説明

容器封止部を殺菌するためのユニットおよび容器封止部殺菌方法

殺菌されるべき一連の封止部(2)を受け入れるための入口(10)および殺菌された封止部(2)が出る出口(11)を有するプロセスチャンバ(9)と、封止部(2)を所定の経路(P)に沿ってプロセスチャンバ(9)内を前進させるための運搬手段(13)と、プロセスチャンバ(9)の内側に作用し、前記経路(P)に沿って移動する封止部(2)に面し、かつ前記封止部(2)の表面を殺菌するために殺菌放射線を前記封止部(2)に照射するように作動することが可能な放射線放射手段(25)とを備える容器封止部(2)を殺菌するためのユニットであって、運搬手段(13)は、各封止部(2)に作用して各封止部(2)がその経路(P)に沿って前進する間にその回転運動を引き起こすアクチュエータ手段(26)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無菌状態および/または超清浄状態を保持することが適切または必要である場合に、具体的には液体または粉末製品で満たされるタイプの個々のビンまたは容器上へ嵌め込まれるように設計される封止部、具体的には円筒形のねじ式キャップを殺菌するためのユニットおよび容器封止部殺菌方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知であるように、食品(例えば、牛乳、フルーツジュース、飲料、他)等の何らかの具体的な製品を包装するために用いられる材料の微生物汚染除去は、通常、このような製品の品質および貯蔵寿命を保証するために必要とされる。
【0003】
したがって、殺菌作業は通常、細菌、かび、ウイルスおよび他の微生物を殺すために容器およびその封止部の双方に対して実行される。
【0004】
一般に、除染対象物質は、まず、完璧な処理を保証するために所定の時間に渡って液体殺菌剤の槽に浸漬されるか、液体殺菌剤を噴霧され、次に槽から、または処置室から取り出され、最後に、残留する殺菌剤を全て除去するために、例えば高温空気噴流による乾燥作業を受ける、または滅菌水によるすすぎ段階を経る。包装される製品に許容される殺菌剤の量は、厳しい規格(最大許容量はおよそ1ppmのさらに何分の1かである)によって管理されていることが指摘されている。
【0005】
具体的には、容器封止部に一般に使用されるプラスチック材料の場合、残留殺菌剤を除去するために従来用いられている空気は、処理される物質を変形する可能性を回避するために高温にまでは加熱され得ない。したがって、この作業は通常、上述の規格を確実に厳守するために極めて長い持続時間を有する。
【0006】
加えて、容器封止部は、ねじ山、リブ等のような、残留する殺菌剤が捕捉され得る窪みを形成する、かつそこからの殺菌剤の完全な除去を達成することが極めて困難である何らかの内面を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述の欠点を簡単かつ低コストで克服するように設計される、容器の封止部を殺菌するためのユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載されているような、容器の封止部を殺菌するためのユニットによって達成される。
【0009】
また本発明は、請求項13に記載されているような、容器の封止部を殺菌するための方法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、添付の図面を参照して、本発明の2つの好適な非限定的実施形態を例として説明する。
【図1】本発明の教示による容器封止部の殺菌ユニットを示す斜視図である。
【図2】図1の殺菌ユニット内で処理される容器封止部をより大きい縮尺で示す断面図である。
【図3】図1の殺菌ユニットを示す上面図である。
【図4】図1の殺菌ユニットの開放状態をより大きい縮尺で示す斜視図である。
【図5】図4の殺菌ユニットの内部を、明瞭さのために一部を取り除いてより大きい縮尺で示す正面図である。
【図6】本発明の異なる一実施形態による容器封止部の殺菌ユニットを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1、図3および図4における符号1は、具体的には注ぎ出し可能な食品等の液体または粉末製品で満たされるタイプの個々のビンまたは容器3(図2に部分的に示す)上へ嵌め込まれるように設計された、封止部2を殺菌するためのユニットの全体を示している。
【0012】
