説明

寸法測定装置、寸法測定方法および寸法測定プログラム

【課題】対象物の寸法を簡易かつ高精度に測定する寸法測定装置を提供する。
【解決手段】寸法測定装置は、取得部18aと、登録部18bと、表示制御部18cと、寸法算出部18eとを備える。取得部は、撮像部14により撮像される対象物と自装置とが接触した状態における撮像部の傾斜である接触傾斜を取得する。登録部は、撮像部により対象物の画像が撮像される際に、撮像部から対象物までの距離と撮像部の傾斜とを取得し、取得した距離および傾斜を対象物の画像ごとに対応付けて画像情報記憶部17bに登録する。表示制御部は、接触傾斜に対応する対象物の画像および距離を画像情報記憶部から抽出し、抽出された対象物の画像とともに対象物の画像に重畳される一対の枠を表示部12に表示させる。寸法算出部は、表示制御部により表示部に表示された枠の表示位置および接触傾斜に対応する距離に基づいて対象物の寸法を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寸法測定装置、寸法測定方法および寸法測定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等の電子機器では、カメラにより対象物を撮像し、撮像した対象物の画像を用いて対象物の寸法を測定するものが知られている。かかる電子機器としては、例えば、予め寸法が既知であるクレジットカードなどの参照物を対象物とともにカメラで撮像し、撮像した対象物の画像の大きさと参照物の画像の大きさとの比に基づいて、対象物の寸法を算出する電子機器が知られている。
【0003】
また、例えば、カメラのレンズから対象物までの距離を検出し、検出した距離と、既知であるレンズの焦点距離およびカメラの撮像素子の寸法とに基づいて、対象物の寸法を算出する電子機器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−261995号公報
【特許文献2】特開2005−142938号公報
【特許文献3】特開2005−274272号公報
【特許文献4】特開2004−37396号公報
【特許文献5】特開2008−211409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の技術では、以下に示す問題点があった。すなわち、参照物の画像を用いて対象物の寸法を算出する従来技術では、事前に対象物の隣に参照物を置く作業が発生するため、寸法の測定が全体として煩雑なものとなる。
【0006】
また、対象物と垂直に面しているかを計測しないまま、対象物までの距離を検出して、対象物の寸法を測定する従来技術では、寸法の測定精度が低下する恐れがある。例えば、この従来技術では、カメラの光軸が対象物に対して傾斜している場合に、カメラの撮像素子に投影される対象物の画像が歪むため、対象物の寸法を精度良く算出することが困難となる。
【0007】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、対象物の寸法を簡易かつ高精度に測定することができる寸法測定装置、寸法測定方法および寸法測定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示する寸法測定装置は、取得部と、登録部と、表示制御部と、寸法算出部とを備える。取得部は、撮像部により撮像される対象物と自装置とが接触した状態における前記撮像部の傾斜である接触傾斜を取得する。登録部は、前記撮像部により前記対象物の画像が撮像される際に、前記撮像部から前記対象物までの距離と前記撮像部の傾斜とを取得し、取得した前記距離および前記傾斜を前記対象物の画像ごとに対応付けて画像情報記憶部に登録する。表示制御部は、前記接触傾斜に対応する前記対象物の画像および前記距離を前記画像情報記憶部から抽出し、抽出された前記対象物の画像とともに前記対象物の画像に重畳される一対の枠を表示部に表示させる。寸法算出部は、前記表示制御部により表示部に表示された前記枠の表示位置および前記接触傾斜に対応する前記距離に基づいて前記対象物の寸法を算出する。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示する寸法測定装置の一つの態様によれば、対象物の寸法を簡易かつ高精度に測定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本実施例に係る携帯電話機により実行される寸法測定方法を説明するための図である。
