密度相分離デバイス
流体サンプルを第1の相および第2の相に分離するための機械的分離器が、開示される。機械的分離器は、フロートと、フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、ベローズ構造とを含む。ベローズ構造は、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを含む。フロートは、ベローズ構造の第1の端部の一部分に取り付けられ、バラストは、ベローズ構造の第2の端部の一部分に取り付けられる。取り付けられたフロートおよびベローズ構造は、それらの間に解放可能な干渉係合を含む。フロートは、第1の密度を有し、バラストは、フロートの第1の密度を上回る第2の密度を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体サンプルのより重い分画およびより軽い分画を分離するためのデバイスおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、流体サンプルを採取および輸送するためのデバイスおよび方法であって、それにより、デバイスおよび流体サンプルが、流体サンプルのより軽い分画からより重い分画の分離を引き起こすために遠心分離にかけられる、デバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体の開示が参照によって本明細書に組み込まれる、表題「Density Phase Separation Device」の、2008年7月21日出願の米国特許仮出願第61/082,365号明細書に対する優先権を主張するものである。
【0003】
診断検査は、患者の全血サンプルを、血清または血漿、(より軽い相成分)、および赤血球、(より重い相成分)などの成分に分離することを必要とすることがある。全血のサンプルは、通常、シリンジまたは真空採血管に取り付けられたカニューレまたは針を通して静脈穿刺によって採取される。採取後、血清または血漿および赤血球への血液の分離が、遠心分離機内でシリンジまたは管の回転により実施される。分離を維持するために、より重い相成分とより軽い相成分の間に障壁を配置させなければならない。これにより、分離された成分を続いて調べることが可能になる。
【0004】
流体サンプルのより重い相とより軽い相の間の領域を分割するために、さまざまな分離障壁が採取デバイス内で使用されてきた。最も広く使用されているデバイスは、ポリエステルゲルなどの揺変性ゲル材料を含む。しかし、現在のポリエステルゲルの血清分離管は、ゲルの調製、および管の充填の両方をするのに特別な製造装置を必要とする。さらに、製品の品質保持が限定される。時間が経つにつれ、小球が、ゲル塊から解放され、分離された相成分の一方または両方に入り得る。これらの小球は、管内で採取されたサンプルの臨床検査中に使用される、器具プローブなどの測定器具を詰まらせるかもしれない。さらに、市販されているゲル障壁は、検体と化学的に反応することがある。したがって、特定の薬物が服用されたときにそれが血液サンプル内に存在する場合、ゲル界面との有害な化学反応が起こり得る。
【0005】
流体サンプルのより重い相とより軽い相の間に機械的障壁を使用することができる特定の機械的分離器もまた、提案されてきた。従来の機械的障壁は、浮力差および遠心分離中にかけられた重力の上昇を利用して、より重い相成分とより軽い相成分の間に配置される。血漿標本および血清標本に対して適正な向きになるように、従来の機械的分離器は、通常、血液採取セットと係合されたときにそのデバイスの中または周りで血液充填が起こるようにして、機械的分離器を管の閉鎖体の下面に固着させることを必要とする。この取り付けは、発送、取り扱い、および採血中の分離器の時期尚早の移動を防止するために必要とされる。従来の機械的分離器は、ベローズ構成要素と閉鎖体の間の機械的なインターロックによって、管の閉鎖体に固着される。例示的なデバイスが特許文献1および特許文献2に説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,803,022号明細書
【特許文献2】米国特許第6,479,298号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の機械的分離器は、いくつかの重大な欠点を有している。図1に示すように、従来の分離器は、管またはシリンジ壁38との封止を提供するためのベローズ34を含む。通常、ベローズ34の少なくとも一部分は、閉鎖体32内に、またはこれと接触して収容される。図1に示すように、針30が閉鎖体32を通って入るにつれて、ベローズ34は押し下げられる。これにより、針30が取り外されたときに血液が貯留し得る空隙36が作り出される。このため、針の隙間問題、閉鎖体下方でのサンプルの貯留、機械的分離器が血液採取中に時期尚早に解放されるデバイスの準備段階、溶血、フィブリンドレーピングおよび/またはサンプル品質の劣化が生じる恐れがある。さらに、従来の機械的分離器は、複雑な複部構成の製作技術のために、製造するのにコストがかかり複雑である。
【0008】
したがって、標準的なサンプル抽出装置と互換性があり、従来の分離器の上述した問題を低減または解消する分離器デバイスに対する必要性が存在している。また、血液サンプルを分離し、遠心分離中のサンプルのより重い相およびより軽い相の交差汚染を最小限に抑えるために容易に使用される、保管および発送中、温度に左右されず、放射線滅菌に対して安定的である分離器デバイスに対する必要性も存在している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、流体サンプルを、より高い比重相およびより低い比重相に分離するための組立体および方法を対象とする。望ましくは、本発明の機械的分離器は、管と共に使用されてもよく、機械的分離器は、流体サンプルの部分を分離するために、かけられた遠心力の作用の下において管内で移動するように構成される。最も好ましくは、管は、開放端部と、閉鎖端部または対置端部と、開放端部と閉鎖端部または対置端部の間を延びる側壁とを含む標本採取管である。側壁は、外面および内面を含み、管は、再封止可能な隔壁を備えた、管の開放端部内に嵌合するように配設された閉鎖体をさらに含む。あるいは、管の両端は、開放されてもよく、管の両端は、弾性のある閉鎖体によって封止されてもよい。管の閉鎖体の少なくとも1つは、針で突き刺し可能な再封止可能な隔壁を含むことができる。
【0010】
機械的分離器は、管内の、上部閉鎖体と管の底部の間の一場所に配設されてもよい。分離器は、対向した上端部および底端部を含み、フロート、バラスト組立体、およびベローズ構造を含む。分離器の構成要素は、血液サンプルなどの流体サンプルの相の密度の間に位置する、分離器の全体密度を達成するように寸法設定され、構成される。
【0011】
一実施形態では、機械的分離器は、流体サンプルを、管内で第1の相および第2の相に分離するように適合される。機械的分離器は、フロートと、フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、ベローズ構造とを含む。ベローズ構造は、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを含む。フロートは、ベローズ構造の第1の端部の一部分に取り付けられてもよく、バラスト組立体は、ベローズ構造の第2の端部の一部分に取り付けられてもよい。取り付けられたフロートおよびベローズ構造はまた、それらの間に解放可能な干渉係合も含む。フロートは、第1の密度を有することができ、バラストは、フロートの第1の密度を上回る第2の密度を有することができる。解放可能な干渉係合は、フロートが少なくとも250gの遠心力を超えた際に解放されるように構成され得る。
【0012】
機械的分離器の解放可能な干渉係合は、ベローズ構造が長手方向に変形する際に解放されるように適合されてもよい。ベローズ構造はまた、内部を画定することができ、フロートは、ベローズ構造の内部の一部分内に解放可能に保持されてもよい。ベローズ構造はまた、内部フランジを含むこともでき、フロートの少なくとも一部分は、内部フランジによって第1の端部の内部に保持されてもよい。
【0013】
機械的分離器のフロートは、選択的に、ネック部分を含むことができ、フロートは、内部フランジおよびネック部分の機械的干渉によって第1の端部の内部の一部分内に解放可能に保持されてもよい。他の構成では、ベローズ構造の第1の端部は、内部と対面する内部係合部分を含むことができ、フロートは、内部係合部分との機械的結合のための外部係合部分を含むことができる。ベローズ構造の第1の端部はまた、穿刺形状を有する突き刺し可能なヘッド部分を含むこともでき、この穿刺形状は、穿刺先端部がそこを通して装着された際、変形に耐えるような構造にされている。フロートは、貫通する開口部をそこに画定するヘッド部分を含んで、空気をフロートの内部の中から機械的分離器外部の領域に排出することを許容することができる。
【0014】
選択的に、ベローズは、排気スリットを含み、空気をフロートの内部の中から機械的分離器の外部の領域に排出することを許容することができる。ベローズは、排気スリットをさらに含み、ベローズの内部およびフロートの外部によって画定されたチャンバから機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。
【0015】
他の構成では、バラスト組立体は、第1のバラストセクションおよびベローズ構造の一部分によって第1のバラストセクションに接合された第2のバラストセクションなどの複数のバラスト対合セクションを含む。第1のバラストセクションおよび第2のバラストセクションは、機械的分離器の長手方向軸の周りに対向するように向けられてもよい。機械的分離器はまた、ポリプロピレン製のフロートと、ポリエチレンテレフタレート製のバラスト組立体と、熱可塑性エラストマー製のベローズ構造とを含むこともできる。分離組立体は、フロートの内部の中に配設された可動式プラグを含む。
【0016】
他の実施形態では、流体サンプルを管内で第1の相および第2の相に分離するための機械的分離器は、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを有するベローズ構造を含む。機械的分離器はまた、フロートと、フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体とを含む。バラスト組立体は、第1のバラストセクションと、ベローズ構造の一部分によって第1のバラストセクションに接合された第2のバラストセクションとを含む。フロートは、第1の密度を有することができ、バラスト組立体は、フロートの第1の密度を上回る第2の密度を有することができる。
【0017】
機械的分離器のフロートは、ベローズ構造の第1の端部の一部分に取り付けられてもよく、バラストは、ベローズ構造の第2の端部の一部分に取り付けられてもよい。取り付けられたフロートおよびベローズ構造は、それらの間に解放可能な干渉係合をさらに含むことができる。1つの構成では、機械的分離器のベローズ構造は、内部を画定し、フロートは、ベローズ構造の内部の一部分内に解放可能に保持される。
【0018】
他の構造では、バラスト組立体の第1のバラストセクションおよび第2のバラストセクションは、機械的分離器の長手方向軸の周りに対向するように向けられる。
【0019】
選択的に、フロートは、貫通する開口部をそこに画定するヘッド部分を含み、フロートの内部の中から機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。ベローズは、排気スリットを含み、フロートの内部の中から機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。ベローズは、排気スリットをさらに含み、ベローズの内部およびフロートの外部によって画定されたチャンバから機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。
【0020】
他の実施形態では、流体サンプルを第1の相および第2の相に分離することができる分離組立体は、開放端部と、対置端部と、それらの間を延びる側壁とを有する管を含む。管の開放端部と封止係合するように適合された閉鎖体もまた含まれる。閉鎖体は、くぼみを画定し、機械的分離器は、そのくぼみ内に解放可能に係合される。機械的分離器は、フロートと、フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、ベローズ構造とを含む。ベローズ構造は、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズを含む。フロートは、ベローズ構造の第1の端部の一部分に取り付けられてもよく、バラスト組立体は、ベローズ構造の第2の端部の一部分に取り付けられてもよい。取り付けられたフロートおよびベローズ構造はまた、それらの間に解放可能な干渉係合も含む。フロートは、第1の密度を有することができ、バラストは、フロートの第1の密度を上回る第2の密度を有することができる。
【0021】
分離組立体のベローズ構造は、内部を画定することができ、フロートは、ベローズ構造の内部の一部分内に解放可能に保持されてもよい。フロートをベローズ構造の第1の端部から解放することにより、機械的分離器を閉鎖体のくぼみから解放することができる。選択的に、ベローズ構造は、穿刺形状を有する突き刺し可能なヘッド部分を含み、この穿刺形状は、穿刺先端部がそこを通って装着されたときの変形に耐えるような構造にされている。フロートはまた、開口部を画定し、突き刺し可能なヘッド部分の穿刺形状の一部分にほぼ対応する周囲を含むヘッド部分を有することもできる。
【0022】
他の構成では、分離組立体のバラスト組立体は、第1のバラストセクションと、ベローズ構造の一部分によって第1のバラストセクションに接合された第2のバラストセクションとを含む。第1のバラストセクションおよび第2のバラストセクションは、機械的分離器の長手方向軸の周りに対向するように向けられてもよい。
【0023】
選択的に、フロートは、貫通する開口部をそこに画定するヘッド部分を含み、フロートの内部の中から機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。ベローズは、排気スリットを含み、フロートの内部の中から機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。ベローズは、排気スリットをさらに含み、ベローズの内部およびフロートの外部によって画定されたチャンバから機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。他の構成では、分離組立体は、フロートの内部の中に配設された可動式プラグを含む。
【0024】
他の実施形態では、機械的分離器を組み立てる方法は、第1の端部および第2の端部を有する副組立体を提供する工程を含む。副組立体は、ベローズ構造の周りに少なくとも部分的に配設され、突き刺し可能なヘッド部分を画定するバラストを含む。方法はまた、副組立体の第1の端部を閉鎖体のくぼみ内に挿入してベローズ構造と閉鎖体の間の機械的結合をもたらす工程も含む。方法はまた、フロートを副組立体の第2の端部内に挿入する工程も含む。
【0025】
本発明の他の実施形態では、流体サンプルを第1の相および第2の相に分離することができる分離組立体は、少なくとも1つの開放端部と、第2の端部と、それらの間を延びる側壁とを有する管を含む。分離組立体はまた、管の開放端部と封止係合するように適合された閉鎖体も含み、このとき閉鎖体は、くぼみを画定している。機械的分離器は、くぼみ内に解放可能に係合される。機械的分離器は、フロートと、フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、ベローズ構造とを含む。ベローズ構造は、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを含む。ベローズ構造は、閉鎖体のくぼみの一部分と当接しており、ここではフロートは、分離組立体が遠心力にさらされるとベローズから解放され、その後ベローズは、くぼみから解放される。
【0026】
選択的に、フロートは、分離組立体が少なくとも250gの遠心力にさらされるとベローズから解放され、その後ベローズは、くぼみから解放される。
【0027】
本発明の他の実施形態では、流体サンプルを第1の相および第2の相に分離することができる分離組立体は、少なくとも1つの開放端部と、第2の端部と、それらの間を延びる側壁とを有する管を含む。分離組立体はまた、管の開放端部と封止係合するように適合された閉鎖体も含み、このとき閉鎖体は、くぼみを画定している。機械的分離器は、くぼみ内に解放可能に係合される。機械的分離器は、フロートと、フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、ベローズ構造とを含む。ベローズ構造は、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを含む。ベローズ構造は、閉鎖体のくぼみの一部分と当接し、ここでは、フロートは、分離組立体が遠心力にさらされるとベローズから解放されて、機械的分離器をくぼみから解放することができる。
【0028】
選択的に、フロートは、分離組立体が少なくとも250gの遠心力にさらされるとベローズから解放されて、機械的分離器をくぼみから解放することができる。
【0029】
本発明の組立体は、分離ゲルを利用する既存の分離製品と比べて有利である。特に、本発明の組立体は、検体に干渉しないが、一方で数多くのゲルは、体液と相互作用する。本発明の別の特質は、本発明の組立体が、検体を監視する治療用薬物に干渉しないことである。
【0030】
本発明の組立体はまた、フロートが、ベローズ構造との機械的干渉をもたらして機械的分離器を閉鎖体から時期尚早に解放することを防止する点で、既存の機械的分離器に比べて有利である。これは、デバイス針の隙間問題、閉鎖体下方でのサンプルの貯留、デバイスの準備段階、溶血、フィブリンドレーピング、および/またはサンプル品質の劣化を最小限に抑える。加えて、準備段階は、ベローズの突き刺し可能なヘッドをストッパの内部に対して事前に圧縮することによってさらに最小限に抑えられ得る。
【0031】
追加として、本発明の組立体は、製作中に複雑な押し出し成形を必要としない。本発明の組立体はまた、先行のゲル管に一般的に見られることであるが、従来の分析プローブを閉塞しない。
【0032】
本発明のさらなる詳細および利点は、添付の図を併せて読み取ることで以下の詳細な説明から明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】従来の機械的分離器の部分的な側部断面図である。
【図2】本発明の実施形態による、閉鎖体、ベローズ構造、バラスト組立体、フロート、および採取管を含む機械的分離器組立体の分解斜視図である。
【図3】図2の閉鎖体の底面斜視図である。
【図4】図3の線4−4に沿って切り取られた図2の閉鎖体の側面図である。
【図5】図2のフロートの斜視図である。
【図6】図2のフロートの正面図である。
【図7】図6の線7−7に沿って切り取られた図2のフロートの断面図である。
【図8】図7のセクションVIIIに沿って切り取られた図2のフロートの拡大断面図である。
【図9】図2のフロートの上面図である。
【図10】図2のバラスト組立体の第1の部分の斜視図である。
【図11】図2のバラスト組立体の第1の部分の正面図である。
【図12】図11の線12−12に沿って切り取られた図2のバラスト組立体の第1の部分の断面図である。
【図13】図2のバラスト組立体の第1の部分の上面図である。
【図14】図2のベローズ構造の斜視図である。
