説明

密着フィルム積層構造体

密着フィルム積層構造体、該積層体を製造するための方法、および各種製品のファスナシステム中での該積層体の使用が開示される。この積層体は、実質的に伸張しないキャリア層に結合された自己接着面特性を有する密着層からなる。キャリア層は、密着層の伸長を排除し、または実質的に限定する材料から形成される。メタロセンまたはシングルサイト触媒を用いて得られたエチレン系またはプロピレン系のポリオレフィンが、密着層に自己接着面特性を与える。キャリア層は不織布材料または熱可塑性フィルムからなることが好ましい。密着層と伸張しないキャリア層とからなる積層体は、パッケージ、封筒、テープまたは使い捨ての繊維製品のファスナシステムとして特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]
本発明は密着フィルム(cling film)に関し、より詳細には、伸張しないベース層に結合された密着フィルム層からなる積層体、この密着フィルム積層体を製作するための方法、およびこの密着フィルム積層体を使用する各種方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]
ポリマーフィルムの「密着」特性は一般に、そのポリマーフィルムの凝集結合強さ、すなわちそのポリマーフィルムが自体に結合する能力と定義される。この密着特性は、自己接着特性(self−adhesiveまたはauto−adhesive property)あるいはコールドシール特性(cold seal property)とも呼ばれる。いずれにしても密着特性は、各種応用、特に包装およびファスナ産業において、所望の密着強さを有するポリマーフィルムを有用にする非常に望ましい特性である。
【0003】
[0003]
密着フィルムは以前から多層積層構造体中で使用されており、実際、密着フィルム自体が多層構造体であることもある。密着フィルムは、各種結束、包装およびパレット積付け操作において使用するのに特によく適しており、商業的に重要な1つの応用は「ストレッチラップ」フィルムと一般に呼ばれているものである。例えばパレット上の積み荷は、パレット上に積み上げられた物品のまわりに密着フィルムを何回かストレッチラップすることによって、出荷用に結束される。密着フィルムは、2つ、3つまたはそれ以上の層からなることができ、個々のそれぞれの層は、フィルムが全体として伸長、引張、引裂抵抗、穿刺抵抗、熱安定性および滑り特性の望ましい組合せを有するように、望ましい特性を提供する。しかしいずれにせよ、ストレッチラップとして使用される場合には、密着フィルムは適用されるときに通常引っ張られて、かなりの張力下で表と裏の関係に置かれる。すなわち密着特性を有する表面が密着特性を持たない裏面と係合するように置かれる。ストレッチラップとして使用されることが意図された多層密着フィルム構造体の例は、米国特許第5049423号、5085927号および5093188号に見られる。
【0004】
[0004]
Bullardらの米国特許第5902684号およびEichbauerの米国特許第5814399号はともに、その伸張されていない最初の状態から少なくとも400%引き伸ばされることが意図された多層ストレッチラップフィルムを開示している。このストレッチラップフィルムは少なくとも4つの層を有し、ストレッチラップフィルムの表面および裏面を構成する反対側にある一対の外側密着層、少なくとも1つの内側ポリマー層ならびに少なくとも1つのコア層からなる。これらの密着層は、炭素原子を3〜12個含む1〜20重量パーセントのα−オレフィン単量体と共重合させたエチレンからなるポリエチレン共重合体である。これらのポリエチレン共重合体は、0.88g/cm3〜0.94g/cm3の範囲の比較的に高い密度を有し、これらはメタロセン触媒を用いて得られたものではない。内側ポリマー層はメタロセン触媒を用いて得られたポリエチレン共重合体からなるが、この層は2つの外側密着層の間に配置されており、したがって密着特性を提供しまたは密着層として機能することができる露出した外面を持たず、密着層としてではなく、ストレッチラップフィルムの破壊抵抗層として意図されている。
【0005】
[0005]
Walorの米国特許第4905298号およびBransonの米国特許第4758099号には、包装産業における密着フィルムの別の応用が示されており、これらの特許はともに、プラスチック袋などの柔軟な容器に封をするための再封可能なクロージャとしての密着フィルムの使用を記載している。Walorは、修飾されたポリ塩化ビニルフィルムを密着特性を得るために利用し、Bransonは、エチレン酢酸ビニルなどの添加剤で処理された低密度ポリエチレンを利用して密着特性を得ている。この場合も、Walor、Bransonともにメタロセン触媒を用いて得られた共重合体を利用していない。
【0006】
[0006]
さらに包装産業では、「コールドシール」または「粘着剤(cohesive)」と呼ばれる組成物を結合システムまたは固定システムとして利用することが一般的である。コールドシールまたは凝集剤は一般に、触ってもべとつかないが、圧力をかけると自体に接着する水性ラテックス型接着剤である。コールドシールは各種用途、特に、キャンディ、グラノーラバーおよびポテトチップのようなスナック食品の包装材、滅菌可能な医療用包装、中身がいじられたことがすぐ分かるように工夫された(tamper−evident)自己シール式の封筒、紙幣、ナプキンおよび衣料品の帯封、ハードウェアおよび他の小さなアイテムの折り重ね(fold over)「ブリスター」包装などの保護包装など、各種包装用途で使用される。さらにコールドシールを、使い捨ておむつの固定テープなどの無剥離紙テープとして使用することが提案されている。
【0007】
[0007]
Baetzold他の米国特許第6221448号は、ホットメルト接着剤として調製されたコールドシールまたは粘着性接着剤組成物を開示している。Baetzold他に記載されたコールドシールは、エチレンとα−オレフィンのメタロセン触媒を用いて得られた1種または数種の共重合体を、コールドシール接着剤として単独で利用し、あるいはこれらの共重合体を、従来のワックスおよび密着付与剤とともにホットメルト接着剤として調製することができる。これらの共重合体は200g/10分〜2000g/10分のメルトインデックスを有し、このメルトインデックスは、ホットメルト接着剤を調製し、またはホットメルトとして共重合体を塗布するのには適当だが、密着フィルムなどのフィルムを作るのに適さない。密着フィルムなどのフィルムを作るのにはメルトインデックスは50g/10分以下であることが好ましく、5g/10分以下であることがより好ましい。
【0008】
[0008]
前述のとおり密着フィルムはファスナ産業でも使用されている。Kobe他の米国特許第5908695号は、本質的に表面密着性を持たない表面を有する、接触に反応する固定層を有する積層体からなるファスナシステムを開示している。この固定層は、標的面との複数回の固定および剥離を可能にするポリマー材料を含む。標的面は、同様の積層体の本質的に密着性のない他の表面を含むことができ、または単純に、ガラス、紙などの密着性のない滑らかな表面とすることができる。しかしこの文献に記述されたポリエチレン共重合体は、比較的に少ない量のコモノマー(最高15重量%)しか含まず、メタセロン触媒されたものでもない。
【0009】
[0009]
従来技術にはさらに、使い捨ての繊維製品(soft goods)用の固定システムとして使用される構造の例が数多くある。語句「使い捨ての繊維製品」は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、外科用ドレープ、病院用ガウン、病院用パッドなどの物品、および1つまたは複数の層が不織布材料からなる他の多くの実用品を指す。使い捨て繊維製品の固定システムの例は、米国特許第4973326号、4894060号、4726971号、4585450号、4540414号、4296750号、4210144号など、数多くの米国特許に見られる。
【0010】
[0010]
今日広く使用されているタイプの使い捨ておむつは、乳児の腰のまわりにおむつを固定するためのファスナとして感圧密着テープを含む。接着剤でコーティングしたテープとおむつの前パネルの着地ゾーンとの組合せ、面ファスナの使用など、他の各種固定システムも使用されている。
【0011】
[0011]
感圧接着タブを使用する上述のおむつ固定システムに関する固有の問題は、粘着面の汚染の問題である。したがって、タブの感圧接着剤上または感圧接着剤が接着される着地ゾーン上に付着した天花粉、ベビーオイルまたは他の異物は、ファスナの信頼性を低下させ、接着剤の結合強さを限定し、かつ/または全体として固定を妨げる可能性がある。面ファスナの使用は、感圧接着剤上の汚染物質によるファスナの信頼性の低下の問題を実質的に解決するが、面ファスナシステムは比較的に高価であり、安価な使い捨ておむつでの使用には経済的でない可能性がある。
【0012】
[0012]
Mann他の米国特許第5085655号に開示されているように、当技術分野では、自己接着剤でコーティングされたタブファスナを利用した使い捨ておむつも知られている。米国特許第5085655号に開示されたタブファスナは、エラストマーによって形成された自己接着層と熱可塑性材料層によって形成されたベースキャリア層とを有する積層体の形態をとる。米国特許第5085655号では用語「自己接着」が、ポリマーが圧力の適用によって自体に接着することを可能にするが、多くの他の材料に対しては実質的に非接着性であるポリマーの自己接着特性または粘着特性と定義されている。この自己接着面は、弾性セグメントおよび非弾性セグメントを有するブロック共重合体を含むエラストマーから形成される。熱可塑性キャリア層は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンまたはポリエステルであることが好ましい。しかし米国特許第5085655号に開示された構造のタブファスナは、比較的に高い剥離強さを有するという欠点を有する。米国特許第5085655号の中に与えられた例は、537〜804.3g/cm(1364〜2043g/インチ)の剥離強さを示す。この比較的に高い剥離強さは、米国特許第5085655号のブロック共重合体ベースの積層体が、実際に再固定可能なテープタブとして機能することを難しくする。例えば、このタイプの固定タブが所定の位置に固定された後でタブをおむつから剥がそうとすると、この比較的に高い剥離強さのために自己接着層は伸長または変形し、その結果、タブが永久変形する可能性があり、タブを再固定したい場合にそれができなくなる。例えばこれは、乳児にはかせた後しばらくしておむつをチェックし、おむつが汚されていない場合におむつを再固定することを妨げる。したがって、自己接着層の伸長および/または変形を排除しまたは少なくとも大幅に限定する積層構造体を提供することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
[0013]
本発明は、固有の密着フィルムファスナ構造体、この密着フィルムファスナを製造するための方法、および各種応用におけるこの密着フィルムファスナの使用を対象とする。この密着フィルムファスナは、非常に望ましい密着特性を提供する1種または数種のポリオレフィン共重合体を利用する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
[0014]
この密着フィルムファスナは、その主たる構成要素の1つとして、自己接着面または密着面特性を提供する1種または数種のポリオレフィン共重合体を含む密着層を有する。一実施形態ではこの密着層が、1種または数種のポリオレフィン共重合体の単層フィルムの形態の実質的に伸張しない自立シートである。使用の際、この単層密着フィルムは、フィルムの密着面が露出するように標的面に直接に結合される。
【0015】
[0015]
他の実施形態ではこの密着フィルムファスナが多層積層構造体を含む。この実施形態では密着層が、密着層を支持するキャリア層に結合され、またはこのキャリア層上にコーティングされた、自己接着面または密着面特性を提供する1種または数種のポリオレフィン共重合体を有する。キャリア層自体は単層構造でも、または多層構造体でもよく、密着フィルムファスナ全体が実質的に伸張しないようにするために、密着層とキャリア層(またはキャリア層の一部または全部の個々の層)のうちの一方または両方が実質的に伸張しない。キャリア層は、密着層の伸長を排除しまたは密着層の伸長を実質的に限定する積層体の構成要素であることが好ましい。したがってキャリア層は、密着層の伸長または変形を防ぐ縦方向および/または横方向の寸法安定性を提供することが好ましい。使用の際、キャリア層は、密着層の密着面が露出するように標的面に直接に結合される。
【0016】
[0016]
密着層は、単層の形態であるにせよまたは多層積層体の形態であるにせよ、いずれの方向にも約50%以下伸張することが好ましい。この伸長は、その伸張されていない最初の形状から約25%未満に限定されることがより好ましく、いずれの方向にも10%未満であることが最も好ましい。密着層の伸長および/または相当な変形は、自体に接着するポリオレフィン共重合体の自己接着面の能力を低下させるので望ましくない。本発明のファスナが1種または数種の固有のポリオレフィン共重合体から構築され、さらに実質的に伸張せず変形しないことは、ストレッチラップとして使用される密着フィルムから本発明の積層体を区別する。これは、ストレッチラップは一般に少なくとも約200%の伸長性を要求するためである。
【0017】
[0017]
本発明の密着フィルムファスナは、使い捨て繊維製品、特に使い捨ておむつ、生理用ナプキン、外科用ドレープ、病院用ガウン、病院用パッド、フェースマスクおよび不織布材料からなる1つまたは複数の層を有する他の物品の結合システムおよび/または固定システムにおいて特に有用である。本発明のファスナは、おむつの後パネル上の固定タブまたはテープと前パネル上に位置する着地ゾーンとを含むタイプのシステムにおいて特に有用である。本発明のファスナを使用して、おむつ上の固定タブまたはテープと補強着地ゾーンの両方を提供することができる。このような応用では、密着層の自己接着特性が、感圧接着剤を使用する従来技術のシステムの汚染の問題を排除し、または大幅に軽減するのに役立つ。さらに、密着層の自己接着面は、周囲温度でキャリア層に対して実質的に非接着性であり、したがって従来のおむつ製造システムで使用するために、ファスナをウェブまたはロールの形態に製造することができる。さらに、密着層と伸張しないキャリア層とからなるファスナは、比較的に小さな剥離強さと比較的に大きな剪断強さを固定システムに与える。使い捨ておむつの固定システムとして使用されるときには、剥離強さが393.7g/cm(1000g/インチ)以下、より好ましくは236.2g/cm(600g/インチ)以下、最も好ましくは157.4g/cm(400g/インチ)以下であることが好ましい。一方、剪断強さは、後述するように4時間超であることが好ましく、8時間超であることが最も好ましい。したがって固定タブは、おむつを所定の位置に保持する十分な剥離力および剪断力を提供し、使い捨ておむつの前パネルおよび/または着地ゾーンを破りまたはこれらにかなりの損傷を与えず、同時に密着フィルム層自体の伸長または変形を防ぎつつ、使用者が容易に開くことができ、所望の場合にタブを再固定することができる。
