説明

宿主細胞中での糖鎖付加タンパク質の産生のための新規ツール

本発明は、真核生物における糖タンパク質産生およびタンパク質糖鎖工学、具体的には、酵母などの下等真核生物におけるヒト様複合またはハイブリッド糖鎖付加タンパク質の産生を改善する。本発明は、免疫グロブリンおよび他の治療用タンパク質として有用な糖鎖最適化タンパク質を産生することができる糖鎖改変真核宿主細胞を提供し、ヒト細胞中で産生される糖タンパク質と同様のグリカン構造を有する糖タンパク質を産生することができる細胞を提供する。本発明はさらに、ヒト様グリカン構造を有するタンパク質およびこれらの細胞により産生可能なその新規組成物を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞内器官の細胞質側から内腔側に、1個のマンノース残基を含む脂質結合オリゴ糖(LLO)を効率的にフリップすることができる、2個のマンノース残基を含むLLOを効率的にフリップすることができる、および3個のマンノース残基を含むLLOを効率的にフリップすることができるLLOフリッパーゼ活性を発現するように改変された細胞。
【請求項2】
前記LLOフリッパーゼが、Man1GlcNAc2、Man2GlcNAc2、およびMan3GlcNAc2からなる群より選択される脂質結合オリゴ糖のフリップにおいて活性であることを特徴とする、請求項1に記載の細胞。
【請求項3】
前記LLOフリッパーゼ活性が、
a)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15および配列番号17、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、および配列番号29のうちの1個以上の配列を含む核酸分子;
b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16および配列番号18、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、および配列番号30のうちの1個以上の配列を含むポリアミノ酸をコードする核酸分子;ならびに
c)a)またはb)の核酸分子の断片、変異体、類似体または誘導体、
からなる群より選択される1個以上の核酸分子の発現により付与される、請求項1または2に記載の細胞。
【請求項4】
細胞内器官が小胞体(ER)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項5】
前記細胞が異種(糖)タンパク質をコードする少なくとも1種の核酸を含み、その(糖)タンパク質を発現することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項6】
前記細胞がRft1型LLOフリッパーゼ活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことを特徴とし、Rft1型LLOフリッパーゼ活性が、1〜3個のマンノース残基を有する脂質結合オリゴ糖をフリップするその活性が5個のマンノース残基を有する脂質結合オリゴ糖をフリップするその活性よりも低いことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項7】
前記細胞が遺伝子rft1またはrft1相同体のノックアウト突然変異体である、請求項6に記載の細胞。
【請求項8】
前記細胞が、1種以上のER局在性グリコシルトランスフェラーゼ活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項9】
ER局在性グリコシルトランスフェラーゼがマンノシルトランスフェラーゼであることを特徴とする、請求項8に記載の細胞。
【請求項10】
前記細胞が、1種以上のER局在性脂質結合単糖(LLM)フリッパーゼ活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項11】
前記細胞が、Alg11型活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項12】
前記細胞が遺伝子alg11またはalg11相同体のノックアウト突然変異体である、請求項11に記載の細胞。
【請求項13】
前記細胞が、Alg11型活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇し、1種以上の脂質結合単糖(LLM)フリッパーゼ型活性をさらに欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項14】
前記細胞が、遺伝子alg11もしくはalg11相同体および脂質結合単糖(LLM)フリッパーゼ活性をコードする1個以上の遺伝子のノックアウト突然変異体である、請求項13に記載の細胞。
【請求項15】
前記細胞が、Alg11型活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇し、Alg3型活性をさらに欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項16】
前記細胞が遺伝子alg11またはalg11相同体およびalg3またはalg3相同体のノックアウト突然変異体である、請求項16に記載の細胞。
【請求項17】
前記細胞が、Alg11型活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇し、β-D-マンノシルトランスフェラーゼもしくはDPM1型活性をさらに欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項18】
前記細胞が、遺伝子alg11またはalg11相同体およびdpm1またはdpm1相同体のノックアウト突然変異体である、請求項17に記載の細胞。
【請求項19】
前記細胞が、Alg2型活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項20】
前記細胞がalg2またはalg2相同体のノックアウト突然変異体である、請求項19に記載の細胞。
【請求項21】
前記細胞が、オリゴサッカリルトランスフェラーゼ活性をコードする1種以上の核酸分子を含むことを特徴とし、それがGlc3Man9GlcNAc2以外のオリゴ糖をタンパク質に転移させることができることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項22】
