密度相分離デバイス
収集コンテナ(82)内において第1の相および第2の相に流体試料を分離するための機械的セパレータ(40)が開示される。この機械的セパレータは、中に画成された貫通穴(46)を有するセパレータ体を有してもよく、この貫通穴は、中に流体を通過させ得るように構成される。セパレータ体は、第1の密度を有するフロート(42)および第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラスト(44)を備える。フロートの一部分が、バラストの一部分に連結される。任意には、フロートは、貫通穴の第1の開口に隣接する第1の延在タブと、貫通穴の第2の開口に隣接する第2の延在タブとを備えてもよい。いくつかの構成においては、セパレータ体は、フロートの外方表面の周囲に配設された延在タブバンドをさらに備える。セパレータ体は、セパレータ体の少なくとも一部分の周囲に円周方向に配設された係合バンドをさらに備えてもよい。セパレータは、例えば血液成分を分離するためなどの使用することが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年5月15日出願の米国特許仮出願第61/178,599号明細書に基づき優先権を主張するものである。該出願の全開示が、ここに参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本主題発明は、流体試料の比較的高密度の部分と比較的低密度の部分とを分離するためのデバイスに関する。さらに詳細には、本発明は、流体試料を収集および輸送するためのデバイスに関する。このデバイスおよび流体試料は、流体試料の比較的低密度の部分から比較的高密度の部分を分離させるために、遠心分離にかけられる。
【背景技術】
【0003】
診断検査は、患者の全血試料を、血清または血漿(比較的低密度相の成分)および赤血球(比較的高密度相の成分)などの複数の成分に分離することを要する場合がある。全血の試料は、典型的には、シリンジまたは真空血液収集試験管に装着されたカニューレまたは針を介して、静脈穿刺により収集される。収集後には、遠心分離機にてこのシリンジまたは試験管を回転させることにより、血液の血清または血漿と赤血球とへの分離が遂行される。この分離状態を維持するために、比較的高密度相の成分と比較的低密度相の成分との間にバリアが配置されなければならない。これにより、分離された成分を後に検査することが可能となる。
【0004】
流体試料の比較的高密度の相と比較的低密度の相との間の区域を区分するために、様々な分離バリアが収集デバイスにおいて使用されてきた。最も広く使用されているデバイスには、ポリエステルゲルなどのチキソトロピーゲル材料が含まれる。しかし、現行のポリエステルゲル血清分離試験管は、このゲルを準備しこれらの試験管に充填するという両方を行うための特殊な製造装置を要する。さらに、ゲルベースのセパレータ製品の保存寿命は、限定されている。時間の経過と共に、血球は、ゲル塊から放出され、分離された相成分の一方または両方に進入するおそれがある。さらに、市販のゲルバリアは、検体と化学的に反応する場合がある。したがって、血液試料が採取される際にいくつかの薬品がその血液試料中に存在する場合には、ゲル界面との望ましくない化学反応が生じるおそれがある。さらに、器具のプローブが、収集コンテナ内に過度に深く挿入されると、この器具のプローブは、ゲルと接触した場合に詰まる場合がある。
【0005】
さらに、流体試料の比較的高密度の相と比較的低密度の相との間に機械的バリアを使用し得る、いくつかの機械的セパレータが提案されてきた。従来の機械的バリアは、遠心分離の際に印加される高い重力を利用して、比較的高密度の相成分と比較的低密度の相成分との間に配置される。血漿および血清の被検物に対して適切な配向を得るために、従来の機械的セパレータは、典型的には、遠心分離の前に収集された全血被検物の上方に配置される。これは、一般的には、血液収集セットまたは瀉血針に係合した際にこのデバイスの中または周囲において血液充填が行われるように、機械的セパレータを試験管クロージャの下面に取り付けることが必要となる。この装着は、発送、取扱い、および採血の際におけるセパレータの時期尚早な移動を防ぐために必要となる。従来の機械的セパレータは、典型的には、ベローズ構成要素とクロージャとの間の機械的インターロックにより、試験管クロージャに取り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の機械的セパレータは、いくつかの重大な欠点を有する。図1に図示されるように、従来のセパレータは、試験管またはシリンジ壁部38と共にシール部を形成するためのベローズ34を備える。典型的には、ベローズ34の少なくとも一部分が、クロージャ32内に収容されるか、またはクロージャ32と接触状態にある。図1に図示されるように、針30が、クロージャ32を貫通して進入すると、ベローズ34は、くぼむ。これにより、針を挿入または除去する際に血液が貯留し得る空部36が形成される。これは、クロージャの下方における試料の貯留をもたらし、機械的セパレータが血液収集の際に尚早にもリリースするデバイスプリローンチ(device pre−launch)を生じさせ、かなりの量の血清および血漿などの流体相のトラッピングを引き起こし、試料品質の低下をもたらし、および/またはある状況下においてバリア不良を引き起こすおそれがある。さらに、従前の機械的セパレータは、複雑な複数パーツ製造技術により、製造が非常にコストのかかる複雑なものとなる。
【0007】
したがって、標準的なサンプリング装置と互換性を有し、従来のセパレータの前述の問題を縮小または解消させる、セパレータデバイスに対する需要が存在する。さらに、血液試料を分離させるための使用が容易であり、遠心分離の際の試料の比較的高密度の相と比較的低密度の相との相互汚染を最小限に抑え、保管および発送の際の温度に影響されず、放射線滅菌に対して安定性を有する、セパレータデバイスに対する需要が存在する。さらに、比較的少数の相対移動パーツを要し、収集コンテナ内への被検物の導入の容易さをさらに向上させ得る、一体成形セパレータデバイスに対する需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、比較的高密度の相および比較的低密度の相に流体試料を分離するためのアセンブリを対象とする。望ましくは、本発明の機械的セパレータは、試験管などの収集コンテナと共に使用することができ、印加される遠心力の作用の下で試験管内において移動して、流体試料のそれらの部分を分離するように構築される。いくつかの構成においては、試験管は、開口端部、閉鎖端部、および開口端部と閉鎖端部との間に延在する側壁部を備える、被検物収集試験管である。この側壁部は、外方表面および内方表面を備え、試験管は、着脱式隔膜を有する試験管の開口端部内に嵌るように配置されたクロージャをさらに備える。あるいは、試験管の両端部が、開口していてもよく、試験管の両端部が、エラストマークロージャによりシールされてもよい。試験管のクロージャの少なくとも1つが、針穿刺可能な着脱式隔膜を備えてもよい。
【0009】
機械的セパレータは、上部クロージャと試験管の底部との間の位置にて、試験管内に配設されてもよい。セパレータの構成要素は、セパレータについての全体的な密度が、血液試料の比較的高密度の相および比較的低密度の相などの流体試料の相の密度同士の間となるのを実現するように、寸法設定および構成される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、収集コンテナ内において第1の相および第2の相に流体試料を分離するための機械的セパレータが、中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備える。この貫通穴は、流体が中を通過し得るように構成される。セパレータ体は、第1の密度を有するフロートおよび第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備える。フロートの一部分が、バラストの一部分に連結される。
【0011】
機械的セパレータは、回転楕円形状を有してもよい。任意には、フロートは、外側表面および接合表面を備え、バラストは、フロートの接合表面に連結される接触表面および外側表面を備えてもよい。フロートの外側表面およびバラストの外側表面は、共に合わされて、回転楕円形状を形成してもよい。
【0012】
いくつかの構成においては、フロートは、中に流体を通過させ得るように構成された貫通穴を画成する。この貫通穴は、円形断面を有してもよい。他の構成においては、この貫通穴は、楕円形断面を有してもよい。貫通穴は、貫通軸に沿って画成され、フロートは、回転力が印加される際に貫通軸に対して垂直の方向に変形するようになされてもよい。
【0013】
別の構成においては、フロートは、貫通穴の第1の開口に隣接する第1の延在タブおよび貫通穴の第2の開口に隣接する第2の延在タブをさらに備える。第1の延在タブの少なくとも一部分および第2の延在タブの少なくとも一部分は、貫通穴の上方および周囲に設けられ、フロートからセパレータ体の貫通穴に平行な方向にラジアル方向に外方に延在してもよい。任意には、第1の延在タブ、フロートの上方表面、および第2の延在タブは、凸状の上方フロート表面を形成してもよい。
【0014】
別の構成においては、セパレータ体は、フロートの外方表面の一部分の周囲に配設された延在タブバンドをさらに備える。任意には、延在タブバンドの第1の部分が、貫通穴の第1の開口に隣接して配設され、延在タブバンドの第2の部分が、貫通穴の第2の開口に隣接して配設される。さらなる一構成においては、延在タブバンドの第1の部分および第2の部分の少なくとも一方が、凹状の下方向配向を有する。任意には、延在タブバンドの第1の部分および第2の部分の少なくとも一方が、貫通穴の第1の開口および第2の開口の少なくとも一方の上方部分の周囲に、外方延在弧形状で配向される。延在タブバンドの第1の部分および第2の部分の少なくとも一方が、貫通軸に対して平行な方向にフロートから外方に延在してもよい。延在タブバンドの第1の延在部分の少なくとも一部分および第2の延在部分の少なくとも一部分が、同一の形状および湾曲を有してもよい。いくつかの構成においては、延在タブバンドは、セパレータ体の各連結側に配設された、第1の延在部分と第2の延在部分との間に配設され、第1の延在部分および第2の延在部分を連結する、接合部分をさらに備えてもよい。延在タブバンドの第1の延在部分および第2の延在部分は、凹状下方向配向を有し、延在タブバンドの接合部分は、凹状の上方向配向を有する。いくつかの構成においては、フロートは、延在タブバンドを備えもよい。任意には、フロートおよび延在タブバンドは、TPEから形成されてもよく、バラストは、PETから形成される。
【0015】
機械的セパレータは、セパレータ体の周囲に円周方向に配設される初期係合バンドをさらに備えてもよい。初期係合バンドは、連続的であるか、または少なくとも部分的にセグメント化されてもよい。初期係合バンドおよびフロートは、同一の材料から形成されてもよい。初期係合バンドは、バラストの少なくとも一部分を二等分してもよい。
【0016】
別の構成においては、バラストは、ベース部分およびフロートの一部分に係合するための接合構造体を備えてもよい。接合構造体は、フロートの一部分に係合するための複数のアームを備えてもよく、接合構造体は、フロートとバラストとの間に撓曲部をもたらしてもよい。任意には、フロートの少なくとも一部分が、貫通穴に対して垂直方向の湾曲断面を有する円形外方外周部を有してもよい。いくつかの構成においては、フロートは、バラストの一部分に係合するための接合構造体を備えてもよい。接合構造体は、バラストの一部分に係合するための複数のアームを備えてもよく、接合構造体は、フロートとバラストとの間に撓曲部をもたらしてもよい。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリが、第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に延在する側壁部を有する収集コンテナを備える。この収集コンテナは、第1の端部と第2の端部との間に長手方向軸を画定する。分離アセンブリは、中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備える機械的セパレータをさらに備える。このセパレータ体は、回転力が印加されると、貫通穴が流体の通過を可能にするための開位置に配向される第1の初期位置から、貫通穴が中に流体を受けるのを防ぐための閉位置に配向される第2のシーリング位置まで移行するように構成される。
【0018】
一構成においては、分離アセンブリは、収集コンテナの第1の端部とシーリング係合するように構成されたクロージャをさらに備え、機械的セパレータは、クロージャの一部分と取外し自在に係合される。機械的セパレータは、第1の初期位置においてクロージャの一部分に係合されてもよく、機械的セパレータは、第2のシーリング位置において収集コンテナの側壁部の一部分に係合されてもよい。クロージャは、セパレータ体が第1の初期位置にある場合に、セパレータ体の一部分とクロージャとの間に流体シール部を形成するために、貫通穴の一部分の中に配設される係合ボスを備えてもよい。任意には、機械的セパレータの貫通穴の少なくとも一部分が、第1の初期位置においては収集コンテナの長手方向軸に沿って配向され、貫通穴が、第2のシーリング位置においては収集コンテナの長手方向軸に対して垂直方向に配向される。開位置から閉位置への貫通穴の移行は、第1の初期位置から第2のシーリング位置への機械的セパレータの回転と共に生じてもよい。機械的セパレータは、第2のシーリング位置において収集コンテナの一部分に密閉的に係合して、機械的セパレータの中または周囲に流体が流れるのを防いでもよい。
【0019】
いくつかの構成においては、セパレータ体は、貫通穴の第1の開口に隣接する第1の延在タブと、貫通穴の第2の開口に隣接する第2の延在タブとをさらに備える。第1の延在タブおよび第2の延在タブは、第2のシーリング位置において収集コンテナの側壁部の一部分に係合してもよい。他の構成においては、セパレータ体は、フロートの外方表面の一部分の周囲に配設された延在タブバンドをさらに備える。延在タブバンドは、第2のシーリング位置において収集コンテナの側壁部の一部分に係合してもよく、延在タブバンドは、第2のシーリング位置において収集コンテナの側壁部との間に連続シール部を形成してもよい。
【0020】
他の構成においては、バラストは、フロートの一部分に係合するための接合構造体を備え、フロートの少なくとも一部分が、貫通穴に対して垂直方向の湾曲断面を有する円形外方外周部を備える。フロートの外方外周部は、第2のシーリング位置において収集コンテナの側壁部との間に連続シール部を形成してもよい。任意には、フロートは、バラストの一部分に係合するための接合構造体を備え、フロートの少なくとも一部分が、貫通穴に対して垂直方向の湾曲断面を有する円形外方外周部を備え、フロートの外方外周部は、第2のシーリング位置において収集コンテナの側壁部との間に連続シール部を形成する。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、第1の相および第2の相に流体試料を分離させることを可能にするための分離アセンブリが、第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に延在する側壁部を有する収集コンテナを備える。この分離アセンブリは、中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備える機械的セパレータをさらに備える。セパレータ体は、収集コンテナの第1の部分とシーリング係合すると共に、収集コンテナ内に貫通穴を介して試料を送るのを可能にするための第1のシーリング外周部と、収集コンテナの第2の部分とシーリング係合すると共に、第1の相と第2の相との間を分離するためのバリアを維持するための第2のシーリング外周部とを備える。
【0022】
分離アセンブリは、収集コンテナの開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャをさらに備えてもよく、収集コンテナ内において、機械的セパレータは、クロージャの一部分に取外し自在に係合される。
【0023】
本発明の別の実施形態によれば、第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリが、内部を画成する、開口端部、閉鎖端部、および開口端部と閉鎖端部との間に延在する側壁部を有する収集コンテナを備える。この収集コンテナは、開口端部と閉鎖端部との間に長手方向軸をさらに画定する。分離アセンブリは、収集コンテナの開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャと、クロージャと係合され、収集コンテナ内に位置するように構成されたポストとをさらに備える。このポストは、収集コンテナの長手方向軸に沿って整列されたポスト貫通穴を備える。分離アセンブリは、ポストに取外し自在に係合される機械的セパレータをさらに備える。この機械的セパレータは、貫通軸に沿って中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備え、貫通穴は、中に流体が通過し得るように構成される。セパレータ体は、第1の密度を有するフロートおよび第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備える。フロートの一部分が、バラストの一部分に連結され、ポストの一部分が、セパレータの貫通穴内に受容されて、初期の第1の位置においてポストおよび機械的セパレータを貫通する流体経路を形成する。
【0024】
セパレータ体は、セパレータ体の一部分の周囲に円周方向に配設された初期係合バンドをさらに備えてもよい。初期係合バンドおよびフロートは、同一の材料から形成されてもよく、初期係合バンドは、バラストの少なくとも一部分を二等分してもよい。任意には、セパレータ体は、ポストの一部分が貫通穴内に配設され、セパレータ体が中に流体を通過させ得る開位置に配向される、第1の初期位置から、回転力の印加時に、セパレータ体がポストから係合解除され、貫通穴が中に流体を受けるのを防ぐための閉位置に配向される、第2のシーリング位置まで移行するように構成される。開位置から閉位置へのセパレータ体の移行は、ポストから係合解除するためのセパレータ体の軸方向移動と、初期の第1の位置から第2のシーリング位置へのセパレータ体の回転移動とを含んでもよい。
【0025】
本発明のさらに別の実施形態によれば、第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリが、内部を画成する、開口端部、閉鎖端部、および開口端部と閉鎖端部との間に延在する側壁部を有する収集コンテナを備える。この収集コンテナは、開口端部と閉鎖端部との間に長手方向軸をさらに画定する。分離アセンブリは、収集コンテナの開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャをさらに備える。このクロージャは、収集コンテナの開口端部内に位置するための受容端部を備え、この受容端部は、内部空洞部を画成し、内部空洞部内に延在するアンダーカット突出部を備える。分離アセンブリは、クロージャと取外し自在に係合される機械的セパレータをさらに備える。機械的セパレータは、貫通軸に沿って中に画成される貫通穴を有するセパレータ体を備え、この貫通穴は、中に流体が通過し得るように構成される。セパレータ体は、第1の密度を有するフロート、および第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備え、フロートの一部分が、バラストの一部分に連結される。クロージャのアンダーカット突出部は、セパレータの貫通穴の中に配設されてもよく、セパレータ体の少なくとも一部分が、初期の第1の位置においてクロージャの内部空洞部内に配設されてもよい。
【0026】
本発明のさらに別の実施形態によれば、収集コンテナが、第1の内部および第1の外部を画成する開口上端部および第1の側壁部を有する第1の領域を備える。収集コンテナは、第2の内部および第2の外部を画成する閉鎖底端部および第2の側壁部を有する第2の領域をさらに備える。第1の領域および第2の領域は、第1の内部および第2の内部が流体連通状態になされるように、長手方向軸に沿って整列されてもよい。第1の内部の直径は、第2の内部の直径よりも大きくてもよく、少なくとも1つの流体フルートが、第1の領域と第2の領域との間に延在して、流体が第1の領域から第2の領域まで中を通過することを可能にしてもよい。
【0027】
いくつかの構成においては、第1の外部は、16mm縦断面を有し、第2の外部は、13mm縦断面を有する。第1の内部は、機械的セパレータを中に収容するように寸法設定されてもよく、第2の内部は、印加回転力がないときに中に機械的セパレータの一部分が通過するのを少なくとも部分的に抑制するように寸法設定されてもよい。
【0028】
本発明のさらに別の実施形態によれば、第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリが、第1の内部および第1の外部を画成する開口上端部および第1の側壁部を有する第1の領域、および第2の内部および第2の外部を画成する閉鎖底端部および第2の側壁部を有する第2の領域を有する、収集コンテナを備える。第1の領域および第2の領域は、第1の内部および第2の内部が流体連通状態になされるように、長手方向軸に沿って整列されてもよく、第1の内部の直径が、第2の内部の直径よりも大きい。この分離アセンブリは、第1の領域と第2の領域との間に延在して、流体が第1の領域から第2の領域まで中を通過することを可能にする少なくとも1つの流体フルートをさらに備える。分離アセンブリは、第1の密度を有するフロート、および第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを有する機械的セパレータをさらに備えてもよく、フロートの一部分が、バラストの一部分に連結される。機械的セパレータの少なくとも一部分が、初期の第1の位置において第2の領域に進入することが防がれ、機械的セパレータは、第2のシーリング位置まで回転力を印加した際に第2の領域内に移行される。
【0029】
機械的セパレータは、中に画成され、中に流体が流れ得るように構成された、貫通穴を有するセパレータ体を備えてもよい。
【0030】
本発明のさらなる一実施形態によれば、第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリが、内部を画成する、第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に延在する側壁部を有する収集コンテナを備える。この分離アセンブリは、収集コンテナの開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャをさらに備える。分離アセンブリは、初期の第1の位置においてクロージャおよび収集コンテナの側壁部の少なくとも一方により解放自在に拘束された機械的セパレータをさらに備える。機械的セパレータは、貫通軸に沿って中に画成される貫通穴を有するセパレータ体を備え、この貫通穴は、中に流体が通過し得るように構成される。セパレータ体は、第1の密度を有するフロート、および第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備え、フロートの一部分が、バラストの一部分に連結される。分離アセンブリは、初期位置において機械的セパレータの一部分に取外し自在に係合されるキャリアをさらに備え、回転力が印加されると、セパレータ体は、流体が貫通穴を通過し得る初期位置から、機械的セパレータによりセパレータ体の中または周囲における流体の通過が防がれるシーリング位置まで移行する。さらに、回転力が印加されると、キャリアは、機械的セパレータから係合解除される。
【0031】
本発明のさらに他の一実施形態においては、分離アセンブリが、内部を画成する、第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に延在する側壁部を有する収集コンテナを備える分離アセンブリを備える。この分離アセンブリは、フロートおよびバラストを備え、第1の位置からシーリング位置まで移動することが可能な、機械的セパレータをさらに備える。シーリング位置においては、シーリング外周部が、内部の少なくとも一部分とセパレータとの間に確立され、シーリング外周部は、内部の一部分の周囲に変動的な位置を有し、この変動的な位置は、平均シーリング高さを画定する。機械的セパレータは、収集コンテナ内に最大高さおよび最小高さをさらに有し、平均シーリング高さは、最大高さから最小高さを差し引いたものを下回る。
【0032】
本発明のアセンブリは、分離ゲルを使用する既存の分離製品よりも有利である。特に、本発明のアセンブリは、分析物を阻害しないが、多くのゲルは、収集コンテナ内に位置する体液および/または検体と相互作用する。さらに、本発明のアセンブリは、セパレータが、収集コンテナ内に被検物を導入するためにセパレータ体の穿刺を要さず、そのためプリローンチおよびクロージャの下方における試料の貯留が最小限に抑えられる点において、既存の機械的セパレータよりも有利である。さらに、本機械的セパレータの構造は、セパレータ体内の血清および血漿などの捕獲される流体相の損失を最小限に抑える。さらに、本発明のアセンブリは、製造の際に複雑な押出成形技術を要さず、ツーショット成形技術を最適に利用することができる。
【0033】
添付の図面と組み合わせて以下の詳細な説明を読むことにより、本発明のさらなる詳細および利点が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】従来の機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図2】本発明の一実施形態による、貫通穴を画成したフロートを有する、機械的セパレータアセンブリの斜視図である。
【図3】図2の機械的セパレータアセンブリの代替的な斜視図である。
【図4】図2の機械的セパレータの上面図である。
【図5】図2の機械的セパレータの側面図である。
【図6】図5の線A‐Aに沿った、図2の機械的セパレータの断面図である。
【図7】図2の機械的セパレータの正面図である。
【図8】図7の線B‐Bに沿った、図2の機械的セパレータの断面図である。
【図9】本発明の一実施形態による、第1の延在タブおよび第2の延在タブが、実質的に凸状の上方フロート表面を形成する、貫通穴を画成したフロートおよびバラストを有する代替的な機械的セパレータの上面図である。
【図10】図9の機械的セパレータの側面図である。
【図11】図10の線C‐Cに沿った、図9の機械的セパレータの断面図である。
【図12】図9の機械的セパレータの正面図である。
【図13】図12の線D‐Dに沿った、図9の機械的セパレータの断面図である。
【図14】本発明の一実施形態による、楕円形貫通穴を画成したフロートおよびバラストを有する代替的な機械的セパレータの斜視図である。
【図15】図14の機械的セパレータの代替的な斜視図である。
【図16】図15の機械的セパレータの上面図である。
【図17】図15の機械的セパレータの側面図である。
【図18】図17の線E‐Eに沿った、図15の機械的セパレータの断面図である。
【図19】図15の機械的セパレータの正面図である。
【図20】図19の線F‐Fに沿った、図15の機械的セパレータの断面図である。
【図20A】本発明の一実施形態による、回転楕円形状体を有し、第1の延在タブと第2の延在タブとの間の離間距離が縮小された、機械的セパレータの斜視図である。
【図21】図18に図示されるものと同様の断面線に沿った、楕円形内部を有する代替的な機械的セパレータの断面図である。
【図22】図21に図示されるような楕円形内部を有する機械的セパレータの部分斜視図である。
【図23】図18に図示されるものと同様の断面線に沿った、楕円形貫通穴を有する代替的な機械的セパレータの断面図である。
【図24】図23に図示されるような楕円形貫通穴を有する、機械的セパレータの部分斜視図である。
【図25】図18に図示されるものと同様の断面線に沿った、実質的に円形の内部および側部切欠部を有する代替的な機械的セパレータの断面図である。
【図26】図25に図示されるような実質的に円形の内部および側部切欠部を有する代替的な機械的セパレータの部分斜視図である。
【図27】本発明の一実施形態による、クロージャに取り付けられた本発明の機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図28】本発明の一実施形態による、流体が貫通穴を通り進むことを可能にするための初期位置にある、収集コンテナ内に配設された機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図29】本発明の一実施形態による、回転力の印加後に収集コンテナ内において比較的軽量の相と比較的高密度の相との間にバリアを設けるためのシーリング位置にある、図28に図示されるような収集コンテナ内に配設される機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図30】初期位置において収集コンテナに係合するためのシールラインを有する、本発明の一実施形態による機械的セパレータの斜視図である。
【図31】シーリング位置において収集コンテナと係合するためのシールラインを有する、図30の機械的セパレータの斜視図である。
【図31A】本発明の一実施形態による、部分的に波状になされた表面を有する機械的セパレータの斜視図である。
【図31B】図31Aの機械的セパレータの正面図である。
【図31C】本発明の一実施形態による、機械的セパレータの斜視図である。
【図31D】図31Cの機械的セパレータの上面図である。
【図31E】図31Cの機械的セパレータの側面図である。
【図31F】図31Eの線31F‐31Fに沿った、図31Cの機械的セパレータの断面図である。
【図31G】図31Cの機械的セパレータの側面図である。
【図31H】図31Gの線31H‐31Hに沿った、図31Cの機械的セパレータの断面図である。
【図31I】図31Cの機械的セパレータの底面図である。
【図32】本発明の一実施形態による、初期係合バンドを有する機械的セパレータの斜視図である。
【図33】図32に図示されるような初期係合バンドを有する機械的セパレータの代替的な斜視図である。
【図34】図33に図示されるような初期係合バンドを有する機械的セパレータの側面図である。
【図35】本発明の一実施形態による、収集コンテナの側壁部の一部分およびクロージャに係合された、図33の初期係合バンドを有する機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図35A】本発明の一実施形態による、延在タブバンドを有する機械的セパレータの斜視図である。
【図35B】図35Aの機械的セパレータの左側面図である。
【図35C】図35Aの機械的セパレータの正面図である。
【図35C1】図35Bの線35C1‐35C1に沿った、図35Aの機械的セパレータの断面図である。
【図35D】図35Cの線35D‐35Dに沿った、図35Aの機械的セパレータの断面図である。
【図35E】本発明の一実施形態による、代替的な延在タブバンドを有する機械的セパレータの斜視図である。
【図35F】本発明の一実施形態による、接合構造体を有する機械的セパレータの斜視図である。
【図35G】図35Fの機械的セパレータの正面図である。
【図35H】図35Fの線35H‐35Hに沿った、図35Gの機械的セパレータの断面図である。
【図35I】図35Fの機械的セパレータの上面図である。