【0018】
[0018]
本発明のファスナは各種包装応用においても有用である。本発明のファスナは例えば、(1)食品、例えばキャンディ、グラノーラバーおよびポテトチップなどのスナック食品の包装材、(2)医療装置、例えばガーゼ、包帯などのアイテムの滅菌可能な医療用包装、(3)中身がいじられたことがすぐ分かるように工夫された自己シール式の封筒、(4)紙幣、ナプキンおよび衣料品の帯封、(5)各種小物品のブリスター型包装、(6)段ボール箱または他の剛包装応用、および(7)プラスチック袋または他の軟包装応用のクロージャシステムとして使用することができる。上記の応用では、個々の包装を形成するために使用される包装材料自体、すなわちキャンディの包装材料、封筒材料などが、密着層(単層)が取り付けられ、キャリア層(多層積層体)が取り付けられる標的面を含む。
【0019】
[0019]
前述のとおり、密着層は、キャリア層に結合された、自己接着面または密着面特性を提供するポリオレフィン共重合体のコーティングまたは層からなる多層積層体とすることができる。キャリア層も多層構造を含むことができる。例えば、多層積層体は、1種または数種のポリオレフィン共重合体からなる密着層と、キャリア層とから構築することができ、キャリア層は、(標的面に取り付けられる)ベース層と、ベース層と密着層の間に挿入された構造層とからなる。この多層構造では、共押出、メルトブローンまたはスパンボンド技術あるいは他の接着技術によって、これらの3つの層が一体に結合されて、本発明の所望のファスナを形成する。しかし他の形態では、密着層をベース層に直接に結合して、構造基材層のない本発明の所望のファスナを形成することができる。例えばこの形態では、密着層をベース層上に直接に押し出すことができ、あるいは、ベース層上に直接にメルトブローイングまたはスパンボンディングするなどの知られている任意の繊維形成技術を使用して、密着フィルム層を適用することができる。あるいは、密着層上にキャリア層を直接に形成することもできる。例えば、ベース層が不織布材料である場合、構造基材層および/または密着層上に不織布材料を直接にメルトブローイングまたはスパンボンディングすることができる。
【0020】
[0020]
キャリア層を形成するのに有用な材料は、本明細書の定義のとおり、縦方向および/または横方向に実質的に伸張しない材料である。キャリア層は、ファスナに軟かい布のような感触を与える不織布材料、またはポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンなどの熱可塑性フィルムからなることが好ましい。したがって、キャリア層を作るために使用される個々の層はそれぞれ、不織布材料、あるいはポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、アクリルポリマー、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ハロゲン化ポリマー、セルロース化合物、ポリアクリロニトリル、エチレン/メタクリル酸のナトリウム塩ないし亜鉛塩に基づくアイオノマーなど、またはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンの共重合体、プロピレンの共重合体、他のオレフィン、特にC3からC12オレフィンと共重合させたエチレンおよび/ないしプロピレンから得られたポリマーなどの適当なポリオレフィンまたはポリオレフィンの組合せなどの熱可塑性フィルムからなることができる。不織布、ポリプロピレンおよび線状低密度ポリエチレン(LLDPE)が特に好ましい。適当なLLDPEには、0.90g/cm3〜0.94g/cm3の密度および0.5g/分〜30g/10分のメルトインデックスを有するLLDPEが含まれる。適当なポリプロピレンは通常、0.89g/cm3〜0.91g/cm3の密度および0.1g/分〜300g/10分のメルトインデックスを有する高結晶性ポリプロピレンである。
【0021】
[0021]
自己接着または密着特性を提供する密着層は、エチレンとC3からC18α−オレフィンコモノマーとのシングルサイトまたはメタロセン触媒を用いて得られた適当なエチレン系共重合体、あるいはプロピレンとC2からC18α−オレフィンコモノマーとのシングルサイトまたはメタロセン触媒を用いて得られたプロピレン系共重合体、あるいは前記エチレン系共重合体のブレンド、または前記プロピレン系共重合体のブレンド、または1種ないし数種の前記エチレン系共重合体と1種ないし数種の前記プロピレン系共重合体のブレンドからなることが好ましい。エチレン系共重合体のα−オレフィンコモノマー含量は少なくとも20重量%、好ましくは20〜50重量%である。プロピレン系共重合体のα−オレフィンコモノマー含量は少なくとも5重量%、好ましくは5〜30重量%、最も好ましくは5〜15重量%である。適当なエチレン系共重合体は0.89/cm3未満、好ましくは0.88g/cm3未満の密度を有する。エチレン系共重合体およびプロピレン系共重合体はともに、100g/10分以下、好ましくは50g/10分以下、最も好ましくは10g/10分以下のメルトインデックスを有する。
[0022]
図面は、現時点で企図とされる本発明を実施するための最良の形態を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[0023]
密着フィルムファスナは、その主たる構成要素の1つとして、自己接着面または密着面特性を提供する1種または数種のポリオレフィン共重合体を含む密着層を有する。一実施形態ではこの密着層が、1種または数種のポリオレフィン共重合体の単層フィルムの形態の実質的に伸張しない自立シートである。使用の際、この単層密着フィルムは、フィルムの密着面が露出するように標的面に直接に結合される。
【0023】
[0024]
他の実施形態ではこの密着フィルムファスナが多層積層構造体を含む。この実施形態では密着層が、密着層を支持するキャリア層(carrier layer)に結合され、またはこのキャリア層上にコーティングされた、自己接着面または密着面特性を提供する1種または数種のポリオレフィン共重合体を有する。キャリア層自体は単層構造でも、または多層構造体でもよく、密着フィルムファスナ全体が実質的に伸張しないようにするために、密着層とキャリア層(またはキャリア層の一部または全部の個々の層)のうちの一方または両方が実質的に伸張しない。キャリア層は、密着層の伸長を排除しまたは密着層の伸長を実質的に限定する積層体の構成要素であることが好ましい。したがってキャリア層は、密着層の伸長または変形を防ぐ縦方向および/または横方向の寸法安定性を提供することが好ましい。使用の際、キャリア層は、密着面が露出するように標的面に直接に結合される。
【0024】
[0025]
次に図面を参照すると、各種多数の応用向けの固定システムに関する各種実施形態が示されており、図1〜16に示された形態ではこの固定システムが、周囲温度で自己接着または密着特性を示す外面を有する密着層を含む多層積層体を含み、密着層は、実質的に伸張しないキャリア層に一体に接合され結合される。本発明の構造体は、不織繊維製品の各種構成要素として有用であり、使い捨て繊維製品、特に、人体から放出された血液や尿などの滲出液を吸収し保持するために使用される使い捨てのおむつや生理用ナプキンなどの吸収性繊維製品、外科用ドレープ、病院用ガウン、フェースマスク、および病院用パッド、ならびに1つまたは複数の不織層を有する他の製品などの固定システムにおいて特に有用である。本発明のファスナはさらに、先の述べたような各種食品の包装など、各種包装応用において有用だが、ストレッチラップ材料としての使用は意図されない。
【0025】
[0026]
図1〜16に示されたものなどの積層体は、使い捨て繊維製品の固定システムとして使用されるように特に適合されており、ポリオレフィン共重合体の密着層と伸張しないキャリア層とからなり、この伸張しないキャリア層は、比較的に小さな剥離強さと比較的に大きな剪断強さとを固定システムに与える。このような応用では密着層の外面の自己接着または密着特性が、感圧接着剤を使用した従来技術のシステムの汚染の問題を排除しまたは大幅に軽減する。さらに、本発明の構造体の低剥離、高剪断特性は、Mannらの米国特許第5085655号に記載されている自己接着フィルム層(ブロック共重合体ベース)などの自己接着フィルム層を使用した従来技術のシステムの変形および劣化の問題を排除しまたは大幅に軽減する。
【0026】
[0027]
キャリア層、または多層構造をとるキャリア層の個々の層を形成するのに有用な材料は、マシン方向(縦方向)および/またはクロスマシン(横方向)に実質的に伸張しない材料である。キャリア層は、不織基材または熱可塑性フィルム材料からなることが好ましい。「不織布材料」は、繊維またはフィラメントを機械的に、熱によってまたは化学的に絡み合わせることによって(およびフィルムに機械的に、熱によってまたは化学的に穴をあけることによって)一体に結合されたシートまたはウェブ構造体を意味する。それらは、別々の繊維から、あるいは溶融プラスチックまたはプラスチックフィルムから直接に製造された平らな多孔質の自立シートである。それらは、織ったりまたは編んだりすることによっては製造されず、繊維をより糸に変えることを必要としない。実質的に伸張しない限り、キャリア層は柔軟でも、または柔軟でなくてもよい。用語「柔軟」は、折れたりまたは割れたりすることなくキャリア層を半径0.5cmに曲げることができることを意味する。
【0027】
[0028]
密着フィルムファスナの実質的に伸張しないキャリア層を形成するのに有用な熱可塑性フィルム材料には、溶融可能なフィルム形成熱可塑性材料が含まれ、これは、周囲温度または使用温度で密着層の自己接着面または密着面に接着しないことが好ましい。キャリア層とポリオレフィン共重合体密着層とを共押出することができ、かつ、これらの層の間に接着剤を使用しまたは使用せずに、冷却後も維持される永続的な結合をこれらの層の間に形成することができるように、この熱可塑性フィルムは、ポリオレフィン共重合体密着層の溶融温度に十分に近い溶融温度を有することがより好ましい。実際、通常の取扱いに耐え、ポリオレフィン共重合体密着層との高温での満足のいく結合を含む最終用途の要件を果たし、実質的に伸張しないキャリア層をなす十分な機械的特性を有する自立連続シートまたはフィルムに形成することができる任意の熱可塑性材料を使用することができる。したがってキャリア層は、ポリオレフィン共重合体密着層の伸長を排除しまたは密着層の伸長を実質的に限定する材料から形成される。したがってキャリア層は、ポリオレフィン共重合体密着層の伸長または変形を防ぐ縦方向と横方向との両方の寸法安定性を提供する。用語「実質的に伸張しない」は、予想される使用および/または保管の間に、密着フィルムファスナが縦または横方向に好ましくは約50%以下しか伸張せず、より好ましくは伸長が、その伸張されていない最初の形状から25%以下に限定され、最も好ましくは、その伸張されていない最初の形状から10%未満に限定されることを意味する。これを達成するため、密着フィルムファスナの1つまたは複数の層(例えば密着層、キャリア層および/あるいはキャリア層の個々の基材または層)は、密着フィルムファスナ自体が通常の使用中にその伸張されていない最初の形状からいずれの方向にも約50%以下、より好ましくは約25%以下、最も好ましくは10%未満しか伸張しない、実質的に伸張しないものでなければならない。さらに、当技術分野で知られている任意の方法によってキャリア層を通気可能(breathable)とすることができる。
【0028】
[0029]
キャリア層(多層キャリア層を構成する個々の層を含む)を形成する熱可塑性フィルム材料は、最終用途にかなうように選択された広範囲のポリマー、共重合体、三元重合体、インターポリマーおよびそれらのブレンドを含むことができる。単独でまたはブレンドとして使用することができる例示的な熱可塑性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどのポリオレフィン;エチレンとC3〜C8オレフィンの共重合体;熱可塑性ポリエステル;ナイロンなどのポリアミド;ポリスルホン;ポリエチレンアクリル酸、ポリエチレンエチルアクリレート、ポリエチレンn−ブチルアクリレート、ポリエチレンメチルアクリレートなどのアクリルポリマー;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリカーボネート;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化ポリマー;セルロース化合物;ポリアクリロニトリル;エチレン酢酸ビニル;およびエチレン/メタクリル酸のナトリウム塩または亜鉛塩に基づくアイオノマーが含まれる。好ましい熱可塑性フィルム材料は、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高圧低密度ポリエチレン(HPLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)などの低、中および高密度ポリエチレン、ならびに/またはポリプロピレンを含むポリオレフィンを含む。
【0029】
[0030]
密着フィルムファスナは、単層の形態または多層積層構造体の形態の自立シートとすることができる。単層として、ファスナは密着層だけを含み、実質的に伸張せず、1種または数種のポリオレフィン共重合体の自立シートまたはフィルムの形態をとり、その内面および外面が密着特性を示す。その最終用途に応じてこの単層ファスナは、多層積層体を形成するためにキャリア層に結合される必要があることがあり、またはそうする必要がないこともある。
【0030】
[0031]
しかし密着フィルムファスナは一般に、キャリア層に結合された自己接着面または密着面特性を提供する密着層からなる多層積層体の形態をとり、キャリア層は単一の基材でもよく、または多層構造を含んでもよい。例えば、密着層は1種または数種のポリオレフィン共重合体からなることができ、キャリア層は、(標的面に取り付けられる)ベース層と、ベース層とポリオレフィン共重合体層の間に挿入された構造層とからなることができる。この多層構造では、共押出、メルトブローンまたはスパンボンド技術あるいは接着剤などによって、これらの3つの層が一体に結合されて、本発明の所望のファスナを形成する。さらに、キャリア層は、構造層と密着層の間または構造層とベース層の間に1つまたは複数の他の基材を含むことができる。例えば、自己接着面の密着性によっては、ファスナがロールの形態で保管されるときのブロッキングを防ぐために、キャリア層が、自体の上に剥離層または滑り層を必要とすることがある。さらに、その最終用途によっては、ファスナが、引裂き抵抗性基材または層あるいは穿刺抵抗基材または層を必要とすることがある。さらに、代替形態では、密着フィルムファスナに自己接着面または密着面特性を提供する密着層を、(例えば共押出、メルトブローイングまたはスパンボンディングによって)キャリア層に直接に結合して、構造基材層などの他の層を含みまたは含まない所望の積層体を形成することができることに留意されたい。さらに、当技術分野で知られている任意の方法によって密着層および/またはキャリア層を通気可能とすることができる。
