共に、前記第2基板を前記第1基板に対し仮位置決め状態で吸着載置するワークテーブルと、
前記ワークテーブルを搭載し、前記ワークテーブルを介して前記第1基板および前記第2基板を、給材ステーション、アライメントステーション、圧着ステーションおよび除材ステーションの順で搬送するワーク搬送手段と、
前記アライメントステーションに配設され、仮位置決め状態の前記第2基板を前記ワークテーブルから受け取って、前記第2基板を前記第1基板に対し位置決めすると共に、位置決め後の前記第2基板を前記ワークテーブルに受け渡すアライメント手段と、
前記圧着ステーションに配設され、位置決めされた前記第1基板および前記第2基板が吸着載置された前記ワークテーブルに臨み、前記ワークテーブル上の前記第1基板と前記第2基板とを熱圧着により端子接続する熱圧着手段と、を備えたことを特徴とする実装部品の接合装置。
【請求項2】
前記ワーク搬送手段が、周端部に前記ワークテーブルを搭載した回転体と、前記回転体を回転駆動する回転機構と、で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の実装部品の接合装置。
【請求項3】
前記給材ステーションと前記除材ステーションとは、兼用の給材・除材ステーションとなっており、
前記給材・除材ステーションに配設され、前記ワークテーブルに前記第1基板を位置決め状態で給材すると共に前記第2基板を前記第1基板に対し仮位置決め状態で給材し、且つ熱圧着後の前記第1基板および前記第2基板を除材する給材・除材手段を、更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の実装部品の接合装置。
【請求項4】
前記給材・除材ステーション、前記アライメントステーションおよび前記圧着ステーションが、前記回転体の周方向に等ピッチで配設されており、
前記ワークテーブルは、前記回転体の周方向に等ピッチで3個搭載されていることを特徴とする請求項3に記載の実装部品の接合装置。
【請求項5】
第1基板および第2基板のいずれか一方に貼着した異方性導電フィルムを介して、前記第1基板と前記第2基板とを熱圧着により端子接続する実装部品の接合装置において、
前記第1基板を位置決め状態で吸着載置すると共に、前記第2基板を前記第1基板に対し仮位置決め状態で吸着載置する一対のワークテーブルと、
前記一対のワークテーブルを搭載し、前記一方のワークテーブルを介して前記第1基板および前記第2基板を第1アライメントステーションおよび圧着ステーションの相互間で搬送すると同時に、前記他方のワークテーブルを介して前記第1基板および前記第2基板を前記圧着ステーションおよび第2アライメントステーションの相互間で搬送するワーク搬送手段と、
前記第1アライメントステーションおよび第2アライメントステーションにそれぞれ配設され、仮位置決め状態の前記第2基板を前記ワークテーブルから受け取って、前記第2基板を前記第1基板に対し位置決めすると共に、位置決め後の前記第2基板を前記ワークテーブルに受け渡す一対のアライメント手段と、
前記圧着ステーションに配設され、位置決めされた前記第1基板および前記第2基板が吸着載置された前記ワークテーブルに臨み、前記ワークテーブル上の前記第1基板と前記第2基板とを熱圧着により端子接続する熱圧着手段と、
前記ワーク搬送手段、前記一対のアライメント手段および前記熱圧着手段を制御し、前記第1アライメントステーションおよび前記圧着ステーションによる前記第1基板および前記第2基板の位置決め・圧着動作と、前記第2アライメントステーションおよび前記圧着ステーションによる前記第1基板および前記第2基板の位置決め・圧着動作と、を交互に行わせる制御手段と、を備えたことを特徴とする実装部品の接合装置。
【請求項6】
前記一対のワークテーブルは、一体に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の実装部品の接合装置。
【請求項7】
前記各ワークテーブルは、前記第1基板を吸着載置する第1テーブル部と、前記第2基板を吸着載置すると共に前記ワーク搬送手段からはみ出すように突出した第2テーブル部と、から成り、
且つ前記第2テーブル部は、その輪郭内に前記第2基板の略半部を位置させて吸着載置しており、
前記各アライメント手段は、前記第2基板を吸着載置すると共に、前記第2テーブル部に対し前記第2基板の受取りおよび受渡しを行なう授受テーブルと、
前記授受テーブルを支持すると共に、前記授受テーブルを下降端位置から受取り位置を経て上昇端位置まで上昇動作させ且つ前記上昇端位置から受渡し位置を経て前記下降端位置まで下降動作させるZ軸テーブルと、
前記Z軸テーブルを介して、前記授受テーブルをX・Y・θ方向に移動させ前記第1基板に対し前記第2基板を位置決めするXYθテーブルと、
