説明

密閉型圧縮機

【課題】吸入経路での作動流体の圧力損失を増加させることなく、吸入経路を流れる作動流体に対するオイル溜まりからの加熱を抑えることができる密閉型圧縮機を提供する。
【解決手段】密閉型圧縮機100Aは、圧縮構構8と、圧縮機構8を収容する圧力容器6を備えている。圧縮機構8は、圧力容器6内の底部に形成されたオイル溜まり12に浸っている。圧縮機構8の吸入ポート8aとこれに接続された吸入管(3または4)は吸入経路(21または22)を構成する。圧力容器6内には、オイル溜まり12内で吸入経路の周囲の少なくとも一部分にオイルを滞留させる、オイル溜まり12と僅かに連通する滞留室(3aまたは4a)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉型圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、圧縮機構が圧力容器内に収容された密閉型圧縮機が知られている。例えば、特許文献1には、図12(a)に示すような密閉型圧縮機501が開示されている。この密閉型圧縮機501は、圧力容器503と、圧力容器503内の上部に配置された電動機504と、圧力容器503内の下部に配置されたロータリ型の圧縮機構505とを備えている。圧力容器503内の底部には圧縮機構505が浸るオイル溜まり502が形成され、オイル溜まり502よりも上側の内部空間は圧縮機構505から吐出される作動流体で満たされる。
【0003】
圧縮機構505は、シリンダ506と、シリンダ506内で回転軸507の偏心部507aによって旋回させられるローラ508を含む。圧縮機構505の下方および上方には、シリンダ506とローラ508の間に形成される作動室を閉塞する下閉塞部材513および上閉塞部材514が配置されている。シリンダ506には吸入ポート512が設けられ、上閉塞部材514には吐出ポート516が設けられている。吸入ポート512には、圧力容器503を貫通して吸入管509が接続されている。
【0004】
吸入管509は、図12(b)に示すように、オイル溜まり502内で拡大された拡大部511を有している。また、吸入管509の内壁面509aは、断熱材510で被覆されている。吸入管509は高温のオイルからなるオイル溜まり502に浸っているために、吸入管509の内壁面509aが露出している場合には、吸込管509を流れる作動流体が周囲のオイル溜まり502からの熱を受けて作動流体の体積が膨張する。その結果、圧縮機構505が吸入する作動流体の量が減少するという問題が発生する。これに対し、吸入管509の内壁面509aが断熱材510で被覆されていれば、吸入管509を流れる作動流体に対するオイル溜まり502からの加熱が抑えられる。これにより、密閉型圧縮機501を用いた冷凍サイクル装置の冷凍能力の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−353276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、作動流体が流れる吸込管の内壁面に断熱材が設置されるため、作動流体の圧力損失が増加してしまい、圧縮機構が吸入する作動流体の圧力が低下する。これは必要な圧力まで昇圧するために圧縮機構が必要とする入力の増加を招き、結果的に密閉型圧縮機としての性能が低下するおそれがある。一方、作動流体の圧力損失が増加しないように、吸込管の内壁面上の断熱材の厚みを限定的にすると、断熱効果も限定的にならざるを得ない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、吸入経路での作動流体の圧力損失を増加させることなく、吸入経路を流れる作動流体に対するオイル溜まりからの加熱を抑えることができる密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、吸入ポートから吸入した作動流体を圧縮して吐出ポートから吐出する圧縮構構と、前記圧縮機構を収容し、内部に前記圧縮機構が浸るオイル溜まりが形成されるとともに前記オイル溜まりよりも上側の空間が前記圧縮機構から吐出される作動流体で満たされる圧力容器と、前記オイル溜まりのオイル面よりも下方で前記圧力容器を貫通し、前記吸入ポートに接続された吸入管と、前記オイル溜まり内で、前記吸入管および前記吸入ポートで構成される吸入経路の周囲の少なくとも一部分にオイルを滞留させる、前記オイル溜まりと僅かに連通する滞留室と、を備えた、ことを特徴とする。
【0009】
