説明

容量型ディジタル・アナログ変換回路、複合型ディジタル・アナログ変換回路、表示パネルモジュール及び電子機器

【課題】直線補間区間と非線形補間区間とつなぎ目部分で連続性が損なわれる。
【解決手段】容量型D/A変換回路を、第1の電位線と第1の容量との接続をビット値に応じて切り替え制御する第1のスイッチ素子と、第2の電位線と第1の容量との接続をビットの論理反転値に応じて切り替え制御する第2のスイッチ素子と、第2のスイッチ素子と直列に接続され、線形動作時には閉動作する一方で非線形動作時には開動作する第1のモードスイッチ素子と、第1の容量に充電された電位の総電位を出力する出力端子と、出力端子と一方の電極において接続され、第1の容量の最小値以上の容量値を有する第2の容量と、非線形動作時には第2の容量を構成する2つの電極のうち出力端子とは反対側の電極を第2の電位線に接続し、線形動作時には反対側の電極を第2の電位線から切り離す第2のモードスイッチ素子とで構成する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書で説明する発明は、容量型ディジタル・アナログ変換回路(以下、「D/A変換回路」という。)に関する。なお発明は、容量型D/A変換回路と抵抗型D/A変換回路を組み合わせた複合型D/A変換回路、表示パネルモジュール及び電子機器としての側面も有する。
【背景技術】
【0002】
この明細書では、容量型D/A変換回路に着目する。容量型D/A変換回路は、2進加重された複数の容量で構成されるD/A変換回路であり、各容量に対する充電をビット値に応じて制御することにより2つの基準電圧に対応する分圧電圧を発生する。
【0003】
特に、CMOSプロセスでは容量比を高い精度で形成できる点で、抵抗型D/A変換回路よりも入出力特性に優れている。
ところで、従来提案されている容量型D/A変換回路は線形駆動を基本とする。
【0004】
このため、入出力間に非線形の変換特性を持たせたい場合には工夫が必要となる。例えばD/A変換回路のビット数を高くする方法や抵抗型D/A変換回路との組み合わせ構造の採用が必要となる。
【特許文献1】特開平9−275345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、ビット数を増やす方法は回路面積の増大を伴う問題がある。このため、D/A変換回路の形成や実装に十分な面積を確保できない場合には採用が困難である。また、抵抗型D/A変換回路と組み合わせる場合には、線形領域から非線形領域へと切り替わる部分で出力電圧の連続変化が損なわれる問題がある。
【0006】
図1に、全階調に対応する電圧を線形補間により発生する場合の入出力特性を示す。図2に、最高位ビット(MSB)と最低位ビット(LSB)に対応する電圧を非線形補間する場合の理想的な入出力特性を示す。図3に、図1と図2を重ね合わせた場合の入出力特性を示す。図3に破線で囲んで示すように、線形補間だけで電圧を発生する場合、線形特性から非線形特性に切り替わる付近で出力電圧のカーブが理想的なカーブから外れてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、発明者は、以下の構成要素を有する複合型ディジタル・アナログ変換回路を提案する。
(a)上位側pビットに対応する第1及び第2の電位をそれぞれ、第1の電位線と第2の電位線に出力する抵抗型ディジタル・アナログ変換回路
(b)(i)下位側qビットに応じて重み付けの異なる複数個の第1の容量と、(ii)下位側qビットの論理反転データ値に応じて、第1の電位線と第1の容量との接続を切り替え制御する第1のスイッチ素子と、(iii) 下位側qビットのデータ値に応じて、第2の電位線と第1の容量との接続を切り替え制御する第2のスイッチ素子と、(iv)第1のスイッチ素子と直列に接続され、線形動作時には閉動作する一方で非線形動作時には開動作する第1のモードスイッチ素子と、(v)複数個の第1の容量に充電された電位の総電位を出力する出力端子と、(vi)出力端子と一方の電極において接続され、第1の容量の最小値以上の容量値を有する第2の容量と、(vii) 非線形動作時には第2の容量を構成する2つの電極のうち出力端子とは反対側の電極を第1の電位線に接続し、線形動作時には反対側の電極を第1の電位線から切り離す第2のモードスイッチ素子とを有する特性切り替え機能付きの容量型ディジタル・アナログ変換回路
【0008】
なお、複合型ディジタル・アナログ変換回路は、ディジタルデータとアナログデータとの対応関係が線形となる領域においては、容量型のディジタル・アナログ変換回路が選択的に線形特性で駆動され、ディジタルデータとアナログデータとの対応関係が非線形の領域においては、容量型のディジタル・アナログ変換回路が選択的に非線形特性で駆動されることが望ましい。
【0009】
また、この複合型ディジタル・アナログ変換回路では、上位ビットに基づいて線形動作領域と非線形動作領域を判定し、判定結果に応じて第1及び第2のモードスイッチ素子を切り替え制御することが望ましい。
【0010】
また、この複合型ディジタル・アナログ変換回路では、抵抗型のディジタル・アナログ変換回路は、事前に設定されたデータ値を境に、第1及び第2の電位線に出力する電位の上下関係を入れ替えることが望ましい。
【0011】
また、この複合型ディジタル・アナログ変換回路の出力端子は、アナログバッファ回路の入力端子に接続されることが望ましい。アナログバッファ回路に接続することで、駆動側の負荷容量が変換動作に影響するのを防ぐことができる。
【0012】
なお、発明者は、以下の構成要素を有する特性切り替え機能付きの容量型ディジタル・アナログ変換回路を提案する。
(a)対応ビットに応じて重み付けの異なる複数個の第1の容量
(b)対応ビットのデータ値に応じて、第1の電位線と第1の容量との接続を切り替え制御する第1のスイッチ素子