【0031】
[0032]
本明細書では用語「自己接着性」、「自己接着」および「密着」が、使用温度または室温で圧力が加えられることによってポリマー材料のフィルム、層またはコーティングが繰り返し互いに接着され分離されることを可能にする、ポリマー材料の自己接着または凝集接着特性を指示するために使用される。このような材料は互いに接着結合されるが、他の材料に対しては実質的に非接着性である。外側密着面によって形成される結合は、所望の最終用途に応じて、永久(permanent)、剥離可能(releasable)、封可能(sealable)、再封可能(re−sealable)かつ/または再封不能(non−resealable)結合とすることができる。本明細書では用語「使用温度」が、その通常の意味に従って、最終利用者による密着フィルムファスナの使用の意図された温度または温度範囲、および/あるいは最終製品の保管条件下での意図された温度または温度範囲を指示するために使用される。したがって、使用温度は一般に、約−18℃(0°F)から出荷および保管温度である約60℃(140°F)である。用語「自立」は、それ自体またはそれ自体の重量を独立して支持する材料コーティング、層またはフィルムの能力を指す。
【0032】
[0033]
本明細書では用語「固定する」、「固定」または「ファスナ」が、1つのアイテムを別のアイテムに取り付けることを広く指すことが意図され、結果として生じる取付けは、永久、剥離可能、封可能、再封可能、再封不能、再閉可能(reclosable)かどうか等である。このように、これらの用語は、2つのアイテムを1つに結合するためにコールドシール、感圧接着剤、ホットメルト接着剤および/または硬化可能接着剤が使用された過去の応用をカバーすることが意図されるが、このような従来の接着結合技術または応用に限定されないことは明らかである。
【0033】
[0034]
キャリア層の個々の層は熱可塑性材料からなることができ、適当なポリオレフィンまたはポリオレフィンの組合せ、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンの共重合体、プロピレンの共重合体、あるいは他のオレフィン、特にC3からC12オレフィンと共重合させたエチレンおよび/またはプロピレンから得られたポリマーなどからなることができる。特に好ましいオレフィンは、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび4−メチルペンテン−1である。キャリア層の個々の1つまたは複数の層として使用すると特に好ましい材料は、低、中および/または高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ならびに線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)などのエチレン共重合体である。
【0034】
[0035]
キャリア層の個々の層として使用するのに適したエチレン系共重合体は、大きな重量割合のエチレンと、約3〜約12個、好ましくは約4〜約10個、より好ましくは約4〜約8個の炭素原子を含む小さな重量割合のα−オレフィン単量体との共重合体を含む。これらの樹脂は、約2〜約7の範囲にあることが好ましい多分散性を有する。
【0035】
[0036]
キャリア層の個々の層として使用されるエチレン系共重合体は、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)および超低密度ポリエチレン(VLDPE)と一般に呼ばれる共重合体である。使用されるエチレン系共重合体は、共重合された前記高級α−オレフィン単量体を約1〜約20、好ましくは約1〜約10重量パーセント有する共重合体であることが好ましい。さらに、エチレン系共重合体に使用されるα−オレフィン単量体は、1−ブテン、3−メチル−l−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンからなるグループから選択される。1−ブテン、1−オクテンおよび1−ヘキセンα−オレフィンが特に好ましい。LLDPE樹脂は、配位型触媒を使用して比較的に低圧で調製することができる。本明細書において特に有用なLLDPE樹脂を含むLLDPE樹脂の製造および特性の詳細については、米国特許第3645992号、4076698号、4011382号、4163831号、4205021号、4302565号、4302566号、4359561号および4522987号を参照されたい。
【0036】
[0037]
本明細書のキャリア層中で使用することができるLLDPE樹脂は、約0.90〜約0.940g/cm3、より一般的には約0.90〜約0.93g/cm3の密度を有し、ASTM D1238によって決定された約0.5g/10分〜約30g/10分、好ましくは約1〜約10g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。約0.917〜約0.920g/cm3の密度を有し、ASTM D1238によって決定された約2.0〜約5.0g/10分のメルトインデックスを有するLLDPE樹脂が特に好ましい。このようなLLDPE樹脂の例には、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5273809号に記載された樹脂が含まれる。このようなLLDPEおよびそれらの製造方法は当技術分野でよく知られており、商業的に容易に入手可能である。
【0037】
[0038]
本発明のキャリア層中で使用することができるVLDPE樹脂は、約0.880〜約0.912g/cm3、より一般的には約0.89〜約0.91g/cm3の密度を有し、約0.5〜約5g/10分、好ましくは約1〜約3g/10分のメルトインデックスを有する。このようなVLDPEおよびそれらの製造方法は当技術分野でよく知られており、商業的に容易に入手可能である。
【0038】
[0039]
適当なポリプロピレンは通常、0.1g/10分〜300g/10分の幅広いメルトインデックスを有する固体およびイソタクチックである。このようなポリプロピレンは通常、イソタクチックポリプロピレンに関して約0.89g/cm3〜約0.91g/cm3の密度を有する結晶である。このようなポリプロピレンおよびそれらの製造方法は当技術分野でよく知られており、商業的に容易に入手可能である。
【0039】
[0040]
キャリア層中で有用なこれらの熱可塑性材料、特にLLDPEおよびVLDPE樹脂は、フィルム製品中で所望の範囲の物理/機械特性を達成するために、相対的に少量の適当な樹脂、例えば合計約40重量パーセントの1種または数種の他の適当な樹脂とブレンドすることができる。したがって、例えばエチル酢酸ビニル(EVA)共重合体、高圧低密度ポリエチレン(HPLDPE)、他のLLDPE樹脂などの樹脂を、ブレンディングのために使用して、本発明のキャリア層の1つまたは複数の層を形成するための有用な混合物を得ることができる。
【0040】
[0041]
密着層に自己接着面または密着面特性を提供する熱可塑性ポリマー材料は、ポリオレフィン、アクリル修飾ポリオレフィン、酢酸ビニル修飾ポリオレフィンおよびアクリルポリマーからなる群から選択される熱可塑性材料または熱可塑性材料のブレンドからなることができる。ポリオレフィンはポリプロピレンまたはポリエチレンとすることができる。アクリル修飾ポリオレフィンは、ポリプロピレンまたはポリエチレンとアクリルの共重合体とすることができる。同様に、酢酸ビニル修飾ポリオレフィンは、ポリプロピレンまたはポリエチレンと酢酸ビニルの共重合体とすることができる。
【0041】
[0042]
密着層に自己接着または密着特性を提供する熱可塑性ポリマー材料は、大重量部のエチレンと小重量部のC3からC18α−オレフィンコポリマーとを含む、シングルサイトまたはメタロセン触媒を用いて得られた適当なエチレン系共重合体か、あるいは大重量部のプロピレンと小重量部のC2からC18α−オレフィンコポリマーとを含む、シングルサイト触媒を用いて得られまたはメタロセン触媒を用いて得られたプロピレン系共重合体か、あるいは、これらのエチレン系共重合体のブレンド、またはプロピレン系共重合体のブレンド、またはこれらの1種ないし数種のエチレン系共重合体とこれらの1種ないし数種のプロピレン系共重合体のブレンドであることが好ましい。α−オレフィンコモノマーは、3〜12個の炭素原子、より好ましくは4〜10個の炭素原子、最も好ましくは4〜8個の炭素原子を含むことが好ましい。より具体的には、α−オレフィンコモノマーは、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−l−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ドデセン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンから選択することができる。エチレンと共重合させた1−オクテンが特に好ましい。
【0042】
[0043]
エチレン系共重合体のα−オレフィンコモノマー含量は少なくとも20重量%、20〜50重量%であり、好ましくは約25〜50重量%、より好ましくは30〜50重量%である。適当なエチレン系共重合体は、ASTM D−792によって決定された0.89g/cm3以下、0.89g/cm3〜0.85g/cm3、好ましくは0.88g/cm3〜0.85g/cm3、最も好ましくは0.875g/cm3〜0.85g/cm3の密度を有する。適当なエチレン系共重合体はさらに、190℃、2.16kgにおいて、ASTM D1238によって決定された100g/10分以下、好ましくは50g/10分以下、より好ましくは10g/10分以下、最も好ましくは5g/10分以下のメルトインデックスを有する。
【0043】
[0044]
プロピレン系共重合体のα−オレフィンコモノマー含量は、少なくとも5重量%、好ましくは5〜30重量%、最も好ましくは5〜15重量%であり、好ましい共重合体はプロピレン−エチレン共重合体である。プロピレン系共重合体は、(230℃で測定された)100g/10分未満、好ましくは50g/10分未満、より好ましくは25g/10分未満のメルトインデックスを有する。
【0044】
[0045]
「ブレンド」は、2種類以上のエチレン系共重合体を含み、あるいは2種類以上のプロピレン系共重合体を含み、あるいは1種または数種のエチレン系共重合体と1種または数種のプロピレン系共重合体とを含むことができる。共重合体のブレンドが使用される場合、ブレンドの計算密度もやはり、上記限界、すなわち0.89g/cm3よりも小さくなければならない。例えば、密度0.870g/cm3のエチレン系共重合体70%と密度0.885g/cm3のプロピレン系共重合体30%のブレンドは、最終的に0.875g/cm3の計算密度を有する。
【0045】
[0046]
シングルサイトまたはメタロセン触媒を用いて得られた有用なエチレンベースのポリマーは、とりわけ、シングルサイトまたは制限幾何形状触媒(CGC)を用いて得られたポリエチレンの製造業者であるDow Chemical Company社およびExxon Mobil Chemical Company社から入手可能である。これらの樹脂は、AFFINITYおよびEXACTポリエチレン(Plastics World,pp.33−36,January 1995参照)、ならびにENHANCEDポリエチレンおよびEXCEED樹脂系列として市販されている。これらのエチレン系共重合体は、ENGAGEの商標でDuPont Dow Elastomers社からも入手可能である。一般にメタロセン触媒系を使用したこのようなポリエチレンの製造はとりわけ、それぞれその全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許番号第5382631号、5380810号、5358792号、5206075号、5183867号、5124418号、5084534号、5079205号、5032652号、5026798号、5017655号、5006500号、5001205号、4937301号、4925821号、4871523号、4871705号および4808561号に記載されている。これらの触媒系およびこのような共重合体材料を調製するためのそれらの使用は、EP0600425A1ならびにPCT出願WO94/25271およびWO94/26816に記載されている。
【0046】
[0047]
シングルサイトまたはメタロセン触媒を用いて得られたプロピレン系共重合体は、Dow Chemical Company社からVERSIFYの商標で入手可能である。このようなポリプロピレンの製造も、メタロセンまたはシングルサイト触媒系の使用に基づき、Dow社のINSITE技術に基づく。
【0047】
[0048]
自己接着または密着特性を提供するために使用される熱可塑性ポリマーコーティングはさらに、少なくとも特に好ましい樹脂の場合には本来的に備えている密着特性を高めるため、知られている従来の密着添加剤を含むことができる。有用な密着添加剤の例には、気相浸透圧法によって測定された約1,000〜約3,000、好ましくは約1,200〜約1,800の数平均分子量を有するポリイソブチレン、非晶質アタクチックポリプロピレン、例えば平均分子量が約2000の非晶質アタクチックポリプロピレン、ポリテルペン、および約3〜約90重量パーセントの共重合した酢酸ビニルを含むエチレン酢酸ビニルコポリマーが含まれる。この任意選択の密着添加剤は、樹脂の約0.5〜約10重量パーセントの濃度で存在することができる。
【0048】
[0049]
さらに、密着層の自己接着特性または他の特性を変更するため、少量の改質剤、25重量%未満、より好ましくは10重量%未満の改質剤を加えることができる。改質剤の例には、密着付与樹脂、可塑剤、ワックス、充填材、酸化防止剤、着色剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、紫外線安定剤などが含まれる。
【0049】
[0050]
さらに、密着面を改質させて、ブロッキング特性、密着特性、剥離強さおよび/または剪断強さを他の方法で向上させかつ/または変化させることができる。これは、機械的手段(例えばエンボシングまたはスタンピング技術)によって、またはエネルギー(例えばUV、RF、マイクロ波または熱エネルギー)の使用によって達成することができる。
【0050】
[0051]
自己接着または密着特性を提供するために使用される熱可塑性ポリマーコーティングをさらに、コロナ放電、化学処理、火炎処理などの知られている従来の成形後操作にかけて、表面の印刷適性またはインク受理性を変更し、あるいは表面に他の望ましい特性を付与することができる。したがって本発明の固定構造体は例えば着色されており、または透明であり、または不透明であり、またはその選択された部分に印刷を含む。
【0051】
[0052]
