説明

密封圧着連結方法

【課題】端子をワイヤ導体に取り付ける密封圧着連結部を形成する方法を提供する。
【解決手段】流動性コンフォーマルコーティング層を適用する。流動性コンフォーマルコーティング層は、少なくともリードが端子に受け入れられたとき、端子に被さり且つワイヤ導体の少なくともリードの下に置かれるように適用される。端子、流体層、及びワイヤ導体の少なくともリードを圧着し、圧着連結部を形成する。流動性コンフォーマルコーティングは、端子の当接面がワイヤ導体の少なくともリードと接触する場所に配置される。流動性コンフォーマルコーティングを硬化し、非流動状態にする。流動性コンフォーマルコーティングは、圧着連結部での引っ張り力を増大し且つ圧着抵抗を低くするウレタンアクリレート材料で形成されていてもよい。圧着連結部は、製造プロセスで自動組み立てラインで形成されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国仮特許出願第61/243,650号の優先権を主張する、2009年10月8日に出願された米国特許出願第12/575,689号の一部継続出願である、2009年10月20日に出願された米国特許出願第12/582,158号の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、端子とワイヤ導体との間の連結部に関する。
【背景技術】
【0003】
図1を参照すると、ワイヤストランド(2)を含むワイヤ導体(1)のリードにシーラントを適用し、シールされたリード(3)を端子(5)のコアウィング(4)に圧着し、端子(5)をワイヤ導体(1)に取り付けることが周知である。これにより、電気的及び機械的性能に悪影響を及ぼす汚染物に対する保護を提供する。端子(5)の絶縁体ウィング(6)は、ワイヤ導体(1)の絶縁カバー(7)に圧着されており、シールされたリード(3)に圧着されたコアウィング(4)から切り欠き(8)によって間隔が隔てられている。
【0004】
端子/ワイヤ導体連結部は、自動車産業及びトラック産業等の多くの産業で使用されるワイヤリングハーネスで一般的である。ワイヤリングハーネスは、車輛の電気システムの作動をサポートする電気信号を伝送するための導管を提供する。自動車産業では、車輛の燃費経済性の向上に寄与する軽量のワイヤ導体を使用することが益々望ましくなっている。これらの比較的軽量のワイヤ導体は、多くの場合、商業的に入手可能な端子に連結される。この場合、ワイヤ導体及び端子は異種材料を使用して形成されている。かくして、これらの異種材料が出会う境界部分である連結部の保護を提供することが必要とされ続けている。連結部の保護は、特に、電解腐食の形成を遅らせる上で望ましい。電解腐食は、連結部を劣化し、連結部を通した電気信号の伝送を妨げる。更に、連結部に保護を提供すると同時に、端子/ワイヤ導体連結部の電気的特性及び機械的特性を維持し又は改善することが所望とされ続けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/243,650号
【特許文献2】米国特許出願第12/575,689号
【特許文献3】米国特許出願第12/582,158号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、端子をワイヤ導体に取り付ける、頑丈な電気的及び機械的作動性能を持つ改良された密封連結部が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの特徴は、端子/ワイヤ導体連結部、即ち圧着連結部での保護を改良し、圧着連結部での電解腐食の発生を阻止することである。
従来、配線技術において、誘電性即ち絶縁性のシール材料を圧着連結部に加えると、圧着連結部に対する圧着抵抗が増大し、及び従って圧着連結部の電気的性能が低下するものと考えられてきた。この目的のため、本発明の別の態様は、圧着連結部の形成で使用されたウレタンアクリレート材料から形成された、連結部の電気的及び機械的性能を向上すると同時に、圧着連結部に効果的なシールを提供する流動性コンフォーマルコーティングを開発することである。更に詳細には、ウレタンアクリレート材料を使用する圧着連結部は、シール材料を含まない同様の構造の圧着連結部とは対照的に、長期間に亘って圧着抵抗が低く、引っ張り力が増大する。
【0008】
電解腐食を阻止するため、圧着連結部を改良するという所望に基づき、引っ張り力の増大及び低い圧着抵抗を得る。本発明の原理によれば、圧着連結部は、流動性コンフォーマルコーティング層を形成することによって端子をワイヤ導体に取り付けるように形成されている。流動性コンフォーマルコーティング層は、端子に被せられており、少なくともリードが端子に受け入れられたとき、リードの下に置かれる。リードは、端子に受け入れられ、端子、流体層、及び少なくともリードを互いに圧着し、端子をワイヤ導体に取り付ける圧着連結部を形成する。圧着連結部内及びその周囲の流動性コンフォーマルコーティングを硬化し、非流動状態にする。
【0009】
本発明を添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、ワイヤ導体に取り付けられた端子の従来技術の密封連結部の平面図である。
【図2】図2は、リード及びこのリードと隣接した外カバーの一部分に本発明に従ってシールカバーを配置した、ワイヤ導体のリードを受け入れる端子の斜視図である。
【図3】図3は、端子、コンフォーマルコーティング、及び図2のワイヤ導体の少なくともリードを含む圧着連結部の斜視図である。
