説明

寸法測定用機器

【課題】長さを測定するための複数のプローブを有する測定システムを提供する。
【解決手段】それぞれのプローブ40が、ケーシング51に対して着脱可能な方法で接続するプローブチップ60、ケーシング51に対する前記プローブチップ60の位置を表す電気信号を供給するトランスデューサ65、前記トランスデューサ65からの信号をサンプリングする、およびそれを前記位置のデジタル表現に変換するためのデジタル処理ユニット71、ならびに前記プローブ40を制御ユニットに接続するワイヤレス通信ネットワークのための双方向インタフェースを含む。方法は、前記プローブ40のデジタル処理ユニット71のクロックが前記双方向ワイヤレスインタフェースを通じて同期する間の工程と、制御ユニットが、前記電気信号がサンプリングされる瞬間を定めるコマンドを送信する間の工程と、によって特徴付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変位測定用センサのシステムに関するものである。本発明の実施形態は、特に、プログラミングおよびモニタリングシステムによって、または、内蔵クロックを用いて複数測定システムを制御するデータ生成システムによって相互に作用するワイヤレス通信ネットワークのまわりに組織された相対的寸法を測定するための、複数測定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品のいくつかの寸法を同時に測定することができる測定システムが公知である。指定多点測定システムとしても知られるこれらの機器は、典型的には、品質管理の業務、および完成部品、特に自動機械加工によって得られた部品には限られない機械加工部品の寸法検査において使用される。
【0003】
これらのシステムは、一般的に、測定する部品の位置決め及び測定素子の位置決め用システムを含む。さらにまた、それらは、システム内に設置された部品を測定するために、反復可能な方法で可動部品の位置決めをするための止め具を含むことが多い。一般的に、一次元寸法測定のために、部品のいくつかの所定の点に同時に接触する比較器またはプローブを支持するためのキャリッジまたは可動素子がある。高精度トランスデューサを用いたプローブは、プローブを制御する外部電子インタフェースに発信される電気測定信号を供給する。その後、その結果は、一般的に、コンピュータシステムに送信される。そのコンピュータシステムは、パラメータを分析し、計算し、および、たとえば厚さ、直径、垂直さ、円錐性、平行度、偏心性等の寸法統計を実施することができる。
【0004】
公知の多点測定機器は、必要性および測定する部品の構成に応じて、滑走プローブチップを持つ長(length)プローブのほかに、旋回プローブチップを持つレバープローブの両方を使用する。トランスデューサは、誘導型のトランスデューサ、たとえば、例としてLVDT(線形可変差動変換器)または誘導ハーフブリッジであることがもっとも多く、ならびに、典型的には、数ミリメートルの測定範囲内で1μmのオーダーの精度で測定値を供給する。空間的な要求により、電子機器は、トランスデューサの外部にあることが多い。
【0005】
文献WO2005109166は、機械部品の表面を測定するための滑走プローブチップを有する測定プローブについて記述する。プローブ内に含まれる誘導トランスデューサは、プローブの可動部品の変位を、その後表示機器または外部コンピュータに発信される電気信号に変換することを可能にする。コンピュータへの通信は、USBまたはワイヤレスインタフェースを通じて行われる。
【0006】
公知のプローブの1つの欠点は、それぞれが、外部測定電子機器に接続されなければならないことである。その外部測定電子機器は、誘導センサから来るアナログデータを変換し、およびそれらを変換してモニタリングシステムに発信する。
ワイヤレスプローブの場合には、測定は、測定誘発信号によって誘発される。システムは可変遅延を有するので、測定は、その後、その測定時点がスタンプされる。各測定素子は、このように、補正が困難な誤差の原因となる測定遅延を有することがある。測定素子が測定を行っている時点も結果が送信されている時点もわからない場合、それら測定素子の移動の同期を保証することは困難である。
さらにまた、これらのシステムは、測定が誘発されてから測定が正常な状態に戻るまでの間、非同期伝送プロトコルに基づいている。それが、これらのシステム内での伝送を複雑かつ遅くしており、データが常に比較可能な状態ではなくしている。
最後に、これらのシステムは、測定時点で不要の情報を受信することがあり、処理の遅延の原因となることがある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の1つの目的は、公知の機器およびシステムの限界がない、多点測定機器として使用することができる寸法の変化を測定するための測定システムを提案することである。本発明によれば、これらの目的は、主要請求項の目的を用いて顕著に達成される。
【0008】