前記第1テーブル部に吸着した前記第1基板を画像認識すると共に、前記授受テーブルに吸着した前記第2基板を画像認識する基板認識手段と、
前記第2テーブル部および前記授受テーブルによる吸着動作を制御すると共に、前記Z軸テーブルおよび前記XYθテーブルによる移動動作を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記授受テーブルを上昇させ前記第2テーブル部から前記授受テーブルに吸着動作を切り替えて前記前記第2テーブル部から前記第2基板を受取った後、前記基板認識手段の認識結果に基づいて、前記第2基板を前記第1基板に対し位置決めし、更に前記授受テーブルを下降させ前記授受テーブルから前記第2テーブル部に吸着動作を切り替えて前記第2テーブル部に前記第2基板を受渡すことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の実装部品の接合装置。
【請求項8】
前記第2テーブル部の吸着部位および前記授受テーブルの吸着部位は、前記第2基板の略半部ずつが載置される形状にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項7に記載の実装部品の接合装置。
【請求項9】
前記第2テーブル部の吸着部位および前記授受テーブルの吸着部位は、櫛歯状に相互に噛み合う形状にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項7に記載の実装部品の接合装置。
【請求項10】
第1基板が液晶パネル基板であり、第2基板が前記液晶パネル基板に接続されるフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の実装部品の接合装置。
【請求項11】
前記第1基板を位置決め状態で吸着載置する第1テーブル部と、前記第2基板を前記第1基板に対し仮位置決め状態で且つ輪郭内に前記第2基板の略半部を位置させ吸着載置するワークテーブルに臨み、前記第2基板を前記第1基板に対し位置決めする基板のアライメント装置において、
前記第2基板を吸着載置すると共に、前記第2テーブル部に対し前記第2基板の受取りおよび受渡しを行なう授受テーブルと、
前記授受テーブルを支持すると共に、前記授受テーブルを下降端位置から受取り位置を経て上昇端位置まで上昇動作させ且つ前記上昇端位置から受渡し位置を経て前記下降端位置まで下降動作させるZ軸テーブルと、
前記Z軸テーブルを介して、前記授受テーブルをX・Y・θ方向に移動させ前記第1基板に対し前記第2基板を位置決めするXYθテーブルと、
前記第1テーブル部に吸着した前記第1基板を画像認識すると共に、前記授受テーブルに吸着した前記第2基板を画像認識する基板認識手段と、
前記第2テーブル部および前記授受テーブルによる吸着動作を制御すると共に、前記Z軸テーブルおよび前記XYθテーブルによる移動動作を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記授受テーブルを上昇させ前記第2テーブル部から前記授受テーブルに吸着動作を切り替えて前記前記第2テーブル部から前記第2基板を受取った後、前記基板認識手段の認識結果に基づいて、前記第2基板を前記第1基板に対し位置決めし、更に前記授受テーブルを下降させ前記授受テーブルから前記第2テーブル部に吸着動作を切り替えて前記第2テーブル部に前記第2基板を受渡すことを特徴とする基板のアライメント装置。
【請求項12】
前記第1基板を位置決め状態で吸着載置する第1テーブル部と、前記第2基板を前記第1基板に対し仮位置決め状態で且つ輪郭内に前記第2基板の略半部を位置させ吸着載置するワークテーブルに臨み、前記第2基板を前記第1基板に対し位置決めする基板のアライメント方法において、
前記第2基板を吸着載置可能な授受テーブルを用い、
前記授受テーブルを上昇させ前記第2テーブル部から前記授受テーブルに吸着動作を切り替えて前記第2テーブル部から前記第2基板を受取った後、前記第1基板に対する前記第2基板の位置決めを行い、更に前記授受テーブルを下降させ前記授受テーブルから前記第2テーブル部に吸着動作を切り替えて前記第2テーブル部に前記第2基板を受渡すことを特徴とする基板のアライメント方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−242887(P2007−242887A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−63109(P2006−63109)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】