説明

容器の汚染を検出する装置および方法

【課題】たとえばラベルおよび/もしくは浮き彫りパターンを備えた装飾的な外観を有する、ビールもしくはソフトドリンクなどの飲み物などの液体用容器の考えられる汚染の存在を検出する。
【解決手段】検出装置は、少なくとも第1の波長(たとえば可視光、赤外線、紫外線、X線)で容器を照射する照射手段(2,4)と、照射と容器の少なくとも一部との相互作用があった後に照射サンプルを記録する記録手段(22)と、第1の記録手段に対して容器の方向を決定する方向決定手段と、記録の間、第1の記録手段に対して容器の方向を一致させてサンプルと所定の参照とを比較する比較手段(36)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の考えられる汚染の存在について、たとえばラベルおよび/もしくは浮き彫りパターンを備えたビールもしくはソフトドリンクなどの飲料などの液体用の容器を選択するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、複数回消費者に提供され、使用後に求められる製品が再度詰められるために供給者によって戻される、循環システム内で用いられるボトルに関して、容器内部に存在する汚染を検出するシステムは既知である。内部汚染の点検は一度だけ用いられるボトルについても提供することができる。
【0003】
これらの既知のシステムは、容器を一方から照射し、照射されたボトルの画像記録を作成することで機能する。こうして汚れは、画像記録において観察される。
【0004】
しかし、たとえばラベルおよび/もしくは浮き彫りパターンを備えた装飾的な外観を有する容器が用いられる場合、このようなシステムは不十分である。たとえば装飾的な外観が汚染の観察を妨げ、および/もしくは、記録においてそれ自身が汚染として観察される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような問題を回避するため、本発明は、たとえばラベルおよび/もしくは浮き彫りパターンを備えた装飾的な外観を有する、ビールもしくはソフトドリンクなどの飲み物などの液体用容器の考えられる汚染の存在を検出する装置であって、
・少なくとも第1の波長で容器を照射する照射手段と、
・照射と容器の少なくとも一部分との相互作用の間、照射の照射サンプルを記録する記録手段と、
・第1の記録手段に対して容器の方向を決定する方向決定手段と、
・記録の間、第1の記録手段に対して容器の方向を一致させて、サンプルと所定の参照とを比較する比較手段とを備える装置を提供する。
【0006】
本発明に係る一実施形態は、容器に汚染が存在するかどうかを決定する時に、装飾的な外観を考慮に入れることができる点で、有利である。記録が、たとえばその方向が既知であるところのボトルで行われる場合、これは、この方向に関連付けられた参照、すなわち前回記録された画像もしくは前回記録された画像の処理を用いて、現在のボトルとこの参照の間に差異があるかどうかを決定するのに用いられることができる。もしそうである場合、この差異は汚染の存在を示す。このようなボトルは拒絶されなければならない。したがって、容器が装飾的な外観を有していたとしても、考えられる汚染の存在について点検を行うことは可能である。容器の周囲全体に広がる装飾もまた、考慮に入れることができる。
【0007】
好適な実施形態において、装置は、(1)異なる瞬間および/もしくは、(2)位置および/もしくは、(3)第2の照射手段により生じるその他の波長で、照射を記録する第2の記録手段を含む。この照射サンプルは、第1の記録手段に対して容器の方向を決定するのに用いられることができる。さらなる実施形態において、この目的のために装置は、第1および第2の記録の際の、第1の記録手段、第2の記録手段、および容器の相対的な位置に基づき、第1の記録手段に対して容器の方向を決定する手段を含む。ここではそれぞれの記録の間、記録が同時に行われる必要はなく、また、容器が同じ位置に配置される必要はなく、また方向さえも同じに配置される必要はない。点検の間、容器はコンベヤを用いて前進させられ、任意には前もって既知である方向回転(たとえば、いわゆる回転台マシンと呼ばれる既知のボトル回転によって)を受ける。
【0008】