自己接着または密着特性を提供するために使用される熱可塑性ポリマーコーティングは、全体が、本明細書に定義されたシングルサイトまたはメタロセン触媒技術によって生成されたエチレン系共重合体またはプロピレン系共重合体から構築されることが好ましい。しかし、熱可塑性ポリマーコーティングはさらに、メタロセン触媒を用いて得られた1種または数種の共重合体と第2の樹脂材料とのブレンドを含むことができる。この第2の材料は、ポリプロピレンやポリエチレンのようなポリオレフィン、アクリル修飾ポリオレフィン、酢酸ビニル修飾ポリオレフィン、アクリルポリマーなどのオレフィンポリマー樹脂とすることができる。例えば第2の材料は、LLDPE、LDPE、HPLDPE、VLDPE、プロピレンベースの樹脂またはこれらの組合せを含むことができる。ただしこれらに限定されるわけではない。この第2の樹脂材料を、メタロセンまたはシングルサイト触媒を用いて得られた樹脂とブレンドする場合には、メタロセン触媒を用いて得られた樹脂の濃度を少なくとも約60重量%に維持することが望ましい。その結果得られるブレンドされたポリマー混合物はメタロセン触媒を用いて得られた材料の所望の特性を保持し、ある種の応用ではより経済的となる可能性がある。
【0052】
[0053]
熱可塑性ポリマーコーティングは、構造基材に直接に共押出し、または接着剤を用いて構造基材に結合して、密着層を従来の任意の方法で形成することができる。あるいは、密着層の構造基材を排除したい場合、ポリマーコーティングは、ベースキャリア層上に直接に押し出し、またはベースキャリア層とともに共押出し、またはベースキャリア層上に直接にメルトブローイングないしスパンボンディングすることができる。
【0053】
[0054]
一実施形態では、例えば不織繊維製品応用(例えば図1〜16)において使用されるときには、密着層の自己接着面が、比較的に小さな剥離強さおよび比較的に大きな剪断強さを有する接着面を提供する。「小さな」剥離強さとは、本明細書の実施例1に記載された剥離試験法によって決定された密着層の剥離強さが、好ましくは393.7g/cm(1000g/インチ)以下、より好ましくは236.2g/cm(600g/インチ)以下、最も好ましくは157.4g/cm(400g/インチ)以下であることを意味する。「大きな」剪断強さとは、後述される剪断強さ試験によって決定された密着層の剪断強さが好ましくは4時間超、最も好ましくは8時間超であることを意味する。したがって密着層の自己接着面の小さな剥離強さおよび大きな剪断強さは、おむつを所定の位置に保持し、なおかつ使い捨ておむつの前パネルを破りまたは前パネルにかなりの損傷を与えることなく使用者がおむつの固定タブを容易に開くことができ、同時に、所望の場合にはタブを再固定することができる、十分な剥離力および剪断力を提供する。本発明の積層体中で有用である可能性がある密着フィルムの3つの例が、米国特許第5049423号、米国特許第5085927号および米国特許第5902684号に出ている。密着フィルムの他の例が米国特許第5093188号および5208096号に出ている。本発明の積層体中で有用な好ましい密着フィルムは、Presto Products Co.社(米ウィスコンシン州Appleton)から「Presto」の商品名で販売されているポリエチレンフィルムである。特によく適している2つのグレードがPresto CNC10152および101515である。他の好ましいポリエチレン密着フィルムが、Paragon Films,Inc.社(米オクラホマ州Broken Arrow)から「Paragon」の商品名で販売されている。Paragonの例はV109015A、T128370Global、T817125などである。他の好ましい密着フィルムは、Pactiv Corporation社(米イリノイ州Lake Forest)から「Pactiv APM3−2015」の商品名で販売されているエチレン−アルキルアクリレートである。さらに、Tredegar Co.社から「Masking」フィルムが販売されている。
【0054】
[0055]
本発明のファスナは、従来の市販装置を使用したキャリア層上への密着層の直接押出し加工によって調製することができる。あるいは、密着層をキャリア層に接着結合し、または密着層をキャリア層上にメルトブローイングまたはスパンボンディングすることができる。キャリア層に密着フィルム層を結合する他の任意の結合方法、例えば超音波、熱、加圧、マイクロ波、RF結合などを使用することができる。さらに、キャリア層を密着層上に直接に形成することもできる。例えば、キャリア層が不織布材料である場合、この不織布材料を密着層上に直接にメルトブローイングまたはスパンボンディングすることができる。ファスナの層を1つに結合するために接着剤が使用される場合、接着剤は適当なホットメルト接着剤とすることができ、任意の標準塗布機器を使用して、密着層またはキャリア層あるいはその両方に塗布することができる。接着層の一般的なアドオン(add−on)濃度は約1g/平方メートル〜約20g/平方メートルとなろう。共押出装置であるにせよ、またはコーティング/積層装置であるにせよ、選択される特定の装置は、密着層、キャリア層および任意選択の接着層を構成する材料の処理温度およびレオロジーの差に依存することに留意されたい。ファスナまたは積層体の全体の厚さは幅広く変化させることができ、その応用に固有である。しかし一般に、積層体の厚さは5μm(0.2ミル)〜1mm(40ミル)、一般に13μm(0.5ミル)〜0.5mm(20ミル)である。
【0055】
[0056]
標的面は、本発明のファスナまたは密着フィルム積層体が結合される先の表面である。本発明において有用な標的面は各種材料から選択することができる。有用な標的面の例には、キャリア層の個々の層に対して有用だと先に識別された材料からなる表面、ならびにポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ブタジエン−スチレンポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、処理および無処理のポリ(エチレンテレフタレート)、Surlyne(登録商標)、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリマー材料からなる表面が含まれる。標的面にはさらに、ステンレス鋼などの金属面;ガラス;ボール紙、板紙およびコーテッドペーパーストックを含むあらゆるタイプの紙;エナメル被覆基材;および特に不織面が含まれる。本発明のファスナまたは密着フィルム積層体は、標的面に任意の方法で結合することができる。例えばこの結合は、キャリア層または標的面上にコーティングされた感圧接着剤、最閉可能な面ファスナ、最閉可能なキノコ形ファスナ、超音波溶接、機械的結合あるいは熱結合を含むことができる。使用される標的面および結合方法の選択は使用者のニーズに依存する。
【0056】
[0057]
次に図1〜3、特に図1Aを参照する。多層構造の積層体1は、柔軟だが実質的に伸張しないキャリア層4に結合されキャリア層4と一体に接合された、自己接着面3を有する密着層2を含む。密着層2とキャリア層4は、層2と層4の隣り合う内面によって形成された界面6に沿って一体に結合されている。図示のとおり、密着層2はキャリア層4上に直接に共押出される。密着層2とキャリア層4の厚さはともに、約2.5μm(0.1ミル)〜0.5mm(20ミル)とすることができる。
【0057】
[0058]
密着層2は、ポリエチレンなどの適当な熱可塑性ポリマー材料から形成される。層2の外面3は自己接着面であり、同様の自己接着面には互いに接着するがそれ以外の面には実質的に接着しない。キャリア層4は不織布材料から形成されており、室温または高い保管温度条件下で一緒に押圧されたとき、たとえ大径のロールとして巻かれ張力が加わったときでも、表面3に実質的に接着しない外面6aを含む。したがって積層体1は剥離ライナなしで巻き取りまたは積み重ねることができ、したがってこの積層体は、従来のおむつ製造システムで使用するために、ウェブの形態に製造し、ロールの形態で保管することができる。
【0058】
[0059]
図1〜3に示すように、積層体1は、使い捨ておむつ用の固定システムにおいて有用なファスナ構成要素として示されている。図示のとおり、使い捨ておむつは一般に、股部9によって一体に接合された前パネル7および後パネル8を含む。前パネル7および後パネル8は、腰部10および腰部11をそれぞれ有し、乳児の体を包み込み、部分的に重ねられ、おむつ固定システムによって一体に接合されて、おむつを所定の位置に保持する。使い捨ておむつ自体は、液体浸透性の身体側内ライナまたはトップシート12と、液体不浸透性の外層またはバックシート13と、内ライナ12と外カバー13の間に挟み込まれた吸収材料の中綿またはコア14とを含む3層複合構造を含む。図示のとおり、主要構成要素として積層体1をそれぞれが含む一対のおむつ固定タブ15および16が示されている。積層体1は例えば、ロールの形態でおむつ製造業者に販売され、タブ15および16を形成するために型抜きされる。タブ15および16は、使い捨ておむつの外側ライナ13に従来の構造で固定される。
【0059】
[0060]
やはり図1〜3に示されているとおり、その主要構成要素として積層体1を含む固定タブ着地ゾーン17が前パネル7に沿って外側ライナ13に固定されている。着地ゾーン17は、カバー13の外面に従来通り接着結合される。ただし他の結合手段を使用することもできる。所望ならば、おむつが汚れた後に廃棄目的でおむつを閉じるのを容易にするために、追加の積層体片(図示せず)を別の領域に配置することができる。
【0060】
[0061]
図1に最もよく示されているが、タブ15および16はそれぞれ、後パネル8の腰部11に取り付けられた内端18および外端19を含む細長い長方形の形状を有する。保管位置でおよびおむつの使用中に、外端19の末端の積層体1のキャリア層4は、外端19の末端の密着層2よりもわずかに長く延びて、指リフト領域21を提供する。自己接着面3は実質的に非接着性および非密着性なので、外端19の指リフト部分に沿って剥離ライナまたは保護タブは必要ない。おむつを閉じるため、固定タブ15および16の外端19の自己接着面3は、着地ゾーン17の自己接着面20に対して押圧されて、密着−密着界面5を形成する。前述のとおり、タブ15および16ならびに着地ゾーン17は積層体1を使用して形成されており、その全体構成は図3の断面に示されている。固定タブ15および16の自己接着面3は、着地ゾーン17の自己接着面20に対して押圧される。したがって、タブ15および16は着地ゾーン17に「固定し」または張り付けることができ、その結果、腰部10と腰部11が一体に接合されておむつを所定の位置に保持する。
【0061】
[0062]
図4〜6に、本発明の密着フィルム固定システムの第2の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつを示す。この第2の実施形態では、添字「a」の使用を除き、第1の実施形態と同様の構成要素には第1の実施形態と同様の符号が付けられている。図示のとおり、おむつ固定システムのこの第2の実施形態と図1〜3に示した第1の実施形態の唯一の大きな違いは、着地ゾーン17aが図1に示された着地ゾーン17よりもわずかに大きく、固定タブ15aおよび16aが、従来の長方形のテープではなく耳の形をしていることである。この点を除けば、図4〜6の第2の実施形態は図1〜3の第1の実施形態と全て同じである。
【0062】
[0063]
次に図7〜9を参照すると、本発明の密着フィルム固定システムの第3の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつが示されている。この第3の実施形態では、添字「b」の使用を除き、第1および第2の実施形態と同様の構成要素には第1および第2の実施形態と同様の符号が付けられている。この第3の実施形態は、おむつの前パネルの着地ゾーンの使用を排除する。その代わりに、この第3の実施形態は一対の大きな耳23および24を含み、1つの耳23の密着層の自己接着面が上を向き、耳24の密着層の自己接着面面が下を向いており、そのため耳23と耳24の外縁が重なり合っておむつ固定または閉システムを提供するようになっている。
【0063】
[0064]
図10〜12に、本発明の密着フィルム固定システムの第4の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつを示す。この第4の実施形態では、添字「c」の利用を除き、第1ないし第3の実施形態と同様の構成要素には第1ないし第3の実施形態と同様の符号が付けられている。この第4の実施形態は図7〜9の第3の実施形態と似ているが、ともに積層体1からなるおむつの前パネル7cの着地ゾーン17cと一対の大きな耳25および26とを利用する点が異なる。しかしこの第4の実施形態では耳26がその両面に自己接着面を有し、したがって、図12に最もよく示されているように、耳26が、密着層27、キャリア層28および第2の密着層29からなる3層積層体を形成する。しかし耳25は、耳15aおよび16aと同様であり、キャリア層30を有し、キャリア層30の片面にだけ密着層31を有する。その結果、固定システムが閉じられると、内耳26が着地ゾーン17cに密着し、外耳25が、着地ゾーン17cの一部および耳26の外縁の一部に密着する。
【0064】
[0065]
次に図13を参照すると、本発明の密着フィルム固定システムの第5の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつが示されている。この第5の実施形態では、添字「d」の利用を除き、第1ないし第4の実施形態と同様の構成要素には第1ないし第4の実施形態と同様の符号が付けられている。この第5の実施形態は第1の実施形態に似ているが、固定タブ15dおよび16dの縁に沿った、その上にコーティングされた感圧接着剤を含む領域32を利用する点が異なる。感圧接着剤領域32は、タブ15dおよび16dの縁が着地ゾーン17dに張り付けられることを保証する補助、追加または2次閉フィーチャとして利用することができる。感圧接着剤領域32はしたがって、使用中にタブ15dおよび16dの縁がカールして持ち上がらないことを保証する。所望ならば、従来技術で一般的に使用されている任意の感圧接着剤を利用して領域32をコーティングすることができる。さらに、領域15d、16dおよび32を逆にすることができることに留意されたい。すなわち、密着層15dおよび16dを感圧接着剤のコーティングとし、領域32を密着層とすることができる。したがって、図13のおむつの主および補助ファスナシステムはいずれか一方の形態をとることができる。
【0065】
[0066]
図14に、本発明の密着フィルム固定システムの第6の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつを示す。この第6の実施形態では、添字「e」の利用を除き、第1ないし第5の実施形態と同様の構成要素には第1ないし第5の実施形態と同様の符号が付けられている。この第6の実施形態は、おむつの前パネル7eの着地ゾーン17eと、感圧接着剤またはベルクロ(Velcro)あるいは他の機械的ファスナで覆われた固定タブ16eとを利用する。しかし図14に示した実施形態では、おむつの腰部10e(図示せず)および11eが、その側部に沿って結合された耳33および34を含む。耳33および34は、本明細書に記載の密着層および/または積層体からなる。使用の際、耳33の外側を向いた密着面が耳34の内側を向いた密着面と重なり合って、おむつのサイドシームを形成する補助ファスナまたは閉システムを提供し、タブ16eが着地ゾーン17eと係合して、使い捨ておむつの主要ファスナシステムを提供する。この場合も、所望ならば主要ファスナシステムと補助ファスナシステムを逆にすることができることに留意されたい。すなわち、耳33を感圧接着剤にコーティングし、タブ16eを密着層/積層体とすることができる。