(c)対応ビットの論理反転データ値に応じて、第2の電位線と第1の容量との接続を切り替え制御する第2のスイッチ素子
(d)第2のスイッチ素子と直列に接続され、線形動作時には閉動作する一方で非線形動作時には開動作する第1のモードスイッチ素子
(e)複数個の第1の容量に充電された電位の総電位を出力する出力端子
(f)出力端子と一方の電極において接続され、第1の容量の最小値以上の容量値を有する第2の容量
(g)非線形動作時には第2の容量を構成する2つの電極のうち出力端子とは反対側の電極を第2の電位線に接続し、線形動作時には反対側の電極を第2の電位線から切り離す第2のモードスイッチ素子
【0013】
なお、この容量型ディジタル・アナログ変換回路は、第2の容量と、対応する第2のモードスイッチ素子を複数組有し、非線形動作時には、選択されたいずれか1つの第2の容量が選択的に前記第1の電位線に接続されることが望ましい。
【0014】
この他、前述した複合型ディジタル・アナログ変換回路やその一部を構成する容量型ディジタル・アナログ変換回路は、表示領域とタイミングコントローラを搭載する表示モジュールに適用することができる。同様に、これらのディジタル・アナログ変換回路は、変換出力であるアナログデータを入力するアナログデバイス、システム制御部及び操作入力部で構成される電子機器にも適用できる。
【発明の効果】
【0015】
前述した特性切り替え機能付き容量型ディジタル・アナログ変換回路の場合、第1及び第2のモードスイッチの開閉制御により、1つの回路を線形動作モードでも非線形動作モードでも使用することができる。すなわち、線形動作モードと非線形動作モードの両方に対応する容量型ディジタル・アナログ変換回路を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、発明をシステムディスプレイの駆動回路に適用する場合について説明する。
なお、本明細書で特に図示又は記載されない部分には、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
また以下に説明する形態例は、発明の一つの形態例であって、これらに限定されるものではない。
【0017】
(A)形態例1
(A−1)ディスプレイパネルの全体構成
図4に、この形態例で説明するディスプレイパネル1の平面構成例を示す。この形態例の場合、ディスプレイパネル1はシステムパネルであるものとする。すなわち、図4の場合、ガラス基板3の表面には表示領域5と同じプロセスを用い、信号線ドライバ7、走査線ドライバ9、タイミングコントローラ11が形成されるものとする。
【0018】
なお、形態例に係る表示領域5には、各画素に対応する輝度レベルを可変制御する画素回路と、その画素回路に駆動信号を与えるN本の走査制御線WLとM本の信号線DLが形成されているものとする。すなわち、ディスプレイパネル1はアクティブマトリクス駆動方式に対応するパネル構造を備えるものとする。
【0019】
なお、表示領域5の周辺回路として形成される信号線ドライバ7及び走査線ドライバ9は、タイミングコントローラ11から与えられるクロックにより動作するものとする。因みに、信号線ドライバ7には、D/A変換回路13が信号線に対応して1つずつM個内蔵されている。
【0020】
この形態例の場合、D/A変換回路13には、上位pビットに対応するアナログ電圧を発生する抵抗型D/A変換回路と、抵抗型のD/A変換回路で発生されたアナログ電圧を基準電圧として下位q(=n−p)ビットに対応するアナログ電圧を発生する容量型D/A変換回路とを組み合わせた複合型のD/A変換回路を使用する。
【0021】
なお、この形態例で使用するD/A変換回路13には、階調に応じてD/A変換特性を切り替え制御可能なものを使用する。具体的には、白電位付近と黒電位付近については非線形で動作し、その他の階調範囲では線形で動作するものを使用する。この切り替え機能を実現するため、この明細書では、特性切り替え機能付きの容量型D/A変換回路を提案する。
【0022】
(A−2)D/A変換回路13の構成
まず、D/A変換回路13の回路構成の説明に先立って、キーデバイスである容量型D/A変換回路の回路構成を説明する。
【0023】
(a)線形動作時に求められる容量型D/A変換回路の構成
図5に、入出力特性が線形となる容量型D/A変換回路の基本構成を示す。この容量型D/A変換回路は、2進加重された4個の容量21(第1の容量)と、対応ビットの論理反転データ値でそれぞれ開閉制御される第1のスイッチ23と、対応ビットでそれぞれ開閉制御される第2のスイッチ25で構成される。
【0024】
なお、各容量の一方の電極は出力端子に共通に接続され、他方の電極は対応ビットの第1及び第2のスイッチと接続されている。
ここで、第1及び第2のスイッチは、対応ビットの論理値に応じていずれか一方が閉制御される。従って、出力端子には、データ値に応じて第1及び第2の基準電位を内分した電位が出現する。
【0025】
図6に、入力データが4ビット(D0〜D3)で与えられる場合について、入力データと出力電圧Voutとの対応関係を示す。なお図中上段は、入力データと出力電圧Vout との対応式であり、図中下段は具体的な入力データ値と出力電圧Vout との関係を表している。
【0026】
図7は、入力データの全16値(0000)〜(1111)と出力電圧Vout
との関係を示している。図7に示すように、入出力関係は線形に変化することが分かる。
【0027】
(b)非線形動作時に求められる容量型D/A変換回路の構成
図8に、入出力特性が非線形となる容量型D/A変換回路の基本構成を示す。この容量型D/A変換回路は、2進加重された4個の容量21(第1の容量)と、対応ビットでそれぞれ開閉制御される第2のスイッチ25と、4個の容量21に対して直列に接続される容量27(第2の容量)とで構成される。
【0028】