第2の記録手段からの記録画像は、第1の記録手段に対して容器の方向を決定するのに用いられるのが好ましい。これらの記録は、装飾的な外観の品質を評価するためにさらに用いることができる。ここでは、同出願人による国際特許出願WO03/042673A1に記載の評価システムが用いられる。容器のロバスト参照画像の作成方法および、ロバスト参照画像を用いた容器の評価方法がとりわけ重要であるところの、この出願の本文はここに含まれるものとして見なされるべきである。以下に説明される好適な実施形態において、比較手段のための参照は、この先願に係る容器のロバスト参照画像を形成する方法によって作成される。第2の記録手段からの画像を用いることで、第1の記録手段に対して容器の方向を決定することに加えて、上記に表示した出願の方法に基づき、容器の装飾的な外観を評価することもまた可能である。
【0009】
さらに好適な実施形態において、装置は、第1もしくは第2の波長の照射に基づき、記録手段と光学的に独立した方法で記録を行うフィルタ手段を含む。これらのフィルタ手段は、第1の記録手段の記録および第2の記録手段の記録が、容器について、上記に説明された両方の目的、すなわち容器の考えられる汚染の存在の検出および、容器の装飾的な外観の品質評価に関して、同時に行われるという利点を提供する。これらのフィルタ手段はたとえば、光学フィルタもしくは電子フィルタを含む。
【0010】
光学フィルタは部分的に選択的に、所定の波長域の照射に対して透過性があるように具体化されてよい。ここではフィルタは、透過されるかフィルタ処理されるかする照射に対して、角度を持って配置されてよい。このようなフィルタは、第1および第2の記録手段を用いて記録を同時に行うことを可能にする。代替的には、記録を順番に行うこともまた可能である。
【0011】
フィルタ手段は、記録手段の照射を感受する要素が、たとえば所定の波長のみを感受するような、もしくは記録手段によって記録が行われた後、異なる規模の波長がデータから強調されるような電子フィルタを、代替的に含むことができる。
【0012】
照射が容器を照射して記録を行う間、第1の照射源は、第1の記録手段に対して、容器の位置の後側に位置づけられることが好ましい。それにより、容器の前壁および後壁を同時に点検することが可能になる。装置は、その部分に基づき評価が行われるところの評価部分として、容器の一部の記録の一部を選択する選択手段を含むことが好ましい。それにより、全ての記録から選択されなければならない、容器の最も重要な部分を強調することが可能になる。このような部分記録は、たとえば、点検から、容器の内容に関連する無関係のかく乱を除去するのに用いられることができる。たとえば、プリントされたラベルの下側の位置において一時的な泡立ちが起きるかもしれず、それは容器の拒絶という結果を招くかもしれない。このような場合、ラベルの下側が評価されないよう、選択が小さくされることができる。ボトルなどの円形の容器の場合、記録の側面近くのゆがみもまた比較的大きい。したがって、評価においてはこのようなゆがみを有する部分の記録を用いないことが有利である。
【0013】
記録手段は少なくとも1つのカメラを含む。このようなカメラは、たとえば赤外線、通常光、紫外線などを感受するが、その他の照射も可能である。決定した混入物質の最適な検出を可能にするために、偏光光が用いられてもよい。以下に続く説明で、光への言及はどれも同じく、偏光光を用いる選択肢を含むと理解される。偏光光の使用および選別はそれ自体既知であり、本発明は検出方法においてこれの使用を提供する。このようなカメラおよび照射源の選択は、容器のパラメータによることが好ましい。容器がたとえばプリントのある緑色のボトルである場合、容器がその他の仕様に適合する場合とは異なる照射源およびカメラの組み合わせが任意に選択されるであろう。
【0014】
さらなる実施形態において、装置は、容器の選択の間、その画像に基づき一連の容器における装飾的な外観内の容認できる偏差が考慮に入れられることができるところの、ロバスト参照画像もしくは許容偏差値を有する参照画像を、第1および/もしくは第2の照射サンプルおよび/もしくは所定のパラメータに基づき構成する構成手段をさらに含む。このことは、同じタイプの容器の指示された仕様に対して同じタイプの容器の統計的に予測される偏差が考慮に入れられることができるという利点を提供する。