ユニット1は、容器3に液体または粉末製品を満たしかつこれらを個々の封止部2で閉止するように容器3を扱うための設備(図示せず)内へ統合されるように構成されている。
【0013】
図示されている例では(具体的には図2参照)、殺菌ユニット1によって処理される封止部2は、外側にねじ山4aを有する個々の容器3の円筒形ネック4上に嵌められるように構成された円筒形のねじ式キャップである。より具体的には、各封止部2は軸Aを有し、かつ関連の容器ネック4の相補的なねじ山4aと係合される内側のねじ山6aが設けられた円筒形の側壁6と、周縁が側壁6と一体化されかつ使用に際して容器ネック4を閉止するように構成された円盤形の頂壁8とを備える。
【0014】
円盤形の頂壁8には、側面に、使用に際して容器3のネック4と協働することになる1つの環状の密封リブ8aも設けられ、環状の密封リブ8aは、一般に容器3の最初の開放後の密封および再密封を保証する機能を有する。封止部上には、技術的または美観上の目的で他のリブまたは突出要素が存在してもよい。
【0015】
図1、図3、図4および図5を参照すると、ユニット1は基本的に、殺菌されるべき一連の封止部2を受け入れるための入口10および殺菌された封止部2が出る出口11を有するプロセスチャンバ9と、プロセスチャンバ9の内側で作用する殺菌手段12と、封止部2をプロセスチャンバ9を通って、この具体的な事例では水平の直線で画定されている所定の経路Pに沿って前進させるための運搬手段13とを備える。
【0016】
プロセスチャンバ9は、図示されている例では略平行六面体形状を有する箱型の構造体14によって区切られている。
【0017】
具体的には、箱型の構造体14は、経路Pに平行でありかつ経路Pの両側に延びる前側および後側の垂直壁15、16と、壁15、16に直交しかつ経路Pに平行な頂部および底部の水平壁17、18と、壁15〜18および経路Pに直交する一対の側壁19、20とを備える。
【0018】
より具体的には、前後の壁15、16は経路Pの伸長に一致する長さを有し、一方で側壁19、20は、経路Pに直交しかつ壁17、18に平行な方向に、他の寸法より小さい、箱型の構造体14の厚さを画定する。
【0019】
図1、図3および図4に示されているように、側壁19、20は、容器処理設備の支持フレーム(図示せず)へ固定されるように構成された長方形の周縁ストリップ部分21を画定するように、壁15〜18の全体的輪郭から外側へ突出している。
【0020】
入口10および出口11は、各々側壁19、20内へ設けられる関連の長方形の開口によって画定される。より正確には、入口10および出口11は、任意の一時に1つの封止部2の垂直向きの位置(図4および図5)での通過を許容するのに適する寸法を有し、この場合、各封止部2の軸Aは経路Pおよび前後の壁15、16に直交する。言い替えれば、封止部2の垂直向きの位置において、円盤形の頂壁8は前後の壁15、16に平行して広がる。
【0021】
図示されている例では、封止部2はその頂壁8が前壁15より後壁16の方へ近い状態で箱型の構造体14へ進入し、プロセスチャンバ9の内部の経路Pに平行な水平の支持表面22上において移動される。
【0022】
本発明の好適な一実施形態によれば、支持表面22は、後にさらに詳しく説明されるように、箱型の構造体14へ固定され、封止部2がその上を運搬手段13の推力下で移動するプレートの頂部によって画定される。
【0023】
箱型の構造体14への封止部2の進入は、任意の一時に1つの封止部2に作用する送風機(図示せず)等の押込み装置によって制御され、これにより、封止部2の間隔をプロセスチャンバ9へ進入する時点で空けることが可能である。
【0024】
封止部2は、プロセスチャンバ9の内部で、経路Pの両側に配置されかつ支持表面22に固定された垂直のブラケット24により支持される2連の長手方向の水平レール23によって垂直向きの位置に保持される。
【0025】
有利には、殺菌手段12は、経路Pに沿って移動する封止部2に面しかつ表面を殺菌する放射線を前記封止部上に照射するように作動することができる放射線放射手段25を備える。
【0026】
この種の殺菌手段の特性は、処理されるべき表面の照射された部分上でしか殺菌が達成され得ないという事実にある。
【0027】
封止部2の表面の1つまたはそれ以上の部分が放射線放射手段25に対して影になることを回避するために、運搬手段13は、前記封止部2の経路Pに沿った前進および軸Aを中心とするその回転運動の双方を同時に引き起こすように各封止部2に作用するアクチュエータ手段26を備える。これにより、封止部2のあらゆる部位の完全な照射が達成可能である。