【図35J】本発明の一実施形態による、収集コンテナ内での様々な下降状態における、収集コンテナ内に配設された図35Fの機械的セパレータの概略正面図である。
【図35K】本発明の一実施形態による、シーリング位置における図35Jの機械的セパレータの概略正面図である。
【図35L】本発明の一実施形態による、代替的な接合構造体を有する機械的セパレータの斜視図である。
【図35M】図35Lの機械的セパレータの斜視図である。
【図35N】本発明の一実施形態による、代替的な接合構造体を有する機械的セパレータの斜視図である。
【図35O】図35Nの機械的セパレータの正面図である。
【図36】本発明の一実施形態による、初期位置における、迂回的貫通穴を有する機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図37】本発明の一実施形態による、シーリング位置における、迂回的貫通穴を有する図36の機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図38】本発明のさらに別の実施形態による、初期休止位置における、貫通穴を画成した熱可塑性エラストマーセクションにより分離されたフロートおよびバラストを有する機械的セパレータの具象的な断面図である。
【図39】回転力を印加する際の、作動位置における、貫通穴を画成した熱可塑性エラストマーセクションにより分離されたフロートおよびバラストを有する図38の機械的セパレータの具象的な断面図である。
【図40】本発明の一実施形態による、クロージャと係合した収集コンテナの一部分に機械的セパレータが係合された、分離アセンブリの断面側面図である。
【図41】本発明の一実施形態による、クロージャのアンダーカットに係合されたポストに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図42】図41のクロージャの部分断面斜視図である。
【図43】図41のポストの斜視正面図である。
【図44】図41のポストの斜視背面図である。
【図45】本発明の一実施形態による、第1の領域、第2の領域、および複数の流体フルートを有する収集コンテナの側面図である。
【図46】本発明の一実施形態による、図45の収集コンテナ内に機械的セパレータが配設された、分離アセンブリの断面部分側面図である。
【図46A】本発明の一実施形態による、機械的セパレータと共に使用するための代替的な収集コンテナの断面側面図である。
【図47】本発明の一実施形態による、クロージャの一部分に機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図48】図47のクロージャの部分断面斜視図である。
【図49】本発明の一実施形態による、係合ボスを有するクロージャに機械的セパレータが係合された、分離アセンブリの断面側面図である。
【図50】本発明の一実施形態による、代替的な係合ボスを有するクロージャに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図51】本発明の一実施形態による、機械的セパレータの一部分とクロージャの一部分との間にシーラントが配設された、図50の分離アセンブリの断面側面図である。
【図52】図51に図示されるシーラントの近接断面図である。
【図53】本発明の一実施形態による、代替的な係合ボスを有するクロージャに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図54】本発明の一実施形態による、代替的な係合ボスを有するクロージャに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図55】複数の垂下脚部を備える係合ボスを有する図54のクロージャの斜視図である。
【図56】本発明の一実施形態による、成形インサートに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図57】図56の成形インサートの斜視図である。
【図58】本発明の一実施形態による、成形インサートに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図59】本発明の一実施形態による、成形インサートに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図60】本発明の一実施形態による、クロージャの一部分に係合されたキャリアに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図61】本発明の一実施形態による、クロージャの一部分に係合された代替的なキャリアに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図62】図61のキャリアの斜視図である。
【図63】本発明の一実施形態による、キャリアに係合された機械的セパレータが初期位置にある、分離アセンブリの断面側面図である。
【図64】本発明の一実施形態による、回転力の印加後にキャリアから係合解除された機械的セパレータがシーリング位置にある、図63の分離アセンブリの断面側面図である。
【図65】本発明の一実施形態による、代替的なキャリアに係合された機械的セパレータが初期位置にある、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図66】本発明の一実施形態による、回転力の印加後にキャリアから係合解除された機械的セパレータがシーリング位置にある、図65の分離アセンブリの断面側面図である。
【図67】本発明の一実施形態による、溶解可能キャリアに係合された機械的セパレータが初期位置にある、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図68】本発明の一実施形態による、回転力の印加後の完全に溶解された状態のキャリアを示す、機械的セパレータがシーリング位置にある、図67の分離アセンブリの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以降の説明において、「上方」、「下方」、「右」、「左」、「垂直方向」、「水平方向」、「上部」、「下部」、「側方」、「長手方向」という語、および同様の空間的用語が使用される場合には、これらは、図面内に配向されるものとしての、説明される実施形態に関するものとする。しかし、逆のことが明示される場合を除いては、多数の代替的な変形形態および実施例を想定し得ることを理解されたい。さらに、添付の図面に示され、本明細書において説明される、特定のデバイスおよび実施形態は、本発明の例示的な実施形態に過ぎないことを理解されたい。
【0036】
本発明の機械的セパレータは、本明細書において論じられるように、比較的高密度相の成分と比較的低密度相の成分とに試料を分離させるために、収集コンテナと共に使用されるように意図される。例えば、この機械的セパレータは、浮力差を使用して、印加される回転力または遠心分離により上昇した重力を被る被検物内に沈められる際にシーリング区域を収縮させることにより、全血から血清または血漿を分離させるために使用することが可能である。一実施形態においては、上昇した重力は、少なくとも3,400回転/分など、少なくとも2,000回転/分の速度で生成され得る。
【0037】
図2〜図8を参照すると、本発明の機械的セパレータ40は、フロート42およびフロート42に連結されたバラスト44を備える、セパレータ体41を備える。一実施形態においては、フロート42は、第1の密度を有し、バラスト44は、第2の密度を有し、第2の密度は、第1の密度よりも高い。別の実施形態においては、フロート42は、第1の浮力を有し、バラスト44は、第2の浮力を有し、第1の浮力は、第2の浮力よりも高い。一実施形態においては、機械的セパレータ40のフロート42が、2つの相に分離されるように意図される液体または被検物よりも低い密度を有する材料から作製されることが望ましい。例えば、ヒトの血液を血清および血漿に分離させることが求められる場合には、フロート42が約1.020g/cc未満の密度を有することが望ましい。一構成においては、機械的セパレータ40のフロート42は、熱可塑性エラストマー(TPE)などの弾性変形可能かつ自己シール性の材料から押出成型および/または成形されてもよい。さらに別の実施形態においては、フロート42は、本明細書において論じられるように、収集コンテナとの接触が確立される際に、良好なシーリング特徴を示す弾性変形可能材料から押出成型および/または成形されてもよい。これらの特定の許容範囲内のフロート密度の維持は、材料密度を低下させるために例えばガラス微小球などの混合を要さない標準的な材料を使用することにより、比較的容易に得られる。
【0038】
さらに、機械的セパレータ40は、セパレータ体41の貫通軸Tに沿ってなど、中に画成された貫通穴46を備える。図3、図5、および図8に図示されるように、貫通穴46は、セパレータ体41全体を貫通して延在し、貫通軸Tに沿って整列された第1の開口48および第2の開口50を備えてもよい。一構成においては、貫通穴46は、セパレータ体41の体積中心を二等分または実質的に二等分にする。一実施形態においては、貫通穴46は、完全にフロート42内に配設される。さらなる一実施形態においては、フロート42は、貫通穴46の第1の開口48に隣接する第1の延在タブ52と、貫通穴46の第2の開口50に隣接する第2の延在タブ54とをさらに備えてもよい。第1の延在タブ52および/または第2の延在タブ54は、フロート42と共形成されて、フロート42自体の一部分を形成し得る。別の構成においては、第1の延在タブ52および/または第2の延在タブ54は、個別に形成され、その後フロート42と接合されてもよい。第1の延在タブ52および第2の延在タブ54は、セパレータ体41の貫通軸Tの実質的に上方になど、セパレータ体41の貫通軸Tの上方に設けられてもよい。さらに、第1の延在タブ52および第2の延在タブ54は、貫通穴46の上方部分56の周囲に外方向延在弧形状でなど、貫通穴46の一部分の実質的に周囲など貫通穴46の一部分の周囲に設けられてもよい。第1の延在タブ52および第2の延在タブ54は、第1の延在タブ52および第2の延在タブ54が、同一の形状および湾曲を、または実質的に同一の形状および湾曲を有し得るように、セパレータ体41の貫通軸Tに対して平行または実質的に平行の方向に、フロート42から外方に延在してもよい。図8に図示されるようにさらに別の実施形態においては、第1の延在タブ52は、貫通穴46の第1の側の上方最外部分に第1の最外縁部68を備え、第2の延在タブ54は、貫通穴46の第2の側の対応する上方最外部分に第2の最外縁部70を備える。一構成においては、第1の最外縁部68は、貫通穴46の第1の側の下方最外部分72よりも長い距離だけ外方向に延在する。さらに、第2の最外縁部70は、貫通穴46の第2の側の対応する下方最外部分74よりも長い距離だけ外方向に延在する。したがって、貫通穴46の上方部分の周囲の第1の延在タブ52および第2の延在タブ54を中心として求められるセパレータ体41の直径D1は、下方最外部分72、74により画成される貫通穴46の下方部分を中心として求められるセパレータ体41の直径D2よりも若干大きい。
【0039】
一実施形態においては、フロート42は、少なくとも部分的に円形または実質的に円形など、概して弧状形状を有する外方表面58と、バラスト44の一部分と係合するように適合化された、図6および図8に図示される接合表面60とを有する。また、バラスト44は、少なくとも部分的に円形または実質的に円形など、やはり概して弧状形状を有する外方表面62と、フロート42の接合表面60と接合するように適合化された、やはり図6および図8に図示される接触表面64とを備える。一実施形態においては、フロート42の外方表面58およびバラスト44の外方表面62は、共に合わせられると、回転楕円形状などの概して円形の外側部を形成する。「回転楕円形状」という用語は、完全な球に加えて、中間点を通り求められる若干非均一的な直径を呈し得る本発明の複数の態様である他の構成を含み得ることが、本明細書において理解されよう。例えば、機械的セパレータ40の中間点を二等分する、フロート42およびバラスト44を貫通して得られる種々の平面が、変動直径を有しながら、依然として回転楕円形状を有する概して円形またはボール様の機械的セパレータ40をもたらすことができる。一実施形態においては、フロート42およびバラスト44は、別個に形成され、後に組み合わされてもよい。別の実施形態においては、フロート42およびバラスト44は、両構成要素が一体的に共にリンクされて完全なセパレータ体41を形成するように、ツーショット成形プロセスまたはマルチショット成形プロセスによってなど、同時押出成形されるおよび/または一体成形されるなど、共形成されてもよい。別の構成においては、フロート42とバラスト44との間のこの一体リンケージは、2つの構成要素間の材料結合によって、機械的インターロックによって、または材料結合と機械的インターロックとの組合せによって、もたらされてもよい。さらに、フロート42およびバラスト44は、接着剤、熱かしめ、および/または超音波溶接などの独立した成形後作業によって、共にリンクされてもよい。図6および図8に図示されるように、バラスト44は、バラスト44およびフロート42の係合を補助する装着突出部66を備えてもよい。
【0040】
一実施形態においては、機械的セパレータ40のバラスト44が、2相に分離されるように意図される液体よりも高い密度を有する材料から作製されることが望ましい。例えば、ヒトの血液を血清および血漿に分離させることが求められる場合には、バラスト44が少なくとも1.029g/ccの密度を有することが望ましい。一実施形態においては、バラスト44は、ミネラル充填ポリプロピレンから形成することが可能である。本明細書においては、フロート42およびバラスト44の両方が、十分な生体適合性、密度安定性、添加物相溶性、ならびに分析物の相互作用、吸収、および浸出性に対する中立性を有する、様々な他の材料から形成することも可能であることが予期される。
【0041】
フロート42およびバラスト44の密度差により、機械的セパレータ40は、セパレータ体41の体積中心R1からずれた質量中心Rを有する。具体的には、フロート42が占めるセパレータ体41の体積は、バラスト44が占めるセパレータ体41の体積よりもはるかに大きくてもよい。したがって、いくつかの実施形態においては、セパレータ体41の質量中心Rは、貫通穴46からずれ得る。
【0042】
本発明の別の実施形態によれば、図9〜図13に図示されるように、機械的セパレータ140は、上述のように、フロート142およびバラスト144を有するセパレータ体141を備え、貫通穴146が、フロート142内に画成される。図10および図13に具体的に図示されるこの構成においては、第1の延在タブ152および第2の延在タブ154は、フロート142の上方部分155と合わせられることにより、実質的に凸状の上方フロート表面157を形成する。図9に図示されるように、セパレータ体141の縦断面は、球形から若干外れており、貫通軸Tに沿って延在する貫通穴146の対角線状に位置をずらされた端点158、159間に延在するセパレータ体の直径D3が、セパレータ体141に対する接線となり、貫通穴146に対して垂直方向へと、最外対向端点160、161間に延在するセパレータ体の直径D4よりも若干大きい。したがって、端点(対角線状に位置をずらされた端点158、159および対角線状に位置をずらされた端点158A、159A)はそれぞれ、TPEなどの材料の肥厚区域を備えてもよい。
【0043】
別の実施形態によれば、図14〜図20に図示されるように、機械的セパレータ240は、上述のように、フロート242およびバラスト244を有するセパレータ体241を備え、貫通穴246が、フロート242内に画成される。この構成においては、貫通穴246は、図18〜図19に具体的に図示されるように、実質的に楕円形の断面を有してもよい。一実施形態においては、図18に図示される楕円状部の主要軸M1は、図17に図示される貫通軸Tに対して垂直方向に配向される。貫通軸Tに対して垂直方向に楕円状部の主要軸M1が延在していることにより、フロート242は、本明細書において論じるように、回転力の印加の際に楕円状部の副軸M2(図18に図示)の方向にさらに長く延在するように構成されてもよい。
【0044】
この構成においては、第1の延在タブ252の湾曲および第2の延在タブ254の湾曲は、貫通軸Tの楕円形の第1の開口248および第2の開口250のそれぞれの少なくとも一部分を実質的に模倣するように延在する。別の実施形態においては、第1の延在タブ252は、凸状形状を有するなど、少なくとも部分的に湾曲した形状を有し、貫通穴246の第1の開口248の上方部分に隣接して設けられる。第2の延在タブ254は、凸状形状を有するなど、少なくとも部分的に湾曲した形状をやはり有してもよく、貫通穴246の第2の開口250の上方部分に隣接して設けられてもよい。
【0045】
図20Aに図示されるように、機械的セパレータ240Aは、上述のように、フロート242Aおよびバラスト244Aを有するセパレータ体241Aを備え、貫通穴246Aが、フロート242A内に画成されている。この構成においては、第1の延在タブ252Aおよび第2の延在タブ254Aは、貫通穴246Aの縁部にてセパレータ体241Aの直径243Aと実質的に一致し、第1の延在タブ252Aおよび第2の延在タブ254Aの頂点247Aにて直径243Aから若干ずれた、楕円形縦断面を有してもよい。この構成においては、第1の延在タブ252Aおよび第2の延在タブ254Aは、本明細書において説明されるように、シーリング位置において試験管壁部の一部分に当接してバリアを形成するのを補助するために、貫通穴246Aに隣接する第1の延在タブ252Aおよび第2の延在タブ254Aの縁部に配置された拡大フィレット280Aを備えてもよい。拡大フィレット280Aは、本明細書において説明されるように、印加回転力の印加の際に機械的セパレータの周囲における細胞の分界を容易にする役割を果たし得る。さらに、拡大フィレット280Aは、第1の延在タブ252Aおよび第2の延在タブ254Aの端部に隣接する幅広テーパ部など、厚さおよび/または直径が大きく、貫通穴246Aの少なくとも一部分に沿って延在する、第1の延在タブ252Aおよび第2の延在タブ254Aの一領域を備えてもよい。
【0046】
図21〜図22に図示されるように、本発明の機械的セパレータ340は、フロート342およびバラスト344を備え、実質的に円筒状の貫通穴346を画成する楕円形内部360を備えてもよい。この構成においては、楕円形内部360は、実質的に円筒状の貫通穴346を残しつつこの楕円形内部360を充填するように寸法設計された充填材料362を備えてもよい。一実施形態においては、充填材料362は、TPE材料または他の十分に可撓性の材料であってもよい。あるいは、図23〜図24に図示されるように、フロート442およびバラスト444を備える本発明の機械的セパレータ440は、楕円形の貫通穴446を画成する楕円形内部460を備えてもよい。さらに別の構成においては、フロート542およびバラスト544を備える本発明の機械的セパレータ540は、円形断面および楕円形状を有する貫通穴546を備えてもよい。任意には、フロート542は、バラスト544との界面部550などに隣接するスリット548または複数のスリット548をさらに備えてもよい。フロート542内に画成されたスリット548または複数のスリット548を備えることにより、本明細書において論じられるように、回転力の印加時にフロート542の伸長率を高めることが可能となり得る。
【0047】
図27に図示されるように、本発明の機械的セパレータ40は、クロージャ84を有する収集コンテナ82内において第1の相および第2の相に流体試料を分離するために、分離アセンブリ80の一部分として提供されてもよい。具体的には、収集コンテナ82は、プロテオミクス試料試験管、分子診断試料試験管、化学試料試験管、血液または他の体液収集試験管、凝固試料試験管、および血液学試料試験管等々の試料収集試験管であってもよい。望ましくは、収集コンテナ82は、真空血液収集試験管である。一実施形態においては、収集コンテナ82は、特定の検査処置に対する必要に応じて、タンパク分解酵素阻害薬および凝血剤等々の追加の添加物を含んでもよい。かかる添加材は、粒子または液体の形態であってもよく、収集コンテナ82の円筒状側壁部86上に噴霧されるか、または収集コンテナ82の底部に配置されてもよい。収集コンテナ82は、閉鎖底端部88、開口上端部90、およびそれらの間に延在する円筒状側壁部92を備える。円筒状側壁部92は、開口上端部90から収集コンテナ82の長手方向軸Lに沿って閉鎖底端部88に実質的に隣接する位置まで実質的に均一に延在する内径を有する内方表面94を備える。
【0048】
収集コンテナ82は、以下の各材料、すなわちポリプロピレン、ポリエチレン、テレフタレート(PET)、ガラス、またはそれらの組合せの中の1つまたは2つ以上から作製されてもよい。収集コンテナ82は、単一の壁構造あるいは複数の壁構造を含むことができる。さらに、収集コンテナ82は、適切な生体試料を得るために任意の実用的なサイズで構築されてもよい。例えば、収集コンテナ82は、当技術において知られているように、従来の大体積試験管、小体積試験管、または微量試験管と同様のサイズのものであってもよい。特定の一実施形態においては、収集コンテナ82は、やはり当技術において知られているように標準的な13ml真空血液収集試験管であってもよい。
【0049】
開口上端部90は、液体不透過性シール部を形成するために、中にクロージャ84を少なくとも部分的に受容するように構成される。クロージャ84は、収集コンテナ82内に少なくとも部分的に受容されるように構成された上端部96および下端部98を備える。上端部90に隣接するクロージャ84の複数の部分が、収集コンテナ82の内径を上回る最大外径を画定する。一実施形態においては、クロージャ84は、針カニューレ(図示せず)による貫通が可能な穿刺可能着脱式隔膜100を備える。底端部98から下方に延在するクロージャ84の複数の部分が、収集コンテナ82の内径とほぼ等しいかまたはそれよりも若干小さな小径部から、上端部96における収集コンテナ82の内径よりも大きな大径部までテーパ状となっていてもよい。したがって、クロージャ84の下端部98は、開口上端部90に隣接する収集コンテナ82の一部分内に押し込まれ得る。クロージャ84の固有の弾性により、収集コンテナ82の円筒状側壁部86の内方表面94とのシーリング係合が確保され得る。一実施形態においては、クロージャ84は、一体成形されたエラストマー材料から形成されて、収集コンテナ82とのシーリング係合が可能となるのに適切な任意のサイズおよび寸法を有することが可能である。任意には、クロージャ84は、Becton,Dickinson and Company社から市販されているHemogard(登録商標)Shieldなどのシールドによって少なくとも部分的に囲まれてもよい。
【0050】
図27に図示されるように、本発明の機械的セパレータ40は、機械的セパレータ40の貫通穴46が収集コンテナ82の開口上端部90と整列される初期位置において、収集コンテナ82内に配向され得る。この初期位置においては、貫通穴46は、クロージャ84の穿刺可能隔膜100を穿刺しており、収集コンテナ82の内部と流体連通状態におかれる、針カニューレ(図示せず)などから、中に流体が通過し得るようになされる。さらに、機械的セパレータ40は、セパレータ体41が図27〜図28に図示されるような初期位置から、図29に図示されるようなシーリング位置まで移行し得るように、クロージャ84の一部分と取外し自在に係合されてもよい。初期位置においては、貫通穴46は、流れ矢印Fにより図28において示される方向に流体を通過させ得る開位置に配向される。図27を参照すると、貫通穴46の初期開位置は、収集コンテナ82の長手方向軸Lに実質的に整列される。図29を参照すると、遠心分離の際など回転力が印加される際に、機械的セパレータ40は、クロージャ84との係合状態から係合解除され、貫通穴46が実質的に閉位置にあるシーリング位置まで図29の方向矢印Dにより示される方向に回転するのに十分なだけ、変形する。実質的に閉鎖された位置においては、第1の延在タブ52および第2の延在タブ54を備えるフロート42は、収集コンテナ82の内方表面94とのシーリング係合を形成して、貫通穴46内にまたはセパレータ体41の周囲に流体が受けられるのを実質的に防ぐ。
【0051】
一構成においては、貫通穴46は、開位置において、長手方向軸Lの少なくとも一部分に沿って収集コンテナ82の開口上端部90と実質的に整列され、貫通穴46は、閉位置において、この長手方向軸に対して垂直方向に実質的に整列される。開位置から閉位置への貫通穴46の移行は、第1の初期位置から第2の閉位置への機械的セパレータ40の回転と共に生ずることを指摘しておく。別の構成においては、機械的セパレータ40は、第1のシーリング位置において、クロージャ84の一部分に係合され、機械的セパレータ40は、第2のシーリング位置において、収集コンテナ82の側壁部86の一部分に係合される。再び図27を参照すると、クロージャ84は、機械的セパレータ40と係合するための係合ボス102を備えてもよい。一構成においては、係合ボス102は、セパレータ体41がセパレータ体41の一部分とクロージャ84との間に流体シール部を形成するために第1の初期位置にある際には、貫通穴46の一部分内に位置する。
【0052】
この初期位置においては、機械的セパレータ40は、機械的セパレータ40の解放荷重を制御する貫通穴46中のアンダーカットにより生じる機械的スナップにより、クロージャ84に装着され得る。機械的セパレータ40が、クロージャ84に装着されると、機械的セパレータ40は、図30に図示されるように、第1のシーリング外周部104に沿って収集コンテナ82の側壁部86との間にシール部を形成する。収集コンテナ82内に被検物を引き入れる際に、第1のシーリング外周部104は、機械的セパレータ40とクロージャ84との間における血液の蓄積を防ぐ。これにより、機械的セパレータ40の機能を破綻させ得る血塊および/またはフィブリン鎖の形成が軽減される。回転力を印加し、図29に図示されるように機械的セパレータ40が移行する際に、機械的セパレータ40は、クロージャ84に依然として装着されつつも回転モーメントを受け、クロージャ84から解放された後には、約90°回転して、収集コンテナ82の底端部88にバラスト44が対面する状態に配向された状態となる。
【0053】
機械的セパレータ40が、収集コンテナ82内に収容された流体に接触すると、貫通穴46を占める空気は、デバイスが沈むにつれて流体により徐々に変位される。機械的セパレータ40が、流体内に沈められると、フロート42は、バラスト44よりも大きな浮力を有し、これにより、機械的セパレータにおいて差動力が生ずる。遠心分離の際には、この差動力により、フロート42構成要素は、収集コンテナ82の側壁部86から離れる方向に伸長および収縮され、それにより有効直径が縮小され、比較的高い密度相の成分および比較的低い密度相の成分などの流体がセパレータ体41を越えて流れるための流通経路が開かれる。フロート42は、貫通穴46に対して実質的に垂直である方向に変形するように構成されてもよいことを指摘しておく。印加回転力が除去されると、フロート42は、元の状態に戻り、フロート42および第1の延在タブ52および第2の延在タブ54により画成されるシーリング区域は、図31に図示されるように、再度拡張して、第2のシーリング外周部106に沿って収集コンテナの内方表面94に当接してシール部を形成する。したがって、機械的セパレータ40は、セパレータ41と収集コンテナ82との間またはセパレータ41および収集コンテナ82の周囲に流体が通過するのを防ぐようになされ、さらに、流体が貫通穴46を通過するのを防ぎ、それによりバリアを有効に確立する。第2のシーリング外周部106は、試料内の比較的高い密度相と比較的低い密度相との間にバリアを確立する。
【0054】
図31A〜図31Bに図示されるように、機械的セパレータ140Aは、上記において論じるように、フロート142Aおよびバラスト144Aを有するセパレータ体141Aを備え、貫通穴146Aが、フロート142A内に画成されている。この構成においては、フロート142Aは、使用中に血液成分屑の表面分界を向上させるための表面を形成するために、部分的に波状になされた領域150Aを備えてもよい。本明細書において論じるように、セパレータ140Aが、血液などの流体試料内に沈められると、フィブリンまたは細胞などのいくつかの血液構成成分が、フロート142Aの上方表面に固着するか、またはフロート142Aの上方表面上に他の態様で捕獲された状態となる場合がある。本実施形態によれば、フロート142Aは、表面分界を向上させるための波状になされた領域150Aを備えてもよい。別の実施形態によれば、フロート142Aは、図31Bなどに図示されるように、対向し合う波状になされた領域150Aを備えてもよい。波状になされた領域150Aは、楕円形、長円形、および湾曲状等々の、フロートの表面分界を向上させるのに適した任意の湾曲形状を備えてもよい。
【0055】
この構成においては、セパレータ体141Aは、第1の延在タブ152Aおよび第2の延在タブ154Aをやはり備えてもよく、本明細書において説明されるように、シーリング位置において試験管壁部の一部分に当接してバリアを形成するのを補助するために、貫通穴146Aに隣接する第1の延在タブ152Aおよび第2の延在タブ154Aの縁部に拡大フィレット180Aが配置される。拡大フィレット180Aは、第1の延在タブ152Aおよび第2の延在タブ154Aの端部に隣接する幅広テーパ部など、厚さおよび/または直径が大きく、貫通穴146Aの少なくとも一部分に沿って延在する、第1の延在タブ152Aおよび第2の延在タブ154Aの一領域を備えてもよい。一構成においては、拡大フィレット180Aは、本明細書において説明されるように、印加回転力を印加する際に機械的セパレータ体141Aの周囲における細胞の分界を容易にすることができる。
【0056】
本出願のさらなる一実施形態によれば、図31C〜図31Iに図示されるように、機械的セパレータ40Dは、上記において論ずるように、フロート42Dおよびバラスト44Dを有するセパレータ体41Dを備え、貫通穴46Dが、フロート42D内に画成されている。この構成においては、セパレータ体41Dは、図29および図68に図示されるように、シーリング位置において機械的セパレータ40Dと収集コンテナの側壁部との間のバリアシールを向上させるために、実質的に卵形状の外方外周部を有してもよい。
【0057】
この構成においては、図31Fに図示されるように貫通穴46Dの貫通軸Taxisに沿った方向にフロート42Dを横断して求められる、セパレータ体41D、具体的には図31Dおよび図31Gに図示されるようなフロート42Dの直径D5は、図31Fに図示されるように貫通穴46Dの貫通軸Taxisに対して垂直の方向にフロート42Dを横断して求められる、セパレータ体41D、具体的には図31Dに図示されるようなフロート42Dの直径D6未満であってもよい。この構成においては、貫通軸Taxisに対して45°の角度でフロート42Dを横断して求められる、セパレータ体41D、具体的には図31Dに図示されるようなフロート42Dの直径D7は、貫通穴46Dよりも大きくてもよい、またはセパレータ体41Dの直径D5およびD6よりも大きくてもよい。さらに、この構成においては、図31Fに図示されるように貫通穴46Dの貫通軸Taxisに沿ってバラスト44Dを横断して求められるバラスト44Dの直径D8は、セパレータ体41Dの直径D5、D6、およびD7のいずれか未満であってもよい。
【0058】
バラスト44Dよりも大きな直径を有するフロート42Dを用意することにより、機械的セパレータ40Dは、本明細書において説明されるようにシーリング表面に当接して変位するために、大きな体積のTPEなどの比較的低密度の材料を有することが可能になり得る。さらに、この実施形態は、図35A〜図35Eに関連して以下で論じるような延在タブバンド、および/または、図33〜図35に関連して以下に論じるような初期係合バンドを備えてもよい。