【図2】図2は、図1に示した携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、画像情報記憶部の一例を示す図である。
【図4】図4は、ガイド情報記憶部の一例を示す図である。
【図5】図5は、枠情報記憶部の一例を示す図である。
【図6】図6は、表示部に表示された枠およびガイドを示す図である。
【図7】図7は、対象物の寸法を算出する処理(その1)を説明するための図である。
【図8】図8は、対象物の寸法を算出する処理(その2)を説明するための図である。
【図9】図9は、図1に示した携帯電話機による寸法測定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、対象物としてソファーの背もたれの寸法を測定する携帯電話機の全体の処理を説明するための図である。
【図11】図11は、対象物としてソファーの背もたれの寸法を測定する携帯電話機の全体の処理を説明するための図である。
【図12】図12は、対象物としてソファーの背もたれの寸法を測定する携帯電話機の全体の処理を説明するための図である。
【図13】図13は、カメラから対象物までの距離を取得する処理を説明するための図である。
【図14】図14は、表示部の中心からクレジットカードの一端までの画素数とクレジットカードの一辺の画素数とクレジットカードの寸法との関係を説明するための図である。
【図15】図15は、登録部により保持される内部テーブルの構成例を示す図である。
【図16】図16は、実施例に係る携帯電話機を構成するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する寸法測定装置、寸法測定方法および寸法測定プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。例えば、以下では、本願の開示する寸法測定装置を携帯電話機に提供する例を説明するが、これに限らず、PDA(Personal Digital Assistant)などの他の電子機器に本願の開示する寸法測定装置を適用してもよい。
【実施例】
【0012】
まず、本実施例に係る携帯電話機により実行される寸法測定方法について説明する。図1は、本実施例に係る携帯電話機により実行される寸法測定方法を説明するための図である。
【0013】
図1に示すように、本実施例に係る携帯電話機10は、カメラ14、傾斜センサ15および距離計16を備える。カメラ14は、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を含む撮像装置であり、対象物の画像を撮像する。
【0014】
傾斜センサ15は、3軸式の加速度センサであり、カメラ14の傾斜を加速度値として検出する。この傾斜センサ15は、傾斜センサ15の3軸のうち2軸で形成される平面(図1のxy平面)とカメラ14の光軸とが垂直となるように、携帯電話機10に設置されているものとする。距離計16は、光学式や超音波式の距離計であり、カメラ14から対象物までの距離を計測する。
【0015】
携帯電話機10は、カメラ14により撮像される対象物と携帯電話機10とが接触した状態におけるカメラ14の傾斜である接触傾斜を取得する(図1の(1)参照)。具体的には、携帯電話機10は、対象物と携帯電話機10とが接触した状態で傾斜センサ15を用いてカメラ14の光軸の傾斜を所定時間検出し、検出したカメラ14の光軸の傾斜を接触傾斜として取得する。なお、携帯電話機10は、取得した接触傾斜を所定の記憶部に格納する。
【0016】
続いて、携帯電話機10は、カメラ14により対象物の画像が撮像される際に、カメラ14から対象物までの距離とカメラ14の傾斜とを取得し、取得した距離および傾斜を対象物の画像ごとに対応付けて画像情報記憶部17bに登録する(図1の(2)参照)。具体的には、携帯電話機10は、携帯電話機10が対象物から離反された状態でカメラ14により対象物の画像が撮像される際に、距離計16を用いてカメラ14から対象物までの距離を取得し、傾斜センサ15を用いてカメラ14の光軸の傾斜を取得する。そして、携帯電話機10は、取得した距離および傾斜を撮像した対象物の画像ごとに対応付けて画像情報記憶部17bに登録する。
