説明

容量及びその製造方法

【課題】高耐圧インバータ回路に適した高耐圧仕様の容量を、基板上に容易に構成できるようにする。
【解決手段】絶縁性の基板1上に構築される高電圧インバータ回路用の容量であって、基板1の配線面1aに設けられた電極11と、電極11に隣在して基板1の同一面に設けられた電極12と、電極11及び12に対向して基板1の部品面1bに設けられた電極13とを備え、電極13は、所定の幅W3及び長さL3を有し、当該長さL3方向の一方の端部13cで電極11と対向するとともに、他方の端部13dで電極12と対向するものである。この構成によって、電極11〜13の間に位置する基板1の部位が誘電体層を成し、電極11及び電極12のいずれかを蓄積電極及び対向電極とするとともに、電極13を中間電極とする直列容量構造を構成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高電圧インバータ回路の分圧コンデンサに適用可能な容量及びその製造方法に関する。詳しくは、基板の一方の面に隣設された第1及び第2の電極と、基板の他方の面に対設された第3の電極とを備え、第3の電極が、長さ方向の一方の端部で第1の電極と対向するとともに、他方の端部で第2の電極と対向するようにして、第1及び第2の電極のいずれかを蓄積電極及び対向電極とするとともに、第3の電極を中間電極とする直列容量構造を構成し、高電圧インバータ回路に適した高耐圧仕様の容量を基板上に容易に構成できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶テレビ等のバックライト用の電源として、数kV例えば2kV程度の高圧交流電源が使用されることが多い。この高圧交流電源は、例えば基板上に実装された高電圧インバータ回路からバックライトに供給される。
【0003】
この高電圧インバータ回路用の基板には、基板からの出力電圧(高圧交流電源)やバックライト等の異常を検出する為、検知回路が実装されていることが多い。この場合、出力電圧を例えば分圧コンデンサで分圧して検知回路に入力するようになされる。この分圧コンデンサには充分な耐圧が要求されるので、高電圧用(高耐圧仕様)のマイカコンデンサや磁気コンデンサ等の容量部品が用いられることが多い。
【0004】
しかし、これらの高電圧用のコンデンサは、低電圧用のコンデンサに比べて高価であることが多い。更に容量部品を基板の高耐圧部に実装する場合にも、例えば信頼性を向上する為、部品間の距離等に制約が設けられることが多い。
【0005】
一方近年では、こうした高電圧インバータ回路のコスト削減の為に様々な工夫がなされている。まず部品レスによるコスト削減方法がある。その一案として、両面基板の両面に、容量の電極を対向して形成し、基板の一部を誘電体とした高電圧用の容量を構成する方法がある。
【0006】
また他に、安価な片面基板を用いることによるコスト削減方法がある。しかしこの場合には、上述のように基板の一部を誘電体として容量を構成することは難しい。これは、部品が取り付けられる部品面に電極を形成することが難しいことと、部品面に電極を形成できたとしても、配線が形成される配線面へ接続する為、ジャンパ線やビアホールを別途設ける必要があり、これらによるコストアップが懸念される為である。従って、片面基板を用いる場合には、分圧コンデンサとして上述のような容量部品が使用されることが多い。
【0007】
これに関連して、特許文献1の非接触式データキャリアが開示されている。この非接触式データキャリアによれば、非接触式ICカードの回路を、容量を介して接続される第1の区分及び第2の区分に分離し、第1の区分の回路と容量の一方の電極とを第1の基板に形成するとともに、第2の区分の回路と容量の他方の電極とを第2の基板に形成し、第1の基板及び第2の基板を、両電極を対向させて配して絶縁性樹脂を介在させて積層するようになされる。このようにすることにより、両電極及び絶縁性樹脂でなる容量を構成すると同時に、第1の区分及び第2の区分の回路を接続できるというものである。また、両電極はそれぞれ、例えば導電層のエッチングや電極パターンの印刷等により形成されている。
【0008】
また、特許文献2の高周波回路基板及び容量調整方法も開示されている。この高周波回路基板及び容量調整方法によれば、絶縁層を複数積層してなる基板に、積層方向に貫通する容量調整孔を設け、容量調整孔の内面に導体を形成して、絶縁層の間に形成された複数の容量を接続するようになされる。このように構成すると、容量調整孔の導体をレーザビーム又はドリルで切削することにより積層された容量の面積を調整できるので、トリミング用の容量の占有面積を最小にできるというものである。
【0009】
【特許文献1】特開2000−57287号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】特開平10−190302号公報(第3及び4頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、特許文献1に係る非接触式データキャリアによれば、ICカードの回路が、容量の絶縁層で2つの区分に分離されて、それぞれの基板に形成されている。しかしこの構造を高電圧インバータ回路に応用しようとすると、基板の両面に分離された回路を形成する必要があるので、両面基板への実装が必要になるとともに製造工程数が増加し、コストアップに繋がるという問題がある。