ここで、「僅かに連通する」とは、オイル溜まりと滞留室との間でのオイルの流動が実質的に禁止される程度にそれらが連通することをいう。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成によれば、滞留室が、吸入管および吸入ポートで構成される吸入経路の周囲の少なくとも一部分にオイルを滞留する。滞留室はオイル溜まりと僅かに連通するだけであるので、滞留室内ではオイルの流動が殆ど生じない。オイルの熱伝導率は低く、断熱材などに用いられる樹脂材料と同等であるため、滞留室によって吸入経路の周囲の少なくとも一部分にオイルによる断熱層を構成できる。これにより、吸入経路での作動流体の圧力損失を増加させることなく、吸入経路を流れる作動流体に対するオイル溜まりからの加熱を抑えることができる。その結果、密閉型圧縮機を用いた冷凍サイクル装置の冷凍能力の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る密閉型圧縮機の縦断面図
【図2】(a)は図1のIIA−IIA線に沿った横断面図、(b)は図1のIIB−IIB線に沿った横断面図
【図3】第1実施形態における滞留室を示す側面断面図
【図4】第1実施形態における滞留室付近のオイル温度分布図
【図5】第1実施形態の変形例の密閉型圧縮機の縦断面図
【図6】(a)は図5のVIA−VIA線に沿った横断面図、(b)は図5のVIB−VIB線に沿った横断面図
【図7】本発明の第2実施形態に係る密閉型圧縮機の縦断面図
【図8】(a)は図7のVIIIA−VIIIA線に沿った横断面図、(b)は図7のVIIIB−VIIIB線に沿った横断面図
【図9】第2実施形態における滞留室を示す側面図
【図10】第2実施形態における滞留室付近のオイル温度分布図
【図11】第2実施形態の変形例の密閉型圧縮機の縦断面図
【図12】(a)は従来の密閉型圧縮機の縦断面図、(b)は同密閉型圧縮機の吸入管の詳細図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態によって限定されるものではない。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る密閉型圧縮機100Aの縦断面図である。この密閉型圧縮機100Aは、圧縮機本体1、アキュームレータ2、2つの吸入管3,4および吐出管5を備えている。
【0014】
圧縮機本体1は、圧力容器6、モータ7、一対の圧縮機構8およびシャフト10を備えている。一対の圧縮機構8は、圧力容器6内の下部に配置されている。一対の圧縮機構8は上閉塞部材18および下閉塞部材24で挟まれており、一対の圧縮機構8の間には中間板19が配置されている。モータ7は、圧力容器6内において、上閉塞部材18の上方に配置されている。シャフト10は、鉛直方向に延びており、一対の圧縮機構8とモータ7とを連結している。圧力容器6の上部には、モータ7に電力を供給するための端子11が設けられている。
【0015】
モータ7は、ステータ7aおよびロータ7bで構成されている。ステータ7aは、圧力容器6の内周面に固定されている。ロータ7bは、シャフト10に固定されており、シャフト10とともに回転する。シャフト10の中心には給油路10dが設けられており、シャフト10の下端部には給油路10dに後述するオイル溜まり12のオイルを汲み上げる給油機構10cが設けられている。
【0016】
各圧縮機構8は、吸入ポート8aから吸入した作動流体を圧縮して吐出ポート8bから吐出する。圧力容器6内には、底部にオイル(潤滑油)が保持されることによりオイル溜まり12が形成されている。一対の圧縮機構8はオイル溜まり12に浸っている。圧力容器6のオイル溜まり12よりも上側の内部空間13は、圧縮機構8から吐出される作動流体で満たされる。
【0017】
吐出管5は、圧力容器6の上部を貫通し、圧力容器6の内部空間13に開口している。吐出管5は、圧縮された作動流体(典型的には冷媒)を圧縮機本体1の外部に導く役割を担う。吸入管3,4は、アキュームレータ2から圧縮機構8まで延びており、オイル溜まり12のオイル面よりも下方で圧力容器6の胴部を貫通している。吸入管3,4は、圧縮するべき作動流体をアキュームレータ2から圧縮機構8の吸入ポート8aに導く役割を担う。なお、アキュームレータ2の内部又は外部において、吸入管3,4の一方が他方から分岐していてもよい。
【0018】
アキュームレータ2は、蓄積容器2aおよび導入管2bで構成されている。蓄積容器2aは、液相の作動流体および気相の作動流体を保持できる内部空間を有する。導入管2bは、蓄積容器2aの上部を貫通し、蓄積容器2aの内部空間に開口している。蓄積容器2aの底部を貫通する形で、吸入管3,4がアキュームレータ2にそれぞれ接続されている。吸入管3,4は蓄積容器2aの底部から上方に延びており、吸入管3,4の上流端は一定の高さ位置で蓄積容器2aの内部空間に開口している。なお、導入管2bから吸入管3,4に液相の作動流体が直接進むことを確実に防ぐために、バッフル等の他の部材が蓄積容器2aの内部に設けられていてもよい。