【0015】
装置は、照射サンプルもしくは評価部分に基づき、そのフラット表示を形成する処理手段をさらに含むことが好ましい。このような処理手段の操作は、上記の国際特許出願WO03/042673に同様に記載されている。このようなフラット表示は、フラット部分参照画像を結びつけることで全ての参照画像がコンパクトに構成されるという利点を有する。
【0016】
フラット表示とロバスト参照画像とを比較するために、第1の比較手段が具体化されることが好ましい。上記の好適な実施形態の利点は、これによって組み合わされる。
【0017】
第2の記録手段を用いて装飾的な外観の比較を可能にするために、装置は、装飾的な外観の偏差を検出する目的で、第2の記録手段の記録と第2の参照画像もしくはロバスト参照画像とを比較する第2の比較手段を含むことが好ましい。これらの第2の比較手段を用いて、装飾的な外観を評価する方法は本発明によって行われてよい。
【0018】
方向決定手段は、第2の記録手段の記録に基づいて方向を決定することが好ましい。第1および第2の記録手段による記録を用いることによって、装置は、装飾的な外観が仕様に適合するかどうかを決定すると同じく、考えられる汚染が内部に存在するかどうかを決定するのに必要とされる、利用できる全ての情報を有することができる。
【0019】
本発明のさらなる態様によれば、たとえばラベルおよび/もしくは浮き彫りパターンを備えた装飾的な外観を有する、ビールなどの飲料などの液体用の容器の考えられる汚染の存在を検出する装置であって、
・容器をほぼ上面もしくは底面から少なくとも第1の波長で照射する照射手段と、
・照射が容器の少なくとも1つの壁部分を通過した後、照射の照射サンプルを記録する記録手段と、
・記録の間、サンプルと、第1の記録手段に対する容器の所定の参照とを比較する比較手段とを備える装置が提供される。
【0020】
この態様に係る一実施形態の利点は、記録された照射サンプルが、記録手段に向けられた容器の側面に関する画像情報のみを含むことである。したがって、比較は比較手段によって容器の方向に関する情報なしに行われる。
【0021】
請求項18に係る装置は、上記に特定された1以上の手段を含むことが好ましい。
本発明のさらなる態様は、たとえばラベルおよび/もしくは浮き彫りパターンを備えた装飾的な外観を有する、ビールなどの飲料などの液体用の容器の考えられる汚染の存在を検出する方法であって、
・照射手段を用いて、少なくとも第1の波長の照射で容器を照射するステップと、
・第1の記録手段に対して容器の方向を決定するステップと、
・照射が容器の少なくとも一部を通過した後に、記録手段を用いて照射の照射サンプルを記録するステップと、
・記録手段に対して容器の方向を一致させて、サンプルと所定の参照とを比較することによって考えられる汚染の存在を決定するステップと、
・容器を承認もしくは拒絶するステップとを備える方法に関する。
【0022】
好適な実施形態は、少なくとも第2の波長を含む照射を利用し、第2の波長を感受する第2の記録手段を用いて記録することで、容器の方向を決定するステップを含む。
【0023】
本発明のこの態様の実施形態の利点は、上記で特定されたものと同様である。
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、添付の図面を参照して実施形態に基づき説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の好適な実施形態に係るシステムの概略図である。
【図2】さらに好適な実施形態の部分概略図である。
【図3】さらに好適な実施形態の概略図である。
【図4】さらに好適な実施形態の概略図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る方法のフローダイヤグラムである。
【図6】本発明の一実施形態に係るコンピュータ画面の概略図である。
【図7】本発明に係るコンピュータ画面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明に係る第1実施形態の概略上面図である。実際には一連のボトルが、コンベヤー(図示されない)を用いて矢印Mの方向に、検出装置を通り抜けて輸送されるが、1つのボトルBが示されている。図示されているボトルBの位置では、所望の検出を行うために、ボトルの多様な記録がなされる。