【0011】
また、特許文献2に係る高周波回路基板及び容量調整方法によれば、積層方向に複数の容量が重なって形成されている。従って、互いに充分な絶縁距離を必要とする高電圧用の容量に適用することは難しい。また、積層基板は片面基板に比べて製造工程数も多くなり、上述と同様の問題が想定される。
【0012】
そこで本発明は、上述の課題を解決したものであって、高耐圧インバータ回路に適した高耐圧仕様の分圧コンデンサを基板上に容易に構成できるようにした容量及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題は、絶縁性の基板上に構築される高電圧インバータ回路用の容量であって、基板の一方の面に設けられた第1の電極と、第1の電極に隣在して基板の同一面に設けられた第2の電極と、第1及び第2の電極に対向して基板の他方の面に設けられた第3の電極とを備え、第3の電極は、所定の幅及び長さを有し、当該長さ方向の一方の端部で第1の電極と対向するとともに、他方の端部で第2の電極と対向することを特徴とする容量によって解決される。
【0014】
本発明に係る容量によれば、基板の一方の面に互いに隣設された第1及び第2の電極に対向して、他方の面に設けられた第3の電極が、長さ方向の一方の端部で第1の電極と対向し、他方の端部で第2の電極と対向するものである。従って、第1乃至第3の電極間に位置する基板の部位が誘電体層を成し、第1及び第2の電極のいずれかを蓄積電極及び対向電極とするとともに、第3の電極を中間電極とする直列容量構造を構成できる。
【0015】
本発明の請求項2に係る容量の製造方法は、絶縁性の基板上に構築される高電圧インバータ回路用の容量の製造方法であって、基板の一方の面に、第1の電極と第2の電極とを隣在させて形成する工程と、基板の他方の面の第1及び第2の電極と対向する部位に、一方の端部を第1の電極と対向させるとともに、他方の端部を第2の電極と対向させるように、所定の幅及び長さを有する第3の電極を形成する工程とを有することを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項2に係る容量の製造方法によれば、基板の一方の面に互いに隣設された第1及び第2の電極に対向する他方の面に、第3の電極が、長さ方向の一方の端部で第1の電極と対向し、他方の端部で第2の電極と対向するように形成される。従って、第1乃至第3の電極間に位置する基板の部位が誘電体層を成し、第1及び第2の電極のいずれかを蓄積電極及び対向電極とするとともに、第3の電極を中間電極とする直列容量構造を構成できる。
【0017】
この発明の請求項9に係る容量の製造方法は、絶縁性の基板上に構築される高電圧インバータ回路用の容量の製造方法であって、基板の一方の面に、第1の配線で互いに接続される複数の第1の電極と、第2の配線で互いに接続される複数の第2の電極とを隣在させて形成する工程と、基板の他方の面の第1及び第2の電極と対向する部位に、一方の端部を第1の電極と対向させるとともに、他方の端部を第2の電極と対向させるように、所定の幅及び長さを有する第3の電極を形成する工程と、高電圧インバータ回路の仕様、第1乃至第3の電極の大きさ又は基板の厚みに応じて、第1及び/又は第2の配線を切断する工程とを有することを特徴とするものである。
【0018】
この発明の請求項9に係る容量の製造方法によれば、基板の一方の面に、第1の配線で互いに接続される複数の第1の電極と、第2の配線で互いに接続される複数の第2の電極とを隣在させて形成し、他方の面に第3の電極を、長さ方向の一方の端部を第1の電極と対向させるとともに、他方の端部を第2の電極と対向させて形成した後で、第1及び第2の配線を高電圧インバータ回路(以下、単にインバータ回路ともよぶ。)の仕様等に応じて切断するようになされる。従って、複数個並列に接続された容量を基板上に容易に形成できるとともに、形成された容量の並列数を、インバータ回路の仕様等に応じて容易にトリミングできる。
【発明の効果】
【0019】
この発明に係る容量によれば、基板の一方の面に隣設された第1及び第2の電極と、基板の他方の面に対設された第3の電極とを備え、第3の電極が、長さ方向の一方の端部で第1の電極と対向するとともに、他方の端部で第2の電極と対向するものである。
【0020】
この構成により、第1乃至第3の電極間に位置する基板の部位が誘電体層を成し、第1及び第2の電極のいずれかを蓄積電極及び対向電極とするとともに、第3の電極を中間電極とする直列容量構造を構成できる。これにより、高電圧インバータ回路に適した高耐圧仕様の容量を基板上に容易に構成できる。また、容量の蓄積電極と対向電極とを同一面に隣在して設けられるので、両電極をインバータ回路の配線形成面と同一面に形成できる。これにより、両電極をインバータ回路に容易に接続できるとともに、安価な片面基板に容易に適用できる。
更に、基板と導電性の薄膜とにより高耐圧仕様の容量を構成できるので、インバータ回路の部品数を削減できるとともに製造コストを削減できる。更にまた、基板に取り付けられる部品の容量(容量部品)に比べて、耐熱性を向上できるとともに信頼性を向上できる。