【0019】
上下に並ぶ圧縮機構8のそれぞれは、ロータリ型(容積式)の流体機構であり、モータ7によって動かされることにより、吸入ポート8aから作動流体を吸入し、その作動流体を圧縮して吐出ポート8bから吐出する。一対の圧縮機構8は同一の構成を有する。
【0020】
図2(a)および(b)は、第1実施形態における圧縮機本体1の横断面図である。図2(a)および(b)に示すように、各圧縮機構8は、シリンダ14、ピストン15、ベーン16およびバネ17で構成されている。シャフト10には、第1偏心部10aおよび第2偏心部10bが設けられている。第1偏心部10aの偏心方向は、第2偏心部10bの偏心方向と180度ずれている。つまり、上方に位置する圧縮機構8(以下、「上側の圧縮機構8」ともいう。)のピストン15の位相が下方に位置する圧縮機構8(以下、「下側の圧縮機構8」ともいう。)のピストン15の位相とシャフト10の回転角度で180度ずれている。
【0021】
シリンダ14の内部には、自身の外周面とシリンダ14の内周面との間に作動室25が形成されるように、シャフト10の第1偏心部10aまたは第2偏心部10bに嵌め合わされたピストン15が配置されている。シリンダ14には、ベーン溝26が形成されている。ベーン溝26には、ピストン15の外周面に接する先端を有するベーン16が収納されている。バネ17は、ベーン16をピストン15に向かって押すように、ベーン溝26の外側端部からシリンダ14の端面に開口する保持穴20およびベーン溝26内に配置されている。シリンダ14とピストン15との間の作動室25はベーン16によって仕切られ、これにより、吸入室25aおよび圧縮−吐出室25bが形成されている。なお、ベーン16は、ピストン15に一体化されていてもよい。すなわち、ピストン15およびベーン16がいわゆるスイングピストンで構成されていてもよい。
【0022】
本実施形態では、圧縮するべき作動流体を吸入室25aに流入させる(すなわち、吸入室25aに開口する)吸入ポート8aがシリンダ14に設けられている。吸入ポート8aには吸入管3または吸入管4の下流端が接続されている。すなわち、吸入ポート8aおよび吸入管3,4によって、圧力容器6の外部から作動室25に作動流体を導く吸入経路21,22が構成されている。そして、吸入経路21,22も上下に並んでいる。
【0023】
下側の圧縮機構8のベーン16は、シャフト10の軸方向において上側の圧縮機構8のベーン16と一致する位置に配置されている。このため、下側の圧縮機構8のピストン15が上死点(ベーン16を最も後退させる位置)に位置するタイミングは上側の圧縮機構8のピストン15が上死点に位置するタイミングと180度ずれている。
【0024】
上閉塞部材18および中間板19は、シャフト10の軸方向の両側から上方に位置する圧縮機構8の作動室25を閉塞している。中間板19および下閉塞部材24は、シャフト10の軸方向の両側から下方に位置する圧縮機構8の作動室25を閉塞している。上閉塞部材18および下閉塞部材24は、シャフト10を回転自在に支持する軸受としても機能する。
【0025】
上閉塞部材18の周縁部は圧力容器6の内周面に固定されているが、中間板19および下閉塞部材24は、ベーン溝26の外側端部を閉塞しない程度の直径を有している。このため、上側の圧縮機構8におけるベーン16のピストン15と反対側の端部および下側の圧縮機構8におけるベーン16のピストン15と反対側の端部は、ベーン溝26の外側端部を通じてオイル溜まり12に露出している。
【0026】
本実施形態では、圧縮された作動流体を圧縮−吐出室25bから流出させる(すなわち、圧縮−吐出室25bに開口する)吐出ポート8bが上閉塞部材18および下閉塞部材24に設けられている。すなわち、上側の圧縮機構8を中心に見たときには、上閉塞部材18が本件発明の第1閉塞部材に相当し、中間板19が本件発明の第2閉塞部材に相当する。同様に、下側の圧縮機構8を中心に見たときには、下閉塞部材24が本件発明の第1閉塞部材に相当し、中間板19が本件発明の第2閉塞部材に相当する。
【0027】
図1に示すように、上閉塞部材18には、当該上閉塞部材18の上面から窪む凹部18aがベーン16の近傍に形成されており、上側の圧縮機構8の吐出ポート8bは上閉塞部材18の下面から凹部18aの底面に延びている。また、凹部18a内には、弾性変形により吐出ポート8bを開閉する吐出弁29と、吐出弁29の変形量を規制するストッパー30が配置されている。上閉塞部材18の上方には、吐出ポート8bを上閉塞部材18に面する空間と共に覆う上マフラー33が配設されている。吐出ポート8bは、上マフラー33で覆われる空間を介して圧力容器6の内部空間13と連通している。なお、オイル溜まり12のオイル面は、上マフラー33の中間の高さ位置にある。