【0026】
2つのカメラ22、24は、たとえば90度の角度をもって位置し、好適な本実施形態においてこれらのカメラは、赤外線もしくは赤外領域の光を感受する。ボトルもしくはその他の容器のタイプ、およびその装飾的な外観によって、その他の波長を感受するその他の記録手段もしくはカメラが適用されてよい。
【0027】
各カメラ22、24の反対側には、赤外線Rをカメラの方向に放出できる、赤外線エミッタ2、4が位置している。ボトルBを通過して照射された赤外線は、カメラ22、24を用いて捕捉される。
【0028】
システムは、たとえばカメラ22、24からの記録データを処理するコンピュータなどを含む処理手段36をさらに含む。処理手段36はまた、各カメラに対して1つずつの、2つのコンピュータを含むことができる。
【0029】
ここまでに説明された配置に基づく汚染の検出において、処理手段36は、画像記録につき、存在するラベルおよび/もしくはボトルのガラスの浮き彫りパターンなどの装飾的な外観に関するデータと同じく、考えられる汚染を含む画像を受け取る。ボトル壁の照射遮断要素の全ての存在がボトルの拒絶という結果を招くことになった場合、ラベルおよび/もしくは浮き彫りパターンに関する情報は、汚染として評価され、したがってボトルの拒絶という結果を招く。このことは望ましくない。したがって、浮き彫りパターンおよびラベルに関する情報は、コンピュータ36の記憶手段に格納される。この格納された情報を用いて、適切な処理を用いてこの情報を考慮に入れることができるので、ラベルおよび/もしくは浮き彫りパターンは拒絶という結果を招かない。
【0030】
この情報は、参照画像の形で存在する。容認できる、たとえば装飾のわずかなずれを考慮に入れるために、あるタイプのボトル内の容認できるずれは、WO03/042673で知られる方法で、統計的処理を用いて、いわゆるロバスト参照画像に含まれる。これらのロバスト参照画像はボトルのタイプごとに格納され、それによってボトルの複数のタイプが、1つの装置を用いて同じ方法で処理できる。完全性のため、この処理は、以下にさらに説明される。
【0031】
1つ以上の処理ユニット36が検査を行うにあたっての効率性におけるさらなる改善は、複数のロバスト参照画像を格納することによる。たとえばボトルの、それぞれ3度、1度、0.5度の相対回転の、120、360もしくは720のロバスト参照画像がここに格納される。適切な処理によって、コンピュータはここで、最も近く適合する参照画像を、ボトルBの現在の記録に用いることができる。
【0032】
記録中、正しい方向の正しいロバスト参照画像を効果的に選択するために、カメラ22、24に対するボトルの方向は既知であることが好ましい。装置内に、この目的のためにカメラ32が位置する。カメラ32はボトルの外観の仰角記録を行う働きをし、これに基づいて、処理ユニット36と同じコンピュータ上で機能するか、別のコンピュータに備えられるかしてよいプログラムを含む記録処理ユニット34は、記録の間、この記録に基づいてボトルの方向を決定する働きをする。カメラ32の記録を用いて決定されたボトルBの方向を用いて、処理ユニット36は正しい方向のロバスト参照画像を決定することができる。カメラ32の記録の最良の結果のため、ボトルBの照射はカメラ32に対して正面側からさらに与えられる。この目的のために、ボトルのコンベヤに隣接して、グラスファイバー10などの導光ファイバーの端12がその中に位置するところのブラケット11が配置される。これらのグラスファイバー10を用いて、反射器6を用いて集中され、フィルタ14を用いて選別される光源8からの光が、ブラケットに供給される。
【0033】
ランプ8の波長は照射源2および4の波長と異なることが好ましい。一方のカメラ22と24、および他方のカメラ32は、ここでは相互に影響しあうことなく機能する。
【0034】
相互の影響をさらに減少させるために、フィルタ14、26、および28が備えられる。上記で特定された波長がこの実施形態で用いられる時、フィルタ14は、光源8で副作用として生じる赤外線を除去する働きをする。フィルタ26、28はさらに、たとえば光源8の可視光を除去する働きをする。選別の代わりの方法は、可視光を横向きに反射し、赤外線に対して透過性のある、45度に配置された半反射フィルタ26を用いるものである。この種類では、赤外線に対して45度に配置されたフィルタは、可視光を、斜めに配置されたフィルタに向けられたカメラ32に方向に反射することができる。この種類は図示されない。