【0066】
[0067]
図15に、本発明の密着フィルム固定システムの第7の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつを示す。この第7の実施形態では、添字「f」の使用を除き、第1ないし第6の実施形態と同様の構成要素には第1ないし第6の実施形態と同様の符号が付けられている。この第7の実施形態は図14の第6の実施形態に似ているが、図14に示された固定タブ16eおよび着地ゾーン17eが排除される点が異なる。代わりにこの実施形態は、使い捨ておむつの固定システムとして機能する一体の耳35および36だけを含む。図示のとおり、耳35の密着層の自己接着面は外側を向き、耳36の自己接着面は内側を向き、そのため重ね合わされたときに耳35と36は、おむつ固定または閉システムを提供する。
【0067】
[0068]
おむつの腰部10fおよび11fに耳35および36を接着する代わりに、使い捨ておむつのバックシートまたは外ライナ12fの一部として耳35および36を一体に形成することもできることに留意されたい。言い換えると、図3は、内ライナまたはトップシート12と、外ライナまたはバックシート13と、それらの間に挟み込まれた内側中綿または吸収性コア14とを含むおむつを示す。外ライナまたはバックシート13の代わりに積層体1を、不織キャリア層が外側を向き、密着層が内側を向くようにして使用することが企図される。このようにすると、バックシートを構成する外側積層体の一部として耳35および36を一体に形成することができる。このように図15に示した実施形態では、腰部10fおよび11fの側部に耳35および36を接着する代わりに、耳35および36を、バックシート12の代替としての積層体1と一体に形成することができる。
【0068】
[0069]
図16に、本発明の密着フィルム固定システムの第8の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつを示す。この第8の実施形態では、添字「g」の利用を除き、第1ないし第7の実施形態と同様の構成要素には第1ないし第7の実施形態と同様の符号が付けられている。この第8の実施形態は第7の実施形態に似ているが、密着フィルム/不織積層体を補足するものとして面ファスナ固定システムを利用する点が異なる。図示のとおり、この第8の実施形態は一対の耳37および38を含み、耳37は外側を向いた自己接着面を有し、耳38は内側を向いた自己接着面を有する。しかしさらに、耳37はフック固定材料のストリップ39を含み、耳38はループ固定材料のストリップ40を含む。したがって、耳37と耳38が重ね合わされた位置に配置されると、自己接着面が互いに密着して主閉システムを形成し、ストリップ39と40が補助または補足の閉システムを提供して、より確実なおむつ固定システムを保証する。ストリップ39と40の固定材料を逆にすることができることに留意されたい。すなわち、所望ならば、ストリップ40をフックファスナとし、ストリップ39をループファスナとすることができる。さらに、ストリップ39および40の具体的な位置および/または構成は、所望の補足の閉システムの所望の量に応じて変更することができる。
【0069】
[0070]
他の代替実施形態では密着フィルム積層体が、図17〜18に示すように、女性用ケアパッドまたは生理用ナプキン41の固定システムの役目を果たす。生理用ナプキン41は、トップシート42、バックシート43ならびに羽44および45を有する。図示のとおり、密着フィルム積層体は、バックシート43または羽44、45、あるいはその両方を形成することができる。密着フィルム積層体は、それぞれ領域46および47によって示されているように羽44および45上に配置されることが好ましい。あるいは、羽44および/または45全体が密着フィルム積層体からなることもできる。図17では領域46の自己接着面が上を向き、領域47の自己接着面が紙面を貫く方向に下を向いている(クロスハッチングによって示されている)ことに留意されたい。図18に示すように、密着フィルム積層体46、47は、着用者の下着48を一巻きした羽44と羽45を互いに接続する働きをする。
【0070】
[0071]
図19に示すように、その両縁に沿って縦に延びる密着層51、52と、間隔を置いて配置された横に延びる密着層53とを既に有する包装材50を含む軟包装材料は、ストックロールから引き出され、アイドラロール54を回って包装ステーションに供給される。これらの密着層および/または積層体は、包装材50のある部分(例えばその両縁)にだけ結合されているように示されているが、所望ならば、密着層が包装材50の表面全体を覆うこともできることに留意されたい。矢印55は、キャンディバーなどの物品の挿入を指示し、これは、密着層51、52および53を一緒に押圧することによって縦シール56および横シール57を連続的に生み出して、当技術分野で知られている従来の方法で包装単位58を生み出すことを伴う。切断装置(図示せず)が横シール57に沿って切断することによって従来の任意の方法で包装単位58を切り離して、両側の横シーム59a、59bおよびに縦シーム59cを有する包装された個々のピース59を形成する。コールドシールまたは凝集コーティングが現在使用されている任意の応用、特に軟包装応用で、この密着フィルム層/積層体ファスナを使用することが企図される。さらにこれを、面ファスナ、キノコ形ファスナ、プラスチック袋の「Zip Lock」シールなどの機械的取付けの代用とすることができる。
【0071】
[0072]
図20に、本発明の密着フィルム層/積層体固定システムを組み込んだ段ボール箱60を示す。密着層61、62はそれぞれ上フラップ63、64の下面に適用されており、密着層65、66はそれぞれ上フラップ67、68の上面に適用されている。箱60の上フラップ63、64が折り曲げられ、フラップ67、68と接触し、圧力が加えられると、密着層61、62が密着層65、66と係合して、箱60を封じる。
【0072】
[0073]
図21に、本発明の密着フィルム層/積層体固定システムを組み込んだ封筒70を示す。密着層71はフラップ72の内面の縁に沿って適用されており、密着層73は、封筒70の内部に通じる開口に隣接したサイドフラップ74、75およびバックパネル76の上縁の外面に沿って適用されている。フラップ72が折り曲げられ、それに圧力が加えられると、密着層71は密着層73と係合して、層71または73を濡らす必要のない自己シール方式で封筒70を封じる。この場合も、感圧接着剤が現在使用されている任意の応用で、この密着フィルム層/積層体ファスナを使用することが企図される。
【0073】
[0074]
図23に、本発明の密着フィルム層/積層体固定システムを組み込んだプラスチック袋78の正面透視図を示し、図24にその断面図を示す。図23および24に示した実施形態は、軟包装応用に関して使用される再閉可能な固定システムを表す。プラスチック袋78は再封可能なタイプであり、透明で柔軟な前壁またはパネル79および後壁またはパネル80を含む、全体に長方形の外形を有するものとして示されている。前および後壁79、80は、壁79および80の底縁および側縁を一体に熱シールして閉じた容器を形成することを可能にするポリマー材料でできている。壁769、80を形成するのに適した材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン系共重合体およびプロピレン系共重合体などのポリオレフィンが含まれる。
【0074】
[0075]
図示の実施形態では、前壁79の上縁82と協力して、上縁81、82が分離されたときに袋78の中へのアクセス開口83を決定する上縁81を画定するために、後壁80が前壁79よりもわずかに高い高さを有する。本発明によれば、密着フィルムファスナ84は上縁81の内面に沿って適用され、その密着面は露出し、前壁79の方を向く。さらに、前壁79の上縁82に沿って、第2の密着フィルムファスナ85が適用され、その密着面は露出し、後壁80に向かって延びる。したがって、ファスナ84の密着面がファスナ85の密着面と係合するように上縁81および82に圧力が加えられると、反対側にある2つの密着面が互いに接着して、図24に示すように開口83を閉じる。ファスナ84および85は、本明細書で説明した密着フィルム単層または密着フィルム積層体の形態をとることができる。
【0075】
[0076]
図25に、テープ86の形態の本発明の密着フィルム層/積層体固定システムを示す。テープ86は多層積層構造体であり、密着層87と、構造基材または層88およびベース層89からなるキャリア層とを含む。層88、89の一方または両方は実質的に伸張せず、さらに層88、89は、テープ86に望ましい特性を提供するように特に設計することができる。例えば、層88は引裂き抵抗層とし、または穿刺抵抗層とすることができる。さらに、層88、89は、適当な任意の材料、特に先に説明したポリオレフィンなどのプラスチックポリマーフィルムから形成することができる。層87、88および89は先に説明した任意の方法で一体に共接合されてテープ86を形成する。最後に、テープ86は、ベース層89上に形成された結合層90を含む。結合層90は、一般にテープとともに使用されて標的面へのテープ86の固定を達成する任意の感圧接着剤とすることができる。
【実施例1】
【0076】
[0077]
本発明に従って作られた積層体の改良された剥離および剪断特性を、下表1に報告されたデータによって示す。試験されたそれぞれの積層体に関して、室温においてだけではなく高温での老化の後も、剥離強さが50g以下であり、剪断強さが許容可能(全ての試料が少なくとも8時間保持された)であった。
【0077】
【表1】

【0078】
[0078]
密着積層体の調製法:
Nordsonコーティング/積層機を使用して表1に記載した密着フィルムを不織キャリア層に積層した。感圧型ホットメルト接着剤を10グラム/平方メートルのアドオン濃度で使用し、標準メルトブローン塗布機を使用して塗布した。この接着剤を不織基材に塗布し、250ミリ秒のオープンタイムの後に密着フィルムの非密着面に挟み付けた。これらの2つの基材を結合した後、得られた密着積層体を巻き取った。この積層体を調製するために使用した接着剤はH2545であり、これはBostik Findley,Inc社から入手可能である。不織布は、Avgol Nonwoven Industries社から入手可能な坪量14g/m2の標準スパンボンドポリプロピレン不織布である。
【0079】
[0079]
剥離試験法:
剥離試験は、Instron引張り試験機を使用し、91cm/分(36インチ/分)のクロスヘッド速度で実行した。幅5cm(2インチ)の積層体試料を、同じ幅の第2の積層体と、密着面どうしを合わせて置いた。試験の前に、500グラムのローラを使用して積層体を圧縮した。使用した試験法は標準180度剥離試験である。表には平均剥離強さ(グラム)が報告される。同じものを、38℃(100°F)および49℃(120°F)のインキュベータオーブン内で24時間保管したものも試験した。この高温保管中に積層体は結合されなかった。老化の後、それらの試料は上記のとおりに試験した。
【0080】
[0080]
剪断試験法:
幅5cm(2インチ)の密着積層体試料を、第2の積層体と、密着面どうしを接触させて置いた。重なり領域は、5cm(2インチ)×3.8cm(1 1/2インチ)であった。500グラムの標準ローラを使用してこの構造体を圧縮した。38℃(100°F)のインキュベータオーブンの中で、500グラムの重りを使用して、修正された180度剪断配置でこの結合された領域に応力を加え続けた。すなわち、剪断試料を15cm(6インチ)コア部材のまわりに置き、結合領域をおよそ9時の位置に配置した。この結合が4時間続いた場合、試験に合格したとみなした。
【0081】
[0081]
Pactiv APM3−2015ストレッチフィルムは、Pactiv Corporation社(1900 West Field Court,Lake Forest,IL 60045)から入手可能である。
[0082]
Prestoフィルムは、Presto Products Company社(P.O.Box 2399,Appleton,WI 54912)から入手可能である。
[0083]
Paragonフィルムは、Paragon Films,Inc.社(3500 West Tacoma,Broken Arrow,OK 74012)から入手可能である。
[0084]
完成製品上の固定システムの最終用途の要件によっては、所望の剥離強さが実施例1に記載したものよりも高くなる、すなわち最高393.7g/cm(1000g/インチ)になることがある。
【実施例2】
【0082】
[0085]
この実施例は、本発明に従って構築された密着積層体の剥離強さに対する老化の影響を決定し、得られたデータを、米国特許第5085655号に開示された従来技術の積層体のそれと比較するために実行した。それに応じて、実施例1で説明した剥離試験法を、クロスヘッド速度25.4cm/分(10インチ/分)を使用して、幅5cm(2インチ)の2枚の積層体試料に対してもう一度実行した。本発明に従って製造された積層体の最初、1時間後、1日後および13日後の平均剥離強さ(グラム)を表2Aに報告する。全ての試料は、示された時間の間、室温(RT)で保管した。次いでこれらのデータを、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)ブロック共重合体またはエチレン−プロピレンゴム(EPR)を自己接着層として使用した従来技術の積層体を記述したMann他の米国特許第5085655号に報告されている結果と比較する。Mann他のデータを表2Bに報告する。
【0083】
【表2】

【0084】
【表3】

【0085】
[0086]
上記のデータから、試験した本発明の密着積層体の剥離強さは、老化中にそれほど増大せず、13日の老化後もそうであると結論することができる。対照的に、従来技術の積層体の剥離強さは時間とともに劇的に増大した。
【実施例3】
【0086】
[0087]
さらなる比較として、現在市販されているいくつかのおむつの固定システムの剥離および剪断特性を得、実施例1と同じ方法で試験した。データを下表3に示す。試験したテープ固定システムの剥離強さは、本発明の密着積層体よりもかなり高く、また、38℃(100°F)、8時間の老化中にかなり増大することに留意されたい。
【0087】
[0088]
各種市販固定システムの剥離値:
試験のため、市販されているおむつのいくつかの試料を得た。うち2つは従来の感圧テープタブを使用し、2つは機械式ファスナシステムを使用する。先に説明した同じ基本剥離試験を、以下のように変更して使用した。
【0088】
[0089]
それぞれのおむつの着地ゾーンをおむつから切り取った。感圧テープタブの場合、着地ゾーンは、バックシートに結合された1片のポリプロピレンフィルムからなり、外面に剥離コーティングを有していた。感圧テープタブをこの構造体の剥離面上に置き、500グラムのローラをかけた。機械式ファスナの場合、着地ゾーンは、おむつのバックシートに結合された「ループ」材料からなっていた。「フック」タブ部分を着地ゾーンの「ループ」面と接触させて置き、500グラムのローラをかけた。180度剥離試験を、前述と同じ条件を使用して実行した。平均剥離強さを記録した。さらに、剥離強さが変化するかどうかを見るため、結合させたままの感圧テープタブを、38℃(100°F)で8時間老化させた。老化の影響を結合が受けるはずがないので機械式ファスナは老化させなかった。
