説明

容器内における粘性物の外部排出方法及び粘性物の回収システム

【目的】
味噌の製造で、容器内に収容している粘性物たる味噌を外部に取出して廃棄する際、そのままの粘性状態で真空吸引によって容器内から外部に取出すことができる粘性物の外部取出方法及び、該粘性物を保管容器に収容する粘性物の回収システムを提供できるようにする。
【解決手段】
真空吸引手段によって真空吸引する粘性物たる味噌16の収容タンク3に、同タンク下方に吸引した味噌16の外部排出口5を設けると共に、タンク内に吸引した味噌16を外部排出口5に案内する案内手段6を設けて構成し、容器内の味噌16を真空吸引手段によって同収容タンク3内に真空吸引し、次いで、収容タンク3の外部排出口5の蓋5aを開放すると共に案内手段6を作動させ、タンク内の味噌16を案内手段6によって外部排出口5に案内し、同外部排出口5より外部に排出して取出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に収容する粘性物を、同容器外に取出す方法とその取出装置及び、該粘性物を保管容器に収容する粘性物の回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、味噌の製造で、容器に保管している味噌が賞味期限切れなどにより同容器内から取出して廃棄する場合、味噌が粘性を有していることから容器を反転しても自由落下しないため、真空吸引装置を用いて同装置の収容タンク内に真空吸引し、次いで、同タンク内から外部に排出することが考えられたが、味噌の粘性によって真空吸引装置の収容タンク内から外部に排出できない問題があった。
【0003】
このため、味噌を保管する容器内に水を注入して同味噌に水分を含ませて味噌の粘度を低下させ、この水分を含んで流動し易い状態になった味噌を真空吸引装置にて真空吸引して同装置の収容タンク内に収容し、次いで、同タンク内から外部に排出していた。
【0004】
しかしながら、真空吸引装置の収容タンク内から外部に排出された味噌は水分を含む流動し易い状態になっているため、水分の分だけ産廃費用が増となり又飼料化するには、含んでいる水分を除去してからでないと飼料化にまわすことができなかった。
【0005】
したがって、水分の除去に手間と時間を要し、また、乾燥装置などを用いた場合などは相応のエネルギーを消費するため、近年のエコロジー推進にマイナスとなっていた。
【0006】
また、汚泥等のペースト状の粘性物を回収する場合、従来は吸引作業車(バキュームカー)等の汚泥等を回収できる車を使用するのが一般的であったが、震災を受けた地区で大量に発生した汚泥を回収する場合は、バキュームカーの台数に制限があるため、大量の汚泥等を効率よく回収するシステムが広く望まれていた。
また、粘性の高い汚泥は、吸引作業車で吸引してタンクに回収する場合、タンク内で山ができて搬入口を塞ぐため、タンクの容量の三分の一の汚泥しか回収できない場合もあり、効率が悪かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−343364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的とするところは、粘性物に水分を含ませて流動し易い状態にすることなく容器内から外部に取出すことができる容器内に収容した粘性物の外部取出方法と、その取出装置、及び該粘性物を保管容器に収容する粘性物の回収システムを提供できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明に係る容器内に収容した粘性物の外部取出方法は、粘性物を真空吸引手段によって収容タンク内に収容し、次いで、同収容タンク内の粘性物を、案内手段によって収容タンクに備える外部排出口に案内して外部に取出すことを特徴とするものである。
【0010】
前記真空吸引手段には、例えば、少なくとも真空発生機と吸引用ホースと被吸引物の収容タンクを構成部品としてなる公知の真空吸引装置を用いてもよく、この場合、真空発生機と吸引用ホーとの間に、粘性物を収容する収容タンクが配される。
【0011】
前記収容タンクの外部排出口はタンク下方に設け、且つ、該外部排出口の開口には開閉自在の蓋を設けて、該蓋は、粘性物を真空吸引手段によって収容タンク内に吸引収容する際は閉にし、粘性物を収容タンク内から出す際は開にする。
【0012】
また蓋は、手動もしくは自動で開閉させたり、さらには、案内手段の起動と共に自動で開するようにしてもよい。
【0013】