この解決策は、従来技術よりも顕著に優れる利点を有しており、通信を簡略化すること、および、相当数のプローブの同時測定を行うことを可能にする。プローブは、測定の時点で自律しており、測定を混乱させ得る他の動作を実行しない。この従来技術に優る利点は、消費および摂動を制限すること、ならびに測定の時間厳守、品質、および正確さを保証することを可能にする。
【0009】
測定の厳密な瞬間を知ることは、非常に重要である。本発明は、測定を実施しなければならない瞬間を正確にプログラムすることを可能にする。後者は、ワイヤレスネットワークを介してすべての関連するプローブに送信されるので、測定の瞬間において、プローブは測定だけを自由に実施することができる。
プローブは、主要トランスミッタのそれに同期した内蔵クロックを用いて、プログラムされた時点において測定を実施する。そして、プローブは、ワイヤレス伝送を介して、連続して、ランダムに、もしくは、好ましくは定められた順序で、測定結果を主要トランスミッタに返送する。主要トランスミッタは、その後、それらを監視ステーションに送信することが可能であるとともに、その後、例えば、部品ソートシステムを制御することが可能である。
【0010】
プローブは、また、測定時点の環境外乱を考慮に入れることを可能にするその他の測定手段、たとえば、熱膨張によって引き起こされた誤差を補正するための温度プローブ、測定する部品との接触力を測定するための力センサ、または傾斜センサを備える。あるいは、プローブは、プローブの状態を正規の状態にするための測定素子、例えば、バッテリの充電レベル、無線信号の質、または任意のその他の環境パラメータを備える。
【0011】
本発明の実施形態の例は、添付の図面によって図示された説明において示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の1つの局面による長プローブを非常に図式的に示す。
【図2】本発明の1つの局面による多点測定機器を図式的に示す。
【図3】本発明の1つの局面による処理装置のブロック図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の枠組みにおいて使用することができる長プローブ40の例を図示する。プローブ40は、円筒状のケーシング51の内部をスライドするロッド62の先端に、プローブチップ60、たとえばその直径が完全に知られている硬質金属の球体を含む。
図示しない軸受、または別の適切な直線状の案内機器は、ロッド62の正確な軸方向の滑走、およびプローブチップ60の完全に再現可能な、好ましくは直線的な運動を可能にする。
【0014】
プローブ40は、ケーシング51に対するロッド62およびプローブチップ60の変位を瞬時に測定することを可能にするトランスデューサ65を含む。トランスデューサ65は、その振幅が公知の方法でプローブチップ60の変位に依存する、ACにおいてアナログ信号を供給する誘導トランスデューサ、たとえば線形差動変換器(LVDT−線形可変差動変換器)、または、誘導ハーフブリッジ(HBT−ハーフブリッジ変換器)であることができる。
本発明は、たとえば、限定されないが、歪みゲージを含むdb、光学、磁気、圧電、容量、または超音波伸縮計、近接または接触検出器、またあるいは加速度計または温度プローブ、あるいはその距離情報が未加工であるか、全体的にまたは部分的にデジタル処理されたかのいずれかである数種類のセンサの互いの任意の組み合わせである技術を持つ、1つまたはいくつかのトランスデューサを含むこともできる。
【0015】
一般的に、トランスデューサは、プローブチップ60の位置を、非常に良好な再現性、たとえば±2mmの測定範囲で0.4μmの再現性で測定することを可能にする。
一般的に、寸法計測における許容誤差(MPE、最大許容誤差)は変位値とともに増加するため、低ストロークの低いMPEを持つプローブを使用することを可能にするための較正値に近いままであることに関心がある。
LVDTプローブは、本質的に、低ストロークの高精度測定のために使用される。より広い寸法範囲の測定のために、その他の技術が使用される。発明のシステムは、このようにして、誘導LVDTまたはHBTプローブに制約されないが、抽出されるべき状況に適合される測定範囲内で、正確な寸法情報を可能にする任意のトランスデューサもカバーする。
【0016】
本発明において、すべての種類の距離トランスデューサを使用することができる。最初の工程は、距離情報を電気情報に変換することにある。トランスデューサによって位置が測定され、それは本質的にアナログ電気測定値を返し、その後、この結果は、デジタル情報に変換するために処理される。デジタル情報は、その後、較正を通じて得られた関数によって線形化補正を実施するために処理することができる。線形化は、トランスデューサの動作にアプローチするための数式を適用すること、較正された位置の離散した数を補間すること、または、トランスデューサの各分解工程のために正確に測定および決定された対応表、のいずれかによって実施することができる。その後、環境センサに関連するその他の補正を実施することも可能である。環境センサは、センサレベルまたは測定された物理値のレベル、例えば、例として、いくつかを挙げると、光線反射、コイルの温度上昇、周囲温度、接触力、地球の引力のレベルでの測定に影響を与える変化を考慮に入れることが可能である。
