説明

家庭用缶類処理機

【課題】 1つの簡便で小型の処理機により複数の処理が行える多機能の家庭用缶類処理機を提供することを目的とする。
【解決手段】 ペットボトルの切断、スプレー缶の穿孔および缶の圧縮を行う家庭用缶類処理機において、加工受台20の上部に上下動自在に切断部材30、穿孔部材40および圧縮部材50を前後に配列するとともに、これらの各部材30、40、50のさらに上部に各部材を選択的に加圧する加圧装置60を前後スライド自在に配設したことにより、1つの処理機にてペットボトルの切断、スプレー缶の穿孔および缶の圧縮の多機能の作業が家庭にて簡便に行え、ごみの分別の前処理を手軽に行って、ごみの分別をより促進することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットボトルの切断、スプレー缶の穿孔および缶の圧縮を行う家庭用缶類処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境の劣化や資源の枯渇等の問題を解決するために、ごみ資源のリサイクル化が促進されている。ごみ資源のリサイクルにはごみの分別が欠かせないものであり、各家庭は言うに及ばず、各種の事業所、高速道路のサービスエリア、病院、鉄道の駅舎等人々が多く集まり、多量のごみが放出される施設では、ごみの分別・細分化には多くの苦労や努力がなされているものの、現状のごみ箱は比較的大型の箱状体から構成されており、多種類のごみの分別を行うには広いスペースを要して限界があり、頭を悩ませているところである。そのために、ペットボトルを切断して減容したり、缶を圧縮して減容して限られたスペースに多くの廃棄物を捨てられるような努力がなされている。さらには、危険物の分別のために、スプレー缶の穿孔に続いて缶の圧縮も行われている。
【0003】
このように、ペットボトルの切断や缶の減容のための圧縮、さらにはスプレー缶の穿孔には、通常、ペットボトルを鋸で切断したり、缶を足で潰して圧縮・減容している。あるいは、自販機のデポジットシステムにて回収していた。ところが、缶を足で潰すには力を要して婦女子には面倒であり、また自販機のデポジットシステムではシステムの構築が必要となって、広く普及していないのが現状である。そのようなことから、ペットボトルの切断装置、缶の圧縮装置およびスプレー缶の穿孔装置がそれぞれ提案されている(下記特許文献1、2および3参照)。
【特許文献1】特開2000−167796号公報
【特許文献2】特開平7−32197号公報
【特許文献3】特開2000−326195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図11は前記特許文献1に開示されたペットボトルのネジ部の切断装置で、ペットボトル125がネジ部の方から投入され、シューター102に沿って落下し、モータ101により回転駆動されている駆動ローラ107、従動ローラ108の間に落ち込む。駆動ローラ107と従動ローラ108に取り付けられている切刃109、110により、ペットボトル125と異質の頭部であるネジ部が切断され、次に、駆動ローラ107と従動ローラ108との間を通るときに圧縮されてボックス112の下方に落下して収納される。
【0005】
図12は前記特許文献2に開示された空缶圧縮装置で、下方向が次第に狭くなるように二つの面201A、202Aが対面するように配置された直線駆動をするコンベア部201、202を備え、その直線状態で、二つの面201A、202Aの間に投入された空缶Cが下方向に送られる過程で、二つの面201A、202Aで挟圧された空缶Cが圧縮されて減容される。スチール缶は、マグネットローラー部214によって分別され、仕分け板215により分別回収される。
【0006】
図13は前記特許文献3に開示された噴射剤混入構造体の孔開け装置で、孔開け装置331をスプレー缶301の側面に押し付け、押圧部352を押圧すると穿孔針が孔開け部353を穿孔する。開口354から残存液体がガス収容袋351に収容され、周囲を汚すことはなく、スプレー缶301とともに回収される。
【0007】
このようにそれぞれの装置により、分別の前処理に当たって、ペットボトルの切断や空缶の穿孔・減容を容易に行うことが可能になった。しかしながら、前記従来の装置は、家庭で使用できるものもあるが、装置が複雑かつ大型で価格も高く、各家庭で使用するには限界があった。しかも、それぞれ別個の装置が必要で費用が嵩む上、保管場所を要した。
【0008】