【0021】
この発明の請求項2に係る容量の製造方法によれば、基板の一方の面に、第1の電極と第2の電極とを隣在させて形成する工程と、他方の面に第3の電極を、長さ方向の一方の端部が第1の電極と対向するとともに、他方の端部が第2の電極と対向するように形成する工程とを有している。
【0022】
この構成により、第1及び第2の電極のいずれかを蓄積電極及び対向電極とするとともに、第3の電極を中間電極とする直列容量構造を基板上に形成できる。これにより、高電圧インバータ回路に適した高耐圧仕様の容量を容易に形成できる。また、容量の蓄積電極と対向電極とを、インバータ回路の配線形成面と同一の面に隣在して形成できるので、両電極をインバータ回路に容易に接続できるとともに、安価な片面基板に形成工程を実行できる。
更に、基板と導電性の薄膜とにより高耐圧仕様の容量を構成できるので、インバータ回路の部品数を削減できるとともに製造コストを削減できる。更にまた、容量部品を使用した場合に比べて、半田付けによる接合部の数を削減できるので、信頼性を向上できる。また、第3の電極を形成する工程で、第3の電極と第1及び第2の電極とが対向する面積(オーバーラップ面積)を変更できるので、容量の大きさを容易に調整できる。
【0023】
この発明の請求項9に係る容量の製造方法によれば、基板の一方の面に、第1の配線で互いに接続される複数の第1の電極と、第2の配線で互いに接続される複数の第2の電極とを隣在させて形成する工程と、他方の面に第3の電極を、長さ方向の一方の端部が第1の電極と対向するとともに、他方の端部が第2の電極と対向するように形成する工程と、第1及び第2の配線をインバータ回路の仕様等に応じて切断する工程とを有している。
【0024】
この構成により、複数個並列に接続された容量を基板上に容易に形成できるとともに、形成された容量の並列数を、インバータ回路の仕様等に応じてトリミングできる。従って、基板又は容量のバラツキを低減できるとともに、基板の汎用性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
続いて、この発明に係る容量及びその製造方法について、図面を参照しながら説明をする。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明に係る第1の実施例としての容量C1の構成例を示す斜視図である。図1に示す容量C1は、電極11〜13を備え、当該電極間の基板1を誘電体層として構成されるものである。容量C1は、高電圧インバータ回路に適用して好適なものであり、電極11及び電極13間の容量C11と、電極13及び電極12間の容量C12とによる直列容量構造を有している。
【0027】
基板1は、厚みd1の絶縁性の回路基板であり、上面及び下面に例えば高電圧用のインバータ回路51(図4参照)を実装(構築)されるものである。基板1には、ここでは上方の配線面1a及び下方の部品面1bからなる片面基板が用いられる。
【0028】
配線面1aには、メタルパターンが形成され、部品面1bには、IC、抵抗、容量等の各部品が取り付けられる。基板1には、図示しない部品用の端子挿入孔が形成されており、各部品は、部品面1b側から端子挿入孔に端子を挿入され、配線面1aにおいて端子を半田付けされて回路に接続される。
【0029】
また基板1上には、上述のインバータ回路51に加えて、検知回路52、分圧回路53等を備える基板回路50が構成される(図4参照)。容量C1は、ここでは分圧回路53の分圧コンデンサとして用いられる。
【0030】
電極11(第1の電極)は、配線面1aに設けられる。電極11は、例えば銅箔のメタルパターンで構成され、他の配線と同時にフォトリソグラフィ技術で形成(以下、フォトリソ形成とよぶ。)される。またメタルパターンは、銅箔の他、銀箔、金箔、アルミ箔等の導電性の薄膜により構成され、印刷により形成(印刷形成)される場合もある。更に配線面1aには、電極11に隣在するように電極12が設けられる。
【0031】
電極12(第2の電極)は、ここでは電極11と略同形状で同一面に設けられる。電極12も、電極11と同様のメタルパターンで構成される。電極12は、この例では、スリット40を介して電極11と隣り合うようになされる。
【0032】
スリット40は、電極11と電極12との絶縁距離を短縮する為、基板1に形成される溝である。スリット40は、電極11と電極12との間の略中心位置に、電極11と電極12とが隣在する長さに渡って、所定の幅で貫通開口される。この例のようにスリット40を形成すると、基板1上における容量C1の占有面積を小さくすることができる。また、電極11と電極12との間に充分な絶縁距離を確保できる場合には、スリット40を形成しなくてもよい。
【0033】
部品面1bの電極11及び電極12と対向する位置には、電極13(第3の電極)が、幅W3及び長さL3を有して設けられる。電極13は、長さL3方向の一方の端部13cが電極11と対向するとともに、他方の端部13dが電極12と対向するように配置される。
【0034】