【図15】図2のベローズ構造の正面図である。
【図16】図15のセクションXVに沿って切り取られた図2のベローズ構造の拡大断面図である。
【図17】図2のベローズ構造の上面図である。
【図18】本発明の実施形態による、フロート、バラスト組立体、およびベローズ構造を含む組み立てられた機械的分離器の斜視図である。
【図19】図18の線19−19に沿って切り取られた図18の機械的分離器の断面図である。
【図20】図18の機械的分離器の正面図である。
【図21】図20の線21−21に沿って切り取られた図18の機械的分離器の断面図である。
【図22】本発明の実施形態による、閉鎖体を有する管と、管内に配設された機械的分離器とを含む組立体の正面図である。
【図23】本発明の実施形態による、管の内部にアクセスする針と、針を通して管の内部に提供されたある量の流体とを有する、図22の組立体の正面断面図である。
【図24】本発明の実施形態による、使用中針がそこから取り外され、機械的分離器が閉鎖体から離れて配置された図23の組立体の正面断面図である。
【図25】本発明の実施形態による、流体の低密度の部分を流体の高密度の部分から分離する機械的分離器を有する図24の組立体の正面断面図である。
【図26】本発明の実施形態による、フロート構造と接触する針を示す、管内に係合された機械的分離器および閉鎖体を有する組立体の正面断面図である。
【図27】本発明の実施形態による、フロートをベローズ構造から外す針を示す図26の組立体の断面図である。
【図28】本発明の実施形態による、ベローズ構造から外されたフロートと、下方向の向きに方向付けられたバラスト組立体とを示す、図27の組立体の断面図である。
【図29】本発明の実施形態による、機械的分離器に入るように上方向に再度方向付けられたフロートを示す図27の組立体の断面図である。
【図30】本発明の実施形態による、管内に係合された機械的分離器および閉鎖体を有する組立体の断面図である。
【図31】本発明の実施形態による、機械的分離器を突き刺す針を示す図30の組立体の断面図である。
【図32】本発明の実施形態による、管内に係合された機械的分離器および閉鎖体を有する組立体の断面図である。
【図33】閉鎖体から部分的に変位された機械的分離器を示す、図32の組立体の断面図である。
【図34】本発明の実施形態による、フロート内に配設された可動式プラグを有する機械的分離器の部分断面図である。
【図34A】初期位置にある図34の機械的分離器の部分断面図である。
【図34B】変位された位置にある図34Aの機械的分離器の部分断面図である。
【図34C】初期位置にある本発明の実施形態による、フロート内に配設された可動式プラグを有する代替的な機械的分離器の部分断面図である。
【図34D】変位された位置にある図34Cの機械的分離器の部分断面図である。
【図35】図34のべローズの一部分が初期位置にある、フロートおよび可動式プラグの正面断面図である。
【図36】図35のべローズの一部分が変位された位置にある、フロートおよび可動式プラグの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
これ以降の説明のために、用語「上側」、「下側」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「側方」、「長手方向」および類似の空間的用語は、使用される場合、図において向けられた通りに説明された実施形態に関するものとする。しかし、その反対であることを明示的に指示されない限り、多くの代替的変形形態および実施形態が仮定されてもよいことを理解されたい。また、添付の図に示し、本明細書において説明する特有のデバイスおよび実施形態は、本発明の例示的な実施形態にすぎないことも理解されたい。
【0035】
図2の分解斜視図に示すように、本発明の機械的分離組立体40は、管46と連結して流体サンプルを管46内で第1の相および第2の相に分離するための機械的分離器44と使用するための閉鎖体42を含む。管46は、体外診断、臨床研究、薬学研究、プロテオミクス、分子診断学に使用されるサンプル採取管、化学関連の診断サンプル管、採血管または他の体液流体採取管、凝固サンプル管、血液学的サンプル管および類似のものなどのサンプル採取管でよい。望ましくは、管46は、真空採血管である。一実施形態では、管46は、特定の試験手順の必要に応じて、凝固阻害剤、凝固剤、安定化添加剤、および類似のものなどの追加の添加剤を含有することができる。そのような添加剤は、粒子状または液体形態のものでよく、管46の円筒状の側壁52上に噴霧されてよく、または管46の底部に配置されてもよい。管46は、閉じた底端部48と、開放上端部50と、その間を延びる円筒状の側壁52とを含む。円筒状の側壁52は、開放上端部50から閉じた底端部48にほぼ隣接する場所まで実質的に均一に延びる内径「a」を備えた内面54を含む。
【0036】
管46は、以下の代表的な材料:ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ガラス、またはそれらの組合せの1つまたは2つ以上から作製されてもよい。管46は、単一の壁または複数の壁の構成を含むことができる。さらに、管46は、適切な生物学的サンプルを得るために任意の実用的なサイズで構築され得る。たとえば、管46は、当技術分野で知られているような従来の大容量管、小容量管、またはマイクロティナ(microtainer)管に類似するサイズのものでよい。1つの詳細な実施形態では、管46は、これもまた当技術分野で知られているような標準的な3ml真空採血管でよい。他の実施形態では、管46は、8.5mlまたは13mmの採血容量を備え、16mmの直径および100mmの長さを有してもよい。
【0037】
開放上端部50は、その中に閉鎖体42の少なくとも一部を受け入れて液体不浸透性の封止を形成するように構造される。閉鎖体は葉、上端部56と、管46内に少なくとも一部的が受け入れられるように構造された底端部58とを含む。閉鎖体42の上端部56に隣接する部分は、管46の内径「a」を超える最大の外径を画定する。図2〜4に示すように、上端部56における閉鎖体42の部分は、突き刺し可能な再封止可能である隔壁を画定する中央のくぼみ60を含む。底端部58から下方向に延びる閉鎖体42の部分は、管46の内径「a」とほぼ等しい、またはこれをわずかに下回る小直径から、上端部56に隣接する管46の内径「a」を上回る大直径へのテーパーであってもよい。したがって、閉鎖体42の底端部58は、開放上端部50に隣接する管46の一部分内に促され得る。閉鎖体42の固有の弾力性は、管46の円筒状の側壁52の内面との封止係合を保証することができる。
【0038】
一実施形態では、閉鎖体42は、管46との封止係合をもたらすのに適切なサイズおよび寸法を有する、一体的に成形されたゴムまたは弾性のある材料から形成され得る。閉鎖体42はまた、底端部58内へと延びる底部くぼみ62を画定するように形成することもできる。底部くぼみ62は、機械的分離器44の少なくとも一部分を受け入れるようにサイズ設定でもよい。さらに、複数の離間された弓状のフランジ64は、底部のくぼみ62の周りに延在して、その中に機械的分離器44を少なくとも部分的に抑止することができる。
【0039】
図2を再度参照するに、機械的分離器44は、フロート66と、バラスト組立体68と、ベローズ構造70とを含み、それにより、フロート66は、ベローズ構造70の一部分内に係合され、バラスト組立体68もまた、ベローズ構造70の一部分と係合される。
【0040】
図5〜9を参照するに、機械的分離器のフロート66は、上側端部74と、下側端部76と、その間を長手方向に延びる通路78とを有する概ね管状の本体72である。上側端部74は、概ね管状の本体72からネック部分82によって分離されたヘッド部分80を含んでもよい。フロート66は、長手方向軸Lの周りでほぼ線対称である。一実施形態では、管状本体72の外径「b」は、図2に示した管46の内径「a」を下回る。ヘッド部分80の外径「c」は、概して、管状本体72の外径「b」より小さい。ネック部分82の外径「d」は、管状本体72の外径「b」を下回り、ヘッド部分80の外径「c」をも下回る。
【0041】
フロート66のヘッド部分80は、貫通する開口部86をそこに画定する上側表面84を含み、空気の排出を許容する。一実施形態では、例えば4つの開口部86aのような複数の開口部は、そこを通る空気の排出を許容するように互いに90°の角度で配設されてもよい。図7のセクションVIIIに沿って切り取られた図8の拡大図に示すように、開口部86は、上側表面84内に延びるくぼみ、または上側表面84から上方向に延びる突起部を含んでもよい。部分86は、ほぼ正方形または円形であってもよく、かつフロート66の周りで連続的なものでもよい。部分86は、通常、ヘッド部分80の外径「c」から内方向にくぼみ付けされる。加えて、フロート66のヘッド部分80の開口部86は、図25〜26に示す穿刺先端部がそこを通過することを許容するような構造にされてもよい。
【0042】
図5〜9を再度参照するに、ヘッド部分80の上側表面84はまた、傾斜角度Aを有するヘッド部分80の外径「c」に隣接する斜めになった周囲領域88を含むこともできる。一実施形態では、傾斜角度Aは、約20度などの約15度から約25度である。他の実施形態では、ヘッド部分80はまた、ネック部分82に隣接する下側表面90を含むこともできる。下側表面はまた、約10度などの約8度から約12度の傾斜角度Bを含むこともできる。
【0043】
フロート66の管状本体72は、ネック部分82に隣接するショルダ領域94を含むことができる。ショルダ領域94は、約20度などの約15度から約25度の傾斜角度Cを含んでもよい。フロート66の下側端部76は、管状本体72の外径「b」を下回る外径「e」を有する段階的部分96を含んでもよい。代替的実施形態では、下側端部76は、ヘッド部分80の鏡像でもよく、それにより、フロートは、長手方向軸に沿って線対称である。
【0044】
一実施形態では、機械的分離器44のフロート66は、2つの相に分離されることを目的とする液体より軽い密度を有する材料から作製されることが望ましい。たとえば、ヒトの血液を血清および血漿に分離することを望む場合、フロート66は、約0.902gm/ccの密度しか有さないことが望ましい。他の実施形態では、フロート66をポリプロピレンから形成することができる。
【0045】
図2に示すように、機械的分離器44のバラスト組立体68は、第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100などの複数のバラスト部分を含んでもよい。第1のバラストセクション98および第2のバラストセクション100は、機械的分離器44の長手方向軸L1の周りに対向するように向けられてもよい。一実施形態では、第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100は、互いに対して線対称であり、その鏡像である。したがって、第1のバラストセクション98のみが図10〜13に示されているが、第2のバラスト部分100は第1のバラスト部分98の鏡像であることが本明細書では理解される。対向する向きで一緒にすると、バラスト組立体68の第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100は、ほぼ円筒状の形状を有する。あるいは、本明細書ではバラスト組立体68は、2つ以上の嵌め合い部分、すなわち第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100からなり得ることが企図される。一実施形態では、バラスト組立体は、3つの対合するバラスト部分または4つまたはそれ以上の対合するバラスト部分を備えることができる。
【0046】
図10〜13に示すように、機械的分離器44の第1のバラスト部分98は、内部表面104および外部表面106を有する湾曲した側壁102を含む。湾曲した側壁102は、図2に示された管46の内面54の湾曲と法にほぼ対応する湾曲および寸法を有し、それにより、第1のバラスト部分98は、管46の内部の中で摺動することができる。第1のバラスト部分98は、上側端部108と、下側端部110と、それらの間を延びる弓状の本体111とを有する。第1のバラスト部分98の上側端部108に隣接するのは、第1のバラスト部分98の外部表面106内に配設された受け入れくぼみ112である。受け入れくぼみ112は、外部表面106の上側端部108の湾曲部全体に沿って延在することができる。一実施形態では、受け入れくぼみ112は、フロート66と第1のバラスト部分98および/または第2のバラスト部分100間の2ショット成形技術による結合表面として設けられてもよい。選択的に、第2の受け入れくぼみ114が、第1のバラスト部分98の下側端部110に隣接して含まれてもよい。第1のバラスト部分98はまた、弓状の本体111の外径「g」を下回る上側端部108の外径「h」も有する。
【0047】
図10〜13を再度参照するに、第1のバラスト部分98は、内部表面104から内部表面104の湾曲部によって画定された内部へと延びる内部抑止部118を含んでもよい。内部抑止部118は、第1のバラスト部分98の内部表面104に沿って延びる湾曲角度Dを有してもよい。一実施形態では、湾曲角度Dは、約60度などの約55度から約65度である。他の実施形態では、内部抑止部118は、約45度などの約40度から約50度の角度Eで上方向に角度付けされる。
【0048】
一実施形態では、機械的分離器44のバラスト組立体68は、2つの相に分離されることを目的とする液体より重い密度を有する材料から作製することが望ましい。たとえば、ヒトの血液を血清および血漿に分離することが望まれる場合、バラスト組立体68は、少なくとも1.326gm/ccの密度を有することが望ましい。第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100を含むバラスト組立体68は、図5〜9に示すフロート66の密度を上回る密度を有することができる。一実施形態では、バラスト組立体68をPETからから形成することができる。第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100は、2つの別個品として型成形または押し出し成形されてよく、一体成型品として同時に製作されてもよい。
【0049】
図14〜17に示すように、機械的分離器44のベローズ構造70は、上側の第1の端部120と、下側の第2の端部122と、それらの間の円周方向に配設された変形可能なベローズ124とを含む。ベローズ構造70の上側の第1の端部120は、突き刺し可能なヘッド部分126を含み、この突き刺し可能なヘッド部分126は、図2〜4に示す閉鎖体42の底部くぼみ62の形状に対応して対合するための、概ね湾曲したショルダ130によって取り囲まれたほぼ平坦な部分128を含む。一実施形態では、ほぼ平坦な部分128は、約0.750インチの呼び径で湾曲されてもよい。一実施形態では、概ね湾曲したショルダ130は、約40度などの約35度から約45度の湾曲角度Fを有する。ほぼ平坦な部分128は、任意の適切な寸法を有することができるが、ほぼ平坦な部分128は、約0.285インチから約0.295インチの直径を有することが好ましい。突き刺し可能なヘッド部分126のほぼ平坦な部分128は、針先端部、針カニューレまたはプローブなどの図25〜26に示す穿刺先端部がそれを通過することを許容するように構成される。一実施形態では、突き刺し可能なヘッド部分126は、穿刺先端部の貫通部分全体を、そこを通して貫通させる前にその中に配設することを許容する十分な厚さを有する。穿刺先端部を突き刺し可能なヘッド部分126の平坦な部分128から引き抜くと、突き刺し可能なヘッド部分126は、液体不浸透性の封止をもたらすようにそれ自体を再封止するように構成される。機械的分離器44の突き刺し可能なヘッド部分126は、熱可塑性エラストマーなどの弾性的に変形可能かつ自己封止可能な材料から押し出し成形および/または型成形されてもよい。最適には、突き刺し可能なヘッド部分126は、機械的分離器44を排気するために二次成形(post−molding)作業によって作り出されたスリットなどの複数のスリットを用いて排気され得る。
【0050】
図19を参照するに、一実施形態では、変形可能なベローズ124は、フロート66の内部によって作り出されたチャンバと変形可能なベローズ124の内部とフロート66の外部によって作り出されたチャンバ内のような、2つの場所内で排気するための排気スリット131を含むことができる。これらのスリットは、二次成形手順によって作り出されてもよい。遠心分離作用を受ける間、機械的分離器70が閉鎖体42から解放され、機械的分離器70が流体内に浸漬されると、空気がスリットを通って排出される。スリット131は、変形可能なベローズ124の周りに径方向に配置されてよく、変形可能なベローズ124の内面上で測定して、約0.05インチから約0.075インチの長さを有することができる。
【0051】
図15のセクションXVに沿って切り取られた図16の拡大断面図に示すように、ベローズ構造70の上側の第1の端部120は、内部132を画定し、突き刺し可能なヘッド部分126に隣接する上側の第1の端部120の内部表面134は、上側の第1の端部120の内部132の中へと延びる内部係合部分136を含む。一実施形態では、内部係合部分136は、フロート66の内部直径と係合するように構成される。ベローズ構造70の内部係合部分136および図8に示すフロートの内部直径の係合により、ベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126に対する強化構造がもたらされる。一実施形態では、図6〜9に示すフロート66の周囲92は、ベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126の穿刺形状にほぼ対応する。したがって、ベローズ構造70の上側の第1の端部120は、穿刺形状を有する突き刺し可能なヘッド部分126を含むことができ、穿刺形状は、穿刺先端部が、図25〜26に示すようにそこを通して装着された際、変形に実質的に耐えるように構成される。ベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126およびフロート66のヘッド部分80の対応する形状は、本発明の突き刺し可能なヘッド部分126を、既存の機械的分離器の突き刺し可能な領域よりも安定的に、かつ「テンティング(tent)」しにくくする。サンプル貯留および閉鎖体42の底部くぼみ62からの分離器44早すぎる解放を抑制することをさらに助けるために、突き刺し可能なヘッド部分126の平坦な部分128は、選択的に、ベローズ構造70の上側の第1の端部120の他の部分より、たとえば約0.02インチから約0.08インチ厚い、厚化された領域を含むことができる。この方法では、機械的分離器44の準備段階は、突き刺し可能なヘッドを閉鎖体42の内部に対して事前に圧縮することによってさらに最小限に抑えられる。
【0052】
図14〜17を再度参照するに、ベローズ構造70の上側の第1の端部120の内部表面134はまた、内部132へと延び、突き刺し可能なヘッド部分126と変形可能なベローズ124の間に配置された内部フランジ138も含む。内部フランジ138は、図5〜9に示すフロート66の少なくとも一部分を、ベローズ構造70の内部132の中に解放可能に取り付けた状態で保持することができる。他の実施形態では、内部フランジ138は、これも図5〜9に示すフロート66の少なくとも一部分を、ベローズ構造70の上側の第1の端部120の内部132の中に機械的結合によって解放可能に保持することができる。図5〜9に示す取り付けられたフロート66およびベローズ構造70の上側の第1の端部120は、それらの間に、フロート66をベローズ構造70に対して固定関係で維持するための解放可能な干渉係合をもたらす。一実施形態では、フロート66のネック部分82およびベローズ構造70の内部フランジ138は、フロート66を、ベローズ構造70と機械的結合状態で保持する。