【0017】
続いて、携帯電話機10は、接触傾斜に対応する対象物の画像および距離を画像情報記憶部17bから抽出し、抽出された対象物の画像とともに対象物の画像に重畳される一対の枠を表示部に表示させる(図1の(3)参照)。具体的には、携帯電話機10は、接触傾斜に対応する対象物とともに、この対象物を挟み込むように一対の枠を表示部に表示させる。
【0018】
続いて、携帯電話機10は、表示部に表示された枠の表示位置と接触傾斜に対応する距離とに基づいて対象物の寸法を算出する(図1の(4)参照)。具体的には、携帯電話機10は、枠の表示位置と枠の画角との対応関係を含んだテーブルを保持し、かかるテーブルから枠の画角を求め、求めた枠の画角と接触傾斜に対応する距離とを三角関数に適用して対象物の寸法を算出する。
【0019】
ここで、カメラ14の傾斜が接触傾斜となった場合には、カメラ14が対象物に対して垂直に正対していることとなる。言い換えると、カメラ14の傾斜が接触傾斜となった場合には、カメラ14の光軸が対象物に対して垂直となる。携帯電話機10は、光軸が対象物に対して垂直となったカメラ14で撮像された対象物を挟む一対の枠と、光軸が対象物に対して垂直となったカメラ14から対象物までの距離とを用いて対象物の寸法を算出することができる。結果として、携帯電話機10は、対象物の寸法を精度よく算出することができる。また、携帯電話機10は、参照物の画像を用いて対象物の寸法を算出する従来技術と異なり、事前に対象物の隣に参照物を置く作業を不要化することができる。つまり、本実施例に係る携帯電話機10は、対象物の寸法を容易かつ高精度に測定することができる。
【0020】
次に、図1に示した携帯電話機10の構成を説明する。図2は、図1に示した携帯電話機10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、携帯電話機10は、入力部11、表示部12、無線通信部13、カメラ14、傾斜センサ15、距離計16、記憶部17および制御部18を有する。
【0021】
入力部11は、操作キーやタッチパネルなどを含み、携帯電話機10のユーザによる各種の情報を受け付ける。例えば、入力部11は、携帯電話機10のユーザから対象物の寸法を測定する旨の要求を受け付ける。また、例えば、入力部11は、カメラ14による対象物の撮像を開始する旨の要求を受け付けたり、カメラ14による対象物の撮像を停止する旨の要求を受け付けたりする。また、例えば、入力部11は、表示部12に表示された対象物の寸法を測定するための枠の表示位置を変更する旨の要求を受け付ける。
【0022】
表示部12は、ディスプレイやスピーカを含み、各種の情報を出力する。例えば、表示部12は、対象物の画像や、対象物の画像に重畳される枠を表示出力する。また、例えば、表示部12は、対象物の寸法を表示出力する。無線通信部13は、ネットワークと通信し、通話、メールおよびインターネットに関する各種の無線通信を行う。
【0023】
カメラ14は、CCD等の撮像素子を含む撮像装置であり、対象物の画像を撮像し、撮像した画像を制御部18へ出力する。傾斜センサ15は、3軸式の加速度センサであり、カメラ14の傾斜を加速度値として検出し、検出したカメラ14の傾斜を制御部18へ出力する。傾斜センサ15は、傾斜センサ15の3軸のうち2軸で形成される平面とカメラ14の光軸とが垂直となるように、携帯電話機10に設置されているものとする。距離計16は、光学式や超音波式の距離計であり、カメラ14から対象物までの距離を計測する。
【0024】
記憶部17は、制御部18による各種処理に必要なデータや、制御部18による各種処理結果を記憶する。記憶部17は、接触傾斜記憶部17a、画像情報記憶部17b、ガイド情報記憶部17cおよび枠情報記憶部17dを有する。
【0025】
接触傾斜記憶部17aは、カメラ14により撮像される対象物と携帯電話機10とが接触した状態におけるカメラ14の傾斜である接触傾斜を記憶する。具体的には、対象物と携帯電話機10とが接触した状態におけるカメラ14の光軸の傾斜を接触傾斜として記憶する。