電極13は、この例では、一方の面に粘着面を有するとともに、他方の面に絶縁膜を接着形成された導電性の薄膜、例えばアルミラベル13’で構成される。アルミラベル13’には、例えばアルミ蒸着ラベルが使用される。また電極13は、印刷形成された導電性の薄膜、例えば、銅箔、銀ペースト、カーボンペースト等で構成されることもある。
【0035】
ここで、電極11と、端部13c側の電極13とは、面積A11で対向するようになされる。これにより、両電極間に位置する基板1の部位が誘電体層として機能し、容量C11が構成される。また、電極12と、端部13d側の電極13とは面積A12で対向し、両電極間の基板1の部位を誘電体層とした容量C12が構成される。
【0036】
容量C11と容量C12とは、電極13を介して直列に接続され、電極11又は電極12のいずれかを蓄積電極及び対向電極とするとともに、電極13を中間電極とする容量C1を構成する。
【0037】
図2A及びBは、基板1の構成例を示すものであり、図2Aは配線面1aから、図2Bは部品面1bからみた図である。図2Aに示す配線面1aには、電極11及び電極12が上下方向に2つずつ形成されている。両者は同様の容量C1を構成するので、以下、図中下方に示す電極11及び電極12について説明をする。
【0038】
電極11は、幅W1及び長さL1を有して配線面1aに形成される。また、電極11の幅W1方向の両側端は、エッジ11a及びエッジ11bを構成している。電極11のエッジ11aには配線61の端部が連結され、電極11及び容量C1を基板回路50に接続する。
【0039】
電極11の隣には、電極12が幅W2及び長さL2を有して形成される。電極12の幅W2方向の両側端は、エッジ12a及びエッジ12bを構成している。電極12のエッジ12aには、配線62の端部が連結され、電極12及び容量C1を基板回路50に接続する。ここで、電極11と電極12とは略同形状に形成される。つまり、幅W1と幅W2とは略同等になされ、長さL1と長さL2とは略同等になされる。
【0040】
また、電極11及び電極12は、エッジ11b及びエッジ12bを内側にして互いに隣り合い、間隔D12を有して配置される。間隔D12は、エッジ11bとエッジ12bとの距離であり、電極11及び電極12の長さL1及びL2方向の全域に渡って一定になされる。つまり、電極11及び電極12は、間隔D12を隔てて略平行に配置される。
【0041】
またこの例で、電極11及び電極12の間には、分離用のスリット40が形成されている。スリット40は、長さL1及びL2方向の両端部から多少突出する長さの溝状になされ、間隔D12の略中心位置に配置される。
【0042】
一方、図2Bに示す基板1の部品面1bには、電極13が例えば貼付形成される。電極13は、例えば幅W3及び長さL3を有するアルミラベル13’で構成される。電極13の幅W3方向の両側端はエッジ13a及びエッジ13bを構成する。また、長さL3方向の両端部は、端部13c及び端部13dを構成し、両側端はエッジ13c’及びエッジ13d’を構成する。
【0043】
この例では、エッジ13a及びエッジ13bが、エッジ11a及びエッジ11b、並びにエッジ12a及びエッジ12bと略直角に交差するようになされる。つまり、電極13と電極11及び電極12とが互いに略直角であるとともに、端部13c及び端部13dの一部が、エッジ11a及びエッジ12aから多少突出するように、電極11〜13が配置されている。このように構成すると、電極13と電極11及び電極12とのオーバーラップ面積である面積A11及び面積A12が、幅W1(≒幅W2)と幅W3との積で求められるとともに、電極13の幅W13を変更することで、容易に容量C11及び容量C12の大きさを変更できるようになる。
【0044】
更に、上述のように幅W1及び幅W2を同等にすることにより、容易に容量C11及び容量C12を同等の大きさにできるので、互いに直列に接続された容量C11及び容量C12にかかる高耐圧を2等分できる。これにより、容量C1の耐圧を最大限に向上できる。
【0045】
また、電極13はアルミラベル13’で構成されているので、容易にスリット40を架橋して容量C11と容量C12とを接続できる。これにより、容易に容量C1の占有面積を最小限に抑えることができる。
【0046】
図3A及びBは、容量C1の回路構成例を示す図である。図3Aの概略断面図に示す容量C1は、基板1の厚みd1方向に形成される容量C11及び容量C12が、部品面1bの電極13を中間電極として直列に接続されて構成される。従って、蓄積電極となる電極11及び対向電極となる電極12は、配線面1aで互いに隣設される。またこの電極11及び電極12は、電極12を蓄積電極とし、電極11を対向電極とすることもできる。ここで、基板1が誘電率εを有する場合、容量C11及び容量C12は、図3A中の式1及び式2で算出される。
また容量C11及び容量C12は、図3Bに示す等価回路図を構成する。容量C1は、容量C11と容量C12とが直列接続されて構成されるので、その合成容量は、図3B中の式3で算出される。またここで、容量C11の耐圧をE11、容量C12の耐圧をE12とすると、容量C1の耐圧E1は両者の和で求められる(図3Bの式4参照)。つまり、直列容量構造を有する容量C1は、容量C11又は容量C12を単体で使用する場合に比べて耐圧が向上する。この例では2倍になる。このようにして、容量C1の回路が構成される。