【0059】
図32〜図35を参照すると、さらなる一構成においては、機械的セパレータ40は、セパレータ体41の周囲に円周方向に配設された初期係合バンド116をさらに備えてもよい。さらなる一構成においては、この初期係合バンド116は、貫通穴46に対して実質的に垂直な方向にセパレータ体41の周囲に配設されてもよい。初期係合バンド116は、セパレータ体41の周囲に連続的に設けられてもよく、または任意には、セパレータ体41の周囲にセグメント状に設けられてもよい。さらに他の一構成においては、フロート42および初期係合バンド116は、TPEなどの同一の材料から形成されてもよい。初期係合バンド116は、フロート42の第1の部分42Aが初期係合バンド116を形成し、第2の部分42Bがバラスト44を実質的に二等分するように設けられてもよい。
【0060】
具体的には図35に図示されるように、初期係合バンド116は、セパレータ体41と収集コンテナ82の内方表面94との間の界面係合を生じさせる。この構成においては、セパレータ体41の周囲の第1のシーリング外周部104が、初期係合バンド116と一列に並ぶ。この第1のシーリング外周部104は、穿刺可能隔膜100を貫通して配設されるカニューレ(図示せず)から収集コンテナ82に進入する流体が、セパレータ体41の第1の開口48を通過し、貫通穴46を通過し、第2の開口50から出るように、収集コンテナ82の開口上端部90との適切な整列状態にセパレータ体41を維持するのを補助する。
【0061】
本発明のさらに別の実施形態によれば、図35A〜図35Eに図示されるように、機械的セパレータ40Cは、フロート42Cおよびバラスト44Cを有するセパレータ体41Cを備える。セパレータ体41Cは、フロート42C内に全体が画成されるなど、フロート42C内に画成された貫通穴46Cを備える。この構成においては、フロート42Cは、フロート42Cの外方表面52Cの周囲に配設された延在タブバンド50Cを備えてもよい。一実施形態においては、延在タブバンド50Cは、貫通穴46Cの第1の開口56Cに隣接する第1の延在部分54Cと、貫通穴46Cの第2の開口60Cに隣接する第2の延在部分58Cとを備えてもよい。この構成においては、第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cは、第1の開口56Cおよび第2の開口60Cのそれぞれの少なくとも一部分に実質的に隣接して設けられてもよい。第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cはそれぞれ、概して凹状の下方向配向を有してもよい。
【0062】
さらに、第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cは、貫通穴46Cの上方部分の周囲に外方延在弧形状でなど、貫通穴46Cの一部分の実質的に周囲に設けられてもよい。第1の延在部分54Cの一部分および第2の延在部分58Cの一部分は、第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cが実質的に同一の形状および湾曲を有し得るように、セパレータ体41Cの貫通軸TAに対して実質的に平行な方向にフロート42Cから外方に延在してもよい。
【0063】
さらに、延在タブバンド50Cは、セパレータ体41Cの両側において、第1の延在部分54Cと第2の延在部分58Cとの間に配設され、第1の延在部分54Cと第2の延在部分58Cとを連結する接合部分62Cを備えてもよい。接合部部分62Cはそれぞれ、概して凹状の上方向配向を有してもよい。一実施形態においては、接合部分62C、第1の延在部分54C、および第2の延在部分58Cは、それらの間において連続的であり、フロート42Cの一部分の周囲に巻き付けられた概して「ロープ様の」外観を形成する。さらなる一実施形態においては、接合部分62C、第1の延在部分54C、および第2の延在部分58Cは、フロート42Cの外方表面52Cの一部分の周囲に連続的な正弦関数形状を形成する。別の実施形態においては、延在タブバンド50Cは、フロート42Cと共に共形成されて、フロート42C自体の一部分を形成してもよい。代替的な一実施形態においては、延在タブバンド50Cは、フロート42Cと別個に形成され、後に接合されてもよい。いくつかの構成においては、フロート42Cおよび延在タブバンド50Cは共に、TPEなどの比較的低密度の材料から作製され、バラスト44Cは、PETなどの比較的高密度の材料から形成されてもよい。
【0064】
図35Cおよび図35C1に具体的に図示される一実施形態においては、接合部分62Cはそれぞれ、ほぼ同一の厚さTJを有してもよい。別の実施形態においては、第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cが、やはりほぼ同一の厚さTJを有してもよい。延在タブバンド50Cの断面は、円形、正方形、またはリブ状等々の任意の適切なシーリング形状を有してもよい。さらに、本明細書においては、複数の延在タブバンド50Cが、フロート42Cの外方表面52Cの周囲に配設され得ることが予期される。図35Bおよび図35Dを参照すると、第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cは、フロート42Cの上方部分64Cと共に概してスプライン形状またはサドル形状を画成する、肥厚シェルフ領域54C1および58C1をそれぞれ備えてもよい。フロート42Cの上方部分64Cおよび延在タブバンド50Cは、特に、使用中に血液成分屑の表面分界を最大化するように構成されてもよい。本明細書において論じられるように、セパレータ40Cが、血液などの流体試料内に沈められると、フィブリンまたは細胞などのいくつかの血液構成成分が、フロート42Cの上方表面に固着するか、またはフロート42Cの上方表面上に他の態様で捕獲された状態となる場合がある。延在タブバンド50Cの具体的形状は、使用中の血液成分屑の捕獲を最小限に抑えるように意図される。
【0065】
さらに別の実施形態においては、図35Eに図示されるように、延在タブバンド50Cは、第1の延在部分54C、第2の延在部分58C、およびフロート42Cの両側において第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cを連結してフロート42Cの外方表面52Cの周囲に連続構造体を形成する接合部分62Cを備えてもよい。この構成においては、第1の延在部分54Cの肥厚シェルフ領域54C1および第2の延在部分58Cの肥厚シェルフ領域58C1は、使用中の血液成分屑の表面分界を向上させ、シーリング位置において収集コンテナ(図示せず)と共にシール部を形成する際に第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cに対して追加的な構造的支持を与えるために、切頭縦断面54C2および58C2をそれぞれ有する。
【0066】
本実施形態の機械的セパレータ40Cが使用される場合には、延在タブバンド50Cは、図1〜図8を参照して上記において説明された第1の延在タブおよび第2の延在タブによって画成されるシール部と同様に、収集コンテナ壁部(図示せず)の一部分に当接するロバストシーリング表面を形成する。いくつかの実施形態においては、延在タブバンド50Cは、追加的なシーリングをもたらし、機械的セパレータ40Cと収集コンテナとの間における漏れを最小限に抑えることができる。さらに、フロート42CがTPEから形成される構成においては、延在タブバンド50Cは、TPEが従来的な印加回転力下においてさほど変形せず、別の位置に変位することにより、シーリングを強化するための機構を提供する。フロート42Cの外方表面52Cの周囲に弧状延在タブバンド50Cを配置することにより、TPEは、本明細書において説明されるように、シーリング位置において収集コンテナの側壁部に均一に当接して変位することが可能となる。延在タブバンド50Cが、交互する凹状の上方向配向および凹状の下方向配向で設けられ得るため、機械的セパレータ40Cのシーリング表面は、延在タブバンド50Cの位置に対応するフロート42Cの外方表面52Cの周囲の様々な高さに位置し得る。
【0067】
さらなる一構成においては、本明細書においては、延在タブバンド50Cを有する機械的セパレータ40Cは、シーリング位置において(上述のように)延在タブバンド50Cと収集コンテナとの間におけるシーリングが強化されることにより、傾斜配向を有する収集コンテナ内における使用に適したものとなり得ることが意図される。さらに、本明細書においては、機械的セパレータ40Cは、上記において図35を参照として同様に説明されたように、初期係合バンド116を備え得ることが意図される。
【0068】
本発明のさらに別の実施形態によれば、図35F〜図35Gに図示されるように、機械的セパレータ40Aは、フロート42Aおよびバラスト44Aを有するセパレータ体41Aを備える。セパレータ体41Aは、中に画成された貫通穴46Aを備える。この構成においては、バラスト44Aは、ベース部分52Aと、フロート42Aの一部分に係合するための複数のアーム50Aなどの接合構造体48Aとを備えてもよい。バラスト44A、具体的には接合構造体48Aは、一体成形、ツーショット成形、溶接、または他の接着接合手段などにより、フロート42Aの一部分と恒常的な係合状態になされてもよい。一構成においては、フロート42Aは、TPEなどの比較的低密度の材料から形成されてもよく、バラスト44Aは、PETなどの比較的高密度の材料から形成されてもよい。さらなる一構成においては、機械的セパレータ40Aは、セパレータ体41Aの全体的な密度が、血清と赤血球など、血液試料の比較的高密度の構成成分の密度と比較的低密度の構成成分の密度との間となるように寸法設定されてもよい。さらに他の実施形態においては、セパレータ体41Aの全体的な密度は、1.45g/cm3である。
【0069】
図35Hに図示されるように、バラスト44Aは、接触表面54Aおよび接合表面56Aを有するベース部分52Aを備えてもよい。一構成においては、接触表面54Aは、収集コンテナ(図示せず)の内方湾曲に一致する少なくとも部分的に湾曲する表面58Aを備えてもよい。接合表面56Aは、ベース部分52Aと接合構造体48Aとの間に接着部を備えてもよい。一構成においては、接合表面56Aおよび接合構造体48Aは、共形成される。別の構成においては接合表面56Aおよび接合構造体48Aは、別個に形成され、後に機械的ロッキング手段または接着剤ロッキング手段を介して恒常的な接着状態になされる。
【0070】
接合構造体48Aは、バラスト44Aのベース部分52Aに係合するための第1の端部60Aと、フロート42Aの一部分に係合するための第2の端部62Aとを備えてもよい。フロート42Aの上面図は、図35Iに図示されるように、実質的に円形の外方外周部POを有してもよく、フロート42Aは、図35Hに図示されるような実質的に凹状の下方断面などの、実質的に湾曲状の断面側面を有してもよい。さらなる一実施形態においては、フロート42Aは、フロート42Aの頂点64Aに隣接する実質的に凹状の下方断面と、接合構造体48Aの第2の端部62Aがフロート42Aに装着される位置などのフロート42Aの外周部POに隣接する若干凹状の上方湾曲とを有してもよい。一構成においては、接合構造体48Aの第2の端部62Aが、初めに成形され、その後、フロート42Aが、接合構造体48Aの第2の端部62A上に成形されて、この第2の端部62Aとの間に結合部を形成する。別の実施形態においては、接合構造体48Aの第2の端部62Aは、フロート42Aの一部分の中に挿入されるか、またはフロート42Aの一部分に隣接して設けられ、その後この一部分に対して結合されるかまたは別様に接着される。
【0071】
一構成においては、接合構造体48Aは、フロート42Aとベース部分52Aとの間に撓曲部をもたらすことができる。この撓曲部は、接合構造体48Aの第1の端部60Aとベース部分52Aとの間の接着部、接合構造体48Aの第2の端部62Aとフロート42Aとの間の接着部、および接合構造体48Aの枢動点68Aの中の少なくとも1つによりもたらされ得る。
【0072】
図35Jを参照すると、機械的セパレータ40Aは、初期位置においては、収集コンテナ100Aの上方端部102Aに隣接してなど、収集コンテナ100A内に設けられてもよい。機械的セパレータ40Aは、本明細書の他所において説明されるように、ストッパ104Aの一部分が機械的セパレータ40Aの貫通穴46Aを貫通して延在するように、ストッパ104Aの一部分と係合状態になされてもよい。本発明の別の実施形態によれば、機械的セパレータ40Aは、機械的セパレータ40Aの貫通穴46Aが収集コンテナ100Aの長手方向軸LAに整列されるように、フロート42Aの一部分およびバラスト44Aのベース部分52Aの一部分が収集コンテナ100Aの内方表面に係合して、収集コンテナ100Aの上方端部102A内に機械的セパレータ40Aを拘束するように、設けられてもよい。
【0073】
再び図35Jを参照すると、血液などの流体被検物108Aは、ストッパ104Aなどを経由して収集コンテナ100A内に導入され、機械的セパレータ40Aが参照符号Aにより示されるような初期位置に配向されると、機械的セパレータ40Aの貫通穴46Aと整列される。回転力が印加されると、フロート42Aは、撓曲し、上述のようにフロート42Aとバラスト44Aとの間において撓曲部を生じさせる。結果的に得られる撓曲部により、貫通穴46Aが変形され、機械的セパレータ40Aは、ストッパ104Aから係合解除され、参照符号Bにより示されるように矢印Rにより示される方向に回転し始める。
【0074】
機械的セパレータ40Aが流体被検物108A内に沈められた状態になると、フロート42Aは、参照符号Cにより示されるように、上方向に配向され始め、バラスト44Aは、同時に下方向に配向され始める。回転力が継続的に印加される間、参照符号Dにより示されるように、バラスト44Aは、下方向に引かれ、フロート42Aは、収集コンテナの側壁部110Aから離れるように撓曲する。その後、参照符号Eにより示されるように、フロート42Aは、変形されて、フロート42Aと収集コンテナ100Aの側壁部110Aとの間に比較的高密度相の構成成分および比較的低密度相の構成成分が通過するのを可能にする。これにより、流体試料108A内の比較的高密度相の構成成分および比較的低密度相の構成成分の分離が可能となり、さらに機械的セパレータ40Aの貫通穴46A内に存在する流体試料108A内の比較的高密度相の構成成分および比較的低密度相の構成成分の分離が可能となる。
【0075】
図35Kを参照すると、回転力の印加が停止されると、機械的セパレータ40Aは、シーリング位置において、分離された比較的高密度の相112Aと分離された比較的低密度の相114Aとの間に配向された状態となる。それと同時に、フロート42Aとバラスト44Aとの間の撓曲が終了して、フロート42Aは、図35Iに図示されるようにその初期位置へと戻され、それにより外方外周部POと収集コンテナ100Aの側壁部110Aの内部周囲部との間にシール部が形成される。フロート42Aは、収集コンテナ100Aの側壁部110Aの内部周囲部よりも少なくとも若干大きな外方周囲部を有する外方外周部POを有し、それにより収集コンテナ100Aの側壁部110Aの内部周囲部との間にロバストシール部を形成する。
【0076】
再び図35Kを参照すると、機械的セパレータ40Aが、シーリング位置に移行されると、シーリング外周部が、側壁部110Aの内部周囲部の少なくとも一部分と機械的セパレータ40Aとの間に、外方外周部POに沿って確立される。図35Kに図示されるように、外方外周部POに沿ったシーリング外周部は、収集コンテナ100Aの閉鎖底端部113Aから測定される場合に、側壁部110Aの内部周囲部の周囲に変動的な位置を有する。一構成においては、外方外周部POに沿ったシーリング外周部は、機械的セパレータ40A、具体的にはフロート42Aと、側壁部110Aとの間のシール部の全高に一致するそれぞれ局所化されたシーリング位置S1、S2、S3等々に様々なシーリング高さを有する。したがって、シーリング外周部は、各局所化されたシーリング位置S1、S2、S3等々に若干異なる高さを有する。また、シーリング外周部は、各局所化されたシーリング位置S1、S2、S3等々の平均高さに相当する平均シーリング高さHAvgを画定し、すなわち、HAvg=Avg[S1、S2、S3等々]となる。さらに、機械的セパレータ40Aは、収集コンテナ内に最大高さHMaxおよび最小高さHMinを有する。最大高さHMaxは、外方外周部POに沿った最高シール点と、収集コンテナ100Aの閉鎖底端部113Aとの間の距離に相当する。最小高さHMinは、外方外周部POおよび収集コンテナ100Aの閉鎖底端部113Aに沿った最低シール点に相当する。本発明の一態様によれば、平均シーリング高さHAvgは、最大高さHMaxと最小高さHMinとの間の差よりも小さく、すなわちHAvg<HMax−HMinとなる。
【0077】
本発明の別の実施形態によれば、図35L〜図35Mに図示されるように、機械的セパレータ40Bは、フロート42Bおよびバラスト44Bを有するセパレータ体41Bを備える。セパレータ体41Bは、中に画成された貫通穴46Bを備える。この構成においては、フロート42Bは、バラスト44Bの一部分に係合するための複数のアーム50Bなどの接合構造体48Bを備えてもよい。上述と同様に、接合構造体48Bは、一体成形、ツーショット成形、溶接、または他の接着接合手段などにより、バラスト44Bの一部分と恒常的な係合状態になされてもよい。この構成においては、接合構造体48Bは、本明細書において説明されるように、初期位置からシーリング位置への移行をさらに容易にさせ得る高い撓曲性を示す。
【0078】
再び図35L〜図35Mを参照すると、一構成においては、フロート42Bは、フロート42B内に切欠部60Bを備える。一実施形態においては、切欠部60Bは、フロート42Bの頂点62Bに配置されてもよく、外方外周部PO内には延在しない。切欠部60Bは、高い撓曲性をもたらすことにより、参照符号Eを参照として図35Jにおいて図示されるような、使用中の、この高い撓曲性による比較的高密度相の構成成分および比較的低密度相の構成成分の通過を可能にする。さらに他の構成においては、接合構造体48Bは、バラスト44Bの一部分が中を通過し、機械的インターロックなどにより中に固定され得るように構成された開口64Bを、中に備えてもよい。一実施形態においては、接合構造体48Bは、第1の端部68Bおよび第2の端部70Bにてフロート42Bに連結された連続アーム50Bを備える。接合構造体48Bは、バラスト44Bのロッキング部分72Bが中に延在する開口64Bを備えてもよい。一実施形態においては、開口64Bは、フロート42Bの頂点62Bから対向側の位置にて、連続アーム50B内に配設されてもよい。別の実施形態においては、ロッキング部分72Bなどのバラスト44Bおよびフロート42Bは、フロート42Bおよびバラスト44Bの離間距離を最小限にするように恒常的な係合状態になされてもよい。
【0079】
図35N〜図35Oを参照すると、本発明の他の一実施形態においては、機械的セパレータ40Bは、フロート42Bおよびバラスト44Bを有するセパレータ体41Bを備える。セパレータ体41Bは、中に画成された貫通穴46Bを備える。この構成においては、フロート42Bは、バラスト44Bの一部分に係合するための複数のアーム50Bなどの接合構造体48Bを備えてもよい。上述と同様に、接合構造体48Bは、第1の端部68Bおよび第2の端部70Bにてフロート42Bに連結された連続アーム50Bを備えてもよい。接合構造体48Bは、フロート42Bとバラスト44Bとの離間距離を最小限にするように恒常的な係合状態において、バラスト44Bのロッキング部分72Bが中に延在する開口64Bを備えてもよい。また、バラスト44Bは、フロート42Bの接合構造体48Bに隣接および連結された支持構造体74Bを備えてもよい。一実施形態においては、バラスト44Bの支持構造体74Bは、フロート42Bの接合構造体48Bと共形成されるか、またはフロート42Bの接合構造体48Bに別の態様で恒常的に係合されてもよい。さらなる一実施形態においては、接合構造体48Bは、支持構造体74Bを少なくとも部分的に囲むように構成された凹部を画成してもよい。さらに他の一実施形態においては、支持構造体74Bおよび接合構造体48Bは、本明細書において説明されるように、フロート42Bおよびバラスト44Bが互いに対して少なくとも部分的に撓曲するのを可能にする。いくつかの構成においては、バラスト切欠部80Bは、形成時にバラスト44Bの収縮を低減させるために、ベース部分52B内に形成されてもよい。
【0080】
本発明の機械的セパレータの貫通穴は、球形または楕円形の断面を有する直線状ボアとして本明細書において示したが、本明細書においては、貫通穴546が、図36〜図37に図示されるように、液体を中に受容するための蛇行状経路または迂回的経路を画成し得ることも予期される。この構成においては、機械的セパレータ540は、互いに対してずらされた第1の開口549および第2の開口551を有する貫通穴546を備える。具体的には、第1の開口549および第2の開口551は、互いに対して60°または90°の角度などでずらされてもよい。図36に図示されるように、初期位置においては、第1の開口549は、本明細書においては断面にて示される収集コンテナ582の上部開口端部590に整列される。流体が、方向矢印Rにより示されるような方向に貫通穴546を通り送られる。この構成においては、第2の開口551の少なくとも1つの表面が、収集コンテナ582の側壁部に接触する一方で、第2の開口551の別の表面が、収集コンテナ582の内部において自由な状態に留まる。したがって、ギャップが、収集コンテナ582の側壁部と、貫通穴546の第2の開口551との間に設けられ、それにより流体が、貫通穴546から出て、収集コンテナ582の内部に進入することが可能となる。
【0081】
回転力が印加される際には、機械的セパレータ540は、本明細書において説明されるようなフロート構成要素およびバラスト構成要素のモーメントにより、方向矢印Sに沿って図36に図示されるような初期位置から図37に図示されるようなシーリング位置まで移行する。この構成においては、貫通穴546の第1の開口549および第2の開口551は共に、収集コンテナ582の上部開口端部590との整列状態からは外され、貫通穴546内に流体が送られないようになされる。第2のシーリング外周部595が、機械的セパレータ540の周囲にさらに確立されて、流体が、機械的セパレータ540と収集コンテナ582との間を、または機械的セパレータ540の貫通穴546内を通過することが不可能となり、それによりバリアが有効に確立されるようになされる。
【0082】
さらに別の構成においては、図38〜図39に図示されるように、回転力が印加される際の機械的セパレータ640の伸長が例示される。この構成においては、機械的セパレータ640は、フロート642およびバラスト644を備えてもよく、第3のセクション643が、フロート642およびバラスト644を接合する。本明細書においては、この構成において、フロート642およびバラスト644が共に、バラスト644の密度よりも低い密度をフロート642が有する状態にて、実質的に合成の材料から作製され得ることが予期される。これらの構成要素間の伸長を可能にするために、TPEなどの可撓性材料から形成される第3のセクション643が、これらの構成要素間に設けられてもよい。遠心分離の際に、第3のセクション643は、図39に図示されるように、上述のフロートの伸長に関連して説明したものと同様の態様で伸長する。第3のセクション643が伸長する際には、流体の比較的高密度の相と比較的低密度の相が、ページ内に延在する方向として図39に図示されるように、流体通過表面645に隣接して通過し得る。
【0083】
再び図2および図40および図41を参照すると、セパレータ体41は、セパレータ体41の、図2に図示される貫通軸Tからずらされた質量中心Rを備えてもよい。この構成においては、機械的セパレータ40は、機械的セパレータ40がクロージャ84の一部分(図41に図示される)または、収集コンテナ82の側壁部86の一部分(図40に図示される)に係合され、かつ質量中心Rが収集コンテナ82の長手方向軸Lの第1の側S1に配向される、第1の位置(図40〜図41などに図示されるような)から、機械的セパレータ40がクロージャからまたは収集コンテナとの初期係合位置から係合解除され、質量中心Rが収集コンテナ82の長手方向軸L間にわたって配向される、図29などに図示されるような第2の位置まで移行される。収集コンテナ82の長手方向軸L間にわたり質量中心Rが移行する際に、ある時点において、機械的セパレータ40のフロート42は、初期の第1の位置から第2のシーリング位置への機械的セパレータ40の移行を可能にするために、セパレータ体41の貫通軸Tに対して実質的に垂直の方向に変形しなければならない。フロート42が伸長する際に、被検物の比較的高密度の相および比較的低密度の相は、機械的セパレータ40、具体的には伸長されたフロート42と、収集コンテナ82の側壁部86との間を通過することができる。収集コンテナ82において、機械的セパレータは、中間位置にある。この中間位置から、機械的セパレータは、引き続いて、シーリング位置に移行することができ、このシーリング位置においては、フロート42の一部分が、印加回転力の終了時に収集コンテナの内部の一部分との間にシーリング係合部を形成する。
【0084】
したがって、本発明の機械的セパレータは、3つの作動段階、すなわち、セパレータ体の貫通穴を介して被検物が供給される初期段階と、セパレータが初期位置から係合解除され、フロート42が伸長されてそれにより比較的高密度の相および比較的低密度の相の通過が可能となる中間段階と、フロート42が収集コンテナの一部分にバリアを形成するシーリング位置との間で移行するものと見なされてもよい。この一連の段階の間に、機械的セパレータは、「開‐開‐閉」として見なされてもよい。ここで、「開」段階は、機械的セパレータが、収集コンテナ内および収集コンテナの周囲における流体の通過を防ぐシーリングバリアを収集コンテナとの間に形成しない状態として定義される。対照的に、「閉」段階は、機械的セパレータが、収集コンテナ内および収集コンテナの周囲における流体の通過を防ぐシーリングバリアを収集コンテナとの間に形成する状態として定義される。
【0085】
さらに、本発明の機械的セパレータは、初期段階において様々なクロージャ構成体と共に使用されるように意図される。図40を参照すると、機械的セパレータ40は、フロート42と初期係合バンド116と収集コンテナ82の側壁部86との間における干渉により初期位置に維持され得る。この構成においては、機械的セパレータ40は、クロージャ84のいずれの部分によっても拘束されない。
【0086】
別の構成においては、図41〜図44に図示されるように、分離アセンブリは、クロージャ84およびクロージャ84の凹部181内に係合されるポスト180を備える。ポスト180は、セパレータ受容端部182およびクロージャ係合端部183を備えてもよい。クロージャ係合端部183は、クロージャ84の凹部181内に位置決めされるように構成されてもよく、任意にはクロージャ84内にポスト180を固定するための少なくとも1つのバーブ184を備えてもよい。セパレータ受容端部182は、セパレータ体41の貫通穴46内に少なくとも部分的に配設され得るように、任意の適切な縦断面を有してもよい。一実施形態においては、セパレータ受容端部182は、実質的に円形の断面を有する。別の実施形態においては、セパレータ受容端部182は、実質的に楕円形の断面を有する。セパレータ受容端部182は、貫通穴46内にぴったりと嵌ることにより、機械的セパレータ40と解除自在に係合状態になされるように、寸法設定される。さらに、ポスト180は、収集コンテナ82の内部に配置されるように構成され、収集コンテナ82の長手方向軸に沿って整列されたポスト貫通穴186を備える。機械的セパレータ40が、ポスト180に係合されると、流体経路が、機械的セパレータ40の貫通穴46とポスト180のポスト貫通穴186との間に形成される。これにより、収集コンテナ82内に流体試料を送るための「シールされた」流体経路が有効に形成される。回転力が印加されると、機械的セパレータは、機械的セパレータが回転を加えられる際にポスト180から下方向に離れるように引かれるにつれて、軸方向回転の前に若干長手方向への移動を受ける。
【0087】
図45〜図46を参照すると、第1の内部786および第1の外部787を画定する開口上端部784および第1の側壁部785を有する第1の領域783を有する収集コンテナ782を備える、代替的な分離アセンブリが、図示されている。さらに、収集コンテナ782は、第2の内部791および第2の外部792を画定する閉鎖底端部789および第2の側壁部790を有する第2の領域を備える。この構成においては、第1の領域783および第2の領域788は、第1の内部786および第2の内部791が流体連通状態になされるように、長手方向軸LAに沿って整列される。第1の内部786は、第1の直径DFを有し、第2の直径791は、第2の直径DSを有し、第1の直径DFは、第2の直径DSよりも大きい。また、収集コンテナ782は、第1の領域783から第2の領域788まで流体が中を通過することが可能な、第1の領域783と第2の領域788との間に延在する少なくとも1つの流体フルート793を備える。この構成においては、第1の領域783の第1の外部787は、16mm収集試験管に合致する縦断面を有してもよく、第2の領域788の第2の外部792は、13mm収集試験管に合致する縦断面を有してもよい。
【0088】
第1の領域783の第1の内部786は、本明細書において説明される構成のいずれかにおいて中に機械的セパレータ40を収容するように寸法設定されてもよい。第2の内部791は、初期位置において、および印加回転力がないときに、機械的セパレータ40の一部分が中を通過するのを少なくとも部分的に抑制するように寸法設定される。回転力が印加される際には、機械的セパレータ40のフロート部分42は、伸長することができ、それにより、機械的セパレータ40の有効直径が縮小され、第2の内部791の中に機械的セパレータが進むことが可能となる。この構成においては、収集コンテナ782内への流体試料の導入が、貫通穴46を介してではなくセパレータ体41の周囲において行われるため、機械的セパレータ40の貫通穴46の配向は、問題とはならない。具体的には、流体は、収集コンテナ782内に、第1の内部786の中へと、および機械的セパレータ40の周囲へと導入される。次いで、試料は、流体フルート793により第2の内部791内に進む。したがって、機械的セパレータ40の初期配向は、この実施形態におけるセパレータの機能とは無関係となる。
【0089】
本発明のさらなる一実施形態によれば、図46Aに図示されるように、機械的セパレータが、本明細書において説明されるように、開口上端部784Aと閉鎖底端部785Aとの間に延在する側壁部783Aの一部分に沿って軽微なテーパ部を有する収集コンテナ782Aと共に使用され得る。この構成においては、収集コンテナ782Aは、図46Aの第1の領域インジケータセクションAを備える。第1の領域インジケータセクションAは、開口上端部784Aから距離786Aの位置に、側壁部783Aの一部分に沿って配設される。さらに、収集コンテナ782Aは、図46Aの第2の領域インジケータセクションBを備えてもよい。第2の領域インジケータセクションBは、開口上端部784Aから距離788Aの位置に、側壁部783の一部分に沿って配設される。一構成においては、第1の領域インジケータセクションAと第2の領域インジケータセクションBとの間に画定される領域が、テーパ部を実質的に有さなくてもよい。別の構成においては、第1の領域インジケータセクションAと第2の領域インジケータセクションBとの間に画定される領域が、実質的に軽微な内方テーパ部を有してもよい。さらなる一実施形態においては、第1の領域インジケータセクションAと第2の領域インジケータセクションBとの間に画定される領域が、分離すべき液体の分離された比較的高密度の相と比較的低密度の相との間における予期される分離移行に関するものとなり得る。
