説明

害虫防除用成形体

【課題】害虫防除活性成分である特定のエステル化合物を含有する害虫防除用成形体において、エステル化合物の滲出によって成形体の表面がべたつくことがないようにする。また、非加熱条件下における前記エステル化合物の蒸散性を安定させる。
【解決手段】特定のエステル化合物が、熱可塑性樹脂に保持されてなる板状の害虫防除用成形体であって、成形体本体1の表面に、複数本の溝21を300μm以下の間隔で形成する。ここで、エステル化合物の蒸散性を安定させる観点から、成形体にの開孔部31を設けるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は害虫防除用成形体(以下、単に「成形体」と記すこともある。)に関し、より詳細には害虫防除活性成分である特定のエステル化合物を熱可塑性樹脂に保持させてなる害虫防除用成形体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
害虫防除活性成分として、下記式(1)で示されるエステル化合物が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照。)。
【化2】

〔式中、
は水素原子又はメチル基を表し、
はメチル基又は
CH=CR2122
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基を表し、
は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
【0003】
また、式(1)で示されるエステル化合物を特定の熱可塑性樹脂に保持させた成形体を害虫防除具として用いることも提案されている(例えば、特許文献5〜7参照。)。
【特許文献1】特開2000−63329号公報
【特許文献2】特開2001−11022号公報
【特許文献3】欧州特許公開第60617号明細書
【特許文献4】特開2001−302590号公報
【特許文献5】特開2006−321795号公報
【特許文献6】特開2006−348014号公報
【特許文献7】特開2007−77069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記提案された成形体では、害虫防除活性成分が成形体の表面に滲出し、成形体表面がべたつくことがあった。
【0005】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特定の害虫防除活性成分を含有する害虫防除用成形体において、前記害虫防除活性成分の滲出によってその表面がべたつくことがないようにすることにある。
【0006】
また、本発明の目的は、非加熱条件下における前記害虫防除活性成分の蒸散性を安定させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、成形体の表面に凹部及び/又は凸部を所定間隔で形成することにより、害虫防除活性成分が成形体表面に滲出しても成形体表面の凹凸の底部に留まり、成形体表面のべたつきが抑えられることを見出し本発明に至った。
【0008】
即ち、本発明に係る害虫防除用成形体は、
【化3】

〔式中、
は水素原子又はメチル基を表し、
はメチル基又は
CH=CR2122
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基を表し、
は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物が、熱可塑性樹脂に保持されてなる板状の害虫防除用成形体であって、その表面に、凹部及び凸部の少なくとも一方が300μm以下の間隔で形成されていることを特徴とする。尚、本明細書において、凹部及び凸部の間隔とは、凹部及び凸部の中心間距離をいうものとする(図1及び図7を参照。)。
【0009】
ここで、非加熱条件下でも防除効果を得る観点から、熱可塑性樹脂としては、カルボン酸エステル単量体単位を害虫防除用成形体全量に対して1〜10重量%含有するポリオレフィン系樹脂、あるいは塩化ビニル系樹脂を50〜100重量%含有するものが好適である。
【0010】
成形体表面のべたつきを一層抑えるとともに、害虫防除活性成分の蒸散性を安定させる観点から、前記凹部を断面略三角形状の溝とするのが好ましい。また前記凹部を、直線状の溝とし、少なくとも2方向に形成するようにしてもよい。
【0011】
そしたまた、前記凸部の形状としては、円柱状、多角柱状、円錐状、多角錐状、截頭円錐状、截頭多角錐状の少なくとも1つの形状であるのが好ましい。
【0012】
さらに、害虫防除活性成分の蒸散性を安定させる観点から、害虫防除用成形体に1個以上の開孔部を形成するのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る害虫防除用成形体では、成形体の表面に、凹部及び凸部の少なくとも一方が300μm以下の間隔で形成されているので、害虫防除活性成分としてのエステル化合物が成形体表面に滲出しても、その表面がべたつくことがない。また、凹部及び/又は凸部の形成によって成形体の表面積が増加するので、非加熱条件下においても害虫防除活性成分の蒸散性を安定させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る害虫防除用成形体は、式(1)で示されるエステル化合物が、熱可塑性樹脂に保持されてなる板状の害虫防除用成形体であって、その表面に、凹部及び凸部の少なくとも一方が300μm以下の間隔で形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
図1に、本発明に係る害虫防除用成形体の一実施形態を示す斜視図を示す。図1の害虫防除用成形体Sは、式(1)で示されるエステル化合物を含有する熱可塑性樹脂が四角形の板状に成形された成形体本体1の両面に、凹部としての断面三角形状の溝21が所定間隔で平行に形成されてなる。ここで溝21の間隔(図1において「p」で示す距離)が300μm以下であることが重要である。溝21の間隔をこのような範囲とすることにより、害虫防除活性成分であるエステル化合物が成形体本体1の表面に滲出しても、毛細管現象によって、エステル化合物が溝21内に保持されるので、成形体Sの表面のべたつきが効果的に抑えられる。より好ましい溝21の間隔pは50〜250μmの範囲である。尚、溝21の間隔は等間隔である必要はなく、300μm以下の範囲においてそれぞれ異なっていても構わない。また、成形体本体1の片面にのみ溝21を形成してもよいが、べたつきの抑制及び害虫防除活性成分の蒸散性の安定の観点からは成形体本体1の両面に溝21を形成することが推奨される。
【0016】
また、図2に示すように、成形体本体1の表面に形成する溝の断面形状は三角形状のほか、四角形状(同図(a))や台形形状(同図(b))、半円形状(同図(c))等であっても構わない。毛細管現象を活用して、成形体本体1の表面に滲出したエステル化合物を溝内に保持する観点からは、断面形状が三角形状や台形形状等のように、溝の側壁間距離が外方に向かうにしたがって拡大する溝形状が好ましい。
【0017】
また、成形体本体1の表面に形成する凹部は、図3に示すような円形の穴25(同図(a))や四角形の穴26(同図(b))等の有底穴であってもよい。この場合も、有底穴の形成間隔は300μm以下であることが必要である。
【0018】
成形体本体1の表面に形成する凹部の深さは、成形体本体1の厚みやエステル化合物の含有量などから適宜決定すればよいが、通常30〜150μmの範囲が好ましい。
【0019】
図4に、本発明に係る成形体の他の実施形態を示す平面図を示す。この図の成形体では、図1の成形体と異なって、四角形状の複数の開孔部31が等間隔で形成され、成形体本体1が格子状とされている。このような開孔部31を成形体本体1に形成することによって、式(1)で示されるエステル化合物の揮散効率が高まる。本発明の成形体における開孔率に特に限定はないが、該開孔部の合計で30〜80%の範囲が好ましく、より好ましくは40〜70%の範囲である。
【0020】
また、図4に示す格子状の成形体Sでは、桟が、直行する2つ方向(図の上下方向と左右方向)にそれぞれ等間隔で交差するするように形成されている。そして、これらの各桟には、桟の長手方向に対して平行に等間隔で複数本の溝21(図中、細線で示す。)が形成されている。すなわち2つの方向に直線状の溝21が形成されている。溝21の断面形状は、前述のように、三角形状や台形形状が好ましい。もちろん、桟の方向に関係なく、溝21の形成方向を1つの方向としても構わない。成形体本体1にこのような溝21を形成することにより、前記と同様に、成形体表面のべたつきが抑えられる。
【0021】
成形体本体1に形成する開孔部の形状としては四角形状のほか、図5(a)に示すような三角形状の組み合わせが例示できる。この場合、成形体本体1には3つの方向の桟が形成される。この図の成形体では、桟の長手方向に対して平行に溝21を形成しているので、溝21の形成方向も3つの方向となる。また、開孔部の形状としては、同図(b)に示すような円形状も例示できる。円形状の開孔部33の形成は規則的であってもよいし、不規則的であっても構わない。同図(b)の成形体では、2つの方向の直線状の溝21が直角に交差するように形成されているが、1つの方向あるいは3つ以上の方向に直線状の溝21を形成しても構わない。
【0022】
また、図4及び図5に示すような、開孔部を有する成形体において、凹部として、溝の代わりに図3に示したような有底穴を形成しても構わない。有底穴の形成位置は規則的及び不規則的のいずれであっても構わない。