【図4】図4は、4−4線に沿った図3の圧着連結部の断面図である。
【図5】図5は、5−5線に沿った図4の圧着連結部の断面図である。
【図6】図6は、図5の圧着連結部の一部の拡大図である。
【図7】図7は、図3の圧着連結部を形成する方法のブロック図である。
【図8A】図8Aは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が0.75mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図8B】図8Bは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が0.75mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図8C】図8Cは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が0.75mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図8D】図8Dは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が0.75mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図9A】図9Aは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が1.25mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図9B】図9Bは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が1.25mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図9C】図9Cは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が1.25mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図9D】図9Dは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が1.25mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図10A】図10Aは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が2.0mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図10B】図10Bは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が2.0mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図10C】図10Cは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が2.0mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図10D】図10Dは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が2.0mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図11A】図11Aは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が2.5mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図11B】図11Bは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が2.5mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図11C】図11Cは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が2.5mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【図11D】図11Dは、図3に従って圧着連結するための内コアの直径が2.5mmのワイヤ導体についての引っ張り力及び圧着抵抗を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図2乃至図6を参照すると、ケーブル即ちワイヤ導体10が長さ方向軸線Aに沿って配置されている。ワイヤ導体10は、絶縁性外カバー12及びアルミニウムを基材とした内コア14を有する。本明細書中で使用されているように、「アルミニウムを基材とした」というのは、純アルミニウム、又はアルミニウムが合金の主金属であるアルミニウム合金を意味するものと定義される。カバー12が内コア14を取り囲んでいる。内コア14は、束にして互いに撚り合わせた複数の個々のワイヤストランド16で形成されている。これらのワイヤストランド16は、車輛の製造中等のワイヤリング適用(図示せず)時に導体10を設置するとき、導体10が撓むようにする上で有用である。別の態様では、ワイヤ導体の内コア14は、単ワイヤストランドであってもよい。導体10のカバー12の端部分(図示せず)を除去し、内コア14の一部を露呈する。内コア14の露呈部分がワイヤ導体10のリード18である。リード18は、カバー12の軸線方向縁部20から延びている。