【0026】
画像情報記憶部17bは、カメラ14により撮像された対象物の画像ごとに、傾斜センサ15により検出された傾斜と、距離計16により計測された距離とを対応づけて記憶する。画像情報記憶部17bの一例を図3に示す。図3に例示するように、画像情報記憶部17bは、「画像ID」、「傾斜」および「距離」といった項目を対応付けて記憶する。「画像ID」は、カメラ14により撮像された対象物の画像を識別する識別情報を示す。「傾斜」は、傾斜センサ15により検出されたカメラ14の傾斜を示す。「距離」は、カメラ14から対象物までの距離を示す。例えば、画像情報記憶部17bは、「画像ID」として「001」、「傾斜」として「x1」、「距離」として「d1」などを記憶する。
【0027】
ガイド情報記憶部17cは、対象物の画像を撮像する際のカメラ14の傾斜に応じて表示部12に表示されるガイドに関する情報を記憶する。ガイド情報記憶部17cの一例を図4に示す。図4に例示するように、ガイド情報記憶部17cは、「傾斜範囲」および「表示位置」といった項目を対応付けて記憶する。「傾斜範囲」は、傾斜センサ15により検出されるカメラ14の傾斜の範囲を示す。「表示位置」は、カメラ14の傾斜に応じて表示部12に表示されるガイドの画素位置を示す。また、例えば、ガイド情報記憶部17cの3行目は、カメラ14の傾斜が範囲「−2.5以上〜−1.5未満」に属する場合に、表示部12の画素位置「−2γ」にガイドが表示されることを示す。また、例えば、ガイド情報記憶部17cの5行目は、カメラ14の傾斜が範囲「−0.5以上〜0.5未満」に属する場合に、表示部12の画素位置「0」にガイドが表示されることを示す。また、例えば、ガイド情報記憶部17cの7行目は、カメラ14の傾斜が範囲「1.5以上〜2.5未満」に属する場合に、表示部12の画素位置「2γ」にガイドが表示されることを示す。
【0028】
枠情報記憶部17dは、対象物の画像に重畳される一対の枠の表示位置とこの枠の画角との対応関係を記憶する。枠情報記憶部17dの一例を図5に示す。図5に例示するように、枠情報記憶部17dは、「枠ID」、「表示位置」および「画角」といった項目を対応付けて記憶する。「枠ID」は、対象物の画像に重畳される枠を識別する識別情報を示す。「表示位置」は、表示部12に表示される枠の画素位置を示す。「画角」は、表示部12に表示される枠の画角を示す。例えば、枠情報記憶部17dの1行目は、表示部12の画素位置「p1」に表示された枠「001」の画角が「α1」であることを示す。また、例えば、枠情報記憶部17dの2行目は、表示部12の画素位置「p2」に表示された枠「002」の画角が「α2」であることを示す。
【0029】
制御部18は、各種の処理手順などを規定したプログラムを格納する内部メモリを有し、携帯電話機10における種々の処理を実行する処理部である。制御部18は、接触傾斜取得部18a、登録部18b、表示制御部18c、変更部18dおよび寸法算出部18eを有する。
【0030】
接触傾斜取得部18aは、カメラ14により撮像される対象物と携帯電話機10とが接触した状態におけるカメラ14の傾斜である接触傾斜を取得する。具体的には、接触傾斜取得部18aは、対象物と携帯電話機10とが接触した状態で傾斜センサ15を用いてカメラ14の光軸の傾斜を所定時間検出し、検出したカメラ14の光軸の傾斜を接触傾斜として取得する。接触傾斜取得部18aは、取得した接触傾斜を接触傾斜記憶部17aに格納する。
【0031】
登録部18bは、カメラ14により対象物の画像が撮像される際に、カメラ14から対象物までの距離とカメラ14の傾斜とを取得し、取得した距離および傾斜を対象物の画像ごとに対応付けて画像情報記憶部17bに登録する。具体的には、登録部18bは、携帯電話機10が対象物から離反された状態でカメラ14により対象物の画像が撮像される際に、距離計16を用いてカメラ14から対象物までの距離を取得し、傾斜センサ15を用いてカメラ14の光軸の傾斜を取得する。そして、登録部18bは、取得した距離および傾斜を撮像した対象物の画像ごとに対応付けて画像情報記憶部17bに登録する。
【0032】