【0090】
図47〜図48に図示されるさらに別の実施形態においては、分離アセンブリは、収集コンテナ852とシーリング係合するように構成されたクロージャ850を備える。クロージャ850は、収集コンテナ852の開口端部853内に配置するための受容端部842を備える。受容端部842は、内部空洞部854を画成し、内部空洞部854内に延在するアンダーカット突出部855を備える。クロージャ850のアンダーカット突出部855は、初期位置において、機械的セパレータ40の貫通穴46内に少なくとも部分的に配設される。さらに初期位置においては、セパレータ体41の少なくとも一部分が、内部空洞部854の中に配設される。内部空洞部854内に機械的セパレータ40を配置することにより、機械的セパレータ40は、収集コンテナ852にクロージャ850を組み付ける際にクロージャ850内に捕捉された状態に留まることが確実となる。この構成は、上述のように、第1の領域および第2の領域を有する収集コンテナと共に使用され得る。回転力が印加されると、機械的セパレータ40のフロート42は、伸長して、機械的セパレータ40は、クロージャ850から係合解除されることが可能となる。
【0091】
次に図49〜図59を参照すると、機械的セパレータ40とクロージャ84との間の様々な他の係合が、本明細書においてはさらに予期される。図49に図示されるように、機械的セパレータ40は、初期位置において、貫通穴46内に配設された有角係合ボス900を備えてもよい。図50に図示されるように、機械的セパレータ40は、初期位置において、貫通穴46内に配設された実質的に円筒状の係合ボス901を備えてもよい。クロージャ903に機械的セパレータ40をさらに固定し、クロージャ903を介した収集コンテナ906内への「シールされた」流体経路を確立するために、クロージャ903の側面部分902が、第1の開口905に隣接する機械的セパレータ40の外側表面904に隣接して設けられてもよい。
【0092】
図51〜図52を参照すると、シーラント907が、機械的セパレータ40およびクロージャ903をさらに固定するために、上述のように側面部分902に隣接して設けられてもよい。シーラント907は、初期位置において、機械的セパレータ40を定位置に保持するのに十分な粘着性を有するが、回転力が印加されるとクロージャ903から機械的セパレータ40を開放し得るのに十分な弱さであってもよい。
【0093】
図53を参照すると、さらに別の代替的な有角係合ボス908が、初期位置において貫通穴46内に配設されてもよい。図54〜図55を参照すると、クロージャ910は、機械的セパレータ40との係合のために、2つなど少なくとも1つの垂下アーム911を備えてもよい。一構成においては、各垂下アーム911が、初期位置において貫通穴46内に機械的セパレータ40の一部分を係合するための接触突出部912を備える。接触突出部912と機械的セパレータ40との間の干渉は、初期位置においてクロージャ910により機械的セパレータ40を拘束するが、回転力が印加されるとクロージャ910から機械的セパレータ40を係合解除し得るのに十分なものであってもよい。
【0094】
図56〜図57を参照すると、クロージャ915は、クロージャ915に成形インサート916をさらに固定するためのウェッジバスケット917を有する成形インサート916を備えてもよい。上述のように、成形インサート916は、上述のように、貫通穴46を介して機械的セパレータ40に係合するためのセパレータ受容端部918と、閉鎖係合端部919とを備えてもよい。図58を参照すると、別の成形インサート920が、クロージャ922に成形インサート920をさらに固定するための少なくとも1つのバーブ921を備えてもよい。図59を参照すると、さらに別の成形インサート930が、クロージャ932に成形インサート930をさらに固定するための少なくとも1つの突出部931を備えてもよい。
【0095】
図60〜図68を参照すると、本明細書において開示される分離アセンブリは、初期位置において機械的セパレータ40の一部分に取外し自在に係合されたキャリア650をさらに備えてもよい。これらの構成のそれぞれにおいて、キャリア650は、回転力を印加されると機械的セパレータ40から係合解除され、血塊またはフィブリン鎖が機械的セパレータ40の作動を阻害するのを防ぐために、機械的セパレータ40の下方に位置する流体相に進入する。
【0096】
図60に図示されるように、キャリア650は、クロージャ652の一部分に取外し自在に係合するためのクロージャ係合部分651と、貫通穴46などの通り機械的セパレータ40の一部分と取外し自在に係合するための垂下部分653とを備えてもよい。図61に図示されるように、キャリア650は、複数のフランジ654を有するクロージャ係合部分651をさらに備えてもよい。さらに、キャリア650は、貫通穴46内などの機械的セパレータ40の一部分に係合するための、湾曲セパレータ係合部分655を備えてもよい。回転力が印加されると、機械的セパレータ40は、初期位置から係合解除され、本明細書において説明されるように回転する。機械的セパレータ40が回転すると、湾曲セパレータ係合部分655は、収縮し、機械的セパレータ40がキャリア650から分離されるのを可能にする。
【0097】
図63〜図66を参照すると、キャリア650は、さらに、クロージャ660とは逆の方向に機械的セパレータ40に取外し自在に連結されてもよい。図67〜図68を参照すると、キャリア650は、任意には、図68に図示されるように、接触がなされた場合に試料内に拡散する溶解可能材料から構成されてもよい。
【0098】
本発明の機械的セパレータの重要な利点の1つは、この機械的セパレータが、収集コンテナ内への流体試料の進入を可能にするために、針カニューレによる穿刺を要さないという点である。上述の実施形態のそれぞれにおいて、アセンブリが、遠心分離などの印加回転力を受けると、血液などの被検物の各相が、収集コンテナの底部の方向に変位される比較的高密度の相と、収集コンテナの上部の方向に変位される比較的低密度の相とに分離し始める。印加回転力は、閉鎖底端部の方向に機械的セパレータのバラストを付勢し、収集コンテナの上端部の方向にフロートを付勢する。バラストのこの移動により、フロートの長手方向変形が生じる。その結果、フロートは、さらに長くさらに細くなり、収集コンテナの円筒状側壁部の内方表面から同心状に内方に離間される。したがって、血液の比較的軽量相の構成成分は、フロートを越えて滑動し、上方向に移動することが可能となり、同様に、血液の比較的重量相の構成成分は、フロートを越えて滑動し、下方向に移動することが可能となる。
【0099】
上述のように、本発明の機械的セパレータは、典型的には、血液の分離された層の密度同士の間の全密度を有する。その結果、機械的セパレータは、比較的重量相の構成成分が機械的セパレータと収集コンテナの閉鎖底端部との間に位置し、比較的軽量相の構成成分が機械的セパレータと収集コンテナの上端部との間に位置する状態で、収集コンテナ内のある位置に安定することとなる。
【0100】
この単低下された状態に達すると、遠心分離機は停止され、フロートは、その非付勢状態に、および収集コンテナの円筒状側壁部の内側とのシーリング係合状態に、弾性的に戻る。次いで、形成された液体相が、分析のために個別に評価され得る。一実施形態においては、本発明の組み立てられた機械的セパレータは、13mm収集試験管内に嵌るように縮尺設定されてもよい。
【0101】
使用時に、本発明の機械的セパレータは、デバイスプリローンチを最小限に抑え、カニューレ穿刺の必要性を解消し、これにより、クロージャの下方における試料の貯留が実質的に不要となる。さらに、機械的セパレータの隙間が縮小されることにより、血清および血漿などの捕獲される流体相の低下が最小限に抑えられる。
【0102】
本発明は、機械的セパレータアセンブリおよび使用方法の複数の異なる実施形態を参照として説明されるが、当業者は、その範囲および趣旨から逸脱することなく、変更形態および代替形態を実施することができる。したがって、上記の詳細な説明は、限定的なものではなく例示的なものとして意図される。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年5月15日出願の米国特許仮出願第61/178,599号明細書に基づき優先権を主張するものである。該出願の全開示が、ここに参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本主題発明は、流体試料の比較的高密度の部分と比較的低密度の部分とを分離するためのデバイスに関する。さらに詳細には、本発明は、流体試料を収集および輸送するためのデバイスに関する。このデバイスおよび流体試料は、流体試料の比較的低密度の部分から比較的高密度の部分を分離させるために、遠心分離にかけられる。
【背景技術】
【0003】
診断検査は、患者の全血試料を、血清または血漿(比較的低密度相の成分)および赤血球(比較的高密度相の成分)などの複数の成分に分離することを要する場合がある。全血の試料は、典型的には、シリンジまたは真空血液収集試験管に装着されたカニューレまたは針を介して、静脈穿刺により収集される。収集後には、遠心分離機にてこのシリンジまたは試験管を回転させることにより、血液の血清または血漿と赤血球とへの分離が遂行される。この分離状態を維持するために、比較的高密度相の成分と比較的低密度相の成分との間にバリアが配置されなければならない。これにより、分離された成分を後に検査することが可能となる。
【0004】
流体試料の比較的高密度の相と比較的低密度の相との間の区域を区分するために、様々な分離バリアが収集デバイスにおいて使用されてきた。最も広く使用されているデバイスには、ポリエステルゲルなどのチキソトロピーゲル材料が含まれる。しかし、現行のポリエステルゲル血清分離試験管は、このゲルを準備しこれらの試験管に充填するという両方を行うための特殊な製造装置を要する。さらに、ゲルベースのセパレータ製品の保存寿命は、限定されている。時間の経過と共に、血球は、ゲル塊から放出され、分離された相成分の一方または両方に進入するおそれがある。さらに、市販のゲルバリアは、検体と化学的に反応する場合がある。したがって、血液試料が採取される際にいくつかの薬品がその血液試料中に存在する場合には、ゲル界面との望ましくない化学反応が生じるおそれがある。さらに、器具のプローブが、収集コンテナ内に過度に深く挿入されると、この器具のプローブは、ゲルと接触した場合に詰まる場合がある。
【0005】
さらに、流体試料の比較的高密度の相と比較的低密度の相との間に機械的バリアを使用し得る、いくつかの機械的セパレータが提案されてきた。従来の機械的バリアは、遠心分離の際に印加される高い重力を利用して、比較的高密度の相成分と比較的低密度の相成分との間に配置される。血漿および血清の被検物に対して適切な配向を得るために、従来の機械的セパレータは、典型的には、遠心分離の前に収集された全血被検物の上方に配置される。これは、一般的には、血液収集セットまたは瀉血針に係合した際にこのデバイスの中または周囲において血液充填が行われるように、機械的セパレータを試験管クロージャの下面に取り付けることが必要となる。この装着は、発送、取扱い、および採血の際におけるセパレータの時期尚早な移動を防ぐために必要となる。従来の機械的セパレータは、典型的には、ベローズ構成要素とクロージャとの間の機械的インターロックにより、試験管クロージャに取り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の機械的セパレータは、いくつかの重大な欠点を有する。図1に図示されるように、従来のセパレータは、試験管またはシリンジ壁部38と共にシール部を形成するためのベローズ34を備える。典型的には、ベローズ34の少なくとも一部分が、クロージャ32内に収容されるか、またはクロージャ32と接触状態にある。図1に図示されるように、針30が、クロージャ32を貫通して進入すると、ベローズ34は、くぼむ。これにより、針を挿入または除去する際に血液が貯留し得る空部36が形成される。これは、クロージャの下方における試料の貯留をもたらし、機械的セパレータが血液収集の際に尚早にもリリースするデバイスプリローンチ(device pre−launch)を生じさせ、かなりの量の血清および血漿などの流体相のトラッピングを引き起こし、試料品質の低下をもたらし、および/またはある状況下においてバリア不良を引き起こすおそれがある。さらに、従前の機械的セパレータは、複雑な複数パーツ製造技術により、製造が非常にコストのかかる複雑なものとなる。
【0007】
したがって、標準的なサンプリング装置と互換性を有し、従来のセパレータの前述の問題を縮小または解消させる、セパレータデバイスに対する需要が存在する。さらに、血液試料を分離させるための使用が容易であり、遠心分離の際の試料の比較的高密度の相と比較的低密度の相との相互汚染を最小限に抑え、保管および発送の際の温度に影響されず、放射線滅菌に対して安定性を有する、セパレータデバイスに対する需要が存在する。さらに、比較的少数の相対移動パーツを要し、収集コンテナ内への被検物の導入の容易さをさらに向上させ得る、一体成形セパレータデバイスに対する需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、比較的高密度の相および比較的低密度の相に流体試料を分離するためのアセンブリを対象とする。望ましくは、本発明の機械的セパレータは、試験管などの収集コンテナと共に使用することができ、印加される遠心力の作用の下で試験管内において移動して、流体試料のそれらの部分を分離するように構築される。いくつかの構成においては、試験管は、開口端部、閉鎖端部、および開口端部と閉鎖端部との間に延在する側壁部を備える、被検物収集試験管である。この側壁部は、外方表面および内方表面を備え、試験管は、着脱式隔膜を有する試験管の開口端部内に嵌るように配置されたクロージャをさらに備える。あるいは、試験管の両端部が、開口していてもよく、試験管の両端部が、エラストマークロージャによりシールされてもよい。試験管のクロージャの少なくとも1つが、針穿刺可能な着脱式隔膜を備えてもよい。
【0009】
機械的セパレータは、上部クロージャと試験管の底部との間の位置にて、試験管内に配設されてもよい。セパレータの構成要素は、セパレータについての全体的な密度が、血液試料の比較的高密度の相および比較的低密度の相などの流体試料の相の密度同士の間となるのを実現するように、寸法設定および構成される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、収集コンテナ内において第1の相および第2の相に流体試料を分離するための機械的セパレータが、中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備える。この貫通穴は、流体が中を通過し得るように構成される。セパレータ体は、第1の密度を有するフロートおよび第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備える。フロートの一部分が、バラストの一部分に連結される。
【0011】
機械的セパレータは、回転楕円形状を有してもよい。任意には、フロートは、外側表面および接合表面を備え、バラストは、フロートの接合表面に連結される接触表面および外側表面を備えてもよい。フロートの外側表面およびバラストの外側表面は、共に合わされて、回転楕円形状を形成してもよい。
【0012】
いくつかの構成においては、フロートは、中に流体を通過させ得るように構成された貫通穴を画成する。この貫通穴は、円形断面を有してもよい。他の構成においては、この貫通穴は、楕円形断面を有してもよい。貫通穴は、貫通軸に沿って画成され、フロートは、回転力が印加される際に貫通軸に対して垂直の方向に変形するようになされてもよい。
【0013】
別の構成においては、フロートは、貫通穴の第1の開口に隣接する第1の延在タブおよび貫通穴の第2の開口に隣接する第2の延在タブをさらに備える。第1の延在タブの少なくとも一部分および第2の延在タブの少なくとも一部分は、貫通穴の上方および周囲に設けられ、フロートからセパレータ体の貫通穴に平行な方向にラジアル方向に外方に延在してもよい。任意には、第1の延在タブ、フロートの上方表面、および第2の延在タブは、凸状の上方フロート表面を形成してもよい。
【0014】
別の構成においては、セパレータ体は、フロートの外方表面の一部分の周囲に配設された延在タブバンドをさらに備える。任意には、延在タブバンドの第1の部分が、貫通穴の第1の開口に隣接して配設され、延在タブバンドの第2の部分が、貫通穴の第2の開口に隣接して配設される。さらなる一構成においては、延在タブバンドの第1の部分および第2の部分の少なくとも一方が、凹状の下方向配向を有する。任意には、延在タブバンドの第1の部分および第2の部分の少なくとも一方が、貫通穴の第1の開口および第2の開口の少なくとも一方の上方部分の周囲に、外方延在弧形状で配向される。延在タブバンドの第1の部分および第2の部分の少なくとも一方が、貫通軸に対して平行な方向にフロートから外方に延在してもよい。延在タブバンドの第1の延在部分の少なくとも一部分および第2の延在部分の少なくとも一部分が、同一の形状および湾曲を有してもよい。いくつかの構成においては、延在タブバンドは、セパレータ体の各連結側に配設された、第1の延在部分と第2の延在部分との間に配設され、第1の延在部分および第2の延在部分を連結する、接合部分をさらに備えてもよい。延在タブバンドの第1の延在部分および第2の延在部分は、凹状下方向配向を有し、延在タブバンドの接合部分は、凹状の上方向配向を有する。いくつかの構成においては、フロートは、延在タブバンドを備えもよい。任意には、フロートおよび延在タブバンドは、TPEから形成されてもよく、バラストは、PETから形成される。
【0015】
機械的セパレータは、セパレータ体の周囲に円周方向に配設される初期係合バンドをさらに備えてもよい。初期係合バンドは、連続的であるか、または少なくとも部分的にセグメント化されてもよい。初期係合バンドおよびフロートは、同一の材料から形成されてもよい。初期係合バンドは、バラストの少なくとも一部分を二等分してもよい。
【0016】
別の構成においては、バラストは、ベース部分およびフロートの一部分に係合するための接合構造体を備えてもよい。接合構造体は、フロートの一部分に係合するための複数のアームを備えてもよく、接合構造体は、フロートとバラストとの間に撓曲部をもたらしてもよい。任意には、フロートの少なくとも一部分が、貫通穴に対して垂直方向の湾曲断面を有する円形外方外周部を有してもよい。いくつかの構成においては、フロートは、バラストの一部分に係合するための接合構造体を備えてもよい。接合構造体は、バラストの一部分に係合するための複数のアームを備えてもよく、接合構造体は、フロートとバラストとの間に撓曲部をもたらしてもよい。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリが、第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に延在する側壁部を有する収集コンテナを備える。この収集コンテナは、第1の端部と第2の端部との間に長手方向軸を画定する。分離アセンブリは、中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備える機械的セパレータをさらに備える。このセパレータ体は、回転力が印加されると、貫通穴が流体の通過を可能にするための開位置に配向される第1の初期位置から、貫通穴が中に流体を受けるのを防ぐための閉位置に配向される第2のシーリング位置まで移行するように構成される。
【0018】
一構成においては、分離アセンブリは、収集コンテナの第1の端部とシーリング係合するように構成されたクロージャをさらに備え、機械的セパレータは、クロージャの一部分と取外し自在に係合される。機械的セパレータは、第1の初期位置においてクロージャの一部分に係合されてもよく、機械的セパレータは、第2のシーリング位置において収集コンテナの側壁部の一部分に係合されてもよい。クロージャは、セパレータ体が第1の初期位置にある場合に、セパレータ体の一部分とクロージャとの間に流体シール部を形成するために、貫通穴の一部分の中に配設される係合ボスを備えてもよい。任意には、機械的セパレータの貫通穴の少なくとも一部分が、第1の初期位置においては収集コンテナの長手方向軸に沿って配向され、貫通穴が、第2のシーリング位置においては収集コンテナの長手方向軸に対して垂直方向に配向される。開位置から閉位置への貫通穴の移行は、第1の初期位置から第2のシーリング位置への機械的セパレータの回転と共に生じてもよい。機械的セパレータは、第2のシーリング位置において収集コンテナの一部分に密閉的に係合して、機械的セパレータの中または周囲に流体が流れるのを防いでもよい。
【0019】
いくつかの構成においては、セパレータ体は、貫通穴の第1の開口に隣接する第1の延在タブと、貫通穴の第2の開口に隣接する第2の延在タブとをさらに備える。第1の延在タブおよび第2の延在タブは、第2のシーリング位置において収集コンテナの側壁部の一部分に係合してもよい。他の構成においては、セパレータ体は、フロートの外方表面の一部分の周囲に配設された延在タブバンドをさらに備える。延在タブバンドは、第2のシーリング位置において収集コンテナの側壁部の一部分に係合してもよく、延在タブバンドは、第2のシーリング位置において収集コンテナの側壁部との間に連続シール部を形成してもよい。
【0020】
他の構成においては、バラストは、フロートの一部分に係合するための接合構造体を備え、フロートの少なくとも一部分が、貫通穴に対して垂直方向の湾曲断面を有する円形外方外周部を備える。フロートの外方外周部は、第2のシーリング位置において収集コンテナの側壁部との間に連続シール部を形成してもよい。任意には、フロートは、バラストの一部分に係合するための接合構造体を備え、フロートの少なくとも一部分が、貫通穴に対して垂直方向の湾曲断面を有する円形外方外周部を備え、フロートの外方外周部は、第2のシーリング位置において収集コンテナの側壁部との間に連続シール部を形成する。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、第1の相および第2の相に流体試料を分離させることを可能にするための分離アセンブリが、第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に延在する側壁部を有する収集コンテナを備える。この分離アセンブリは、中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備える機械的セパレータをさらに備える。セパレータ体は、収集コンテナの第1の部分とシーリング係合すると共に、収集コンテナ内に貫通穴を介して試料を送るのを可能にするための第1のシーリング外周部と、収集コンテナの第2の部分とシーリング係合すると共に、第1の相と第2の相との間を分離するためのバリアを維持するための第2のシーリング外周部とを備える。
【0022】
分離アセンブリは、収集コンテナの開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャをさらに備えてもよく、収集コンテナ内において、機械的セパレータは、クロージャの一部分に取外し自在に係合される。
【0023】
本発明の別の実施形態によれば、第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリが、内部を画成する、開口端部、閉鎖端部、および開口端部と閉鎖端部との間に延在する側壁部を有する収集コンテナを備える。この収集コンテナは、開口端部と閉鎖端部との間に長手方向軸をさらに画定する。分離アセンブリは、収集コンテナの開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャと、クロージャと係合され、収集コンテナ内に位置するように構成されたポストとをさらに備える。このポストは、収集コンテナの長手方向軸に沿って整列されたポスト貫通穴を備える。分離アセンブリは、ポストに取外し自在に係合される機械的セパレータをさらに備える。この機械的セパレータは、貫通軸に沿って中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備え、貫通穴は、中に流体が通過し得るように構成される。セパレータ体は、第1の密度を有するフロートおよび第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備える。フロートの一部分が、バラストの一部分に連結され、ポストの一部分が、セパレータの貫通穴内に受容されて、初期の第1の位置においてポストおよび機械的セパレータを貫通する流体経路を形成する。
【0024】
セパレータ体は、セパレータ体の一部分の周囲に円周方向に配設された初期係合バンドをさらに備えてもよい。初期係合バンドおよびフロートは、同一の材料から形成されてもよく、初期係合バンドは、バラストの少なくとも一部分を二等分してもよい。任意には、セパレータ体は、ポストの一部分が貫通穴内に配設され、セパレータ体が中に流体を通過させ得る開位置に配向される、第1の初期位置から、回転力の印加時に、セパレータ体がポストから係合解除され、貫通穴が中に流体を受けるのを防ぐための閉位置に配向される、第2のシーリング位置まで移行するように構成される。開位置から閉位置へのセパレータ体の移行は、ポストから係合解除するためのセパレータ体の軸方向移動と、初期の第1の位置から第2のシーリング位置へのセパレータ体の回転移動とを含んでもよい。
【0025】
本発明のさらに別の実施形態によれば、第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリが、内部を画成する、開口端部、閉鎖端部、および開口端部と閉鎖端部との間に延在する側壁部を有する収集コンテナを備える。この収集コンテナは、開口端部と閉鎖端部との間に長手方向軸をさらに画定する。分離アセンブリは、収集コンテナの開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャをさらに備える。このクロージャは、収集コンテナの開口端部内に位置するための受容端部を備え、この受容端部は、内部空洞部を画成し、内部空洞部内に延在するアンダーカット突出部を備える。分離アセンブリは、クロージャと取外し自在に係合される機械的セパレータをさらに備える。機械的セパレータは、貫通軸に沿って中に画成される貫通穴を有するセパレータ体を備え、この貫通穴は、中に流体が通過し得るように構成される。セパレータ体は、第1の密度を有するフロート、および第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備え、フロートの一部分が、バラストの一部分に連結される。クロージャのアンダーカット突出部は、セパレータの貫通穴の中に配設されてもよく、セパレータ体の少なくとも一部分が、初期の第1の位置においてクロージャの内部空洞部内に配設されてもよい。
【0026】
本発明のさらに別の実施形態によれば、収集コンテナが、第1の内部および第1の外部を画成する開口上端部および第1の側壁部を有する第1の領域を備える。収集コンテナは、第2の内部および第2の外部を画成する閉鎖底端部および第2の側壁部を有する第2の領域をさらに備える。第1の領域および第2の領域は、第1の内部および第2の内部が流体連通状態になされるように、長手方向軸に沿って整列されてもよい。第1の内部の直径は、第2の内部の直径よりも大きくてもよく、少なくとも1つの流体フルートが、第1の領域と第2の領域との間に延在して、流体が第1の領域から第2の領域まで中を通過することを可能にしてもよい。
【0027】
いくつかの構成においては、第1の外部は、16mm縦断面を有し、第2の外部は、13mm縦断面を有する。第1の内部は、機械的セパレータを中に収容するように寸法設定されてもよく、第2の内部は、印加回転力がないときに中に機械的セパレータの一部分が通過するのを少なくとも部分的に抑制するように寸法設定されてもよい。
【0028】
本発明のさらに別の実施形態によれば、第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリが、第1の内部および第1の外部を画成する開口上端部および第1の側壁部を有する第1の領域、および第2の内部および第2の外部を画成する閉鎖底端部および第2の側壁部を有する第2の領域を有する、収集コンテナを備える。第1の領域および第2の領域は、第1の内部および第2の内部が流体連通状態になされるように、長手方向軸に沿って整列されてもよく、第1の内部の直径が、第2の内部の直径よりも大きい。この分離アセンブリは、第1の領域と第2の領域との間に延在して、流体が第1の領域から第2の領域まで中を通過することを可能にする少なくとも1つの流体フルートをさらに備える。分離アセンブリは、第1の密度を有するフロート、および第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを有する機械的セパレータをさらに備えてもよく、フロートの一部分が、バラストの一部分に連結される。機械的セパレータの少なくとも一部分が、初期の第1の位置において第2の領域に進入することが防がれ、機械的セパレータは、第2のシーリング位置まで回転力を印加した際に第2の領域内に移行される。
【0029】
機械的セパレータは、中に画成され、中に流体が流れ得るように構成された、貫通穴を有するセパレータ体を備えてもよい。
【0030】
本発明のさらなる一実施形態によれば、第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリが、内部を画成する、第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に延在する側壁部を有する収集コンテナを備える。この分離アセンブリは、収集コンテナの開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャをさらに備える。分離アセンブリは、初期の第1の位置においてクロージャおよび収集コンテナの側壁部の少なくとも一方により解放自在に拘束された機械的セパレータをさらに備える。機械的セパレータは、貫通軸に沿って中に画成される貫通穴を有するセパレータ体を備え、この貫通穴は、中に流体が通過し得るように構成される。セパレータ体は、第1の密度を有するフロート、および第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備え、フロートの一部分が、バラストの一部分に連結される。分離アセンブリは、初期位置において機械的セパレータの一部分に取外し自在に係合されるキャリアをさらに備え、回転力が印加されると、セパレータ体は、流体が貫通穴を通過し得る初期位置から、機械的セパレータによりセパレータ体の中または周囲における流体の通過が防がれるシーリング位置まで移行する。さらに、回転力が印加されると、キャリアは、機械的セパレータから係合解除される。
【0031】
本発明のさらに他の一実施形態においては、分離アセンブリが、内部を画成する、第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に延在する側壁部を有する収集コンテナを備える分離アセンブリを備える。この分離アセンブリは、フロートおよびバラストを備え、第1の位置からシーリング位置まで移動することが可能な、機械的セパレータをさらに備える。シーリング位置においては、シーリング外周部が、内部の少なくとも一部分とセパレータとの間に確立され、シーリング外周部は、内部の一部分の周囲に変動的な位置を有し、この変動的な位置は、平均シーリング高さを画定する。機械的セパレータは、収集コンテナ内に最大高さおよび最小高さをさらに有し、平均シーリング高さは、最大高さから最小高さを差し引いたものを下回る。