【0089】
【表4】

【0090】
[0090]
さらに、実施例3の試料1および2について、実施例1に記載の方法に従って剪断試験を実行した。全ての試料は最初の4時間試験に合格した。老化させた試料の剪断試験は実行しなかった。しかし老化させた試料も合格したと予想される。
[0091]
実施例3の試料3および4の剪断試験は実行しなかったが、それらもこの試験に合格したと予想される。
【実施例4】
【0091】
[0092]
この実施例は、Davis Standard押出機を使用し本発明に従って構築された各種3層密着フィルム積層体の剥離強さを決定するために実行した。実施例1で説明した剥離試験法を使用して、表4に報告したデータを得た。表4では文字「c」が、ポリマーブレンドの計算密度または計算メルトインデックスを指す。
【0092】
【表5】

【0093】
[0093]
これらの積層体は、3つの別個の層を有するDavis Standard共押出ユニット上で製造された。ダイ自体は幅25.4cm(10インチ)および厚さ0.5mm(20ミル)であり、約15対30対1のスクリュー長さ/直径比を有する3つの押出機によって供給された。スクリュー直径は2.54cm(1インチ)または3.81cm(1.5インチ)、回転数は約4〜20rpmであった。溶融物は3つのゾーンに沿って次第に加熱され、最終温度は約190℃〜230℃であった。フィルムは、約16℃(60°F)の冷えた金属ロール上へ押し出され、次いで38℃(100°F)に加熱された第2のロールと接触させた。ライン速度は約12〜15メートル/分であった。数日後、これらのフィルム試料の剥離性能を試験した。
【0094】
[0094]
最上層は、上記の「密着」フィルム共重合体(または共重合体のブレンド)であった。
[0095]
中層は、積層体のキャリア層の構造層であり、0.914g/cm3の密度および3.2g/10分のメルトインデックス(MI)を有するLLDPEであるTuflin7021を含む。
[0096]
最下層は、積層体のキャリア層のベース層であり、0.934g/cm3の密度および2.7g/10分のMIを有する高密度ポリエチレンを含む。
[0097]
それぞれのフィルム層の厚さは25μm(1ミル)であった。
[0098]
AffinityおよびTuflinグレードはDow Chemical Co.社から入手可能である。
[0099]
Engageグレードは、DuPont Dow Elastomers社から入手可能である。
[0100]
最下層に使用した高密度ポリエチレンは、Atofina Petrochemicals社から入手可能である。
[0101]
これらのデータは、本発明の密着フィルム積層体の剥離強さが密度の低下とともに増大すること、およびこれらの密着フィルム積層体が、本明細書に記載された固定および結合システムで使用するのに適当であり、一方で従来技術の密着フィルムは十分な剥離強さを持たないことを示している。密度と剥離強さのこの関係は図22にも示されている。
【実施例5】
【0095】
[0102]
この実施例は、Randcastle Monolayer押出機を使用し本発明に従って構築された各種密着層の剥離強さを決定するために実行した。実施例1で説明した剥離試験法を使用して、表5に報告したデータを得た。表5では文字「c」が、ポリマーブレンドの計算密度または計算メルトインデックスを指す。
【0096】
【表6】

【0097】
[0103]
これらのフィルムは、Randcastle研究室スケール単層押出しユニット上で製造され、それぞれのフィルムの厚さは76μm(3ミル)であった。ダイ自体は幅が15.2cm(6インチ)であり、約20対1のスクリュー長さ/直径比を有する1つの押出機によって供給された。スクリュー回転数は4〜25rpmであった。溶融物は4つのゾーンに沿って加熱され、最終温度は約180℃〜240℃であった。フィルムは最初、約16℃(60°F)の冷えた金属ロールと接触させた。ライン速度は0.4〜1.5メートル/分であった。数日後、フィルム試料の剥離性能を試験した。
[0104]
これらのデータは、本発明の密着フィルム積層体の剥離強さが密度の低下とともに増大すること、およびこれらの密着フィルム積層体が、本明細書に記載された固定および結合システムで使用するのに適当であることを示している。密度と剥離強さのこの関係は図22にも示されている。
[0105]
上記実施例5では、Affinity VP8770が、本発明の密着フィルムファスナの実質的に伸張しない自立シートまたは単層実施形態の一例であることに留意されたい。さらに、Randcastle押出しユニット上で製造されたフィルム(実施例5)の密着面は、Davis Standardユニット上で製造されたフィルム(実施例4)の密着面ほどには滑らかでなく、その結果、同じ共重合体(例えばAffinity VP 8770)が、その密着面が滑らかでテクスチャを持たないときにより高い剥離強さを有することに留意されたい。このことは、密着面のテクスチャを変化させると、同じ密度の共重合体でも異なる剥離強さを得ることができることを示している。
【実施例6】
【0098】
[0106]
この実施例は、プロピレン系共重合体(Dow Chemical Company社の「Versify」)を使用し本発明に従って構築された各種3層密着フィルム積層体の剥離強さを決定し、これらの剥離強さを、エチレン系共重合体(Dow Chemical Company社の「Affinity」)から構築された同様の積層体と比較するために実行した。実施例1で説明した剥離試験法を使用して、表6Aおよび6Bに報告したデータを得た。積層体の密着層には以下の共重合体を使用した。
【0099】
【表7】

【0100】
[0107]
これらの3層フィルム積層体は、3つの別個のフィード回路を有するDavis Standard共押出ユニット上で製造された。ダイ自体は幅25.4cm(10インチ)および厚さ0.5mm(20ミル)であり、約15対30対1のスクリュー長さ/直径比を有する3つの押出機によって供給された。スクリュー直径は2.54cm(1インチ)または3.81cm(1.5インチ)、回転数は約4〜20rpmであった。溶融物は3つのゾーンに沿って次第に加熱され、最終温度は約190℃〜230℃であった。フィルム構造体は、約16℃(60°F)の冷えた金属ロール上へ押し出され、次いで38℃(100°F)に加熱された第2のロールと接触させた。ライン速度は約12〜15メートル/分であった。
[0108]
このフィルム構造体は、厚さ25μm(1ミル)の密着材料層、厚さ25μm(1ミル)の中密度PE(ポリエチレン)層、および厚さ13μm(0.5ミル)の高密度PE(ポリエチレン)層からなる。汚染および潜在的なブロッキングに対する保護シートとしてのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムで密着面を積層してロールを形成した。
[0109]
剥離データは表6Aに報告されており、このデータは、プロピレンベースの密着層の剥離力はエチレンベースの密着層のそれよりも小さいが、それでもプロピレンベースの密着層は、積層体の所望の最終用途に応じた十分な剥離強さを提供することを示している。
【0101】
【表8】

【0102】
[0110]
エチレンベースの密着層およびプロピレンベースの密着層の再封可能性を示すため、表6Bに、1回、3回および連続する5回の剥離後の密着層の剥離強さの比較を示す。このデータは、プロピレンベースの密着層が、連続する5回の剥離後もその剥離強さ(したがって自体を再封する能力)を維持し、エチレンベースの密着層は、連続する剥離の回数が増えるにつれてずっと大きな速度でその剥離強さを失う傾向があることを示している。
【0103】
【表9】

【図面の簡単な説明】
【0104】
[0111]
【図1】図1は、本発明の密着フィルム固定システムの第1の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつの正面透視図である。 図1Aは、本発明に基づく密着フィルムファスナの断面図である。
【図2】おむつの一部分を示す透視図であって、図1の密着フィルム固定システムを用いて実施された最初の閉操作を示す図である。
【図3】図2の線3−3の平面でとった断面図である。
【図4】本発明の密着フィルム固定システムの第2の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつの正面透視図である。
【図5】おむつの一部分を示す透視図であって、図4の固定システムを用いて実施された最初の閉操作を示す図である。
【図6】図5の線6−6の平面に沿ってとった断面図である。
【図7】本発明の密着フィルム固定システムの第3の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつの正面透視図である。
【図8】おむつの一部分を示す透視図であって、図7の固定システムを用いて実施された最初の閉操作を示す図である。
【図9】図8の線9−9の平面に沿ってとった断面図である。
【図10】本発明の密着フィルム固定システムの第4の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつの正面透視図である。
【図11】おむつの一部分を示す透視図であって、図10の固定システムを用いて実施された最初の閉操作を示す図である。
【図12】図11の線12−12の平面に沿ってとった断面図である。
【図13】本発明の密着フィルム固定システムの第5の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつの正面透視図である。
【図14】本発明の密着フィルム固定システムの第6の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつの正面透視図である。
【図15】本発明の密着フィルム固定システムの第7の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつの正面透視図である。
【図16】本発明の密着フィルム固定システムの第8の実施形態を組み込んだ使い捨ておむつの正面透視図である。
【図17】本発明の密着フィルム固定システムを組み込んだ女性用ケアパッドを含む吸収性物品の平面図である。
【図18】使用者によって着用されているように示された、図17の女性用ケアパッドの透視図である。
【図19】本発明の密着フィルム固定システムを組み込んだ、キャンディ包装材などのスナック食品包装の製造を示す概略図である。
【図20】上フラップに本発明の密着フィルム固定システムを組み込んだ段ボール箱の概略透視図である。
【図21】本発明の密着フィルム積層体固定システムを組み込んだ封筒の平面図である。
【図22】Davis Standard押出機(実施例4のデータ)およびRandcastle Monolayer押出機(実施例5のデータ)を使用して本発明に従って構築された各種密着フィルム積層構造体の密度に対する剥離強さのグラフである。
【図23】本発明の密着フィルム固定システムを再封可能なクロージャとして組み込んだプラスチック袋の正面透視図である。
【図24】図23の線24−24に沿ってとった拡大断面図である。
【図25】本発明の密着フィルム固定システムを組み込んだテープの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定用構成要素を有する密着フィルムファスナシステムであって、
内側面と外側密着面とを有する実質的に伸張しない密着層を含み、前記密着層がポリオレフィン共重合体を含み、前記ポリオレフィン共重合体が、エチレンとC3〜C18α−オレフィンコモノマーとのメタロセンまたはシングルサイト触媒を用いて得られたエチレン系共重合体であって、前記コモノマーを少なくとも20重量%有する共重合体、プロピレンとC2からC18α−オレフィンコモノマーとのメタロセンまたはシングルサイト触媒を用いて得られたプロピレン系共重合体であって、前記コモノマーを少なくとも5重量%有する共重合体、および前記エチレン系共重合体のブレンド、前記プロピレン系共重合体のブレンド、または1種もしくは複数の前記エチレン系共重合体と1種もしくは複数の前記プロピレン系共重合体のブレンドからなる群から選択されるファスナシステム。
【請求項2】
前記エチレン系共重合体が前記コモノマーを20〜50重量%有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項3】
前記エチレン系共重合体が前記コモノマーを25〜50重量%有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項4】
前記エチレン系共重合体が前記コモノマーを30〜50重量%有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項5】
前記エチレン系共重合体が0.89g/cm3以下の密度を有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項6】
前記エチレン系共重合体が0.89g/cm3〜0.85g/cm3の密度を有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項7】
前記エチレン系共重合体が0.88g/cm3〜0.85g/cm3の密度を有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項8】
前記エチレン系共重合体が0.875g/cm3〜0.85g/cm3の密度を有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項9】
前記エチレン系共重合体が、190℃において100g/10分以下のメルトインデックスを有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項10】
前記エチレン系共重合体が、190℃において50g/10分以下のメルトインデックスを有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項11】
前記エチレン系共重合体の前記α−オレフィンコモノマーがオクテンを含む、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項12】
前記プロピレン系共重合体が前記コモノマーを5〜30重量%有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項13】
前記プロピレン系共重合体が前記コモノマーを5〜15重量%有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項14】
前記プロピレン系共重合体が、230℃において100g/10分以下のメルトインデックスを有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項15】