【0023】
図6に、本発明に係る成形体のさらに他の実施形態を示す斜視図を示す。図6の成形体Sは、四角形状の成形体本体1の両面に、凸部としての円柱部41が所定間隔で複数個形成されてなる。ここで、図7に示す円柱部41の間隔pが300μm以下であることが重要である。円柱部41の形成間隔をこのような範囲とすることにより、害虫防除活性成分であるエステル化合物が成形体表面に滲出しても、毛細管現象によって円柱部41間の隙間に保持されるので、成形体Sの表面のべたつきが効果的に抑えられる。より好ましい円柱部41の間隔pは50〜200μmの範囲である。尚、円柱部41の間隔は等間隔である必要はなく、300μm以下の範囲においてそれぞれ異なっていても構わない。また、成形体本体1の片面にのみ円柱部41を形成してもよいが、べたつきの抑制及び害虫防除活性成分の蒸散性の安定の観点からは成形体本体1の両面に円柱部41を形成することが推奨される。
【0024】
成形体本体1に形成する凸部としては、円柱部のほか、従来公知の種々の形状とすることができる。例えば図8に示すような、四角柱状(同図(a))、円錐状(同図(b))、四角錐状(同図(c))、截頭円錐状(同図(d))、截頭四角錐状(同図(e))であってもよい。凸部の高さに特に限定はないが、べたつきを防止する観点からは30〜150μmの範囲が好ましい。
【0025】
成形体本体1の形状は板状であれば特に限定はなく、本発明の成形体の使用場所や用途等から適宜決定すればよい。また、図4及び図5に示すような開孔部を有するものであってもよい。
【0026】
本発明の成形体の製造は、通常樹脂、ゴムを成型する場合と同様の方法で製造することができる。例えば、熱可塑性樹脂、式(1)で示されるエステル化合物、その他の成分を通常20〜140℃に調整したヘンシェルミキサー等を用いて予め混合、分散させ均一な組成物を調製するか、あるいは、熱可塑性樹脂に式(1)で示されるエステル化合物、その他の成分を添加し、通常60〜220℃の温度に調整した単軸押出機、あるいは二軸押出機等の押出機により溶融・混練することによって組成物を調製し、該組成物を通常60〜220℃の範囲の適当な温度で射出成型等により所定の形状に成型する、或いは該組成物をTダイキャスト成型、プレス成型、カレンダー成型、ロール成型等によりフィルム状やシート状等の板状に成型することにより製造することができる。
【0027】
成形体に形成する凹部及び凸部は、金型に対応する形状を施しておき、成形体の上記成型時に同時に成型するようにしてもよい。あるいは成形体を成型した後に、切削加工等によって形成してもよい。生産効率の点からは前者の形成方法が好ましい。
【0028】
本発明の成形体は、例えば害虫の生息場所及び/又は害虫の侵入場所等にそのまま設置することにより用いられる。本発明の成形体に含有させるエステル化合物の量は、害虫を防除しようとする空間1mあたりの通常0.01〜30g、好ましくは0.1〜30gであるのがよい。
【0029】
本発明の成形体の設置方法としては、例えば床に置いたり、敷く方法、天井から吊り下げる方法、壁に貼り付ける方法が挙げられる。本発明の成形体の設置場所において、本発明の成形体から有効成分である式(1)で示されるエステル化合物が徐々に揮散して害虫防除効力が発揮される。したがって本発明の成形体は、風通しの良い場所に設置すると、有効成分である式(1)で示されるエステル化合物の揮散効率が高くなり、より優れた害虫防除効力が発揮される。また、本発明の成形体は害虫の生息場所及び/又は害虫の侵入場所の相対的に風上側に設置することが好ましい。かかる害虫の生息場所及び侵入場所としては、例えば厩、牛舎、鶏舎、豚舎などの畜舎;犬小屋、ウサギ小屋などのペット小屋;工場や作業場における出入口、排気口、電灯などの周辺;ベランダ、玄関などの家屋の外部;クロゼット、タンス(和ダンス、洋ダンス)の内部、ファンシーケースなど衣類保管場所;寝室、居間、台所などの家屋内部;浄化槽内部;マンホールの蓋の下;キャンプ場や公園におけるテントの出入口、テント周辺、テント内部;バーベキュー、釣り、ハイキング、ガーデニング等の野外活動場所とその周辺部が挙げられる。
【0030】
本発明の成形体はまた、温血動物(イヌ、ネコ、ウサギ等のペット、馬、牛、鶏、豚等の家畜、及びヒトが挙げられる。)の体表部に直接又は着衣等の上から装着することにより、該温血動物を害虫による加害行動、特に蚊による吸血行動から保護することができる。装着方法としては、本発明の成形体と紐などを用いて腰から吊り下げる、適当な留め具等を用いて足首、手首、腕胴体などに巻きつける、切り抜き・縫製して衣服の形態として着衣させる方法などが挙げられる。これらの場合、本発明の成形体の使用量は、対象害虫や使用期間等により適宜選択されるものであるが、害虫による加害行動から保護しようとする温血動物の体表部1cmあたり、通常0.001〜10mg、好ましくは0.01〜5mg、より好ましくは0.05〜2.5mgである。
【0031】
本発明に用いられる式(1)で示されるエステル化合物は、EP0060617号明細書、特開2000−63329号公報、特開2001−11022号公報、特開平7−17916号公報等に記載された化合物であり、例えば該公報に記載された方法で製造することができる。
【0032】
式(1)で示されるエステル化合物には不斉炭素に基づく異性体が存在し、また炭素−炭素二重結合に基づく異性体が存在する場合があるが、本発明には活性な異性体のいずれをも使用することができる。
【0033】
式(1)で示されるエステル化合物としては、例えば2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートが挙げられる。
【0034】
本発明で使用する熱可塑性樹脂としては従来公知のものが使用できる。中でも、(i)カルボン酸エステル単量体単位を害虫防除用成形体全量に対して1〜10重量%含有するポリオレフィン系樹脂、(ii)塩化ビニル系樹脂を50〜100重量%含有する樹脂が好適に使用できる。
【0035】
まず、上記(i)のポリオレフィン系樹脂について説明する。なお、ポリオレフィン系樹脂とはポリオレフィン単量体を主なモノマー成分とする樹脂を意味する。本発明におけるポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂が挙げられる。また、本発明においてカルボン酸エステル単量体とは、不飽和カルボン酸エステル又はカルボン酸ビニルエステルを意味する。不飽和カルボン酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸の低級アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸の低級アルキルエステルが挙げられ、カルボン酸ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニル等の低級脂肪酸のビニルエステルが挙げられる。
【0036】
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂は、単独の共重合体からなるものであっても、2種以上の重合体及び/又は共重合体を混合したポリマーブレンドからなるものであってもよい。即ち、本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、カルボン酸エステル単量体単位の適切な量を含有するポリオレフィン系共重合体そのものを用いることもでき、また、カルボン酸エステル単量体単位を多く含有するポリオレフィン系共重合体(ポリオレフィン系共重合体に対するカルボン酸エステル単量体単位の量が例えば10〜40重量%のもの)とポリオレフィンの単独重合体とを混合して適切なカルボン酸エステル単量体単位を含有するように調整したポリマーブレンドを用いることもできる。
【0037】
このようなカルボン酸エステル単量体単位を含有するポリオレフィン系共重合体としては、例えばカルボン酸エステル単量体単位を含有するポリエチレン系共重合体、及びカルボン酸エステル単量体単位を含有するポリプロピレン系共重合体が挙げられる。本発明において、ポリオレフィン系共重合体とは、ポリオレフィン単量体を主なモノマー成分とし、他にカルボン酸エステル単量体をモノマー単位として含有する重合体である。
【0038】
カルボン酸エステル単量体単位を含有するポリエチレン系共重合体としては、例えばエチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、及びエチレン−メタクリル酸エチル共重合体が挙げられる。
【0039】
カルボン酸エステル単量体単位を含有するポリプロピレン系共重合体としては、例えばプロピレン−アクリル酸メチル共重合体、プロピレン−アクリル酸エチル共重合体、プロピレン−アクリル酸ブチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸メチル共重合体、及びプロピレン−メタクリル酸エチル共重合体が挙げられる。
【0040】
これらの重合体は、モノマーを公知のラジカル重合触媒やイオン重合触媒を用いて、公知の重合方法によって重合させることにより製造することができる。公知の触媒としては、例えば、過酸化物触媒、チグラー−ナッタ系触媒、メタロセン系触媒等が挙げられ、公知の重合方法としては、例えば、溶液重合法、スラリー重合法、高圧イオン重合法、高圧ラジカル重合法、及び気相重合法が挙げられる。
【0041】