【0028】
同様に、下閉塞部材24には、当該下閉塞部材24の下面から窪む凹部24aがベーン16の近傍に形成されており、下側の圧縮機構8の吐出ポート8bは下閉塞部材24の上面から凹部24aの底面に延びている。また、凹部24a内には、弾性変形により吐出ポート8bを開閉する吐出弁31と、吐出弁31の変形量を規制するストッパー32が配置されている。下閉塞部材24の下方には、吐出ポート8bを下閉塞部材24に面する空間と共に覆う下マフラー34が配設されている。下マフラー34で覆われる空間は、下閉塞部材24の下面から上閉塞部材18の上面まで延びる連通路9により、上マフラー33で覆われる空間と連通している。すなわち、吐出ポート8bは、下マフラー34で覆われる空間、連通路9および上マフラー33で覆われる空間を介して圧力容器6の内部空間13と連通している。
【0029】
さらに、圧力容器6内には、オイル溜まり12内で吸入経路21,22のそれぞれの周囲の少なくとも一部分にオイルを滞留させる滞留室3a,4aが設けられている。
【0030】
図3は、第1実施形態における滞留室3a,4aを示す断面側面図である。本実施形態では、滞留室3a,4aのそれぞれは、シリンダ14と圧力容器6の間に配置された区画部材(211または212)で囲われている。すなわち、滞留室3a,4aのそれぞれは、吸入管(3または4)を取り巻く環状の部屋である。区画部材211,212は、吸入経路21,22ごとに滞留室3a,4aを形成するように配置されている。
【0031】
図1ならびに図2(a)および(b)に示すように、区画部材211,212の端面と圧力容器6の内周面との間には微小な隙間が形成されており、この隙間を通じて滞留室3a,4aがオイル溜まり12と僅かに連通している。このため滞留室3a,4aにはオイル溜まり12と同一のオイルが保持される。
【0032】
上側の吸入管3を取り巻く滞留室3aを囲む区画部材211は、複数(図例では2つ)のピースである上ピース201および中間ピース202に分割されており、下側の吸入管4を取り巻く滞留室4aを囲む区画部材212は、複数(図例では2つ)のピースである下ピース203および中間ピース202に分割されている。すなわち、中間ピース202は双方の区画部材211,212を構成している。
【0033】
上ピース201および下ピース203は互いに対向する側壁が主壁で連結された溝状の形状を有し、中間ピース202は厚い板状の形状を有する。上ピース201および下ピース203の主壁および中間ピース202のそれぞれには、区画部材211,212の端面に開口する複数の空隙(201a、202aまたは203a)が設けられている。本実施形態では、空隙201a、202aおよび203aが二列で複数段に並んでいる。空隙201a、202aおよび203aにはオイル溜まり12と同一のオイルが保持される。本実施形態では、上ピース201、中間ピース202および下ピース203が樹脂材料で構成されている。
【0034】
本実施形態では、圧縮機構8において作動流体を圧縮するためにシャフト10が回転する。シャフト10が回転することで圧力容器6の底部のオイル溜まり12に流れが生じる。また、シャフト10が回転すると、オイル溜まり12のオイルが給油機構10cにより給油路10dを通じて上方へ輸送され、さらにシャフト10の第1偏心部10aおよび第2偏心部10bに設けられた横穴から下側の圧縮機構8および上側の圧縮機構8へと供給される。上側の圧縮機構8に供給されたオイルは、圧縮機構8を潤滑した後、上閉塞部材18の軸受部18bへと流れ、当該軸受部18bの上方からロータ7bの下部空間へ流出し、オイル溜まり12へ戻る。また、下側の圧縮機構8に供給されたオイルは、圧縮機構8を潤滑した後、下閉塞部材24の軸受部24bへと流れ、当該軸受部24bの下方からオイル溜まり12へ戻る。双方の圧縮機構8へと供給され、再びオイル溜まり12へ戻るオイルは、圧縮機構8において高温の作動流体から受熱して高温になる。
【0035】
しかし、上側の吸入管3を取り巻く滞留室3aの内部および下側の吸入管4を取り巻く滞留室4aの内部はオイル溜まり12から実質的に隔離されているためにオイル溜まり12からの高温のオイルの流入がなく、滞留室3a,4a内のオイルはオイル溜まり12の流れの影響を受けずに滞留している。
【0036】
オイルの熱伝導率は低く、断熱材などに用いられる樹脂材料と同等であり、滞留室3a,4a内のオイルが、上側の吸入管3および下側の吸入管4の周囲の断熱層として作用する。
【0037】