前記プロピレン系共重合体が、230℃において50g/10分以下のメルトインデックスを有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項16】
前記プロピレン系共重合体の前記α−オレフィンコモノマーがエチレンを含む、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項17】
前記ブレンドが、0.89g/cm3以下の計算密度を有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項18】
前記ブレンドが、0.89g/cm3〜0.85g/cm3の計算密度を有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項19】
前記ブレンドが、0.88g/cm3〜0.85g/cm3の計算密度を有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項20】
前記ブレンドが、0.875g/cm3〜0.85g/cm3の計算密度を有する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項21】
前記固定用構成要素が、第1および第2の対向面を有するキャリア層をさらに含み、前記第1の面が前記密着層の前記内側面に結合されて密着フィルム積層構造体を形成した、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項22】
前記キャリア層が不織布を含む、請求項21に記載のファスナシステム。
【請求項23】
前記キャリア層が、ポリオレフィン、エチレンとC3〜C18オレフィンとの共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、アクリルポリマー、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ハロゲン化ポリマー、セルロース化合物、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル、およびエチレン/メタクリル酸のナトリウム塩または亜鉛塩に基づくアイオノマーからなる群から選択される熱可塑性フィルムを含む、請求項21に記載のファスナシステム。
【請求項24】
前記ポリオレフィンがポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリブチレンである、請求項23に記載のファスナシステム。
【請求項25】
前記ポリアミドがナイロンである、請求項23に記載のファスナシステム。
【請求項26】
前記アクリルポリマーが、ポリエチレンメチルアクリル酸、ポリエチレンn−ブチルアクリレート、ポリエチレンエチルアクリレートまたはポリエチレンメチルアクリレートである、請求項23に記載のファスナシステム。
【請求項27】
前記ハロゲン化ポリマーがポリ塩化ビニルまたはポリ塩化ビニリデンである、請求項23に記載のファスナシステム。
【請求項28】
前記密着層が、その伸張されていない最初の形状から25%以下伸張する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項29】
前記密着層が、その伸張されていない最初の形状から10%以下伸張する、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項30】
前記密着フィルム積層構造体が、その伸張されていない最初の形状から25%以下伸張する、請求項21に記載のファスナシステム。
【請求項31】
前記密着フィルム積層構造体が、その伸張されていない最初の形状から10%以下伸張する、請求項21に記載のファスナシステム。
【請求項32】
前記キャリア層がその最初の形状から実質的に伸張しない、請求項21に記載のファスナシステム。
【請求項33】
前記キャリア層が、その最初の形状から25%以下伸張する、請求項32に記載のファスナシステム。
【請求項34】
前記キャリア層が、その最初の形状から10%以下伸張する、請求項32に記載のファスナシステム。
【請求項35】
前記密着層が、前記ポリオレフィン共重合体の自立単層を含む、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項36】
前記密着層の前記内側面も密着性を示す、請求項1に記載のファスナシステム。
【請求項37】
標的面、および前記キャリア層の前記第2の面と前記標的面の間の結合をさらに含む、請求項21に記載のファスナシステム。
【請求項38】
前記結合が、前記第2の面または前記標的面上にコーティングされたホットメルト接着剤を含む、請求項37に記載のファスナシステム。
【請求項39】
前記結合が、前記第2の面または前記標的面上にコーティングされた感圧接着剤を含む、請求項37に記載のファスナシステム。
【請求項40】
前記結合が再閉可能な面ファスナを含む、請求項37に記載のファスナシステム。
【請求項41】
前記結合が再閉可能なキノコ形ファスナを含む、請求項37に記載のファスナシステム。
【請求項42】
前記結合が超音波溶接を含む、請求項37に記載のファスナシステム。
【請求項43】
前記結合が機械的結合を含む、請求項37に記載のファスナシステム。
【請求項44】
前記結合が熱結合を含む、請求項37に記載のファスナシステム。
【請求項45】
請求項1に記載の密着層が結合された基材を含むパッケージ、封筒、テープまたは使い捨て繊維製品。
【請求項46】
請求項21に記載の密着フィルム積層構造体が結合された基材を含むパッケージ、封筒、テープまたは使い捨て繊維製品。
【請求項47】
請求項35に記載の密着層が結合された基材を含むパッケージ、封筒、テープまたは使い捨て繊維製品。
【請求項48】
第1および第2の対向面を有する実質的に伸張しないキャリア層と、
前記キャリア層の前記第1の面に結合されて密着フィルム積層構造体を形成した密着層とを含み、前記密着層がポリオレフィン共重合体を含み、前記ポリオレフィン共重合体が、エチレンとC3〜C18α−オレフィンコモノマーとのメタロセンまたはシングルサイト触媒を用いて得られたエチレン系共重合体であって、前記コモノマーを少なくとも20重量%有する共重合体、プロピレンとC2〜C18α−オレフィンコモノマーとのメタロセンまたはシングルサイト触媒を用いて得られたプロピレン系共重合体であって、前記コモノマーを少なくとも5重量%有する共重合体、および前記エチレン系共重合体のブレンド、前記プロピレン系共重合体のブレンド、または1種もしくは複数の前記エチレン系共重合体と1種もしくは複数の前記プロピレン系共重合体のブレンドからなる群から選択される積層構造体。
【請求項49】
前記エチレン系共重合体が前記コモノマーを20〜50重量%有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項50】
前記エチレン系共重合体が前記コモノマーを25〜50重量%有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項51】
前記エチレン系共重合体が前記コモノマーを30〜50重量%有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項52】
前記エチレン系共重合体が0.89g/cm3以下の密度を有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項53】
前記エチレン系共重合体が0.89g/cm3〜0.85g/cm3の密度を有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項54】
前記エチレン系共重合体が0.88g/cm3〜0.85g/cm3の密度を有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項55】
前記エチレン系共重合体が0.875g/cm3〜0.85g/cm3の密度を有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項56】
前記エチレン系共重合体が、190℃において100g/10分以下のメルトインデックスを有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項57】
前記エチレン系共重合体が、190℃において50g/10分以下のメルトインデックスを有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項58】
前記エチレン系共重合体の前記α−オレフィンコモノマーがオクテンを含む、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項59】
前記プロピレン系共重合体が前記コモノマーを5〜30重量%有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項60】
前記プロピレン系共重合体が前記コモノマーを5〜15重量%有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項61】
前記プロピレン系共重合体が、230℃において100g/10分以下のメルトインデックスを有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項62】
前記プロピレン系共重合体が、230℃において50g/10分以下のメルトインデックスを有する、請求項48 1に記載の積層構造体。
【請求項63】
前記プロピレン系共重合体の前記α−オレフィンコモノマーがエチレンを含む、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項64】
前記ブレンドが、0.89g/cm3以下の計算密度を有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項65】
前記ブレンドが、0.89g/cm3〜0.85g/cm3の計算密度を有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項66】
前記ブレンドが、0.88g/cm3〜0.85g/cm3の計算密度を有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項67】
前記ブレンドが、0.875g/cm3〜0.85g/cm3の計算密度を有する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項68】
前記キャリア層が不織布を含む、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項69】
前記キャリア層が、ポリオレフィン、エチレンとC3〜C18オレフィンとの共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、アクリルポリマー、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ハロゲン化ポリマー、セルロース化合物、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル、およびエチレン/メタクリル酸のナトリウム塩または亜鉛塩に基づくアイオノマーからなる群から選択される熱可塑性フィルムを含む、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項70】
前記ポリオレフィンがポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリブチレンである、請求項69に記載の積層構造体。
【請求項71】
前記ポリアミドがナイロンである、請求項69に記載の積層構造体。
【請求項72】
前記アクリルポリマーが、ポリエチレンメチルアクリル酸、ポリエチレンn−ブチルアクリレート、ポリエチレンエチルアクリレートまたはポリエチレンメチルアクリレートである、請求項69に記載の積層構造体。
【請求項73】
前記ハロゲン化ポリマーがポリ塩化ビニルまたはポリ塩化ビニリデンである、請求項69に記載の積層構造体。
【請求項74】
前記密着フィルム積層構造体が、その伸張されていない最初の形状から25%以下伸張する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項75】
前記密着フィルム積層構造体が、その伸張されていない最初の形状から10%以下伸張する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項76】
前記キャリア層が、その最初の形状から25%以下伸張する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項77】
前記キャリア層が、その最初の形状から10%以下伸張する、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項78】
前記キャリア層が、複数の基材を含む多層構造体を含む、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項79】
1つまたは複数の前記基材が実質的に伸張しない、請求項78に記載の積層構造体。
【請求項80】
標的面、および前記ベースキャリア層の前記第2の面と前記標的面の間の結合をさらに含む、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項81】
前記結合が、前記第2の面または前記標的面上にコーティングされたホットメルト接着剤を含む、請求項80に記載の積層構造体。
【請求項82】
前記結合が、前記第2の面または前記標的面上にコーティングされた感圧接着剤を含む、請求項80に記載の積層構造体。
【請求項83】
前記結合が再閉可能な面ファスナを含む、請求項80に記載の積層構造体。
【請求項84】
前記結合が再閉可能なキノコ形ファスナを含む、請求項80に記載の積層構造体。
【請求項85】
前記結合が超音波溶接を含む、請求項80に記載の積層構造体。
【請求項86】
前記結合が機械的結合を含む、請求項80に記載の積層構造体。
【請求項87】
前記結合が熱結合を含む、請求項80に記載の積層構造体。
【請求項88】
前記キャリア層が柔軟な基材を含む、請求項48に記載の積層構造体。
【請求項89】
請求項48に記載の密着フィルム積層構造体が結合された基材を含むパッケージ、封筒、テープまたは使い捨て繊維製品。
【請求項90】
請求項78に記載の密着フィルム積層構造体が結合された基材を含むパッケージ、封筒、テープまたは使い捨て繊維製品。
【請求項91】
積層構造体を製造する方法であって、
第1および第2の対向面を有する実質的に伸張しないキャリア層を用意するステップと、
ポリオレフィン共重合体を含む密着層を用意するステップであって、前記ポリオレフィン共重合体が、エチレンとC3からC18α−オレフィンコモノマーとのメタロセンまたはシングルサイト触媒を用いて得られたエチレン系共重合体であって、前記コモノマーを少なくとも20重量%有する共重合体、プロピレンとC2からC18α−オレフィンコモノマーとのメタロセンまたはシングルサイト触媒を用いて得られたプロピレン系共重合体であって、前記コモノマーを少なくとも5重量%有する共重合体と、前記エチレン系共重合体のブレンド、前記プロピレン系共重合体のブレンド、または1種もしくは複数の前記エチレン系共重合体と1種もしくは複数の前記プロピレン系共重合体のブレンドとからなるグループから選択されるステップと、
