説明

容器入り食品

【課題】容易に味をなじませることができ、手軽に楽しく食することができる容器入り食品を提供する。
【解決手段】中空状の容器10の内部に麺21と調味料22と具材23とが収納されている。容器10は、上方に開口部11Cが形成された中空状の収納本体11と、収納本体11の開口部11Cに配設された蓋12と、蓋12と収納本体11との間に配設され、収納本体11の上方から開口部11Cを覆うフィルム13とを備える。収納本体11の内部には、麺21、調味料22、具材23がこの順に入れられており、容器10を振ることにより麺21と調味料22と具材23とが混合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、うどん等の麺を具材と共に容器に収納した容器入り食品に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、コンビニエンスストア等のお店では、弁当などの容器入り食品が多く販売されている。その多くは、扁平な容器の中にご飯やおかず、又は麺などが入れられている。また、近年では、逆円錐台状の本体にドーム状の蓋を付けた容器の中に麺と具材とを入れ、食する際に、ドレッシング等の調味料を加えて、シェイクすることにより、箸やフォーク等を用いなくても、ドレッシング等を具材に浸透させることができるものが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−335873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の容器入り食品では、具材の上からドレッシング等を入れるので、具材にドレッシングを浸透させることはできるものの、麺に味がつき難いという問題があった。特に、味噌やカレー等の流動性が小さい調味料の場合には顕著であり、味のバランスが悪かった。また、特許文献1に記載の容器入り食品では、食する際にドレッシングを入れるので、好みに合わせてドレッシングの量を調整することができるという利点はあるものの、手軽さに欠けるという問題もあった。
【0005】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、容易に味をなじませることができ、手軽に楽しく食することができる容器入り食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の容器入り食品は、中空状の容器の内部に麺と調味料と具材とが収納されたものであって、容器は、側壁と底部とを有し、上方に開口部が形成された中空状の収納本体と、この収納本体の開口部に配設された蓋と、この蓋と収納本体との間に配設され、収納本体の上方から開口部を覆うフィルムとを備え、蓋は、収納本体の開口部を覆う平板状の平板部を有し、フィルムには、収納本体の側壁に対して固定するための輪ゴムが取り付けられ、収納本体の内部には、麺を収納し、その上から調味料を入れ、その上から具材を入れて麺の上に積層されており、容器を振ることにより麺と調味料と具材とが混合されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の容器入り食品によれば、収納本体の内部に麺を収納し、その上から調味料を入れ、その上から具材を入れるようにしたので、振ることにより、麺と調味料、又は具材と調味料、更には麺と具材とを良く混合することができ、味のバランスを良くすることができる。また、予め調味料が入っているので、振るだけで手軽に食することができる。更に、収納本体の開口部をフィルムで覆い、その上から蓋の平板部で覆うようにしたので、強く振っても調味料が収納本体と蓋との間から漏れてしまうことを防止することができる。よって、手も汚れずに簡単に食することができ、また、振るという行為を楽しむこともできる。
【0008】
特に、蓋の平板部の外側上面に突条部を設け、収納本体の底部の外側底面に凹部を設けるようにすれば、蓋の突状部と収納本体の底部の凹部とに指を引っ掛けることにより、片手で安定して容器を持つことができる。よって、容易に容器を振ることができる。
【0009】
また、収納本体及び蓋を紙により構成し、収納本体の外側の表面を荒らすようにすれば、容器が滑り難く、片手で容器をより持ちやすくすることができ、より安定して容器を振ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態に係る容器入り食品の断面構造を表す模式図である。
【図2】図1に示した容器を分解して表す断面図である。
【図3】図2に示した収納本体の外側底面の構成を表す図である。