前記案内手段は、収容タンク内の粘性物を外部排出口に案内可能なものであれば、収容タンクの内外を問わずどのようなものでもよいが、例えば、該収納タンクの少なくとも底部内面を円弧状にした場合に適する案内手段としては、該底部内面の円弧のほぼ中心に設けた回転軸の周囲に、同収容タンクの円弧状の底部内面との間に小なる隙間が空くよう羽根を螺旋状に配するのがよく、本形態は、案内手段を収容タンク内に設ける場合の一例である。望ましくは、同収容タンク全体を円筒状に構成する。
しかしながら、上記の案内手段を収容タンク内に設けるとは、少なくとも同案内手段における収容タンク内の粘性物を外部排出口に案内(移送)する部位を収容タンク内に配置することであって、案内手段の全構成部を収容タンク内に設けるということではない。
【0014】
また、本発明に係る容器内に収容した粘性物の外部取出装置は、粘性物の吸引用ホースと、粘性物を真空吸引するための真空発生部と、真空吸引した粘性物を収容する収容タンクから構成され、且つ、収容タンクは、同下方に、粘性物を外部に排出する開閉蓋を備える外部排出口が設けられると共に、タンク内に、粘性物を外部排出口に案内する案内手段が設けられてなることを特徴とするものである。
【0015】
前記吸引用ホースは、前記収容タンクに接続して用いるもので、粘性物をスムースに吸引可能な管径にすると共に、吸引圧力にも十分に耐える強度を有したフレキシブル形態のホースを用いるのが望ましい。
【0016】
前記真空発生部は、真空状態を収容タンク内に発生させるもので、少なくとも容器内に収容している粘性物を収容タンク内に真空吸引可能な真空状態を発生可能になっていればよく、また、公知の真空発生装置を用いてもよい。
【0017】
前記収容タンクは、真空発生部と吸引用ホースとの間に介在して、同吸引用ホースを介して真空吸引された容器内の粘性物を収容するものである。
また、粘性物がタンク内や案内手段にこびり付くのを低減させるために、例えば、フッ素加工などの表面処理を同タンク内や案内手段に行ってもよい。
【0018】
なお、収容タンクは、真空発生部に一体もしくは別体で設けてもよく、本外部取出装置の形態(工場敷地設置型/車輌積載型)に合わせればよい。
現地で汚泥等のペースト状の粘性物を回収する場合は、真空発生装置として吸引作業車(バキュームカー)を使用するのが効率的である。なお、吸引作業車は、粘性物の外部取出装置と繋いで使用するので、外部取出装置1台に小型の吸引作業車が1台あれば十分である。
【0019】
また、収容タンクの下方に設けた外部排出口は、同収容タンク内に吸引した粘性物をスムースに排出可能な広さの口径にし、また開口形状も特に限定するものではなく、例えば、円形や方形などの形状にすればよい。
現地で汚泥等のペースト状の粘性物を回収する場合は、外部取出し装置を小型車両の荷台に乗せて使用するのが効率良く、この場合は、外部排出口にコンクリートミキサー車等に使用するシュートを設けて汚泥等の粘性物をドラム缶やフレコンパック等の保管容器に収容できるようにしてもよい。
【0020】
また、収容タンク内に設けた案内手段は、収容タンク内に吸引した粘性物を外部排出口に案内するもので、同粘性物を外部排出口に案内できるものであればどのような構成のものでもよいが、外部排出口や収容タンクの形態などの関係を考慮した場合、収容タンクの少なくとも底部内面を円弧状にし、外部排出口を底部の最下底付近に配置し、案内手段を底部内面の円弧のほぼ中心に回転軸を設けると共に、同回転軸の周囲に底部内面との間に小なる隙間が空くよう羽根を螺旋状に配するのがよい。この底部内面を円弧状にした場合、底部の範囲は、ほぼ円弧の範囲となる。
また、収容タンク内に設けた案内手段とは、少なくとも同案内手段における収容タンク内の粘性物を外部排出口に案内(移送)する部位を収容タンク内に配置することであって、案内手段の全構成部を収容タンク内に設けるということではない。
【0021】
また、外部排出口から排出した粘性物を、例えば、産業廃棄物の運搬用容器の上部開口部に搬送するためのオーガ搬送装置やベルトコンベアなどの搬送手段を、収容タンクに一体もしくは別体で設けてもよい。
【0022】
本発明に係る粘性物は、容器内から取り出そうとして容器を反転させても自由落下しない粘度を有し、且つ水分を含ませると粘度が低下する物質であれば、特に限定されないが、具体的には、味噌や、上述した物性を有する発酵食品、人工または天然の粘土鉱物等や、汚泥(含水率の高いものを含む)等のペースト状の粘性物が挙げられる。
【0023】
本発明に係る粘性物の回収システムは、前述した外部取出装置の外部排出口から排出した粘性物を、保管容器に収容するものである。
保管容器としては、ドラム缶やフレコンバック等が挙げられる。
【0024】
本発明に係る粘性物の回収システムは、外部排出口から排出した粘性物を、搬送手段によって、回収するものである。