表示制御部18cは、接触傾斜に対応する対象物の画像および距離を画像情報記憶部17bから抽出し、抽出された対象物の画像とともに対象物の画像に重畳される一対の枠を表示部12に表示させる。具体的には、表示制御部18cは、接触傾斜記憶部17aに格納された接触傾斜を読み出し、読み出した接触傾斜をキーとして画像情報記憶部17bを探索する。そして、表示制御部18cは、接触傾斜と一致する傾斜に対応付けられた対象物の画像および距離を画像情報記憶部17bから抽出し、抽出した対象物の画像を表示部12に表示させる。なお、画像情報記憶部17bから抽出された距離は、寸法算出部18eに通知される。そして、表示制御部18cは、表示部12に表示された対象物の画像に所定の画像処理を施して対象物のエッジを抽出し、抽出したエッジの画素位置と一致する表示位置に対応する一対の枠を枠情報記憶部17dから読み出す。そして、表示制御部18cは、読み出した一対の枠を対象物を挟み込むようにして表示部12に表示させる。背景と対象物の区別が困難であり、エッジが抽出できない場合は、画面の1/4、3/4の位置に一対の枠を対象物を挟み込むようにして表示部12に表示させる。
【0033】
また、表示制御部18cは、カメラ14により対象物の画像が撮像される際に、登録部18bにより取得されるカメラ14の傾斜に応じて移動するガイドを表示部12に表示させる。具体的には、表示制御部18cは、ガイド情報記憶部17cを参照して、登録部18bにより取得されるカメラ14の傾斜が属する傾斜範囲を特定し、特定した傾斜範囲に対応する表示部12の表示位置にガイドを表示させる。
【0034】
ここで、表示制御部18cにより表示部12に表示された枠およびガイドの一例を図6に示す。図6は、表示部12に表示された枠およびガイドを示す図である。表示部12には、図6に示すように、対象物の画像とともに対象物を挟み込むようにして一対の枠が表示される。携帯電話機10のユーザは、携帯電話機10を対象物から離反させ、表示部12を確認しつつ一対の枠に挟まれた対象物をカメラ14により撮像する。さらに、表示部12には、図6に示すように、カメラ14により対象物の画像が撮像される際に、カメラ14の傾斜に応じて移動する円形状のガイドが表示される。携帯電話機10のユーザは、カメラ14により対象物の画像を撮像する場合に、円形状のガイドの移動を確認することによりカメラ14の傾斜の度合いを視覚的に把握することができる。
【0035】
図2の説明に戻り、変更部18dは、表示制御部18cにより表示部12に表示された枠の表示位置を変更する。具体的には、変更部18dは、表示部12に表示された一対の枠のうち一方の枠の変更を入力部11から受け付けた場合には、変更後の枠の識別情報に対応する表示位置に一方の枠を再表示するよう表示制御部18cに指示する。一方、変更部18dは、表示部12に表示された他方の枠の変更を入力部11から受け付けた場合には、変更後の枠の識別情報に対応する表示位置に他方の枠を再表示するよう表示制御部18cに指示する。
【0036】
寸法算出部18eは、表示制御部18cにより表示部12に表示された枠の表示位置と接触傾斜に対応する距離とに基づいて対象物の寸法を算出する。具体的には、寸法算出部18eは、接触傾斜に対応する距離を表示制御部18cから受け取る。そして、寸法算出部18eは、表示制御部18cにより表示部12に表示された枠の表示位置に対応する枠の画角を枠情報記憶部17dから求める。そして、寸法算出部18eは、求めた枠の画角と接触傾斜に対応する距離とを三角関数に適用して対象物の寸法を算出する。
【0037】
また、寸法算出部18eは、変更部18dにより枠の表示位置が変更された場合には、変更後の枠の表示位置に対応する枠の画角と接触傾斜に対応する距離とに基づいて対象物の寸法を算出する。
【0038】
ここで、寸法算出部18eが、対象物の寸法を算出する処理の一例について具体的に説明する。図7は、対象物の寸法を算出する処理(その1)を説明するための図である。図7に示すように、寸法算出部18eは、接触傾斜に対応する距離dを表示制御部18cから受け取る。そして、寸法算出部18eは、表示部12に表示された枠の表示位置pに対応する枠の画角αを枠情報記憶部17dから求める。そして、寸法算出部18eは、求めた枠の画角αと接触傾斜に対応する距離dを用いて、以下の式(1)で示す演算を行うことにより、対象物の寸法lを算出する。