オリゴサッカリルトランスフェラーゼ活性が、原生動物オリゴサッカリルトランスフェラーゼ(POT)活性であることを特徴とする、請求項21に記載の細胞。
【請求項23】
原生動物オリゴサッカリルトランスフェラーゼ活性が、トキソプラズマ・ゴンジ(Toxoplasma gondii) (Tg)、リーシュマニア・メジャー(Leishmania major) (Lm)、リーシュマニア・インファンタム(Leishmania infantum) (Li)、リーシュマニア・ブラジリエンシス(Leishmania braziliensis) (Lb)、リーシュマニア・メキシカーナ(Leishmania Mexicana) (Lmx)、リーシュマニア・ドノバニ(Leishmania donovani) (Ld)、リーシュマニア・グヤネンシス(Leishmania guyanensis) (Lg)、リーシュマニア・トロピカ(Leishmania tropica) (Lt)、トリパノソーマ・クルージ(Trypanosoma cruzi) (Tc)、またはトリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei) (Tb)に由来することを特徴とする、請求項22に記載の細胞。
【請求項24】
原生動物オリゴサッカリルトランスフェラーゼ活性が、TbStt3Bp型活性、TbStt3Cp型活性、LmStt3Ap型活性、LmStt3Bp型活性、およびLmStt3Dp型活性からなる群より選択されることを特徴とする、請求項23に記載の細胞。
【請求項25】
原生動物オリゴサッカリルトランスフェラーゼ活性が、TbStt3B型活性、TbStt3C型活性、LmStt3A型活性、LmStt3B型活性、LmStt3C型活性、およびLmStt3D型活性、LiStt3-1型活性、LiStt3-2型活性、およびLiStt3-3型活性、LbStt3-1型活性、LbStt3-2型活性、およびLbStt3-3型活性からなる群より選択されることを特徴とする、請求項23に記載の細胞。
【請求項26】
3個のマンノース残基、4個のマンノース残基および/または5個のマンノース残基を含むオリゴ糖をタンパク質に効率的に転移させることができるオリゴサッカリルトランスフェラーゼ活性を発現するように改変された細胞。
【請求項27】
オリゴサッカリルトランスフェラーゼ活性が、1ユニットの原生動物型オリゴサッカリルトランスフェラーゼ(POT)であることを特徴とする、請求項26に記載の細胞。
【請求項28】
原生動物オリゴサッカリルトランスフェラーゼ活性が、トキソプラズマ・ゴンジ(Toxoplasma gondii) (Tg)、リーシュマニア・メジャー(Leishmania major) (Lm)、リーシュマニア・インファンタム(Leishmania infantum) (Li)、リーシュマニア・ブラジリエンシス(Leishmania braziliensis) (Lb)、リーシュマニア・メキシカーナ(Leishmania mexicana) (Lmx)、リーシュマニア・ドノバニ(Leishmania donovani) (Ld)、リーシュマニア・グヤネンシス(Leishmania guyanensis) (Lg)、リーシュマニア・トロピカ(Leishmania tropica) (Lt)、トリパノソーマ・クルージ(Trypanosoma cruzi) (Tc)、またはトリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei) (Tb)に由来することを特徴とする、請求項27に記載の細胞。
【請求項29】
原生動物オリゴサッカリルトランスフェラーゼ活性が、TbStt3Bp型活性、TbStt3Cp型活性、LmStt3Ap型活性、LmStt3Bp型活性、およびLmStt3Dp型活性からなる群より選択されることを特徴とする、請求項28に記載の細胞。
【請求項30】
原生動物オリゴサッカリルトランスフェラーゼ活性が、TbStt3B型活性、TbStt3C型活性、LmStt3A型活性、LmStt3B型活性、LmStt3C型活性、およびLmStt3D型活性、LiStt3-1型活性、LiStt3-2型活性、およびLiStt3-3型活性、LbStt3-1型活性、LbStt3-2型活性、およびLbStt3-3型活性からなる群より選択されることを特徴とする、請求項28に記載の細胞。
【請求項31】
前記細胞が1種以上のER局在性グリコシルトランスフェラーゼ活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことをさらに特徴とする、請求項26〜30のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項32】
ER局在性グリコシルトランスフェラーゼがマンノシルトランスフェラーゼであることを特徴とする、請求項31に記載の細胞。
【請求項33】
前記細胞が1種以上のER局在性脂質結合単糖(LLM)フリッパーゼ活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことをさらに特徴とする、請求項26〜32のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項34】
前記細胞がAlg11型活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことをさらに特徴とする、請求項26〜33のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項35】
前記細胞が遺伝子alg11またはalg11相同体のノックアウト突然変異体である、請求項34に記載の細胞。
【請求項36】
前記細胞がAlg11型活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇し、1種以上の脂質結合単糖(LLM)フリッパーゼ型活性をさらに欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことをさらに特徴とする、請求項26〜35のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項37】
前記細胞が遺伝子alg11またはalg11相同体および脂質結合単糖(LLM)フリッパーゼ活性をコードする1個以上の遺伝子のノックアウト突然変異体である、請求項36に記載の細胞。