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂がカルボン酸エステル単量体単位を多く含有するポリオレフィン系重合体とポリオレフィンの単独重合体とを混合して適切なカルボン酸エステル単量体単位を含有するように調整したポリマーブレンドである場合のポリマーブレンドとしては、例えばエチレン−アクリル酸メチルとポリエチレンとのポリマーブレンド、エチレン−アクリル酸エチルとポリエチレンとのポリマーブレンド、エチレン−メタクリル酸メチルとポリエチレンとのポリマーブレンド、及びエチレン−メタクリル酸エチルとポリエチレンとのポリマーブレンドが挙げられる。
【0042】
本発明の成形体には、式(1)で示されるエステル化合物とポリオレフィン系樹脂中のカルボン酸エステル単量体単位とが、重量比で通常3:1〜1:3、好ましくは2:1〜1:2の割合で含有される。また、本発明の成形体に含有される式(1)で示されるエステル化合物の量は、本発明の成形体全量に対して、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜7.0重量%の範囲内である。
【0043】
また、本発明で使用する熱可塑性樹脂として、塩化ビニル系樹脂を50〜100重量%含有する樹脂も好適である。なお、本発明における塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルを単量体の成分として含有してなる樹脂を意味し、塩化ビニル単独重合体のみであってもよく、また塩化ビニル単独重合体と塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能な単量体とからなる共重合体の一種以上との混合物であってもよい。
【0044】
塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能な単量体とからなる共重合体としては例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−酢酸ビニル三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体への塩化ビニルグラフト共重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0045】
かかる塩化ビニル系樹脂は、懸濁重合、塊状重合、乳化重合、マイクロサスペンジョン重合、溶液重合等の通常の重合法により得られるものをそのまま、あるいは必要に応じて混合して用いることができる。
【0046】
本発明では、塩化ビニル系樹脂のみを熱可塑性樹脂として用いることができ、また熱可塑性樹脂として一般的に用いられる樹脂を塩化ビニル系樹脂とともに用いることができる。かかる塩化ビニル系樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、例えばポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体の1種以上が挙げられる。
【0047】
本発明においては、熱可塑性樹脂が10〜98重量%、好ましくは20〜95重量%含有される。
【0048】
そしてまた、本発明の成形体はスチレン系熱可塑性エラストマーを含有させてもよい。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレンを硬質ブロックとし、イソプレン及びブタジエン等の共役ジエンの重合体又はその水素添加物を軟質ブロックとして、硬質ブロック及び軟質ブロックを共重合してなるブロック共重合体及びその水素添加物が挙げられる。本発明にはスチレン系熱可塑性エラストマーとして、ポリスチレンを15〜70重量%、好ましくは20〜50重量%含有して共重合されたブロック共重合体の水素添加物を用いてもよい。ブロック共重合体としては、一般に1個の硬質ブロックと1個の軟質ブロックとが各々の末端で結合したジブロック共重合体、2個の硬質ブロックと1個の軟質ブロックが硬質ブロック−軟質ブロック−硬質ブロックの順で結合したトリブロック共重合体、硬質ブロック−軟質ブロック−の順で4ブロック以上が順次結合したマルチブロック共重合体及びこれらの水素添加物等が挙げられるが、本発明に用いられるスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ジブロック若しくはトリブロック共重合体の水素添加物を用いることが、式(1)で示されるエステル化合物の安定性の点で好ましい。かかるジブロック共重合体としては例えば、スチレン−ブタジエン ブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン ブロック共重合体の水素添加物が挙げられ、トリブロック共重合体としては例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン ブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体の水素添加物が挙げられる。
【0049】
本発明にはスチレン系熱可塑性エラストマーとして、通常JIS K7210に規定される試験方法(試験条件:230℃、2.16kg荷重)により測定されるメルトフローレート(以下、MFRと記す。)が0.2〜100g/10分、好ましくは1〜70g/10分、より好ましくは10〜70g/10分のものが用いられる。MFRが0.2g/10分より低い場合、溶融混練及び成型する際に流動性を確保するために230℃以上に加工する必要があるため、式(1)で示されるエステル化合物が蒸散により消失するおそれがある。またMFRが100g/10分より高い場合には、溶融混練及び成型する際に流動性が高すぎるため所望の形状の本発明成形体が得られなくなるおそれがある。
【0050】
かかるスチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、セプトンSEPS 2007(株式会社クラレ商品名、ポリスチレン、イソプレン重合体及びポリスチレンのトリブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレンブロック含有量:30重量%、MFR:2.4g/10分)、セプトンSEPS 2104(株式会社クラレ商品名、ポリスチレン、イソプレン重合体及びポリスチレンのトリブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレンブロック含有量:65重量%、MFR:0.4g/10分)、セプトンSEP 2002(株式会社クラレ商品名、ポリスチレン及びイソプレン重合体のジブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレンブロック含有量:35重量%、MFR:70g/10分)、SEP 1001(株式会社クラレ商品名、ポリスチレン及びイソプレン重合体のジブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレンブロック含有量:30重量%、MFR:0.1g/10分)、SEP 2004(株式会社クラレ商品名、ポリスチレン及びイソプレン重合体のジブロック共重合体の水素添加物、ポリスチレンブロック含有量:18重量%、MFR:5g/10分)等が挙げられる。
【0051】
本発明の成形体にはスチレン系熱可塑性エラストマーが、本発明の成形体全量に対して通常1〜80重量%、好ましくは10〜50重量%含有されるているのがよい。
【0052】
本発明の成形体には、ポリオレフィン系樹脂及びスチレン系熱可塑性エラストマーとともにその他の高分子化合物が含有されていてもよい。かかる場合に用いられる高分子化合物としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(AB)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。)、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリアミド(6−ナイロン、6,6−ナイロン等のナイロンが挙げられる。)等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0053】
本発明の成形体には、種々の性能を付すために他の成分、例えば安定剤、可塑剤、軟化剤、粘度調節剤、防汚剤、顔料、染料、脱臭剤、芳香剤、香料、展着剤、防錆剤、滑剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤、帯電防止剤、加硫剤、加硫促進剤、架橋剤、発泡剤、有機充填剤、無機充填剤等を適宜添加することもできる。
【0054】
安定剤としては、例えば金属系安定剤及び非金属系安定剤が挙げられる。金属系安定剤としては、高級脂肪酸と金属(カドミウム、バリウム、亜鉛、マグネシウム、鉛等が挙げられる)との塩、式
10SnY4−m
〔式中、R10はメチル基、ブチル基、オクチル基を表し、mは1又は2を表す。〕
で示される有機スズ系安定剤、塩基性亜硫酸鉛、2塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤、アンチモンメルカプチド等のアンチモン系安定剤、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムと酸化マグネシウム、カルシウム・マグネシウム・亜鉛の水酸化物固溶体、ハイドロタルサイト、ゼオライト、リチウム・アルミニウム複塩等の水酸化物、過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム等の過塩素酸塩、パルミチン酸亜鉛、アジピン酸亜鉛等のカルボン酸亜鉛、亜鉛ラウリルメルカプチド等のアルキルメルカプチド、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、塩化亜鉛等の無機亜鉛化合物、及びステアリルアシッドホスファイト亜鉛塩等の亜鉛アシッドホスファイト等を挙げることができる。