【0012】
銅を基材とした端子22は、接続端24、中央部分26、及び開放ウィング端28を含む。本明細書中で使用されているように、「銅を基材とした」というのは、純銅、又は銅が合金の主金属である銅合金を意味するものと定義される。中央部分26は、接続端24及び開放ウィング端28の中間の部分である。端子22は、コネクタ(図示せず)に受け入れられていてよく、コネクタは、車輛(図示せず)で使用されるワイヤリングハーネス(図示せず)の部分である複数の端子(図示せず)を含んでいてもよく、コネクタ(図示せず)が、車輛で使用される対応する接続コネクタ(図示せず)に接続されてもよい。接続端24は、雄接続端30である。雄接続端30は、車輛(図示せず)に配置された対応する接続コネクタ(図示せず)に設けられているような対応する雌受け入れ端子(図示せず)に受け入れられることができ、これにより、導体10に送られた電気信号を、対応する雌受け入れ端子(図示せず)に取り付けられた別の電気回路に電気的に接続する。別の態様では、雄接続端30は、雌接続端であってもよい。中央部分26には、コネクタ(図示せず)の肩部に連結されるようになった内方に面するタブ32が設けられている。その結果、ひとたびタブ32が肩部(図示せず)を越えて挿入されると、端子22は容易にはコネクタ(図示せず)から外れない。ウィング端28は、一対の組み合わせ絶縁体及びコアウィング、又は軸線Aに対してほぼ垂直方向に端子22から遠ざかるように外方に延びる細長い端子ウィング34を含む。細長いウィング34は、図1の従来技術に示す端子(5)の切り欠き(8)を備えていない。細長い端子ウィング34の構造は、図1の従来技術に示す別体の別個の絶縁体ウィング(6)及びコアウィング(4)とは異なっている。ウィング34は、端子22のウィング端28の軸線方向長さに沿って単一の一体の構造で形成されており、導体10に圧着されたとき、追加の領域をカバーし、リード18を更に封入し、導体10に取り付けられた端子22の効果的な機械的連結部を形成する。かくして、細長いウィング34は、外気に対して露呈されるリード18の表面積の量を減少し、導体10を端子22に圧着したとき、端子22内でのリード18の望ましからぬ電解腐食を助長する電解質汚染を減少する上で効果的である。別の態様では、単一の細長いウィングを使用してもよい。
【0013】
端子22は、ウィング端28の大きさが、リード18及びこのリード18と隣接した外カバー12の一部を受け入れる上で十分であり、端子22と導体10との間で効果的に圧着できるように選択される。代表的には、端子22の大きさは、ワイヤ導体のAWGサイズと関連している。AWGは、ワイヤの技術分野で米国ワイヤゲージ(American Wire Gauge) として周知の用語である。細長いウィング34は、リード18及びこのリード18と隣接したカバー12の一部を端子22内に受け入れる上で効果的である。細長いウィング34の高さは、導体10を端子22に圧着するとき、リード18の実質的部分及びこのリード18と隣接したカバー12の実質的部分を包んでカバーするのに十分な大きさである。ウィング端28は、導体10を端子22に圧着したとき、リード18の内コア14と係合し、導体10と端子22との間を電気的に接続する内面即ち当接面36を含む。
【0014】
流動性コンフォーマルコーティング(流動性形状適応コーティング)(fluid conformal coating) 40が、リード18の端部38を含むリード18の外面上に及び縁部20に被せて配置されており、リード18と隣接した外カバー12の一部上に延びている。ワイヤ導体10が端子22のウィング端28に受け入れられるとき、流動性コンフォーマルコーティング40のシールカバー42がリード18を埋め込み、導体10のリード18に対して耐蝕性保護層を提供する。「流動性」は、「流動可能である」と定義される。コーティング40の粘度は、コーティング40がワイヤ導体10上に適切に流れ、十分な厚さのコーティング40を形成できるように変えることができる。流動性コーティング40のシールカバー42は、浸漬、スプレー、電解質移動(electrolytic transfer) 、ブラシ付け及びスポンジ付け、等によって導体10に適用されてもよい。
【0015】
好ましくは、リード18及びこのリード18と隣接したカバー12の一部を流動性コンフォーマルコーティングの浴(図示せず)に浸漬し、浸漬したリードに圧力を加えることにより、図5及び図6に示すように、コーティングをリード18の断面積に亘ってリード18のストランド16間の空所即ち隙間44に圧入することによって、コーティング40を適用する。図6を参照すると、シールカバー42は、圧力を加えたとき、リード18の断面がリード18の軸線方向長さに沿ったコーティング40によって確実に浸されるのに十分に適用されている。
【0016】
ワイヤ導体の内コアの直径が増大するに従って、ワイヤ導体のリードを満たし、覆うために比較的大量のコンフォーマルコーティングが必要とされる。リード18のワイヤストランド16の隙間44がコンフォーマルコーティング40で飽和されている場合には、リード18のコーティングが更に完全になり、ワイヤ導体10のリード18に対する耐蝕性保護を増大する。別の態様では、内コアを浸漬することにより、コンフォーマルコーティングをワイヤ導体のリードの外面だけに適用してもよい。流動性コンフォーマルコーティング40には、シリコーン、エポキシ、ワックス、塗料、グリス、等が含まれる。好ましくは、流動性コーティング40は、ウレタンアクリレート材料(acrylated urethane material) によって形成されている。ウレタンアクリレート材料で形成された適当なコンフォーマルコーティングは、ダイマックス社からコンフォーマルコーティング29985として商業的に入手可能である。