【0053】
図14〜15を参照するに、変形可能なベローズ124は、ベローズ構造70の上側の第1の端部120から長手方向に離間される。変形可能なベローズ124は、内部フランジ138に隣接するが、ベローズ構造70の外部表面144から側方に外方向に延びて配置されることができる。変形可能なベローズ124は、長手方向軸L2の周りで線対称であり、上側端部146と、下側端部148と、それらの間を延びる中空の内部とを含む。変形可能なベローズ124は、図2に示すように、ベローズ構造70と管46の円筒状の側壁52との封止係合をもたらす。変形可能なベローズ124は、管46の円筒状の側壁52との液体不浸透性の封止を形成するのに十分な任意の十分に弾性のある材料から作製することができる。一実施形態では、ベローズは熱可塑性エラストマーであり、約0.015インチから約0.025インチの近似の寸法的厚さを有する。他の実施形態では、ベローズ構造全体70は、熱可塑性エラストマーから作製される。
【0054】
変形可能なベローズ124は、偏向されていない位置では、図2に示す管46の内径「a」をわずかに超える外径「i」を有する概ねドーナッツ形状を有することができる。しかし、上側端部146および下側端部148上の反対方向に方向付けられた力が、変形可能なベローズ124を延ばし、それと同時に外径「i」を「a」を下回る寸法に低減する。
【0055】
図14〜15に示すように、ベローズ構造70の下側の第2の端部122は、上側の第1の端部120から長手方向に下向きに延びる対向した従属部分140を含む。一実施形態では、対向した従属部分140は、ベローズ構造70の周りを円周方向に延びる下側の端部リング142に連結される。一実施形態では、対向した従属部分140は、バラスト組立体68の一部分を中に受け入れるように構成された受け入れ空間150を画定する。一実施形態では、対向した従属部分140は、対向した受け入れ空間150を画定する。第1のバラスト部分98は、第1の受け入れ空間150内に受け入れられ、取り付けられるような構造にされ、第2のバラスト部分100は、第2の受け入れ空間150内に受け入れられ、取り付けられるように構成される。一実施形態では、従属部分140は、第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100の外部湾曲部に対応する外部湾曲部Gを有する。ベローズ70の従属部分140はまた、二個取成形技術などによってバラスト組立体68に型成形されるように設計されてもよい。これにより、バラスト組立体68とベローズ70の間の、従属部分140の表面に沿った結合を形成することが可能になり得る。これにより、バラスト組立体68を、ベローズ70が伸張するにつれて屈曲開放させることが可能になり、続いてフロート66をバラスト組立体68内に挿入することが可能になり得る。
【0056】
図18〜21に示すように、組み立てられたとき、機械的分離器44は、上側の第1の端部120と、下側の第2の端部122と、それらの間の変形可能なベローズ124とを有するベローズ構造70を含む。フロート66は、ベローズ構造70の上側の第1の端部120の一部分に取り付けられ、第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100を含むバラスト組立体68は、ベローズ構造70の第2の下側端部122に取り付けられる。第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100は、従属部分140によって接合されるなど、ベローズ構造70の一部分によって接合されてもよい。
【0057】
図21に示すように、一実施形態では、第1のバラスト部分98の受け入れくぼみ112は、ベローズ構造70の下側の端部リング142の対応する突起部152と機械的に係合されてもよい。同様に、第2のバラスト部分100の対応する受け入れくぼみ112は、下側の端部リングの対応する突起部152と機械的に係合されてもよい。図20に示すように、第1のバラスト部分98の第2の受け入れくぼみ114もまた、ベローズ構造70の従属部分140の下側の先端部154と機械的に係合されてもよい。したがって、第1のバラスト部分98、第2のバラスト部分100、およびベローズ構造70の対向する従属部分140は、図2に示す管46の内部の直径「a」を下回る直径「j」を有する円筒状の外部を形成する。
【0058】
この構成では、フロート66は、ベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126に強化支持をもたらして変形およびテンティングを最小限に抑える。フロート66は、ベローズ構造70の内部132内に、ベローズ構造70の内部フランジ138とフロート66のネック部分82との機械的作用によって抑止される。
【0059】
図19に示すように、組み立てられた機械的分離器44は、閉鎖体42の底部くぼみ62内に押し込まれてもよい。この挿入は、閉鎖体42のフランジ64を、ベローズ構造70の上側端部120と係合する。挿入中、ベローズ構造70の上側端部120の少なくとも一部は、閉鎖体42の輪郭を収容するように変形する。一実施形態では、閉鎖体42は、機械的分離器44を底部くぼみ62内に挿入する間はほとんど変形されない。一実施形態では、機械的分離器44は、ベローズ構造70の上側端部120の突き刺し可能なヘッド部分126および閉鎖体42の底部くぼみ62の干渉はまりによって閉鎖体42と係合される。選択的に、戻り止めリング(図示せず)を、ベローズ構造70の上側端部120で使用して機械的分離器44を閉鎖体42内にさらに固定してもよい。
【0060】
図21を再度参照するに、使用時、機械的分離器44のフロート66は、機械的分離器が、遠心分離機内などで加速された遠心力を受けるまで、ベローズ構造70の内部フランジ138とフロート66のネック部分82との機械的結合によってベローズ構造70の内部132の中に保持されることを目的とする。フロート66が存在することにより、ベローズ構造70の上部分が変形することを防止し、ひいては機械的分離器44が閉鎖体42から解放されることを防止する。機械的分離器44は、十分なg−負荷が遠心分離中に生成されてフロート66を引っ張ってベローズ70から自由にし、機械的分離器44を閉鎖体42から解放するまで、閉鎖体42内に「係止」される。
【0061】
加速された遠心力が加えられると、ベローズ構造70、特に変形可能なベローズ124は、バラスト68上に及ぼされた力によって長手方向に変形するように適合される。バラスト68は、遠心分離中のg−負荷の結果としてベローズ70上に力を及ぼす。内部フランジ138は、フロート66によってその上に及ぼされた力によって長手方向にそらされ、それによってフロート66のネック部分82を解放することを許容する。フロート66は、ベローズ構造70から解放されたとき、機械的分離器44内で自由に移動することができる。しかしながら、フロート66の少なくとも一部分は、第1のバラスト部分98の内部抑止部116および第2のバラスト部分100の内部抑止部116との接触によって、機械的分離器44の下側端部156を通過することが抑止されるかもしれない。一実施形態では、フロート66の段階的部分96は、機械的分離器44の下側端部156を通過することができるが、フロートの管状本体72は、第1のバラスト部分98の内部抑止部116および第2のバラスト部分100の内部抑止部116によって機械的分離器44の内部の中に抑止される。機械的分離器44が閉鎖体42から解放されると、機械的分離器44は、管46内で流体界面に向かって進行する。機械的分離器44が管46内に含有された流体に入った後、フロート66は、後退し、ベローズ70内に固着される。
【0062】
一実施形態では、バラスト組立体68およびベローズ構造70を、二個取成形などによって副組体として共に型成形または共に押し出し成形することができる。副組立体は、突き刺し可能なヘッド部分126を含むベローズ構造70の周りに少なくとも部分的に配設されたバラスト組立体を含んでもよい。他の実施形態では、バラスト組立体68およびベローズ構造70を、図19に示すように、二個取成形などによって閉鎖体42の一部分になるように共に型成形または共に押し出し成形してもよい。バラスト組立体68およびベローズ構造70を共に型成形することにより、機械的分離器44を生産するのに必要とされる製作工程の数が低減される。あるいは、バラスト組立体68およびベローズ構造70を、二個取成形などによって共に型成形または共に押し出し成形し、続いて閉鎖体42内に挿入することもできる。そして、フロート66を別個に副組立体に挿入して、ベローズ構造70と閉鎖体42の間の機械的結合を偏向させてもよい。あるいは、フロート66を副組立体に挿入して、次いで、組み合わされたフロートおよび副組立体を閉鎖体42内に挿入してもよい。
【0063】
図22〜23に示すように、機械的分離組立体40は、機械的分離器44と、管46の開放上端部50内に挿入された閉鎖体42とを含み、それにより、機械的分離器44および閉鎖体42の底端部58が、管46内に位置する。選択的に、閉鎖体42は、知られているように、閉鎖体42が管46から取り外されたときの閉鎖体42内の血液の滴下から、および潜在的な血液のエアロゾル化からユーザを保護するために、Becton,Dickinson and Company社から市販されているヘモガード(登録商標)シールドなどのシールドによって少なくとも部分的に取り囲まれてもよい。挿入中、ベローズ構造70を含む機械的分離器44は、円筒状の側壁52の内部および管46の開放上端部を封止係合する。
【0064】
図23に示すように、液体サンプルは、閉鎖体42の上端部56の隔壁およびベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126を貫通する穿刺先端部160によって管46に運ばれる。説明のみのために、液体は血液である。血液は、フロート66の中央通路78を通り、管46の閉じた底端部48まで流れる。穿刺先端部160は、その後、組立体から引き抜かれる。穿刺先端部160を取り外した際、閉鎖体42はそれ自体を再封止する。突き刺し可能なヘッド部分126もまた、流体の流れをほとんど浸透させないようにしてそれ自体を再封止する。
【0065】
図24に示すように、機械的分離組立体40は、遠心分離のような回転力の影響を受けたとき、血液のそれぞれの相は、管46の閉じた底端部58に向かって動かされる高密度相および管46の上部開放端部50に向かって動かされる低密度相に分離し始める。
【0066】
一実施形態では、機械的分離組立体40は、遠心力の影響を受けたとき、フロート66が、ベローズ構造70との係合から解放され、その後ベローズ構造70が閉鎖体42の底部くぼみ62から解放されるように適合される。したがって、図16に示すベローズ構造70の内部フランジ138は、フロート66の少なくとも一部分をベローズ構造70から解放することを許容するように十分変形することができ、その間、ベローズ構造70は、閉鎖体42の底部くぼみ62内に係合されている。フロート66およびベローズ構造70の解放可能な干渉係合は、機械的分離組立体40が、遠心分離の閾値を超える遠心力を受けたときにフロート66をベローズ構造70から解放するように適合されてもよい。一実施形態では、遠心分離の閾値は、少なくとも250gである。他の実施形態では、遠心分離の閾値は、少なくとも300gである。機械的分離組立体40が、遠心分離の閾値を超えるかけられた遠心力を受け、フロート66およびベローズ構造70の解放可能な干渉係合が外されると、機械的分離組立体40は、図24に示すように、閉鎖体42の底部くぼみ62内から、当接係合を解放するなどで外れることができる。選択的に、フロート66をベローズ構造70から解放することにより、機械的分離組立体40を閉鎖体42の底部くぼみ62から解放することができる。
【0067】
機械的分離組立体40は、非患者針(non-patient needle)をベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126に挿入する間などの、準備段階手順中に閉鎖体の底部くぼみ内に保持されるように適合される。他の実施形態では、機械的分離組立体40はまた、非患者針をベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126を通って挿入する間、フロート66がベローズ構造70と解放可能な干渉係合で保持されるように適合される。したがって、フロート66およびベローズ構造70の解放可能な干渉係合は、図6に示すように、フロート66の長手方向軸Lにほぼ沿って、および/または図15に示すようにベローズ構造70の長手方向軸L2にほぼ沿ってかけられた軸方向の準備段階の力に耐えるのに十分なものである。フロート66およびベローズ構造70の解放可能な干渉係合は、少なくとも0.5lbf(2.22N)に耐えるのに十分なものでよい。他の実施形態では、フロート66およびベローズ構造70の解放可能な干渉係合は、少なくとも2.5lbf(11.12N)に耐えるのに十分なものでよい。フロート66および機械的分離組立体40のベローズ構造70の解放可能な干渉係合は、したがって、フロート66およびベローズ構造70の互いの係合、および非患者針をベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126を通して挿入する間の機械的分離組立体40の閉鎖体42の底部くぼみ62内への係合を維持するのに十分なものである。フロート66およびベローズ構造70の解放可能な干渉係合はまた、遠心分離の閾値を超えて遠心力がかけられた際にフロート66をベローズ構造70から外し、機械的分離組立体40を閉鎖体42の底部くぼみ62から外すように適合される。
【0068】
使用中、加えられた遠心力は、機械的分離器44のバラスト組立体68を管46の閉じた底端部58に向かって押し出す。機械的分離器44が閉鎖体42から解放された後、フロート66だけが管46の上端部50に向かって押し出され、機械的分離器は流体中に沈められる。機械的分離器44が閉鎖体42に依然として固着されているとき、フロート66およびバラスト組立体68は、これらを管46の底端部に向かって引っ張るように作用する力を経験する。したがって、バラスト組立体68は、フロート66に対して長手方向に移動可能である。この長手方向の移動は、ベローズ構造70の長手方向の変形を生じさせる。その結果、ベローズ構造70、特に変形可能なベローズ124は、より長くかつ狭くなり、円筒状の側壁52の内面から内方向に同軸に離間される。ベローズ構造70の内部フランジ138上にフロート66によって及ぼされた力は、ベローズ構造70を変向させ、したがってフロート66のネック部分が解放される。フロート66がベローズ構造70の内部フランジ138から外されるとき、ベローズ構造70の上側端部120は、遠心力がかけられている間、長手方向に弾性的に変形可能である。したがって、ベローズ構造70の上側端部120は、閉鎖体42から外れることになる。一実施形態では、閉鎖体42、特にフランジ64は、かけられた遠心力を加えることによって寸法変更されず、その結果、変形しない。
【0069】
図24に示すように、一実施形態では、バラスト組立体68の負の浮力は、フロート66の正の浮力に対抗して力差を作り出し、この力差が、ベローズ構造70を管46の側壁の内部表面から離れるように収縮させる。ベローズ構造70のこの伸張は、排気スリット131を負荷の下で開放する。排気スリット131が開放されると、機械的分離組立体40内に捕捉された空気は、排気スリット131を通して排出されて、機械的分離組立体40上方の一場所において管内に入ることができる。遠心分離の後、ベローズ構造70は、未変形位置に弾性的に戻り、排気スリット131は、閉位置に再封止する。
【0070】
本設計は、針とベローズ構造70のヘッドとの相互作用の結果として機械的分離器44が、閉鎖体42から遠ざかることを防止することによって準備段階を少なくさせる。機械的分離器44は、フロート66が遠心分離中に動き始めるまで閉鎖体42から分離することはできない。加えて、閉鎖体42の構造は、ベローズ構造70の標的領域上に前負荷を作り出し、これは、ベローズのテンティングを最小限に抑えることを助ける。
【0071】
機械的分離器44が閉鎖体42から外され、変形可能なベローズ124の直径が小さくなるとき、血液のより軽い相成分は、摺動して変形可能なベローズ124を通り過ぎ、上方向に進行することができ、同様に血液のより重い相成分は、摺動して変形可能なベローズ124を通り過ぎ、下方向に進行することができる。上記で指摘したように、機械的分離器44は、血液の分離された相の密度の間の全体密度を有する。
【0072】
結果として、図25に示すように、機械的分離器44は、機械的分離デバイス40の管46内の位置で安定化し、それにより、より重い相成分162は、機械的分離器44と管46の閉じた底端部58の間に位置することになり、一方でより軽い相成分164は、機械的分離器44と管50の上端部の間に位置することになる。この安定化状態に達した後、遠心分離機は、停止され、変形可能なベローズ124は、その偏向されていない状態に弾性的に戻り、管46の円筒状の側壁52の内部と封止係合するようになる。次いで、形成された液体相に、分析のために別個にアクセスすることができる。
【0073】
図26〜29に示す代替的実施形態では、穿刺先端部160を機械的分離組立体40aの閉鎖体42を通して装着すると、直接的にフロート66aと接触する。この実施形態では、ベローズ構造70aを、フロート66aの一部分を円周方向に取り囲むように向けて、閉鎖体42および管46の側壁の封止係合をもたらすことができる。図27に示すように、穿刺先端部160の力は、上記で先に説明したようにフロート66aとベローズ構造70aの間の解放可能な干渉係合を外し、それによって血液などの液体をフロート66aの周りの機械的分離器44a内に充填することが可能になる。図28に示すように、フロート66aがベローズ構造70aから外に出された状態では、機械的分離器44aは、遠心分離などの加速された回転中、閉鎖体42から自由に動き始める。図29に示すように、機械的分離器44aが閉鎖体から外されると、フロート66aの自然の浮力は、機械的分離器44aが管内の液体に入るとすぐにフロート66aをベローズ構造70a内に押し戻す。
【0074】
図26〜29の説明に類似する図30〜31に示すさらに別の代替的実施形態では、ベローズ構造70bは、前に説明した構成に類似する突き刺し可能なヘッド部分126bを含むことができるが、突き刺し可能なヘッド部分126bが、針202の穿刺先端部200全体を、フロート66bに接触する前に突き刺し可能なヘッド部分126b内に埋めることを可能にするのに十分な厚さを有することは別である。穿刺先端部200を突き刺し可能なヘッド部分126b内に全体的に埋めることを許容することにより、ベローズ−テンティングまたは変形したベローズ内のサンプルの貯留が、最小限に抑えられる。フロート66bは、中実、剛性材料から作製されてもよい。針202がさらに進められると、フロート66bは、変位されて、血液などの液体がフロート66bの周りを流れ、管204に入ることを可能にする。遠心分離中、フロート66bは、ベローズ70bに再係合する。
【0075】