【0055】
非金属系安定剤としては、例えば、エポキシ化動植物油、エポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ化脂環式化合物等のエポキシ化合物、リン酸系安定剤、ジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、アセト酢酸エチル、アセト酢酸ラウリル、ベンゾイル酢酸エチル、デヒドロ酢酸等のβ−ジケトン化合物、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、β−アミノクロトン酸エステル、1,4−ブタンビスアミノクロトン酸エステル、2−フェニルインドール、デヒドロピリミジンジカルボン酸ジラウリルエステル等のイミノ系化合物、及びチオ尿酸、チオジプロピオン酸エステル等の含硫黄化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−ブチリデンビス(3−ブチル−6−t−ブチルフェノール)、n−オクデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)プロピオネート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等の立体障害の大きい置換基をオルト位に有するフェノール化合物に代表されるフェノール系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール化合物及び2−ヒドロキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、サリチル酸エステル等の紫外線遮光剤、並びにヒンダードアミン系酸化防止剤が挙げられる。リン酸系安定剤としては、有機亜リン酸エステル、アシッドホスファイトが挙げられ、より具体的にはトリデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニル(ブトキシエトキシエチル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)−4,4−イソプロピリデンジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、ジフェニルホスファイト、フェニルデシルホスファイト、ブチルアシッドホスファイト、オクチルアシッドホスファイト、ステアリルアシッドホスファイト等が挙げられる。
【0056】
可塑剤としては例えば、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソウンデシルフタレート等のフタル酸エステル、トリオクチルトリメリテート、トリ−2−エチルへキシルトリメリテート、トリデシルトリメリレート等のトリメリット酸エステル、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアゼレート、ジオクチルセバケート等の脂肪族2塩基酸エステル、トリクレジルホスフェート、トリキシリルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤が挙げられ、軟化剤としては、例えば石油系のプロセスオイル(パラフィン系、ナフテン酸系、芳香族系)、パインオイル等の天然油が挙げられる。可塑剤及び/又は軟化剤の配合量は、本発明の成形体の成分、配合、用途等により適宜変更され得るものであるが、本発明の成形体に可塑剤及び軟化剤の合計使用量と、含有される熱可塑性樹脂の使用量との重量比として、通常1:100〜120:100の割合、好ましくは1:100〜100:100の割合である。
【0057】
本発明の成形体は、例えば以下に示される害虫の防除に用いることができる。
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)等のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等;
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(agrotis segetum)等のヨトウ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana)等のハマキガ類、シンクイガ類(Carposinidae)、ハモグリガ類(Lyonetiidae)、ドクガ類(Lymantriidae)、ウワバ類(Autographa)、カブラヤガ(Agrotis segetum)及びタマナヤガ(Agrotis ipsolon)等のアグロティス属(Agrotis spp.)、ヘリコベルパ属(Helicoverpa spp.)、へリオティス属(Heliothis spp.)、コナガ(Plutella xylosttella)、イチモンジセセリ(Parnara guttata)、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等;
【0058】
双翅目害虫:アカイエカ(Culex pipiens pallens)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)、チカイエカ(Culex pipiens molestus)等のイエカ類、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)等のエーデス属、オオクロヤブカ(Armigeres subalbatus)等のアルミゲレス属、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)、コガタハマダラカ(Anopheres minimus)、ガンビアハマダラカ(Anopheles gambiae)等のハマダラカ類、サシバエ類、ヌカカ類、ユスリカ類、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、タネバエ(Delia platura)、ヒメイエバエ(Fannia canicularis)、タマネギバエ(Delia antiqua)等のハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、オオチョウバエ(Clogmia albipunctata)チョウバエ類、ブユ類、アブ類等;
【0059】
鞘翅目害虫:ウエスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera virgifera)、サザンコーンルートワーム(Diabrotica undecimpunctata howardi)等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)等のコガネムシ類、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、アズキゾウムシ(Callosobruchuys chienensis)等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)等のゴミムシダマシ類、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、キスジノミハムシ(Phylltreta nemorum)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)等のエピラクナ属(Epilachna spp.)、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ(Paederus fuscipes)等;
網翅目害虫:チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等;
総翅目害虫:ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ハナアザミウマ(Thrips hawawiiensis)等;
膜翅目害虫:アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ(Athalia rosae)等のハバチ類等;
直翅目害虫:ケラ類、バッタ類等
隠翅目害虫:ヒトノミ(Pulex irritans)、ネコノミ(Ctenocephalides felis)等;
シラミ目害虫:ヒトジラミ(Pediculus humanus)、ケジラミ(Phthirus pubis)、ウシジラミ(Haematopinus eurysternus)等;
等翅目害虫:ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus);