そこで本発明は、前記従来の缶類処理機の諸課題を解決して、1つの簡便で小型の処理機により複数の処理が行える多機能の家庭用缶類処理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのため本発明は、ペットボトルの切断、スプレー缶の穿孔および缶の圧縮を行う家庭用缶類処理機において、加工受台の上部に上下動自在に切断部材、穿孔部材および圧縮部材を前後に配列するとともに、これらの各部材のさらに上部に各部材を選択的に加圧する加圧装置を前後スライド自在に配設したこと特徴とする。また本発明は、前記切断部材、穿孔部材および圧縮部材ならびに加圧装置をフレーム枠体に設置するとともに、前記加工受台をフレーム枠体から離脱可能に構成したことを特徴とする。また本発明は、前記加圧装置をフレーム枠体上に設置したレールにスライド自在に配設するとともに、該レール上に、前記加圧装置を切断部材、穿孔部材および圧縮部材の各加圧位置に停止させる節度機構を設けたことを特徴とする。また本発明は、前記穿孔部材と圧縮部材とを平面視で一部重複配置させ、穿孔部材における穿孔針を圧縮部材における圧縮板を貫通させるとともに、穿孔部材の加圧時に該穿孔部材に先行して圧縮部材を下降させるように穿孔部材と圧縮部材との間に与圧ばねを介設したことを特徴とする。また本発明は、前記加工受台に缶類の異なったサイズに対応した幅の複数の段差部を形成したことを特徴とする。また本発明は、前記切断部材に対応する加工受台に刃受溝部を刻設するとともに、ペットボトルの頭部が載置される近傍に枕部材を介設自在に設置したことを特徴とする。また本発明は、前記加圧装置が、レバーとリンクによる倍力機構、ハンドル・ピニオンギヤとラックによる倍力機構あるいは電動モータと減速装置による倍力機構から構成されたことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、ペットボトルの切断、スプレー缶の穿孔および缶の圧縮を行う家庭用缶類処理機において、加工受台の上部に上下動自在に切断部材、穿孔部材および圧縮部材を前後に配列するとともに、これらの各部材のさらに上部に各部材を選択的に加圧する加圧装置を前後スライド自在に配設したことにより、1つの処理機にてペットボトルの切断、スプレー缶の穿孔および缶の圧縮の多機能の作業が家庭にて簡便に行え、ごみの分別の前処理を手軽に行って、ごみの分別をより促進することが可能となる。
【0011】
また、前記切断部材、穿孔部材および圧縮部材ならびに加圧装置をフレーム枠体に設置するとともに、前記加工受台をフレーム枠体から離脱可能に構成した場合は、ペットボトルの切断、スプレー缶の穿孔および缶の圧縮を行うことによって汚れた加工受台を、加圧装置および各部材が設置されたフレーム枠体から分離して、清掃、保守・点検を容易に行うことができ、清潔である。さらに、前記加圧装置をフレーム枠体上に設置したレールにスライド自在に配設するとともに、該レール上に、前記加圧装置を切断部材、穿孔部材および圧縮部材の各加圧位置に停止させる節度機構を設けた場合は、加圧装置をペットボトルの切断、スプレー缶の穿孔および缶の圧縮の各作業位置に円滑に移動させることが可能になるとともに、加圧装置を各作業位置に確実に位置決めさせて、各作業を行うことができる。
【0012】
さらにまた、前記穿孔部材と圧縮部材とを平面視で一部重複配置させ、穿孔部材における穿孔針を圧縮部材における圧縮板を貫通させるとともに、穿孔部材の加圧時に該穿孔部材に先行して圧縮部材を下降させるように穿孔部材と圧縮部材との間に与圧ばねを介設した場合は、圧縮板による缶の圧縮作業を独立して確実に行うことができるとともに、スプレー缶等の穿孔時には、穿孔に先立って、スプレー缶等を与圧ばねを介して圧縮板によって予め軽く押さえ付けて、盲動させることなく穿孔作業を確実に行うことができる。
【0013】
また、前記加工受台に缶類の異なったサイズに対応した幅の複数の段差部を形成した場合は、これらの缶類を加工受台上にて盲動させることなく、確実かつ安定させて載置して、多種類の缶類等の処理作業に対応させることができる。さらに、前記切断部材に対応する加工受台に刃受溝部を刻設するとともに、ペットボトルの頭部が載置される近傍に枕部材を介設自在に設置した場合は、切断時にペットボトルを起こして盲動させたり、切残し部を生じさせることもなく、ペットボトル等の頭部や首部ないしは胴部を確実に切断することができる。
【0014】
さらにまた、前記加圧装置が、レバーとリンクによる倍力機構、ハンドル・ピニオンギヤとラックによる倍力機構あるいは電動モータと減速装置による倍力機構から構成された場合は、加圧装置に適宜の倍力機構を用いて、ペットボトルの切断、スプレー缶の穿孔および缶の圧縮の各作業を各家庭にて、非力な婦女子でも容易に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1から図8は本発明の家庭用缶類処理機の第1実施例を示すもので、図1は全体斜視図、図2は加工受台を取り出した状態の分解斜視図、図3は加工受台の横断面図、図4は枕部材を使用した加工受台の横断面図、図5は図4の平面図、図6は切断部材の正面および側面図、図7は穿孔部材と圧縮部材の側面および平面図、図8は加圧装置の正面図である。図9は加圧装置にハンドルを用いた本発明の第2実施例の正面図、図10は加圧装置にモータを用いた本発明の第3実施例の正面図である。本発明の家庭用缶類処理機の基本的な構成は、ペットボトルの切断、スプレー缶の穿孔および缶の圧縮を行う家庭用缶類処理機において、加工受台20の上部に上下動自在に切断部材30、穿孔部材40および圧縮部材50を前後に配列するとともに、これらの各部材30、40、50のさらに上部に各部材を選択的に加圧する加圧装置60を前後スライド自在に配設したことを特徴とする。