変化
【0017】
本発明は、図1に示すような寸法測定用の軸方向線形変位プローブに制約されないだけでなく、プローブチップが旋回ロッドによって運搬されて、軸または角度トランスデューサによって測定された変位によって、プローブチップの傾斜が測定信号に変換される図示しない変形も含む。
【0018】
光学、容量、超音波、およびすべての非接触プローブもまた、同じ原理によっておよび同じ制約で距離の測定を可能にする。測定された電気的結果自体もまた、測定される距離の関数であり、線形化処理を要することが非常に多い。より本質的でない寸法値を観測するために近接検出器、接触検出器を使用することが可能であり、または無限小単位を測定するために力、圧力、または振動センサを使用することも可能である。
【0019】
公知の技術では、これらのセンサは、本質的に静的な状況において用いられ、電気的値を安定化させてその安定化点を連続的に取得するために十分な時間放置される。本発明から発生する利点は、サンプル取得の瞬間において、安定化に要求される期間を減らすことができるので、より速くこれらの測定を実施できる能力があることである。その結果、所定の測定時点において正確に動的測定を実施することが可能であり、まさにその測定の時点においてプローブが他のタスクのために使用中であるというリスクがない。
【0020】
本発明では、プローブ40は、トランスデューサ65によって生成された電気信号を受信してその信号をデジタル信号に変換するために配置された電子処理制御ユニット71を含む。このユニットは、好ましくは、たとえば、mV/μmのように標準化された測定単位によって、トランスデューサによって観測された変位距離に比例するように電気信号の処理を実施する。
【0021】
好ましくは、処理制御ユニット71は、各種のトランスデューサについて、変位に対するトランスデューサ65に特有の測定の非線形性を補正するために配置される。その補正は、例えば、メモリユニットに記録された個別の較正データベースを用いて、または、トランスデューサの動作に関するパラメータ関数を用いて行われる。パラメータ関数は、電気的値から線形測定値を取り出すための計算ユニットを必要とする。
【0022】
プローブ40は、また、双方向データ通信を可能にするワイヤレス通信インタフェース80を含む。図示された例では、ワイヤレスインタフェース80及び処理制御ユニット71は、プローブ40のような同じケーシング内に収容される。しかしながら、測定位置における空間要求を制限するために、処理制御ユニット71および/またはワイヤレスインタフェース80を、ケーブルまたは光ファイバによってプローブ40と相互に接続した1つまたはいくつかの外部素子によって構成することも考えられる。
【0023】
ワイヤレスインタフェース80は、既存の周波数範囲内、好ましくはいくつかの利用可能な周波数帯において標準的なワイヤレスローカルネットワークでの情報通信及び情報交換を可能にする無線インタフェース、例えば、WiFi、ZigBee、ブルートゥースによって構成される。
このシステムは、その他のタイプの変調、たとえばGSMまたは他の商業的規格に適合することもできる。通信はこの用途専用であるが、他の使用を混乱させないために規格を遵守する。このネットワークは、いくつかの近くの機器を、同じ周波数の、100メートル未満、好ましくは10メートル未満の周辺機器にグループ化することができる。
【0024】
図2は、本発明の1つの実施形態による多点測定機器の例を図示する。測定する部品30は、図示しない位置決めシステムによって保持される。1つまたはいくつかの剛性可動支持体上に固定される複数のプローブ40、45は、部品30の測定位置に運ばれ、それに対する位置につく。部品から部品へと、公知の参照部品と比較的同じプローブ構成を達成した寸法の変化は、このようにして観測することができる。部品30が回転部品であるか、または回転対称性を有するものであるとき、測定の間に部品をその軸の周りで回転させることが可能であり、このようにして、部品が回転している間に、いくつかの時間間隔で部品を測定することができる。
【0025】
ネットワークは、ベースステーション20の周りに組織されており、ベースステーション20は、ワイヤレス双方向インタフェース80、および、例えばコンピュータのようなモニタリングシステムと通信するための少なくとも1つのインタフェースを備えている。ワイヤレスインタフェースは、プローブ40、45のインタフェースと通信すること、およびプローブ40、45からたとえば測定結果などのデータを受信することを可能にするだけでなく、その他のパラメータの問い合わせをすることを可能にすることができる。
【0026】