ダニ目害虫:コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides ptrenyssnus)等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ムギコナダニ(Aleuroglyphus ovatus)等のコナダニ類、チリニクダニ(Glycyphagidae privatus)、イエニクダニ(Glycyphagidae domesticus)、サヤアシニクダニ(Glycyphagidae destructor)等のニクダニ類、クワガタツメダニ(Cheyletus malaccensis)、フトツメダニ(Cheyletus malaccesis)等のツメダニ類、ホコリダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ類、ハダニ類、イエダニ(Ornithonyssus bacoti)、トリサシダニ(Ornithonyssus sylvairum)、ワクモ(Dermanyssus gallinae)等のサシダニ類、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)、オウシマダニ(Boophilus microplus)等のマダニ類、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)等。
【0060】
本発明の成形体は特に蚊(例えばアカイエカ、ネッタイイエカ、チカイエカ、コダカアカイエカ等のイエカ類、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカ、オオクロヤブカ等のヤブカ類、シナハマダラカ、コガタハマダラカ、ガンビアハマダラカ等のハマダラカ類)などの吸血害虫の防除に有用である。
【実施例】
【0061】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
【0062】
(製造例1)
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:25重量%、商品名:アクリフトWK307、住友化学株式会社製)28重量部と、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部とを、密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットしてペレットを得た。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得た。そして、この混練物を射出成型機を用いて金型で成型することにより、図4に示した格子状プレートの成形体(縦9.8cm×横9.8cm×厚さ0.7mm,重さ:約4.8g)を得た。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってみたところべたつくことはなかった。
【0063】
(製造例2)
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:25重量%、商品名:アクリフトWK307、住友化学株式会社製)95重量部と、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部とを、密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットしてペレットを得た。
そして、このペレットを混練した後、混練物を射出成型機を用いて金型で成型することにより、格子状プレートの成形体(縦9.8cm×横9.8cm×厚さ0.7mm)を得た。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってみたところべたつくことはなかった。
【0064】
(製造例3)
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:18重量%、商品名:アクリフトWH303、住友化学株式会社製)18重量部、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート2重量部を、密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットしてペレットを得た。
このペレット20重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)のペレット80重量部とを混合・混練した後、混練物を射出成型機を用いて金型で成型することにより、格子状プレートの成形体(縦9.8cm×横9.8cm×厚さ0.7mm)を得た。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってみたところべたつくことはなかった。
【0065】
(製造例4)
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:10重量%、商品名:アクリフトWH303、住友化学株式会社製)95重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットしてペレットを得た。
そして、このペレットを混練した後、混練物を射出成型機を用いて金型で成型することにより、格子状プレートの成形体(縦9.8cm×横9.8cm×厚さ0.7mm)を得た。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってみたところべたつくことはなかった。
【0066】
(製造例5)
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:18重量%、商品名:アクリフトWH303、住友化学株式会社製)45重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得た。
このペレット50重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)のペレット50重量部とを混合・混練した後、混練物を射出成型機を用いて金型で成型することにより、格子状プレートの成形体(縦9.8cm×横9.8cm×厚さ0.7mm)を得た。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってみたところべたつくことはなかった。
【0067】
(製造例6)
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:25重量%、商品名:アクリフトWK307、住友化学株式会社製)95重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得た。
次いで、このペレットを練って得られた混練物を射出成型機を用いて金型で成型することにより、格子状プレートの成形体(縦9.8cm×横9.8cm×厚さ0.7mm)を得た。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってみたところべたつくことはなかった。
【0068】
(製造例7)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:30重量%、商品名:セプトン SEPS2007、クラレ株式会社製)25.5重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート7.5重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得る。
次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシートである成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0069】
(製造例8)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:30重量%、商品名:セプトン SEPS2007、クラレ株式会社製)10重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート1重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット11重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット89重量部とを混合・混練して混練物を得る。
次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0070】
(製造例9)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:30重量%、商品名:セプトン SEPS2007、クラレ株式会社製)45重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート10重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット55重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット45重量部とを混合・混練して混練物を得る。そして、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0071】
(製造例10)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:30重量%、商品名:セプトン SEPS2007、クラレ株式会社製)42.5重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート15重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット57.5重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット42.5重量部とを混合・混練して混練物を得る。次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0072】