図32〜33に示すように、図26〜29の説明に類似するさらに他の実施形態では、ベローズ組立体70cは、厚化された標的領域71cを有する突き刺し可能なヘッド部分126cを含んで、穿刺先端部(図示せず)をそこを通して装着した際、テンティングまたは変形に耐えることができる。ベローズ−テンティングの影響を最小限に抑えることにより、機械的分離器が閉鎖体から早すぎて外れることもまた最小限に抑えられる。したがって、遠心力をかけ、穿刺先端部を機械的分離器と係合させないことにより、バラスト組立体68cを長手方向に移動させて、機械的分離器44cを閉鎖体42cから解放することを可能にする。最適には、戻り止めリングが、機械的分離器44cを所定位置に固定するために閉鎖体42cに隣接するベローズ組立体70c周りに配置されてもよい。
【0076】
図34に示す本発明のさらに他の実施形態によれば、機械的分離器600は、本明細書に説明したようにフロート668、ベローズ670、およびバラスト672を含むことができる。1つの構成では、フロート668には、フロート668の内部分622の中に配設された可動式プラグ620を設けることができる。一実施形態では、可動式プラグ620は、フロート668と同じ材料から形成されてよく、他の実施形態では、可動式プラグ620は、フロート668の密度とほぼ同じ密度を有する材料から形成されてもよい。さらに他の実施形態では、可動式プラグ620は、フロート668の形成後にフロート668の内部分622内に挿入されてもよい。
【0077】
特定の状況では、可動式プラグ620を有するフロート668を含む機械的分離器600は、有利になり得る。たとえば、特定の試験手順は、本明細書に説明したように、サンプルを標本採取容器内に堆積させ、サンプル内でより軽い相およびより重い相を分離するために、この標本採取容器に遠心力をかけることを必要とする。サンプルが分離されると、標本採取容器およびその中に配設されたサンプルを、約−70℃の温度などで凍結させ、その後解凍することがある。凍結プロセス中、サンプルのより重い相は膨張して、サンプルの柱を、標本採取容器内で上方向に、そしてフロート668の内部分622の一部分を通って推し進めることがあり、それによってより軽い相とより重い相の間に配設された障壁を干渉する。この体積膨張の影響を最小限に抑えるために、図34Aに示すように、可動式プラグ620をフロート668の内部分622の中に設けることができる。
【0078】
サンプルが標本採取容器(図示せず)内でより軽い相および高密度相に分離されると、サンプルは凍結されることがある。凍結プロセス中、サンプルの高密度部分は、上方向に膨張し得る。サンプルの上方向に進められた高密度部分が軽い相を干渉することを防止し、サンプルの高密度部分がフロート668から逃げることを防止するために、可動式プラグ620は、図34Bに示すように、サンプルの高密度相の膨張と共に上方向に進む。
【0079】
可動式プラグ620は、凍結中、フロート668の内部分622の中に存在する高密度の材料の膨張された柱と共に進むように適合されてもよい。本明細書では、可動式プラグ620を、図34C〜34Dに概略的に示すベローズ670の上側部分671によって、上側境界部に抑止できることが予想される。この構成では、ベローズ670の上側部分671の弾性は、伸縮自在のバルーンとして、可動式プラグ620を機械的分離器600内に拘束するように作用することができる。
【0080】
さらに他の実施形態によれば、可動式プラグ620には、横方向の穴623を設けることができ、この横方向の穴623は、図35に示す初期位置では、フロート668内に設けられた横方向の穴624とほぼ整列され、図36に示すように、変位した位置では、フロート668のブロック部分625によってほぼブロックされる。一実施形態では、可動式プラグ620の横方向の穴624は、可動式プラグ668の長手方向軸Rに対してほぼ垂直に配設される。
【0081】
この構成では、サンプル採取後、および遠心力を機械的分離器にかけている間、フロート668の内部分622内に捕捉された空気を、可動式プラグの横方向穴623およびフロート668の横方向穴624を通って排出させ、機械的分離器600から解放することができる。具体的には、空気は、本明細書で説明したように、フロート668とベローズ670の間から排出させることができる。可動式プラグ620が上方向に進められたとき、可動式プラグ620の横方向の穴623は、フロート668のブロッキング部分625と整列し、それによって、サンプルが、可動式プラグ620およびフロート668の内部分622を出て横方向の穴623を通り抜けることを防止する。
【0082】
可動式プラグ620が進むことは、全体的に受動性、かつサンプルの外部的にかけられた凍結状態に対する反応性のものになり得る。特定の例では、可動式プラグ620はまた、サンプルのその後の解凍の際にその初期位置に戻るように設けられてもよい。
【0083】
本発明は、開放端部に隣接する管内に配設された機械的分離器に関して説明してきたが、機械的分離器を、管の底部に固着させるなど、管の底部に配置することもまた本明細書で企図される。この構成は、血液サンプルが凝固しない血漿用途に特に有用になり得るが、その理由は、機械的分離器が、遠心分離中、サンプル中を自由に昇ることができるためである。
【0084】
本発明の機械的分離器は、分離器が、かけられた遠心力を受けるまで、ベローズ構造の一部分と係合または係止されるフロートを含む。したがって、使用時、本発明の機械的分離器は、デバイスの準備段階を最小限に抑え、穿刺先端部の接触面に、より安定した標的領域をもたらして閉鎖体の下方でのサンプルの貯留を低減する。追加的に、フロートの外部とバラストの内部の間の隙間の低減により、血清および血漿などの捕捉された流体相の損失が最小限に抑えられる。
【0085】
本発明を、機械的分離器組立体および使用方法のいくつかの異なる実施形態を参照して説明してきたが、当業者は、その範囲および趣旨から逸脱することなく改変および変形を加えることができる。したがって、上記の詳細な説明は、制限的ではなく、例示的であることを目的としている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体サンプルのより重い分画およびより軽い分画を分離するためのデバイスおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、流体サンプルを採取および輸送するためのデバイスおよび方法であって、それにより、デバイスおよび流体サンプルが、流体サンプルのより軽い分画からより重い分画の分離を引き起こすために遠心分離にかけられる、デバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体の開示が参照によって本明細書に組み込まれる、表題「Density Phase Separation Device」の、2008年7月21日出願の米国特許仮出願第61/082,365号明細書に対する優先権を主張するものである。
【0003】
診断検査は、患者の全血サンプルを、血清または血漿、(より軽い相成分)、および赤血球、(より重い相成分)などの成分に分離することを必要とすることがある。全血のサンプルは、通常、シリンジまたは真空採血管に取り付けられたカニューレまたは針を通して静脈穿刺によって採取される。採取後、血清または血漿および赤血球への血液の分離が、遠心分離機内でシリンジまたは管の回転により実施される。分離を維持するために、より重い相成分とより軽い相成分の間に障壁を配置させなければならない。これにより、分離された成分を続いて調べることが可能になる。
【0004】
流体サンプルのより重い相とより軽い相の間の領域を分割するために、さまざまな分離障壁が採取デバイス内で使用されてきた。最も広く使用されているデバイスは、ポリエステルゲルなどの揺変性ゲル材料を含む。しかし、現在のポリエステルゲルの血清分離管は、ゲルの調製、および管の充填の両方をするのに特別な製造装置を必要とする。さらに、製品の品質保持が限定される。時間が経つにつれ、小球が、ゲル塊から解放され、分離された相成分の一方または両方に入り得る。これらの小球は、管内で採取されたサンプルの臨床検査中に使用される、器具プローブなどの測定器具を詰まらせるかもしれない。さらに、市販されているゲル障壁は、検体と化学的に反応することがある。したがって、特定の薬物が服用されたときにそれが血液サンプル内に存在する場合、ゲル界面との有害な化学反応が起こり得る。
【0005】
流体サンプルのより重い相とより軽い相の間に機械的障壁を使用することができる特定の機械的分離器もまた、提案されてきた。従来の機械的障壁は、浮力差および遠心分離中にかけられた重力の上昇を利用して、より重い相成分とより軽い相成分の間に配置される。血漿標本および血清標本に対して適正な向きになるように、従来の機械的分離器は、通常、血液採取セットと係合されたときにそのデバイスの中または周りで血液充填が起こるようにして、機械的分離器を管の閉鎖体の下面に固着させることを必要とする。この取り付けは、発送、取り扱い、および採血中の分離器の時期尚早の移動を防止するために必要とされる。従来の機械的分離器は、ベローズ構成要素と閉鎖体の間の機械的なインターロックによって、管の閉鎖体に固着される。例示的なデバイスが特許文献1および特許文献2に説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,803,022号明細書
【特許文献2】米国特許第6,479,298号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の機械的分離器は、いくつかの重大な欠点を有している。図1に示すように、従来の分離器は、管またはシリンジ壁38との封止を提供するためのベローズ34を含む。通常、ベローズ34の少なくとも一部分は、閉鎖体32内に、またはこれと接触して収容される。図1に示すように、針30が閉鎖体32を通って入るにつれて、ベローズ34は押し下げられる。これにより、針30が取り外されたときに血液が貯留し得る空隙36が作り出される。このため、針の隙間問題、閉鎖体下方でのサンプルの貯留、機械的分離器が血液採取中に時期尚早に解放されるデバイスの準備段階、溶血、フィブリンドレーピングおよび/またはサンプル品質の劣化が生じる恐れがある。さらに、従来の機械的分離器は、複雑な複部構成の製作技術のために、製造するのにコストがかかり複雑である。
【0008】
したがって、標準的なサンプル抽出装置と互換性があり、従来の分離器の上述した問題を低減または解消する分離器デバイスに対する必要性が存在している。また、血液サンプルを分離し、遠心分離中のサンプルのより重い相およびより軽い相の交差汚染を最小限に抑えるために容易に使用される、保管および発送中、温度に左右されず、放射線滅菌に対して安定的である分離器デバイスに対する必要性も存在している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、流体サンプルを、より高い比重相およびより低い比重相に分離するための組立体および方法を対象とする。望ましくは、本発明の機械的分離器は、管と共に使用されてもよく、機械的分離器は、流体サンプルの部分を分離するために、かけられた遠心力の作用の下において管内で移動するように構成される。最も好ましくは、管は、開放端部と、閉鎖端部または対置端部と、開放端部と閉鎖端部または対置端部の間を延びる側壁とを含む標本採取管である。側壁は、外面および内面を含み、管は、再封止可能な隔壁を備えた、管の開放端部内に嵌合するように配設された閉鎖体をさらに含む。あるいは、管の両端は、開放されてもよく、管の両端は、弾性のある閉鎖体によって封止されてもよい。管の閉鎖体の少なくとも1つは、針で突き刺し可能な再封止可能な隔壁を含むことができる。
【0010】
機械的分離器は、管内の、上部閉鎖体と管の底部の間の一場所に配設されてもよい。分離器は、対向した上端部および底端部を含み、フロート、バラスト組立体、およびベローズ構造を含む。分離器の構成要素は、血液サンプルなどの流体サンプルの相の密度の間に位置する、分離器の全体密度を達成するように寸法設定され、構成される。
【0011】
一実施形態では、機械的分離器は、流体サンプルを、管内で第1の相および第2の相に分離するように適合される。機械的分離器は、フロートと、フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、ベローズ構造とを含む。ベローズ構造は、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを含む。フロートは、ベローズ構造の第1の端部の一部分に取り付けられてもよく、バラスト組立体は、ベローズ構造の第2の端部の一部分に取り付けられてもよい。取り付けられたフロートおよびベローズ構造はまた、それらの間に解放可能な干渉係合も含む。フロートは、第1の密度を有することができ、バラストは、フロートの第1の密度を上回る第2の密度を有することができる。解放可能な干渉係合は、フロートが少なくとも250gの遠心力を超えた際に解放されるように構成され得る。
【0012】
機械的分離器の解放可能な干渉係合は、ベローズ構造が長手方向に変形する際に解放されるように適合されてもよい。ベローズ構造はまた、内部を画定することができ、フロートは、ベローズ構造の内部の一部分内に解放可能に保持されてもよい。ベローズ構造はまた、内部フランジを含むこともでき、フロートの少なくとも一部分は、内部フランジによって第1の端部の内部に保持されてもよい。
【0013】
機械的分離器のフロートは、選択的に、ネック部分を含むことができ、フロートは、内部フランジおよびネック部分の機械的干渉によって第1の端部の内部の一部分内に解放可能に保持されてもよい。他の構成では、ベローズ構造の第1の端部は、内部と対面する内部係合部分を含むことができ、フロートは、内部係合部分との機械的結合のための外部係合部分を含むことができる。ベローズ構造の第1の端部はまた、穿刺形状を有する突き刺し可能なヘッド部分を含むこともでき、この穿刺形状は、穿刺先端部がそこを通して装着された際、変形に耐えるような構造にされている。フロートは、貫通する開口部をそこに画定するヘッド部分を含んで、空気をフロートの内部の中から機械的分離器外部の領域に排出することを許容することができる。
【0014】
選択的に、ベローズは、排気スリットを含み、空気をフロートの内部の中から機械的分離器の外部の領域に排出することを許容することができる。ベローズは、排気スリットをさらに含み、ベローズの内部およびフロートの外部によって画定されたチャンバから機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。
【0015】
他の構成では、バラスト組立体は、第1のバラストセクションおよびベローズ構造の一部分によって第1のバラストセクションに接合された第2のバラストセクションなどの複数のバラスト対合セクションを含む。第1のバラストセクションおよび第2のバラストセクションは、機械的分離器の長手方向軸の周りに対向するように向けられてもよい。機械的分離器はまた、ポリプロピレン製のフロートと、ポリエチレンテレフタレート製のバラスト組立体と、熱可塑性エラストマー製のベローズ構造とを含むこともできる。分離組立体は、フロートの内部の中に配設された可動式プラグを含む。
【0016】
他の実施形態では、流体サンプルを管内で第1の相および第2の相に分離するための機械的分離器は、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを有するベローズ構造を含む。機械的分離器はまた、フロートと、フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体とを含む。バラスト組立体は、第1のバラストセクションと、ベローズ構造の一部分によって第1のバラストセクションに接合された第2のバラストセクションとを含む。フロートは、第1の密度を有することができ、バラスト組立体は、フロートの第1の密度を上回る第2の密度を有することができる。
【0017】
機械的分離器のフロートは、ベローズ構造の第1の端部の一部分に取り付けられてもよく、バラストは、ベローズ構造の第2の端部の一部分に取り付けられてもよい。取り付けられたフロートおよびベローズ構造は、それらの間に解放可能な干渉係合をさらに含むことができる。1つの構成では、機械的分離器のベローズ構造は、内部を画定し、フロートは、ベローズ構造の内部の一部分内に解放可能に保持される。
【0018】
他の構造では、バラスト組立体の第1のバラストセクションおよび第2のバラストセクションは、機械的分離器の長手方向軸の周りに対向するように向けられる。
【0019】
選択的に、フロートは、貫通する開口部をそこに画定するヘッド部分を含み、フロートの内部の中から機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。ベローズは、排気スリットを含み、フロートの内部の中から機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。ベローズは、排気スリットをさらに含み、ベローズの内部およびフロートの外部によって画定されたチャンバから機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。
【0020】
他の実施形態では、流体サンプルを第1の相および第2の相に分離することができる分離組立体は、開放端部と、対置端部と、それらの間を延びる側壁とを有する管を含む。管の開放端部と封止係合するように適合された閉鎖体もまた含まれる。閉鎖体は、くぼみを画定し、機械的分離器は、そのくぼみ内に解放可能に係合される。機械的分離器は、フロートと、フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、ベローズ構造とを含む。ベローズ構造は、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズを含む。フロートは、ベローズ構造の第1の端部の一部分に取り付けられてもよく、バラスト組立体は、ベローズ構造の第2の端部の一部分に取り付けられてもよい。取り付けられたフロートおよびベローズ構造はまた、それらの間に解放可能な干渉係合も含む。フロートは、第1の密度を有することができ、バラストは、フロートの第1の密度を上回る第2の密度を有することができる。
【0021】
分離組立体のベローズ構造は、内部を画定することができ、フロートは、ベローズ構造の内部の一部分内に解放可能に保持されてもよい。フロートをベローズ構造の第1の端部から解放することにより、機械的分離器を閉鎖体のくぼみから解放することができる。選択的に、ベローズ構造は、穿刺形状を有する突き刺し可能なヘッド部分を含み、この穿刺形状は、穿刺先端部がそこを通って装着されたときの変形に耐えるような構造にされている。フロートはまた、開口部を画定し、突き刺し可能なヘッド部分の穿刺形状の一部分にほぼ対応する周囲を含むヘッド部分を有することもできる。
【0022】
他の構成では、分離組立体のバラスト組立体は、第1のバラストセクションと、ベローズ構造の一部分によって第1のバラストセクションに接合された第2のバラストセクションとを含む。第1のバラストセクションおよび第2のバラストセクションは、機械的分離器の長手方向軸の周りに対向するように向けられてもよい。
【0023】
選択的に、フロートは、貫通する開口部をそこに画定するヘッド部分を含み、フロートの内部の中から機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。ベローズは、排気スリットを含み、フロートの内部の中から機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。ベローズは、排気スリットをさらに含み、ベローズの内部およびフロートの外部によって画定されたチャンバから機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容することができる。他の構成では、分離組立体は、フロートの内部の中に配設された可動式プラグを含む。
【0024】