プローブ40、45によって測定された点の相対的寸法変化の同時認識は、処理ユニット20に送信される。処理ユニット20は、垂直さ、平行度、偏心性、垂直さ、または円錐性の誤差を評価するために計算及び使用することのできる直径、厚さ、及び任意の種類の寸法パラメータを決定するため、および、配向および環境(温度、振動、加速度、制約)の効果を考慮に入れて統計を確立するため、および、部品をソートすることについて決めるために、複合情報を得て構成に応じて測定値を組み合わせるようにそれらを処理する。
【0027】
図3は、実施形態の例、可能性のあるデジタル処理ユニット71の構造を概略的に図示する。しかしながら、本発明は、この構造に限定されず、請求される本発明と機能的に同等なその他の変形実施形態も含むことが理解されなければならない。
【0028】
誘導トランスデューサ65の例は、この例ではLVDTセンサとして表される。発振器OSCから生じる交流信号は、一次に注入される。このようにして、端子A、B、Cでアナログ測定信号が得られる。この信号は、プランジャのコアの位置を表しており、その結果として、プローブチップ20のそれを表している。復調器は、信号サンプラ103を用いて、信号をプローブチップ20の位置の寸法変化のデジタル情報に変換する。デジタル表現は、必要であれば、データバス110によってMEMメモリに記録され、ベースステーションおよび中央ユニットに送信されるまでの間プロセッサ130によってアクセス可能である。
【0029】
本発明の1つの局面によれば、ユニット71は、ユニット71のための時間的基礎として働く精密クロック信号を供給するクロック回路CLKも含む。この時間的基礎は、多くの場合のように、時間スタンプ情報に使用することができるが、また、本発明の枠組みでは、プログラムされた瞬間に誘発されるように測定値サンプリングも可能にし、それは測定の瞬間までカウントダウンとして動作する。
【0030】
クロック回路CLKは、ある時間内でワイヤレスネットワーク80を形成する他の装置の他のクロック回路との同期を保持するために、ワイヤレスネットワーク80を形成する他の装置の他のクロック回路に同期する。同期は、ときどき、またはメッセージ交換の間、常時同期の必要なく起こる。
【0031】
いくつかのクロック同期機構が可能であり、本発明の枠組みに含まれる。好ましくは、同期は、ネットワークプロトコルのレベル(矢印104)で実施され、クロックCLKは、ワイヤレスインタフェース80の無線信号を用いて同期する。この同期メッセージは、一般的に、主要ネットワーク管理ユニットによって送信されるメッセージの始めに含有される。
【0032】
図1に示されるプローブ40、45のクロック同期工程の後、制御ユニットは、プローブ45が測定の準備ができていることを確認する。そして、次に、測定の瞬間をプログラムするために、ワイヤレスネットワークを介してプローブにコマンドを送信する。測定の瞬間は、測定トランスデューサ103からアナログ電気信号をサンプリングするために使用される。
【0033】
本発明の変形実施形態では、ワイヤレス通信を集中させてベースステーションとして働く機器は、プローブおよび周辺機器を組織化、同期、および制御することを可能にする。ベースステーションは、プローブおよび周辺機器からの通信をチャネルとも呼ばれる周波数帯によってグループ分けして、構造化された通信を有するように、あるチャネルのプローブおよび周辺機器を組織化する。
【0034】
各チャネルは、それ自体の独立した通信を有することができる。ベースステーションは、入手可能なチャネルのうちの1つに働き、ユーザは必要に応じてそれをプログラムすることができる。
各チャネルのバンド幅は、各部材間に分布している。変調周波数は、好ましくは単一の送信での各部材のための送信時間が十分となるように、ほとんどの場合、送信されるべき情報全体、例えば測定結果を送信するのに十分となるように決定される。
【0035】
その他の機能的に同等な変形実施形態では、本発明は、時分割またはシンボル変調プロトコルを使用することができる。システムは、このようにして、異なる周波数帯に対応しないネットワーク80のノード間の独立した通信を可能にする送信チャネルを有することができる。
【0036】
好ましくは、すべての周辺機器が互いに近くにあるので、機器は、単一のプロトコルを用いて周辺機器を組織する。ネットワーク80を含むノード間の送信の遅延は、このようにして、程よい同程度のサイズとなっている。伝播時間によって引き起こされる可能性のある遅延を調節するために連続同期を実施することは必要でない。主要機器は、このようにして同期をとり、さらにまた、前者が、測定コマンドおよびプログラミングコマンドを付与するように交信し、その後、周辺機器の組織によって、後者が予め定義されたシーケンスに応じて次々と順次応答する。
【0037】