(製造例11)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:30重量%、商品名:セプトン SEPS2007、クラレ株式会社製)25.5重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート7.5重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得た。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得る。次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0073】
(製造例12)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:30重量%、商品名:セプトン SEPS2007、クラレ株式会社製)28重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得る。次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0074】
(製造例13)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:30重量%、商品名:セプトン SEPS2007、クラレ株式会社製)10重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート1重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット11重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット89重量部とを混合・混練して混練物を得る。次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0075】
(製造例14)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:30重量%、商品名:セプトン SEPS2007、クラレ株式会社製)45重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート10重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット55重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット45重量部とを混合・混練して混練物を得る。次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0076】
(製造例15)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:30重量%、商品名:セプトン SEPS2007、クラレ株式会社製)42.5重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート15重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット57.5重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット42.5重量部とを混合・混練して混練物を得る。次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0077】
(製造例16)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート7.5重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート7.5重量部を用いる以外は製造例11と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0078】
(製造例17)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を用いる以外は製造例12と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0079】
(製造例18)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート10重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート10重量部を用いる以外は製造例14と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0080】
(製造例19)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート15重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート15重量部を用いる以外は製造例15と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0081】
(製造例20)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:65重量%、商品名:セプトンSEPS2104、クラレ株式会社製)25.5重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート7.5重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得る。次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0082】
(製造例21)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:65重量%、商品名:セプトンSEPS2104、クラレ株式会社製)28重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得る。次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0083】
(製造例22)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:65重量%、商品名:セプトンSEPS2104、クラレ株式会社製)10重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート1重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット11重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット89重量部とを混合・混練して混練物を得たる。次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0084】
(製造例23)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:65重量%、商品名:セプトンSEPS2104、クラレ株式会社製)45重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート10重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット55重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット45重量部とを混合・混練して混練物を得る。次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0085】
(製造例24)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:65重量%、商品名:セプトンSEPS2104、クラレ株式会社製)42.5重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート15重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット57.5重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット42.5重量部とを混合・混練して混練物を得た次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0086】
(製造例25)
スチレン系熱可塑性エラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマーのポリスチレンブロックの含有量:65重量%、商品名:セプトンSEPS2104、クラレ株式会社製)50重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート20重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