【請求項38】
前記細胞がAlg11型活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇し、Alg3型活性をさらに欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことをさらに特徴とする、請求項26〜37のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項39】
前記細胞が遺伝子alg11またはalg11相同体およびalg3またはalg3相同体のノックアウト突然変異体である、請求項38に記載の細胞。
【請求項40】
前記細胞がAlg11型活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇し、β-D-マンノシルトランスフェラーゼもしくはDPM1型活性をさらに欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことをさらに特徴とする、請求項26〜39のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項41】
前記細胞が遺伝子alg11またはalg11相同体およびdpm1またはdpm1相同体のノックアウト突然変異体である、請求項40に記載の細胞。
【請求項42】
前記細胞がRft1型LLOフリッパーゼ活性を示すことをさらに特徴とする、請求項26〜41のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項43】
野生型細胞と比較してRft1型活性を過剰発現する、請求項42に記載の細胞。
【請求項44】
前記細胞が1種以上のゴルジ体局在性マンノシルトランスフェラーゼ活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことを特徴とする、請求項1〜43のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項45】
ゴルジ体局在性マンノシルトランスフェラーゼ活性が、Och1型活性、Mnn1型活性、Mnn2型活性、Mnn4型活性、Mnn5型活性、Mnn9型活性、Mnn10型活性、およびMnn11型活性からなる群より選択されることを特徴とする、請求項44に記載の細胞。
【請求項46】
前記細胞がoch1、mnn1、mnn2、mnn4、mnn5、mnn9、mnn10、mnn11、およびその相同体からなる群より選択される少なくとも1個の遺伝子のノックアウト突然変異体である、請求項45に記載の細胞。
【請求項47】
前記細胞がMnn1型活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことを特徴とする、請求項44に記載の細胞。
【請求項48】
前記細胞が、遺伝子mnn1および/またはmnn1相同体のノックアウト突然変異体である、請求項47に記載の細胞。
【請求項49】
前記細胞がOch1型活性を欠くか、またはそれが抑制され、減少するか、もしくは枯渇したことを特徴とする、請求項44に記載の細胞。
【請求項50】
前記細胞が遺伝子och1またはoch1相同体のノックアウト突然変異体である、請求項49に記載の細胞。
【請求項51】
前記細胞が、
マンノシル(α-1,3-)-糖タンパク質β-1,2-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(GnTI);
マンノシル(α-1,6-)-糖タンパク質β-1,2-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(GnTII);
β-1,4-マンノシル-糖タンパク質4-β-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(GnTIII);
マンノシル(α-1,3-)-糖タンパク質β-1,4-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(GnTIV);
マンノシル(α-1,6-)-糖タンパク質β-1,6-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(GnTV);
マンノシル(α-1,6-)-糖タンパク質β-1,4-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(GnTVI);
β-N-アセチルグルコサミニルグリコペプチドβ-1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼ(GalT);
α(1,6)フコシルトランスフェラーゼ(FucT);
β-ガラクトシドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ(ST);
UDP-N-アセチルグルコサミン2-エピメラーゼ(NeuC);
シアル酸シンターゼ(NeuB);
CMP-Neu5Acシンテターゼ;
N-アシルノイラミン酸-9-リン酸シンターゼ;
N-アシルノイラミン酸-9-ホスファターゼ;
UDP-N-アセチルグルコサミン輸送因子;
UDP-ガラクトース輸送因子;
GDP-フコース輸送因子;
CMP-シアル酸輸送因子;
ヌクレオチドジホスファターゼ;
GDP-D-マンノース4,6-デヒドラターゼ;および
GDP-4-ケト-6-デオキシ-D-マンノース-3,5-エピメラーゼ-4-リダクターゼ、
からなる群より選択される1種以上のゴルジ体局在性異種酵素またはその触媒ドメインを発現することを特徴とする、請求項1〜50のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項52】
前記細胞が、菌類細胞を含む下等真核細胞ならびに哺乳動物細胞および哺乳動物細胞系、植物細胞、および昆虫細胞を含む高等真核細胞から選択されることを特徴とする、請求項1〜51のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項53】
請求項1または2に記載のLLOフリッパーゼ活性をコードするか、またはそれを付与することができる単離された1又は複数の核酸分子。
【請求項54】
前記分子が請求項3に記載の1種以上の核酸分子から選択されることを特徴とする、請求項53に記載の核酸分子。