【実施例1】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の家庭用缶類処理機を詳述する。図1に示すように、本発明の家庭用缶類処理機は、側面13、14上にレール2、3が設置された箱状のフレーム枠体10と、レール2、3上に前後にスライド自在に配設された加圧装置60と、フレーム枠体10に上下動自在に前後に配列された切断部材30と、穿孔部材40と、圧縮部材50と、フレーム枠体10の底部に離脱可能に挿入設置された加工受台20とから構成される。切断部材30、穿孔部材40および圧縮部材50の各部材は、フレーム枠体10の左右の側面13,14に形成された左右の窓部15、16内に上下方向で前後に配列されたガイド棒31、32および33に挿入される。開放部が外側を向いたレール2、3に対して、加圧装置60の左右両側に設置されたガイド枠62、62が外側から内側に曲折されて前記レール2、3に噛み合う形態にて設置される。したがって、レール2、3に対して加圧装置60は前後方向にスライド自在に移動は可能であるが、上下方向には移動が規制される。
【0017】
図示は省略するが、レール2、3上には、前記加圧装置60を切断部材30、穿孔部材40および圧縮部材50の各加圧位置に停止させる節度機構が設けられる。節度機構は、係止凹部とばね等により付勢された突起との組合せ等により構成される。符号17、18は左右の側面13、14の上端部同士を連結する梁部材である。図2(B)に示すように、前記切断部材30、穿孔部材40および圧縮部材50は、それぞれガイド棒31、32および33に沿って上下動可能に挿入される。ガイド棒31、32および33にはそれぞれリターンスプリング32、42および52が嵌挿され、各部材30、40および50が加圧装置60により上方から押圧された後に上方に復元する作用を行う。
【0018】
図1に示すように、加圧装置60は台座61上に起立設置された一対の保持板63間にレバーとリンクによる倍力機構が配設される。倍力機構は以下のように構成される。端部に握り部を有する加圧レバー64の操作力が連結リンク65を介して倍力レバー66に伝達され、所定のレバー比率で倍力された力が加圧ロッド67の下降力となって、前記各切断部材30、穿孔部材40および圧縮部材50を選択的に下方へ押圧する。図2(B)に示すように、各切断部材30、穿孔部材40および圧縮部材50の上面には、耐磨耗性に優れる円形等の受部溝36、46および56が刻設され、前記加圧装置60における加圧ロッド67の下端部が当接するように構成される。
【0019】
また、図2(A)および図2(B)に示すように、加工受台20はフレーム枠体10から離脱可能に構成されている。つまり、前後11、12が開放されたフレーム枠体10の底部に、外形の断面形状が適合する加工受台20が前後方向から挿入され、適宜の係止具等により固定されて装着されるものである。加工受台20は樋状の構成を有し、図3に示すように、ペットボトルPや缶C等の缶類の異なったサイズに対応した幅の複数の段差部21が形成される。図2に示すように、加工受台20がフレーム枠体10に装着された際に、前記切断部材30の切断刃35に対応する加工受台20に刃受溝部22が刻設される。さらに、図4および図5に示すように、ペットボトルPの頭部が載置される近傍に枕部材24(使用位置は24’で示される)が介設自在に設置される。枕部材24は加工受台20の側面に起伏自在に設置された枕レバー23(使用位置は23’で示される)に付設される。
【0020】
図6は切断部材の正面および側面図である。フレーム枠体10の最も前方に配設される切断部材30は、左右方向に延びる上部の受台33と、該受台33から下方に垂下設置される切断刃35とから構成される。前記受台33の左右両端部にはガイド孔34、34が上下方向に穿設されており、フレーム枠体10の窓部15、16に設置されたガイド棒31、31に挿通される。受台33の上面中央には耐磨耗処理された受部溝36が刻設されて、前記加圧装置60における加圧ロッド67の下端部からの加圧力を受けるように構成される。前記切断刃35の下方には、セットされた加工受台20の刃受溝部22が対応して配設される。
【0021】