搬送手段としては、コンクリートミキサー車等に使用するシュートや、ベルトコンベアであるオーガ搬送装置が挙げられる。
【0025】
なお、含水率の高い粘性物、特に含水率の高い汚泥等を回収する場合には、石灰系、焼石灰系、石膏系の固化剤や、CMC等の高分子系固化剤を添加して固化させることにより、ドラム缶やフレコンパック等の保管容器に収容して、一般のトラックに積み込んで輸送することが可能になる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る容器内に収容した粘性物の外部取出方法とその取出装置によれば、容器内の粘性物に水分を含ませて流動し易い状態にすることなく外部に取出すことができるので、従来、必須であった乾燥作業を省略でき、取出した粘性物を即座に産業廃棄物として同処理にまわすことができる。
【0027】
また、上述するように乾燥作業を省略できるので、特に、乾燥装置など電力や動力を必要とする装置を用いて行っていた場合などは同装置のエネルギー消費もゼロであることから、大にエコロジー推進に寄与することができる。
【0028】
さらに、本発明の容器内に収容した粘性物の外部取出方法とその取出装置は、粘性を有する製造物の廃棄処理の他、災害などによって発生した粘性物化した汚泥や粘土状の土などの除去にも十分応用可能であるため、したがって、効果は非常に大なるものである。
【0029】
災害などによって発生した汚泥等を回収する場合、これまでは吸引作業車(バキュームカー)に汚泥等を回収して運ぶしかなかった。
しかし、本発明の外部取出装置を用いた粘性物の回収システムは、汚泥を直接ドラム缶やフレコンバック等の保管容器に収容して、トラックで運ぶことが可能なため、回収時間の軽減、運搬効率を飛躍的に向上させることができる。
【0030】
また、バキュームカーで回収後、汚泥をタンクから取り出すときは、タンクに汚泥がこびりついて、簡単には排出できないため、タンクの中を水で洗浄する等の手作業が必要になり、洗浄も時間がかかっていた。また、大量の吸引作業車を手配しなければならず、汚泥の除去がなかなか進まなかった。
しかし、本発明の外部取出装置の回収タンクの中には、撹拌機能が付いているため、粘度の高い汚泥等の粘性物であっても容易にタンクから取り出すことが可能で、作業効率が大幅に向上した。
【0031】
また、粘性の高い汚泥は、吸引作業車で吸引してタンクに回収する場合、タンク内で山ができて搬入口を塞ぐため、タンクの容量の三分の一の汚泥しか回収できない場合もあり、効率が悪かったが、本発明の外部取付装置の回収タンクには、撹拌機が付いているので、粘性の高い汚泥の場合は、吸引作業中に撹拌することにより、効率よくタンクに回収することができる。
【0032】
また、本発明の外部取出装置は、小型で、小型トラックの荷台に積んで運搬することができ、また、小型の吸引作業車が1台あれば、汚泥等のペースト状の粘性物を回収することができるので、被災地の狭い道しかない場所でも、容易に汚泥等の回収作業ができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る容器内に収容した粘性物の外部取出方法による同外部取出装置を示す図。
【図2】外部取出装置における収容タンクを示す図。
【図3】図2中のA−A断面図。
【図4】収容タンクに排出する粘性物を搬送するオーガ搬送装置をセットした状態を示す図。
【図5】本発明の容器内に収容した粘性物の外部取出方法を同外部取出装置を用いて説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る容器内に収容した粘性物の外部取出方法とその外部取出装置を、添付図面に示す具体例に基づいて説明する。
【0035】
図1は、本発明に係る容器内における粘性物の外部取出方法による同外部取出装置を示す図であり、図1中の符合1は、粘性物を真空吸引する吸引用ホース、図1中の符合2は、収容タンク3内を略真空状態にするための真空発生部、図1中の符合3は、真空吸引した粘性物を収容する収容タンクである。
【0036】
本実施例では、真空発生部2を収容タンク3と別体で設けているものを示していて、図1中の符合4は、真空発生部2と収容タンク3とを接続するホースである。
なお、外部取出装置が車輌積載型の場合には、真空発生部2として吸引作業車(図は省略)を使用しても良い。
【0037】
そして収容タンク3は、図2に示すように、同下方に真空吸引した粘性物を収容タンク3の外部に出すための外部排出口5を設けていると共に、収容タンク3内には真空吸引した粘性物を外部排出口5に案内する案内手段6を設けている。
【0038】
また、本実施例の収容タンク3は、図3に示すように、全体が円筒状であり、タンクの底部の内面7を円弧状にしている。