【図4】図2に示した蓋の外側上面の構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る容器入り食品の断面構造を模式的に表すものである。この容器入り食品は、中空状の容器10の内部に麺21と調味料22と具材23とが収納されたものである。具体的には、容器10の内部に、まず麺21が収納され、その上から調味料22が入れられ、その上から具材23が入れられて麺21の上に積層されており、容器10を振ることにより、麺21と調味料22と具材23とが混合されるものである。
【0013】
麺21としては、どのようなものを用いてもよく、例えば、うどん、そば、パスタ、又はラーメンが挙げられる。調味料22としては、例えば、味噌、カレー、ヨーグルト、しょう油、中華風たれ、ミートソースが挙げられ、味噌には、おおば味噌、ばっけ味噌、ねぎ味噌等の調理味噌を用いてもよい。具材23としては、例えば、卵、肉、なると等のタンパク質類、ねぎ、とんぶり等の野菜類が挙げられる。なお、調味料22は、麺21の上に積層されて存在していてもいなくてもよく、流動性が高い調味料22の場合には、容器10の中に入れた段階で、麺21の隙間に入り込んでもよい。また、複数種類の具材23を用いる場合には、複数種類の具材23を混合して容器10の中に入れてもよいが、種類別に容器10の中に入れるようにしてもよい。
【0014】
図2は、図1に示した容器10を分解して表わすものである。図3は、図2に示した収納容器11の外側底面の構成を表すものであり、図4は、図2に示した蓋12の外側上面の構成を表すものである。この容器10は、麺21、調味料22、及び具材23を収納する収納本体11と、収納本体11に対して配設される蓋12と、収納本体11と蓋12との間に配設されるフィルム13とを備えている。
【0015】
収納本体11は、例えば、中空の略逆円錐状とされており、側壁11Aと底部11Bとを有し、上方に開口部11Cが形成されている。収納本体11の上端部には、例えば、開口部11Cに沿ってフランジ11Dが形成されている。フランジ11Dは、例えば、上方に向かって突出するように弓形状に湾曲していることが好ましい。蓋12の着脱がしやすく、また、蓋12との密着性も高めることができるからである。収納本体11の上端部近傍には、例えば、側壁11Aを外側に拡張する段差部11Eが設けられている。収納本体11の底部11Bの外側底面には、例えば、周縁部よりも内側に、凹部11Fが設けられていることが好ましい。指を引っ掛けることにより容器10を安定して持つことができ、安定して容器10を振ることができるからである。
【0016】
蓋12は、収納本体11の開口部11Cに対して配設されており、収納本体11の開口部11Cを覆う平板状の平板部12Aを有している。平板部12Aの周縁部には、例えば、収納本体11の底部11Bに向かってフランジ11Dを覆うように伸長された縁部12Bが設けられている。平板部12Aの外側上面には、例えば、周縁部よりも内側に、周縁部の少なくとも一部に沿って突条部12Cが設けられ手煎ることが好ましい。指を引っ掛けることにより容器10を安定して持つことができ、安定して容器10を振ることができるからである。
【0017】
なお、収納本体11及び蓋12は、例えば、紙により構成されており、収納本体11の外側は、表面が荒らされていることが好ましい。容器10が滑り難く、片手で容器10をより持ちやすくすることができ、より安定して容器を振ることができるからである。収納本体11の内側は、平滑面とされていることが好ましい。調味料22等が収納本体11に付着してしまうことを防止するためである。また、蓋12の内側は、表面が荒らされていることが好ましい。蓋12が収納本体11に対して滑り難くなり、より安定して容器を持って振ることができるからである。
【0018】
フィルム13は、収納本体11の上方から開口部11Cを覆うものであり、プラスチックフィルム等により構成されることが好ましく、例えば、めんカバー(登録商標)が用いられる。フィルム13には、収納本体11の側壁11Aに対して固定するための輪ゴム13Aが取り付けられていることが好ましく、フィルム13には、例えば、輪ゴム13Aを通すための袋状取付部13Bが設けられている。
【0019】
この容器入り食品は、まず、収納本体11の内部に麺21を収納し、その上から調味料22を入れ、その上から具材23を入れて具材23を麺21の上に積層する。次いで、収納本体11の開口部11Cをフィルム13で上方から覆い、例えば、フィルム13に取り付けられた輪ゴム13Aで収納本体11の側壁11Aに対して固定する。続いて、フィルム13で覆った開口部11Cに対して蓋12を配設することにより得られる。