【0028】
本発明の好適な一実施形態によれば、放射線放射手段25は、経路Pに沿って前進する封止部2の両面へ最大200keVに等しいエネルギーを有する個々の電子ビームを放射するために各々箱型の構造体14の前後の壁15、16へ取り付けられる一対の電子ビームエミッタ27、28を備える。
【0029】
具体的には、各エミッタ27、28は、真空チャンバ29、30と、真空チャンバ29、30内に位置しかつ電子を発生させるために加熱されるタングステン素子等の電子発生器40(図3に略示されている)とを備える。他の任意の電子発生手段が用いられてもよいことは、明らかである。
【0030】
図示されている例では、各真空チャンバ29、30は、箱型の構造体14の関連の壁15、16の外側へ固定されかつ経路Pおよび壁15〜18に平行な軸B、Cを有する関連の管状ハウジング31、32内に組み込まれている。
【0031】
真空チャンバ29、30は関連の窓33、34を介してプロセスチャンバ9と連通し、窓33、34は各々箱型の構造体14の前後の壁15、16内に設けられ、窓33、34は経路Pに沿って移動する封止部2に面して設けられ、またそれぞれが、電子によって容易に貫入され得る関連の窓ホイル35によって閉止される。
【0032】
実際には、電子ビームは各窓33、34から、経路Pに沿って前進している対面する封止部2へ向かって放射される。封止部2の最大表面カバー率を保証するために、各窓33、34から多方向の放射線放射を発生する特有の反射体(それ自体既知であり、図示されていない)を設けることが可能である。
【0033】
窓ホイル35は、(低い過圧に保たれる)プロセスチャンバ9と関連の真空チャンバ29、30の内部との間の圧力差に耐えるために、チタン等の高強度金属材料から形成される。
【0034】
特に図4および図5を参照すると、各窓33、34は、経路Pに平行な長さLと、プロセスチャンバ9を通って前進する封止部2の経路Pおよび軸Aに直交する幅Wとを有する長方形の輪郭を有する。
【0035】
有利には、各窓33、34の幅Wは、封止部2の外径Dより小さいことが可能である。これにより、封止部2に課される回転運動によって、下記の結果を得ることが可能である。
−封止部2のどの外面も照射され、よって殺菌される。
−各封止部2へ送られるエネルギーの量は、封止部の直径Dに対して低減された面積(窓33、34)に集中されることから最大化される。
【0036】
実際に、電子ビームを介して送られるエネルギーの量は前記電子ビームが照射される窓の寸法に反比例することは周知である。
【0037】
有利には、(窓34の輪郭が点鎖線で略示されている)図4および図5において明らかに示されているように、電子ビームを受ける封止部2および箱型構造体14の領域が過熱する危険性を回避するために、窓33、34は、垂直向きの位置にある封止部2の軸Aに平行な方向へ互いに対して少なくとも部分的にオフセットされる。具体的には、図5に開示されているように、窓33および窓34間には僅かな重なりしか見受けられない。
【0038】
図4を参照すると、運搬手段13は駆動要素47を備え、駆動要素47は、ある好適な実施形態では、支持表面22に平行でありかつ支持表面22から離隔され、各封止部2の支持表面22に接する側面とは反対側の側面に作用する作用部分37を有する動力エンドレスベルト36を備える。
【0039】
具体的には、ベルト36は経路Pに沿って前進する封止部2の軸Aに平行な個々の軸Fを有する一対のプーリ38、39の周りに巻かれ、より具体的には、一方のプーリ38は電気モータユニット41の出力軸上へ嵌合されてベルト36を駆動し、もう一方のプーリ39はベルト36によって駆動される。
【0040】
ベルト36の作用部分37は、箱型の構造体14の支持表面22に平行でありかつ支持表面22から離隔された位置に取り付けられる長手方向のガイド棒42に沿ってその下を滑動する。
【0041】
また、ベルトの張力を調整するためにベルト締め具43も設けられ、図示されている例では、ベルト締め具43は、封止部2の軸A、並びにプーリ38、39の軸Fに平行な軸Gを中心に回転するように、箱型構造体14の後壁16に嵌合される円盤形部材44と、ベルト36が部分的に巻き付けられ、円盤形部材44の周縁領域の対角線上の部分からプロセスチャンバ9の内側へ向かって突出する一対のホイール45と、ホイール45の相対位置を変えてベルト36の張力を上げる、または下げるために、円盤形部材44に作用して円盤形部材44をその軸Gを中心に回転させる、好適には空気圧シリンダであるアクチュエータ部材46とを含む。
【0042】