【0039】
そして、案内手段6は、内面7の円弧のほぼ中心に設けた回転軸8の周囲に螺旋羽根9を配していて、また、内面7の少なくとも最下底付近では同内面7と螺旋羽根9の先端との隙間が小になるようにしている。
【0040】
なお、外部排出口5には、コンクリートミキサー車等に使用するシュート(図は省略)を設けて粘性物をドラム缶やフレコンパック等の保管容器20に収容できるようにしてもよい。
また、図4では、収容タンク3の外部排出口5下に、同外部排出口5から排出した粘性物を廃棄物用の容器に搬送するための搬送手段たるオーガ搬送装置10をセットした状態を示している。この場合は、オーガ搬送装置10を用いて、粘性物をドラム缶やフレコンパック等の保管容器20に収容できるようすることができる。
図4中の符合11は、搬送用の螺旋羽根、図4中の符合12は、螺旋羽根11を回転させる回転軸で、この回転軸12の駆動手段の図示は省略している。
【0041】
なお、実施例の図1、2、5において、図中の符合13は、案内手段6を構成する回転軸8の軸受、図中の符合14は、回転軸8を回転(もしくは回動)駆動用のモータ、図中の符合15は、モータ14の回転を回転軸8に伝達するためのチェーンである。
【0042】
実施例1 味噌の外部取出方法
以下、本発明の容器内に収容した味噌の外部取出方法を、上述した外部取出装置にて説明する。
【0043】
図5中の(a)図に示すように、真空発生部2(図1を参照)を作動しホース4を介して収容タンク3内の空気を吸引して真空状態(負圧状態)にし、収容タンク3に接続する吸引用ホース1を粘性物たる味噌16を収容している容器17内に入れ、同吸引用ホース1を介して味噌16を収容タンク3内に真空吸引する。
【0044】
そして、適量の味噌16を収容タンク3内に真空吸引したら、真空発生部2を停止し、収容タンク3の外部排出口5の下にオーガ搬送装置10の入口18をセットすると共に出口19の下に保管容器20をセットし、同外部排出口5の蓋5aを開放する。
なお、味噌16の粘度が高く、収容タンク3内で回収した味噌16の山ができて、効率よく味噌16を収容タンク内に回収できない場合は、真空吸引中に収容タンク3内の案内手段6の作動させて、螺旋羽根9(図4を参照)で撹拌することもできる。
【0045】
次いで、図5中の(b)図に示すように、オーガ搬送装置10と共に収容タンク3内の案内手段6を作動する。
【0046】
オーガ搬送装置10と共に収容タンク3内の案内手段6の作動により、収容タンク3内に真空吸引されている粘性物たる味噌16は、収容タンク3内における回転軸8(図4を参照)の回転により回転する螺旋羽根9(図4を参照)によって順次外部排出口5に案内され、同外部排出口5からオーガ搬送装置10の入口18内に自由落下する。
【0047】
この螺旋羽根9によって収容タンク3内の粘性物たる味噌16を外部排出口5に案内することで、例えば、収容タンク3の内面7に付着する味噌16が、回転軸8の回転により回転する螺旋羽根9の先端付近の当接によって該内面7から剥離し、且つ、引き続き回転する螺旋羽根9によって外部排出口5に案内することができる。
【0048】
そして、オーガ搬送装置10の入口18内に自由落下した味噌16は、オーガ搬送装置10内における回転軸12(図4を参照)の回転により回転する螺旋羽根11(図4を参照)によって順次出口19方向に搬送され、同出口19から保管容器20内に自由落下する。
【0049】
実施例2 含水率の高い汚泥の回収システム
次に、被災地の大量の汚泥(含水率の高いもの)を効率良く回収する方法について説明する。
【0050】
図5中の(a)図に示すように、真空発生部2として小型の吸引作業車(図示せず)を作動しホース4を介して収容タンク3内の空気を吸引して真空状態(負圧状態)にし、収容タンク3に接続する吸引用ホース1を含水率の高い汚泥16内に入れ、同吸引用ホース1を介して含水率の高い汚泥16を収容タンク3内に真空吸引する。
【0051】
そして、適量の含水率の高い汚泥16を収容タンク3内に真空吸引したら、真空発生部2を停止し、固化剤として汚泥が固化する量の石灰系粒状を収容タンク3内に加え、収容タンク3内の案内手段6を作動させて、螺旋羽根9で含水率の高い汚泥16が十分固化するまで撹拌し、案内手段6を一旦停止する。
【0052】
その後、収容タンク3の外部排出口5の下にオーガ搬送装置10の入口18をセットすると共に出口19の下に廃棄物用容器であるドラム缶20をセットし、同外部排出口5の蓋5aを開放する。
【0053】
次いで、図5中の(b)図に示すように、オーガ搬送装置10と共に収容タンク3内の案内手段6を再び作動する。
【0054】