【0017】
導体10のリード18が端子22のウィング端28に受け入れられていない場合には、連結部、即ち端子22と導体10との間の圧着連結部46は形成されず、端子22と導体10との間の機械的及び電気的連結部は存在しない。
【0018】
図7を参照すると、この図には、圧着連結部46を形成する方法48が記載されている。圧着連結部46を形成することにより、端子22と導体10との間に機械的及び電気的連結部を形成できる。方法48は、コンフォーマルコーティング40の層52を、端子22に被せて及び導体10の少なくとも一つのリード18の下に置かれるように配置する工程50を含む。圧着連結部46のコンフォーマルコーティング40の層52は、ワイヤ導体10のリード18を腐食、水分、塵埃、化学物質、及び極端な温度から保護するのに適している。
【0019】
図2を参照すると、導体10は、本明細書中上文中に記載したシールカバー42を含む。リード18は、端子22のウィング端28に軸線方向に受け入れられる。シールカバー42は端子22上に層48をなして配置され、縁部20を越えて導体10の外カバー12の部分上に延びている。この部分は、リード18に対し、より気密性が高いシールを形成し、圧着連結部46を形成した場合の導体10の電解腐食の形成に対する高い保護を提供する上で有用である。例えば、AWGサイズ14のワイヤ導体上でコンフォーマルコーティング40が縁部20を越えてカバー12上に約2mm延びていてもよい。コンフォーマルコーティングが外カバーの縁部だけにしか適用されていない場合、軸線Aに対して垂直な外カバーの表面積は、特にワイヤ導体の撓みに関し、リードをシールする上で不十分である。方法48の別の工程54は、少なくとも導体10のリード18を端子22に受け入れ、流動性コンフォーマルコーティング40の層52をリード18及びこのリード18と隣接したリードの一部の下及び端子22の上に配置できるようにする工程である。リード18の端部38は、細長い端子ウィング34の後縁56及び前縁58を越えて移動し、その結果、導体10はウィング端28内に配置される。外カバー12の縁部20は、細長い端子ウィング34の後縁56を越えて移動する。別の態様では、リードの端部は、細長い端子ウィング34の前縁と後縁との間に受け入れられる。
【0020】
図3及び図4を参照すると、方法48の別の工程60は、ウィング34、流動層48、リード18、及びリード18と隣接した外カバー12の一部を互いに圧着し、圧着連結部46を形成する工程である。ワイヤ導体及び端子の圧着は、当該技術分野で容易に理解されるように、端子とワイヤ導体との間に少なくとも電気的連結部が形成されるように、端子の一部をワイヤ導体の周囲で圧縮し又は変形することであると定義される。ワイヤ導体に対する端子の圧着は、当該技術分野で周知のように、ダイス又はアプリケータプレスによって行われてもよい。ウィング34をリード18の配置に対して位置決めすることは、圧着連結部46を形成するときにウィング34がリード18の内コア14の周囲を少なくとも実質的に包むようにし、端子22と導体10のリード18との間の電気的連結を最大にする上で有用である。連結部46は、リード18及びこのリード18と隣接したカバー12の一部の周囲を包囲し、外カバー12の縁部20に亘って延びるウィング34を含む。ウィング34の後部は、リード18と隣接したカバー12の一部を包囲し、ウィング34の前部はリード18を包囲する。圧着プロセスは、流動性コーティング40の層48を連結部46の周囲に移動し、変位し、押し、これにより、連結部46に配置されたリード18内の隙間を更に充填する。圧着中に変位したコンフォーマルコーティング40は、更に、端子22の縁部56、58に向かって押し出されてもよい。表面36と当接するいたるところでリード18との金属−金属接触が形成され、これにより、圧着連結部46内のリード18の軸線方向長さに沿ってリード18と接触する。かくして、ワイヤストランド16は、ウィング34の内面36と連続的な線−線接触を形成していなくてもよく、というよりはむしろ、更に詳細には、顕微鏡レベルにおいて、当接面36の複数の金属−金属接触点が形成され、これらの点が表面36とリード18との中間のコンフォーマルコーティング40の複数の点と入り混じっている。端子22のウィング34の当接面36は、少なくともリード18の内コア14の外面と接触し、導体10のリード18と端子22との間に効果的な電気的連結部を形成する。
【0021】
図5を参照すると、ケーブル10が端子22に圧着され、圧着連結部46を形成した状態で、端子ウィング34が互いに出会う場所に継ぎ目62が形成される。継ぎ目62は、ウィング34の軸線方向前縁56と後縁58との間に隙間64を形成する。隙間64の形成により、連結部46の圧着中に変位されたコンフォーマルコーティング40が、連結部46から押し出され、固まり、継ぎ目62の隙間64に浸出することができる。流動性コンフォーマルコーティング40の層52は、内コア14を覆うのに十分に適用されており、圧着連結部46の形成後、隙間64のところで、コーティング40が継ぎ目62に沿って延び、別の空所を充填する。圧着連結部46で発生する可能性がある電解腐食の侵入点をなくすため、圧着連結部46の形成後、圧着連結部46の露呈状態のワイヤストランド16がコーティング40で確実に覆われていることが重要である。圧着プロセス中、後縁56と隣接したウィング34の拡大後部分を形成する。この拡大後部分は、ウィング34の前縁58と隣接した比較的小さい前部分までテーパしている。これは、余分の流動性コンフォーマルコーティングを前縁58に向かって差し向け又は送り出し、縁部58を越えて出すためである。