上記に鑑みれば、動力ベルト36は、封止部2をその軸Aを中心とする回転運動をさせながら支持表面22に沿って前進させる能動輸送システムを画定する。
【0043】
特に図4を参照すると、箱型構造体14の前壁15は、保全のために、または何らかの不具合が生じた場合にこの構造体を開くことができるように、経路Pに平行な軸Hを中心にして底壁18へ蝶番付けされる。図4に示されているように、前壁15は、蝶番軸Hを中心にして略水平位置まで達するように回転されることが可能である。一対の空気ばね48(図1および図3)は、明らかにその上に固定されたエミッタ27の重量がかかる前壁15の開放動作を遅速させる。
【0044】
箱型の構造体14は、周期的に20バール等の高圧で洗浄液による洗浄サイクルを経るが、この場合、窓ホイル35の破断を回避するために、これらを防止するために各窓33、34にカバープレート50(図4)が嵌められる。
【0045】
使用に際しては、任意の一時に1つの封止部2が入口10へと吹き込まれ、こうして箱型構造体14、延てはプロセスチャンバ9へと進入する。これにより、封止部2は異なる時間間隔で経路Pに到達し、よって所定の距離を隔てて配置される。
【0046】
各封止部2は次に、動力ベルト36の作用部分37によって支持表面22沿いに前進され、具体的には、ベルト36は、各封止部2の支持表面22と接触する側とは反対側の部分で側壁6と協働する。ベルト36と支持表面22との速度差は、軸Aを中心とした回転運動による、経路Pに沿った封止部2の前進を生じさせる。
【0047】
封止部2は、長手方向の水平レール23により経路Pに沿って前進しながら、垂直向きの位置を保持される。
【0048】
一方、管状ハウジング31、32内では、電子発生器40と個々の窓ホイル35との間の電位差により発生される個々の電界によって電子がビームへと真空加速される。
【0049】
電子は真空環境内でその最大速度に達し、かつ窓ホイル35および封止部2を構成する原子と衝突した際に減速しかつ徐々にそのエネルギーの一部を失う。
【0050】
図示されている例では、電子ビームによって生成されるエネルギーは、経路Pに沿って移動している封止部2に衝突し、封止部の表面に存在する微生物を全て殺す。
【0051】
ベルト36により封止部2に課される回転運動によって、封止部2の外面はどの部分も照射される。
【0052】
図示されている例では、殺菌はまず窓34を介して封止部2の外側で行われ、次に、窓33を介してその内側(ねじ山6aおよび環状リブ8aを含む)で行われる。
【0053】
その低エネルギーレベル(最大で200keVに等しい)を考慮すれば、エミッタ27、28から出射する電子ビームは、封止部2の個々の両面に完全な表面殺菌を保証するに足る数μmの深さまで貫入する。
【0054】
図6における符号1’は、本発明の異なる実施形態による容器封止部の殺菌ユニットの全体を指す。
【0055】
殺菌ユニット1’はユニット1に類似するものであり、よって以下の説明は両者の相違に限定し、かつユニット1および1’の等しい、または対応する部分に関しては可能であれば同じ参照符号を用いる。
【0056】
具体的には、ユニット1’とユニット1との相違点は、ユニット1’において、放射線放射手段25が一対のパルス光エミッタ51、52(図6に略示されている)を備え、これらは経路Pの両側に配置されかつ個々の強烈な閃光を前進する封止部2の両面へ照射するように作動できることにある。
【0057】
より具体的には、各エミッタ51、52は、パルスモードで機能しかつ経路Pの関連する側面に経路Pに平行な方向に沿って配置される1つまたは複数のアーク灯53と、処理中の封止部2が通過する領域へと光を照射して集中させるための反射器54とを備える。
【0058】
この場合、殺菌は、灯53によって放射される白色光の強烈な閃光に含まれる紫外線の殺菌効果に基づいている。
【0059】
各エミッタ51、52により実行される封止部の汚染除去に必要なエネルギーは、キャパシタ55内で短期間で蓄積され、高電圧信号はアーク形成および関連の灯53における電気エネルギーの遊離を誘発し、この電気エネルギーは光エネルギーに変換される。実際には、各灯53はキセノン等のイオン化ガスを含み、そのイオン化は上述の高電圧信号により発生される電流によって増大され、これにより光の放射が行われる。
【0060】
本発明による殺菌ユニット1、1’および関連する殺菌方法の優位点は、これまでの説明から明らかであろう。
【0061】
具体的には、封止部2は、まず液体殺菌剤に浸漬されて次に乾燥されるのではなく、照射によって殺菌されるという事実によって、下記の結果を達成することが可能である。