図7は穿孔部材と圧縮部材の側面および平面図である。図7(B)に示すように、穿孔部材40と圧縮部材50とを平面視で一部重複配置させる。図7(A)に示すように、穿孔部材40における穿孔針45を圧縮部材50における圧縮板55を貫通させるとともに、穿孔部材40の加圧時に該穿孔部材40に先行して圧縮部材50すなわち圧縮板55を下降させるように穿孔部材40と圧縮部材50との間、つまり、穿孔部材40の針取付板48と圧縮板55との間に与圧ばね49を介設したものである。これにより、穿孔すべきスプレー缶S(一点鎖線で示す)を予め先行する圧縮板55の下面の滑止め58にて確実に捕捉した上で、圧縮板55の針孔59に挿通配置された下降する穿孔部材40の穿孔針45によって穿孔することができる。符号47は穿孔部材40における受台43と針取付板48とを接続する連結具、符号57は圧縮部材50における受台53と圧縮板55とを接続する連結具を示している。
【0022】
図7(B)の平面図に示すように、穿孔部材40における受台43の左右両側(図面では上下)にはガイド孔44、44が穿設され、前記フレーム枠体10の窓部15、16に設置され前後方向の中間部に配置されたガイド棒32、32(図1、2)に挿通される。同様に、圧縮部材50における受台53の左右両側にはガイド孔54、54が穿設され、前記フレーム枠体10の窓部15、16に設置され最後部に配置されたガイド棒33、33に挿通される。各受台43、53の上面中央には耐磨耗処理された受部溝46、56が刻設される。
【0023】
図8は加圧装置の正面図である。前述したように、加圧装置60はフレーム枠体10の上部のレール2、3上を前後方向にスライドして、切断部材30、穿孔部材40および圧縮部材50の各作業位置が選択され、それらの各作業位置にて、加圧ロッド67を押し下げ、各部材30、40あるいは50を押し下げることで各作業を行う。レール2、3は開放部が外側を向いたコの字断面を呈しており、加圧装置60の左右両側に設置されたガイド枠62、62が外側から内側に曲折され、前記レール2、3に噛み合う形態にて設置される。したがって、レール2、3に対して加圧装置60は前後方向にスライド自在に移動は可能であるが、上下方向には移動が規制される。コの字断面のレール2、3の開放部が内側を向いて対向させ、加圧装置60のガイド枠62、62を内側から外側に向けて曲折して構成してもよいことは言うまでもない。
【実施例2】
【0024】
図9は加圧装置にハンドルを用いた本発明の第2実施例の正面図である。加圧装置60における台座61に起立形成された内側保持板63A、外側保持板63Bに、軸受を介して左右に横架された駆動軸69が軸支される。該駆動軸69の軸端部にはハンドル72が設置され、グリップ73により回転駆動される。駆動軸69の略中央にはピニオンギヤ70が固定されている。該ピニオンギヤ70には、加圧ロッド67に刻設されたラック歯71が噛合する。したがって、倍力機構として採用された大きな半径のハンドル72を回転駆動することによって、大きな力をピニオンギヤ70に伝達し、加圧ロッド67を大きな力で下降させることができる。
【実施例3】
【0025】
図10は加圧装置にモータを用いた本発明の第3実施例の正面図である。加圧装置60における台座61に起立形成された保持板63に、軸受を介して左右に横架された駆動軸69が軸支される。該駆動軸69の軸端部には減速装置75を介して電動モータ74が設置される。駆動軸69の略中央にはピニオンギヤ70が固定され、該ピニオンギヤ70には、加圧ロッド67に刻設されたラック歯71が噛合する。したがって、倍力機構として採用された減速装置75を介したモータ74を回転駆動することによって、大きな力をピニオンギヤ70に伝達し、加圧ロッド67を大きな力で下降させることができる。なお、モータ74の回転駆動力を、加圧装置60自体のレール2、3上での前後スライド移動に用いることも可能である。
【0026】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内にて、処理される缶等の種類(ペットボトル、空缶、スプレー缶、プラスチック材等適宜の廃棄物が対象足り得る)、フレーム枠体の形状、形式および材質(スチール等の剛性の高い素材が最適であるが、適宜のものが採用される)、段差の諸元や形状(円形の缶に沿った曲率を持たせてもよい)、刃受溝部の形状、枕部材の設置形態(揺動の他、フレーム枠体外からのスライド等)を含む加工受台の形状(好適には樋状であるが、段差を有する側面のない平板状でもよい)、形式および材質(剛性が高く錆びにくいものが好適である))ならびにフレーム枠体への装着・固定形態(前後方向に抜き差し自在にして、定位置には固定ボルト等により固定するのを好適とするが、その他の適宜の装着・固定形態が採用できる)、切断部材の形状(例えば、切断刃の下縁をやや傾斜させて処理物の切断を円滑にすることもできる)、形式等については適宜選定できる。
【0027】