【0047】
図4は、基板回路50の構成例を示すブロック図である。図4に示す基板回路50は基板1上に構成され、この例では3つのバックライト用の蛍光管#1〜#3に高圧交流信号を供給するものである。基板回路50は、インバータ回路51、検知回路52、3つの分圧回路53、入力端子100、出力端子101〜103を有して構成される。
【0048】
基板回路50は、入力端子100から直流電圧V10を入力されて、出力端子101〜103から、高圧交流電源である交流電圧V11〜V13を出力するようになされる。直流電圧V10は、例えば380Vの直流電圧であり、交流電圧V11〜V13は、例えばピーク電圧が2kVp−p,周波数が50k〜80kHz程度の高圧交流電圧である。出力端子101〜103には、例えばコネクタを介して蛍光管#1〜#3が接続され、交流電圧V11〜V13を供給される。
【0049】
また出力端子101〜103は基板1上で分岐され、分圧回路53に接続(帰還)される。出力端子101〜103は、分圧回路53において、容量C1及び容量C3を介してGND電位に接続される。ここで容量C1及び容量C3は分圧コンデンサを構成し、両容量の接続部は中間電位N1〜N3に分圧される。容量C1と容量C3との比は、例えば1:100程度に設定されており、中間電位N1〜N3は充分低い電位に降圧される。
【0050】
降圧された中間電位N1〜N3は、例えば、整流用のダイオードD1及びD2、分圧用の抵抗R1等を介して検知回路52に帰還される。検知回路52は、中間電位N1〜N3を監視し、蛍光管#1〜#3の異常を検出する。例えば、蛍光管#2に異常が生じて過電流が生じた場合、中間電位N2が他の中間電位N1及びN3に比べて下降する。検知回路52はそうした電圧変化を検出し、検知信号S2を出力する。
【0051】
検知信号S2は、ここではインバータ回路51に直接入力される。インバータ回路51は内部に制御部を有し、検知信号S2に応じて、例えば交流電圧V12の供給を停止するようになされる。
【0052】
ここで、高電圧を印加される容量C1は、例えば2kVの交流電圧V11〜V13とほぼ同程度、又はそれ以上の耐圧が要求される。従って、容量C1には、高耐圧仕様の部品容量や、基板1上に構成された容量等が使用される。一方、容量C3は、検知回路53の構成部品と同程度の耐圧があればよい。従って、容量C3には、安価な低耐圧仕様の容量部品等が使用される。このようにして基板回路50が構成される。以下で、容量C1の製造方法について説明する。
【0053】
図5A〜Fは、容量C1の製造例を示す工程図である。図5A〜Fに示す工程は、絶縁性の基板1に、高電圧インバータ回路用の容量C1を製造する為のものである。ここではまず、図5A〜Eに示す工程で、基板1の配線面1aに電極11及び電極12をフォトリソ形成し、次に図5Fに示す工程で、部品面1bに電極13を貼付形成する。またこの製造工程では、容量C1と並行して基板回路50を基板1上に形成するようになされる。
【0054】
容量C1を製造するには、まず、図5Aに示す基板1を準備する。ここでは基板1として、銅箔のメタル層M1が片面に形成されている片面基板を準備する。またこの時、容量C11及び容量C12を形成するのに好適な、厚みd1の絶縁体層を有する基板1を準備する。基板1が準備できたら、メタル層M1の形成面を配線面1aとし、他方の面を部品面1bとして、以下の工程を実行する。
【0055】
まず初めにレジスト塗布工程を実行し、配線面1aの全面に渡って感光剤であるレジストF1(フォトレジスト)を、塗布する(図5B参照)。
次にフォトリソグラフィ工程を実行する。ここではメタル用のフォトマスクでマスキングしてレジストF1を露光する。このメタル用のフォトマスクには、所定形状の電極11及び電極12並びに基板回路50の配線等をレチクルパターンとして形成しておく。
【0056】
メタル用のフォトマスクを用いてレジストF1を露光すると、レチクルパターン部以外のレジストF1が感光される。次に感光したレジストF1を、レジスト除去工程でレジスト除去剤等で除去する。以上により、図5Cに示すような形状のレジストF1が形成される。
【0057】
次にメタルエッチング工程を実行し、レジストF1に覆われていない部位のメタル層M1をエッチングする。メタルエッチング工程が終了したら、残存するレジストF1をレジスト除去剤等で除去する。ここで、図5Dに示すような電極11及び電極12、並びに図示しない配線がメタル層M1で形成される。
【0058】
形成された電極11は、幅W1及び長さL1に設定され、電極12は、幅W2及び長さL2に設定されている。また、電極11及び電極12は略同形状(幅W1=幅W2、長さL1=長さL2)になされ、幅方向のエッジ11b及びエッジ12bを内側にして互いに隣り合って配置されている。
【0059】
またこの例では、この後でスリット形成工程を実行し、切削装置等でスリット40を形成する。ここではスリット40を、電極11及び電極12間の長さL1及びL2方向に渡って溝状に切削形成する。ただしこのスリット形成工程は、後述のアルミラベル貼付工程(図5F参照)の前であれば、いずれの工程で行ってもよい。