図4は、第1実施形態における上側の滞留室3a付近のオイル温度分布図であり、吸入管3の中心から水平方向に延びる軸X線上の温度分布を示している。なお、この温度分布は下側の滞留室4a付近でも同じである。
【0038】
図4に示すように、上側の滞留室3a内のオイルに温度成層が生じ、吸入管3の近傍の温度(図中の位置A)は、オイル溜まり12の温度(図中の位置B)に比較して低温となる。このことにより、吸入管3を流れる作動流体のオイル溜まり12からの受熱が抑制される。同様に、下側の滞留室4a内のオイルに温度成層が生じ、吸入管4の近傍は、オイル溜まり12の温度に比較して低温となる。このことにより、吸入管4を流れる作動流体のオイル溜まり12からの受熱が抑制される。その結果、密閉型圧縮機100Aを用いた冷凍サイクル装置の冷凍能力が向上する。
【0039】
また、本実施形態では、各圧縮機構8のベーン16がオイル溜まり12に露出しているが、滞留室3a,4a内のオイルはベーン溝26におけるベーン16の挙動に起因するオイル流動の影響を受けない。その結果、温度成層が安定するため、吸入管3,4を流れる作動流体のオイル溜まり12からの受熱が抑制され、冷凍能力が向上する。
【0040】
ところで、図12(b)に示すような従来技術における断熱材の厚みは1〜2mm程度が限界である。これに対し、本実施形態では圧力容器6内にオイルを滞留させる滞留室3a,4aを設けるため、設計自由度が増し、オイル滞留層は10mm程度あるいはそれ以上の厚みで構成することができ、断熱効果も従来よりも高めることができる。
【0041】
さらに、本実施形態では、滞留室3a,4aを囲む区画部材211,212が樹脂材料で構成されているため、オイル溜まり12と滞留室3a,4a内のオイルとの間の熱移動を抑制でき、吸入管3,4を流れる作動流体のオイル溜まり12からの受熱をより抑制し、冷凍能力のさらなる向上を実現できる。
【0042】
また、本実施形態では、区画部材211,212を構成する各ピース201,202,203に空隙201a,202a,203aが設けられており、当該空隙201a,202a,203aの内部に滞留するオイルは殆ど流動することがない。これにより、滞留室3a,4a内のオイルの流動を抑制し温度成層をより安定させることができ、吸入管3,4を流れる作動流体のオイル溜まり12からの受熱をさらに抑制することができる。
【0043】
<変形例>
図5は、第1実施形態の変形例の密閉型圧縮機100Bの縦断面図である。図6(a)および(b)は変形例における圧縮機本体1の横断面図である。
【0044】
前記実施形態では、滞留室3a,4aが区画部材211,212で囲われていたが、滞留室3a,4aは必ずしも区画部材で囲われている必要はない。例えば、図5ならびに図6(a)および(b)に示すように、シリンダ14のベーン溝26を形成するための突出部を利用して滞留室3a,4aを囲ってもよい。具体的には、中間板19および下閉塞部材24に、吸入管3,4の近傍で圧力容器6の内周面近くまで張り出す張り出し部241,242を設ける。また、張り出し部241,242におけるシリンダ14の突出部と反対側の端部に、板状の区画部材251,252を立てる。このような構成でも、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係る密閉型圧縮機100Cの縦断面図である。図8(a)および(b)は第2実施形態における圧縮機本体1の横断面図である。図9は、第2実施形態における滞留室3a,4aを示す側面図である。なお、本実施形態において、第1実施形態と共通部品については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0046】
本実施形態では、各圧縮機構8のシリンダ14が全周に亘って圧力容器6の内周面に近接している。上側の圧縮機構8のシリンダ14には、吸入経路21に対してベーン16と反対側でシリンダ14を貫通する第1貫通穴301が設けられているとともに、吸入経路21とベーン16の間に第2貫通穴311が設けられている。同様に、下側の圧縮機構8のシリンダ14には、吸入経路22に対してベーン16と反対側でシリンダ14を貫通する第1貫通穴302が設けられているとともに、吸入経路22とベーン16の間に第2貫通穴312が設けられている。さらに、中間板19には、第1貫通穴301,302から吸入経路21,22を超えて延び、第2貫通穴311,312に連通する横穴303が設けられている。
【0047】