このペレット70重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット30重量部とを混合・混練して混練物を得る。次いで、この混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0087】
(製造例26)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート7.5重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート7.5重量部を用いる以外は製造例20と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0088】
(製造例27)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を用いる以外は製造例21と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0089】
(製造例28)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート10重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート10重量部を用いる以外は製造例23と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0090】
(製造例29)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート15重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート15重量部を用いる以外は製造例24と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0091】
(製造例30)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート20重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート20重量部を用いる以外は製造例25と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0092】
(製造例31)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート7.5重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート7.5重量部を用いる以外は製造例20と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0093】
(製造例32)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を用いる以外は製造例21と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0094】
(製造例33)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート10重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート10重量部を用いる以外は製造例23と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0095】
(製造例34)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート15重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート15重量部を用いる以外は製造例24と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0096】
(製造例35)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート20重量部の代わりに2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート20重量部を用いる以外は製造例25と同様の操作を行うことにより、成形体を得る。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0097】
(製造例36)
スチレンエラストマー(該スチレン系熱可塑性エラストマー中のポリスチレンブロックの含有量:65重量%、商品名:セプトンSEPS2104、クラレ株式会社製)95重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。
次いで、このペレットを練って得られた混練物を射出成型機から金型を介して成型することにより、縦10.9cm、横7.9cm、厚み4.6mmでかつ縦5.6mm、横5.25mmの角穴が空いている格子状のメッシュシート(開孔率65%)である成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0098】
(製造例37)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 18g、ジイソノニルフタレート 50g、安定剤(Ca/Zn系液状) 2g及び粘度調節剤(BKY4041) 10gをミキサートレイに秤量して撹拌しながら粒状のポリ塩化ビニル(新第一塩ビ株式会社製) 100gを加えて10分間撹拌して、混合物180gを得る。該混合物をポリエチレン製カップに入れて該混合物中に発生する気泡を除いた。その後、該混合物 60gを150mm×150mm×2mmの型枠に入れて150℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却して、1次成型シートを得る。
前記の操作で得られた1次成型シート 14gを切り取り、150mm×150mm×0.5mmの型枠に入れて190℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却し、2次成型シートを得る。得られた2次成型シートを100mm×100mm×0.5mmの大きさに切り、本発明の成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0099】
(製造例38)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 18g、ジイソノニルフタレート 50g、安定剤(Ca/Mg/Zn脂肪酸塩) 2g及び粘度調節剤(BKY4041) 10gをミキサートレイに秤量して撹拌しながら粒状のポリ塩化ビニル(新第一塩ビ株式会社製) 100gを加えて10分間撹拌して、混合物180gを得る。該混合物をポリエチレン製カップに入れて該混合物中に発生する気泡を除いた。その後、該混合物 60gを150mm×150mm×2mmの型枠に入れて150℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却して、1次成型シートを得る。
前記の操作で得られた1次成型シート 14gを切り取り、150mm×150mm×0.5mmの型枠に入れて190℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却し、2次成型シートを得る。得られた2次成型シートを100mm×100mm×0.5mmの大きさに切り、本発明の成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0100】
(製造例39)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 18g、ジイソノニルフタレート 50g、安定剤(Ca/Zn系液状) 2g及び粘度調節剤(BKY4041) 10gをミキサートレイに秤量して撹拌しながら粒状のポリ塩化ビニル(新第一塩ビ株式会社製) 100gを加えて10分間撹拌して、混合物180gを得る。該混合物をポリエチレン製カップに入れて該混合物中に発生する気泡を除く。その後、該混合物 60gを150mm×150mm×2mmの型枠に入れて150℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却して、1次成型シートを得る。
前記の操作で得られた1次成型シート 14gを切り取り、150mm×150mm×0.5mmの型枠に入れて190℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却し、2次成型シートを得る。得られた2次成型シートを100mm×100mm×0.5mmの大きさに切り、本発明の成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0101】
(製造例40)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 18g、ジイソノニルフタレート 50g、安定剤(Ca/Mg/Zn脂肪酸塩) 2g及び粘度調節剤(BKY4041) 10gをミキサートレイに秤量して撹拌しながら粒状のポリ塩化ビニル(新第一塩ビ株式会社製) 100gを加えて10分間撹拌して、混合物180gを得る。該混合物をポリエチレン製カップに入れて該混合物中に発生する気泡を除く。その後、該混合物 60gを150mm×150mm×2mmの型枠に入れて150℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却して、1次成型シートを得る。