【0060】
更にオーバーコート工程を実行し、配線面1aを絶縁被膜する。ここでは配線面1aに、半田付け用の部位等を残してソルダーレジストF2を塗布し、図5Eに示すような絶縁膜を形成する。またオーバーコート工程では、図5A〜Dに示したような一連の工程(フォトリソ形成工程)が実行されるが、ここでは簡略化の為、説明を割愛する。以上のようにして、配線面1aに、電極11及び電極12が隣在して形成される。
【0061】
次に、アルミラベル貼付工程を実行し、基板1の部品面1bに電極13を形成する。ここでは、図1及び2に示したような幅W3、長さL3のアルミラベル13’を部品面1bに貼付して電極13を形成する。この時、アルミラベル13’を、長さL3方向の一方の端部13cが電極11と対向するとともに、他方の端部13dが電極12と対向するように貼付する(図5F参照)。またここで、正確に位置を合わせて貼付する為、基板1の配線面1a及び部品面1bに、図示しない合わせマークを形成しておくとよい。
【0062】
またこの例では、アルミラベル13’を貼付する際に、長さL3方向が、長さL1及びL2方向と略直角に交差するように配置する。従って、容量C11及び容量C12の上面形状は長方形になり、容量C11及び容量C12は、図3Aに示した式1及び式2で容易に算出される。
【0063】
更に、ここでは電極13の長さL3方向の両端部、端部13c及び端部13dが、エッジ11a及びエッジ12aから突出する部位、マージン13c”及びマージン13d”を有するようにアルミラベル13’を貼付する。マージン13c”は、エッジ11aの部品面1bへの投影線から、エッジ13c’までの間に位置する電極13の部位である。マージン13d”は、エッジ12aの部品面1bへの投影線から、エッジ13d’までの間に位置する電極13の部位である。
【0064】
このようにすると、アルミラベル13’の貼付位置のズレによる面積A11及びA12のバラツキが少なくなり、容量C11と容量C12とのバラツキを最小限に抑えることができる。このようにして、基板1上に容量C1を製造(形成)することができる。
【0065】
このようにこの発明の第1の実施例に係る容量C1によれば、基板1の配線面1aに互いに隣設された電極11及び電極12に対向して、部品面1bに設けられた電極13が、長さL3方向の一方の端部13cで電極11と対向し、他方の端部13dで電極12と対向するものである。
【0066】
従って、電極11〜13の間に位置する基板1の部位が誘電体層を成し、電極11及び電極12のいずれかを蓄積電極及び対向電極とするとともに、電極13を中間電極とする直列容量構造を構成できる。これにより、高電圧インバータ回路に適した高耐圧仕様の容量C1を基板1上に容易に構成できる。
【0067】
また、容量C1の蓄積電極と対向電極とを同一面に隣在して設けられるので、両電極をインバータ回路51の配線形成面と同一面に形成できる。これにより、両電極とインバータ回51に容易に接続できるとともに、安価な片面基板への適用が容易になる。更に、容量C1を使用することにより、容量部品を使用した場合に比べて半田付けによる接合部の数を削減できるので、信頼性を向上できる。
【0068】
更に、この発明に係る容量C1の製造方法によれば、基板1の配線面1aに互いに隣設された電極11及び電極12に対向する部品面1bに、電極13が、長さL3方向の一方の端部13cで電極11と対向し、他方の端部13dで電極12と対向するように形成される。
【0069】
従って、基板1とメタルパターン及びアルミラベル(アルミシール、アルミ蒸着ラベル)等の導電性の薄膜とにより高耐圧仕様の容量C1を構成できるので、インバータ回路51に用いる部品数を削減できる。
【0070】
更に、電極11及び電極12を、インバータ回路51等の配線形成と同時に、例えばフォトリソ形成工程で形成できるとともに、電極13を、アルミラベル貼付工程で一発形成できる。従って、容量C1の為に追加される製造工程の数を最小限、例えば1工程に抑えられる。
【0071】
また、電極13をアルミラベル貼付工程で形成することにより、電極11と電極12との間に絶縁距離短縮用のスリット40を形成した場合においても、スリット40を容易に架橋することができる。従って、容易に容量C1の占有面積を小さくできるとともに、基板1の小型化に貢献できる。また、アルミラベル貼付工程において、貼付するアルミラベル13’の幅W3及び貼付位置を変更することにより、容易に容量C1の大きさを調整できる。
【0072】
また例えば、フォトリソ形成工程後の基板1に、アルミラベル貼付工程で幅W3の異なるアルミラベル13’を貼付して、容量C1の大きさが異なる基板1を形成することもできる。従って、基板1の汎用性を向上できるとともに、基板1の在庫管理が容易になる。更に基板1の納期短縮にも貢献できる。
【0073】
またこの例では、アルミラベル貼付工程で、電極13の端部13c及び端部13dが、エッジ11a及びエッジ12aからマージン13”及びマージン13d”を有して突出するように電極13を貼付したが、これに限られることはなく、電極13のエッジ13c’及びエッジ13d’が、エッジ11a及びエッジ12aと略同一線上になるように、電極13を貼付してもよい。このようにすると、アルミラベル13’の長さL3を最小限に抑えることができる。またもちろん、エッジ13c’及びエッジ13d’が、エッジ11a及びエッジ12aの内側になるように配置してもよい。