【請求項55】
プロモーターをコードする核酸分子およびターミネーターをコードする核酸分子の少なくとも1つと連結した1コピー以上の請求項53または54に記載の核酸分子の1つを含む、真核宿主細胞中での発現のための発現カセット。
【請求項56】
1コピー以上の請求項21〜25のいずれか1項に記載のオリゴサッカリルトランスフェラーゼ活性をコードする核酸分子をさらに含む、請求項55に記載の発現カセット。
【請求項57】
1コピー以上の請求項53もしくは54に記載の核酸分子の1つおよび/または1コピー以上の請求項55もしくは56に記載の発現カセットを含む、真核宿主細胞の形質転換のためのベクター。
【請求項58】
細胞内器官中でMan3GlcNAc2グリカン構造を有する脂質結合オリゴ糖を特異的に合成することができる細胞の作製方法であって、
該細胞を、
請求項53もしくは54に記載の核酸分子;
請求項55もしくは56に記載の発現カセット;および
請求項57に記載のベクター、
の群より選択されるLLOフリッパーゼ活性をコードする少なくとも1個の構築物または構造物で形質転換して、該細胞がその構築物または構造物によりコードされるLLOフリッパーゼ活性を発現することができるようにする工程を含む、前記方法。
【請求項59】
前記細胞が、前記構築物または構造物によりコードされるLLOフリッパーゼ活性およびオリゴサッカリルトランスフェラーゼ活性を発現することができるように、前記構築物または構造物が、さらにオリゴサッカリルトランスフェラーゼ活性をコードし、かつ
請求項56に記載の発現カセットおよび
1コピー以上の請求項57に記載の発現カセットを含むベクター
の群より選択される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
Alg2型活性;
Alg11型活性;
Alg3型活性;
DPM1型活性;および
脂質結合単糖(LLM)フリッパーゼ型活性、
から選択される少なくとも1種の酵素活性を前記細胞中で減少させるか、または枯渇させる工程をさらに含む、請求項58または59に記載の方法。
【請求項61】
細胞内器官中でMan1GlcNAc2、Man2GlcNAc2および/またはMan3GlcNAc2グリカン構造を有する脂質結合オリゴ糖を特異的に合成し、そのグリカン構造を、その細胞中で発現された新生タンパク質に転移させることができ、請求項58〜60のいずれか1項に記載の方法に従って作製可能であることを特徴とする、単離された1または複数の細胞。
【請求項62】
請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞を提供する工程;
前記細胞中での糖タンパク質または糖タンパク質組成物の産生を可能にする条件下、培養培地中で前記細胞を培養する工程;ならびに
必要に応じて、前記細胞および/または前記培養培地から糖タンパク質または糖タンパク質組成物を単離する工程、
を含む、糖タンパク質または糖タンパク質組成物の産生のための方法。
【請求項63】
請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞、および
糖タンパク質の産生を付与する細胞を培養するための培養培地
を含む、糖タンパク質または糖タンパク質組成物を産生するためのキット。
【請求項64】
GlcNAcMan3-5GlcNAc2構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項65】
請求項45に記載の細胞により産生された、GlcNAcMan3-5GlcNAc2グリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項66】
GlcNAc2Man3GlcNAc2構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項67】
請求項66に記載の細胞により産生された、GlcNAc2Man3GlcNAc2グリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項68】
GlcNAc3Man3GlcNAc2-バイセクティンググリカン構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項69】
請求項68に記載の細胞により産生された、GlcNAc3Man3GlcNAc2-バイセクティンググリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項70】
Gal2GlcNAc2Man3GlcNAc2グリカン構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項71】
請求項70に記載の細胞により産生された、Gal2GlcNAc2Man3GlcNAc2グリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項72】
請求項70に記載の1種以上の細胞により産生された、Gal2GlcNAc2Man3GlcNAc2またはGalGlcNAc2Man3GlcNAc2構造を有する糖タンパク質の組成物。
【請求項73】
Gal2GlcNAc2Man3GlcNAc2Fucグリカン構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項74】
請求項73に記載の細胞により産生された、Gal2GlcNAc2Man3GlcNAc2Fucグリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項75】
Gal2GlcNAc3Man3GlcNAc2-バイセクティンググリカン構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項76】
請求項75に記載の細胞により産生された、Gal2GlcNAc3Man3GlcNAc2-バイセクティンググリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項77】
Gal2GlcNAc3Man3GlcNAc2Fuc-バイセクティンググリカン構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項78】
請求項77に記載の細胞により産生された、Gal2GlcNAc3Man3GlcNAc2Fuc-バイセクティンググリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項79】