【0022】
別の態様では、端子ウィングの長さ方向縁部は、継ぎ目のところで互いに接触してもよい。ウィング34を導体10のリード18及びカバー12に対して圧縮することが、端子22を導体10に機械的に固定する上で効果的である。
【0023】
端子22を導体10に圧着した後、コーティング40の層52を方法48の工程66で硬化し、非流動状態にする。コーティング40は、固体形態にあるとき、非流動状態になる。好ましくは、コンフォーマルコーティング40は、連結部46を製造する組み立てライン(図示せず)に沿って紫外線(UV)(図示せず)によって硬化される。紫外線は、例えばUVランプによって提供されてもよい。更に、好ましくは、紫外線硬化は、圧着連結部46の形成後に行われる。コンフォーマルコーティングの層が固体形態になった後、圧着により圧着連結部を形成する場合には、効果的なシール及び電気的作動性能を持つ連結部46は実現されない。
【0024】
コンフォーマルコーティング40の硬化後、腐食抑制剤68を更に適用してもよい。抑制剤68は、ワイヤ導体10のリード18に配置された硬化したコンフォーマルコーティング40の微小空所(図示せず)を充填する上で有用である。抑制剤68は、更に、圧着連結部46の周囲のワイヤ導体10の絶縁性外カバー12及び端子22の表面の凹凸を埋める。腐食抑制剤68は、本明細書中上文中に記載した、シールカバー42をワイヤ導体のリードに適用するのに使用された技術と同じ技術を使用して適用されることができる。腐食抑制剤68は、オイル、ワックス、グリース、等を含む誘電体で形成されていてもよい。腐食抑制剤68は、自動組み立てラインで行われる製造プロセスフローで、方法48に従って適用されてもよい。
【0025】
方法の工程50は自動組み立てライン(図示せず)で行われる製造プロセスフローで連続的に実施される。このようにして、コンフォーマルコーティング40を流体的に適用する。コンフォーマルコーティング40は、硬化して非流動状態になるまで、組み立てライン(図示せず)に沿って流体のままである。好ましくは、流動性コーティング40は、圧着連結部46を形成する組み立てライン(図示せず)の作動中に組み立てライン(図示せず)上で硬化する。更に、組み立てラインが使用されていないときでも、流体圧着連結部を組み立てライン上で休止状態にしておかないのが好ましい。更に好ましくは、層52のコーティング40を含む流動性コーティング40を、コーティング40が空気乾燥して固体状態になる前に、組み立てライン(図示せず)上で紫外線(UV)によって硬化し、固体状態にする。製造環境で流動性コンフォーマルコーティング40が空気乾燥するのは望ましくない。これは、流動性コンフォーマルコーティング40を非流動状態即ち固体状態にするには一週間又はそれ以上の時間を要するためである。更に、流体圧着連結部の材料の取り扱いは、圧着連結部の機械的及び電気的作動性能に悪影響を及ぼす品質上の望ましからぬ問題を生じる可能性がある。ウレタンアクリレート材料で形成されたコーティング40の固体状態での引張強度は、421.8kg/cm(6000psi)以上である。ワイヤ導体10を浸漬することによりシールカバー42を適用し、本明細書中に説明したようにシールカバーに圧力を加える。これは、好ましくは、組み立てラインで方法50を使用して行われる。好ましくは、ウレタンアクリレート材料を含む流動性コーティング40を、方法50を使用して、自動組み立てラインで使用する。
【0026】
ウレタンアクリレート材料で形成されたコンフォーマルコーティング40を使用した場合、圧着連結部46の引っ張り力が増大し、圧着連結部46の圧着抵抗が低下する。この発見は、本明細書中上文中に記載したように、圧着連結部46のUSCAR21試験を行うことによって理解された。USCAR21は、自動車産業で使用される、ケーブル、ワイヤ導体、等の作動性能を試験するための試験方法を含む。
【0027】
図8乃至図11を参照すると、これらは、ウレタンアクリレート材料で形成されたコンフォーマルコーティング40の層52を持つ圧着連結部46についての引っ張り力及び圧着抵抗のデータを、如何なる種類のコンフォーマルコーティングの層も含まない同様に製作した圧着連結部と対照して示すグラフである。ウレタンアクリレート材料製コーティング40に関するデータについて、これは、ワイヤ導体10の内コア14と対応する。図8、図9、図10、及び図11に含まれるグラフの組は、ワイヤ導体の様々な直径の内コアについてのデータを示す。図8A乃至図8Dは、直径が約0.75mmの内コアについてのデータを示す。図9A乃至図9Dは、直径が約1.25mmの内コアについてのデータを示す。図10A乃至図10Dは、直径が約1.75mmの内コアについてのデータを示す。図11A乃至図11Dは、直径が約2.0mmの内コアについてのデータを示す。圧着連結部の圧着抵抗は、連結部の加速環境寿命試験(accelerated environmental life testing)の前後に計測された。加速環境寿命試験は、車輛におけるのと同等の環境に置かれた圧着連結部についての少なくとも10年の使用寿命と対応する。
【0028】