【0074】
またこの例では、電極13をアルミラベル13’で貼付形成するようにしたが、これに限られることはなく、電極13を導電性の薄膜で印刷形成してもよい。ただしこの場合には、スリット形成工程を削除するか、形成されたスリット40の周辺部に、端部13c及び13dを接続する配線又はメタルパターンを形成するようにする。
【0075】
またここでは、電極13を、電極11及び電極12と略90°で交差するように配置したが、これに限られることはなく、任意の所定角度で交差するようにしてもよい。この場合は、容量C11及びC12の上面形状は平行四辺形となるが、両者の大きさは容易に同等になされる。
【実施例2】
【0076】
図6は、この発明に係る第2の実施例としての容量C2の構成例を示す斜視図である。図6に示す容量C2は、実施例1の容量C1と略同等に構成されるものである。容量C2は、配線71及び配線72により、複数個ここでは3個並列に接続されて合成容量C20を構成している。合成容量C20は、配線71及び配線72を切断されることによりトリミング可能な容量であり、例えば図4に示したインバータ回路51の出力部の分圧コンデンサとして、容量C1に替えて用いられる。
【0077】
個々の容量C2は、それぞれ電極21〜23を備え、当該電極間の基板2を誘電体層として構成される。容量C2は、電極21及び電極23間の容量C21と、電極23及び電極22間の容量C22とによる直列容量構造を有している。また基板2には、第1の実施例の基板1と同様に片面基板が用いられる。基板2は、配線面2a及び部品面2bを有するとともに、厚みd2を有して構成される。
【0078】
電極21(第1の電極)は、幅W21を有して配線面2aに設けられる。電極21は、ここではメタルパターンで構成される。配線面2aには、電極21に隣在するように電極22が設けられる。
【0079】
電極22(第2の電極)は、幅W22を有して電極21と同一面に設けられる。電極22は、電極21と略同形状のメタルパターンで構成される。つまり、幅W21及び幅W22は略同等になされる。
【0080】
部品面2bの電極21及び電極22と対向する位置には、電極23(第3の電極)が、幅W23を有して設けられる。電極23は、例えばアルミラベル23’で構成される。
【0081】
電極23は、長さ方向の一方の端部で、電極21と対向するとともに、他方の端部で電極22と対向するように配置される。このようにして、容量C2が構成される。容量C2は、ここでは3個配置され、3個の電極21及び電極22が、配線71及び配線72により互いに並列に接続されることにより合成容量C20を構成する。容量C2は、図5A〜Fに示したような第1の実施例と同様の製造方法により形成される。以下で、容量C2のトリミング方法について説明をする。
【0082】
図7A及びBは、容量C2のトリミング例(その1)を示す図である。図8A及びBは、容量C2のトリミング例(その2)を示す等価回路図である。図7A及び図8Aに示す容量C2は、図5A〜Fに示した製造工程後、トリミング工程前の状態である。この状態の容量C2は、配線71及び配線72により3つ並列に接続されている。
【0083】
このように製造された容量C2にトリミング工程を実行する場合、例えば適用先(電源の供給先)のバックライトの仕様に応じて、配線71及び配線72の所定箇所を切断する。例えば容量C2の並列数を3列から2列に変更したい場合は、図7Bに示す配線部位71’、72’をレーザカッター等で切断する。このようにトリミング工程を実行すると、図8Bに示す2列の並列回路(合成容量C20’)が容易に形成される。
【0084】
このようにこの発明の第2の実施例に係る容量C2によれば、基板2の一方の面に、配線71で互いに接続される複数の電極21と、配線72で互いに接続される複数の電極22とを隣在させて形成し、他方の面に電極23を、長さ方向の一方の端部を電極21と対向させるとともに、他方の端部を電極22と対向させて形成した後で、配線71及び72をインバータ回路の仕様等に応じて切断するようになされる。
【0085】
従って、複数個並列に接続された容量C2を基板上に容易に形成できるとともに、形成された容量C2の並列数を、インバータ回路の仕様等に応じてトリミングできる。
【0086】
これにより、同一の製造工程を経た基板2の仕様を容易に変更し、仕様の異なる負荷(バックライト等)に容易に適用できるようになる。これにより、基板2の汎用性を向上できるとともに、在庫管理が容易になる。また、同一のメタル用のフォトマスクで、複数の仕様の異なる基板2を形成できるので、コストを削減できる。
【0087】
また幅W21及びW22を同等にし、幅W23の共通のアルミラベル23’を使用することにより、容易に同じ大きさの容量C2を複数個形成できる。従って、トリミング精度を向上できる。
【0088】
またこの例では、容量C2を3個並列に接続したが、これに限られることはなく、4個以上の容量C2を並列接続するようにしてもよい。このようにすることにより、きめ細かいトリミングが可能になるので、同一のメタルパターンの基板2を、より多くの仕様の負荷に応用することができる。