本発明の1つの局面によれば、周辺機器を組織化することは、次の方法で起こる:周辺機器は、固有のセット内部識別子を有する。まず、周辺機器は、最後に使用されたチャネル上の、最後に知られているベースステーションを求め、登録を試みる。ベースステーションを見出すことができない、または以前の指定がもう非制限ではなくなっていれば、まだ指定の可能性を有する、利用可能なベースステーション上の、制限されていない周波数またはチャネル上に新しいベースステーションを求める。その後、ベースステーション上の使用可能性を見出して、チャネル内のシリアル番号を受信するまで、それに沿って進む。
【0038】
登録処理は、好ましくは、この効果のために提供された時空間内で実施される。いったんチャネル、ベースステーション、およびシリアル番号が定められたら、決定された、または無限定であることのできる持続時間中、周辺機器に指定が割り当てられる。相当数のサイクルの間不活性である場合には、割り当てを自動的に解放することができる。不在の周辺機器は、その割り当てを元に戻すことを示唆すること、または新しい割り当てを要求することができる。また、常時プログラミングによって割り当てを定めることも可能である。
【0039】
利用可能なさらなる指定を有さないベースステーションは、そのメッセージ内でこのことを通知して、それは、プローブが、それらを受け入れ可能なベースステーションに直接対処することを可能にする。
【0040】
周辺機器はその後、それらの再初期化、またはベースステーションの再初期化まで、割り当てられたチャネル内のシリアル番号のもとで動作する。再初期化によって、割り当てを消去する自発的行為が理解され、原理としては、パラメータは単純な停電を乗り切る。シリアル番号の割り当ては、このようにして、ベースステーションの同期メッセージからのチャネル送信における位置を付与するので、ワイヤレス通信において周辺機器を識別することを可能にする。このことは、識別子を使用することは可能なままであるが、周辺機器の識別子を送信することを不必要にする。
【0041】
各ベースステーションは、入手可能なチャネルのうちの1つの上で動作することが可能であり、ユーザは、プログラミングによって手動でチャネルを定めること、あるいは、必要性および環境に応じて、周囲ノイズの低い解放されたチャネルを求めることができる。ステーションは、その後、既存のステーションおよび測定されたノイズによって最良の選択を定めるために、各チャネルを聞き始める。有利なことに、バッテリで動作する周辺機器は、要求される放送信号がより弱くなるために、無線信号がより妨害されないチャネル上で、より低い消費で動作することができる。
【0042】
ベースステーションによってプローブに送信される測定値または問い合わせの受信は、送信に含まれる制御素子の検証の後に各周辺機器に返すために、ベースステーションからの受領メッセージを要求することができる。
【0043】
本発明の変形実施形態では、監視ステーションは、無線ネットワークを通じてベースステーションに接続する。ベースステーションは、単に、測定点におけるシステムの状態を速く視覚化することを可能にする携帯システム、たとえば携帯コンピュータまたはPDA(個人用デジタル補助装置)にあることができる。これにより、オペレータは、それらが使用される前にプローブおよび能動素子を動的に調節することができる。通信は、通常の動作モードのベースステーションを通じて発生する。
【0044】
プローブおよび携帯コンピュータは、互いに直接接続したトラブルシューティングモードを含むこともできる。このモードは、いかなる時間同期も実施しないが、例えば、自動検索を実施する周辺機器を持たないベースステーションへの接続に関して、パラメータをプログラムすることが可能であるため、調節のために用意される。また、このモードは、すべてのパラメータ化工程を経ることなく1つのプローブを別のものと交換するために、再プログラミング(ファームウェア)またはパラメータ化(ダンプ)を行うことを許可することもできる。
【0045】
プローブは、必要であれば、測定の間に交換または充電することもできる再充電可能なバッテリを備える。しかしながら、いくつかの使用の場合において、位置決めに対する影響をより小さくして、より大きい自由度を提供するために、プローブがいかなるケーブルからも解放されていることが有益である。プローブは、バッテリ故障の場合には、それらがもう測定できなくなる前に、ベースステーションに通知する。この趣旨で、プローブは、バッテリ充電センサを備える。
【0046】
特定の周辺機器は、ちょうどベースステーションのように、特別にプログラムすることができる。さらにまた、ベースステーションは、相互作用性を要する周辺機器用の特有のプログラミングモジュール、たとえば、周辺機器において入手可能であるものより強力または速い装置上で動作を実行することを要する動作のためのコマンド送信またはマクロ実行用の特有のプログラミングモジュールを含むことができる。周辺機器のこのカテゴリは、監視ステーション、トリガ、および測定の前の状態検出器のほかに、ソートシステム、及び、測定の後処理、測定された部品の処理及び操作用のコンピューティングシステムを含む。すべては、ワイヤレスネットワークを通じて動作すること、あるいは、特定のプログラミングがベースステーションに実装される限りにおいて、ベースステーションによって接続および制御することができる。このプログラミングは、どのようにしてそれらが互いに相互作用するかを定義するために働く。また、たとえば緊急停止トリガを測定トリガから識別するとともに、周辺機器からの動作結果を誰に発信するのかを識別するために働く。