前記の操作で得られた1次成型シート 14gを切り取り、150mm×150mm×0.5mmの型枠に入れて190℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却し、2次成型シートを得る。得られた2次成型シートを100mm×100mm×0.5mmの大きさに切り、本発明の成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0102】
(製造例41)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 18g、ジイソノニルフタレート 50g、安定剤(Ca/Zn系液状) 2g及び粘度調節剤(BKY4041) 10gをミキサートレイに秤量して撹拌しながら粒状のポリ塩化ビニル(新第一塩ビ株式会社製) 100gを加えて10分間撹拌して、混合物180gを得る。該混合物をポリエチレン製カップに入れて該混合物中に発生する気泡を除く。その後、該混合物 60gを150mm×150mm×2mmの型枠に入れて150℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却して、1次成型シートを得る。
前記の操作で得られた1次成型シート 14gを切り取り、150mm×150mm×0.5mmの型枠に入れて190℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却し、2次成型シートを得る。得られた2次成型シートを100mm×100mm×0.5mmの大きさに切り、本発明の成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0103】
(製造例42)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 18g、ジイソノニルフタレート 50g、安定剤(Ca/Mg/Zn脂肪酸塩) 2g及び粘度調節剤(BKY4041) 10gをミキサートレイに秤量して撹拌しながら粒状のポリ塩化ビニル(新第一塩ビ株式会社製) 100gを加えて10分間撹拌して、混合物180gを得る。該混合物をポリエチレン製カップに入れて該混合物中に発生する気泡を除く。その後、該混合物 60gを150mm×150mm×2mmの型枠に入れて150℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却して、1次成型シートを得る。
前記の操作で得られた1次成型シート 14gを切り取り、150mm×150mm×0.5mmの型枠に入れて190℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却し、2次成型シートを得る。得られた2次成型シートを100mm×100mm×0.5mmの大きさに切り、本発明の成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0104】
(製造例43)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 18g、ジイソノニルフタレート 50g、安定剤(Ca/Zn系液状) 2g及び粘度調節剤(BKY4041) 10gをミキサートレイに秤量して撹拌しながら粒状のポリ塩化ビニル(新第一塩ビ株式会社製) 100gを加えて10分間撹拌して、混合物180gを得る。該混合物をポリエチレン製カップに入れて該混合物中に発生する気泡を除く。その後、該混合物 60gを150mm×150mm×2mmの型枠に入れて150℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却して、1次成型シートを得る。
前記の操作で得られた1次成型シート 14gを切り取り、150mm×150mm×0.5mmの型枠に入れて190℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却し、2次成型シートを得る。得られた2次成型シートを100mm×100mm×0.5mmの大きさに切り、本発明の成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0105】
(製造例44)
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 18g、ジイソノニルフタレート 50g、安定剤(Ca/Mg/Zn脂肪酸塩) 2g及び粘度調節剤(BKY4041) 10gをミキサートレイに秤量して撹拌しながら粒状のポリ塩化ビニル(新第一塩ビ株式会社製) 100gを加えて10分間撹拌して、混合物180gを得る。該混合物をポリエチレン製カップに入れて該混合物中に発生する気泡を除く。その後、該混合物 60gを150mm×150mm×2mmの型枠に入れて150℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却して、1次成型シートを得る。
前記の操作で得られた1次成型シート 14gを切り取り、150mm×150mm×0.5mmの型枠に入れて190℃で1分間放置後、50kg/cmで0.5分間、次いで100kg/cmで1分間加圧してから冷却し、2次成型シートを得る。得られた2次成型シートを100mm×100mm×0.5mmの大きさに切り、本発明の成形体を得る。この成形体の両面には、格子の長手方向に断面三角形状で深さが約50μmの溝が200μm間隔で形成されている。この成形体を手で触ってもべたつくことはない。
【0106】
(試験例1)
製造例1で作製した成形体を温度30℃の環境下に放置し、その重量変化から、成形体からの害虫防除活性成分の蒸散量を算出した。その結果、害虫防除活性成分の蒸散量は44時間で10.2mgと良好な値であった。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明の害虫防除用成形体は、害虫の生息場所及び/又は害虫の侵入場所等にそのまま設置することによって害虫を防除するものである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明に係る成形体の一例を示す斜視図である。
【図2】成形体に形成される溝の断面形状例を示す図である。
【図3】成形体に形成される有底穴の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る成形体の他の例を示す平面図である。
【図5】成形体に形成される開孔部の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る成形体の他の例を示す斜視図である。
【図7】図6の成形体の拡大図である。
【図8】成形体に形成される凸部の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0109】
1 成形体本体
S 成形体(害虫防除用成形体)
21,22,23,24 溝(凹部)
25,26 有底穴(凹部)
31,32,33 開孔部
41 円柱部(凸部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】

〔式中、
は水素原子又はメチル基を表し、
はメチル基又は
CH=CR2122
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基を表し、
は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物が、熱可塑性樹脂に保持されてなる板状の害虫防除用成形体であって、
その表面に、凹部及び凸部の少なくとも一方が300μm以下の間隔で形成されていることを特徴とする害虫防除用成形体。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂が、カルボン酸エステル単量体単位を害虫防除用成形体全量に対して1〜10重量%含有するポリオレフィン系樹脂である請求項1記載の害虫防除用成形体。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂が、塩化ビニル系樹脂を50〜100重量%含有するものである請求項1記載の害虫防除用成形体。
【請求項4】
前記凹部が、断面略三角形状の溝である請求項1〜3のいずれかの請求項に記載の害虫防除用成形体。
【請求項5】
前記凹部が、直線状の溝で、少なくとも2方向に形成されている請求項1〜4のいずれかの請求項に記載の害虫防除用成形体。
【請求項6】
前記凸部の形状が、円柱状、多角柱状、円錐状、多角錐状、截頭円錐状、截頭多角錐状の少なくとも1つの形状である請求項1〜5のいずれかの請求項に記載の害虫防除用成形体。
【請求項7】
1個以上の開孔部を有する請求項1〜6のいずれかの請求項に記載の害虫防除用成形体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−19015(P2009−19015A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183373(P2007−183373)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【出願人】(390000527)住化ライフテク株式会社 (54)
【Fターム(参考)】