図8では、容量27の容量値をCxで示す。この容量値Cxは、容量21の最小値C以上の値に設定される。
図9に、入力データが4ビット(D0〜D3)で与えられる場合について、入力データ値と出力電圧Voutとの対応関係を示す。
【0029】
なお図中上段は、入力データと出力電圧Vout との対応式であり、図中中段は、容量Cxを変数とする場合の入力データと出力電圧Vout との関係を表し、図中下段は、容量値Cxが4Cで与えられる場合における入力データと出力電圧Vout との関係を表している。
【0030】
図10は、容量27の容量値Cxが「2」の場合について、入力データの全16値(0000)〜(1111)と出力電圧Vout との関係を示している。図10に示すように、データ値が小さい範囲で入出力関係は大きく変化する。
また図11は、容量27の容量値Cxが「4」の場合について、入力データの全16値(0000)〜(1111)と出力電圧Vout との関係を示す。
【0031】
また図12は、容量27の容量値Cxが「8」の場合について、入力データの全16値(0000)〜(1111)と出力電圧Vout との関係を示す。
図10〜図12に示すように、容量値Cxの値が変われば、入出力関係も変化する。従って、目的や特性に応じて容量値Cxの値を選択すれば、目的とする入出力関係を実現できる。
【0032】
(c)提案する容量型D/A変換回路の形態例1
図13に、発明者が提案する特性切り替え機能付き容量型D/A変換回路の他の構成例を示す。図13には、図5及び図7との対応部分に同一符号を付して示す。
図13に示すように、提案する容量型D/A変換回路は、線形型のD/A変換回路と非線形型のD/A変換回路とを組み合わせた構造でなり、線形動作時か非線形動作時かに応じて接続関係を変化させる2つのスイッチを搭載する。
【0033】
スイッチの一つは、対応ビットの論理反転値で駆動される第1のスイッチ23に対して直列に接続される第1のモードスイッチ31である。図13の場合、モードスイッチ31には、N型の薄膜トランジスタを使用している。従って、モード切替信号が「Hレベル」であると、モードスイッチ31が閉制御され、第1のスイッチ23と第1の電位線Vn1とが電気的に接続される。
【0034】
また、モード切替信号が「Lレベル」であると、モードスイッチ31が開制御され、第1のスイッチ23と第1の電位線Vn1とは電気的に分離される。
他のスイッチの一つは、容量27に対して直列に接続される第2のモードスイッチ33である。
【0035】
図13の場合、第2のモードスイッチ33には、Pチャネル型の薄膜トランジスタを使用する。従って、第2のモードスイッチ33は、第1のモードスイッチ31とは逆に動作する。
【0036】
すなわち、モード切替信号が「Hレベル」の場合にはモードスイッチ33が開制御され、容量27の一方の電極と第1の電位線Vn1とが電気的に分離される。これにより、容量27の電極のうち出力端とは反対側の電極はフローティング状態に制御される。
【0037】
また、モード切替信号が「Lレベル」の場合にはモードスイッチ33が閉制御され、容量27と第1の電位線Vn1とが電気的に接続される。
以上のように、モード切替信号が「Hレベル」の場合には、図13に示す容量型D/A変換回路の接続状態が図5の接続と同じになり、モード切替信号が「Lレベル」の場合には、図13に示す容量型D/A変換回路の接続状態が図8の接続と同じになる。
【0038】
以上が図13に示す容量型D/A変換回路の基本構成である。ただし、図13には、これらの他にも幾つかの素子が描かれている。これらの素子は、容量型D/A変換回路の動作に必要な回路素子である。
【0039】
例えば非線形特性を発生するために接続された容量27と並列に第3の容量41が接続されている。この第3の容量41は、第1の容量21の最小値と同じ大きさのものが使用される。第3の容量41の一方の電極は出力端子に接続され、他方の電極は第1の電位線Vn1に接続されている。
【0040】
この容量41は、図13に示す容量型D/A変換回路を下位qビットを線形変換する場合に必要となる素子であり、その目的は隣接する基準電圧間での出力電圧の線形性の保証である。図14に、その効果を示す。
【0041】
図中の太線は第3の容量41を用いない場合の入出力関係であり、図中の細線は第3の容量41を図13のように配置する場合の入出力関係である。なお、図14では下位の基準電位が第1の電位線Vn1であり、上位の基準電位が第2の電位線Vn2で与えられるものとする。
【0042】
図14に示すように、図中太線の場合には、入力データの最小値「0000」は第1の電位線Vn1の電位に変換され、入力データの最大値「1111」は第2の電位線Vn2の電位に変換される。
【0043】
しかし、入力データの最小値と最大値を第1及び第2の電位線を通じて与えられる基準電位にそれぞれ変換すると、隣接する別の基準電位区間の境界で異なる入力データが同じ電位に変換されてしまう。
【0044】
すなわち、ある基準電位区間の入力データの最大値(例えば「1111」)と隣接する別の基準電位区間の入力データの最小値(例えば「0000」)とが同じ電圧に変換されてしまう。これでは、基準電位区間の接続部分で出力電圧の線形性が崩れてしまう。
【0045】
一方、図中細線に示すように第3の容量41を用いる場合には、ある基準電位区間の入力データの最大値(例えば「1111」)と隣接する別の基準電位区間の入力データの最小値(例えば「0000」)との間で線形性を維持することができる。
【0046】
この他、図13には、第1の容量21、第2の容量27、第3の容量41に蓄積された電荷をリセットするためのスイッチ43が、各容量と並列に接続される。これらのスイッチ43は、リセット信号Rstaが「Hレベル」のとき閉制御され、各容量の両極間を短絡するように動作する。勿論、変換動作中のリセット信号Rstaは「Lレベル」である。