他の実施形態では、機械的分離器を組み立てる方法は、第1の端部および第2の端部を有する副組立体を提供する工程を含む。副組立体は、ベローズ構造の周りに少なくとも部分的に配設され、突き刺し可能なヘッド部分を画定するバラストを含む。方法はまた、副組立体の第1の端部を閉鎖体のくぼみ内に挿入してベローズ構造と閉鎖体の間の機械的結合をもたらす工程も含む。方法はまた、フロートを副組立体の第2の端部内に挿入する工程も含む。
【0025】
本発明の他の実施形態では、流体サンプルを第1の相および第2の相に分離することができる分離組立体は、少なくとも1つの開放端部と、第2の端部と、それらの間を延びる側壁とを有する管を含む。分離組立体はまた、管の開放端部と封止係合するように適合された閉鎖体も含み、このとき閉鎖体は、くぼみを画定している。機械的分離器は、くぼみ内に解放可能に係合される。機械的分離器は、フロートと、フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、ベローズ構造とを含む。ベローズ構造は、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを含む。ベローズ構造は、閉鎖体のくぼみの一部分と当接しており、ここではフロートは、分離組立体が遠心力にさらされるとベローズから解放され、その後ベローズは、くぼみから解放される。
【0026】
選択的に、フロートは、分離組立体が少なくとも250gの遠心力にさらされるとベローズから解放され、その後ベローズは、くぼみから解放される。
【0027】
本発明の他の実施形態では、流体サンプルを第1の相および第2の相に分離することができる分離組立体は、少なくとも1つの開放端部と、第2の端部と、それらの間を延びる側壁とを有する管を含む。分離組立体はまた、管の開放端部と封止係合するように適合された閉鎖体も含み、このとき閉鎖体は、くぼみを画定している。機械的分離器は、くぼみ内に解放可能に係合される。機械的分離器は、フロートと、フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、ベローズ構造とを含む。ベローズ構造は、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを含む。ベローズ構造は、閉鎖体のくぼみの一部分と当接し、ここでは、フロートは、分離組立体が遠心力にさらされるとベローズから解放されて、機械的分離器をくぼみから解放することができる。
【0028】
選択的に、フロートは、分離組立体が少なくとも250gの遠心力にさらされるとベローズから解放されて、機械的分離器をくぼみから解放することができる。
【0029】
本発明の組立体は、分離ゲルを利用する既存の分離製品と比べて有利である。特に、本発明の組立体は、検体に干渉しないが、一方で数多くのゲルは、体液と相互作用する。本発明の別の特質は、本発明の組立体が、検体を監視する治療用薬物に干渉しないことである。
【0030】
本発明の組立体はまた、フロートが、ベローズ構造との機械的干渉をもたらして機械的分離器を閉鎖体から時期尚早に解放することを防止する点で、既存の機械的分離器に比べて有利である。これは、デバイス針の隙間問題、閉鎖体下方でのサンプルの貯留、デバイスの準備段階、溶血、フィブリンドレーピング、および/またはサンプル品質の劣化を最小限に抑える。加えて、準備段階は、ベローズの突き刺し可能なヘッドをストッパの内部に対して事前に圧縮することによってさらに最小限に抑えられ得る。
【0031】
追加として、本発明の組立体は、製作中に複雑な押し出し成形を必要としない。本発明の組立体はまた、先行のゲル管に一般的に見られることであるが、従来の分析プローブを閉塞しない。
【0032】
本発明のさらなる詳細および利点は、添付の図を併せて読み取ることで以下の詳細な説明から明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】従来の機械的分離器の部分的な側部断面図である。
【図2】本発明の実施形態による、閉鎖体、ベローズ構造、バラスト組立体、フロート、および採取管を含む機械的分離器組立体の分解斜視図である。
【図3】図2の閉鎖体の底面斜視図である。
【図4】図3の線4−4に沿って切り取られた図2の閉鎖体の側面図である。
【図5】図2のフロートの斜視図である。
【図6】図2のフロートの正面図である。
【図7】図6の線7−7に沿って切り取られた図2のフロートの断面図である。
【図8】図7のセクションVIIIに沿って切り取られた図2のフロートの拡大断面図である。
【図9】図2のフロートの上面図である。
【図10】図2のバラスト組立体の第1の部分の斜視図である。
【図11】図2のバラスト組立体の第1の部分の正面図である。
【図12】図11の線12−12に沿って切り取られた図2のバラスト組立体の第1の部分の断面図である。
【図13】図2のバラスト組立体の第1の部分の上面図である。
【図14】図2のベローズ構造の斜視図である。
【図15】図2のベローズ構造の正面図である。
【図16】図15のセクションXVに沿って切り取られた図2のベローズ構造の拡大断面図である。
【図17】図2のベローズ構造の上面図である。
【図18】本発明の実施形態による、フロート、バラスト組立体、およびベローズ構造を含む組み立てられた機械的分離器の斜視図である。
【図19】図18の線19−19に沿って切り取られた図18の機械的分離器の断面図である。
【図20】図18の機械的分離器の正面図である。
【図21】図20の線21−21に沿って切り取られた図18の機械的分離器の断面図である。
【図22】本発明の実施形態による、閉鎖体を有する管と、管内に配設された機械的分離器とを含む組立体の正面図である。
【図23】本発明の実施形態による、管の内部にアクセスする針と、針を通して管の内部に提供されたある量の流体とを有する、図22の組立体の正面断面図である。
【図24】本発明の実施形態による、使用中針がそこから取り外され、機械的分離器が閉鎖体から離れて配置された図23の組立体の正面断面図である。
【図25】本発明の実施形態による、流体の低密度の部分を流体の高密度の部分から分離する機械的分離器を有する図24の組立体の正面断面図である。
【図26】本発明の実施形態による、フロート構造と接触する針を示す、管内に係合された機械的分離器および閉鎖体を有する組立体の正面断面図である。
【図27】本発明の実施形態による、フロートをベローズ構造から外す針を示す図26の組立体の断面図である。
【図28】本発明の実施形態による、ベローズ構造から外されたフロートと、下方向の向きに方向付けられたバラスト組立体とを示す、図27の組立体の断面図である。
【図29】本発明の実施形態による、機械的分離器に入るように上方向に再度方向付けられたフロートを示す図27の組立体の断面図である。
【図30】本発明の実施形態による、管内に係合された機械的分離器および閉鎖体を有する組立体の断面図である。
【図31】本発明の実施形態による、機械的分離器を突き刺す針を示す図30の組立体の断面図である。
【図32】本発明の実施形態による、管内に係合された機械的分離器および閉鎖体を有する組立体の断面図である。
【図33】閉鎖体から部分的に変位された機械的分離器を示す、図32の組立体の断面図である。
【図34】本発明の実施形態による、フロート内に配設された可動式プラグを有する機械的分離器の部分断面図である。
【図34A】初期位置にある図34の機械的分離器の部分断面図である。
【図34B】変位された位置にある図34Aの機械的分離器の部分断面図である。
【図34C】初期位置にある本発明の実施形態による、フロート内に配設された可動式プラグを有する代替的な機械的分離器の部分断面図である。
【図34D】変位された位置にある図34Cの機械的分離器の部分断面図である。
【図35】図34のべローズの一部分が初期位置にある、フロートおよび可動式プラグの正面断面図である。
【図36】図35のべローズの一部分が変位された位置にある、フロートおよび可動式プラグの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
これ以降の説明のために、用語「上側」、「下側」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「側方」、「長手方向」および類似の空間的用語は、使用される場合、図において向けられた通りに説明された実施形態に関するものとする。しかし、その反対であることを明示的に指示されない限り、多くの代替的変形形態および実施形態が仮定されてもよいことを理解されたい。また、添付の図に示し、本明細書において説明する特有のデバイスおよび実施形態は、本発明の例示的な実施形態にすぎないことも理解されたい。
【0035】
図2の分解斜視図に示すように、本発明の機械的分離組立体40は、管46と連結して流体サンプルを管46内で第1の相および第2の相に分離するための機械的分離器44と使用するための閉鎖体42を含む。管46は、体外診断、臨床研究、薬学研究、プロテオミクス、分子診断学に使用されるサンプル採取管、化学関連の診断サンプル管、採血管または他の体液流体採取管、凝固サンプル管、血液学的サンプル管および類似のものなどのサンプル採取管でよい。望ましくは、管46は、真空採血管である。一実施形態では、管46は、特定の試験手順の必要に応じて、凝固阻害剤、凝固剤、安定化添加剤、および類似のものなどの追加の添加剤を含有することができる。そのような添加剤は、粒子状または液体形態のものでよく、管46の円筒状の側壁52上に噴霧されてよく、または管46の底部に配置されてもよい。管46は、閉じた底端部48と、開放上端部50と、その間を延びる円筒状の側壁52とを含む。円筒状の側壁52は、開放上端部50から閉じた底端部48にほぼ隣接する場所まで実質的に均一に延びる内径「a」を備えた内面54を含む。
【0036】
管46は、以下の代表的な材料:ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ガラス、またはそれらの組合せの1つまたは2つ以上から作製されてもよい。管46は、単一の壁または複数の壁の構成を含むことができる。さらに、管46は、適切な生物学的サンプルを得るために任意の実用的なサイズで構築され得る。たとえば、管46は、当技術分野で知られているような従来の大容量管、小容量管、またはマイクロティナ(microtainer)管に類似するサイズのものでよい。1つの詳細な実施形態では、管46は、これもまた当技術分野で知られているような標準的な3ml真空採血管でよい。他の実施形態では、管46は、8.5mlまたは13mmの採血容量を備え、16mmの直径および100mmの長さを有してもよい。
【0037】
開放上端部50は、その中に閉鎖体42の少なくとも一部を受け入れて液体不浸透性の封止を形成するように構造される。閉鎖体は葉、上端部56と、管46内に少なくとも一部的が受け入れられるように構造された底端部58とを含む。閉鎖体42の上端部56に隣接する部分は、管46の内径「a」を超える最大の外径を画定する。図2〜4に示すように、上端部56における閉鎖体42の部分は、突き刺し可能な再封止可能である隔壁を画定する中央のくぼみ60を含む。底端部58から下方向に延びる閉鎖体42の部分は、管46の内径「a」とほぼ等しい、またはこれをわずかに下回る小直径から、上端部56に隣接する管46の内径「a」を上回る大直径へのテーパーであってもよい。したがって、閉鎖体42の底端部58は、開放上端部50に隣接する管46の一部分内に促され得る。閉鎖体42の固有の弾力性は、管46の円筒状の側壁52の内面との封止係合を保証することができる。
【0038】
一実施形態では、閉鎖体42は、管46との封止係合をもたらすのに適切なサイズおよび寸法を有する、一体的に成形されたゴムまたは弾性のある材料から形成され得る。閉鎖体42はまた、底端部58内へと延びる底部くぼみ62を画定するように形成することもできる。底部くぼみ62は、機械的分離器44の少なくとも一部分を受け入れるようにサイズ設定でもよい。さらに、複数の離間された弓状のフランジ64は、底部のくぼみ62の周りに延在して、その中に機械的分離器44を少なくとも部分的に抑止することができる。
【0039】
図2を再度参照するに、機械的分離器44は、フロート66と、バラスト組立体68と、ベローズ構造70とを含み、それにより、フロート66は、ベローズ構造70の一部分内に係合され、バラスト組立体68もまた、ベローズ構造70の一部分と係合される。
【0040】
図5〜9を参照するに、機械的分離器のフロート66は、上側端部74と、下側端部76と、その間を長手方向に延びる通路78とを有する概ね管状の本体72である。上側端部74は、概ね管状の本体72からネック部分82によって分離されたヘッド部分80を含んでもよい。フロート66は、長手方向軸Lの周りでほぼ線対称である。一実施形態では、管状本体72の外径「b」は、図2に示した管46の内径「a」を下回る。ヘッド部分80の外径「c」は、概して、管状本体72の外径「b」より小さい。ネック部分82の外径「d」は、管状本体72の外径「b」を下回り、ヘッド部分80の外径「c」をも下回る。
【0041】
フロート66のヘッド部分80は、貫通する開口部86をそこに画定する上側表面84を含み、空気の排出を許容する。一実施形態では、例えば4つの開口部86aのような複数の開口部は、そこを通る空気の排出を許容するように互いに90°の角度で配設されてもよい。図7のセクションVIIIに沿って切り取られた図8の拡大図に示すように、開口部86は、上側表面84内に延びるくぼみ、または上側表面84から上方向に延びる突起部を含んでもよい。部分86は、ほぼ正方形または円形であってもよく、かつフロート66の周りで連続的なものでもよい。部分86は、通常、ヘッド部分80の外径「c」から内方向にくぼみ付けされる。加えて、フロート66のヘッド部分80の開口部86は、図25〜26に示す穿刺先端部がそこを通過することを許容するような構造にされてもよい。
【0042】
図5〜9を再度参照するに、ヘッド部分80の上側表面84はまた、傾斜角度Aを有するヘッド部分80の外径「c」に隣接する斜めになった周囲領域88を含むこともできる。一実施形態では、傾斜角度Aは、約20度などの約15度から約25度である。他の実施形態では、ヘッド部分80はまた、ネック部分82に隣接する下側表面90を含むこともできる。下側表面はまた、約10度などの約8度から約12度の傾斜角度Bを含むこともできる。
【0043】
フロート66の管状本体72は、ネック部分82に隣接するショルダ領域94を含むことができる。ショルダ領域94は、約20度などの約15度から約25度の傾斜角度Cを含んでもよい。フロート66の下側端部76は、管状本体72の外径「b」を下回る外径「e」を有する段階的部分96を含んでもよい。代替的実施形態では、下側端部76は、ヘッド部分80の鏡像でもよく、それにより、フロートは、長手方向軸に沿って線対称である。
【0044】
一実施形態では、機械的分離器44のフロート66は、2つの相に分離されることを目的とする液体より軽い密度を有する材料から作製されることが望ましい。たとえば、ヒトの血液を血清および血漿に分離することを望む場合、フロート66は、約0.902gm/ccの密度しか有さないことが望ましい。他の実施形態では、フロート66をポリプロピレンから形成することができる。
【0045】
図2に示すように、機械的分離器44のバラスト組立体68は、第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100などの複数のバラスト部分を含んでもよい。第1のバラストセクション98および第2のバラストセクション100は、機械的分離器44の長手方向軸L1の周りに対向するように向けられてもよい。一実施形態では、第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100は、互いに対して線対称であり、その鏡像である。したがって、第1のバラストセクション98のみが図10〜13に示されているが、第2のバラスト部分100は第1のバラスト部分98の鏡像であることが本明細書では理解される。対向する向きで一緒にすると、バラスト組立体68の第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100は、ほぼ円筒状の形状を有する。あるいは、本明細書ではバラスト組立体68は、2つ以上の嵌め合い部分、すなわち第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100からなり得ることが企図される。一実施形態では、バラスト組立体は、3つの対合するバラスト部分または4つまたはそれ以上の対合するバラスト部分を備えることができる。
【0046】
図10〜13に示すように、機械的分離器44の第1のバラスト部分98は、内部表面104および外部表面106を有する湾曲した側壁102を含む。湾曲した側壁102は、図2に示された管46の内面54の湾曲と法にほぼ対応する湾曲および寸法を有し、それにより、第1のバラスト部分98は、管46の内部の中で摺動することができる。第1のバラスト部分98は、上側端部108と、下側端部110と、それらの間を延びる弓状の本体111とを有する。第1のバラスト部分98の上側端部108に隣接するのは、第1のバラスト部分98の外部表面106内に配設された受け入れくぼみ112である。受け入れくぼみ112は、外部表面106の上側端部108の湾曲部全体に沿って延在することができる。一実施形態では、受け入れくぼみ112は、フロート66と第1のバラスト部分98および/または第2のバラスト部分100間の2ショット成形技術による結合表面として設けられてもよい。選択的に、第2の受け入れくぼみ114が、第1のバラスト部分98の下側端部110に隣接して含まれてもよい。第1のバラスト部分98はまた、弓状の本体111の外径「g」を下回る上側端部108の外径「h」も有する。
【0047】
図10〜13を再度参照するに、第1のバラスト部分98は、内部表面104から内部表面104の湾曲部によって画定された内部へと延びる内部抑止部118を含んでもよい。内部抑止部118は、第1のバラスト部分98の内部表面104に沿って延びる湾曲角度Dを有してもよい。一実施形態では、湾曲角度Dは、約60度などの約55度から約65度である。他の実施形態では、内部抑止部118は、約45度などの約40度から約50度の角度Eで上方向に角度付けされる。
【0048】
一実施形態では、機械的分離器44のバラスト組立体68は、2つの相に分離されることを目的とする液体より重い密度を有する材料から作製することが望ましい。たとえば、ヒトの血液を血清および血漿に分離することが望まれる場合、バラスト組立体68は、少なくとも1.326gm/ccの密度を有することが望ましい。第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100を含むバラスト組立体68は、図5〜9に示すフロート66の密度を上回る密度を有することができる。一実施形態では、バラスト組立体68をPETからから形成することができる。第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100は、2つの別個品として型成形または押し出し成形されてよく、一体成型品として同時に製作されてもよい。
【0049】