【0032】
本発明のアセンブリは、分離ゲルを使用する既存の分離製品よりも有利である。特に、本発明のアセンブリは、分析物を阻害しないが、多くのゲルは、収集コンテナ内に位置する体液および/または検体と相互作用する。さらに、本発明のアセンブリは、セパレータが、収集コンテナ内に被検物を導入するためにセパレータ体の穿刺を要さず、そのためプリローンチおよびクロージャの下方における試料の貯留が最小限に抑えられる点において、既存の機械的セパレータよりも有利である。さらに、本機械的セパレータの構造は、セパレータ体内の血清および血漿などの捕獲される流体相の損失を最小限に抑える。さらに、本発明のアセンブリは、製造の際に複雑な押出成形技術を要さず、ツーショット成形技術を最適に利用することができる。
【0033】
添付の図面と組み合わせて以下の詳細な説明を読むことにより、本発明のさらなる詳細および利点が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】従来の機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図2】本発明の一実施形態による、貫通穴を画成したフロートを有する、機械的セパレータアセンブリの斜視図である。
【図3】図2の機械的セパレータアセンブリの代替的な斜視図である。
【図4】図2の機械的セパレータの上面図である。
【図5】図2の機械的セパレータの側面図である。
【図6】図5の線A‐Aに沿った、図2の機械的セパレータの断面図である。
【図7】図2の機械的セパレータの正面図である。
【図8】図7の線B‐Bに沿った、図2の機械的セパレータの断面図である。
【図9】本発明の一実施形態による、第1の延在タブおよび第2の延在タブが、実質的に凸状の上方フロート表面を形成する、貫通穴を画成したフロートおよびバラストを有する代替的な機械的セパレータの上面図である。
【図10】図9の機械的セパレータの側面図である。
【図11】図10の線C‐Cに沿った、図9の機械的セパレータの断面図である。
【図12】図9の機械的セパレータの正面図である。
【図13】図12の線D‐Dに沿った、図9の機械的セパレータの断面図である。
【図14】本発明の一実施形態による、楕円形貫通穴を画成したフロートおよびバラストを有する代替的な機械的セパレータの斜視図である。
【図15】図14の機械的セパレータの代替的な斜視図である。
【図16】図15の機械的セパレータの上面図である。
【図17】図15の機械的セパレータの側面図である。
【図18】図17の線E‐Eに沿った、図15の機械的セパレータの断面図である。
【図19】図15の機械的セパレータの正面図である。
【図20】図19の線F‐Fに沿った、図15の機械的セパレータの断面図である。
【図20A】本発明の一実施形態による、回転楕円形状体を有し、第1の延在タブと第2の延在タブとの間の離間距離が縮小された、機械的セパレータの斜視図である。
【図21】図18に図示されるものと同様の断面線に沿った、楕円形内部を有する代替的な機械的セパレータの断面図である。
【図22】図21に図示されるような楕円形内部を有する機械的セパレータの部分斜視図である。
【図23】図18に図示されるものと同様の断面線に沿った、楕円形貫通穴を有する代替的な機械的セパレータの断面図である。
【図24】図23に図示されるような楕円形貫通穴を有する、機械的セパレータの部分斜視図である。
【図25】図18に図示されるものと同様の断面線に沿った、実質的に円形の内部および側部切欠部を有する代替的な機械的セパレータの断面図である。
【図26】図25に図示されるような実質的に円形の内部および側部切欠部を有する代替的な機械的セパレータの部分斜視図である。
【図27】本発明の一実施形態による、クロージャに取り付けられた本発明の機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図28】本発明の一実施形態による、流体が貫通穴を通り進むことを可能にするための初期位置にある、収集コンテナ内に配設された機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図29】本発明の一実施形態による、回転力の印加後に収集コンテナ内において比較的軽量の相と比較的高密度の相との間にバリアを設けるためのシーリング位置にある、図28に図示されるような収集コンテナ内に配設される機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図30】初期位置において収集コンテナに係合するためのシールラインを有する、本発明の一実施形態による機械的セパレータの斜視図である。
【図31】シーリング位置において収集コンテナと係合するためのシールラインを有する、図30の機械的セパレータの斜視図である。
【図31A】本発明の一実施形態による、部分的に波状になされた表面を有する機械的セパレータの斜視図である。
【図31B】図31Aの機械的セパレータの正面図である。
【図31C】本発明の一実施形態による、機械的セパレータの斜視図である。
【図31D】図31Cの機械的セパレータの上面図である。
【図31E】図31Cの機械的セパレータの側面図である。
【図31F】図31Eの線31F‐31Fに沿った、図31Cの機械的セパレータの断面図である。
【図31G】図31Cの機械的セパレータの側面図である。
【図31H】図31Gの線31H‐31Hに沿った、図31Cの機械的セパレータの断面図である。
【図31I】図31Cの機械的セパレータの底面図である。
【図32】本発明の一実施形態による、初期係合バンドを有する機械的セパレータの斜視図である。
【図33】図32に図示されるような初期係合バンドを有する機械的セパレータの代替的な斜視図である。
【図34】図33に図示されるような初期係合バンドを有する機械的セパレータの側面図である。
【図35】本発明の一実施形態による、収集コンテナの側壁部の一部分およびクロージャに係合された、図33の初期係合バンドを有する機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図35A】本発明の一実施形態による、延在タブバンドを有する機械的セパレータの斜視図である。
【図35B】図35Aの機械的セパレータの左側面図である。
【図35C】図35Aの機械的セパレータの正面図である。
【図35C1】図35Bの線35C1‐35C1に沿った、図35Aの機械的セパレータの断面図である。
【図35D】図35Cの線35D‐35Dに沿った、図35Aの機械的セパレータの断面図である。
【図35E】本発明の一実施形態による、代替的な延在タブバンドを有する機械的セパレータの斜視図である。
【図35F】本発明の一実施形態による、接合構造体を有する機械的セパレータの斜視図である。
【図35G】図35Fの機械的セパレータの正面図である。
【図35H】図35Fの線35H‐35Hに沿った、図35Gの機械的セパレータの断面図である。
【図35I】図35Fの機械的セパレータの上面図である。
【図35J】本発明の一実施形態による、収集コンテナ内での様々な下降状態における、収集コンテナ内に配設された図35Fの機械的セパレータの概略正面図である。
【図35K】本発明の一実施形態による、シーリング位置における図35Jの機械的セパレータの概略正面図である。
【図35L】本発明の一実施形態による、代替的な接合構造体を有する機械的セパレータの斜視図である。
【図35M】図35Lの機械的セパレータの斜視図である。
【図35N】本発明の一実施形態による、代替的な接合構造体を有する機械的セパレータの斜視図である。
【図35O】図35Nの機械的セパレータの正面図である。
【図36】本発明の一実施形態による、初期位置における、迂回的貫通穴を有する機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図37】本発明の一実施形態による、シーリング位置における、迂回的貫通穴を有する図36の機械的セパレータの部分断面側面図である。
【図38】本発明のさらに別の実施形態による、初期休止位置における、貫通穴を画成した熱可塑性エラストマーセクションにより分離されたフロートおよびバラストを有する機械的セパレータの具象的な断面図である。
【図39】回転力を印加する際の、作動位置における、貫通穴を画成した熱可塑性エラストマーセクションにより分離されたフロートおよびバラストを有する図38の機械的セパレータの具象的な断面図である。
【図40】本発明の一実施形態による、クロージャと係合した収集コンテナの一部分に機械的セパレータが係合された、分離アセンブリの断面側面図である。
【図41】本発明の一実施形態による、クロージャのアンダーカットに係合されたポストに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図42】図41のクロージャの部分断面斜視図である。
【図43】図41のポストの斜視正面図である。
【図44】図41のポストの斜視背面図である。
【図45】本発明の一実施形態による、第1の領域、第2の領域、および複数の流体フルートを有する収集コンテナの側面図である。
【図46】本発明の一実施形態による、図45の収集コンテナ内に機械的セパレータが配設された、分離アセンブリの断面部分側面図である。
【図46A】本発明の一実施形態による、機械的セパレータと共に使用するための代替的な収集コンテナの断面側面図である。
【図47】本発明の一実施形態による、クロージャの一部分に機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図48】図47のクロージャの部分断面斜視図である。
【図49】本発明の一実施形態による、係合ボスを有するクロージャに機械的セパレータが係合された、分離アセンブリの断面側面図である。
【図50】本発明の一実施形態による、代替的な係合ボスを有するクロージャに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図51】本発明の一実施形態による、機械的セパレータの一部分とクロージャの一部分との間にシーラントが配設された、図50の分離アセンブリの断面側面図である。
【図52】図51に図示されるシーラントの近接断面図である。
【図53】本発明の一実施形態による、代替的な係合ボスを有するクロージャに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図54】本発明の一実施形態による、代替的な係合ボスを有するクロージャに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図55】複数の垂下脚部を備える係合ボスを有する図54のクロージャの斜視図である。
【図56】本発明の一実施形態による、成形インサートに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図57】図56の成形インサートの斜視図である。
【図58】本発明の一実施形態による、成形インサートに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図59】本発明の一実施形態による、成形インサートに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図60】本発明の一実施形態による、クロージャの一部分に係合されたキャリアに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図61】本発明の一実施形態による、クロージャの一部分に係合された代替的なキャリアに機械的セパレータが係合された、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図62】図61のキャリアの斜視図である。
【図63】本発明の一実施形態による、キャリアに係合された機械的セパレータが初期位置にある、分離アセンブリの断面側面図である。
【図64】本発明の一実施形態による、回転力の印加後にキャリアから係合解除された機械的セパレータがシーリング位置にある、図63の分離アセンブリの断面側面図である。
【図65】本発明の一実施形態による、代替的なキャリアに係合された機械的セパレータが初期位置にある、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図66】本発明の一実施形態による、回転力の印加後にキャリアから係合解除された機械的セパレータがシーリング位置にある、図65の分離アセンブリの断面側面図である。
【図67】本発明の一実施形態による、溶解可能キャリアに係合された機械的セパレータが初期位置にある、代替的な分離アセンブリの断面側面図である。
【図68】本発明の一実施形態による、回転力の印加後の完全に溶解された状態のキャリアを示す、機械的セパレータがシーリング位置にある、図67の分離アセンブリの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以降の説明において、「上方」、「下方」、「右」、「左」、「垂直方向」、「水平方向」、「上部」、「下部」、「側方」、「長手方向」という語、および同様の空間的用語が使用される場合には、これらは、図面内に配向されるものとしての、説明される実施形態に関するものとする。しかし、逆のことが明示される場合を除いては、多数の代替的な変形形態および実施例を想定し得ることを理解されたい。さらに、添付の図面に示され、本明細書において説明される、特定のデバイスおよび実施形態は、本発明の例示的な実施形態に過ぎないことを理解されたい。
【0036】
本発明の機械的セパレータは、本明細書において論じられるように、比較的高密度相の成分と比較的低密度相の成分とに試料を分離させるために、収集コンテナと共に使用されるように意図される。例えば、この機械的セパレータは、浮力差を使用して、印加される回転力または遠心分離により上昇した重力を被る被検物内に沈められる際にシーリング区域を収縮させることにより、全血から血清または血漿を分離させるために使用することが可能である。一実施形態においては、上昇した重力は、少なくとも3,400回転/分など、少なくとも2,000回転/分の速度で生成され得る。
【0037】
図2〜図8を参照すると、本発明の機械的セパレータ40は、フロート42およびフロート42に連結されたバラスト44を備える、セパレータ体41を備える。一実施形態においては、フロート42は、第1の密度を有し、バラスト44は、第2の密度を有し、第2の密度は、第1の密度よりも高い。別の実施形態においては、フロート42は、第1の浮力を有し、バラスト44は、第2の浮力を有し、第1の浮力は、第2の浮力よりも高い。一実施形態においては、機械的セパレータ40のフロート42が、2つの相に分離されるように意図される液体または被検物よりも低い密度を有する材料から作製されることが望ましい。例えば、ヒトの血液を血清および血漿に分離させることが求められる場合には、フロート42が約1.020g/cc未満の密度を有することが望ましい。一構成においては、機械的セパレータ40のフロート42は、熱可塑性エラストマー(TPE)などの弾性変形可能かつ自己シール性の材料から押出成型および/または成形されてもよい。さらに別の実施形態においては、フロート42は、本明細書において論じられるように、収集コンテナとの接触が確立される際に、良好なシーリング特徴を示す弾性変形可能材料から押出成型および/または成形されてもよい。これらの特定の許容範囲内のフロート密度の維持は、材料密度を低下させるために例えばガラス微小球などの混合を要さない標準的な材料を使用することにより、比較的容易に得られる。
【0038】
さらに、機械的セパレータ40は、セパレータ体41の貫通軸Tに沿ってなど、中に画成された貫通穴46を備える。図3、図5、および図8に図示されるように、貫通穴46は、セパレータ体41全体を貫通して延在し、貫通軸Tに沿って整列された第1の開口48および第2の開口50を備えてもよい。一構成においては、貫通穴46は、セパレータ体41の体積中心を二等分または実質的に二等分にする。一実施形態においては、貫通穴46は、完全にフロート42内に配設される。さらなる一実施形態においては、フロート42は、貫通穴46の第1の開口48に隣接する第1の延在タブ52と、貫通穴46の第2の開口50に隣接する第2の延在タブ54とをさらに備えてもよい。第1の延在タブ52および/または第2の延在タブ54は、フロート42と共形成されて、フロート42自体の一部分を形成し得る。別の構成においては、第1の延在タブ52および/または第2の延在タブ54は、個別に形成され、その後フロート42と接合されてもよい。第1の延在タブ52および第2の延在タブ54は、セパレータ体41の貫通軸Tの実質的に上方になど、セパレータ体41の貫通軸Tの上方に設けられてもよい。さらに、第1の延在タブ52および第2の延在タブ54は、貫通穴46の上方部分56の周囲に外方向延在弧形状でなど、貫通穴46の一部分の実質的に周囲など貫通穴46の一部分の周囲に設けられてもよい。第1の延在タブ52および第2の延在タブ54は、第1の延在タブ52および第2の延在タブ54が、同一の形状および湾曲を、または実質的に同一の形状および湾曲を有し得るように、セパレータ体41の貫通軸Tに対して平行または実質的に平行の方向に、フロート42から外方に延在してもよい。図8に図示されるようにさらに別の実施形態においては、第1の延在タブ52は、貫通穴46の第1の側の上方最外部分に第1の最外縁部68を備え、第2の延在タブ54は、貫通穴46の第2の側の対応する上方最外部分に第2の最外縁部70を備える。一構成においては、第1の最外縁部68は、貫通穴46の第1の側の下方最外部分72よりも長い距離だけ外方向に延在する。さらに、第2の最外縁部70は、貫通穴46の第2の側の対応する下方最外部分74よりも長い距離だけ外方向に延在する。したがって、貫通穴46の上方部分の周囲の第1の延在タブ52および第2の延在タブ54を中心として求められるセパレータ体41の直径D1は、下方最外部分72、74により画成される貫通穴46の下方部分を中心として求められるセパレータ体41の直径D2よりも若干大きい。
【0039】
一実施形態においては、フロート42は、少なくとも部分的に円形または実質的に円形など、概して弧状形状を有する外方表面58と、バラスト44の一部分と係合するように適合化された、図6および図8に図示される接合表面60とを有する。また、バラスト44は、少なくとも部分的に円形または実質的に円形など、やはり概して弧状形状を有する外方表面62と、フロート42の接合表面60と接合するように適合化された、やはり図6および図8に図示される接触表面64とを備える。一実施形態においては、フロート42の外方表面58およびバラスト44の外方表面62は、共に合わせられると、回転楕円形状などの概して円形の外側部を形成する。「回転楕円形状」という用語は、完全な球に加えて、中間点を通り求められる若干非均一的な直径を呈し得る本発明の複数の態様である他の構成を含み得ることが、本明細書において理解されよう。例えば、機械的セパレータ40の中間点を二等分する、フロート42およびバラスト44を貫通して得られる種々の平面が、変動直径を有しながら、依然として回転楕円形状を有する概して円形またはボール様の機械的セパレータ40をもたらすことができる。一実施形態においては、フロート42およびバラスト44は、別個に形成され、後に組み合わされてもよい。別の実施形態においては、フロート42およびバラスト44は、両構成要素が一体的に共にリンクされて完全なセパレータ体41を形成するように、ツーショット成形プロセスまたはマルチショット成形プロセスによってなど、同時押出成形されるおよび/または一体成形されるなど、共形成されてもよい。別の構成においては、フロート42とバラスト44との間のこの一体リンケージは、2つの構成要素間の材料結合によって、機械的インターロックによって、または材料結合と機械的インターロックとの組合せによって、もたらされてもよい。さらに、フロート42およびバラスト44は、接着剤、熱かしめ、および/または超音波溶接などの独立した成形後作業によって、共にリンクされてもよい。図6および図8に図示されるように、バラスト44は、バラスト44およびフロート42の係合を補助する装着突出部66を備えてもよい。
【0040】
一実施形態においては、機械的セパレータ40のバラスト44が、2相に分離されるように意図される液体よりも高い密度を有する材料から作製されることが望ましい。例えば、ヒトの血液を血清および血漿に分離させることが求められる場合には、バラスト44が少なくとも1.029g/ccの密度を有することが望ましい。一実施形態においては、バラスト44は、ミネラル充填ポリプロピレンから形成することが可能である。本明細書においては、フロート42およびバラスト44の両方が、十分な生体適合性、密度安定性、添加物相溶性、ならびに分析物の相互作用、吸収、および浸出性に対する中立性を有する、様々な他の材料から形成することも可能であることが予期される。
【0041】
フロート42およびバラスト44の密度差により、機械的セパレータ40は、セパレータ体41の体積中心R1からずれた質量中心Rを有する。具体的には、フロート42が占めるセパレータ体41の体積は、バラスト44が占めるセパレータ体41の体積よりもはるかに大きくてもよい。したがって、いくつかの実施形態においては、セパレータ体41の質量中心Rは、貫通穴46からずれ得る。
【0042】
本発明の別の実施形態によれば、図9〜図13に図示されるように、機械的セパレータ140は、上述のように、フロート142およびバラスト144を有するセパレータ体141を備え、貫通穴146が、フロート142内に画成される。図10および図13に具体的に図示されるこの構成においては、第1の延在タブ152および第2の延在タブ154は、フロート142の上方部分155と合わせられることにより、実質的に凸状の上方フロート表面157を形成する。図9に図示されるように、セパレータ体141の縦断面は、球形から若干外れており、貫通軸Tに沿って延在する貫通穴146の対角線状に位置をずらされた端点158、159間に延在するセパレータ体の直径D3が、セパレータ体141に対する接線となり、貫通穴146に対して垂直方向へと、最外対向端点160、161間に延在するセパレータ体の直径D4よりも若干大きい。したがって、端点(対角線状に位置をずらされた端点158、159および対角線状に位置をずらされた端点158A、159A)はそれぞれ、TPEなどの材料の肥厚区域を備えてもよい。
【0043】
別の実施形態によれば、図14〜図20に図示されるように、機械的セパレータ240は、上述のように、フロート242およびバラスト244を有するセパレータ体241を備え、貫通穴246が、フロート242内に画成される。この構成においては、貫通穴246は、図18〜図19に具体的に図示されるように、実質的に楕円形の断面を有してもよい。一実施形態においては、図18に図示される楕円状部の主要軸M1は、図17に図示される貫通軸Tに対して垂直方向に配向される。貫通軸Tに対して垂直方向に楕円状部の主要軸M1が延在していることにより、フロート242は、本明細書において論じるように、回転力の印加の際に楕円状部の副軸M2(図18に図示)の方向にさらに長く延在するように構成されてもよい。
【0044】
この構成においては、第1の延在タブ252の湾曲および第2の延在タブ254の湾曲は、貫通軸Tの楕円形の第1の開口248および第2の開口250のそれぞれの少なくとも一部分を実質的に模倣するように延在する。別の実施形態においては、第1の延在タブ252は、凸状形状を有するなど、少なくとも部分的に湾曲した形状を有し、貫通穴246の第1の開口248の上方部分に隣接して設けられる。第2の延在タブ254は、凸状形状を有するなど、少なくとも部分的に湾曲した形状をやはり有してもよく、貫通穴246の第2の開口250の上方部分に隣接して設けられてもよい。
【0045】
図20Aに図示されるように、機械的セパレータ240Aは、上述のように、フロート242Aおよびバラスト244Aを有するセパレータ体241Aを備え、貫通穴246Aが、フロート242A内に画成されている。この構成においては、第1の延在タブ252Aおよび第2の延在タブ254Aは、貫通穴246Aの縁部にてセパレータ体241Aの直径243Aと実質的に一致し、第1の延在タブ252Aおよび第2の延在タブ254Aの頂点247Aにて直径243Aから若干ずれた、楕円形縦断面を有してもよい。この構成においては、第1の延在タブ252Aおよび第2の延在タブ254Aは、本明細書において説明されるように、シーリング位置において試験管壁部の一部分に当接してバリアを形成するのを補助するために、貫通穴246Aに隣接する第1の延在タブ252Aおよび第2の延在タブ254Aの縁部に配置された拡大フィレット280Aを備えてもよい。拡大フィレット280Aは、本明細書において説明されるように、印加回転力の印加の際に機械的セパレータの周囲における細胞の分界を容易にする役割を果たし得る。さらに、拡大フィレット280Aは、第1の延在タブ252Aおよび第2の延在タブ254Aの端部に隣接する幅広テーパ部など、厚さおよび/または直径が大きく、貫通穴246Aの少なくとも一部分に沿って延在する、第1の延在タブ252Aおよび第2の延在タブ254Aの一領域を備えてもよい。
【0046】
図21〜図22に図示されるように、本発明の機械的セパレータ340は、フロート342およびバラスト344を備え、実質的に円筒状の貫通穴346を画成する楕円形内部360を備えてもよい。この構成においては、楕円形内部360は、実質的に円筒状の貫通穴346を残しつつこの楕円形内部360を充填するように寸法設計された充填材料362を備えてもよい。一実施形態においては、充填材料362は、TPE材料または他の十分に可撓性の材料であってもよい。あるいは、図23〜図24に図示されるように、フロート442およびバラスト444を備える本発明の機械的セパレータ440は、楕円形の貫通穴446を画成する楕円形内部460を備えてもよい。さらに別の構成においては、フロート542およびバラスト544を備える本発明の機械的セパレータ540は、円形断面および楕円形状を有する貫通穴546を備えてもよい。任意には、フロート542は、バラスト544との界面部550などに隣接するスリット548または複数のスリット548をさらに備えてもよい。フロート542内に画成されたスリット548または複数のスリット548を備えることにより、本明細書において論じられるように、回転力の印加時にフロート542の伸長率を高めることが可能となり得る。
【0047】
図27に図示されるように、本発明の機械的セパレータ40は、クロージャ84を有する収集コンテナ82内において第1の相および第2の相に流体試料を分離するために、分離アセンブリ80の一部分として提供されてもよい。具体的には、収集コンテナ82は、プロテオミクス試料試験管、分子診断試料試験管、化学試料試験管、血液または他の体液収集試験管、凝固試料試験管、および血液学試料試験管等々の試料収集試験管であってもよい。望ましくは、収集コンテナ82は、真空血液収集試験管である。一実施形態においては、収集コンテナ82は、特定の検査処置に対する必要に応じて、タンパク分解酵素阻害薬および凝血剤等々の追加の添加物を含んでもよい。かかる添加材は、粒子または液体の形態であってもよく、収集コンテナ82の円筒状側壁部86上に噴霧されるか、または収集コンテナ82の底部に配置されてもよい。収集コンテナ82は、閉鎖底端部88、開口上端部90、およびそれらの間に延在する円筒状側壁部92を備える。円筒状側壁部92は、開口上端部90から収集コンテナ82の長手方向軸Lに沿って閉鎖底端部88に実質的に隣接する位置まで実質的に均一に延在する内径を有する内方表面94を備える。
【0048】
収集コンテナ82は、以下の各材料、すなわちポリプロピレン、ポリエチレン、テレフタレート(PET)、ガラス、またはそれらの組合せの中の1つまたは2つ以上から作製されてもよい。収集コンテナ82は、単一の壁構造あるいは複数の壁構造を含むことができる。さらに、収集コンテナ82は、適切な生体試料を得るために任意の実用的なサイズで構築されてもよい。例えば、収集コンテナ82は、当技術において知られているように、従来の大体積試験管、小体積試験管、または微量試験管と同様のサイズのものであってもよい。特定の一実施形態においては、収集コンテナ82は、やはり当技術において知られているように標準的な13ml真空血液収集試験管であってもよい。
【0049】
開口上端部90は、液体不透過性シール部を形成するために、中にクロージャ84を少なくとも部分的に受容するように構成される。クロージャ84は、収集コンテナ82内に少なくとも部分的に受容されるように構成された上端部96および下端部98を備える。上端部90に隣接するクロージャ84の複数の部分が、収集コンテナ82の内径を上回る最大外径を画定する。一実施形態においては、クロージャ84は、針カニューレ(図示せず)による貫通が可能な穿刺可能着脱式隔膜100を備える。底端部98から下方に延在するクロージャ84の複数の部分が、収集コンテナ82の内径とほぼ等しいかまたはそれよりも若干小さな小径部から、上端部96における収集コンテナ82の内径よりも大きな大径部までテーパ状となっていてもよい。したがって、クロージャ84の下端部98は、開口上端部90に隣接する収集コンテナ82の一部分内に押し込まれ得る。クロージャ84の固有の弾性により、収集コンテナ82の円筒状側壁部86の内方表面94とのシーリング係合が確保され得る。一実施形態においては、クロージャ84は、一体成形されたエラストマー材料から形成されて、収集コンテナ82とのシーリング係合が可能となるのに適切な任意のサイズおよび寸法を有することが可能である。任意には、クロージャ84は、Becton,Dickinson and Company社から市販されているHemogard(登録商標)Shieldなどのシールドによって少なくとも部分的に囲まれてもよい。
【0050】
図27に図示されるように、本発明の機械的セパレータ40は、機械的セパレータ40の貫通穴46が収集コンテナ82の開口上端部90と整列される初期位置において、収集コンテナ82内に配向され得る。この初期位置においては、貫通穴46は、クロージャ84の穿刺可能隔膜100を穿刺しており、収集コンテナ82の内部と流体連通状態におかれる、針カニューレ(図示せず)などから、中に流体が通過し得るようになされる。さらに、機械的セパレータ40は、セパレータ体41が図27〜図28に図示されるような初期位置から、図29に図示されるようなシーリング位置まで移行し得るように、クロージャ84の一部分と取外し自在に係合されてもよい。初期位置においては、貫通穴46は、流れ矢印Fにより図28において示される方向に流体を通過させ得る開位置に配向される。図27を参照すると、貫通穴46の初期開位置は、収集コンテナ82の長手方向軸Lに実質的に整列される。図29を参照すると、遠心分離の際など回転力が印加される際に、機械的セパレータ40は、クロージャ84との係合状態から係合解除され、貫通穴46が実質的に閉位置にあるシーリング位置まで図29の方向矢印Dにより示される方向に回転するのに十分なだけ、変形する。実質的に閉鎖された位置においては、第1の延在タブ52および第2の延在タブ54を備えるフロート42は、収集コンテナ82の内方表面94とのシーリング係合を形成して、貫通穴46内にまたはセパレータ体41の周囲に流体が受けられるのを実質的に防ぐ。
【0051】