上側の圧縮機構8のシリンダ14に設けられた第1貫通穴301および第2貫通穴311は、上閉塞部材18で閉塞されている。上側の圧縮機構8のシリンダ14の上面には、第1貫通穴301から吸入経路21を超えて延び、第2貫通穴311に連通する横溝14aが形成されている。そして、第1貫通穴301、第2貫通穴311、横穴303および横溝14aによって、上方に位置する吸入経路21を取り巻く滞留室3aが構成されている。なお、吸入管3と吸入ポート8aの境界は、滞留室3aに対応する領域内に位置していてもよいし、滞留室3aよりも作動室25側または圧力容器6側に位置していてもよい。また、横溝14aは、シリンダ14の上面ではなく上閉塞部材18の下面に形成されていてもよい。
【0048】
ただし、滞留室3aは少なくとも第1貫通穴301で構成されていればよく、必ずしも上側の吸入経路21を取り巻く必要はない。例えば、横溝14aが設けられておらず、滞留室3aが上方に開口するU字状となっていてもよい。あるいは、第2貫通孔311が設けられておらず、滞留室3aがベーン16に向かって開口するU字状となっていてもよい。さらには、滞留室3aを、第1貫通孔301と横穴303または横溝14aで構成されるL字状としてもよい。
【0049】
下側の圧縮機構8のシリンダ14に設けられた第1貫通穴302および第2貫通穴312は、下閉塞部材24で閉塞されている。下側の圧縮機構8のシリンダ14の下面には、第1貫通穴302から吸入経路22を超えて延び、第2貫通穴312に連通する横溝14bが形成されている。そして、第1貫通穴302、第2貫通穴312、横穴303および横溝14bによって、下方に位置する吸入経路22を取り巻く滞留室4aが構成されている。なお、吸入管4と吸入ポート8aの境界は、滞留室4aに対応する領域内に位置していてもよいし、滞留室4aよりも作動室25側または圧力容器6側に位置していてもよい。また、横溝14bは、シリンダ14の下面ではなく下閉塞部材24の上面に形成されていてもよい。
【0050】
ただし、滞留室4aは少なくとも第1貫通穴302で構成されていればよく、必ずしも下側の吸入経路22を取り巻く必要はない。例えば、横溝14bが設けられておらず、滞留室4aが下方に開口するU字状となっていてもよい。あるいは、第2貫通孔312が設けられておらず、滞留室4aがベーン16に向かって開口するU字状となっていてもよい。さらには、滞留室4aを、第1貫通穴302と横穴303または横溝14bで構成されるL字状としてもよい。
【0051】
上閉塞部材18には、小さな貫通孔18bが設けられており、この貫通孔18bを通じて、上側の滞留室3aが直接的に、下側の滞留室4aが上側の滞留室4aを介して、オイル溜まり12と僅かに連通している。このため滞留室3a,4aにはオイル溜まり12と同一のオイルが保持される。なお、貫通孔18bの代わりに、上側の圧縮機構8のシリンダ14の周縁部と上閉塞部材18および/または中間板19の間に隙間を設けてもよいし、下側の圧縮機構8のシリンダ14の周縁部と下閉塞部材24および/または中間板19の間に隙間を設けてもよい。
【0052】
上側の吸入経路21を取り巻く滞留室3aの内部および下側の吸入経路22を取り巻く滞留室4aの内部はオイル溜まり12から実質的に隔離されているためにオイル溜まり12からの高温のオイルの流入がなく、滞留室3a,4a内のオイルはオイル溜まり12の流れの影響を受けずに滞留している。
【0053】
オイルの熱伝導率は低く、断熱材などに用いられる樹脂材料と同等であり、滞留室3a,4a内のオイルが、上側の吸入経路21および下側の吸入経路22の周囲の断熱層として作用する。
【0054】
図8は、第2実施形態における上側の滞留室3a付近のオイル温度分布図であり、吸入経路21の中心から水平方向に延びる軸X線上の温度分布を示している。なお、この温度分布は下側の滞留室4a付近でも同じである。
【0055】
図8に示すように、上側の滞留室3aおよび下側の滞留室4a内のオイルに温度成層が生じ、吸入経路21,22の近傍は、オイル溜まり12の温度に比較して低温となる。このことにより、吸入経路21,22を流れる作動流体のオイル溜まり12からの受熱が抑制され、密閉型圧縮機100Cを用いた冷凍サイクル装置の冷凍能力が向上する。
【0056】
また、本実施形態では、各圧縮機構8のベーン16がオイル溜まり12に露出しているが、滞留室3a,4a内のオイルはベーン溝26におけるベーン16の挙動に起因するオイル流動の影響を受けない。その結果、温度成層が安定するため、吸入経路21,22を流れる作動流体のオイル溜まり12からの受熱が抑制され、冷凍能力が向上する。
【0057】