【0089】
なおこの例では、バックライトの仕様に応じてトリミング工程を実行するようにしたが、これに限られることはなく、電極21〜23及び容量C2の大きさや、基板2の厚みd2等に応じて、トリミング工程を実行するようにしてもよい。このようにすると、合成容量C20のバラツキを軽減できる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、高電圧インバータ回路の分圧コンデンサに適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】第1の実施例としての容量C1の構成例を示す斜視図である。
【図2】(A)及び(B)は、基板1の構成例を示す図である。
【図3】(A)及び(B)は、容量C1の回路構成例を示す概略断面図及び等価回路図である。
【図4】基板回路50の構成例を示すブロック図である。
【図5】(A)〜(F)は、容量C1の製造例を示す工程図である。
【図6】第2の実施例としての容量C2の構成例を示す斜視図である。
【図7】(A)及び(B)は、容量C2のトリミング例(その1)を示す図である。
【図8】(A)及び(B)は、容量C2のトリミング例(その2)を示す等価回路図である。
【符号の説明】
【0092】
1,2・・・基板、11〜13,21〜23・・・電極、13’,23’・・・アルミラベル、40・・・スリット、50・・・基板回路、51・・・インバータ回路、52・・・検知回路、53・・・分圧回路、C1〜C3・・・容量、#1〜#3・・・蛍光管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性の基板上に構築される高電圧インバータ回路用の容量であって、
前記基板の一方の面に設けられた第1の電極と、
前記第1の電極に隣在して前記基板の同一面に設けられた第2の電極と、
前記第1及び第2の電極に対向して前記基板の他方の面に設けられた第3の電極とを備え、
前記第3の電極は、
所定の幅及び長さを有し、
当該長さ方向の一方の端部で前記第1の電極と対向するとともに、他方の端部で前記第2の電極と対向することを特徴とする容量。
【請求項2】
絶縁性の基板上に構築される高電圧インバータ回路用の容量の製造方法であって、
前記基板の一方の面に、第1の電極と第2の電極とを隣在させて形成する工程と、
前記基板の他方の面の前記第1及び第2の電極と対向する部位に、一方の端部を前記第1の電極と対向させるとともに、他方の端部を前記第2の電極と対向させるように、所定の幅及び長さを有する第3の電極を形成する工程とを有することを特徴とする容量の製造方法。
【請求項3】
前記基板として、
一方の面に導電性の薄膜を形成されるとともに、他方の面に部品を取り付けられる片面基板を使用することを特徴とする請求項2に記載の容量の製造方法。
【請求項4】
前記第3の電極を形成する際に、
前記基板の他方の面に導電性の薄膜を貼付することを特徴とする請求項2に記載の容量の製造方法。
【請求項5】
前記第3の電極を形成する際に、
当該第3の電極と前記第1の電極とが対向する面積と、前記第3の電極と前記第2の電極とが対向する面積とを略同等にすることを特徴とする請求項2に記載の容量の製造方法。
【請求項6】
前記第1及び第2の電極を形成する際に、
前記第1の電極を第1の幅及び第1の長さに設定するとともに、
前記第2の電極を第2の幅及び第2の長さに設定して、
前記第1及び第2の電極を、前記第1及び第2の幅方向の片側端が互いに隣り合うように配置し、
前記第3の電極を形成する際に、
当該第3の電極を第3の幅及び第3の長さに設定するとともに、
前記第3の電極を、前記第3の幅方向の両側端が、前記第1及び第2の幅方向の両側端と交差するように配置することを特徴とする請求項2に記載の容量の製造方法。
【請求項7】
前記第3の電極を形成する際に、
当該第3の電極を、前記第3の長さ方向が、前記第1及び第2の長さ方向と略直角に交差するように配置することを特徴とする請求項6に記載の容量の製造方法。
【請求項8】
前記第1及び第2の電極を形成する際に、
前記第1及び第2の幅を略同等に設定することを特徴とする請求項6及び7に記載の容量の製造方法。
【請求項9】
絶縁性の基板上に構築される高電圧インバータ回路用の容量の製造方法であって、
前記基板の一方の面に、第1の配線で互いに接続される複数の第1の電極と、第2の配線で互いに接続される複数の第2の電極とを隣在させて形成する工程と、
前記基板の他方の面の前記第1及び第2の電極と対向する部位に、一方の端部を前記第1の電極と対向させるとともに、他方の端部を前記第2の電極と対向させるように、所定の幅及び長さを有する第3の電極を形成する工程と、
前記高電圧インバータ回路の仕様、前記第1乃至第3の電極の大きさ又は前記基板の厚みに応じて、前記第1及び/又は第2の配線を切断する工程とを有することを特徴とする容量の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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