一構成においては、貫通穴46は、開位置において、長手方向軸Lの少なくとも一部分に沿って収集コンテナ82の開口上端部90と実質的に整列され、貫通穴46は、閉位置において、この長手方向軸に対して垂直方向に実質的に整列される。開位置から閉位置への貫通穴46の移行は、第1の初期位置から第2の閉位置への機械的セパレータ40の回転と共に生ずることを指摘しておく。別の構成においては、機械的セパレータ40は、第1のシーリング位置において、クロージャ84の一部分に係合され、機械的セパレータ40は、第2のシーリング位置において、収集コンテナ82の側壁部86の一部分に係合される。再び図27を参照すると、クロージャ84は、機械的セパレータ40と係合するための係合ボス102を備えてもよい。一構成においては、係合ボス102は、セパレータ体41がセパレータ体41の一部分とクロージャ84との間に流体シール部を形成するために第1の初期位置にある際には、貫通穴46の一部分内に位置する。
【0052】
この初期位置においては、機械的セパレータ40は、機械的セパレータ40の解放荷重を制御する貫通穴46中のアンダーカットにより生じる機械的スナップにより、クロージャ84に装着され得る。機械的セパレータ40が、クロージャ84に装着されると、機械的セパレータ40は、図30に図示されるように、第1のシーリング外周部104に沿って収集コンテナ82の側壁部86との間にシール部を形成する。収集コンテナ82内に被検物を引き入れる際に、第1のシーリング外周部104は、機械的セパレータ40とクロージャ84との間における血液の蓄積を防ぐ。これにより、機械的セパレータ40の機能を破綻させ得る血塊および/またはフィブリン鎖の形成が軽減される。回転力を印加し、図29に図示されるように機械的セパレータ40が移行する際に、機械的セパレータ40は、クロージャ84に依然として装着されつつも回転モーメントを受け、クロージャ84から解放された後には、約90°回転して、収集コンテナ82の底端部88にバラスト44が対面する状態に配向された状態となる。
【0053】
機械的セパレータ40が、収集コンテナ82内に収容された流体に接触すると、貫通穴46を占める空気は、デバイスが沈むにつれて流体により徐々に変位される。機械的セパレータ40が、流体内に沈められると、フロート42は、バラスト44よりも大きな浮力を有し、これにより、機械的セパレータにおいて差動力が生ずる。遠心分離の際には、この差動力により、フロート42構成要素は、収集コンテナ82の側壁部86から離れる方向に伸長および収縮され、それにより有効直径が縮小され、比較的高い密度相の成分および比較的低い密度相の成分などの流体がセパレータ体41を越えて流れるための流通経路が開かれる。フロート42は、貫通穴46に対して実質的に垂直である方向に変形するように構成されてもよいことを指摘しておく。印加回転力が除去されると、フロート42は、元の状態に戻り、フロート42および第1の延在タブ52および第2の延在タブ54により画成されるシーリング区域は、図31に図示されるように、再度拡張して、第2のシーリング外周部106に沿って収集コンテナの内方表面94に当接してシール部を形成する。したがって、機械的セパレータ40は、セパレータ41と収集コンテナ82との間またはセパレータ41および収集コンテナ82の周囲に流体が通過するのを防ぐようになされ、さらに、流体が貫通穴46を通過するのを防ぎ、それによりバリアを有効に確立する。第2のシーリング外周部106は、試料内の比較的高い密度相と比較的低い密度相との間にバリアを確立する。
【0054】
図31A〜図31Bに図示されるように、機械的セパレータ140Aは、上記において論じるように、フロート142Aおよびバラスト144Aを有するセパレータ体141Aを備え、貫通穴146Aが、フロート142A内に画成されている。この構成においては、フロート142Aは、使用中に血液成分屑の表面分界を向上させるための表面を形成するために、部分的に波状になされた領域150Aを備えてもよい。本明細書において論じるように、セパレータ140Aが、血液などの流体試料内に沈められると、フィブリンまたは細胞などのいくつかの血液構成成分が、フロート142Aの上方表面に固着するか、またはフロート142Aの上方表面上に他の態様で捕獲された状態となる場合がある。本実施形態によれば、フロート142Aは、表面分界を向上させるための波状になされた領域150Aを備えてもよい。別の実施形態によれば、フロート142Aは、図31Bなどに図示されるように、対向し合う波状になされた領域150Aを備えてもよい。波状になされた領域150Aは、楕円形、長円形、および湾曲状等々の、フロートの表面分界を向上させるのに適した任意の湾曲形状を備えてもよい。
【0055】
この構成においては、セパレータ体141Aは、第1の延在タブ152Aおよび第2の延在タブ154Aをやはり備えてもよく、本明細書において説明されるように、シーリング位置において試験管壁部の一部分に当接してバリアを形成するのを補助するために、貫通穴146Aに隣接する第1の延在タブ152Aおよび第2の延在タブ154Aの縁部に拡大フィレット180Aが配置される。拡大フィレット180Aは、第1の延在タブ152Aおよび第2の延在タブ154Aの端部に隣接する幅広テーパ部など、厚さおよび/または直径が大きく、貫通穴146Aの少なくとも一部分に沿って延在する、第1の延在タブ152Aおよび第2の延在タブ154Aの一領域を備えてもよい。一構成においては、拡大フィレット180Aは、本明細書において説明されるように、印加回転力を印加する際に機械的セパレータ体141Aの周囲における細胞の分界を容易にすることができる。
【0056】
本出願のさらなる一実施形態によれば、図31C〜図31Iに図示されるように、機械的セパレータ40Dは、上記において論ずるように、フロート42Dおよびバラスト44Dを有するセパレータ体41Dを備え、貫通穴46Dが、フロート42D内に画成されている。この構成においては、セパレータ体41Dは、図29および図68に図示されるように、シーリング位置において機械的セパレータ40Dと収集コンテナの側壁部との間のバリアシールを向上させるために、実質的に卵形状の外方外周部を有してもよい。
【0057】
この構成においては、図31Fに図示されるように貫通穴46Dの貫通軸Taxisに沿った方向にフロート42Dを横断して求められる、セパレータ体41D、具体的には図31Dおよび図31Gに図示されるようなフロート42Dの直径D5は、図31Fに図示されるように貫通穴46Dの貫通軸Taxisに対して垂直の方向にフロート42Dを横断して求められる、セパレータ体41D、具体的には図31Dに図示されるようなフロート42Dの直径D6未満であってもよい。この構成においては、貫通軸Taxisに対して45°の角度でフロート42Dを横断して求められる、セパレータ体41D、具体的には図31Dに図示されるようなフロート42Dの直径D7は、貫通穴46Dよりも大きくてもよい、またはセパレータ体41Dの直径D5およびD6よりも大きくてもよい。さらに、この構成においては、図31Fに図示されるように貫通穴46Dの貫通軸Taxisに沿ってバラスト44Dを横断して求められるバラスト44Dの直径D8は、セパレータ体41Dの直径D5、D6、およびD7のいずれか未満であってもよい。
【0058】
バラスト44Dよりも大きな直径を有するフロート42Dを用意することにより、機械的セパレータ40Dは、本明細書において説明されるようにシーリング表面に当接して変位するために、大きな体積のTPEなどの比較的低密度の材料を有することが可能になり得る。さらに、この実施形態は、図35A〜図35Eに関連して以下で論じるような延在タブバンド、および/または、図33〜図35に関連して以下に論じるような初期係合バンドを備えてもよい。
【0059】
図32〜図35を参照すると、さらなる一構成においては、機械的セパレータ40は、セパレータ体41の周囲に円周方向に配設された初期係合バンド116をさらに備えてもよい。さらなる一構成においては、この初期係合バンド116は、貫通穴46に対して実質的に垂直な方向にセパレータ体41の周囲に配設されてもよい。初期係合バンド116は、セパレータ体41の周囲に連続的に設けられてもよく、または任意には、セパレータ体41の周囲にセグメント状に設けられてもよい。さらに他の一構成においては、フロート42および初期係合バンド116は、TPEなどの同一の材料から形成されてもよい。初期係合バンド116は、フロート42の第1の部分42Aが初期係合バンド116を形成し、第2の部分42Bがバラスト44を実質的に二等分するように設けられてもよい。
【0060】
具体的には図35に図示されるように、初期係合バンド116は、セパレータ体41と収集コンテナ82の内方表面94との間の界面係合を生じさせる。この構成においては、セパレータ体41の周囲の第1のシーリング外周部104が、初期係合バンド116と一列に並ぶ。この第1のシーリング外周部104は、穿刺可能隔膜100を貫通して配設されるカニューレ(図示せず)から収集コンテナ82に進入する流体が、セパレータ体41の第1の開口48を通過し、貫通穴46を通過し、第2の開口50から出るように、収集コンテナ82の開口上端部90との適切な整列状態にセパレータ体41を維持するのを補助する。
【0061】
本発明のさらに別の実施形態によれば、図35A〜図35Eに図示されるように、機械的セパレータ40Cは、フロート42Cおよびバラスト44Cを有するセパレータ体41Cを備える。セパレータ体41Cは、フロート42C内に全体が画成されるなど、フロート42C内に画成された貫通穴46Cを備える。この構成においては、フロート42Cは、フロート42Cの外方表面52Cの周囲に配設された延在タブバンド50Cを備えてもよい。一実施形態においては、延在タブバンド50Cは、貫通穴46Cの第1の開口56Cに隣接する第1の延在部分54Cと、貫通穴46Cの第2の開口60Cに隣接する第2の延在部分58Cとを備えてもよい。この構成においては、第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cは、第1の開口56Cおよび第2の開口60Cのそれぞれの少なくとも一部分に実質的に隣接して設けられてもよい。第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cはそれぞれ、概して凹状の下方向配向を有してもよい。
【0062】
さらに、第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cは、貫通穴46Cの上方部分の周囲に外方延在弧形状でなど、貫通穴46Cの一部分の実質的に周囲に設けられてもよい。第1の延在部分54Cの一部分および第2の延在部分58Cの一部分は、第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cが実質的に同一の形状および湾曲を有し得るように、セパレータ体41Cの貫通軸TAに対して実質的に平行な方向にフロート42Cから外方に延在してもよい。
【0063】
さらに、延在タブバンド50Cは、セパレータ体41Cの両側において、第1の延在部分54Cと第2の延在部分58Cとの間に配設され、第1の延在部分54Cと第2の延在部分58Cとを連結する接合部分62Cを備えてもよい。接合部部分62Cはそれぞれ、概して凹状の上方向配向を有してもよい。一実施形態においては、接合部分62C、第1の延在部分54C、および第2の延在部分58Cは、それらの間において連続的であり、フロート42Cの一部分の周囲に巻き付けられた概して「ロープ様の」外観を形成する。さらなる一実施形態においては、接合部分62C、第1の延在部分54C、および第2の延在部分58Cは、フロート42Cの外方表面52Cの一部分の周囲に連続的な正弦関数形状を形成する。別の実施形態においては、延在タブバンド50Cは、フロート42Cと共に共形成されて、フロート42C自体の一部分を形成してもよい。代替的な一実施形態においては、延在タブバンド50Cは、フロート42Cと別個に形成され、後に接合されてもよい。いくつかの構成においては、フロート42Cおよび延在タブバンド50Cは共に、TPEなどの比較的低密度の材料から作製され、バラスト44Cは、PETなどの比較的高密度の材料から形成されてもよい。
【0064】
図35Cおよび図35C1に具体的に図示される一実施形態においては、接合部分62Cはそれぞれ、ほぼ同一の厚さTJを有してもよい。別の実施形態においては、第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cが、やはりほぼ同一の厚さTJを有してもよい。延在タブバンド50Cの断面は、円形、正方形、またはリブ状等々の任意の適切なシーリング形状を有してもよい。さらに、本明細書においては、複数の延在タブバンド50Cが、フロート42Cの外方表面52Cの周囲に配設され得ることが予期される。図35Bおよび図35Dを参照すると、第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cは、フロート42Cの上方部分64Cと共に概してスプライン形状またはサドル形状を画成する、肥厚シェルフ領域54C1および58C1をそれぞれ備えてもよい。フロート42Cの上方部分64Cおよび延在タブバンド50Cは、特に、使用中に血液成分屑の表面分界を最大化するように構成されてもよい。本明細書において論じられるように、セパレータ40Cが、血液などの流体試料内に沈められると、フィブリンまたは細胞などのいくつかの血液構成成分が、フロート42Cの上方表面に固着するか、またはフロート42Cの上方表面上に他の態様で捕獲された状態となる場合がある。延在タブバンド50Cの具体的形状は、使用中の血液成分屑の捕獲を最小限に抑えるように意図される。
【0065】
さらに別の実施形態においては、図35Eに図示されるように、延在タブバンド50Cは、第1の延在部分54C、第2の延在部分58C、およびフロート42Cの両側において第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cを連結してフロート42Cの外方表面52Cの周囲に連続構造体を形成する接合部分62Cを備えてもよい。この構成においては、第1の延在部分54Cの肥厚シェルフ領域54C1および第2の延在部分58Cの肥厚シェルフ領域58C1は、使用中の血液成分屑の表面分界を向上させ、シーリング位置において収集コンテナ(図示せず)と共にシール部を形成する際に第1の延在部分54Cおよび第2の延在部分58Cに対して追加的な構造的支持を与えるために、切頭縦断面54C2および58C2をそれぞれ有する。
【0066】
本実施形態の機械的セパレータ40Cが使用される場合には、延在タブバンド50Cは、図1〜図8を参照して上記において説明された第1の延在タブおよび第2の延在タブによって画成されるシール部と同様に、収集コンテナ壁部(図示せず)の一部分に当接するロバストシーリング表面を形成する。いくつかの実施形態においては、延在タブバンド50Cは、追加的なシーリングをもたらし、機械的セパレータ40Cと収集コンテナとの間における漏れを最小限に抑えることができる。さらに、フロート42CがTPEから形成される構成においては、延在タブバンド50Cは、TPEが従来的な印加回転力下においてさほど変形せず、別の位置に変位することにより、シーリングを強化するための機構を提供する。フロート42Cの外方表面52Cの周囲に弧状延在タブバンド50Cを配置することにより、TPEは、本明細書において説明されるように、シーリング位置において収集コンテナの側壁部に均一に当接して変位することが可能となる。延在タブバンド50Cが、交互する凹状の上方向配向および凹状の下方向配向で設けられ得るため、機械的セパレータ40Cのシーリング表面は、延在タブバンド50Cの位置に対応するフロート42Cの外方表面52Cの周囲の様々な高さに位置し得る。
【0067】
さらなる一構成においては、本明細書においては、延在タブバンド50Cを有する機械的セパレータ40Cは、シーリング位置において(上述のように)延在タブバンド50Cと収集コンテナとの間におけるシーリングが強化されることにより、傾斜配向を有する収集コンテナ内における使用に適したものとなり得ることが意図される。さらに、本明細書においては、機械的セパレータ40Cは、上記において図35を参照として同様に説明されたように、初期係合バンド116を備え得ることが意図される。
【0068】
本発明のさらに別の実施形態によれば、図35F〜図35Gに図示されるように、機械的セパレータ40Aは、フロート42Aおよびバラスト44Aを有するセパレータ体41Aを備える。セパレータ体41Aは、中に画成された貫通穴46Aを備える。この構成においては、バラスト44Aは、ベース部分52Aと、フロート42Aの一部分に係合するための複数のアーム50Aなどの接合構造体48Aとを備えてもよい。バラスト44A、具体的には接合構造体48Aは、一体成形、ツーショット成形、溶接、または他の接着接合手段などにより、フロート42Aの一部分と恒常的な係合状態になされてもよい。一構成においては、フロート42Aは、TPEなどの比較的低密度の材料から形成されてもよく、バラスト44Aは、PETなどの比較的高密度の材料から形成されてもよい。さらなる一構成においては、機械的セパレータ40Aは、セパレータ体41Aの全体的な密度が、血清と赤血球など、血液試料の比較的高密度の構成成分の密度と比較的低密度の構成成分の密度との間となるように寸法設定されてもよい。さらに他の実施形態においては、セパレータ体41Aの全体的な密度は、1.45g/cm3である。
【0069】
図35Hに図示されるように、バラスト44Aは、接触表面54Aおよび接合表面56Aを有するベース部分52Aを備えてもよい。一構成においては、接触表面54Aは、収集コンテナ(図示せず)の内方湾曲に一致する少なくとも部分的に湾曲する表面58Aを備えてもよい。接合表面56Aは、ベース部分52Aと接合構造体48Aとの間に接着部を備えてもよい。一構成においては、接合表面56Aおよび接合構造体48Aは、共形成される。別の構成においては接合表面56Aおよび接合構造体48Aは、別個に形成され、後に機械的ロッキング手段または接着剤ロッキング手段を介して恒常的な接着状態になされる。
【0070】
接合構造体48Aは、バラスト44Aのベース部分52Aに係合するための第1の端部60Aと、フロート42Aの一部分に係合するための第2の端部62Aとを備えてもよい。フロート42Aの上面図は、図35Iに図示されるように、実質的に円形の外方外周部POを有してもよく、フロート42Aは、図35Hに図示されるような実質的に凹状の下方断面などの、実質的に湾曲状の断面側面を有してもよい。さらなる一実施形態においては、フロート42Aは、フロート42Aの頂点64Aに隣接する実質的に凹状の下方断面と、接合構造体48Aの第2の端部62Aがフロート42Aに装着される位置などのフロート42Aの外周部POに隣接する若干凹状の上方湾曲とを有してもよい。一構成においては、接合構造体48Aの第2の端部62Aが、初めに成形され、その後、フロート42Aが、接合構造体48Aの第2の端部62A上に成形されて、この第2の端部62Aとの間に結合部を形成する。別の実施形態においては、接合構造体48Aの第2の端部62Aは、フロート42Aの一部分の中に挿入されるか、またはフロート42Aの一部分に隣接して設けられ、その後この一部分に対して結合されるかまたは別様に接着される。
【0071】
一構成においては、接合構造体48Aは、フロート42Aとベース部分52Aとの間に撓曲部をもたらすことができる。この撓曲部は、接合構造体48Aの第1の端部60Aとベース部分52Aとの間の接着部、接合構造体48Aの第2の端部62Aとフロート42Aとの間の接着部、および接合構造体48Aの枢動点68Aの中の少なくとも1つによりもたらされ得る。
【0072】
図35Jを参照すると、機械的セパレータ40Aは、初期位置においては、収集コンテナ100Aの上方端部102Aに隣接してなど、収集コンテナ100A内に設けられてもよい。機械的セパレータ40Aは、本明細書の他所において説明されるように、ストッパ104Aの一部分が機械的セパレータ40Aの貫通穴46Aを貫通して延在するように、ストッパ104Aの一部分と係合状態になされてもよい。本発明の別の実施形態によれば、機械的セパレータ40Aは、機械的セパレータ40Aの貫通穴46Aが収集コンテナ100Aの長手方向軸LAに整列されるように、フロート42Aの一部分およびバラスト44Aのベース部分52Aの一部分が収集コンテナ100Aの内方表面に係合して、収集コンテナ100Aの上方端部102A内に機械的セパレータ40Aを拘束するように、設けられてもよい。
【0073】
再び図35Jを参照すると、血液などの流体被検物108Aは、ストッパ104Aなどを経由して収集コンテナ100A内に導入され、機械的セパレータ40Aが参照符号Aにより示されるような初期位置に配向されると、機械的セパレータ40Aの貫通穴46Aと整列される。回転力が印加されると、フロート42Aは、撓曲し、上述のようにフロート42Aとバラスト44Aとの間において撓曲部を生じさせる。結果的に得られる撓曲部により、貫通穴46Aが変形され、機械的セパレータ40Aは、ストッパ104Aから係合解除され、参照符号Bにより示されるように矢印Rにより示される方向に回転し始める。
【0074】
機械的セパレータ40Aが流体被検物108A内に沈められた状態になると、フロート42Aは、参照符号Cにより示されるように、上方向に配向され始め、バラスト44Aは、同時に下方向に配向され始める。回転力が継続的に印加される間、参照符号Dにより示されるように、バラスト44Aは、下方向に引かれ、フロート42Aは、収集コンテナの側壁部110Aから離れるように撓曲する。その後、参照符号Eにより示されるように、フロート42Aは、変形されて、フロート42Aと収集コンテナ100Aの側壁部110Aとの間に比較的高密度相の構成成分および比較的低密度相の構成成分が通過するのを可能にする。これにより、流体試料108A内の比較的高密度相の構成成分および比較的低密度相の構成成分の分離が可能となり、さらに機械的セパレータ40Aの貫通穴46A内に存在する流体試料108A内の比較的高密度相の構成成分および比較的低密度相の構成成分の分離が可能となる。
【0075】
図35Kを参照すると、回転力の印加が停止されると、機械的セパレータ40Aは、シーリング位置において、分離された比較的高密度の相112Aと分離された比較的低密度の相114Aとの間に配向された状態となる。それと同時に、フロート42Aとバラスト44Aとの間の撓曲が終了して、フロート42Aは、図35Iに図示されるようにその初期位置へと戻され、それにより外方外周部POと収集コンテナ100Aの側壁部110Aの内部周囲部との間にシール部が形成される。フロート42Aは、収集コンテナ100Aの側壁部110Aの内部周囲部よりも少なくとも若干大きな外方周囲部を有する外方外周部POを有し、それにより収集コンテナ100Aの側壁部110Aの内部周囲部との間にロバストシール部を形成する。
【0076】
再び図35Kを参照すると、機械的セパレータ40Aが、シーリング位置に移行されると、シーリング外周部が、側壁部110Aの内部周囲部の少なくとも一部分と機械的セパレータ40Aとの間に、外方外周部POに沿って確立される。図35Kに図示されるように、外方外周部POに沿ったシーリング外周部は、収集コンテナ100Aの閉鎖底端部113Aから測定される場合に、側壁部110Aの内部周囲部の周囲に変動的な位置を有する。一構成においては、外方外周部POに沿ったシーリング外周部は、機械的セパレータ40A、具体的にはフロート42Aと、側壁部110Aとの間のシール部の全高に一致するそれぞれ局所化されたシーリング位置S1、S2、S3等々に様々なシーリング高さを有する。したがって、シーリング外周部は、各局所化されたシーリング位置S1、S2、S3等々に若干異なる高さを有する。また、シーリング外周部は、各局所化されたシーリング位置S1、S2、S3等々の平均高さに相当する平均シーリング高さHAvgを画定し、すなわち、HAvg=Avg[S1、S2、S3等々]となる。さらに、機械的セパレータ40Aは、収集コンテナ内に最大高さHMaxおよび最小高さHMinを有する。最大高さHMaxは、外方外周部POに沿った最高シール点と、収集コンテナ100Aの閉鎖底端部113Aとの間の距離に相当する。最小高さHMinは、外方外周部POおよび収集コンテナ100Aの閉鎖底端部113Aに沿った最低シール点に相当する。本発明の一態様によれば、平均シーリング高さHAvgは、最大高さHMaxと最小高さHMinとの間の差よりも小さく、すなわちHAvg<HMax−HMinとなる。
【0077】
本発明の別の実施形態によれば、図35L〜図35Mに図示されるように、機械的セパレータ40Bは、フロート42Bおよびバラスト44Bを有するセパレータ体41Bを備える。セパレータ体41Bは、中に画成された貫通穴46Bを備える。この構成においては、フロート42Bは、バラスト44Bの一部分に係合するための複数のアーム50Bなどの接合構造体48Bを備えてもよい。上述と同様に、接合構造体48Bは、一体成形、ツーショット成形、溶接、または他の接着接合手段などにより、バラスト44Bの一部分と恒常的な係合状態になされてもよい。この構成においては、接合構造体48Bは、本明細書において説明されるように、初期位置からシーリング位置への移行をさらに容易にさせ得る高い撓曲性を示す。
【0078】
再び図35L〜図35Mを参照すると、一構成においては、フロート42Bは、フロート42B内に切欠部60Bを備える。一実施形態においては、切欠部60Bは、フロート42Bの頂点62Bに配置されてもよく、外方外周部PO内には延在しない。切欠部60Bは、高い撓曲性をもたらすことにより、参照符号Eを参照として図35Jにおいて図示されるような、使用中の、この高い撓曲性による比較的高密度相の構成成分および比較的低密度相の構成成分の通過を可能にする。さらに他の構成においては、接合構造体48Bは、バラスト44Bの一部分が中を通過し、機械的インターロックなどにより中に固定され得るように構成された開口64Bを、中に備えてもよい。一実施形態においては、接合構造体48Bは、第1の端部68Bおよび第2の端部70Bにてフロート42Bに連結された連続アーム50Bを備える。接合構造体48Bは、バラスト44Bのロッキング部分72Bが中に延在する開口64Bを備えてもよい。一実施形態においては、開口64Bは、フロート42Bの頂点62Bから対向側の位置にて、連続アーム50B内に配設されてもよい。別の実施形態においては、ロッキング部分72Bなどのバラスト44Bおよびフロート42Bは、フロート42Bおよびバラスト44Bの離間距離を最小限にするように恒常的な係合状態になされてもよい。
【0079】
図35N〜図35Oを参照すると、本発明の他の一実施形態においては、機械的セパレータ40Bは、フロート42Bおよびバラスト44Bを有するセパレータ体41Bを備える。セパレータ体41Bは、中に画成された貫通穴46Bを備える。この構成においては、フロート42Bは、バラスト44Bの一部分に係合するための複数のアーム50Bなどの接合構造体48Bを備えてもよい。上述と同様に、接合構造体48Bは、第1の端部68Bおよび第2の端部70Bにてフロート42Bに連結された連続アーム50Bを備えてもよい。接合構造体48Bは、フロート42Bとバラスト44Bとの離間距離を最小限にするように恒常的な係合状態において、バラスト44Bのロッキング部分72Bが中に延在する開口64Bを備えてもよい。また、バラスト44Bは、フロート42Bの接合構造体48Bに隣接および連結された支持構造体74Bを備えてもよい。一実施形態においては、バラスト44Bの支持構造体74Bは、フロート42Bの接合構造体48Bと共形成されるか、またはフロート42Bの接合構造体48Bに別の態様で恒常的に係合されてもよい。さらなる一実施形態においては、接合構造体48Bは、支持構造体74Bを少なくとも部分的に囲むように構成された凹部を画成してもよい。さらに他の一実施形態においては、支持構造体74Bおよび接合構造体48Bは、本明細書において説明されるように、フロート42Bおよびバラスト44Bが互いに対して少なくとも部分的に撓曲するのを可能にする。いくつかの構成においては、バラスト切欠部80Bは、形成時にバラスト44Bの収縮を低減させるために、ベース部分52B内に形成されてもよい。
【0080】
本発明の機械的セパレータの貫通穴は、球形または楕円形の断面を有する直線状ボアとして本明細書において示したが、本明細書においては、貫通穴546が、図36〜図37に図示されるように、液体を中に受容するための蛇行状経路または迂回的経路を画成し得ることも予期される。この構成においては、機械的セパレータ540は、互いに対してずらされた第1の開口549および第2の開口551を有する貫通穴546を備える。具体的には、第1の開口549および第2の開口551は、互いに対して60°または90°の角度などでずらされてもよい。図36に図示されるように、初期位置においては、第1の開口549は、本明細書においては断面にて示される収集コンテナ582の上部開口端部590に整列される。流体が、方向矢印Rにより示されるような方向に貫通穴546を通り送られる。この構成においては、第2の開口551の少なくとも1つの表面が、収集コンテナ582の側壁部に接触する一方で、第2の開口551の別の表面が、収集コンテナ582の内部において自由な状態に留まる。したがって、ギャップが、収集コンテナ582の側壁部と、貫通穴546の第2の開口551との間に設けられ、それにより流体が、貫通穴546から出て、収集コンテナ582の内部に進入することが可能となる。
【0081】
回転力が印加される際には、機械的セパレータ540は、本明細書において説明されるようなフロート構成要素およびバラスト構成要素のモーメントにより、方向矢印Sに沿って図36に図示されるような初期位置から図37に図示されるようなシーリング位置まで移行する。この構成においては、貫通穴546の第1の開口549および第2の開口551は共に、収集コンテナ582の上部開口端部590との整列状態からは外され、貫通穴546内に流体が送られないようになされる。第2のシーリング外周部595が、機械的セパレータ540の周囲にさらに確立されて、流体が、機械的セパレータ540と収集コンテナ582との間を、または機械的セパレータ540の貫通穴546内を通過することが不可能となり、それによりバリアが有効に確立されるようになされる。
【0082】
さらに別の構成においては、図38〜図39に図示されるように、回転力が印加される際の機械的セパレータ640の伸長が例示される。この構成においては、機械的セパレータ640は、フロート642およびバラスト644を備えてもよく、第3のセクション643が、フロート642およびバラスト644を接合する。本明細書においては、この構成において、フロート642およびバラスト644が共に、バラスト644の密度よりも低い密度をフロート642が有する状態にて、実質的に合成の材料から作製され得ることが予期される。これらの構成要素間の伸長を可能にするために、TPEなどの可撓性材料から形成される第3のセクション643が、これらの構成要素間に設けられてもよい。遠心分離の際に、第3のセクション643は、図39に図示されるように、上述のフロートの伸長に関連して説明したものと同様の態様で伸長する。第3のセクション643が伸長する際には、流体の比較的高密度の相と比較的低密度の相が、ページ内に延在する方向として図39に図示されるように、流体通過表面645に隣接して通過し得る。
【0083】