図14〜17に示すように、機械的分離器44のベローズ構造70は、上側の第1の端部120と、下側の第2の端部122と、それらの間の円周方向に配設された変形可能なベローズ124とを含む。ベローズ構造70の上側の第1の端部120は、突き刺し可能なヘッド部分126を含み、この突き刺し可能なヘッド部分126は、図2〜4に示す閉鎖体42の底部くぼみ62の形状に対応して対合するための、概ね湾曲したショルダ130によって取り囲まれたほぼ平坦な部分128を含む。一実施形態では、ほぼ平坦な部分128は、約0.750インチの呼び径で湾曲されてもよい。一実施形態では、概ね湾曲したショルダ130は、約40度などの約35度から約45度の湾曲角度Fを有する。ほぼ平坦な部分128は、任意の適切な寸法を有することができるが、ほぼ平坦な部分128は、約0.285インチから約0.295インチの直径を有することが好ましい。突き刺し可能なヘッド部分126のほぼ平坦な部分128は、針先端部、針カニューレまたはプローブなどの図25〜26に示す穿刺先端部がそれを通過することを許容するように構成される。一実施形態では、突き刺し可能なヘッド部分126は、穿刺先端部の貫通部分全体を、そこを通して貫通させる前にその中に配設することを許容する十分な厚さを有する。穿刺先端部を突き刺し可能なヘッド部分126の平坦な部分128から引き抜くと、突き刺し可能なヘッド部分126は、液体不浸透性の封止をもたらすようにそれ自体を再封止するように構成される。機械的分離器44の突き刺し可能なヘッド部分126は、熱可塑性エラストマーなどの弾性的に変形可能かつ自己封止可能な材料から押し出し成形および/または型成形されてもよい。最適には、突き刺し可能なヘッド部分126は、機械的分離器44を排気するために二次成形(post−molding)作業によって作り出されたスリットなどの複数のスリットを用いて排気され得る。
【0050】
図19を参照するに、一実施形態では、変形可能なベローズ124は、フロート66の内部によって作り出されたチャンバと変形可能なベローズ124の内部とフロート66の外部によって作り出されたチャンバ内のような、2つの場所内で排気するための排気スリット131を含むことができる。これらのスリットは、二次成形手順によって作り出されてもよい。遠心分離作用を受ける間、機械的分離器70が閉鎖体42から解放され、機械的分離器70が流体内に浸漬されると、空気がスリットを通って排出される。スリット131は、変形可能なベローズ124の周りに径方向に配置されてよく、変形可能なベローズ124の内面上で測定して、約0.05インチから約0.075インチの長さを有することができる。
【0051】
図15のセクションXVに沿って切り取られた図16の拡大断面図に示すように、ベローズ構造70の上側の第1の端部120は、内部132を画定し、突き刺し可能なヘッド部分126に隣接する上側の第1の端部120の内部表面134は、上側の第1の端部120の内部132の中へと延びる内部係合部分136を含む。一実施形態では、内部係合部分136は、フロート66の内部直径と係合するように構成される。ベローズ構造70の内部係合部分136および図8に示すフロートの内部直径の係合により、ベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126に対する強化構造がもたらされる。一実施形態では、図6〜9に示すフロート66の周囲92は、ベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126の穿刺形状にほぼ対応する。したがって、ベローズ構造70の上側の第1の端部120は、穿刺形状を有する突き刺し可能なヘッド部分126を含むことができ、穿刺形状は、穿刺先端部が、図25〜26に示すようにそこを通して装着された際、変形に実質的に耐えるように構成される。ベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126およびフロート66のヘッド部分80の対応する形状は、本発明の突き刺し可能なヘッド部分126を、既存の機械的分離器の突き刺し可能な領域よりも安定的に、かつ「テンティング(tent)」しにくくする。サンプル貯留および閉鎖体42の底部くぼみ62からの分離器44早すぎる解放を抑制することをさらに助けるために、突き刺し可能なヘッド部分126の平坦な部分128は、選択的に、ベローズ構造70の上側の第1の端部120の他の部分より、たとえば約0.02インチから約0.08インチ厚い、厚化された領域を含むことができる。この方法では、機械的分離器44の準備段階は、突き刺し可能なヘッドを閉鎖体42の内部に対して事前に圧縮することによってさらに最小限に抑えられる。
【0052】
図14〜17を再度参照するに、ベローズ構造70の上側の第1の端部120の内部表面134はまた、内部132へと延び、突き刺し可能なヘッド部分126と変形可能なベローズ124の間に配置された内部フランジ138も含む。内部フランジ138は、図5〜9に示すフロート66の少なくとも一部分を、ベローズ構造70の内部132の中に解放可能に取り付けた状態で保持することができる。他の実施形態では、内部フランジ138は、これも図5〜9に示すフロート66の少なくとも一部分を、ベローズ構造70の上側の第1の端部120の内部132の中に機械的結合によって解放可能に保持することができる。図5〜9に示す取り付けられたフロート66およびベローズ構造70の上側の第1の端部120は、それらの間に、フロート66をベローズ構造70に対して固定関係で維持するための解放可能な干渉係合をもたらす。一実施形態では、フロート66のネック部分82およびベローズ構造70の内部フランジ138は、フロート66を、ベローズ構造70と機械的結合状態で保持する。
【0053】
図14〜15を参照するに、変形可能なベローズ124は、ベローズ構造70の上側の第1の端部120から長手方向に離間される。変形可能なベローズ124は、内部フランジ138に隣接するが、ベローズ構造70の外部表面144から側方に外方向に延びて配置されることができる。変形可能なベローズ124は、長手方向軸L2の周りで線対称であり、上側端部146と、下側端部148と、それらの間を延びる中空の内部とを含む。変形可能なベローズ124は、図2に示すように、ベローズ構造70と管46の円筒状の側壁52との封止係合をもたらす。変形可能なベローズ124は、管46の円筒状の側壁52との液体不浸透性の封止を形成するのに十分な任意の十分に弾性のある材料から作製することができる。一実施形態では、ベローズは熱可塑性エラストマーであり、約0.015インチから約0.025インチの近似の寸法的厚さを有する。他の実施形態では、ベローズ構造全体70は、熱可塑性エラストマーから作製される。
【0054】
変形可能なベローズ124は、偏向されていない位置では、図2に示す管46の内径「a」をわずかに超える外径「i」を有する概ねドーナッツ形状を有することができる。しかし、上側端部146および下側端部148上の反対方向に方向付けられた力が、変形可能なベローズ124を延ばし、それと同時に外径「i」を「a」を下回る寸法に低減する。
【0055】
図14〜15に示すように、ベローズ構造70の下側の第2の端部122は、上側の第1の端部120から長手方向に下向きに延びる対向した従属部分140を含む。一実施形態では、対向した従属部分140は、ベローズ構造70の周りを円周方向に延びる下側の端部リング142に連結される。一実施形態では、対向した従属部分140は、バラスト組立体68の一部分を中に受け入れるように構成された受け入れ空間150を画定する。一実施形態では、対向した従属部分140は、対向した受け入れ空間150を画定する。第1のバラスト部分98は、第1の受け入れ空間150内に受け入れられ、取り付けられるような構造にされ、第2のバラスト部分100は、第2の受け入れ空間150内に受け入れられ、取り付けられるように構成される。一実施形態では、従属部分140は、第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100の外部湾曲部に対応する外部湾曲部Gを有する。ベローズ70の従属部分140はまた、二個取成形技術などによってバラスト組立体68に型成形されるように設計されてもよい。これにより、バラスト組立体68とベローズ70の間の、従属部分140の表面に沿った結合を形成することが可能になり得る。これにより、バラスト組立体68を、ベローズ70が伸張するにつれて屈曲開放させることが可能になり、続いてフロート66をバラスト組立体68内に挿入することが可能になり得る。
【0056】
図18〜21に示すように、組み立てられたとき、機械的分離器44は、上側の第1の端部120と、下側の第2の端部122と、それらの間の変形可能なベローズ124とを有するベローズ構造70を含む。フロート66は、ベローズ構造70の上側の第1の端部120の一部分に取り付けられ、第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100を含むバラスト組立体68は、ベローズ構造70の第2の下側端部122に取り付けられる。第1のバラスト部分98および第2のバラスト部分100は、従属部分140によって接合されるなど、ベローズ構造70の一部分によって接合されてもよい。
【0057】
図21に示すように、一実施形態では、第1のバラスト部分98の受け入れくぼみ112は、ベローズ構造70の下側の端部リング142の対応する突起部152と機械的に係合されてもよい。同様に、第2のバラスト部分100の対応する受け入れくぼみ112は、下側の端部リングの対応する突起部152と機械的に係合されてもよい。図20に示すように、第1のバラスト部分98の第2の受け入れくぼみ114もまた、ベローズ構造70の従属部分140の下側の先端部154と機械的に係合されてもよい。したがって、第1のバラスト部分98、第2のバラスト部分100、およびベローズ構造70の対向する従属部分140は、図2に示す管46の内部の直径「a」を下回る直径「j」を有する円筒状の外部を形成する。
【0058】
この構成では、フロート66は、ベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126に強化支持をもたらして変形およびテンティングを最小限に抑える。フロート66は、ベローズ構造70の内部132内に、ベローズ構造70の内部フランジ138とフロート66のネック部分82との機械的作用によって抑止される。
【0059】
図19に示すように、組み立てられた機械的分離器44は、閉鎖体42の底部くぼみ62内に押し込まれてもよい。この挿入は、閉鎖体42のフランジ64を、ベローズ構造70の上側端部120と係合する。挿入中、ベローズ構造70の上側端部120の少なくとも一部は、閉鎖体42の輪郭を収容するように変形する。一実施形態では、閉鎖体42は、機械的分離器44を底部くぼみ62内に挿入する間はほとんど変形されない。一実施形態では、機械的分離器44は、ベローズ構造70の上側端部120の突き刺し可能なヘッド部分126および閉鎖体42の底部くぼみ62の干渉はまりによって閉鎖体42と係合される。選択的に、戻り止めリング(図示せず)を、ベローズ構造70の上側端部120で使用して機械的分離器44を閉鎖体42内にさらに固定してもよい。
【0060】
図21を再度参照するに、使用時、機械的分離器44のフロート66は、機械的分離器が、遠心分離機内などで加速された遠心力を受けるまで、ベローズ構造70の内部フランジ138とフロート66のネック部分82との機械的結合によってベローズ構造70の内部132の中に保持されることを目的とする。フロート66が存在することにより、ベローズ構造70の上部分が変形することを防止し、ひいては機械的分離器44が閉鎖体42から解放されることを防止する。機械的分離器44は、十分なg−負荷が遠心分離中に生成されてフロート66を引っ張ってベローズ70から自由にし、機械的分離器44を閉鎖体42から解放するまで、閉鎖体42内に「係止」される。
【0061】
加速された遠心力が加えられると、ベローズ構造70、特に変形可能なベローズ124は、バラスト68上に及ぼされた力によって長手方向に変形するように適合される。バラスト68は、遠心分離中のg−負荷の結果としてベローズ70上に力を及ぼす。内部フランジ138は、フロート66によってその上に及ぼされた力によって長手方向にそらされ、それによってフロート66のネック部分82を解放することを許容する。フロート66は、ベローズ構造70から解放されたとき、機械的分離器44内で自由に移動することができる。しかしながら、フロート66の少なくとも一部分は、第1のバラスト部分98の内部抑止部116および第2のバラスト部分100の内部抑止部116との接触によって、機械的分離器44の下側端部156を通過することが抑止されるかもしれない。一実施形態では、フロート66の段階的部分96は、機械的分離器44の下側端部156を通過することができるが、フロートの管状本体72は、第1のバラスト部分98の内部抑止部116および第2のバラスト部分100の内部抑止部116によって機械的分離器44の内部の中に抑止される。機械的分離器44が閉鎖体42から解放されると、機械的分離器44は、管46内で流体界面に向かって進行する。機械的分離器44が管46内に含有された流体に入った後、フロート66は、後退し、ベローズ70内に固着される。
【0062】
一実施形態では、バラスト組立体68およびベローズ構造70を、二個取成形などによって副組体として共に型成形または共に押し出し成形することができる。副組立体は、突き刺し可能なヘッド部分126を含むベローズ構造70の周りに少なくとも部分的に配設されたバラスト組立体を含んでもよい。他の実施形態では、バラスト組立体68およびベローズ構造70を、図19に示すように、二個取成形などによって閉鎖体42の一部分になるように共に型成形または共に押し出し成形してもよい。バラスト組立体68およびベローズ構造70を共に型成形することにより、機械的分離器44を生産するのに必要とされる製作工程の数が低減される。あるいは、バラスト組立体68およびベローズ構造70を、二個取成形などによって共に型成形または共に押し出し成形し、続いて閉鎖体42内に挿入することもできる。そして、フロート66を別個に副組立体に挿入して、ベローズ構造70と閉鎖体42の間の機械的結合を偏向させてもよい。あるいは、フロート66を副組立体に挿入して、次いで、組み合わされたフロートおよび副組立体を閉鎖体42内に挿入してもよい。
【0063】
図22〜23に示すように、機械的分離組立体40は、機械的分離器44と、管46の開放上端部50内に挿入された閉鎖体42とを含み、それにより、機械的分離器44および閉鎖体42の底端部58が、管46内に位置する。選択的に、閉鎖体42は、知られているように、閉鎖体42が管46から取り外されたときの閉鎖体42内の血液の滴下から、および潜在的な血液のエアロゾル化からユーザを保護するために、Becton,Dickinson and Company社から市販されているヘモガード(登録商標)シールドなどのシールドによって少なくとも部分的に取り囲まれてもよい。挿入中、ベローズ構造70を含む機械的分離器44は、円筒状の側壁52の内部および管46の開放上端部を封止係合する。
【0064】
図23に示すように、液体サンプルは、閉鎖体42の上端部56の隔壁およびベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126を貫通する穿刺先端部160によって管46に運ばれる。説明のみのために、液体は血液である。血液は、フロート66の中央通路78を通り、管46の閉じた底端部48まで流れる。穿刺先端部160は、その後、組立体から引き抜かれる。穿刺先端部160を取り外した際、閉鎖体42はそれ自体を再封止する。突き刺し可能なヘッド部分126もまた、流体の流れをほとんど浸透させないようにしてそれ自体を再封止する。
【0065】
図24に示すように、機械的分離組立体40は、遠心分離のような回転力の影響を受けたとき、血液のそれぞれの相は、管46の閉じた底端部58に向かって動かされる高密度相および管46の上部開放端部50に向かって動かされる低密度相に分離し始める。
【0066】
一実施形態では、機械的分離組立体40は、遠心力の影響を受けたとき、フロート66が、ベローズ構造70との係合から解放され、その後ベローズ構造70が閉鎖体42の底部くぼみ62から解放されるように適合される。したがって、図16に示すベローズ構造70の内部フランジ138は、フロート66の少なくとも一部分をベローズ構造70から解放することを許容するように十分変形することができ、その間、ベローズ構造70は、閉鎖体42の底部くぼみ62内に係合されている。フロート66およびベローズ構造70の解放可能な干渉係合は、機械的分離組立体40が、遠心分離の閾値を超える遠心力を受けたときにフロート66をベローズ構造70から解放するように適合されてもよい。一実施形態では、遠心分離の閾値は、少なくとも250gである。他の実施形態では、遠心分離の閾値は、少なくとも300gである。機械的分離組立体40が、遠心分離の閾値を超えるかけられた遠心力を受け、フロート66およびベローズ構造70の解放可能な干渉係合が外されると、機械的分離組立体40は、図24に示すように、閉鎖体42の底部くぼみ62内から、当接係合を解放するなどで外れることができる。選択的に、フロート66をベローズ構造70から解放することにより、機械的分離組立体40を閉鎖体42の底部くぼみ62から解放することができる。
【0067】
機械的分離組立体40は、非患者針(non-patient needle)をベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126に挿入する間などの、準備段階手順中に閉鎖体の底部くぼみ内に保持されるように適合される。他の実施形態では、機械的分離組立体40はまた、非患者針をベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126を通って挿入する間、フロート66がベローズ構造70と解放可能な干渉係合で保持されるように適合される。したがって、フロート66およびベローズ構造70の解放可能な干渉係合は、図6に示すように、フロート66の長手方向軸Lにほぼ沿って、および/または図15に示すようにベローズ構造70の長手方向軸L2にほぼ沿ってかけられた軸方向の準備段階の力に耐えるのに十分なものである。フロート66およびベローズ構造70の解放可能な干渉係合は、少なくとも0.5lbf(2.22N)に耐えるのに十分なものでよい。他の実施形態では、フロート66およびベローズ構造70の解放可能な干渉係合は、少なくとも2.5lbf(11.12N)に耐えるのに十分なものでよい。フロート66および機械的分離組立体40のベローズ構造70の解放可能な干渉係合は、したがって、フロート66およびベローズ構造70の互いの係合、および非患者針をベローズ構造70の突き刺し可能なヘッド部分126を通して挿入する間の機械的分離組立体40の閉鎖体42の底部くぼみ62内への係合を維持するのに十分なものである。フロート66およびベローズ構造70の解放可能な干渉係合はまた、遠心分離の閾値を超えて遠心力がかけられた際にフロート66をベローズ構造70から外し、機械的分離組立体40を閉鎖体42の底部くぼみ62から外すように適合される。
【0068】
使用中、加えられた遠心力は、機械的分離器44のバラスト組立体68を管46の閉じた底端部58に向かって押し出す。機械的分離器44が閉鎖体42から解放された後、フロート66だけが管46の上端部50に向かって押し出され、機械的分離器は流体中に沈められる。機械的分離器44が閉鎖体42に依然として固着されているとき、フロート66およびバラスト組立体68は、これらを管46の底端部に向かって引っ張るように作用する力を経験する。したがって、バラスト組立体68は、フロート66に対して長手方向に移動可能である。この長手方向の移動は、ベローズ構造70の長手方向の変形を生じさせる。その結果、ベローズ構造70、特に変形可能なベローズ124は、より長くかつ狭くなり、円筒状の側壁52の内面から内方向に同軸に離間される。ベローズ構造70の内部フランジ138上にフロート66によって及ぼされた力は、ベローズ構造70を変向させ、したがってフロート66のネック部分が解放される。フロート66がベローズ構造70の内部フランジ138から外されるとき、ベローズ構造70の上側端部120は、遠心力がかけられている間、長手方向に弾性的に変形可能である。したがって、ベローズ構造70の上側端部120は、閉鎖体42から外れることになる。一実施形態では、閉鎖体42、特にフランジ64は、かけられた遠心力を加えることによって寸法変更されず、その結果、変形しない。