【0035】
図2、3、および4は、カメラの配置の代替的な実施形態を概略的に示す。図2はここでは、図1のカメラの配置の二重化を示す。カメラ42および44はここでは、図1の第1のタイプのカメラ22および24に対応し、カメラ46は図1の第2のタイプのカメラ32に対応する。このカメラ配置はボトルの一部分を検査するため、この実施形態において、第2のカメラ配置はコンベヤの反対側に配置される。第1のタイプのカメラ48および49はここでは、カメラ42および44と同じ機能のために用いられ、第2のタイプのカメラ47は、カメラ46と同じ機能のために用いられる。図1の実施形態に係る照射手段は、図示されない方法でこの実施形態でも同様に存在する。
【0036】
図3はコンベヤ50とその上にある一連のボトルBを示す。モジュール51は、ボトルを、カメラ52および54を含む第1のカメラグループによる測定と、カメラ56および68を含む第2のカメラグループによる測定との間で所定の角度回転させる働きをする。この角度はたとえば90度である。カメラ52および任意には56は、ボトルの装飾的な外観を記録する第1のタイプであり、カメラ54および58、および任意には56は、内部の汚染検査を(たとえば、上記で特定されるように赤外線を用いて)記録する第2のタイプである。カメラ52および任意には56の記録は、第1のタイプのカメラに対するボトルの位置を決定する働きをする。
【0037】
さらなる実施形態(図4)は、回転トレー内の測定の配置を示す。ここで回転トレーは、矢印Rの方向に回転する。第1のタイプの2つのカメラ64、66が記録し、ボトルの方向を決定する第2のタイプのカメラ62もまた記録する。この概略的な描写において、照射手段は図示されない。回転ユニット61は、ボトルのより多い測定データを得るために、第2の方向にボトルを回転させる目的で、任意で回転トレーに含まれてもよい。
【0038】
その他の実施形態もまた可能であり、第1のタイプの少なくとも1つのカメラと、第2のタイプの少なくとも1つのカメラが用いられ、ボトルは2つのカメラ記録の間で既知の角度だけ回転する。タイプごとの複数のカメラの使用は、検出の信頼性を増加させるであろう。検出の信頼性はまた、カメラの焦点をボトルの正面側で合わせ、ボトルの後方に別のカメラを適用することで、増す。
【0039】
上記に説明された実施形態において、ボトルに対する光およびカメラの位置は、光、ボトル、およびカメラの間に、適切な方法で鏡を配置することで変化する。ここでたとえば、全てのカメラをコンベヤに平行に配置することが可能であり、そうすることで装置は比較的コンパクトな形状になる。
【0040】
処理ユニット34、36の操作が、図5を参照して説明される。ステップ101、104から109は、図1の実施形態の処理ユニット34によって行われる。ステップ110から116は、図1のコンピュータの処理ユニット36によって行われる。記録画像110が処理ユニットに送られる。ステップ111はステップ104からの情報、第1のタイプのカメラ110からの記録画像、およびコンピュータのメモリに格納された参照画像117を用いる。
【0041】
多数の参照画像が、ボトルのタイプごとに格納される。これらはたとえば、360の画像か回転角度ごとに1つの画像、もしくは720の画像か回転角度ごとに2つの画像である。この量の画像を用いて、適切な参照画像が、第1のタイプのカメラに対するボトルの方向ごとに選択される。ステップ111において、正確な参照画像はステップ104から得られた方向データに基づいて選択され、この参照画像はそこで、記録画像110の補償として用いられ、この方向はステップ104から得られる。
【0042】