図9乃至図11のグラフにおける、図8A乃至図8Dにおけるのと同様の要素には、100だけ異なる参照番号が附してある。図8A及び図8Bのグラフ、図9A及び図9Bのグラフ、図10A及び図10Bのグラフ、及び図11A及び図11Bのグラフは、コンフォーマルコーティング材料がない圧着連結部についての引っ張り力及び圧着抵抗のデータを示す。図8C及び図8Dのグラフ、図9C及び図9Dのグラフ、図10C及び図10Dのグラフ、及び図11C及び図11Dのグラフは、ウレタンアクリレート材料製コーティング40を持つ圧着連結部46についての引っ張り力及び圧着抵抗のデータを示す。
【0029】
引っ張り力
グラフのデータ74、174、274、374は、コンフォーマルコーティングを備えていない圧着連結部についての引っ張り力を、様々な圧着コア高さについて示す。これとは対照的に、グラフのデータ77、177、277、377は、ウレタンアクリレート材料製コーティングを備えた圧着連結部46についての引っ張り力を示す。様々な大きさの内コアを持つワイヤ寸法の中で対応する圧着連結部46についての引っ張り力のデータは、全体として、シール材料を備えていない同様に形成された圧着連結部よりも大きい。
【0030】
何らかの特定の原理に限定されないけれども、ウレタンアクリレート材料製コンフォーマルコーティングの流動層により、引っ張り力を増大できるものと考えられる。これは、ウレタンアクリレート材料がリードのワイヤストランドを互いに結合し、個々のワイヤの引張強度及びウレタンアクリレート材料の引張強度を組み合わせた引張強度よりも引張強度が大きい単一のワイヤストランドにするためである。
【0031】
圧着抵抗
グラフのデータ75、175、275、375は、コンフォーマルコーティングを備えていない圧着連結部についての圧着抵抗を、様々な圧着コア高さ又は連結部について示す。グラフのデータ76、176、276、376は、コンフォーマルコーティングを備えていない圧着連結部についての圧着抵抗を、加速環境試験後の様々な高さの圧着連結部について示す。コンフォーマルコーティングを備えていないこの圧着連結部は、一般的には、加速環境寿命試験後の圧着抵抗の望ましからぬ増大を示す。圧着抵抗の増大は、圧着連結部の導電性の低下と関連する。グラフのデータ78、178、278、378は、ウレタンアクリレート材料製コンフォーマルコーティングを備えた圧着連結部についての圧着抵抗を、様々な高さの圧着連結部46について示す。グラフのデータ79、179、279、379は、コンフォーマルコーティングを備えていない圧着連結部についての加速環境寿命試験後の圧着抵抗を、様々な高さの圧着連結部について示す。このデータは、加速環境寿命試験後に計測した圧着抵抗の増大が、コンフォーマルコーティングを持たない圧着連結部の対応する圧着抵抗のデータよりも全体に小さく、望ましいということを示す。抵抗の差が小さいため、圧着連結部での導電性が増大する。
【0032】
何らかの特定の原理に限定されないけれども、ウレタンアクリレート材料製流動性コンフォーマルコーティング層により、圧着抵抗が長期間に亘って低下するものと考えられる。これは、しかし、圧着連結部の抵抗をゼロにする程ではないが、端子の当接面とリードのワイヤストランドとの間の金属−金属接触がワイヤストランドの空所内に、ウレタンアクリレート材料製でない他のコンフォーマルコーティングのように残留固体を残さないためである。こうした残留固体は、金属−金属接触と干渉し、圧着連結部の抵抗を増大する。
【0033】
別の態様では、リードが端子に受け入れられている場合、端子とワイヤ導体のリードとの間に配置された流動性コンフォーマルコーティング層を効果的に適用する任意の技術を使用してもよい。例えば、コンフォーマルコーティングを端子に適用することにより、端子上に重なり且つワイヤ導体の少なくともリードの下に配置された層を形成してもよい。コンフォーマルコーティングは、コンフォーマルコーティングをワイヤに適用するのに使用されたのと同様の技術によって端子に適用されてもよい。この他の例には、流動性コンフォーマルコーティングをリード又はこのリードと接触する端子のいずれかにペンキブラシを使用して塗布することが含まれる。
【0034】
更に別の態様では、圧着連結部の形成前に、コンフォーマルコーティングを端子及びリードの両方に適用してもよい。
本発明の好ましい実施例は、本明細書中に説明したように、二つの異種金属間の界面に関するが、別の変形例は、純銅又は銅合金材料等の同様の又は同種の金属から形成した端子及びリードを含んでいてもよい。例えば、ワイヤ導体は、アルミニウム材料で形成されていてもよく、端子もまたアルミニウム材料で形成されていてもよい。
【0035】
他の態様では、関連した端子に連結された任意の大きさの直径を持つワイヤ導体のリードの間にコンフォーマルコーティング層を適用してもよい。
流動性コンフォーマルコーティング層を適用し、この流体層を圧着して圧着連結部を形成することにより、端子をワイヤ導体に連結する頑丈な圧着連結部を提供する。この頑丈な圧着連結部は、塩水等の電解質が圧着連結部に侵入してこれを劣化することがないようにする。流動性コンフォーマルコーティングのシールカバーをリード及びこのリードと隣接した絶縁性外カバーの一部に適用してリードを埋設することにより、リードの更に効果的な気密シールを提供し、圧着連結部に侵入する汚染物に対してリードを確実にシールする。リードに流体シールカバーを適用し、圧力を加えることにより、シールカバーをリードのワイヤストランドの隙間に押し込み、圧着連結部全体に対して更に強固な構造的シールを提供する。圧着連結部の形成中に流動性コンフォーマルコーティングが変位することにより、リードの構造的シールを更に強め、端子とリードとの間の密封電気インターフェース及び接触を提供する。