再び図2および図40および図41を参照すると、セパレータ体41は、セパレータ体41の、図2に図示される貫通軸Tからずらされた質量中心Rを備えてもよい。この構成においては、機械的セパレータ40は、機械的セパレータ40がクロージャ84の一部分(図41に図示される)または、収集コンテナ82の側壁部86の一部分(図40に図示される)に係合され、かつ質量中心Rが収集コンテナ82の長手方向軸Lの第1の側S1に配向される、第1の位置(図40〜図41などに図示されるような)から、機械的セパレータ40がクロージャからまたは収集コンテナとの初期係合位置から係合解除され、質量中心Rが収集コンテナ82の長手方向軸L間にわたって配向される、図29などに図示されるような第2の位置まで移行される。収集コンテナ82の長手方向軸L間にわたり質量中心Rが移行する際に、ある時点において、機械的セパレータ40のフロート42は、初期の第1の位置から第2のシーリング位置への機械的セパレータ40の移行を可能にするために、セパレータ体41の貫通軸Tに対して実質的に垂直の方向に変形しなければならない。フロート42が伸長する際に、被検物の比較的高密度の相および比較的低密度の相は、機械的セパレータ40、具体的には伸長されたフロート42と、収集コンテナ82の側壁部86との間を通過することができる。収集コンテナ82において、機械的セパレータは、中間位置にある。この中間位置から、機械的セパレータは、引き続いて、シーリング位置に移行することができ、このシーリング位置においては、フロート42の一部分が、印加回転力の終了時に収集コンテナの内部の一部分との間にシーリング係合部を形成する。
【0084】
したがって、本発明の機械的セパレータは、3つの作動段階、すなわち、セパレータ体の貫通穴を介して被検物が供給される初期段階と、セパレータが初期位置から係合解除され、フロート42が伸長されてそれにより比較的高密度の相および比較的低密度の相の通過が可能となる中間段階と、フロート42が収集コンテナの一部分にバリアを形成するシーリング位置との間で移行するものと見なされてもよい。この一連の段階の間に、機械的セパレータは、「開‐開‐閉」として見なされてもよい。ここで、「開」段階は、機械的セパレータが、収集コンテナ内および収集コンテナの周囲における流体の通過を防ぐシーリングバリアを収集コンテナとの間に形成しない状態として定義される。対照的に、「閉」段階は、機械的セパレータが、収集コンテナ内および収集コンテナの周囲における流体の通過を防ぐシーリングバリアを収集コンテナとの間に形成する状態として定義される。
【0085】
さらに、本発明の機械的セパレータは、初期段階において様々なクロージャ構成体と共に使用されるように意図される。図40を参照すると、機械的セパレータ40は、フロート42と初期係合バンド116と収集コンテナ82の側壁部86との間における干渉により初期位置に維持され得る。この構成においては、機械的セパレータ40は、クロージャ84のいずれの部分によっても拘束されない。
【0086】
別の構成においては、図41〜図44に図示されるように、分離アセンブリは、クロージャ84およびクロージャ84の凹部181内に係合されるポスト180を備える。ポスト180は、セパレータ受容端部182およびクロージャ係合端部183を備えてもよい。クロージャ係合端部183は、クロージャ84の凹部181内に位置決めされるように構成されてもよく、任意にはクロージャ84内にポスト180を固定するための少なくとも1つのバーブ184を備えてもよい。セパレータ受容端部182は、セパレータ体41の貫通穴46内に少なくとも部分的に配設され得るように、任意の適切な縦断面を有してもよい。一実施形態においては、セパレータ受容端部182は、実質的に円形の断面を有する。別の実施形態においては、セパレータ受容端部182は、実質的に楕円形の断面を有する。セパレータ受容端部182は、貫通穴46内にぴったりと嵌ることにより、機械的セパレータ40と解除自在に係合状態になされるように、寸法設定される。さらに、ポスト180は、収集コンテナ82の内部に配置されるように構成され、収集コンテナ82の長手方向軸に沿って整列されたポスト貫通穴186を備える。機械的セパレータ40が、ポスト180に係合されると、流体経路が、機械的セパレータ40の貫通穴46とポスト180のポスト貫通穴186との間に形成される。これにより、収集コンテナ82内に流体試料を送るための「シールされた」流体経路が有効に形成される。回転力が印加されると、機械的セパレータは、機械的セパレータが回転を加えられる際にポスト180から下方向に離れるように引かれるにつれて、軸方向回転の前に若干長手方向への移動を受ける。
【0087】
図45〜図46を参照すると、第1の内部786および第1の外部787を画定する開口上端部784および第1の側壁部785を有する第1の領域783を有する収集コンテナ782を備える、代替的な分離アセンブリが、図示されている。さらに、収集コンテナ782は、第2の内部791および第2の外部792を画定する閉鎖底端部789および第2の側壁部790を有する第2の領域を備える。この構成においては、第1の領域783および第2の領域788は、第1の内部786および第2の内部791が流体連通状態になされるように、長手方向軸LAに沿って整列される。第1の内部786は、第1の直径DFを有し、第2の直径791は、第2の直径DSを有し、第1の直径DFは、第2の直径DSよりも大きい。また、収集コンテナ782は、第1の領域783から第2の領域788まで流体が中を通過することが可能な、第1の領域783と第2の領域788との間に延在する少なくとも1つの流体フルート793を備える。この構成においては、第1の領域783の第1の外部787は、16mm収集試験管に合致する縦断面を有してもよく、第2の領域788の第2の外部792は、13mm収集試験管に合致する縦断面を有してもよい。
【0088】
第1の領域783の第1の内部786は、本明細書において説明される構成のいずれかにおいて中に機械的セパレータ40を収容するように寸法設定されてもよい。第2の内部791は、初期位置において、および印加回転力がないときに、機械的セパレータ40の一部分が中を通過するのを少なくとも部分的に抑制するように寸法設定される。回転力が印加される際には、機械的セパレータ40のフロート部分42は、伸長することができ、それにより、機械的セパレータ40の有効直径が縮小され、第2の内部791の中に機械的セパレータが進むことが可能となる。この構成においては、収集コンテナ782内への流体試料の導入が、貫通穴46を介してではなくセパレータ体41の周囲において行われるため、機械的セパレータ40の貫通穴46の配向は、問題とはならない。具体的には、流体は、収集コンテナ782内に、第1の内部786の中へと、および機械的セパレータ40の周囲へと導入される。次いで、試料は、流体フルート793により第2の内部791内に進む。したがって、機械的セパレータ40の初期配向は、この実施形態におけるセパレータの機能とは無関係となる。
【0089】
本発明のさらなる一実施形態によれば、図46Aに図示されるように、機械的セパレータが、本明細書において説明されるように、開口上端部784Aと閉鎖底端部785Aとの間に延在する側壁部783Aの一部分に沿って軽微なテーパ部を有する収集コンテナ782Aと共に使用され得る。この構成においては、収集コンテナ782Aは、図46Aの第1の領域インジケータセクションAを備える。第1の領域インジケータセクションAは、開口上端部784Aから距離786Aの位置に、側壁部783Aの一部分に沿って配設される。さらに、収集コンテナ782Aは、図46Aの第2の領域インジケータセクションBを備えてもよい。第2の領域インジケータセクションBは、開口上端部784Aから距離788Aの位置に、側壁部783の一部分に沿って配設される。一構成においては、第1の領域インジケータセクションAと第2の領域インジケータセクションBとの間に画定される領域が、テーパ部を実質的に有さなくてもよい。別の構成においては、第1の領域インジケータセクションAと第2の領域インジケータセクションBとの間に画定される領域が、実質的に軽微な内方テーパ部を有してもよい。さらなる一実施形態においては、第1の領域インジケータセクションAと第2の領域インジケータセクションBとの間に画定される領域が、分離すべき液体の分離された比較的高密度の相と比較的低密度の相との間における予期される分離移行に関するものとなり得る。
【0090】
図47〜図48に図示されるさらに別の実施形態においては、分離アセンブリは、収集コンテナ852とシーリング係合するように構成されたクロージャ850を備える。クロージャ850は、収集コンテナ852の開口端部853内に配置するための受容端部842を備える。受容端部842は、内部空洞部854を画成し、内部空洞部854内に延在するアンダーカット突出部855を備える。クロージャ850のアンダーカット突出部855は、初期位置において、機械的セパレータ40の貫通穴46内に少なくとも部分的に配設される。さらに初期位置においては、セパレータ体41の少なくとも一部分が、内部空洞部854の中に配設される。内部空洞部854内に機械的セパレータ40を配置することにより、機械的セパレータ40は、収集コンテナ852にクロージャ850を組み付ける際にクロージャ850内に捕捉された状態に留まることが確実となる。この構成は、上述のように、第1の領域および第2の領域を有する収集コンテナと共に使用され得る。回転力が印加されると、機械的セパレータ40のフロート42は、伸長して、機械的セパレータ40は、クロージャ850から係合解除されることが可能となる。
【0091】
次に図49〜図59を参照すると、機械的セパレータ40とクロージャ84との間の様々な他の係合が、本明細書においてはさらに予期される。図49に図示されるように、機械的セパレータ40は、初期位置において、貫通穴46内に配設された有角係合ボス900を備えてもよい。図50に図示されるように、機械的セパレータ40は、初期位置において、貫通穴46内に配設された実質的に円筒状の係合ボス901を備えてもよい。クロージャ903に機械的セパレータ40をさらに固定し、クロージャ903を介した収集コンテナ906内への「シールされた」流体経路を確立するために、クロージャ903の側面部分902が、第1の開口905に隣接する機械的セパレータ40の外側表面904に隣接して設けられてもよい。
【0092】
図51〜図52を参照すると、シーラント907が、機械的セパレータ40およびクロージャ903をさらに固定するために、上述のように側面部分902に隣接して設けられてもよい。シーラント907は、初期位置において、機械的セパレータ40を定位置に保持するのに十分な粘着性を有するが、回転力が印加されるとクロージャ903から機械的セパレータ40を開放し得るのに十分な弱さであってもよい。
【0093】
図53を参照すると、さらに別の代替的な有角係合ボス908が、初期位置において貫通穴46内に配設されてもよい。図54〜図55を参照すると、クロージャ910は、機械的セパレータ40との係合のために、2つなど少なくとも1つの垂下アーム911を備えてもよい。一構成においては、各垂下アーム911が、初期位置において貫通穴46内に機械的セパレータ40の一部分を係合するための接触突出部912を備える。接触突出部912と機械的セパレータ40との間の干渉は、初期位置においてクロージャ910により機械的セパレータ40を拘束するが、回転力が印加されるとクロージャ910から機械的セパレータ40を係合解除し得るのに十分なものであってもよい。
【0094】
図56〜図57を参照すると、クロージャ915は、クロージャ915に成形インサート916をさらに固定するためのウェッジバスケット917を有する成形インサート916を備えてもよい。上述のように、成形インサート916は、上述のように、貫通穴46を介して機械的セパレータ40に係合するためのセパレータ受容端部918と、閉鎖係合端部919とを備えてもよい。図58を参照すると、別の成形インサート920が、クロージャ922に成形インサート920をさらに固定するための少なくとも1つのバーブ921を備えてもよい。図59を参照すると、さらに別の成形インサート930が、クロージャ932に成形インサート930をさらに固定するための少なくとも1つの突出部931を備えてもよい。
【0095】
図60〜図68を参照すると、本明細書において開示される分離アセンブリは、初期位置において機械的セパレータ40の一部分に取外し自在に係合されたキャリア650をさらに備えてもよい。これらの構成のそれぞれにおいて、キャリア650は、回転力を印加されると機械的セパレータ40から係合解除され、血塊またはフィブリン鎖が機械的セパレータ40の作動を阻害するのを防ぐために、機械的セパレータ40の下方に位置する流体相に進入する。
【0096】
図60に図示されるように、キャリア650は、クロージャ652の一部分に取外し自在に係合するためのクロージャ係合部分651と、貫通穴46などの通り機械的セパレータ40の一部分と取外し自在に係合するための垂下部分653とを備えてもよい。図61に図示されるように、キャリア650は、複数のフランジ654を有するクロージャ係合部分651をさらに備えてもよい。さらに、キャリア650は、貫通穴46内などの機械的セパレータ40の一部分に係合するための、湾曲セパレータ係合部分655を備えてもよい。回転力が印加されると、機械的セパレータ40は、初期位置から係合解除され、本明細書において説明されるように回転する。機械的セパレータ40が回転すると、湾曲セパレータ係合部分655は、収縮し、機械的セパレータ40がキャリア650から分離されるのを可能にする。
【0097】
図63〜図66を参照すると、キャリア650は、さらに、クロージャ660とは逆の方向に機械的セパレータ40に取外し自在に連結されてもよい。図67〜図68を参照すると、キャリア650は、任意には、図68に図示されるように、接触がなされた場合に試料内に拡散する溶解可能材料から構成されてもよい。
【0098】
本発明の機械的セパレータの重要な利点の1つは、この機械的セパレータが、収集コンテナ内への流体試料の進入を可能にするために、針カニューレによる穿刺を要さないという点である。上述の実施形態のそれぞれにおいて、アセンブリが、遠心分離などの印加回転力を受けると、血液などの被検物の各相が、収集コンテナの底部の方向に変位される比較的高密度の相と、収集コンテナの上部の方向に変位される比較的低密度の相とに分離し始める。印加回転力は、閉鎖底端部の方向に機械的セパレータのバラストを付勢し、収集コンテナの上端部の方向にフロートを付勢する。バラストのこの移動により、フロートの長手方向変形が生じる。その結果、フロートは、さらに長くさらに細くなり、収集コンテナの円筒状側壁部の内方表面から同心状に内方に離間される。したがって、血液の比較的軽量相の構成成分は、フロートを越えて滑動し、上方向に移動することが可能となり、同様に、血液の比較的重量相の構成成分は、フロートを越えて滑動し、下方向に移動することが可能となる。
【0099】
上述のように、本発明の機械的セパレータは、典型的には、血液の分離された層の密度同士の間の全密度を有する。その結果、機械的セパレータは、比較的重量相の構成成分が機械的セパレータと収集コンテナの閉鎖底端部との間に位置し、比較的軽量相の構成成分が機械的セパレータと収集コンテナの上端部との間に位置する状態で、収集コンテナ内のある位置に安定することとなる。
【0100】
この単低下された状態に達すると、遠心分離機は停止され、フロートは、その非付勢状態に、および収集コンテナの円筒状側壁部の内側とのシーリング係合状態に、弾性的に戻る。次いで、形成された液体相が、分析のために個別に評価され得る。一実施形態においては、本発明の組み立てられた機械的セパレータは、13mm収集試験管内に嵌るように縮尺設定されてもよい。
【0101】
使用時に、本発明の機械的セパレータは、デバイスプリローンチを最小限に抑え、カニューレ穿刺の必要性を解消し、これにより、クロージャの下方における試料の貯留が実質的に不要となる。さらに、機械的セパレータの隙間が縮小されることにより、血清および血漿などの捕獲される流体相の低下が最小限に抑えられる。
【0102】
本発明は、機械的セパレータアセンブリおよび使用方法の複数の異なる実施形態を参照として説明されるが、当業者は、その範囲および趣旨から逸脱することなく、変更形態および代替形態を実施することができる。したがって、上記の詳細な説明は、限定的なものではなく例示的なものとして意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収集コンテナ内において第1の相および第2の相に流体試料を分離するための機械的セパレータであって、
中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備え、前記貫通穴は、流体が中を通過し得るように構成され、前記セパレータ体は、
第1の密度を有するフロート、および
前記第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備え、
前記フロートの一部分が前記バラストの一部分に連結されていることを特徴とする機械的セパレータ。
【請求項2】
前記機械的セパレータの少なくとも一部分が、回転楕円形状を有することを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項3】
前記フロートは、外側表面および接合表面を備え、前記バラストは、前記フロートの前記接合表面に連結される接触表面および外側表面を備え、前記フロートの前記外側表面および前記バラストの前記外側表面は、共に合わされて、回転楕円形状を形成することを特徴とする請求項2に記載の機械的セパレータ。
【請求項4】
前記フロートは、中に流体を通過させ得るように構成された貫通穴を画成することを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項5】
前記貫通穴は、円形断面を有することを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項6】
前記貫通穴は、楕円形断面を有することを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項7】
前記貫通穴は、貫通軸に沿って画成され、前記フロートは、回転力が印加される際に前記貫通軸に対して垂直の方向に変形するようになされることを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項8】
前記フロートは、前記貫通穴の第1の開口に隣接する第1の延在タブおよび前記貫通穴の第2の開口に隣接する第2の延在タブをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項9】
前記第1の延在タブおよび前記第2の延在タブは、前記貫通穴の少なくとも部分的に上方および周囲に設けられ、前記フロートの一部分から前記セパレータ体の前記貫通穴に平行な方向にラジアル方向に外方に延在することを特徴とする請求項8に記載の機械的セパレータ。
【請求項10】
前記第1の延在タブ、前記フロートの上方表面、および前記第2の延在タブは、少なくとも部分的に凸状の上方フロート表面を形成することを特徴とする請求項8に記載の機械的セパレータ。
【請求項11】
前記セパレータ体は、前記フロートの外方表面の一部分の周囲に配設された延在タブバンドをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項12】
前記延在タブバンドの第1の部分が、前記貫通穴の第1の開口に隣接して配設され、前記延在タブバンドの第2の部分が、前記貫通穴の第2の開口に隣接して配設されることを特徴とする請求項11に記載の機械的セパレータ。
【請求項13】
前記延在タブバンドの前記第1の部分および前記第2の部分の少なくとも一方が、凹状の下方向配向を有することを特徴とする請求項12に記載の機械的セパレータ。
【請求項14】
前記延在タブバンドの前記第1の部分および前記第2の部分の少なくとも一方が、前記貫通穴の前記第1の開口および前記第2の開口の少なくとも一方の上方部分の周囲に、外方延在弧形状で配向されることを特徴とする請求項12に記載の機械的セパレータ。
【請求項15】
前記延在タブバンドの前記第1の部分および前記第2の部分の少なくとも一方が、前記フロートからラジアル方向に外方に延在することを特徴とする請求項14に記載の機械的セパレータ。
【請求項16】
前記延在タブバンドの前記第1の延在部分の少なくとも一部分および前記第2の延在部分の少なくとも一部分が、同一の形状および湾曲を有することを特徴とする請求項12に記載の機械的セパレータ。
【請求項17】
前記延在タブバンドは、前記セパレータ体の各連結側に配設された、前記第1の延在部分と前記第2の延在部分との間に配設され、前記第1の延在部分および前記第2の延在部分を連結する、接合部分をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の機械的セパレータ。
【請求項18】
前記延在タブバンドの前記第1の延在部分および前記第2の延在部分は、凹状下方向配向を有し、前記延在タブバンドの前記接合部分は、凹状の上方向配向を有することを特徴とする請求項17に記載の機械的セパレータ。
【請求項19】
前記フロートは、前記延在タブバンドを備えることを特徴とする請求項11に記載の機械的セパレータ。
【請求項20】
前記フロートおよび前記延在タブバンドは、TPEから形成され、前記バラストは、PETから形成されることを特徴とする請求項11に記載の機械的セパレータ。
【請求項21】
前記セパレータ体の少なくとも一部分の周囲に円周方向に配設される初期係合バンドをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項22】
前記初期係合バンドは、連続的である、および少なくとも部分的にセグメント化される、の少なくとも一方であることを特徴とする請求項21に記載の機械的セパレータ。
【請求項23】
前記初期係合バンドおよび前記フロートは、同一の材料から形成されることを特徴とする請求項21に記載の機械的セパレータ。
【請求項24】
前記初期係合バンドは、前記バラストの少なくとも一部分を二等分することを特徴とする請求項21に記載の機械的セパレータ。
【請求項25】
前記バラストは、ベース部分および前記フロートの一部分に係合するための接合構造体を備えることを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項26】
前記接合構造体は、前記フロートの一部分に係合するための複数のアームを備えることを特徴とする請求項25に記載の機械的セパレータ。
【請求項27】
前記接合構造体は、前記フロートと前記バラストとの間に撓曲部をもたらすことを特徴とする請求項25に記載の機械的セパレータ。
【請求項28】
前記フロートの少なくとも一部分が、円形外方外周部を有し、前記フロートの少なくとも一部分が、前記貫通穴に対して垂直方向の湾曲断面を有することを特徴とする請求項25に記載の機械的セパレータ。
【請求項29】
前記フロートは、前記バラストの一部分に係合するための接合構造体を備えることを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項30】
前記接合構造体は、前記バラストの一部分に係合するための複数のアームを備えることを特徴とする請求項28に記載の機械的セパレータ。
【請求項31】
前記接合構造体は、前記フロートと前記バラストとの間に撓曲部をもたらすことを特徴とする請求項28に記載の機械的セパレータ。
【請求項32】
第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリであって、
第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する側壁部を有する、収集コンテナであり、前記第1の端部と前記第2の端部との間に長手方向軸を画定する、収集コンテナと、
中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備える機械的セパレータであり、前記セパレータ体は、回転力が印加されると、前記貫通穴が流体の通過を可能にするための開位置に配向される第1の初期位置から、前記貫通穴が中に流体を受けるのを防ぐための閉位置に配向される第2のシーリング位置まで移行するように構成される、機械的セパレータと
を備えることを特徴とする分離アセンブリ。
【請求項33】
前記収集コンテナの前記第1の端部とシーリング係合するように構成されたクロージャをさらに備え、前記機械的セパレータは、前記クロージャの一部分と取外し自在に係合されることを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項34】
前記機械的セパレータは、前記第1の初期位置において前記クロージャの一部分に係合され、前記機械的セパレータは、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの前記側壁部の一部分に係合されることを特徴とする請求項33に記載の分離アセンブリ。
【請求項35】
前記クロージャは、前記セパレータ体が前記第1の初期位置にある場合に、前記セパレータ体の一部分と前記クロージャとの間に流体シール部を形成するために、前記貫通穴の一部分の中に配設される係合ボスをさらに備えることを特徴とする請求項33に記載の分離アセンブリ。
【請求項36】
前記貫通穴の少なくとも一部分が、前記第1の初期位置においては前記収集コンテナの前記長手方向軸に沿って配向され、前記貫通穴の少なくとも一部分が、前記第2のシーリング位置においては前記収集コンテナの前記長手方向軸に対して垂直方向に配向されることを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項37】
前記開位置から前記閉位置への前記貫通穴の移行は、前記第1の初期位置から前記第2のシーリング位置への前記機械的セパレータの回転と共に生ずることを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項38】
前記機械的セパレータは、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの一部分に密閉的に係合して、前記機械的セパレータの中または周囲に流体が流れるのを防ぐことを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項39】
前記セパレータ体は、前記貫通穴の第1の開口に隣接する第1の延在タブと、前記貫通穴の前記第2の開口に隣接する第2の延在タブとをさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項40】
前記第1の延在タブおよび前記第2の延在タブは、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの前記側壁部の一部分に係合することを特徴とする請求項39に記載の分離アセンブリ。
【請求項41】
前記セパレータ体は、前記フロートの外方表面の一部分の周囲に配設された延在タブバンドをさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項42】
前記延在タブバンドは、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの前記側壁部の一部分に係合することを特徴とする請求項41に記載の分離アセンブリ。
【請求項43】
前記延在タブバンドは、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの前記側壁部との間に連続シール部を形成することを特徴とする請求項41に記載の分離アセンブリ。
【請求項44】
前記バラストは、前記フロートの一部分に係合するための接合構造体を備え、前記フロートの少なくとも一部分が、前記貫通穴に対して垂直方向の湾曲断面を有する円形外方外周部を備え、前記フロートの前記外方外周部は、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの前記側壁部との間に連続シール部を形成することを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項45】
前記フロートは、前記バラストの一部分に係合するための接合構造体を備え、前記フロートの少なくとも一部分が、前記貫通穴に対して垂直方向の湾曲断面を有する円形外方外周部を備え、前記フロートの前記外方外周部は、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの前記側壁部との間に連続シール部を形成することを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項46】
第1の相および第2の相に流体試料を分離させることを可能にするための分離アセンブリであって、
第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する側壁部を有する、収集コンテナと、
中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備える機械的セパレータであり、前記セパレータ体は、収集コンテナの第1の部分とシーリング係合すると共に、前記収集コンテナ内に前記貫通穴を介して試料を送るのを可能にするための第1のシーリング外周部と、前記収集コンテナの第2の部分とシーリング係合すると共に、前記第1の相と前記第2の相との間を分離するためのバリアを維持するための第2のシーリング外周部とを有する、機械的セパレータと
を備えることを特徴とする分離アセンブリ。
【請求項47】
前記収集コンテナの開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャをさらに備え、前記機械的セパレータは、前記クロージャの一部分に取外し自在に係合されることを特徴とする請求項46に記載の分離アセンブリ。
【請求項48】
第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリであって、
内部を画成する、開口端部、閉鎖端部、および前記開口端部と前記閉鎖端部との間に延在する側壁部を有する、収集コンテナであり、前記開口端部と前記閉鎖端部との間に長手方向軸をさらに画定する、収集コンテナと、
前記収集コンテナの前記開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャと、
前記クロージャと係合され、前記収集コンテナ内に位置するように構成された、ポストであり、前記収集コンテナの前記長手方向軸に沿って整列されたポスト貫通穴を有する、ポストと、
前記ポストに取外し自在に係合される機械的セパレータであり、前記機械的セパレータは、貫通軸に沿って中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備え、前記貫通穴は、中に流体が通過し得るように構成され、前記セパレータ体は、
第1の密度を有するフロート、および
前記第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備え、前記フロートの一部分が前記バラストの一部分に連結され、
前記ポストの一部分が、前記セパレータの前記貫通穴内に受容されて、初期の第1の位置において前記ポストおよび前記機械的セパレータを貫通する流体経路を形成することを特徴とする分離アセンブリ。
【請求項49】
前記セパレータ体は、前記セパレータ体の一部分の周囲に円周方向に配設された初期係合バンドをさらに備えることを特徴とする請求項48に記載の分離アセンブリ。
【請求項50】
前記初期係合バンドおよび前記フロートは、同一の材料から形成され、前記初期係合バンドは、前記バラストの少なくとも一部分を二等分することを特徴とする請求項49に記載の分離アセンブリ。
【請求項51】
前記セパレータ体は、前記ポストの一部分が前記貫通穴内に配設され、前記セパレータ体が中に流体を通過させ得る開位置に配向される、第1の初期位置、および、回転力の印加時に、前記セパレータ体が前記ポストから係合解除され、前記貫通穴が中に流体を受けるのを防ぐための閉位置に配向される、第2のシーリング位置から移行するように構成されることを特徴とする請求項48に記載の分離アセンブリ。
【請求項52】