【0047】
また、このリセット動作時には、第2のスイッチ25と第2の電位線Vn2との間に接続されたスイッチ45が開制御される。図13の場合、スイッチ45はNチャネル型の薄膜トランジスタで構成されるため、リセット動作時にはリセット信号Rstbが「Lレベル」に制御される。勿論、変換動作中のリセット信号Rstbは「Hレベル」に制御される。
【0048】
図15に、線形動作時(モード選択信号が「Hレベル」の場合)における図13の等価回路を示す。また、図16に、非線形動作時(モード選択信号が「Lレベル」の場合における図13の等価回路を示す。図16の場合、第2の容量は、容量27及び41を合成した容量値4Cに見えるので、変換特性は図11に示すものと同じになる。
【0049】
この図15及び図16に示すように、図13に示す容量型D/A変換回路の採用により、モード選択信号のレベル選択により、1つの回路を基準電圧区間別に線形特性のD/A変換回路又は非線形特性のD/A変換回路として動作させることができる。
【0050】
特に、この容量型D/A変換回路を上位pビットに対応して発生された第1及び第2の電位を基準電圧として動作する下位qビット用のD/A変換回路として使用する場合には、階調範囲別に変換特性を使い分けることができる。しかも、非線形特性は理想的な形状に制御できるため、線形変換領域から非線形変換領域への切り替わる部分で出力電圧の変化の連続性を高めることができる。
【0051】
(d)提案する容量型D/A変換回路の形態例2
図17に、発明者が提案する特性切り替え機能付き容量型D/A変換回路の他の構成例を示す。なお、図17には、形態例1に対応する図13との対応部分に同一符号を付して表すことにする。
【0052】
図17と図13を比較して分かるように、基本的な構成は形態例1と同じである。違いは、この形態例の場合、非線形動作時の特性カーブとして非線形特性1及び2の2種類が用意されており、いずれか一方を選択的に使用できることである。
このため、図17では、出力端子に対して容量27A(容量値=3C)と27B(容量値=5C)が接続されている。
【0053】
そして、容量27Aに対応して第2のモードスイッチ33A及び33Bが接続され、容量27Bには第2のモードスイッチ33Bのみが接続される。ただし、図17では、容量27Aに対して、モードスイッチ33A及び33Bを並列に接続する。このため、モードスイッチ33A及び33Bのいずれか一方が閉動作されれば容量27Aの一方の電極を第1の電位線Vn1に接続することができる。
【0054】
この形態例の場合、モードスイッチ33Aとモードスイッチ33Bの制御には、それぞれ異なる特性切替信号CONT1及び2を使用する。なお、図17では、これらモードスイッチ33A及び33BをPチャネル型の薄膜トランジスタで構成する。
【0055】
なお、図17に示す容量型D/A変換回路を線形動作させるとき、モードスイッチ33A及び33Bは同時に開制御される。すなわち、特性切替信号CONT1及び2は、共に「Hレベル」に制御される。この場合の等価回路を図18に示す。
【0056】
一方、図17に示す容量型D/A変換回路を非線形動作させる場合にあって、第2の容量の見かけ上の容量値Cxを9Cに制御するとき、モードスイッチ33Bが閉制御される。この場合の等価回路を図19に示す。
【0057】
これに対し、図17に示す容量型D/A変換回路を非線形動作させる場合にあって、第2の容量の見かけ上の容量値Cxを4Cに制御するとき、モードスイッチ33Aのみが閉制御され、モードスイッチ33Bは開状態に制御される。この場合の等価回路を図20に示す。
【0058】
参考までに、各制御内容と変換動作との対応関係を図21に示す。
以上のように、図17に示す容量型D/A変換回路を採用すれば、1つの回路を線形特性のD/A変換回路としても、非線形特性のD/A変換回路としても動作させることができる。
【0059】
しかも、図17に示す容量型D/A変換回路の場合には、非線形動作時の変換特性を切り換えることができる。従って、非線形特性をより望ましい特性に最適化することができる。
【0060】
また、この形態例の場合も、図17に示す容量型D/A変換回路を下位ビットのD/A変換に使用する場合には、入力データの範囲別に変換特性を使い分けることができる。しかも、変換特性が線形の範囲から非線形の範囲に切り替わる境界部分での連続性を高めることができる。
【0061】
なお図17では、特性切替信号CONT1で第2のモードスイッチ33A及び33Bの2つを同時に制御しているが、1つの特性切替信号で1つのモードスイッチのみを切替制御しても良い。
【0062】
(e)D/A変換回路13の形態例
以下、前述した容量型D/A変換回路の応用例であるD/A変換回路13について説明する。
図22に、提案するD/A変換回路13の機能ブロック構成を示す。なお、D/A変換回路13は、上位ビットのD/A変換に抵抗型D/A変換回路を使用し、下位ビットのD/A変換に(c)項又は(d)項で説明した容量型D/A変換回路を使用する。
【0063】
このため、D/A変換回路13は、第1ラッチ部51、第2ラッチ部53、基準電圧源55、抵抗型D/A変換回路57(図では、「R−DAC」で示す。)、非線形/線形検出回路59、容量型D/A変換回路61(図では、「C−DAC」で示す。)、アナログバッファ部63、セレクタ65で構成する。
【0064】
以下、各機能ブロックに求められる構成を説明する。
第1ラッチ部51は、入力データを一時的に格納する記憶領域である。この形態例では8ビットデータを想定する。なお、ビット値は、最低位ビットから最高位ビットへ順番に、D0、D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7で与えられる。
【0065】