l=2・d・tanα ・・・ (1)
【0039】
また、寸法算出部18eは、変更部18dにより枠の表示位置が変更された場合には、以下の図8で説明するようにして、対象物の寸法を算出する。図8は、対象物の寸法を算出する処理(その2)を説明するための図である。図8では、変更部18dによって、表示部12に表示された一対の枠のうち一方の枠が表示位置p1に変更され、他方の枠が表示位置p2に変更されているものとする。図8に示すように、寸法算出部18eは、接触傾斜に対応する距離dを表示制御部18cから受け取る。そして、寸法算出部18eは、変更部18dにより変更された枠の表示位置p1、p2に対応する枠の画角α1、α2を枠情報記憶部17dからそれぞれ求める。そして、寸法算出部18eは、求めた枠の画角α1、α2と接触傾斜に対応する距離dを用いて、以下の式(2)で示す演算を行うことにより、対象物の寸法lを算出する。
l=d・tanα1+d・tanα2 ・・・ (2)
【0040】
なお、図2に示した制御部18における接触傾斜取得部18a、登録部18b、表示制御部18c、変更部18dおよび寸法算出部18eは、集積装置や電子回路に対応する。集積装置は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積装置である。電子回路は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路である。
【0041】
また、図2に示した記憶部17における接触傾斜記憶部17a、画像情報記憶部17b、ガイド情報記憶部17cおよび枠情報記憶部17dは、半導体メモリ素子や記憶装置に対応する。半導体メモリ素子は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子である。記憶装置は、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
【0042】
次に、図1に示した携帯電話機10による寸法測定処理を説明する。図9は、図1に示した携帯電話機10による寸法測定処理の処理手順を示すフローチャートである。図9に示すように、携帯電話機10は、対象物の寸法を測定する旨の要求を受け付けるまで待機する(ステップS101否定)。
【0043】
そして、対象物の寸法を測定する旨の要求を受け付けると(ステップS101肯定)、接触傾斜取得部18aは、カメラ14により撮像される対象物と携帯電話機10とが接触した状態におけるカメラ14の傾斜を接触傾斜として取得する(ステップS102)。接触傾斜取得部18aは、取得した接触傾斜を接触傾斜記憶部17aに格納する。
【0044】
続いて、携帯電話機10は、カメラ14による対象物の撮像を開始する(ステップS103)。例えば、携帯電話機10は、カメラ14による対象物の撮像を開始する旨の要求を入力部11から受け付けた場合に、カメラ14による対象物の撮像を開始する。また、例えば、携帯電話機10は、接触傾斜取得部18aにより接触傾斜が接触傾斜記憶部17aに格納されてから所定時間が経過した後に、カメラ14による対象物の撮像を開始してもよい。
【0045】
続いて、登録部18bは、カメラ14から対象物までの距離とカメラ14の傾斜とを取得し、取得した距離および傾斜を対象物の画像ごとに対応付けて画像情報記憶部17bに登録する(ステップS104)。このとき、表示制御部18cは、登録部18bにより取得されるカメラ14の傾斜に応じて移動するガイドを表示部12に表示させる。携帯電話機10のユーザは、表示部12に表示されたガイドを視認しつつ、カメラ14が対象物に対して正対するように携帯電話機10の姿勢を調整する。
【0046】
続いて、携帯電話機10は、カメラ14による対象物の撮像を停止する(ステップS105)。例えば、携帯電話機10は、カメラ14による対象物の撮像を停止する旨の要求を入力部11から受け付けた場合に、カメラ14による対象物の撮像を停止する。また、例えば、携帯電話機10は、カメラ14による対象物の撮像を開始してから所定時間が経過した後に、カメラ14による対象物の撮像を停止してもよい。
【0047】