【0047】
本発明の変形実施形態では、プローブが長期間メッセージを受信しない場合には、プローブは待機状態におかれる。この待機前の持続時間はプログラムすることが可能である。待機の間、受信機は、より不変的でない方法でチャネルを聞き、もう送信をしない。それらを呼び起こすには、このように、起動メッセージを繰り返すとともに、測定を進める前にそれらが起動するのを待つことが必要である。
【0048】
本発明の1つの変形実施形態では、プローブは、較正された線形化特性に作動条件をできるだけ適合させることを可能にするために、延長された待機期間の後、または定時測定の間にプローブの温度上昇を測定するための温度プローブを備える。測定のための参照温度に到達するようにするために、例えば、低下した温度で較正を実施すること、反対に、センサを加熱することを決定することができる。センサの追加のパラメータは、測定に加えて処理ユニットに返されるか、あるいは、測定、またはその計画およびプログラミングのための前提条件として機能することができる。これは、温度センサに限定されないが、到達すべき位置、または必要な接触力、または加速度の測定、または振動のレベル、または超過すべきでない制限位置、または光学的測定を妨害する周囲光のほかに、要件を満たすことができるとともにセンサもしくはセンサによって測定された物理的値に影響を与えるその他のすべての測定条件に関することもできる。
【0049】
本発明の変形では、ベースステーションは、周辺機器用の高速プログラミングモードを使用する。ベースステーションは、その固有の送信空間時間を使用する代わりに、バーストモードにおいて、周辺機器を同時にプログラムするために、すべての送信機のバンド幅を使用する。この方法は、消費する時間が非常に少ないという利点を提供する。プローブは、コマンドの付与およびプログラミングのための短い時間、聞いているままである。この変形実施形態では、各バンド幅は、特に、各周辺機器に送信されるデータのために使用されるとともに、測定を実施する前に、必要になる度にすべてのパラメータをプローブへ送信する。
【0050】
バーストモードの変形実施形態では、プログラミングシーケンスは前もって予め定義されており、測定の前に常に同じ順番で送信される。この方法では、各周辺機器は、必要であれば空のパラメータを含む同一数のパラメータを受信する。これは、チャネルのすべての周辺機器をパラメータ化するために必要な送信サイクルの数を最適化する。このモードでは、各周辺機器が同じ時点で同じタイプのパラメータを受信することができるように、各パラメータがそれ自身の割り当てられた送信サイクルを有する。引き続いて、測定モードは従来の送受信モードに進む。
【0051】
本発明の変形実施形態では、プローブは、パラメータプログラミングコマンド、及び、状態問い合わせコマンドを受信することができる。それは、主に、動作パラメータを受信して、時間同期を設定し、内部クロックをプログラム可能にするだけでなく、たとえば最小値および最大値などの公差情報、あるいは、測定を完全にまたは部分的に処理するためのその他のさらに有用なパラメータを受信する。この種類の周辺機器は、機能性を追加して追加の内部センサを処理するために、遠隔で完全にプログラムすることが可能である。より複雑なコンピューティング機能を統合して、投影または比例角を考慮に入れること、あるいは他のプローブまたはそれ自体のセンサによって供給された位置決め誤差を補正すること、あるいは測定結果によって決めることも可能である。
【0052】
本発明の1つの実施形態では、プローブは、まず、パラメータプログラミングを受信する。その後、それらは、位置決めプローブから来る第1の測定値を受信し、部品の上の測定セットアップシステムに適格を与える。必要であれば、それらは、プローブを支持する測定支持体の位置及び方向に関する補正データを受信する。変化これらの補正は、三次元で表現することができる。
最後に、それらは、それらの測定のための時間プログラミングを受信する。この変形実施形態では、計算ユニットは、操作を単純にするために、プローブ内に収容することができる。複合測定の場合には、システムは、多くのプローブが特定の配置にあるときに、より負荷の大きい幾何学的コンピューティング動作を実行するために、たとえば監視ステーションのような計算ユニットを用いることができる。その場合、プローブは、それ自体の測定の参照フレームに適合される、適用されるべき補正としてパラメータを受信する。
【0053】