第2ラッチ部53は、中間階調値より上位側のデータ値が入力された場合に下位4ビット分のビット値D0、D1、D2、D3を反転して出力するための記憶領域である。ここで、上位側のデータ値の入力時に下位4ビット分のビット値を反転するのは、上位側のデータ値の下位4ビットを非線形変換する場合と下位側のデータ値の下位4ビットを非線形変換する場合とで変換カーブの極性を逆転するためである。
【0066】
例えば図23に示すように、容量型D/A変換回路61の非線形特性を入力データ値の大小関係に対して反転させるためである。なお、このD/A変換回路13が理想とする入出力特性は図2であるので、後述するように、抵抗型D/A変換回路57において第1の電位線と第2の電位線に出力する電圧の大小関係を上位データと下位データとで反転する仕組みも採用する。
【0067】
図24に、第2ラッチ部53に対応する回路構成例を示す。第2ラッチ部53は、まずラッチ段71にて各ビット値を保持する。この際、インバータ回路においてビット値の論理レベルが反転されるので、ラッチ段71の出力端には、インバータ回路が配置される。これにより、ラッチ段71の出力が論理反転されて出力される。結果的に、入力時と同じ論理値のビット値D0〜D7が得られる。
【0068】
なお、上位4ビットD4〜D7については、入力時の論理値がそのまま後段に出力される。一方、下位4ビットD0〜D3については、最上位ビットが「Hレベル」か「Lレベル」かによって論理値が入れ替わる。例えば最上位ビットが「Hレベル」であった場合、下位4ビットD0〜D3の論理反転値(すなわち、/D0、/D1、/D2、/D7)が出力される。
【0069】
一方、最上位ビットが「Lレベル」であった場合、下位4ビットD0〜D3がそのまま出力される。このための回路が下位4ビットD0〜D3の出力段に配置される出力スイッチ73と切替制御部75である。
なお、第2ラッチ部53の出力のうち上位4ビットD4〜D7は抵抗型D/A変換回路57と非線形/線形検出回路59に出力され、下位4ビットD0〜D3は容量型D/A変換回路に直接出力される。
【0070】
抵抗型D/A変換回路57は、基準電圧源55から供給される基準電圧V0〜V16に基づいて、上位4ビットに対応する電圧範囲の上限電圧と下限電圧とを発生するのに用いられる。
図25に、抵抗型D/A変換回路57の回路構成を示す。図25に示すように、上位4ビットD4〜D7で構成されるデータ値に応じて2つの電位が選択されるゲート構成を採用する。
【0071】
なお、この形態例の場合、上位4ビットで与えられるデータ値の中間値より小さい範囲では、第1の電位線Vn1の電位の方が第2の電位線Vn2の電位より大きくなるように各ゲートが配線されている。
【0072】
一方、上位4ビットで与えられるデータ値の中間値より大きい範囲では、第2の電位線に出力される電位Vn2の方が第1の電位線に出力される電位Vn1より大きくなるように各ゲートが配線されている。
【0073】
図26に、上位4ビットに対応する抵抗型D/A変換回路57によって発生される出力電位とその変換特性を示す。
非線形/線形検出回路59は、下位4ビットに対応する容量型D/A変換回路61(図13又は図17)の動作モードを、上位4ビットで与えられるデータ値に基づいて決定する回路デバイスである。
【0074】
この形態例の場合、上位4ビットで与えられるデータ値の最大値「1111」と最小値「0000」が非線形動作領域として設定されており、その他の中間値は線形動作領域として設定されている。
【0075】
図27及び図28に、この設定に対応する非線形/線形検出回路59の回路構成例を示す。図27は、容量型D/A変換回路61が図13に示す回路構成の場合に用いる回路例に対応する。一方、図28は、容量型D/A変換回路61が図17に示す回路構成の場合に用いる回路例に対応する。
【0076】
いずれの場合も、上位4ビットで与えられるデータ値が「1111」と「0000」の場合にモード切替信号は「Lレベル」となり、上位4ビットで与えられるデータ値がそれ以外の場合にはモード切替信号が「Hレベル」になる。
【0077】
なお、上位4ビットで与えられるデータ値が「0000」の場合、特性切替信号CONT1は「Hレベル」、特性切替信号CONT2は「Lレベル」になる。この場合、容量型D/A変換回路61は、図19に示す等価回路にて動作する。
【0078】
一方、上位4ビットで与えられるデータ値が「1111」の場合、特性切替信号CONT1は「Lレベル」、特性切替信号CONT2は「Hレベル」になる。この場合、容量型D/A変換回路61は、図20に示す等価回路にて動作する。
【0079】
これにより上位4ビットで与えられるデータ値の最大値に適用する非線形特性と上位4ビットで与えられるデータ値の最小値に適用する非線形特性とで変換カーブを切り換えることができる。
勿論、第1の電位線と第2の電位線の電位は逆転しているので変換カーブの凸方向は反転する。
【0080】
なお、この形態例の場合、容量型D/A変換回路61の出力段にはアナログバッファ部63が配置される。これは、容量型D/A変換回路61の出力段の負荷が容量型D/A変換回路61から見えて変換特性が影響を受けるのを防ぐためである。
【0081】
また、セレクタ65は、生成されたアナログ電圧の出力先が複数ある場合の選択用である。従って、セレクタ65を配置するか否かは適用する回路構成に依存する。
【0082】
(A−3)効果
以上のように、線形動作と非線形動作の両方が可能な図13又は図17に示す回路構成の容量型D/A変換回路61を下位4ビットのD/A変換に適用することにより、黒階調と白階調については出力電圧が非線形の特性を持つように入力データをD/A変換でき、中間階調については出力電圧が線形の特性を持つように入力データをD/A変換できるD/A変換回路13を実現できる。
【0083】
結果的に、入力データの階調情報を理想的な変換特性に従って電圧値に変換することができる。これにより、表示パネル上での黒付近や白付近の階調表現を理想的な状態に近づけることができる。すなわち、表示品質を高めることができる。