NeuAc2Gal2GlcNAc2Man3GlcNAc2グリカン構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項80】
請求項79に記載の細胞により産生された、NeuAc2Gal2GlcNAc2Man3GlcNAc2グリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項81】
NeuAc2Gal2GlcNAc2Man3GlcNAc2Fucグリカン構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項82】
請求項81に記載の細胞により産生された、NeuAc2Gal2GlcNAc2Man3GlcNAc2Fucグリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項83】
NeuAc2Gal2GlcNAc3Man3GlcNAc2-バイセクティンググリカン構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項84】
請求項83に記載の細胞により産生された、NeuAc2Gal2GlcNAc3Man3GlcNAc2-バイセクティンググリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項85】
NeuAc2Gal2GlcNAc3Man3GlcNAc2Fuc-バイセクティンググリカン構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項86】
請求項85に記載の細胞により産生された、NeuAc2Gal2GlcNAc3Man3GlcNAc2Fuc-バイセクティンググリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項87】
GlcNAc3Man3GlcNAc2グリカン構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項88】
請求項87に記載の細胞により産生された、GlcNAc3Man3GlcNAc2グリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項89】
Gal3GlcNAc3Man3GlcNAc2グリカン構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項90】
請求項89に記載の細胞により産生された、Gal3GlcNAc3Man3GlcNAc2グリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項91】
NeuAc3Gal3GlcNAc3Man3GlcNAc2グリカン構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項92】
請求項91に記載の細胞により産生された、NeuAc3Gal3GlcNAc3Man3GlcNAc2グリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項93】
NeuAc3Gal3GlcNAc3Man3GlcNAc2Fucグリカン構造を有する糖タンパク質を産生するように特異的に設計された、請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項94】
請求項93に記載の細胞により産生された、NeuAc3Gal3GlcNAc3Man3GlcNAc2Fucグリカン構造を有する糖タンパク質。
【請求項95】
請求項1〜52または61のいずれか1項に記載の細胞により産生可能な糖タンパク質;
請求項62に記載の方法により産生可能な糖タンパク質;ならびに
請求項63、67、69、71、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、および94のいずれか1項に記載の糖タンパク質
の1種以上から選択される、単離された1または複数の糖タンパク質。
【請求項96】
請求項95に記載の2種以上の異なる糖タンパク質を含む、糖タンパク質組成物。
【請求項97】
請求項95または96に記載の治療上活性な1または複数の組換えタンパク質。
【請求項98】
請求項96または97に記載の1または複数の免疫グロブリン。
【請求項99】
請求項95〜98の1以上に記載の1種以上の糖タンパク質または糖タンパク質組成物と、少なくとも1種の製薬上許容し得る担体またはアジュバントとを含む医薬組成物。
【請求項100】
糖タンパク質または組成物の投与により治療可能な症状の治療的処理における使用のための、請求項95〜99のいずれか1項に記載の糖タンパク質または糖タンパク質組成物。
【請求項101】
請求項95〜99の1以上に記載の1種以上の糖タンパク質または組成物の投与により治療可能な障害を治療する方法であって、該糖タンパク質または組成物の投与により治療可能な疾患に罹患しているか、またはそれが疑われる被験体に、上記の糖タンパク質または組成物を投与する工程を含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図13−3】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図14−3】
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【図14−4】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2012−506710(P2012−506710A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533616(P2011−533616)
【出願日】平成21年10月31日(2009.10.31)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007816
【国際公開番号】WO2010/049177
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(391003864)ロンザ リミテッド (36)
【氏名又は名称原語表記】LONZA LIMITED
【Fターム(参考)】