−処理の完了後、処理された封止部上に殺菌剤の残留物が存在しない。
−先に述べたタイプの既知のユニットに通常用いられる殺菌剤を、処理された封止部から除去するための追加の手段が不要である。
−水の消費が不要である。
−化学物質の消費が不要である。
−排気による化学物質の放出が生じない。
【0062】
さらに、封止部2が放射線放射手段25の前を進みながら回転するという事実により、封止部のいかなる表面や凹凸にも達し得る。
【0063】
加えて、低電圧電子ビームまたはパルス光または他の任意の種類の表面殺菌放射線を使用することで、これらの放射線を処理対象物質へ貫入させることなく、または(数μmという)極めて低減された貫入によって除染効果を得ることができ、よって物質を変質させる可能性は最小限に抑えられ、かつ封止部2が食品へ移り得る不快な味を帯びることも防止される。
【0064】
さらに、低電圧電子ビームの場合、プロセスチャンバ9内で封止部2に与えられる回転運動により、より小さな寸法(具体的には、処理対象である封止部の外径より小さい幅Wを有する)の放射窓33、34を使用することが可能となり、よって、殺菌処理の効果を損なうことなく各封止部2へ送られるエネルギー量が最大化される。
【0065】
本明細書に記述されかつ例示されたユニット1、1’および方法に対しては、添付の請求項に規定されている保護の範囲を逸脱することなく変更が行われてもよいことは明らかである。
【0066】
具体的には、封止部2の回転運動は、ベルト36および支持表面22へ異なる速度を与えることによって、または支持表面22をベルト36の方向とは反対方向に移動させることによっても得ることが可能であり、封止部2を経路Pに沿って前進させる唯一の条件は、ベルト36の速度が支持表面22の速度を上回ることにある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(3)の封止部(2)を殺菌するためのユニットであって、
殺菌されるべき一連の封止部(2)を受け入れるための入口(10)および殺菌された封止部(2)が出る出口(11)を有するプロセスチャンバ(9)と、
前記プロセスチャンバ(9)の内側で作用する殺菌手段(12)と、
前記封止部(2)を前記プロセスチャンバ(9)を通って所定の経路(P)に沿って前進させるための運搬手段(13)と、
を備えるユニットにおいて、
前記殺菌手段(12)が、前記経路(P)に沿って移動する前記封止部(2)に面しかつ殺菌放射線を前記封止部(2)上へ照射するように作動され得る放射線放射手段(25)を備え、前記運搬手段(13)が、前記経路(P)に沿って前進している前記封止部(2)に回転運動を引き起こさせるように前記封止部(2)に作用するアクチュエータ手段(26)を備えることを特徴とするユニット。
【請求項2】
軸(A)を有する前記封止部(2)を殺菌するためのユニットであって、
前記封止部(2)は前記運搬手段(13)により前記軸(A)が前記経路(P)を横断する状態で前記プロセスチャンバ(9)を通って前進し、かつ前記封止部(2)の前記回転運動は、前記軸(A)を中心として前記アクチュエータ手段(26)により引き起こされる、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記運搬手段は、前記アクチュエータ手段(26)により引き起こされる動作の結果として前記封止部(2)がその上で回転する支持表面(22)を備える、請求項1または2に記載のユニット。
【請求項4】
前記アクチュエータ手段(26)は、前記封止部(2)の前記支持表面(22)に接する側とは反対の側面と協働しかつ前記経路(P)に沿って前記支持表面(22)に対する所定の相対速度で移動される駆動要素(47)を備える、請求項3に記載のユニット。
【請求項5】
前記支持表面(22)は固定されている、請求項3または4に記載のユニット。
【請求項6】
前記駆動要素(47)は、前記支持表面(22)に平行でありかつ前記支持表面(22)から離隔された作用部分(37)を有し、前記封止部(2)に作用する動力エンドレスベルト(36)を備える、請求項4または5に記載のユニット。
【請求項7】
前記放射線放射手段(25)は、前記経路(P)の両側に配置されかつ最大200keVのエネルギーを有する個々の電子ビームを、前進している前記封止部(2)の両面に照射する一対の電子ビームエミッタ(27、28)を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項8】