前記開位置から前記閉位置への前記セパレータ体の前記移行は、前記ポストから係合解除するための前記セパレータ体の軸方向移動と、初期の第1の位置から第2のシーリング位置への前記セパレータ体の回転移動とを含むことを特徴とする請求項51に記載の分離アセンブリ。
【請求項53】
第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリであって、
内部を画成する、開口端部、閉鎖端部、および前記開口端部と前記閉鎖端部との間に延在する側壁部を有する、収集コンテナであり、前記開口端部と前記閉鎖端部との間に長手方向軸をさらに画定する、収集コンテナと、
前記収集コンテナの前記開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャであり、前記クロージャは、前記収集コンテナの前記開口端部内に位置するための受容端部を有し、前記受容端部は、内部空洞部を画成し、前記内部空洞部内に延在するアンダーカット突出部を備える、クロージャと
前記クロージャと取外し自在に係合される機械的セパレータであり、前記機械的セパレータは、貫通軸に沿って中に画成される貫通穴を有するセパレータ体を備え、前記貫通穴は、中に流体が通過し得るように構成され、前記セパレータ体は、
第1の密度を有するフロート、および
前記第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストであり、前記フロートの一部分が前記バラストの一部分に連結される、バラスト
を備える、機械的セパレータと
を備え、
前記クロージャの前記アンダーカット突出部は、前記セパレータの前記貫通穴の中に配設され、前記セパレータ体の少なくとも一部分が、初期の第1の位置において前記クロージャの前記内部空洞部内に配設されることを特徴とする分離アセンブリ。
【請求項54】
第1の内部および第1の外部を画成する開口上端部および第1の側壁部を有する第1の領域と、
第2の内部および第2の外部を画成する閉鎖底端部および第2の側壁部を有する第2の領域であり、前記第1の領域および前記第2の領域は、前記第1の内部および前記第2の内部が流体連通状態になされるように、長手方向軸に沿って整列され、前記第1の内部の直径が、前記第2の内部の直径よりも大きい、第2の領域と、
前記第1の領域と前記第2の領域との間に延在して、流体が前記第1の領域から前記第2の領域まで中を通過することを可能にする少なくとも1つの流体フルートと
を備えることを特徴とする収集コンテナ。
【請求項55】
前記第1の外部は、16mm縦断面を有し、前記第2の外部は、13mm縦断面を有することを特徴とする請求項54に記載の収集コンテナ。
【請求項56】
前記第1の内部は、機械的セパレータを中に収容するように寸法設定され、前記第2の内部は、印加回転力がないときに中に前記機械的セパレータの一部分が通過するのを少なくとも部分的に抑制するように寸法設定されることを特徴とする請求項54に記載の収集コンテナ。
【請求項57】
第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリであって、
収集コンテナであり、
第1の内部および第1の外部を画成する開口上端部および第1の側壁部を有する第1の領域、
第2の内部および第2の外部を画成する閉鎖底端部および第2の側壁部を有する第2の領域であり、前記第1の領域および前記第2の領域は、前記第1の内部および前記第2の内部が流体連通状態になされるように、長手方向軸に沿って整列され、前記第1の内部の直径が、前記第2の内部の直径よりも大きい、第2の領域、および
前記第1の領域と前記第2の領域との間に延在して、流体が前記第1の領域から前記第2の領域まで中を通過することを可能にする少なくとも1つの流体フルート
を備える、収集コンテナと、
機械的セパレータであり、
第1の密度を有するフロート、および
前記第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備え、前記フロートの一部分が、前記バラストの一部分に連結され、
前記機械的セパレータの少なくとも一部分が、初期の第1の位置において前記第2の領域に進入することが防がれ、前記機械的セパレータは、第2のシーリング位置まで回転力を印加した際に前記第2の領域内に移行されることを特徴とする分離アセンブリ。
【請求項58】
前記機械的セパレータは、中に画成され、中に流体が流れ得るように構成された、貫通穴を有するセパレータ体を備えることを特徴とする請求項57に記載の分離アセンブリ。
【請求項59】
第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリであって、
内部を画成する、第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する側壁部を有する、収集コンテナと、
前記収集コンテナの前記開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャと、
初期の第1の位置において前記クロージャおよび前記収集コンテナの前記側壁部の少なくとも一方により解放自在に拘束された機械的セパレータであり、前記機械的セパレータは、貫通軸に沿って中に画成される貫通穴を有するセパレータ体を備え、前記貫通穴は、中に流体が通過し得るように構成され、前記セパレータ体は、
第1の密度を有するフロート、および
前記第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストであり、前記フロートの一部分が前記バラストの一部分に連結される、バラスト
を備える、機械的セパレータと、
前記初期位置において前記機械的セパレータの一部分に取外し自在に係合されるキャリアと
を備え、
回転力が印加されると、前記セパレータ体は、流体が前記貫通穴を通過し得る初期位置から、前記機械的セパレータにより前記セパレータ体の中または周囲における流体の通過が防がれるシーリング位置まで移行し、回転力が印加されると、前記キャリアは、前記機械的セパレータから係合解除されることを特徴とする分離アセンブリ。
【請求項60】
内部を画成する、第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する側壁部を有する、収集コンテナと、
フロートおよびバラストを備え、第1の位置からシーリング位置まで移動することが可能な、機械的セパレータと
を備え、
前記シーリング位置においては、シーリング外周部が、前記内部の少なくとも一部分と前記セパレータとの間に確立され、前記シーリング外周部は、前記内部の一部分の周囲に変動的な位置を有し、前記変動的な位置は、平均シーリング高さを画定し、
前記機械的セパレータは、前記収集コンテナ内に最大高さおよび最小高さを有し、前記平均シーリング高さは、前記最大高さから前記最小高さを差し引いたものを下回ることを特徴とする分離アセンブリ。
【請求項1】
収集コンテナ内において第1の相および第2の相に流体試料を分離するための機械的セパレータであって、
中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備え、前記貫通穴は、流体が中を通過し得るように構成され、前記セパレータ体は、
第1の密度を有するフロート、および
前記第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備え、
前記フロートの一部分が前記バラストの一部分に連結されていることを特徴とする機械的セパレータ。
【請求項2】
前記機械的セパレータの少なくとも一部分が、回転楕円形状を有することを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項3】
前記フロートは、外側表面および接合表面を備え、前記バラストは、前記フロートの前記接合表面に連結される接触表面および外側表面を備え、前記フロートの前記外側表面および前記バラストの前記外側表面は、共に合わされて、回転楕円形状を形成することを特徴とする請求項2に記載の機械的セパレータ。
【請求項4】
前記フロートは、中に流体を通過させ得るように構成された貫通穴を画成することを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項5】
前記貫通穴は、円形断面を有することを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項6】
前記貫通穴は、楕円形断面を有することを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項7】
前記貫通穴は、貫通軸に沿って画成され、前記フロートは、回転力が印加される際に前記貫通軸に対して垂直の方向に変形するようになされることを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項8】
前記フロートは、前記貫通穴の第1の開口に隣接する第1の延在タブおよび前記貫通穴の第2の開口に隣接する第2の延在タブをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項9】
前記第1の延在タブおよび前記第2の延在タブは、前記貫通穴の少なくとも部分的に上方および周囲に設けられ、前記フロートの一部分から前記セパレータ体の前記貫通穴に平行な方向にラジアル方向に外方に延在することを特徴とする請求項8に記載の機械的セパレータ。
【請求項10】
前記第1の延在タブ、前記フロートの上方表面、および前記第2の延在タブは、少なくとも部分的に凸状の上方フロート表面を形成することを特徴とする請求項8に記載の機械的セパレータ。
【請求項11】
前記セパレータ体は、前記フロートの外方表面の一部分の周囲に配設された延在タブバンドをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項12】
前記延在タブバンドの第1の部分が、前記貫通穴の第1の開口に隣接して配設され、前記延在タブバンドの第2の部分が、前記貫通穴の第2の開口に隣接して配設されることを特徴とする請求項11に記載の機械的セパレータ。
【請求項13】
前記延在タブバンドの前記第1の部分および前記第2の部分の少なくとも一方が、凹状の下方向配向を有することを特徴とする請求項12に記載の機械的セパレータ。
【請求項14】
前記延在タブバンドの前記第1の部分および前記第2の部分の少なくとも一方が、前記貫通穴の前記第1の開口および前記第2の開口の少なくとも一方の上方部分の周囲に、外方延在弧形状で配向されることを特徴とする請求項12に記載の機械的セパレータ。
【請求項15】
前記延在タブバンドの前記第1の部分および前記第2の部分の少なくとも一方が、前記フロートからラジアル方向に外方に延在することを特徴とする請求項14に記載の機械的セパレータ。
【請求項16】
前記延在タブバンドの前記第1の延在部分の少なくとも一部分および前記第2の延在部分の少なくとも一部分が、同一の形状および湾曲を有することを特徴とする請求項12に記載の機械的セパレータ。
【請求項17】
前記延在タブバンドは、前記セパレータ体の各連結側に配設された、前記第1の延在部分と前記第2の延在部分との間に配設され、前記第1の延在部分および前記第2の延在部分を連結する、接合部分をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の機械的セパレータ。
【請求項18】
前記延在タブバンドの前記第1の延在部分および前記第2の延在部分は、凹状下方向配向を有し、前記延在タブバンドの前記接合部分は、凹状の上方向配向を有することを特徴とする請求項17に記載の機械的セパレータ。
【請求項19】
前記フロートは、前記延在タブバンドを備えることを特徴とする請求項11に記載の機械的セパレータ。
【請求項20】
前記フロートおよび前記延在タブバンドは、TPEから形成され、前記バラストは、PETから形成されることを特徴とする請求項11に記載の機械的セパレータ。
【請求項21】
前記セパレータ体の少なくとも一部分の周囲に円周方向に配設される初期係合バンドをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項22】
前記初期係合バンドは、連続的である、および少なくとも部分的にセグメント化される、の少なくとも一方であることを特徴とする請求項21に記載の機械的セパレータ。
【請求項23】
前記初期係合バンドおよび前記フロートは、同一の材料から形成されることを特徴とする請求項21に記載の機械的セパレータ。
【請求項24】
前記初期係合バンドは、前記バラストの少なくとも一部分を二等分することを特徴とする請求項21に記載の機械的セパレータ。
【請求項25】
前記バラストは、ベース部分および前記フロートの一部分に係合するための接合構造体を備えることを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項26】
前記接合構造体は、前記フロートの一部分に係合するための複数のアームを備えることを特徴とする請求項25に記載の機械的セパレータ。
【請求項27】
前記接合構造体は、前記フロートと前記バラストとの間に撓曲部をもたらすことを特徴とする請求項25に記載の機械的セパレータ。
【請求項28】
前記フロートの少なくとも一部分が、円形外方外周部を有し、前記フロートの少なくとも一部分が、前記貫通穴に対して垂直方向の湾曲断面を有することを特徴とする請求項25に記載の機械的セパレータ。
【請求項29】
前記フロートは、前記バラストの一部分に係合するための接合構造体を備えることを特徴とする請求項1に記載の機械的セパレータ。
【請求項30】
前記接合構造体は、前記バラストの一部分に係合するための複数のアームを備えることを特徴とする請求項28に記載の機械的セパレータ。
【請求項31】
前記接合構造体は、前記フロートと前記バラストとの間に撓曲部をもたらすことを特徴とする請求項28に記載の機械的セパレータ。
【請求項32】
第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリであって、
第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する側壁部を有する、収集コンテナであり、前記第1の端部と前記第2の端部との間に長手方向軸を画定する、収集コンテナと、
中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備える機械的セパレータであり、前記セパレータ体は、回転力が印加されると、前記貫通穴が流体の通過を可能にするための開位置に配向される第1の初期位置から、前記貫通穴が中に流体を受けるのを防ぐための閉位置に配向される第2のシーリング位置まで移行するように構成される、機械的セパレータと
を備えることを特徴とする分離アセンブリ。
【請求項33】
前記収集コンテナの前記第1の端部とシーリング係合するように構成されたクロージャをさらに備え、前記機械的セパレータは、前記クロージャの一部分と取外し自在に係合されることを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項34】
前記機械的セパレータは、前記第1の初期位置において前記クロージャの一部分に係合され、前記機械的セパレータは、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの前記側壁部の一部分に係合されることを特徴とする請求項33に記載の分離アセンブリ。
【請求項35】
前記クロージャは、前記セパレータ体が前記第1の初期位置にある場合に、前記セパレータ体の一部分と前記クロージャとの間に流体シール部を形成するために、前記貫通穴の一部分の中に配設される係合ボスをさらに備えることを特徴とする請求項33に記載の分離アセンブリ。
【請求項36】
前記貫通穴の少なくとも一部分が、前記第1の初期位置においては前記収集コンテナの前記長手方向軸に沿って配向され、前記貫通穴の少なくとも一部分が、前記第2のシーリング位置においては前記収集コンテナの前記長手方向軸に対して垂直方向に配向されることを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項37】
前記開位置から前記閉位置への前記貫通穴の移行は、前記第1の初期位置から前記第2のシーリング位置への前記機械的セパレータの回転と共に生ずることを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項38】
前記機械的セパレータは、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの一部分に密閉的に係合して、前記機械的セパレータの中または周囲に流体が流れるのを防ぐことを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項39】
前記セパレータ体は、前記貫通穴の第1の開口に隣接する第1の延在タブと、前記貫通穴の前記第2の開口に隣接する第2の延在タブとをさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項40】
前記第1の延在タブおよび前記第2の延在タブは、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの前記側壁部の一部分に係合することを特徴とする請求項39に記載の分離アセンブリ。
【請求項41】
前記セパレータ体は、前記フロートの外方表面の一部分の周囲に配設された延在タブバンドをさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項42】
前記延在タブバンドは、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの前記側壁部の一部分に係合することを特徴とする請求項41に記載の分離アセンブリ。
【請求項43】
前記延在タブバンドは、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの前記側壁部との間に連続シール部を形成することを特徴とする請求項41に記載の分離アセンブリ。
【請求項44】
前記バラストは、前記フロートの一部分に係合するための接合構造体を備え、前記フロートの少なくとも一部分が、前記貫通穴に対して垂直方向の湾曲断面を有する円形外方外周部を備え、前記フロートの前記外方外周部は、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの前記側壁部との間に連続シール部を形成することを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項45】
前記フロートは、前記バラストの一部分に係合するための接合構造体を備え、前記フロートの少なくとも一部分が、前記貫通穴に対して垂直方向の湾曲断面を有する円形外方外周部を備え、前記フロートの前記外方外周部は、前記第2のシーリング位置において前記収集コンテナの前記側壁部との間に連続シール部を形成することを特徴とする請求項32に記載の分離アセンブリ。
【請求項46】
第1の相および第2の相に流体試料を分離させることを可能にするための分離アセンブリであって、
第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する側壁部を有する、収集コンテナと、
中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備える機械的セパレータであり、前記セパレータ体は、収集コンテナの第1の部分とシーリング係合すると共に、前記収集コンテナ内に前記貫通穴を介して試料を送るのを可能にするための第1のシーリング外周部と、前記収集コンテナの第2の部分とシーリング係合すると共に、前記第1の相と前記第2の相との間を分離するためのバリアを維持するための第2のシーリング外周部とを有する、機械的セパレータと
を備えることを特徴とする分離アセンブリ。
【請求項47】
前記収集コンテナの開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャをさらに備え、前記機械的セパレータは、前記クロージャの一部分に取外し自在に係合されることを特徴とする請求項46に記載の分離アセンブリ。
【請求項48】
第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリであって、
内部を画成する、開口端部、閉鎖端部、および前記開口端部と前記閉鎖端部との間に延在する側壁部を有する、収集コンテナであり、前記開口端部と前記閉鎖端部との間に長手方向軸をさらに画定する、収集コンテナと、
前記収集コンテナの前記開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャと、
前記クロージャと係合され、前記収集コンテナ内に位置するように構成された、ポストであり、前記収集コンテナの前記長手方向軸に沿って整列されたポスト貫通穴を有する、ポストと、
前記ポストに取外し自在に係合される機械的セパレータであり、前記機械的セパレータは、貫通軸に沿って中に画成された貫通穴を有するセパレータ体を備え、前記貫通穴は、中に流体が通過し得るように構成され、前記セパレータ体は、
第1の密度を有するフロート、および
前記第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備え、前記フロートの一部分が前記バラストの一部分に連結され、
前記ポストの一部分が、前記セパレータの前記貫通穴内に受容されて、初期の第1の位置において前記ポストおよび前記機械的セパレータを貫通する流体経路を形成することを特徴とする分離アセンブリ。
【請求項49】
前記セパレータ体は、前記セパレータ体の一部分の周囲に円周方向に配設された初期係合バンドをさらに備えることを特徴とする請求項48に記載の分離アセンブリ。
【請求項50】
前記初期係合バンドおよび前記フロートは、同一の材料から形成され、前記初期係合バンドは、前記バラストの少なくとも一部分を二等分することを特徴とする請求項49に記載の分離アセンブリ。
【請求項51】
前記セパレータ体は、前記ポストの一部分が前記貫通穴内に配設され、前記セパレータ体が中に流体を通過させ得る開位置に配向される、第1の初期位置、および、回転力の印加時に、前記セパレータ体が前記ポストから係合解除され、前記貫通穴が中に流体を受けるのを防ぐための閉位置に配向される、第2のシーリング位置から移行するように構成されることを特徴とする請求項48に記載の分離アセンブリ。
【請求項52】
前記開位置から前記閉位置への前記セパレータ体の前記移行は、前記ポストから係合解除するための前記セパレータ体の軸方向移動と、初期の第1の位置から第2のシーリング位置への前記セパレータ体の回転移動とを含むことを特徴とする請求項51に記載の分離アセンブリ。
【請求項53】
第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリであって、
内部を画成する、開口端部、閉鎖端部、および前記開口端部と前記閉鎖端部との間に延在する側壁部を有する、収集コンテナであり、前記開口端部と前記閉鎖端部との間に長手方向軸をさらに画定する、収集コンテナと、
前記収集コンテナの前記開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャであり、前記クロージャは、前記収集コンテナの前記開口端部内に位置するための受容端部を有し、前記受容端部は、内部空洞部を画成し、前記内部空洞部内に延在するアンダーカット突出部を備える、クロージャと
前記クロージャと取外し自在に係合される機械的セパレータであり、前記機械的セパレータは、貫通軸に沿って中に画成される貫通穴を有するセパレータ体を備え、前記貫通穴は、中に流体が通過し得るように構成され、前記セパレータ体は、
第1の密度を有するフロート、および
前記第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストであり、前記フロートの一部分が前記バラストの一部分に連結される、バラスト
を備える、機械的セパレータと
を備え、
前記クロージャの前記アンダーカット突出部は、前記セパレータの前記貫通穴の中に配設され、前記セパレータ体の少なくとも一部分が、初期の第1の位置において前記クロージャの前記内部空洞部内に配設されることを特徴とする分離アセンブリ。
【請求項54】
第1の内部および第1の外部を画成する開口上端部および第1の側壁部を有する第1の領域と、
第2の内部および第2の外部を画成する閉鎖底端部および第2の側壁部を有する第2の領域であり、前記第1の領域および前記第2の領域は、前記第1の内部および前記第2の内部が流体連通状態になされるように、長手方向軸に沿って整列され、前記第1の内部の直径が、前記第2の内部の直径よりも大きい、第2の領域と、
前記第1の領域と前記第2の領域との間に延在して、流体が前記第1の領域から前記第2の領域まで中を通過することを可能にする少なくとも1つの流体フルートと
を備えることを特徴とする収集コンテナ。
【請求項55】
前記第1の外部は、16mm縦断面を有し、前記第2の外部は、13mm縦断面を有することを特徴とする請求項54に記載の収集コンテナ。
【請求項56】
前記第1の内部は、機械的セパレータを中に収容するように寸法設定され、前記第2の内部は、印加回転力がないときに中に前記機械的セパレータの一部分が通過するのを少なくとも部分的に抑制するように寸法設定されることを特徴とする請求項54に記載の収集コンテナ。
【請求項57】
第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリであって、
収集コンテナであり、
第1の内部および第1の外部を画成する開口上端部および第1の側壁部を有する第1の領域、
第2の内部および第2の外部を画成する閉鎖底端部および第2の側壁部を有する第2の領域であり、前記第1の領域および前記第2の領域は、前記第1の内部および前記第2の内部が流体連通状態になされるように、長手方向軸に沿って整列され、前記第1の内部の直径が、前記第2の内部の直径よりも大きい、第2の領域、および
前記第1の領域と前記第2の領域との間に延在して、流体が前記第1の領域から前記第2の領域まで中を通過することを可能にする少なくとも1つの流体フルート
を備える、収集コンテナと、
機械的セパレータであり、
第1の密度を有するフロート、および
前記第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストを備え、前記フロートの一部分が、前記バラストの一部分に連結され、
前記機械的セパレータの少なくとも一部分が、初期の第1の位置において前記第2の領域に進入することが防がれ、前記機械的セパレータは、第2のシーリング位置まで回転力を印加した際に前記第2の領域内に移行されることを特徴とする分離アセンブリ。
【請求項58】
前記機械的セパレータは、中に画成され、中に流体が流れ得るように構成された、貫通穴を有するセパレータ体を備えることを特徴とする請求項57に記載の分離アセンブリ。
【請求項59】
第1の相および第2の相に流体試料を分離することを可能にするための分離アセンブリであって、
内部を画成する、第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する側壁部を有する、収集コンテナと、
前記収集コンテナの前記開口端部とシーリング係合するように構成されたクロージャと、
初期の第1の位置において前記クロージャおよび前記収集コンテナの前記側壁部の少なくとも一方により解放自在に拘束された機械的セパレータであり、前記機械的セパレータは、貫通軸に沿って中に画成される貫通穴を有するセパレータ体を備え、前記貫通穴は、中に流体が通過し得るように構成され、前記セパレータ体は、
第1の密度を有するフロート、および
前記第1の密度よりも高い第2の密度を有するバラストであり、前記フロートの一部分が前記バラストの一部分に連結される、バラスト
を備える、機械的セパレータと、
前記初期位置において前記機械的セパレータの一部分に取外し自在に係合されるキャリアと
を備え、
回転力が印加されると、前記セパレータ体は、流体が前記貫通穴を通過し得る初期位置から、前記機械的セパレータにより前記セパレータ体の中または周囲における流体の通過が防がれるシーリング位置まで移行し、回転力が印加されると、前記キャリアは、前記機械的セパレータから係合解除されることを特徴とする分離アセンブリ。
【請求項60】
内部を画成する、第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する側壁部を有する、収集コンテナと、
フロートおよびバラストを備え、第1の位置からシーリング位置まで移動することが可能な、機械的セパレータと
を備え、
前記シーリング位置においては、シーリング外周部が、前記内部の少なくとも一部分と前記セパレータとの間に確立され、前記シーリング外周部は、前記内部の一部分の周囲に変動的な位置を有し、前記変動的な位置は、平均シーリング高さを画定し、
前記機械的セパレータは、前記収集コンテナ内に最大高さおよび最小高さを有し、前記平均シーリング高さは、前記最大高さから前記最小高さを差し引いたものを下回ることを特徴とする分離アセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図20A】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図31A】
【図31B】
【図31C】
【図31D】
【図31E】
【図31F】
【図31G】
【図31H】
【図31I】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図35A】
【図35B】
【図35C】
【図35C1】
【図35D】
【図35E】
【図35F】
【図35G】
【図35H】
【図35I】
【図35J】
【図35K】
【図35L】
【図35M】
【図35N】
【図35O】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図46A】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図20A】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図31A】
【図31B】
【図31C】
【図31D】
【図31E】
【図31F】
【図31G】
【図31H】
【図31I】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図35A】
【図35B】
【図35C】
【図35C1】
【図35D】
【図35E】
【図35F】
【図35G】
【図35H】
【図35I】
【図35J】
【図35K】
【図35L】
【図35M】
【図35N】
【図35O】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図46A】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【公表番号】特表2012−526994(P2012−526994A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511044(P2012−511044)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/034920
【国際公開番号】WO2010/132783
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/034920
【国際公開番号】WO2010/132783
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
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