続いて、表示制御部18cは、接触傾斜記憶部に保存された接触傾斜に等しい接触傾斜となる対象物の画像および距離を画像情報記憶部17bから抽出し(ステップS106)、抽出された対象物の画像とともに対象物の画像に重畳される一対の枠を表示部12に表示させる(ステップS107)。
【0048】
続いて、変更部18dは、表示部12に表示された一対の枠のうち一方の枠の変更を入力部11から受け付けると(ステップS108肯定)、変更後の枠の識別情報に対応する表示位置に一方の枠を再表示するよう表示制御部18cに指示する(ステップS109)。
【0049】
続いて、変更部18dは、表示部12に表示された一対の枠のうち他方の枠の変更を入力部11から受け付けると(ステップS110肯定)、変更後の枠の識別情報に対応する表示位置に他方の枠を再表示するよう表示制御部18cに指示する(ステップS111)。
【0050】
一方、変更部18dは、表示部12に表示された一対の枠の変更を入力部11から受け付けなかった場合(ステップS108否定、ステップS110否定)および表示部12に表示された枠の表示位置を変更した場合には、処理をステップS112へ進める。
【0051】
そして、寸法算出部18eは、表示部12に表示された枠の表示位置と接触傾斜に対応する距離とに基づいて対象物の寸法を算出する(ステップS112)。その後、表示制御部18cは、寸法算出部18eにより算出された対象物の寸法を表示部12に表示させ(ステップS113)、処理を終了する。
【0052】
次に、対象物としてソファーの背もたれの寸法を測定する携帯電話機10の全体の処理の具体例について、図10〜図12を用いて説明する。図10〜図12は、対象物としてソファーの背もたれの寸法を測定する携帯電話機10の全体の処理を説明するための図である。
【0053】
図10に示すように、携帯電話機10は、ソファーの背もたれの寸法を測定する旨の要求を受け付けるためのボタンである寸法測定ボタンを表示部12に表示させる(図10の(1)参照)。
【0054】
携帯電話機10のユーザが表示部12に表示された寸法測定ボタンを選択すると、携帯電話機10は、背もたれと携帯電話機10とが接触した状態におけるカメラ14の傾斜を接触傾斜として取得する。そして、携帯電話機10は、接触傾斜を取得するか否かをユーザに問い合わせるための画面を表示部12に表示させ、接触傾斜を取得する旨のボタンをユーザが選択した場合に、取得した接触傾斜を接触傾斜記憶部17aに格納する(図10の(2)参照)。
【0055】
続いて、携帯電話機10のユーザは、携帯電話機10をソファーの背もたれから離反させる。そして、背もたれから離反された携帯電話機10は、カメラ14による背もたれの撮像を開始する。そして、携帯電話機10は、カメラ14から背もたれまでの距離とカメラ14の傾斜とを取得し、取得した距離および傾斜を背もたれの画像ごとに対応付けて画像情報記憶部17bに登録する。このとき、携帯電話機10は、カメラ14の傾斜に応じて移動するガイドを表示部12に表示させる(図10の(3)参照)。
【0056】
続いて、携帯電話機10のユーザは、表示部12に表示されたガイドが所定の基準位置に存在する場合に、カメラ14による背もたれの撮像を停止する旨の要求を入力部11に入力する(図10の(4)参照)。続いて、携帯電話機10は、接触傾斜に対応する背もたれの画像および距離を画像情報記憶部17bから抽出し、抽出された背もたれの画像とともに背もたれの画像に重畳される一対の枠を表示部12に表示させる(図10の(5)参照)。
【0057】
そして、携帯電話機10は、表示部12に表示された一対の枠の変更を入力部11から受け付けなかった場合には、表示部12に表示された枠の表示位置と接触傾斜に対応する距離とに基づいて、ソファーの背もたれの寸法を算出する。例えば、携帯電話機10は、上記の式(1)で示す演算を行うことにより、ソファーの背もたれの寸法を算出する。その後、携帯電話機10は、算出されたソファーの背もたれの寸法を表示部12に表示させる(図10の(6)参照)。
【0058】
また、携帯電話機10は、表示部12に表示された一対の枠のうち一方の枠の変更を入力部11から受け付けた場合には、図11に示すような処理を実行する。なお、図11に示した(1)〜(4)の処理は、図10に示した(1)〜(4)の処理と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0059】