ステップ111から、微分画像112が生じる。この微分画像112はステップ113でさらなる処理を受ける。ラベルもしくは浮き彫りパターンの配置における製品のばらつきに基づく、ボトルの不必要な拒絶を避けるために、容認できる差異が統計的方法で処理されるところのロバスト参照画像が、このステップで考慮される。製品のばらつきの結果として微分画像112において検出される容認できる差異は、ステップ113を用いて、いわゆるロバスト微分画像を微分画像112で補償することにより(たとえばこれを減じることにより)、除去される。この処理の結果は、フィルタ処理された微分画像114である。ロバスト微分画像118の360もしくは720の変形もまた、たとえば格納される。これらの格納された画像を用いると、この方法を行うため正確に方向付けられた画像を選択するのに必要とされる計算能力が比較的小さいため、これは画像117、118のどちらにも有利である。これに対する別の方法は、比較的大きな計算能力を必要とする処理を用いて、ボトルの全体的な記録に基づいて適切な参照画像がまず選択されるものである。
【0043】
フィルタ処理された微分画像114は、そこでステップ115において分析される。フィルタ処理された微分画像は図7に参照番号86で示されている。ここでは、拒絶という結果を招くことになる黒い点が存在することがはっきりと見えるであろう。この分析の結果は、承認もしくは拒絶のどちらかの値を取りうる表示116にある。
【0044】
図7は、装飾的な外観を有するボトルの、考えられる汚染の存在を検出する方法を行うのに適した、ソフトウェアプログラムの図解例を示す。ここで操作は、記録のため光がボトルを通って照射される半透明の画像に基づいて行われる。ソフトウェアのいくつかのソフトウェアコントロールボタンが上に示されている。左には、受信した画像110に対応する、たとえばボトルの周囲のうち60度を含む評価のための領域をその中の矩形内に有する、ボトルの記録83が示される。この表示において、四角い固体がラベルの下方に確認できる。この固体はラベルの背後のボトルの汚染を表す。
【0045】
後者の隣の上方には、照射されたこのタイプのスタンダードなボトルの記録である参照画像が、参照番号82を付して示される。これは、方法記述からの参照画像117に対応する。この下に、受信した半透明画像84が(画像110と同様に)、サイズを小さくして再び示される。汚染はまたここでも、表示83と同じ位置に確認できる。その隣には、微分画像112に対応する微分画像85が示される。この微分画像は、84の表示と82の表示の間の差異である。汚染はここでも確認できる。
【0046】
微分画像85の表示において、破線は、個々のボトルが装飾的な外観について、製品偏差の影響を受けやすいことを示す。ラベルの配置は、その位置合わせと同じく、いくらか変化する。汚染であるとして拒絶という結果を招く、不完全に位置合わせされた、もしくは寸法付けされたラベルを許容しないために、この微分画像85はロバスト微分画像もしくは中間微分画像118で補償される。この処理の結果は表示86であり、ラベルや浮き彫りパターンなどの装飾的な外観の全ての残りが除去されている。これらの処理の後、汚染のみが確認できる。この検出された汚染に基づき、ボトルは拒絶される。
【0047】
上記で説明されたのは、その上にラベルおよび浮き彫りパターンが配置されたボトルを点検する方法である。好適な実施形態において、ここでは記録中の第1のタイプのカメラに対するボトルの方向が用いられる。方向を決定するこの記録は、装飾的な外観、もしくはラベルおよび浮き彫りパターンの品質を点検する記録と組み合わされるのが好ましい。
【0048】
この目的のために、記録された画像101がカメラ32を用いて作成される。ステップ104において、この記録された画像の重要な一部分が、ボトル外観の平面表示に加工される。この表示は平面におかれたボトルの外観に対応する。ラベル参照画像102に基づき、この参照画像のどの部分が、記録された画像101に対応するのかが決定される。カメラに対するボトルの方向は、この操作に基づいて計算される。ステップ104からのこの方向に関するデータは、ステップ111に送られる。ステップ104において、ラベル参照画像102は記録された画像101と処理される。これはラベル微分画像105という結果になる。
【0049】