前記電子ビームエミッタ(27、28)は関連の真空チャンバ(29、30)と、内部に位置する関連の電子発生器(40)とを備え、前記真空チャンバ(29、30)は、前記経路(P)に沿って前進する正面の前記封止部(2)へ向かって電子ビームが放射される関連の窓(33、34)を介して前記プロセスチャンバ(9)と連通する、請求項7に記載のユニット。
【請求項9】
前記窓(33、34)は、前記経路(P)に平行な長手方向寸法(L)と、前記経路(P)および前記プロセスチャンバ(9)を通って移動する前記封止部(2)の前記軸(A)に直交する横方向寸法(W)とを有し、前記横方向寸法(W)は前記封止部(2)の外径より小さい、請求項8に記載のユニット。
【請求項10】
前記経路(P)の両側に配置される前記エミッタ(27、28)の前記窓(33、34)は、前記プロセスチャンバ(9)を通って前進する前記封止部(2)の前記軸(A)に平行な方向へ互いに対して少なくとも部分的にオフセットされる、請求項8または9に記載のユニット。
【請求項11】
前記プロセスチャンバ(9)は少なくとも1つの蝶番付けされた壁(15)を有する箱型の構造体(14)によって区切られ、前記壁(15)は保全または不具合の際の修理ができるように開放されることが可能である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項12】
前記放射線放射手段は、前記経路(P)の両側に配置され、個々の強烈な閃光を前進する前記封止部(2)の両面へ照射する一対のパルス光エミッタ(51、52)を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項13】
容器(3)の封止部(2)を殺菌するための方法であって、
殺菌されるべき一連の前記封止部(2)をプロセスチャンバ(9)の入口(10)へ供給するステップと、
前記封止部(2)をプロセスチャンバ(9)を介して所定の経路(P)沿いに前記プロセスチャンバ(9)の出口(11)へ向かって前進させるステップと、
前記プロセスチャンバ(9)の内部で前進する間に前記封止部(2)を殺菌するステップと、
を含み、
前記殺菌するステップは、前記経路(P)に沿って前進する間に殺菌放射線を前記封止部(2)へ照射するステップを含み、前記前進させるステップは、前記経路(P)に沿って前記封止部(2)の回転運動を引き起こすステップを含むことを特徴とする容器封止部殺菌方法。
【請求項14】
軸(A)を有する前記封止部(2)を殺菌するための方法であって、
前記封止部(2)は前記プロセスチャンバ(9)内を前記軸(A)が前記経路(P)を横断する状態で前進され、かつ前記封止部(2)の前記回転運動は前記軸(A)を中心にして引き起こされる、請求項13に記載の容器封止部殺菌方法。
【請求項15】
前記殺菌放射線は、最大200keVのエネルギーを有し、前進する前記封止部(2)の両面に照射される電子ビームを含む、請求項13または14に記載の容器封止部殺菌方法。
【請求項16】
前記電子ビームは、前記経路(P)の両側に配置される前記プロセスチャンバ(9)の個々の窓(33、34)から放射される、請求項15に記載の容器封止部殺菌方法。
【請求項17】
処理下にある前記封止部(2)の外径は、前記経路(P)および前記封止部(2)の前記軸(A)に直交する方向で測定された場合に前記窓(33、34)の横方向寸法(W)より大きい、請求項16に記載の容器封止部殺菌方法。
【請求項18】
前記窓(33、34)は、前記プロセスチャンバ(9)を通って前進する前記封止部(2)の前記軸(A)に平行な方向へ互いに対して少なくとも部分的にオフセットされる、請求項16または17に記載の容器封止部殺菌方法。
【請求項19】
前記殺菌放射線は、前進する前記封止部(2)の両面に照射されるパルス光放射線を含む、請求項13または14に記載の容器封止部殺菌方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2012−525839(P2012−525839A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509153(P2012−509153)
【出願日】平成21年5月5日(2009.5.5)
【国際出願番号】PCT/IT2009/000203
【国際公開番号】WO2010/128532
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(511268708)
【Fターム(参考)】