更に、細長い端子ウィングにより、汚染物環境に対するリードの露呈を減少する。汚染物環境に対するリードの露呈は、望ましからぬ電解腐食の危険を増大する。端子をワイヤ導体に圧着したとき、圧着がなされた細長いウィングの継ぎ目及び細長い端子ウィングの前縁及び後縁の開放領域が、変位した流動性コンフォーマルコーティングの出口を提供する。こうした位置でのコンフォーマルコーティングの余分の厚さは、汚染物が圧着連結部に入り込まないようにする更なる保護を提供する。ウレタンアクリレート材料製のコンフォーマルコーティングの使用は、連結部の長期間に亘る引っ張り力の増大及び圧着抵抗の低下という機械的及び電気的利点を提供する。ここで、長期間というのは、少なくとも、圧着連結部の予定使用寿命である。自動車産業では、これは少なくとも10年の予定使用寿命である。コンフォーマルコーティングの硬化後、圧着連結部及び圧着連結部と関連する要素に腐食抑制剤を適用することにより、硬化した露呈されたコンフォーマルコーティングに生じた又は圧着連結部の他の要素の空所や凹凸を埋め、電解腐食により圧着連結部が侵されないようにすることに更に寄与する。
【0036】
添付の特許請求の範囲に定義された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、この他の変形及び変更が可能である。
本発明をその好ましい実施例に関して説明したが、このような限定を意図するものではなく、限定は、添付の特許請求の範囲に記載された程度までしかなされない。
【符号の説明】
【0037】
10 ケーブル即ちワイヤ導体
12 絶縁性外カバー
14 内コア
16 ワイヤストランド
18 リード
20 軸線方向縁部
22 端子
24 接続端
26 中央部分
28 開放ウィング端
30 雄接続端
32 タブ
34 端子ウィング
36 内面即ち当接面
38 端部
40 流動性コンフォーマルコーティング
42 シールカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子をワイヤ導体に取り付ける圧着連結部を形成する方法であって、前記ワイヤ導体は、内コアと、前記内コアを包囲する絶縁性外カバーを含み、前記ワイヤ導体の端部のところで、前記外カバーの縁部から遠ざかる方向に軸線方向に延びる前記内コアのリードを形成するように前記外カバーの一部が除去されており、前記端子は、前記ワイヤ導体の少なくとも前記リードを受け入れるようになっている、方法において、
前記ワイヤ導体の少なくとも前記リードが前記端子に受け入れられたとき、流動性コンフォーマルコーティング層が前記端子の上に重なり且つ前記ワイヤ導体の少なくとも前記リードの下に配置されるように、流動性コンフォーマルコーティング層を配置する工程と、
前記ワイヤ導体の少なくとも前記リードを前記端子内に受け入れる工程と、
前記圧着連結部を形成するように、前記端子、前記流動性コンフォーマルコーティング層、及び前記ワイヤ導体の少なくとも前記リードを圧着する工程であって、前記流動性コンフォーマルコーティング層が、少なくとも、前記端子の当接面が前記ワイヤ導体の少なくとも前記リードと接触する場所で、前記圧着連結部内に変位させられる、工程と、
前記圧着連結部及びこの圧着連結部を取り囲む領域で、前記流動性コンフォーマルコーティングを非流動状態に硬化する工程とを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
請求項1に記載の方法の工程は、記載された順番で実施される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記流動性コンフォーマルコーティングは、ウレタンアクリレート材料を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
ウレタンアクリレート材料を使用することにより、前記圧着連結部での前記ワイヤ導体及び前記端子の引っ張り力を増大する、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記方法の工程は、製造プロセスを使用して自動組み立てラインで実施される、方法。
【請求項6】
請求項3に記載の方法において、
ウレタンアクリレート材料を使用することにより、前記圧着連結部での前記ワイヤ導体及び前記端子の圧着抵抗を、長期間に亘って低い状態に維持する、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記長期間は、少なくとも10年である、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法において、
前記方法の工程は、製造プロセスフローを使用して自動組み立てラインで実施される、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記配置する工程は、更に、
前記リードを包囲し、前記リードと隣接した前記ワイヤ導体の前記絶縁性外カバーの一部を包囲して、前記ワイヤ導体のシールカバーを形成し、前記シールカバーが前記リードを埋設するように、前記流動性コンフォーマルコーティングを適用する工程を含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、
前記ワイヤ導体の前記内コアはワイヤストランドを含み、前記適用する工程は、更に、