さらに、穿孔部材の形状(穿孔針の数、配置、長さ等)、形式、圧縮部材の形状、形式、穿孔部材と圧縮部材との関連構成(好適には、穿孔に当たり缶類を押さえるために、圧縮部材と穿孔部材とを重複配置させるが、穿孔部材に缶類を押さえる手段を付設できれば、圧縮部材と穿孔部材とを分けてもよい)、加圧装置の形状、形式(レバーとリンクによる倍力機構、ハンドル・ピニオンギヤとラックによる倍力機構あるいは電動モータと減速装置による倍力機構の他、適宜のアクチュエータが採用され得る)およびレール等を介したフレーム枠体に対するスライド形態および節度機構の形状、形式(凹部と突起との係合、センサによる駆動装置の定位置での停止等)、穿孔部材と圧縮部材との間に介設される与圧ばねの形状、形式(コイルばね、皿ばねさらにはスポンジ等の弾性材も採用し得る)および介設部位等についても適宜選定できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の家庭用缶類処理機の第1実施例を示す全体斜視図である。
【図2】同、加工受台を取り出した状態の分解斜視図である。
【図3】同、加工受台の横断面図である。
【図4】同、枕部材を使用した加工受台の横断面図である。
【図5】同、図4の平面図である。
【図6】同、切断部材の正面および側面図である。
【図7】同、穿孔部材と圧縮部材の側面および平面図である。
【図8】同、加圧装置の正面図である。
【図9】加圧装置にハンドルを用いた本発明の第2実施例の正面図である。
【図10】加圧装置にモータを用いた本発明の第3実施例の正面図である。
【図11】第1の従来例を示すペットボトルのネジ部の切断装置である。
【図12】第2の従来例を示す空缶圧縮装置である。
【図13】第3の従来例を示す噴射剤混入構造体の孔開け装置である。
【符号の説明】
【0029】
2 レール
3 レール
10 フレーム枠体
20 加工受台
22 刃受溝部
24 枕部材
25 ストッパ
30 切断部材
31 ガイド棒
32 ガイド棒
33 ガイド棒
35 切断刃
40 穿孔部材
45 穿孔針
50 圧縮部材
55 圧縮板
60 加圧装置
64 加圧レバー
66 倍力レバー
67 加圧ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットボトルの切断、スプレー缶の穿孔および缶の圧縮を行う家庭用缶類処理機において、加工受台の上部に上下動自在に切断部材、穿孔部材および圧縮部材を前後に配列するとともに、これらの各部材のさらに上部に各部材を選択的に加圧する加圧装置を前後スライド自在に配設したこと特徴とする家庭用缶類処理機。
【請求項2】
前記切断部材、穿孔部材および圧縮部材ならびに加圧装置をフレーム枠体に設置するとともに、前記加工受台をフレーム枠体から離脱可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の家庭用缶類処理機。
【請求項3】
前記加圧装置をフレーム枠体上に設置したレールにスライド自在に配設するとともに、該レール上に、前記加圧装置を切断部材、穿孔部材および圧縮部材の各加圧位置に停止させる節度機構を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の家庭用缶類処理機。
【請求項4】
前記穿孔部材と圧縮部材とを平面視で一部重複配置させ、穿孔部材における穿孔針を圧縮部材における圧縮板を貫通させるとともに、穿孔部材の加圧時に該穿孔部材に先行して圧縮部材を下降させるように穿孔部材と圧縮部材との間に与圧ばねを介設したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の家庭用缶類処理機。
【請求項5】
前記加工受台に缶類の異なったサイズに対応した幅の複数の段差部を形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の家庭用缶類処理機。
【請求項6】
前記切断部材に対応する加工受台に刃受溝部を刻設するとともに、ペットボトルの頭部が載置される近傍に枕部材を介設自在に設置したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の家庭用缶類処理機。
【請求項7】
前記加圧装置が、レバーとリンクによる倍力機構、ハンドル・ピニオンギヤとラックによる倍力機構あるいは電動モータと減速装置による倍力機構から構成されたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の家庭用缶類処理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−223981(P2006−223981A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−40304(P2005−40304)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(504042317)
【Fターム(参考)】