前記キャリア層の前記第1の面と前記密着層とを結合して、密着フィルム積層構造体を形成するステップとを含む方法。
【請求項92】
前記エチレン系共重合体が前記コモノマーを20〜50重量%有する、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記エチレン系共重合体が前記コモノマーを25〜50重量%有する、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記エチレン系共重合体が前記コモノマーを30〜50重量%有する、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記エチレン系共重合体が0.89g/cm3以下の密度を有する、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
前記エチレン系共重合体が0.89g/cm3〜0.85g/cm3の密度を有する、請求項91に記載の方法。
【請求項97】
前記エチレン系共重合体が0.88g/cm3〜0.85g/cm3の密度を有する、請求項91に記載の方法。
【請求項98】
前記エチレン系共重合体が0.875g/cm3〜0.85g/cm3の密度を有する、請求項91に記載の方法。
【請求項99】
前記エチレン系共重合体が、190℃において100g/10分以下のメルトインデックスを有する、請求項91に記載の方法。
【請求項100】
前記エチレン系共重合体が、190℃において50g/10分以下のメルトインデックスを有する、請求項91に記載の方法。
【請求項101】
前記エチレン系共重合体の前記α−オレフィンコモノマーがオクテンを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項102】
前記プロピレン系共重合体が前記コモノマーを5〜30重量%有する、請求項91に記載の方法。
【請求項103】
前記プロピレン系共重合体が前記コモノマーを5〜15重量%有する、請求項91に記載の方法。
【請求項104】
前記プロピレン系共重合体が、230℃において100g/10分以下のメルトインデックスを有する、請求項91に記載の方法。
【請求項105】
前記プロピレン系共重合体が、230℃において50g/10分以下のメルトインデックスを有する、請求項91に記載の方法。
【請求項106】
前記プロピレン系共重合体の前記α−オレフィンコモノマーがエチレンを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項107】
前記ブレンドが、0.89g/cm3以下の計算密度を有する、請求項91に記載の方法。
【請求項108】
前記ブレンドが、0.89g/cm3〜0.85g/cm3の計算密度を有する、請求項91に記載の方法。
【請求項109】
前記ブレンドが、0.88g/cm3〜0.85g/cm3の計算密度を有する、請求項91に記載の方法。
【請求項110】
前記ブレンドが、0.875g/cm3〜0.85g/cm3の計算密度を有する、請求項91に記載の方法。
【請求項111】
前記キャリア層が不織布を含む、請求項91に記載の方法。
【請求項112】
前記キャリア層が、ポリオレフィン、エチレンとC3〜C18オレフィンとの共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、アクリルポリマー、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ハロゲン化ポリマー、セルロース化合物、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル、およびエチレン/メタクリル酸のナトリウム塩または亜鉛塩に基づくアイオノマーからなる群から選択される熱可塑性フィルムを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項113】
前記ポリオレフィンがポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリブチレンである、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記ポリアミドがナイロンである、請求項112に記載の方法。
【請求項115】
前記アクリルポリマーが、ポリエチレンメチルアクリル酸、ポリエチレンn−ブチルアクリレート、ポリエチレンエチルアクリレートまたはポリエチレンメチルアクリレートである、請求項112に記載の方法。
【請求項116】
前記ハロゲン化ポリマーがポリ塩化ビニルまたはポリ塩化ビニリデンである、請求項112に記載の方法。
【請求項117】
前記キャリア層が、その伸張されていない最初の形状から25%以下伸張する、請求項91に記載の方法。
【請求項118】
前記キャリア層が、その伸張されていない最初の形状から10%以下伸張する、請求項91に記載の方法。
【請求項119】
前記密着フィルム積層構造体が、その伸張されていない最初の形状から25%以下伸張する、請求項91に記載の方法。
【請求項120】
前記密着フィルム積層構造体が、その伸張されていない最初の形状から10%以下伸張する、請求項91に記載の方法。
【請求項121】
前記キャリア層が柔軟な基材を含む、請求項91に記載の方法。
【請求項122】
前記結合ステップが、前記キャリア層の前記第1の面に前記密着層を押し出すステップを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項123】
前記キャリア層が不織布材料であり、前記結合ステップが、前記密着層上に前記不織布材料をメルトブローイングまたはスパンボンディングするステップを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項124】
前記結合ステップが、前記キャリア層の前記第1の面に前記密着層を接着結合するステップを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項125】
前記結合ステップが、前記キャリア層の前記第1の面に前記密着層を熱結合するステップを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項126】
前記結合ステップが、前記キャリア層の前記第1の面に前記密着層を超音波結合するステップを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項127】
前記結合ステップが、前記キャリア層の前記第1の面に前記密着層をRF結合するステップを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項128】
前記結合ステップが、前記キャリア層の前記第1の面に前記密着層をマイクロ波結合するステップを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項129】
前記結合ステップが、前記キャリア層の前記第1の面に前記密着層を加圧結合するステップを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項130】
前記密着フィルム積層構造体を標的面に取り付けるための取付け手段を、前記キャリア層の前記第2の面に適用するステップをさらに含む、請求項91に記載の方法。
【請求項131】
取付け手段を適用する前記ステップが、前記キャリア層の前記第2の面を接着剤でコーティングするステップを含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記接着剤がホットメルト接着剤である、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記接着剤が感圧接着剤である、請求項131に記載の方法。
【請求項134】
前記接着剤がコールドシールである、請求項131に記載の方法。
【請求項135】
少なくともその一部が、流体を吸収する能力を有する材料からなる吸収性基材と、
前記吸収性基材を使用可能な位置に固定するためのファスナシステムとを含み、前記ファスナシステムが、請求項1に記載の密着層、請求項21に記載の密着フィルム積層構造体、請求項35に記載の密着フィルム積層構造体、または請求項48に記載の密着フィルム積層構造体を含む固定用構成要素を有する使い捨て繊維製品。
【請求項136】
前記ファスナシステムが使い捨ておむつの一部である、請求項135に記載の製品。
【請求項137】
前記使い捨ておむつが第1および第2の腰部を有し、前記固定用構成要素が、前記おむつが前記使用可能な位置に配置された場合に前記第1の腰部と前記第2の腰部とを接合する耳、タブまたはテープを含む、請求項136に記載の製品。
【請求項138】
前記固定用構成要素が前記腰部の少なくとも一方に結合された、請求項137に記載の製品。
【請求項139】
前記固定用構成要素が、前記腰部の少なくとも一方の一部として一体に形成された、請求項137に記載の製品。
【請求項140】
前記使い捨ておむつがさらに、前記固定用構成要素を含む着地ゾーンを含む、請求項137に記載の製品。
【請求項141】
前記ファスナシステムが女性用ナプキンの一部である、請求項135に記載の製品。
【請求項142】
前記女性用ナプキンが、前記吸収性基材から横方向外側へ反対方向に延びる一対の羽を有し、前記女性用ナプキンが前記使用可能な位置に配置された場合に前記固定用構成要素が前記羽を接合する、請求項141に記載の製品。
【請求項143】
前記固定用構成要素が前記羽の少なくとも一方に結合された、請求項142に記載の製品。
【請求項144】
前記固定用構成要素が、前記羽の少なくとも一方の一部として一体に形成された、請求項142に記載の製品。
【請求項145】
前記ファスナシステムが外科用ドレープの一部である、請求項135に記載の製品。
【請求項146】
前記ファスナシステムが病院用ガウンの一部である、請求項135に記載の製品。
【請求項147】
前記ファスナシステムが病院用パッドの一部である、請求項135に記載の製品。
【請求項148】
前記吸収性基材が不織布材料を含む、請求項135に記載の製品。
【請求項149】
少なくともその一部が、流体を吸収する能力を有する材料からなる吸収性基材と、
前記吸収性基材を使用可能な位置に固定するための主要ファスナシステムと、
前記主要ファスナシステムを支援するための補助ファスナシステムと
を含み、前記補助ファスナシステムが外側密着面を有する密着層を含み、前記密着層がポリオレフィン共重合体を含み、前記ポリオレフィン共重合体が、エチレンとC3からC18α−オレフィンコモノマーとのメタロセンまたはシングルサイト触媒を用いて得られたエチレン系共重合体であって、前記コモノマーを少なくとも20重量%有する共重合体、プロピレンとC2からC18α−オレフィンコモノマーとのメタロセンまたはシングルサイト触媒を用いて得られたプロピレン系共重合体であって、前記コモノマーを少なくとも5重量%有する共重合体、前記エチレン系共重合体のブレンド、前記プロピレン系共重合体のブレンド、または1種もしくは複数の前記エチレン系共重合体と1種もしくは複数の前記プロピレン系共重合体のブレンドとからなる群から選択される使い捨て繊維製品。
【請求項150】
前記主要ファスナシステムおよび前記補助ファスナシステムがともに使い捨ておむつの一部である、請求項149に記載の製品。
【請求項151】
前記使い捨ておむつが第1および第2の腰部を有し、前記密着層が、前記第1の腰部の内面および前記第2の腰部の外面に配置されていて、前記おむつが前記使用可能な位置に配置された場合に前記第1の腰部と前記第2の腰部分とを接合するサイドシームを形成する、請求項150に記載の製品。
【請求項152】
前記主要ファスナシステムが機械式ファスナである、請求項150に記載の製品。
【請求項153】
前記主要ファスナシステムが感圧テープである、請求項150に記載の製品。
【請求項154】
前記主要ファスナシステムが、請求項1に記載の密着層、請求項21に記載の密着フィルム積層構造体、請求項35に記載の密着フィルム積層構造体、または請求項48に記載の密着フィルム積層構造体を含む、請求項150に記載の製品。
【請求項155】
前記主要ファスナシステムおよび前記補助ファスナシステムがともに女性用ナプキンの一部である、請求項149に記載の製品。
【請求項156】
前記主要ファスナシステムおよび前記補助ファスナシステムがともに外科用ドレープの一部である、請求項149に記載の製品。
【請求項157】
前記主要ファスナシステムおよび前記補助ファスナシステムがともに病院用ガウンの一部である、請求項149に記載の製品。
【請求項158】
前記主要ファスナシステムおよび前記補助ファスナシステムがともに病院用パッドの一部である、請求項149に記載の製品。
【請求項159】
前記吸収性基材が不織布材料を含む、請求項149に記載の製品。
【請求項160】
基材と、
前記基材を閉位置に固定してその中に物品を包装するためのファスナシステムとを含み、前記ファスナシステムが、請求項1に記載の密着層、請求項21に記載の密着フィルム積層構造体、請求項35に記載の密着フィルム積層構造体、または請求項48に記載の密着フィルム積層構造体を含む固定用構成要素を有する、物品を包装するための容器。
【請求項161】
前記ファスナシステムが箱の一部である、請求項160に記載の容器。
【請求項162】
前記ファスナシステムが封筒の一部である、請求項160に記載の容器。
【請求項163】
前記ファスナシステムが軟包装材の一部である、請求項160に記載の容器。
【請求項164】
前記ファスナシステムがブリスター包装の一部である、請求項160に記載の容器。
【請求項165】
前記基材が柔軟な材料である、請求項160に記載の容器。
【請求項166】
前記基材が柔軟でない材料である、請求項160に記載の容器。
【請求項167】
前記物品が食品を含む、請求項160に記載の容器。
【請求項168】
前記食品がスナック食品を含む、請求項167に記載の容器。
【請求項169】
前記物品が医療装置を含む、請求項160に記載の容器。


【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2007−512867(P2007−512867A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539964(P2006−539964)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/038079
【国際公開番号】WO2005/044560
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(505252090)ボスティック・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】