【0069】
図24に示すように、一実施形態では、バラスト組立体68の負の浮力は、フロート66の正の浮力に対抗して力差を作り出し、この力差が、ベローズ構造70を管46の側壁の内部表面から離れるように収縮させる。ベローズ構造70のこの伸張は、排気スリット131を負荷の下で開放する。排気スリット131が開放されると、機械的分離組立体40内に捕捉された空気は、排気スリット131を通して排出されて、機械的分離組立体40上方の一場所において管内に入ることができる。遠心分離の後、ベローズ構造70は、未変形位置に弾性的に戻り、排気スリット131は、閉位置に再封止する。
【0070】
本設計は、針とベローズ構造70のヘッドとの相互作用の結果として機械的分離器44が、閉鎖体42から遠ざかることを防止することによって準備段階を少なくさせる。機械的分離器44は、フロート66が遠心分離中に動き始めるまで閉鎖体42から分離することはできない。加えて、閉鎖体42の構造は、ベローズ構造70の標的領域上に前負荷を作り出し、これは、ベローズのテンティングを最小限に抑えることを助ける。
【0071】
機械的分離器44が閉鎖体42から外され、変形可能なベローズ124の直径が小さくなるとき、血液のより軽い相成分は、摺動して変形可能なベローズ124を通り過ぎ、上方向に進行することができ、同様に血液のより重い相成分は、摺動して変形可能なベローズ124を通り過ぎ、下方向に進行することができる。上記で指摘したように、機械的分離器44は、血液の分離された相の密度の間の全体密度を有する。
【0072】
結果として、図25に示すように、機械的分離器44は、機械的分離デバイス40の管46内の位置で安定化し、それにより、より重い相成分162は、機械的分離器44と管46の閉じた底端部58の間に位置することになり、一方でより軽い相成分164は、機械的分離器44と管50の上端部の間に位置することになる。この安定化状態に達した後、遠心分離機は、停止され、変形可能なベローズ124は、その偏向されていない状態に弾性的に戻り、管46の円筒状の側壁52の内部と封止係合するようになる。次いで、形成された液体相に、分析のために別個にアクセスすることができる。
【0073】
図26〜29に示す代替的実施形態では、穿刺先端部160を機械的分離組立体40aの閉鎖体42を通して装着すると、直接的にフロート66aと接触する。この実施形態では、ベローズ構造70aを、フロート66aの一部分を円周方向に取り囲むように向けて、閉鎖体42および管46の側壁の封止係合をもたらすことができる。図27に示すように、穿刺先端部160の力は、上記で先に説明したようにフロート66aとベローズ構造70aの間の解放可能な干渉係合を外し、それによって血液などの液体をフロート66aの周りの機械的分離器44a内に充填することが可能になる。図28に示すように、フロート66aがベローズ構造70aから外に出された状態では、機械的分離器44aは、遠心分離などの加速された回転中、閉鎖体42から自由に動き始める。図29に示すように、機械的分離器44aが閉鎖体から外されると、フロート66aの自然の浮力は、機械的分離器44aが管内の液体に入るとすぐにフロート66aをベローズ構造70a内に押し戻す。
【0074】
図26〜29の説明に類似する図30〜31に示すさらに別の代替的実施形態では、ベローズ構造70bは、前に説明した構成に類似する突き刺し可能なヘッド部分126bを含むことができるが、突き刺し可能なヘッド部分126bが、針202の穿刺先端部200全体を、フロート66bに接触する前に突き刺し可能なヘッド部分126b内に埋めることを可能にするのに十分な厚さを有することは別である。穿刺先端部200を突き刺し可能なヘッド部分126b内に全体的に埋めることを許容することにより、ベローズ−テンティングまたは変形したベローズ内のサンプルの貯留が、最小限に抑えられる。フロート66bは、中実、剛性材料から作製されてもよい。針202がさらに進められると、フロート66bは、変位されて、血液などの液体がフロート66bの周りを流れ、管204に入ることを可能にする。遠心分離中、フロート66bは、ベローズ70bに再係合する。
【0075】
図32〜33に示すように、図26〜29の説明に類似するさらに他の実施形態では、ベローズ組立体70cは、厚化された標的領域71cを有する突き刺し可能なヘッド部分126cを含んで、穿刺先端部(図示せず)をそこを通して装着した際、テンティングまたは変形に耐えることができる。ベローズ−テンティングの影響を最小限に抑えることにより、機械的分離器が閉鎖体から早すぎて外れることもまた最小限に抑えられる。したがって、遠心力をかけ、穿刺先端部を機械的分離器と係合させないことにより、バラスト組立体68cを長手方向に移動させて、機械的分離器44cを閉鎖体42cから解放することを可能にする。最適には、戻り止めリングが、機械的分離器44cを所定位置に固定するために閉鎖体42cに隣接するベローズ組立体70c周りに配置されてもよい。
【0076】
図34に示す本発明のさらに他の実施形態によれば、機械的分離器600は、本明細書に説明したようにフロート668、ベローズ670、およびバラスト672を含むことができる。1つの構成では、フロート668には、フロート668の内部分622の中に配設された可動式プラグ620を設けることができる。一実施形態では、可動式プラグ620は、フロート668と同じ材料から形成されてよく、他の実施形態では、可動式プラグ620は、フロート668の密度とほぼ同じ密度を有する材料から形成されてもよい。さらに他の実施形態では、可動式プラグ620は、フロート668の形成後にフロート668の内部分622内に挿入されてもよい。
【0077】
特定の状況では、可動式プラグ620を有するフロート668を含む機械的分離器600は、有利になり得る。たとえば、特定の試験手順は、本明細書に説明したように、サンプルを標本採取容器内に堆積させ、サンプル内でより軽い相およびより重い相を分離するために、この標本採取容器に遠心力をかけることを必要とする。サンプルが分離されると、標本採取容器およびその中に配設されたサンプルを、約−70℃の温度などで凍結させ、その後解凍することがある。凍結プロセス中、サンプルのより重い相は膨張して、サンプルの柱を、標本採取容器内で上方向に、そしてフロート668の内部分622の一部分を通って推し進めることがあり、それによってより軽い相とより重い相の間に配設された障壁を干渉する。この体積膨張の影響を最小限に抑えるために、図34Aに示すように、可動式プラグ620をフロート668の内部分622の中に設けることができる。
【0078】
サンプルが標本採取容器(図示せず)内でより軽い相および高密度相に分離されると、サンプルは凍結されることがある。凍結プロセス中、サンプルの高密度部分は、上方向に膨張し得る。サンプルの上方向に進められた高密度部分が軽い相を干渉することを防止し、サンプルの高密度部分がフロート668から逃げることを防止するために、可動式プラグ620は、図34Bに示すように、サンプルの高密度相の膨張と共に上方向に進む。
【0079】
可動式プラグ620は、凍結中、フロート668の内部分622の中に存在する高密度の材料の膨張された柱と共に進むように適合されてもよい。本明細書では、可動式プラグ620を、図34C〜34Dに概略的に示すベローズ670の上側部分671によって、上側境界部に抑止できることが予想される。この構成では、ベローズ670の上側部分671の弾性は、伸縮自在のバルーンとして、可動式プラグ620を機械的分離器600内に拘束するように作用することができる。
【0080】
さらに他の実施形態によれば、可動式プラグ620には、横方向の穴623を設けることができ、この横方向の穴623は、図35に示す初期位置では、フロート668内に設けられた横方向の穴624とほぼ整列され、図36に示すように、変位した位置では、フロート668のブロック部分625によってほぼブロックされる。一実施形態では、可動式プラグ620の横方向の穴624は、可動式プラグ668の長手方向軸Rに対してほぼ垂直に配設される。
【0081】
この構成では、サンプル採取後、および遠心力を機械的分離器にかけている間、フロート668の内部分622内に捕捉された空気を、可動式プラグの横方向穴623およびフロート668の横方向穴624を通って排出させ、機械的分離器600から解放することができる。具体的には、空気は、本明細書で説明したように、フロート668とベローズ670の間から排出させることができる。可動式プラグ620が上方向に進められたとき、可動式プラグ620の横方向の穴623は、フロート668のブロッキング部分625と整列し、それによって、サンプルが、可動式プラグ620およびフロート668の内部分622を出て横方向の穴623を通り抜けることを防止する。
【0082】
可動式プラグ620が進むことは、全体的に受動性、かつサンプルの外部的にかけられた凍結状態に対する反応性のものになり得る。特定の例では、可動式プラグ620はまた、サンプルのその後の解凍の際にその初期位置に戻るように設けられてもよい。
【0083】
本発明は、開放端部に隣接する管内に配設された機械的分離器に関して説明してきたが、機械的分離器を、管の底部に固着させるなど、管の底部に配置することもまた本明細書で企図される。この構成は、血液サンプルが凝固しない血漿用途に特に有用になり得るが、その理由は、機械的分離器が、遠心分離中、サンプル中を自由に昇ることができるためである。
【0084】
本発明の機械的分離器は、分離器が、かけられた遠心力を受けるまで、ベローズ構造の一部分と係合または係止されるフロートを含む。したがって、使用時、本発明の機械的分離器は、デバイスの準備段階を最小限に抑え、穿刺先端部の接触面に、より安定した標的領域をもたらして閉鎖体の下方でのサンプルの貯留を低減する。追加的に、フロートの外部とバラストの内部の間の隙間の低減により、血清および血漿などの捕捉された流体相の損失が最小限に抑えられる。
【0085】
本発明を、機械的分離器組立体および使用方法のいくつかの異なる実施形態を参照して説明してきたが、当業者は、その範囲および趣旨から逸脱することなく改変および変形を加えることができる。したがって、上記の詳細な説明は、制限的ではなく、例示的であることを目的としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的分離器であって、
フロートと、
前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、
第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを備えるベローズ構造であって、前記フロートは、前記ベローズ構造の前記第1の端部の一部分に取り付けられ、前記バラスト組立体は、前記ベローズ構造の前記第2の端部の一部分に取り付けられ、前記取り付けられたフロートおよび前記ベローズ構造は、それらの間に、前記フロートを前記ベローズ構造に対して固定関係で維持するための解放可能な干渉係合をさらに備える、ベローズ構造と
を備える。
【請求項2】
前記フロートは、第1の密度を有し、前記バラストは、前記フロートの前記第1の密度を上回る第2の密度を有する請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項3】
前記解放可能な干渉係合は、遠心分離の閾値を超えた際に解放されるように適合する請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項4】
前記解放可能な干渉係合は、前記フロートが少なくとも250gの遠心力を超えた際に解放されるように構成される請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項5】
前記ベローズ構造は、内部を画定し、前記フロートは、前記ベローズ構造の前記内部の一部分内に解放可能に保持される請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項6】
前記ベローズ構造は、内部フランジを備え、前記フロートの少なくとも一部分が、前記第1の端部の前記内部の中に前記内部フランジによって保持される請求項5に記載の機械的分離器。
【請求項7】
前記フロートは、ネック部分を備え、前記フロートは、前記第1の端部の前記内部の一部分内に、前記内部フランジおよび前記ネック部分の機械的干渉によって解放可能に保持される請求項6に記載の機械的分離器。
【請求項8】
前記第1の端部は、穿刺先端部がそこを通して装着された際、変形に耐えるように構成される穿刺形状を有する突き刺し可能なヘッド部分を備える請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項9】
前記フロートは、開口部を画定し、前記突き刺し可能なヘッド部分の前記穿刺形状の一部分に実質的に対応する周囲を備えるヘッド部分を備える請求項8に記載の機械的分離器。
【請求項10】
前記フロートは、空気を前記フロートの内部の中から前記機械的分離器の外部の領域に排出することを許容する貫通する開口部を画定するヘッド部分を備える請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項11】
前記ベローズは、空気を前記フロートの内部の中から前記機械的分離器の外部の領域に排出することを許容する排気スリットを備える請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項12】
前記ベローズは、前記ベローズの内部と前記フロートの外部によって画定されたチャンバから前記機械的分離器の外部の領域に空気を排出する排気スリットを備える許容する請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項13】
前記バラスト組立体は、複数のバラストセクションを備える請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項14】
前記バラスト組立体は、第1のバラストセクションと、前記ベローズ構造の一部分によって前記第1のバラストセクションに接合された第2のバラストセクションとを備える請求項13に記載の機械的分離器。
【請求項15】
前記第1のバラストセクションおよび前記第2のバラストセクションは、前記機械的分離器の長手方向軸の周りに対向するように向けられる請求項14に記載の機械的分離器。
【請求項16】
前記フロートは、ポリプロピレンを含み、前記バラスト組立体は、ポリエチレンテレフタレートを含み、前記ベローズ構造は、熱可塑性エラストマーを含む請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項17】
前記フロートの内部の中に移動可能に配設された可動式プラグをさらに備える請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項18】
機械的分離器であって、
第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを備えるベローズ構造と、
フロートと、
前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体であって、第1のバラストセクションと、前記ベローズ構造の一部分によって前記第1のバラストセクションに接合された第2のバラストセクションとを備える、バラスト組立体と
を備える。
【請求項19】
前記フロートは、第1の密度を有し、前記バラスト組立体は、前記フロートの前記第1の密度を上回る第2の密度を有する請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項20】
前記フロートは、前記ベローズ構造の前記第1の端部の一部分に取り付けられ、前記バラストは、前記ベローズ構造の前記第2の端部の一部分に取り付けられ、前記取り付けられたフロートおよび前記ベローズ構造は、それらの間に、前記フロートを前記ベローズ構造に対して固定関係で維持するための解放可能な干渉係合をさらに備える請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項21】
前記解放可能な干渉係合は、遠心分離の際に解放されるように適合される請求項20に記載の機械的分離器。
【請求項22】
前記ベローズ構造は、内部を画定し、前記フロートは、前記ベローズ構造の前記内部の一部分内に解放可能に保持される請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項23】
前記第1のバラストセクションおよび前記第2のバラストセクションは、前記機械的分離器の長手方向軸の周りに対向するように向けられる請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項24】
前記フロートは、空気を前記フロートの内部の中から前記機械的分離器の外部の領域に排出することを許容する貫通する開口部をそこに画定するヘッド部分を備る請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項25】
前記ベローズは、空気を前記フロートの内部の中から前記機械的分離器の外部の領域に排出することを許容する排気スリットを備る請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項26】
前記ベローズは、前記ベローズの内部および前記フロートの外部によって画定されたチャンバから前記機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容する排気スリットを備える請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項27】
流体サンプルを第1の相および第2の相に分離することを可能にするための分離組立体であって、
少なくとも1つの開放端部と、第2の端部と、それらの間を延びる側壁とを有する管と、
前記管の前記開放端部と封止係合するように適合された閉鎖体であって、くぼみを画定する、閉鎖体と、
前記くぼみ内に解放可能に係合された機械的分離器であって、
フロートと、
前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、
第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを備えるベローズ構造であって、前記フロートは、前記第1の端部の一部分に、それらの間の、前記フロートを前記ベローズ構造に対して固定関係で維持するための解放可能な干渉係合によって取り付けられ、前記バラスト組立体は、前記第2の端部の一部分に取り付けられた、ベローズ構造とを備える、
機械的分離器と
を備える。
【請求項28】
前記フロートは、第1の密度を有し、前記バラスト組立体は、前記フロートの前記第1の密度を上回る第2の密度を有する請求項27に記載の分離組立体。
【請求項29】
前記ベローズ構造は、内部を画定し、前記フロートは、前記ベローズ構造の前記内部の一部分内に解放可能に保持される請求項27に記載の分離組立体。
【請求項30】
前記解放可能な干渉係合は、遠心分離の際に解放されるように適合される請求項27に記載の分離組立体。
【請求項31】
前記解放可能な干渉係合は、前記フロートが少なくとも250gの遠心力を超えた際に解放されるように構成される請求項27に記載の分離組立体。
【請求項32】
前記ベローズ構造の前記第1の端部からの前記フロートの解放により、前記機械的分離器が前記閉鎖体の前記くぼみから解放される請求項27に記載の分離組立体。