【0084】
また、この形態例で説明したD/A変換回路13の場合には、非線形特性の表現に必要なビット数の増加が少なく済む。従って、ガラス基板上に形成する信号線ドライバ7(すなわち、D/A変換回路13)の回路面積を従来回路に比べて小さくすることができる。
【0085】
このことは、表示パネルの面積を従来パネルに比べて小さくできることを意味する。
この結果、1枚のマザー基板から切り出すことができる表示パネルの枚数を増やすことができ、コスト競争力を高めることができる。
【0086】
(B)他の形態例
(B−1)D/A変換回路の他の構成例
前述の形態例の説明では、特性切替機能付き容量型D/A変換回路を4ビットデータのD/A変換処理に用いる場合について説明した。しかし、言うまでもなく、処理ビット長はこれに限らない。
【0087】
また、前述の形態例の説明では、特性切替機能付き容量型D/A変換回路を抵抗型D/A変換回路と組み合わせて用いる場合について説明した。しかし、この容量型D/A変換回路を単独でD/A変換回路を構成しても良い。
【0088】
また、前述の形態例の説明では、D/A変換回路13をシステムパネルの信号線ドライバ7に適用する場合について説明した。すなわち、D/A変換回路を含む信号線ドライバ7をパネル基板上に表示領域と同じプロセスで形成する場合について説明した。しかし、信号線ドライバは独立した集積回路デバイスとして製造しても良い。この場合、当該集積回路デバイスを表示パネル上に実装することになる。
【0089】
(B−2)ディスプレイパネルの種類
前述の形態例で説明したD/A変換回路13は、有機ELパネル、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイその他の自発光型ディスプレイパネルだけでなく、液晶パネルディスプレイその他の駆動回路にも適用できる。
【0090】
(B−3)その他電子機器への搭載例
前述の構造のD/A変換回路(図22)や特性切替機能付き容量型D/A変換回路(図13、図17)は、ディスプレイパネル以外の電子機器にも搭載することができる。例えばディスプレイパネルを搭載しない電子機器にも搭載できる。
【0091】
なお、いずれの電子機器の場合にも、システム全体の動作を制御するシステム制御部と、システム制御部に対する操作入力を受け付ける操作入力部とは搭載される。なお、操作入力部は、電子機器に搭載するインターフェースに応じて様々な形態が考えられる。以下、幾つかの電子機器を例示する。
【0092】
図29に、テレビジョン受像機81の外観例を示す。テレビジョン受像機81は、フロントパネル83の正面にディスプレイパネル85を配置した構造を有している。テレビジョン受像機81の筐体内には、チューナーや通信器に加え、前述したD/A変換回路が搭載される。
【0093】
図30に、デジタルカメラ91の外観例を示す。なお、図30(A)はデジタルカメラの正面側(被写体側)外観例であり、図30(B)はデジタルカメラの背面側(撮影者側)外観例である。
【0094】
デジタルカメラ91は、保護カバー93、撮像レンズ部95、ディスプレイパネ97、コントロールスイッチ99、シャッターボタン101その他を筐体に配置した構造を有している。デジタルカメラ91の筐体内には、電気信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換回路や記憶媒体その他が搭載される。なお、図30の場合、D/A変換回路はディスプレイパネ97の構成部品として搭載される。
【0095】
図31に、ビデオカメラ111の外観例を示す。ビデオカメラ111は、本体113の前方に被写体を撮像する撮像レンズ115を配置し、本体113の背面に撮影スタート/ストップスイッチ117を配置し、本体113の側面にディスプレイパネル119を配置した構造を有している。
【0096】
このビデオカメラ111の筐体内にも、電気信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換回路や記憶媒体その他が搭載される。なお、図31の場合、D/A変換回路はディスプレイパネ97の構成部品として搭載される。
【0097】
図32に、携帯電話機121の外観例を示す。図32に示す携帯電話機121は折りたたみ式であり、図32(A)が筐体を開いた状態の外観例であり、図32(B)が筐体を折りたたんだ状態の外観例である。
【0098】
携帯電話機121は、上側筐体123、下側筐体125、連結部(この例ではヒンジ部)127、主ディスプレイパネル129、補助ディスプレイパネル131、ピクチャーライト133、撮像レンズ135を筐体表面に配置した構造を有している。
【0099】
この携帯電話機121の筐体内には、電気信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換回路や記憶媒体その他が搭載される。また、D/A変換回路は音声データをスピーカの駆動信号に変換するための部品として搭載される。
【0100】
図33に、コンピュータ141の外観例を示す。コンピュータ141は、下型筐体143、上側筐体145、キーボード147及びディスプレイパネル149で構成される。このコンピュータ141の筐体内にも、D/A変換回路は音声データをスピーカの駆動信号に変換するための部品やディスプレイパネ149の構成部品として搭載される。
【0101】
これらの他、D/A変換回路は、オーディオ再生装置、ゲーム機、電子ブック、電子辞書その他の電子機器にも搭載される。
【0102】
(B−4)その他
前述したD/A変換回路には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。例えば本明細書の記載に基づいて創作される又は組み合わせられる各種の変形例及び応用例も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】全階調を線形補間する場合の入出力特性を示す図である。