本発明の変形実施形態では、プローブは、位置及び方向パラメータに応じて、測定および自己適合することが可能である。これは、たとえば、加速度計、圧力センサ、振動センサ、温度プローブなどの追加のセンサを用いて達成することができる。これらは、センサの条件及び動作点を適格とする情報を提供することが可能であり、理想的な条件でいかなる影響からも自由で完全に安定化された測定のそれと同程度であるために、定時測定の間に最も正確で可能性のある結果を推定することを可能にすることができる。
【0054】
センサは、取り付けシステムの位置を考慮に入れることが可能であり、それは、各プローブから測定値に影響を与える位置の変化を検出することによって、複数のプローブの測定を補正することを可能にする。計算ユニットは、補正を計算することが可能であるが、プローブの位置決めのために、測定に先立ってこれらのパラメータを送信することも考えられる。これにより、測定されるべき部品の測定をするプローブが、それらの特定の位置を考慮に入れるために、測定結果をいつ確立するのかを考慮に入れる。このタイプの実施形態は、位置をどの方向に補正するのか、または、対向するプローブの変動を分析するために、プローブの位置の情報が必要であることも観察された。
【0055】
本発明の変形実施形態では、プローブは、たとえば、対向した、または平行なプローブの場合に、または一次元の合成公差結果を得るために規則的配置に分散したプローブの場合に、または、結果を集積または差別化することを必要とする場合に、単一の結果、あるいは、他の結果と組み合わされた結果を生み出すことが可能であり、または、いくつかの情報を処理した後でいくつかの周辺機器のステータスを送信することが可能である。
【0056】
本発明の変形実施形態では、プローブは、得られた測定値の方向を正確に方向づけることを可能にするとともに、ベクトル値、たとえば、ベクトル長を返すことを可能にすることのできる方位センサ、例えば、加速度計および/またはローカル重力センサも含む。
【0057】
本発明の変形実施形態では、モニタリングシステムは、より高い精密性と最小限のエントロピーによってその変動が定量化及び較正される範囲において、質の良い測定値を得るために、プローブの位置決め及び/又は方向付けを最適な作動範囲内で行うためのユーザへの補助としての機能を果たすことができる。変化たとえば、LVDTセンサの温度上昇の設定値をパラメータ化すること、および、いくつかのパラメータを持つ複雑な式を避けるために、これらの特定の条件でそれを較正することが可能である。エントロピーは、可能性のあるパラメータが最大のときに最小化される。
【0058】
システムは、測定される状況に関連して有用な運転が最適に配置されるように、プローブのストロークを位置決めすることができる。特に、共同で測定を行うすべてのプローブが、互いにできるだけ同じような測定条件で、かつ、プローブのストロークの端部に置かれるように、プローブのストロークを位置決めすることができる。これらの非線形性の局面を良好に扱うことによって、全体的な測定誤差を低減することができる。モニタリングシステムは、プローブの測定範囲を視覚化すること、ならびにそのストロークおよび使用されるトランスデューサのタイプに対して、および測定する部品および予測される測定の変化に対して位置決めをすることを可能にすることによって、このサービスを精密に実施する。
【0059】
この構成では、部品を測定するとき、変化だけを観測するために、参照位置の測定値をゼロにリセットすることを望むかもしれない。システムは、有利なことに、測定範囲を静的な遅延値でプログラムすることができるこの選択肢を供給することが可能である。この値は、変化を追加するリアルな参照点の値、または参照部品に対する寸法の変化を分離することができる値であることができる。
【0060】
本発明の変形実施形態では、プローブは、測定コマンドを発信することが可能な中央送信機−受信機システムのまわりに組織される。ポータブルトリガから来るこれらの同じ測定コマンドは、通信チャネル上で作動することが可能であり、プローブのセットは測定コマンドを受信することが可能であり、予め定義されかつプログラムされた時間が経過した後に、測定を実施することが可能である。
その後、プローブにプログラムされた公差によって、後者は、ソート素子に良好または不良のステータスを返す。すべてが、常時監視ステーションを要しない簡易ベースステーションの周辺の、ワイヤレス周辺機器の2点間タイプのワイヤレスネットワークによって統制される。
【0061】
この実施形態では、プローブおよび周辺機器は、無線チャネルで測定、同期、およびシリアル化パラメータを定めるために、予備プログラミングを要する。その後、順次、各プローブからの各結果によって、ソート収集システムは、ベースステーションからこれらの状態を受信し、必要なソートを実施する。ソートステーションも、また、考えられる限りでは、ベースステーションに含まれる。
【0062】