【請求項33】
前記バラスト組立体は、第1のバラストセクションと、前記ベローズ構造の一部分によって前記第1のバラストセクションに接合された第2のバラストセクションとを備える請求項27に記載の分離組立体。
【請求項34】
前記第1のバラストセクションおよび前記第2のバラストセクションは、前記機械的分離器の長手方向軸の周りに対向するように向けられる請求項33に記載の分離組立体。
【請求項35】
前記フロートは、前記フロートの内部から前記機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容する貫通する開口部をそこに画定するヘッド部分を備える請求項27に記載の分離組立体。
【請求項36】
前記ベローズは、前記フロートの内部の中から前記機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容する排気スリットを備える請求項27に記載の分離組立体。
【請求項37】
前記ベローズは、前記ベローズの内部と
前記フロートの外部によって画定されたチャンバから前記機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容する排気スリットを備える請求項27に記載の分離組立体。
【請求項38】
前記フロートの内部の中に配設された可動式プラグをさらに備える請求項27に記載の分離組立体。
【請求項39】
機械的分離器を組み立てる方法であって、
第1の端部および第2の端部を有する副組立体を提供する工程であって、突き刺し可能なヘッド部分を画定するベローズ構造の周りに少なくとも部分的に配設されたバラストを備える工程と、
前記ベローズ構造と前記閉鎖体の間の機械的結合をもたらすために前記副組立体の第1の端部を閉鎖体のくぼみ内に挿入する工程と、
前記ベローズと前記閉鎖体の間の前記機械的結合を偏向させるためにフロートを前記副組立体の前記第2の端部内に挿入する工程と
を含む。
【請求項40】
フロートを前記副組立体の前記第2の端部内に挿入する前記工程は、前記副組立体の第1の端部を前記閉鎖体のくぼみ内に挿入する前記工程の前に行なう請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記副組立体の第1の端部を前記閉鎖体のくぼみ内に挿入する前記工程は、フロートを前記副組立体の前記第2の端部内に挿入する前記工程の前に行なう請求項39に記載の方法。
【請求項42】
流体サンプルを第1の相および第2の相に分離することを可能にするための分離組立体であって、
少なくとも1つの開放端部と、第2の端部と、それらの間を延びる側壁とを有する管と、
前記管の前記開放端部と封止係合するように適合された閉鎖体であって、くぼみを画定する、閉鎖体と、
前記くぼみ内に解放可能に係合された機械的分離器であって、
フロートと、
前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、
第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを備えるベローズ構造であって、前記閉鎖体のくぼみの一部分と当接し、前記フロートは、前記分離組立体が遠心力にさらされると前記ベローズから解放され、その後前記ベローズは、前記くぼみから解放される、ベローズ構造を備える、
機械的分離器と
を備える。
【請求項43】
前記フロートは、前記分離組立体が少なくとも250gの遠心力にさらされると前記ベローズから解放され、その後前記ベローズは、前記くぼみから解放される請求項42に記載の分離組立体。
【請求項44】
流体サンプルを第1の相および第2の相に分離することを可能にするための分離組立体であって、
少なくとも1つの開放端部と、第2の端部と、それらの間を延びる側壁とを有する管と、
前記管の前記開放端部と封止係合するように適合された閉鎖体であって、くぼみを画定する、閉鎖体と、
前記くぼみ内に解放可能に係合された機械的分離器であって、
フロートと、
前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、
第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを備えるベローズ構造であって、前記閉鎖体のくぼみの一部分と当接し、前記フロートは、前記分離組立体が遠心力にさらされると前記ベローズから解放されて、前記機械的分離器を前記くぼみから解放することができる、ベローズ構造を備える、
機械的分離器と
を備える。
【請求項45】
前記フロートは、前記分離組立体が少なくとも250gの遠心力にさらされると前記ベローズから解放されて、前記機械的分離器を前記くぼみから解放することができる請求項44に記載の分離組立体。
【請求項1】
機械的分離器であって、
フロートと、
前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、
第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを備えるベローズ構造であって、前記フロートは、前記ベローズ構造の前記第1の端部の一部分に取り付けられ、前記バラスト組立体は、前記ベローズ構造の前記第2の端部の一部分に取り付けられ、前記取り付けられたフロートおよび前記ベローズ構造は、それらの間に、前記フロートを前記ベローズ構造に対して固定関係で維持するための解放可能な干渉係合をさらに備える、ベローズ構造と
を備える。
【請求項2】
前記フロートは、第1の密度を有し、前記バラストは、前記フロートの前記第1の密度を上回る第2の密度を有する請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項3】
前記解放可能な干渉係合は、遠心分離の閾値を超えた際に解放されるように適合する請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項4】
前記解放可能な干渉係合は、前記フロートが少なくとも250gの遠心力を超えた際に解放されるように構成される請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項5】
前記ベローズ構造は、内部を画定し、前記フロートは、前記ベローズ構造の前記内部の一部分内に解放可能に保持される請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項6】
前記ベローズ構造は、内部フランジを備え、前記フロートの少なくとも一部分が、前記第1の端部の前記内部の中に前記内部フランジによって保持される請求項5に記載の機械的分離器。
【請求項7】
前記フロートは、ネック部分を備え、前記フロートは、前記第1の端部の前記内部の一部分内に、前記内部フランジおよび前記ネック部分の機械的干渉によって解放可能に保持される請求項6に記載の機械的分離器。
【請求項8】
前記第1の端部は、穿刺先端部がそこを通して装着された際、変形に耐えるように構成される穿刺形状を有する突き刺し可能なヘッド部分を備える請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項9】
前記フロートは、開口部を画定し、前記突き刺し可能なヘッド部分の前記穿刺形状の一部分に実質的に対応する周囲を備えるヘッド部分を備える請求項8に記載の機械的分離器。
【請求項10】
前記フロートは、空気を前記フロートの内部の中から前記機械的分離器の外部の領域に排出することを許容する貫通する開口部を画定するヘッド部分を備える請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項11】
前記ベローズは、空気を前記フロートの内部の中から前記機械的分離器の外部の領域に排出することを許容する排気スリットを備える請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項12】
前記ベローズは、前記ベローズの内部と前記フロートの外部によって画定されたチャンバから前記機械的分離器の外部の領域に空気を排出する排気スリットを備える許容する請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項13】
前記バラスト組立体は、複数のバラストセクションを備える請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項14】
前記バラスト組立体は、第1のバラストセクションと、前記ベローズ構造の一部分によって前記第1のバラストセクションに接合された第2のバラストセクションとを備える請求項13に記載の機械的分離器。
【請求項15】
前記第1のバラストセクションおよび前記第2のバラストセクションは、前記機械的分離器の長手方向軸の周りに対向するように向けられる請求項14に記載の機械的分離器。
【請求項16】
前記フロートは、ポリプロピレンを含み、前記バラスト組立体は、ポリエチレンテレフタレートを含み、前記ベローズ構造は、熱可塑性エラストマーを含む請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項17】
前記フロートの内部の中に移動可能に配設された可動式プラグをさらに備える請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項18】
機械的分離器であって、
第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを備えるベローズ構造と、
フロートと、
前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体であって、第1のバラストセクションと、前記ベローズ構造の一部分によって前記第1のバラストセクションに接合された第2のバラストセクションとを備える、バラスト組立体と
を備える。
【請求項19】
前記フロートは、第1の密度を有し、前記バラスト組立体は、前記フロートの前記第1の密度を上回る第2の密度を有する請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項20】
前記フロートは、前記ベローズ構造の前記第1の端部の一部分に取り付けられ、前記バラストは、前記ベローズ構造の前記第2の端部の一部分に取り付けられ、前記取り付けられたフロートおよび前記ベローズ構造は、それらの間に、前記フロートを前記ベローズ構造に対して固定関係で維持するための解放可能な干渉係合をさらに備える請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項21】
前記解放可能な干渉係合は、遠心分離の際に解放されるように適合される請求項20に記載の機械的分離器。
【請求項22】
前記ベローズ構造は、内部を画定し、前記フロートは、前記ベローズ構造の前記内部の一部分内に解放可能に保持される請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項23】
前記第1のバラストセクションおよび前記第2のバラストセクションは、前記機械的分離器の長手方向軸の周りに対向するように向けられる請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項24】
前記フロートは、空気を前記フロートの内部の中から前記機械的分離器の外部の領域に排出することを許容する貫通する開口部をそこに画定するヘッド部分を備る請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項25】
前記ベローズは、空気を前記フロートの内部の中から前記機械的分離器の外部の領域に排出することを許容する排気スリットを備る請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項26】
前記ベローズは、前記ベローズの内部および前記フロートの外部によって画定されたチャンバから前記機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容する排気スリットを備える請求項18に記載の機械的分離器。
【請求項27】
流体サンプルを第1の相および第2の相に分離することを可能にするための分離組立体であって、
少なくとも1つの開放端部と、第2の端部と、それらの間を延びる側壁とを有する管と、
前記管の前記開放端部と封止係合するように適合された閉鎖体であって、くぼみを画定する、閉鎖体と、
前記くぼみ内に解放可能に係合された機械的分離器であって、
フロートと、
前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、
第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを備えるベローズ構造であって、前記フロートは、前記第1の端部の一部分に、それらの間の、前記フロートを前記ベローズ構造に対して固定関係で維持するための解放可能な干渉係合によって取り付けられ、前記バラスト組立体は、前記第2の端部の一部分に取り付けられた、ベローズ構造とを備える、
機械的分離器と
を備える。
【請求項28】
前記フロートは、第1の密度を有し、前記バラスト組立体は、前記フロートの前記第1の密度を上回る第2の密度を有する請求項27に記載の分離組立体。
【請求項29】
前記ベローズ構造は、内部を画定し、前記フロートは、前記ベローズ構造の前記内部の一部分内に解放可能に保持される請求項27に記載の分離組立体。
【請求項30】
前記解放可能な干渉係合は、遠心分離の際に解放されるように適合される請求項27に記載の分離組立体。
【請求項31】
前記解放可能な干渉係合は、前記フロートが少なくとも250gの遠心力を超えた際に解放されるように構成される請求項27に記載の分離組立体。
【請求項32】
前記ベローズ構造の前記第1の端部からの前記フロートの解放により、前記機械的分離器が前記閉鎖体の前記くぼみから解放される請求項27に記載の分離組立体。
【請求項33】
前記バラスト組立体は、第1のバラストセクションと、前記ベローズ構造の一部分によって前記第1のバラストセクションに接合された第2のバラストセクションとを備える請求項27に記載の分離組立体。
【請求項34】
前記第1のバラストセクションおよび前記第2のバラストセクションは、前記機械的分離器の長手方向軸の周りに対向するように向けられる請求項33に記載の分離組立体。
【請求項35】
前記フロートは、前記フロートの内部から前記機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容する貫通する開口部をそこに画定するヘッド部分を備える請求項27に記載の分離組立体。
【請求項36】
前記ベローズは、前記フロートの内部の中から前記機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容する排気スリットを備える請求項27に記載の分離組立体。
【請求項37】
前記ベローズは、前記ベローズの内部と
前記フロートの外部によって画定されたチャンバから前記機械的分離器の外部の領域に空気を排出することを許容する排気スリットを備える請求項27に記載の分離組立体。
【請求項38】
前記フロートの内部の中に配設された可動式プラグをさらに備える請求項27に記載の分離組立体。
【請求項39】
機械的分離器を組み立てる方法であって、
第1の端部および第2の端部を有する副組立体を提供する工程であって、突き刺し可能なヘッド部分を画定するベローズ構造の周りに少なくとも部分的に配設されたバラストを備える工程と、
前記ベローズ構造と前記閉鎖体の間の機械的結合をもたらすために前記副組立体の第1の端部を閉鎖体のくぼみ内に挿入する工程と、
前記ベローズと前記閉鎖体の間の前記機械的結合を偏向させるためにフロートを前記副組立体の前記第2の端部内に挿入する工程と
を含む。
【請求項40】
フロートを前記副組立体の前記第2の端部内に挿入する前記工程は、前記副組立体の第1の端部を前記閉鎖体のくぼみ内に挿入する前記工程の前に行なう請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記副組立体の第1の端部を前記閉鎖体のくぼみ内に挿入する前記工程は、フロートを前記副組立体の前記第2の端部内に挿入する前記工程の前に行なう請求項39に記載の方法。
【請求項42】
流体サンプルを第1の相および第2の相に分離することを可能にするための分離組立体であって、
少なくとも1つの開放端部と、第2の端部と、それらの間を延びる側壁とを有する管と、
前記管の前記開放端部と封止係合するように適合された閉鎖体であって、くぼみを画定する、閉鎖体と、
前記くぼみ内に解放可能に係合された機械的分離器であって、
フロートと、
前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、
第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを備えるベローズ構造であって、前記閉鎖体のくぼみの一部分と当接し、前記フロートは、前記分離組立体が遠心力にさらされると前記ベローズから解放され、その後前記ベローズは、前記くぼみから解放される、ベローズ構造を備える、
機械的分離器と
を備える。
【請求項43】
前記フロートは、前記分離組立体が少なくとも250gの遠心力にさらされると前記ベローズから解放され、その後前記ベローズは、前記くぼみから解放される請求項42に記載の分離組立体。
【請求項44】
流体サンプルを第1の相および第2の相に分離することを可能にするための分離組立体であって、
少なくとも1つの開放端部と、第2の端部と、それらの間を延びる側壁とを有する管と、
前記管の前記開放端部と封止係合するように適合された閉鎖体であって、くぼみを画定する、閉鎖体と、
前記くぼみ内に解放可能に係合された機械的分離器であって、
フロートと、
前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト組立体と、
第1の端部と、第2の端部と、それらの間の変形可能なベローズとを備えるベローズ構造であって、前記閉鎖体のくぼみの一部分と当接し、前記フロートは、前記分離組立体が遠心力にさらされると前記ベローズから解放されて、前記機械的分離器を前記くぼみから解放することができる、ベローズ構造を備える、
機械的分離器と
を備える。
【請求項45】
前記フロートは、前記分離組立体が少なくとも250gの遠心力にさらされると前記ベローズから解放されて、前記機械的分離器を前記くぼみから解放することができる請求項44に記載の分離組立体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図34A】
【図34B】
【図34C】
【図34D】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図34A】
【図34B】
【図34C】
【図34D】
【図35】
【図36】
【公表番号】特表2011−528803(P2011−528803A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520140(P2011−520140)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/051286
【国際公開番号】WO2010/011672
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/051286
【国際公開番号】WO2010/011672
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
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