【図2】最高位ビットと最低位ビットを非線形補間する場合の理想的な入出力特性例を示す図である。
【図3】図1に示す特性と図2に示す特性との相違を説明する図である。
【図4】ディスプレイパネルの平面構成例を示す図である。
【図5】入出力特性が線形となる容量型D/A変換回路の基本構成例を示す図である。
【図6】入力データが4ビットの場合の入出力関係を説明する図である。
【図7】図5に示すD/A変換回路の入出力特性を示す図である。
【図8】入出力特性が非線形となる容量型D/A変換回路の基本構成例を示す図である。
【図9】入力データが4ビットの場合の入出力関係を説明する図である。
【図10】図8に示すD/A変換回路の入出力特性を示す図である(Cx=2の場合)。
【図11】図8に示すD/A変換回路の入出力特性を示す図である(Cx=4の場合)。
【図12】図8に示すD/A変換回路の入出力特性を示す図である(Cx=8の場合)。
【図13】特性切替機能付きD/A変換回路の構成例を示す図である。
【図14】補間電圧範囲間の直線性の改善技術を説明する図である。
【図15】図13に示すD/A変換回路が線形変換動作する場合の等価回路を示す図である。
【図16】図13に示すD/A変換回路が非線形変換動作する場合の等価回路を示す図である。
【図17】特性切替機能付きD/A変換回路の他の構成例を示す図である。
【図18】図17に示すD/A変換回路が線形変換動作する場合の等価回路を示す図である。
【図19】図17に示すD/A変換回路が第1の非線形変換特性で動作する場合の等価回路を示す図である。
【図20】図17に示すD/A変換回路が第2の非線形変換特性で動作する場合の等価回路を示す図である。
【図21】各制御内容と変換動作との対応関係を示す図表である。
【図22】複合型D/A変換回路の構成例を示す図である。
【図23】第2ラッチ部によるビット値の反転駆動の技術的な効果を説明する図である。
【図24】第2ラッチ部の内部構成例を示す図である。
【図25】抵抗型D/A変換回路の内部構成例を示す図である。
【図26】抵抗型D/A変換回路による上位ビットの変換出力例を示す図である。
【図27】非線形/線形検出回路の構成例を示す図である。
【図28】非線形/線形検出回路の構成例を示す図である。
【図29】電子機器の商品例を示す図である。
【図30】電子機器の商品例を示す図である。
【図31】電子機器の商品例を示す図である。
【図32】電子機器の商品例を示す図である。
【図33】電子機器の商品例を示す図である。
【符号の説明】
【0104】
1 ディスプレイパネル
7 信号線ドライバ
13 D/A回路
51 第1ラッチ部
53 第2ラッチ部
55 基準電圧源
57 抵抗型D/A変換回路
59 非線形/線形検出回路
61 容量型D/A変換回路
63 アナログバッファ部
65 セレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位側pビットに対応する第1及び第2の電位をそれぞれ、第1の電位線と第2の電位線に出力する抵抗型ディジタル・アナログ変換回路と、
下位側qビットに応じて重み付けの異なる複数個の第1の容量と、下位側qビットの論理反転データ値に応じて、前記第1の電位線と前記第1の容量との接続を切り替え制御する第1のスイッチ素子と、下位側qビットのデータ値に応じて、前記第2の電位線と前記第1の容量との接続を切り替え制御する第2のスイッチ素子と、前記第1のスイッチ素子と直列に接続され、線形動作時には閉動作する一方で非線形動作時には開動作する第1のモードスイッチ素子と、複数個の前記第1の容量に充電された電位の総電位を出力する出力端子と、前記出力端子と一方の電極において接続され、前記第1の容量の最小値以上の容量値を有する第2の容量と、非線形動作時には前記第2の容量を構成する2つの電極のうち出力端子とは反対側の電極を前記第1の電位線に接続し、線形動作時には前記反対側の電極を前記第1の電位線から切り離す第2のモードスイッチ素子とを有する特性切り替え機能付き容量型ディジタル・アナログ変換回路と
を有することを特徴とする複合型ディジタル・アナログ変換回路。
【請求項2】
請求項1に記載の複合型ディジタル・アナログ変換回路において、
ディジタルデータとアナログデータとの対応関係が線形となる領域においては、前記容量型のディジタル・アナログ変換回路が選択的に線形特性で駆動され、
ディジタルデータとアナログデータとの対応関係が非線形の領域においては、前記容量型のディジタル・アナログ変換回路が選択的に非線形特性で駆動される
ことを特徴とする複合型ディジタル・アナログ変換回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の複合型ディジタル・アナログ変換回路は、
上位ビットに基づいて線形動作領域と非線形動作領域を判定し、判定結果に応じて第1及び第2のモードスイッチ素子を切り替え制御する
ことを特徴とする複合型ディジタル・アナログ変換回路。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の複合型ディジタル・アナログ変換回路において、
前記抵抗型のディジタル・アナログ変換回路は、事前に設定されたデータ値を境に、前記第1及び第2の電位線に出力する電位の上下関係を入れ替える
ことを特徴とする複合型ディジタル・アナログ変換回路。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の複合型ディジタル・アナログ変換回路において、
前記出力端子は、アナログバッファ回路の入力端子に接続される
ことを特徴とする複合型ディジタル・アナログ変換回路。
【請求項6】