製造されたボトル間の、外観のプリントについての、自然もしくは容認できる差異を考慮できるようにするために、中間ラベル微分画像103が作成される。この中間もしくはロバストラベル微分画像103は、ボトルの仕様に関して、容認できる偏差に関する既知もしくは測定されたデータを含む。ステップ106において、ラベル微分画像105は、計算操作を用いて、中間ラベル微分画像103と比較される。これはフィルタ処理された微分画像107という結果になる。ステップ108において、結果的なフィルタ処理された微分画像107が、容認できない差異に関してどの程度の情報を含むかについて評価される。この分析に基づいて、ボトルはステップ109において承認されるか、拒絶されるかする。
【0050】
側壁を点検するための中間ラベル微分画像103および中間微分画像118は、一連の“よい”ボトルの学習手順の間に作成される。充分な量の一連の“よい”ボトルは、ラベルおよび/もしくは浮き彫りパターンの品質に関して、かろうじて許容範囲に入った多数のボトルを含む。中間微分画像の品質の限界はこれを基準に決定される。たとえば、1度の回転の全てに対して、中間微分画像118が半透明照射に基づいて作成される。中間微分画像118を作成する画像の記録の間、たとえば360の中間微分画像118のそれぞれを決定するために、方向が既知であることが重要である。しかし、ボトルの方向が通常の操作の間、既知であることが推奨される。しかし、方法110−118を、方向を知ることなく行うこともまた可能である。ステップ111において、ここでは、受信した画像110と正しい方向の参照画像との比較を可能にするために方向を決定するのに、より大きな計算能力が必要とされる。
【0051】
図6は、カメラに対してボトルの方向を決定するために、任意には装飾的な外観の品質を決定するために、用いられるソフトウェアプログラムの画面表示に関する。ここで73は、評価されるべきボトルの部分に関する矩形を内部に有する、ボトルの仰角記録の表示に関する。偏差はここでもまた、記録の端部の近くで比較的大きい。表示72は、平面に置かれているかのようなボトルの外観に関する。表示73は記録102に関する。表示74は、ステップ104で、ラベル参照画像102との比較のために受信画像101から作成された、“未展開”の画像に関する。ボトルの方向はこの比較に基づいて決定される。
【0052】
外観のラベルの品質を決定するために、ラベル微分画像105は作成され、これは表示75に示される。ラベルの考えられる全ての色はまたここでも用いられ、偏差を表すグレートーンの表示に到達するように処理される。最後に、フィルタ処理された微分画像107が76を用いて示される。この場合、これはばらつきのないラベルである。ばらつきのある場合、決定されたピクセルサイズの点が、表示76に示される。点が充分なピクセル数を含む場合、ラベルを拒絶する決定がなされる。ばらつきの形状もしくは位置などの、その他の基準(の組み合わせ)もまた、拒絶という結果を招く。
【0053】
説明されていない特定の実施形態に到るために、上記に説明した実施形態の異なる態様を相互に変更することが可能である。要求される権利は、添付の特許請求の範囲によって定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
たとえばラベルおよび/もしくは浮き彫りパターンを備えた装飾的な外観を有する、ビールなどの飲料などの液体用の容器の考えられる汚染の存在を検出する装置であって、
容器をほぼ上面もしくは底面から少なくとも第1の波長で照射する照射手段と、
照射が容器の少なくとも1つの壁部分を通過した後、照射の照射サンプルを記録する記録手段と、
記録の間、サンプルと、第1の記録手段に対する容器の所定の参照とを比較する比較手段とを備える装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−133496(P2011−133496A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83772(P2011−83772)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【分割の表示】特願2006−550980(P2006−550980)の分割
【原出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(504188039)ハイネケン・サプライ・チェ−ン・ベスロ−テン・フエンノ−トシャップ (4)
【氏名又は名称原語表記】HEINEKEN SUPPLY CHAIN B.V.
【Fターム(参考)】