1つの実施形態では、プローブが測定のための位置に運ばれたときにプローブを支持する可動素子の位置及び向きを確認するように設計されたトリガプローブまたは位置測定の形で、状態インジケータが用いられる。システムは、部品の不在およびシステムの可能性のあるエラーのほかに、各状況(ハンドリングエラー、衝突、緊急停止等)に適合される改善策を検出すること、ならびに誤りのある測定値が送信されることを防止することも可能にする。
【0063】
本発明の変形実施形態では、プローブを、多関節アームまたはロボットの端部にある取り付け具に固定することが可能である。多関節アームは、その後、取り付け具を位置決めして、試験する部品の異なる点に対して高精度の測定を実施する。この場合には、プローブ上にワイヤがないことが大きな関心事である。プローブは、工具の代わりに、生産サイクル内で測定を実施する機械に搭載される機械工具においても考え得る。
【0064】
本発明の別の変形実施形態では、プローブは、その後にソートシステムに公差情報を返すために、測定の最小値および最大値のほかに方向を知るためにプログラムされる。このようなシステムの利点は、ワイヤなしで、およびより少ない材料で行うことが可能なモジュール式解決策を提供することである。
【符号の説明】
【0065】
40 軸方向の変位を持つプローブ
45 旋回アームを持つプローブ
51 ケーシング
60 プローブチップ
65 トランスデューサ
71 デジタル処理装置
80 ワイヤレスインタフェース
20 ベースステーション
30 測定される部品
110 データバス
103 電気信号
130 プロセッサ
104 同期信号
106 同期信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の位置測定プローブを有する、寸法の変化を得るためのシステムであって、
前記プローブと観察される部品との間の距離の変化を示すアナログ電気信号を供給するトランスデューサと、
前記アナログ電気信号をサンプリングしてそれを変位に比例するデジタル信号に変換することが可能なデジタルユニットと、
前記プローブを制御ユニットに接続するワイヤレス通信ネットワークのための双方向インタフェースと、
前記デジタルユニットおよび前記通信インタフェースを制御することを可能にする内蔵クロックを備える処理ユニットと、を含み、
前記プローブの前記クロックが、前記通信インタフェースを通じてプログラムすることが可能であり、
前記プログラミングによって、前記プローブに、測定の瞬間をプログラムすることが可能である、ことによって特徴付けられるシステム。
【請求項2】
前記ワイヤレス通信ネットワークが、前記プローブ及び前記ネットワークに加わっている周辺機器を組織し、同期させ、及びコマンドを送信する少なくとも1つのベースステーションを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記ネットワークの1つのプローブの動作パラメータを、前記ネットワークの別のプローブに移動するように構成された
、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記時間プログラミングが、各プローブにプログラムすることができる測定の時間的な遅延によって定義され、
前記時間プログラミングが、同期または非同期測定を実施するための前記プローブに応じて可変である
、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
測定が、前記クロックのカウントダウンによって誘発され、前記カウントダウンが、同期無線信号およびトリガコマンドによって誘発される
、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
プログラムされた公差限度によって公差情報を定めて発信するように構成された
、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
モニタリングシステムが、プローブのストロークを視覚化するとともに、測定される部品に対するプローブの位置決め及び方向決めをすることを可能にするために構成された、
、請求項5記載のシステム。
【請求項8】
ワイヤレスネットワークを通じてソートシステムを制御するために構成された
、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記制御ユニットによって、次の値:直径、厚さ、垂直さ、平行度、偏心性、直交性、および円錐性のうちの1つの少なくとも1つの変化をコンピューティングするために構成された
、請求項1記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−13695(P2012−13695A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−140038(P2011−140038)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.GSM
【出願人】(511100914)
【氏名又は名称原語表記】TESA SA
【Fターム(参考)】