オーガ搬送装置10と共に収容タンク3内の案内手段6の作動により、収容タンク3内に真空吸引されている固化した汚泥16は、収容タンク3内における回転軸8(図4を参照)の回転により回転する螺旋羽根9(図4を参照)によって順次外部排出口5に案内され、同外部排出口5からオーガ搬送装置10の入口18内に自由落下する。
【0055】
この螺旋羽根9によって収容タンク3内の固化した汚泥16を外部排出口5に案内することで、例えば、収容タンク3の内面7に付着する固化した汚泥16が、回転軸8の回転により回転する螺旋羽根9の先端付近の当接によって該内面7から剥離し、且つ、引き続き回転する螺旋羽根9によって外部排出口5に案内される。
【0056】
そして、オーガ搬送装置10の入口18内に自由落下した固化した汚泥16は、オーガ搬送装置10内における回転軸12(図4を参照)の回転により回転する螺旋羽根11(図4を参照)によって順次出口19方向に搬送され、同出口19からドラム缶20内に自由落下する。
【0057】
固化した汚泥16を詰め込んだドラム缶20を密閉して、トラックに積んで、輸送する。
【符号の説明】
【0058】
1 吸引用ホース
2 真空発生部
3 収容タンク
4 ホース
5 外部排出口
5a 蓋
6 案内手段
7 内面
8 回転軸
9 螺旋羽根
10 オーガ搬送装置
11 螺旋羽根
12 回転軸
13 軸受
14 モータ
15 チェーン
16 粘性物(味噌、汚泥)
17 容器
18 入口
19 出口
20 保管容器(ドラム缶、フレコンバック)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性物を外部に取出す方法であって、粘性物を真空吸引手段によって収容タンク内に収容し、次いで、同収容タンク内の粘性物を、案内手段によって収容タンクに備える外部排出口に案内して外部に取出すことを特徴とする容器内における粘性物の外部取出方法。
【請求項2】
収容タンクの下方に蓋を有する前記外部排出口が設けられており、外部排出口を開にすると共に案内手段を作動させ、同収容タンク内の粘性物を案内手段によって外部排出口に案内し、蓋を開にして同外部排出口より外部に排出して取出すことを特徴とする請求項1に記載の容器内における粘性物の外部取出方法。
【請求項3】
前記収納タンクの少なくとも底部内面が円弧状であり、前記案内手段が、前記収容タンク内の底部内面の円弧のほぼ中心に設けた回転軸の周囲に、同収容タンクの湾曲する底部内面との間に小なる隙間が空くよう螺旋状に配した羽根から構成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器内における粘性物の外部取出方法。
【請求項4】
粘性物の吸引用ホースと、粘性物を真空吸引するための真空発生部と、真空吸引した粘性物を収容する収容タンクから構成され、且つ、収容タンクは、同下方に、粘性物を外部に排出する開閉蓋を備える外部排出口が設けられると共に、タンク内に、粘性物を外部排出口に案内する案内手段が設けられてなることを特徴とする容器内における粘性物の外部取出装置。
【請求項5】
前記収納タンクの少なくとも底部内面が円弧状であり、前記案内手段が、前記収容タンク内の底部内面の円弧のほぼ中心に設けた回転軸の周囲に、収容タンクの湾曲する底部内面との間に小なる隙間が空くよう螺旋状に配した羽根から構成されてなることを特徴とする請求項4に記載の容器内における粘性物の外部取出装置。
【請求項6】
前記収納タンクが円筒状であることを特徴とする請求項5に記載の容器内における粘性物の外部取出装置。
【請求項7】
請求項4〜6記載の外部取出装置の外部排出口から排出した粘性物を、独立した保管容器に収容することを特徴とする粘性物の回収システム
【請求項8】
前記外部排出口から排出した粘性物を、搬送手段によって、独立した保管容器に収容することを特徴とする請求項7に記載の粘性物の回収システム。
【請求項9】
粘性物の含水率が高い場合、固化剤を更に添加することを特徴とする請求項7又は8に記載の粘性物の回収システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−63847(P2013−63847A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236651(P2011−236651)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【特許番号】特許第5025820号(P5025820)
【特許公報発行日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【出願人】(511215182)国土興産株式会社 (1)
【Fターム(参考)】