また、本実施形態では、上側の圧縮機構8のシリンダ14の上面に第1貫通孔301と第2貫通孔311をつなぐ横溝14aが設けられている。この構成により、上側の吸入経路21の近傍における上閉塞部材18とシリンダ14の接触面積が低減し、吸入経路21の近傍における上閉塞部材18からシリンダ14への熱伝導が抑制される。しかも、上側の吸入経路21の上方にオイルを滞留させ、温度成層を形成させることで、吸入経路22を流れる作動流体のオイル溜まり12からの受熱が抑制される。同様に、下側の圧縮機構8のシリンダ14の下面に第1貫通孔302と第2貫通孔312をつなぐ横溝14bが設けられている。この構成により、下側の吸入経路22の近傍における下閉塞部材24とシリンダ14の接触面積が低減し、吸入経路22の近傍における下閉塞部材24からシリンダ14への熱伝導が抑制される。しかも、下側の吸入経路22の下方にオイルを滞留させ、温度成層を形成させることで、吸入経路22を流れる作動流体のオイル溜まり12からの受熱が抑制される。その結果、横溝14a,14bが設けられていない場合に比べて、密閉型圧縮機100Cを用いた冷凍サイクル装置の冷凍能力が格段に向上する。なお、この効果は、上閉塞部材18の下面に横溝14aを設け、下閉塞部材24の上面に横溝14bを設けた場合でも同様である。
【0058】
<変形例>
図11は、第2実施形態の変形例の密閉型圧縮機100Dの縦断面図である。
【0059】
前記実施形態では、上側の圧縮機構8のシリンダ14に設けられた第1貫通穴301および第2貫通穴311が上閉塞部材18で閉塞されていた。しかしながら、図11に示すように、上閉塞部材18に、第1貫通穴301および第2貫通穴311と連続する開口321が設けられ、上マフラー33に、開口321を閉塞する張り出し部33aが設けられていてもよい。この構成により、上側の滞留室3aが上閉塞部材18の上面まで拡大されるため、上側の吸入経路21を流れる作動流体を流れる作動流体のオイル溜まり12からの受熱をより抑制することができる。なお、この場合には、張り出し部33aの張り出し量を規制することにより、滞留室3aとオイル溜まり12を連通させてもよい。
【0060】
同様に、前記実施形態では、下側の圧縮機構8のシリンダ14に設けられた第1貫通穴302および第2貫通穴312が下閉塞部材24で閉塞されていた。しかしながら、図11に示すように、下閉塞部材24に、第1貫通穴302および第2貫通穴312と連続する開口322が設けられ、下マフラー34に、開口322を閉塞する張り出し部34aが設けられていてもよい。この構成により、下側の滞留室4aが下閉塞部材24の下面まで拡大されるため、下側の吸入経路22を流れる作動流体を流れる作動流体のオイル溜まり12からの受熱をより抑制することができる。
【0061】
さらには、上側の圧縮機構8のシリンダ14に設けられた第1貫通穴301および下側の圧縮機構8のシリンダ14に設けられた第1貫通穴302を中間板19で閉塞することも可能である。
【0062】
なお、前記実施形態および上記の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0063】
また、シリンダ14は、必ずしも全周に亘って圧力容器6の内周面に近接している必要はなく、少なくとも吸入経路(21または22)の近傍で圧力容器6の内周面に近接していればよい。
【0064】
(その他の実施形態)
本発明の圧縮機構は、必ずしもロータリ型である必要はなく、例えばスクロール型などであってもよい。また、圧力容器6は必ずしも一対の圧縮機構を収容する必要はなく、1つの圧縮機構を収容していてもよい。さらには、圧力容器6内には3つ以上の圧縮機構が配置されていてもよい。
【0065】
また、吸入ポート8aは必ずしもシリンダ14に設けられている必要はない。例えば、上方に位置する圧縮機構8の吸入ポート8aが上閉塞部材18または中間板19に設けられ、下方に位置する圧縮機構8の吸入ポートが中間板19または下閉塞部材24に設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の密閉型圧縮機は、空気調和装置、給湯機、温水暖房装置等に利用できる冷凍サイクル装置の圧縮機として有用である。
【符号の説明】
【0067】
100A〜10D 密閉型圧縮機
3,4 吸入管
3a,4a 滞留室
8 圧縮機構
8a 吸入ポート
8b 吐出ポート
12 オイル溜まり
13 空間
14 シリンダ
14a,14b 横溝
15 ピストン
16 ベーン
18 上閉塞部材(第1閉塞部材)
19 中間板(第2閉塞部材)
21,22 吸入経路
24 下閉塞部材(第1閉塞部材)
24a 横溝
25 作動室
25a 吸入室
25b 圧縮−吐出室
33 上マフラー
34 下マフラー
33a,34a 張り出し部
211,212,251,252 区画部材
201〜203 ピース
301,302 第1貫通穴
311,312 第2貫通穴
303 横穴
321,322 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入ポートから吸入した作動流体を圧縮して吐出ポートから吐出する圧縮構構と、