対応ビットに応じて重み付けの異なる複数個の第1の容量と、
対応ビットの論理反転データ値に応じて、第1の電位線と前記第1の容量との接続を切り替え制御する第1のスイッチ素子と、
対応ビットのデータ値に応じて、第2の電位線と前記第1の容量との接続を切り替え制御する第2のスイッチ素子と、
前記第1のスイッチ素子と直列に接続され、線形動作時には閉動作する一方で非線形動作時には開動作する第1のモードスイッチ素子と、
複数個の前記第1の容量に充電された電位の総電位を出力する出力端子と、
前記出力端子と一方の電極において接続され、前記第1の容量の最小値以上の容量値を有する第2の容量と、
非線形動作時には前記第2の容量を構成する2つの電極のうち出力端子とは反対側の電極を前記第1の電位線に接続し、線形動作時には前記反対側の電極を前記第1の電位線から切り離す第2のモードスイッチ素子と
を有することを特徴とする特性切り替え機能付き容量型ディジタル・アナログ変換回路。
【請求項7】
請求項6に記載の特性切り替え機能付き容量型ディジタル・アナログ変換回路は、
前記第2の容量と、対応する第2のモードスイッチ素子を複数組有し、
非線形動作時には、選択されたいずれか1つの第2の容量が選択的に前記第1の電位線に接続される
ことを特徴とする特性切り替え機能付き容量型ディジタル・アナログ変換回路。
【請求項8】
上位側pビットに対応する第1及び第2の電位をそれぞれ、第1の電位線と第2の電位線に出力する抵抗型ディジタル・アナログ変換回路と、下位側qビットに応じて重み付けの異なる複数個の第1の容量と、下位側qビットの論理反転データ値に応じて、前記第1の電位線と前記第1の容量との接続を切り替え制御する第1のスイッチ素子と、下位側qビットのデータ値に応じて、前記第2の電位線と前記第1の容量との接続を切り替え制御する第2のスイッチ素子と、前記第1のスイッチ素子と直列に接続され、線形動作時には閉動作する一方で非線形動作時には開動作する第1のモードスイッチ素子と、複数個の前記第1の容量に充電された電位の総電位を出力する出力端子と、前記出力端子と一方の電極において接続され、前記第1の容量の最小値以上の容量値を有する第2の容量と、非線形動作時には前記第2の容量を構成する2つの電極のうち出力端子とは反対側の電極を前記第1の電位線に接続し、線形動作時には前記反対側の電極を前記第1の電位線から切り離す第2のモードスイッチ素子とを有する特性切り替え機能付き容量型ディジタル・アナログ変換回路とで構成される複合型ディジタル・アナログ変換回路と、
前記複合型ディジタル・アナログ変換回路から出力されるアナログデータで駆動される表示領域と、
前記表示領域に駆動動作タイミングを与えるタイミングコントローラと
をパネル基板上に有することを特徴とする表示パネルモジュール。
【請求項9】
対応ビットに応じて重み付けの異なる複数個の第1の容量と、対応ビットの論理反転データ値に応じて、第1の電位線と前記第1の容量との接続を切り替え制御する第1のスイッチ素子と、対応ビットのデータ値に応じて、第2の電位線と前記第1の容量との接続を切り替え制御する第2のスイッチ素子と、前記第1のスイッチ素子と直列に接続され、線形動作時には閉動作する一方で非線形動作時には開動作する第1のモードスイッチ素子と、複数個の前記第1の容量に充電された電位の総電位を出力する出力端子と、前記出力端子と一方の電極において接続され、前記第1の容量の最小値以上の容量値を有する第2の容量と、非線形動作時には前記第2の容量を構成する2つの電極のうち出力端子とは反対側の電極を前記第1の電位線に接続し、線形動作時には前記反対側の電極を前記第1の電位線から切り離す第2のモードスイッチ素子とを有する特性切り替え機能付き容量型ディジタル・アナログ変換回路と、
前記特性切り替え機能付き容量型ディジタル・アナログ変換回路から出力されるアナログデータで駆動される表示領域と、
前記表示領域に駆動動作タイミングを与えるタイミングコントローラと
をパネル基板上に有することを特徴とする表示パネルモジュール。
【請求項10】
上位側pビットに対応する第1及び第2の電位をそれぞれ、第1の電位線と第2の電位線に出力する抵抗型ディジタル・アナログ変換回路と、下位側qビットに応じて重み付けの異なる複数個の第1の容量と、下位側qビットの論理反転データ値に応じて、前記第1の電位線と前記第1の容量との接続を切り替え制御する第1のスイッチ素子と、下位側qビットのデータ値に応じて、前記第2の電位線と前記第1の容量との接続を切り替え制御する第2のスイッチ素子と、前記第1のスイッチ素子と直列に接続され、線形動作時には閉動作する一方で非線形動作時には開動作する第1のモードスイッチ素子と、複数個の前記第1の容量に充電された電位の総電位を出力する出力端子と、前記出力端子と一方の電極において接続され、前記第1の容量の最小値以上の容量値を有する第2の容量と、非線形動作時には前記第2の容量を構成する2つの電極のうち出力端子とは反対側の電極を前記第1の電位線に接続し、線形動作時には前記反対側の電極を前記第1の電位線から切り離す第2のモードスイッチ素子とを有する特性切り替え機能付き容量型ディジタル・アナログ変換回路とで構成される複合型ディジタル・アナログ変換回路と、
前記特性切り替え機能付き容量型ディジタル・アナログ変換回路からアナログデータを入力するアナログデバイスと、
システム全体の動作を制御するシステム制御部と、
前記システム制御部に対する操作入力を受け付ける操作入力部と
を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2009−100152(P2009−100152A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268662(P2007−268662)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】