【0020】
食する際には、例えば、収納本体11の底部11Bと蓋12とを手で押えて蓋12が収納本体11から離れないようにして、上下に振る。この容器入り食品では、麺21の上から調味料22が入れられ、その上から具材23が入れられているので、振ることにより、麺21と調味料22、又は具材23と調味料22、更には麺21と具材23とが良く混合される。また、収納本体11の開口部11Cをフィルム13で覆い、その上から蓋12の平板部12Aで覆っているので、強く振っても調味料22が収納本体11と蓋12との間から漏れてしまうことが防止される。更に、収納本体11の外側底面に設けられた凹部11Fと、蓋12の外側上面に設けられた突状部12Cとに指を引っ掛けるようにすれば、安定性が向上する。
【0021】
このように、本実施の形態に係る容器入り食品によれば、収納本体11の内部に麺21を収納し、その上から調味料22を入れ、その上から具材23を入れるようにしたので、振ることにより、麺21と調味料22、又は具材23と調味料22、更には麺21と具材23とを良く混合することができ、味のバランスを良くすることができる。また、予め調味料22が入っているので、振るだけで手軽に食することができる。更に、収納本体11の開口部11Cをフィルム13で覆い、その上から蓋12の平板部12Aで覆うようにしたので、強く振っても調味料22が収納本体11と蓋12との間から漏れてしまうことを防止することができる。よって、手も汚れずに簡単に食することができ、また、振るという行為を楽しむこともできる。
【0022】
特に、蓋12の平板部12Aの外側上面に突条部12Cを設け、収納本体11の底部11Bの外側底面に凹部11Fを設けるようにすれば、蓋12の突状部12Cと収納本体11の底部11Bの凹部11Fとに指を引っ掛けることにより、片手で安定して容器10を持つことができる。よって、容易に容器10を振ることができる。
【0023】
また、収納本体11及び蓋12を紙により構成し、収納本体11の外側の表面を荒らすようにすれば、容器10が滑り難く、片手で容器10をより持ちやすくすることができ、より安定して容器10を振ることができる。
【0024】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
麺を容器に入れた容器入り食品に用いることができる。
【符号の説明】
【0026】
10…容器、11…収納本体、11A…側壁、11B…底部、11C…開口部、11D…フランジ、11E…段差部、11F…凹部、12…蓋、12A…平板部、12B…縁部、12C…突条部、13…フィルム、13A…輪ゴム、13B…袋状取付部、21…麺、22…調味料、23…具材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状の容器の内部に麺と調味料と具材とが収納された容器入り食品であって、
前記容器は、側壁と底部とを有し、上方に開口部が形成された中空状の収納本体と、この収納本体の開口部に配設された蓋と、この蓋と前記収納本体との間に配設され、前記収納本体の上方から開口部を覆うフィルムとを備え、
前記蓋は、前記収納本体の開口部を覆う平板状の平板部を有し、
前記フィルムには、前記収納本体の側壁に対して固定するための輪ゴムが取り付けられ、
前記収納本体の内部には、麺を収納し、その上から調味料を入れ、その上から具材を入れて麺の上に積層されており、前記容器を振ることにより麺と調味料と具材とが混合される
ことを特徴とする容器入り食品。
【請求項2】
前記蓋の平板部の外側上面には、周縁部よりも内側に、周縁部の少なくとも一部に沿って突条部が設けられ、
前記収納本体の底部の外側底面には、周縁部よりも内側に、凹部が設けられた
ことを特徴とする請求項1に記載の容器入り食品。
【請求項3】
前記収納本体及び前記蓋は、紙により構成されており、
前記収納本体の外側は、表面が荒らされている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の容器入り食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−135802(P2011−135802A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297175(P2009−297175)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(309042509)有限会社やま久 (1)
【Fターム(参考)】