前記圧縮機構を収容し、内部に前記圧縮機構が浸るオイル溜まりが形成されるとともに前記オイル溜まりよりも上側の空間が前記圧縮機構から吐出される作動流体で満たされる圧力容器と、
前記オイル溜まりのオイル面よりも下方で前記圧力容器を貫通し、前記吸入ポートに接続された吸入管と、
前記オイル溜まり内で、前記吸入管および前記吸入ポートで構成される吸入経路の周囲の少なくとも一部分にオイルを滞留させる、前記オイル溜まりと僅かに連通する滞留室と、
を備えた、密閉型圧縮機。
【請求項2】
前記圧縮機構は、シリンダ、自身の外周面と前記シリンダの内周面との間に作動室が形成されるように前記シリンダの内部に配置されたピストン、および前記作動室を前記吸入ポートが開口する吸入室と前記吐出ポートが開口する圧縮−吐出室とに仕切るベーン、を含み、
前記ベーンの前記ピストンと反対側の端部は前記オイル溜まりに露出している、請求項1に記載の密閉型圧縮機。
【請求項3】
前記吸入ポートは前記シリンダに設けられている、請求項2に記載の密閉型圧縮機。
【請求項4】
前記滞留室は、前記シリンダと前記圧力容器の間に配置された区画部材で囲われている、請求項3に記載の密閉型圧縮機。
【請求項5】
前記区画部材は、複数のピースに分割されている、請求項4に記載の密閉型圧縮機。
【請求項6】
前記区画部材は、樹脂で構成されている、請求項4または5に記載の密閉型圧縮機。
【請求項7】
前記圧縮機構および前記吸入経路は、上下に並ぶように複数設けられており、
前記区画部材は、前記吸入経路ごとに前記滞留室を形成するように配置されている、請求項4〜6の何れか一項に記載の密閉型圧縮機。
【請求項8】
前記シリンダは、少なくとも前記吸入経路の近傍では前記密閉容器の内周面に近接しており、
前記滞留室は、前記吸入経路に対して前記ベーンと反対側で前記シリンダを貫通する貫通穴で構成されている、請求項3に記載の密閉型圧縮機。
【請求項9】
前記シリンダの片側で前記作動室を閉塞する、前記吐出ポートが設けられた第1閉塞部材と、前記第1閉塞部材と反対側で前記作動室を閉塞する第2閉塞部材と、をさらに備え、
前記貫通穴は、前記第1閉塞部材および前記第2閉塞部材の少なくとも一方で閉塞されている、請求項8に記載の密閉型圧縮機。
【請求項10】
前記シリンダの片側で前記作動室を閉塞する、前記吐出ポートが設けられた第1閉塞部材と、前記第1閉塞部材と反対側で前記作動室を閉塞する第2閉塞部材と、前記吐出ポートを前記第1閉塞部材に面する空間と共に覆うマフラーと、をさらに備え、
前記第1閉塞部材には、前記貫通穴と連続する開口が設けられており、前記マフラーには、前記開口を閉塞する張り出し部が設けられている、請求項8に記載の密閉型圧縮機。
【請求項11】
前記圧縮機構および前記吸入経路は、上下に並ぶように一対設けられており、
上方に位置する前記圧縮機構の前記作動室を上方から閉塞する上閉塞部材と、
下方に位置する前記圧縮機構の前記作動室を下方から閉塞する下閉塞部材と、
上方に位置する前記圧縮機構の前記作動室を下方から閉塞し、かつ、下方に位置する前記圧縮機構の前記作動室を上方から閉塞する中間板と、をさらに備える、請求項8に記載の密閉型圧縮機。
【請求項12】
前記中間板には、前記貫通穴から前記吸入経路を超えて延びる横穴が設けられている、請求項11に記載の密閉型圧縮機。
【請求項13】
上方に位置する前記圧縮機構の前記シリンダに設けられた貫通穴は前記上閉塞部材で閉塞されており、
上方に位置する前記圧縮機構の上面または前記上軸受部材の下面には、前記貫通穴から上方に位置する前記吸入経路を超えて延びる横溝が形成されている、請求項11または12に記載の密閉型圧縮機。
【請求項14】
下方に位置する前記圧縮機構の前記シリンダに設けられた貫通穴は前記下閉塞部材で閉塞されており、
下方に位置する前記圧縮機構の下面または前記下軸受部材の上面には、前記貫通穴から下方に位置する前記吸入経路を超えて延びる横溝が形成されている、請求項11〜13の何れか一項に記載の密閉型圧縮機。
【請求項15】
前記シリンダには、前記吸入経路と前記ベーンの間に、前記横穴および/または前記横溝と連通する第2の貫通穴が設けられている、請求項12〜14の何れか一項に記載の密閉型圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−100779(P2013−100779A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245315(P2011−245315)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】