前記流動性コンフォーマルコーティングを、前記リードの外面の内側の前記リードの前記ワイヤストランド間に配置された隙間に、少なくとも前記リードの長さに沿って圧入し、これによって前記リードを前記流動性コンフォーマルコーティングに浸すように、前記ワイヤ導体の前記リードに圧力を加える工程を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、
前記方法の工程は、製造プロセスフローを使用して自動組み立てラインで実施される、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
前記配置する工程は、更に、
前記リードを取り囲み、前記リードと隣接した前記ワイヤ導体の前記絶縁性外カバーの一部分を取り囲むように前記流動性コンフォーマルコーティングを適用する工程であって、前記流動性コンフォーマルコーティングが前記リード及び前記一部分を取り囲むことによって、前記リードを埋設するシールカバーを形成する、工程を含み、
前記受け入れる工程及び前記圧着する工程は、更に、
前記リードの端部が細長い端子ウィングの後縁及び前縁を越えて移動するように前記リードを受け入れる工程を含み、前記外カバーの前記縁部は、前記細長い端子ウィングの後縁を越えて移動し、前記ワイヤ導体の前記リード、前記シールカバー、及び前記細長い端子ウィングを圧着することにより、前記圧着連結部が形成される、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
前記流動性コンフォーマルコーティングを硬化する前記工程は、更に、
紫外線(UV)によって前記流動性コンフォーマルコーティングを非流動状態に硬化する工程を含む、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、更に、
前記圧着連結部及び前記圧着連結部を取り囲む領域の硬化した流動性コンフォーマルコーティングの微小な空所を埋めるように腐食抑制剤を適用する工程を含む、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法において、
前記方法の工程は、製造プロセスフローを使用して自動組み立てラインで実施される、方法。
【請求項16】
端子をワイヤ導体に取り付ける圧着連結部を形成する方法であって、前記ワイヤ導体は、内コアと、前記内コアを包囲する絶縁性外カバーを含み、前記ワイヤ導体の端部のところで、前記外カバーの縁部から遠ざかる方向に軸線方向に延びる前記内コアのリードを形成するように、前記外カバーの一部が除去されており、前記端子は、前記ワイヤ導体の少なくとも前記リードを受け入れるようになっている、方法において、
前記ワイヤ導体の前記リード及び前記リードと隣接した前記ワイヤ導体の一部が前記端子に受け入れられたとき、流動性コンフォーマルコーティング層が前記端子の上に重なり且つ前記ワイヤ導体の前記リード及び前記リードと隣接した前記ワイヤ導体の一部の下に配置されるように、流動性コンフォーマルコーティング層を配置する工程と、
前記ワイヤ導体の前記リード及び前記リードと隣接したワイヤ導体の一部を前記端子内に受け入れる工程と、
前記圧着連結部を形成するように前記端子、前記流動性コンフォーマルコーティング層、前記リード、及び前記隣接したワイヤ導体の一部を圧着する工程であって、前記流動性コンフォーマルコーティング層が、少なくとも、前記端子の当接面が前記ワイヤ導体の前記リード及び前記隣接したワイヤ導体の一部と接触する場所で前記圧着連結部内に変位させられる、工程と、
前記圧着連結部及びこの圧着連結部を取り囲む領域で前記流動性コンフォーマルコーティングを、非流動状態に硬化する工程とを含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記流動性コンフォーマルコーティング層を配置する工程は、更に、
前記リード及びこのリードと隣接した前記絶縁性外カバーの一部分にシールカバーを適用する工程と、
前記ワイヤ導体の前記リードの空所を充填し、前記流動性コンフォーマルコーティングを、前記リードの外面の内側に圧入するように前記リードに圧力を加える工程であって、少なくとも前記リードの長さに沿って前記リードが前記流動性コンフォーマルコーティングで浸される工程とを含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
前記流動性コンフォーマルコーティングはウレタンアクリレート材料を含み、前記圧着連結部での前記ワイヤ導体及び前記端子の引っ張り力が長期間に亘って増大する、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、
前記流動性コンフォーマルコーティングはウレタンアクリレート材料を含み、前記圧着連結部での前記ワイヤ導体及び前記端子の圧着抵抗を長期間に亘って低い状態に維持する、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法において、
前記長期間は、少なくとも10年である、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【公開番号】特開2012−64575(P2012−64575A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−191680(P2011−191680)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(599023978)デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (281)
【Fターム(参考)】