携帯電話機10は、表示部12に表示された一対の枠のうち一方の枠の変更を入力部11から受け付けると、変更後の枠の識別情報に対応する表示位置に一方の枠を再表示するよう表示制御部18cに指示する(図11の(5a)および(5b)参照)。このとき、変更対象となる一方の枠を点滅表示させてもよい。
【0060】
続いて、携帯電話機10は、変更後の枠の表示位置と接触傾斜に対応する距離とに基づいて、ソファーの背もたれの寸法を算出する。例えば、携帯電話機10は、上記の式(2)で示す演算を行うことにより、ソファーの背もたれの寸法を算出する。その後、携帯電話機10は、算出されたソファーの背もたれの寸法を表示部12に表示させる(図11の(6)参照)。
【0061】
また、携帯電話機10は、表示部12に表示された両方の枠の変更を入力部11から受け付けた場合には、図12に示すような処理を実行する。なお、図12に示した(1)〜(4)の処理は、図10に示した(1)〜(4)の処理と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0062】
携帯電話機10は、表示部12に表示された一対の枠のうち一方の枠の変更を入力部11から受け付けると、変更後の枠の識別情報に対応する表示位置に一方の枠を再表示するよう表示制御部18cに指示する(図12の(5c)参照)。このとき、変更対象となる一方の枠を点滅表示させてもよい。
【0063】
続いて、携帯電話機10は、表示部12に表示された他方の枠の変更を入力部11から受け付けると、変更後の枠の識別情報に対応する表示位置に他方の枠を再表示するよう表示制御部18cに指示する(図12の(5d)および(5e)参照)。このとき、変更対象となる他方の枠を点滅表示させてもよい。
【0064】
続いて、携帯電話機10は、変更後の枠の表示位置と接触傾斜に対応する距離とに基づいて、ソファーの背もたれの寸法を算出する。例えば、携帯電話機10は、上記の式(2)で示す演算を行うことにより、ソファーの背もたれの寸法を算出する。その後、携帯電話機10は、算出されたソファーの背もたれの寸法を表示部12に表示させる(図12の(6)参照)。
【0065】
上述してきたように、携帯電話機10は、対象物と自装置とが接触した状態におけるカメラ14の傾斜を接触傾斜として事前に取得し、取得した接触傾斜に対応する対象物を挟む一対の枠の表示位置と接触傾斜に対応する距離とを利用して対象物の寸法を算出する。ここで、カメラ14の傾斜が接触傾斜となった場合には、カメラ14が対象物に対して正対していることとなる。言い換えると、カメラ14の傾斜が接触傾斜となった場合には、カメラ14の光軸が対象物に対して垂直となる。携帯電話機10は、光軸が対象物に対して垂直となったカメラ14で撮像された対象物を挟む一対の枠と、光軸が対象物に対して垂直となったカメラ14から対象物までの距離とを利用して対象物の寸法を算出することができる。結果として、携帯電話機10は、対象物の寸法を精度よく算出することができる。また、携帯電話機10は、参照物の画像を用いて対象物の寸法を算出する従来技術と異なり、事前に対象物の隣に参照物を置く作業を不要化することができる。つまり、本実施例に係る携帯電話機10は、対象物の寸法を容易かつ高精度に測定することができる。
【0066】
また、本実施例に係る携帯電話機10は、表示部12に表示された枠の表示位置を変更し、変更後の枠の表示位置と接触傾斜に対応する距離とを利用して対象物の寸法を算出する。このため、携帯電話機10は、接触傾斜に対応する対象物の画像に対して一対の枠の表示位置がずれている場合であっても枠の表示位置を適正な位置に変更することができる。したがって、携帯電話機10は、適正な位置に変更された枠を利用して対象物の寸法をより高精度に測定することができる。
【0067】
また、本実施例に係る携帯電話機10は、カメラ14により対象物の画像が撮像される際に、カメラ14の傾斜に応じて移動するガイドを表示部12に表示させる。このため、携帯電話機10は、対象物に対するカメラ14の光軸の傾斜をユーザに対して視覚的に提示することができる。
【0068】
ところで、上記の実施例では、携帯電話機10が、距離計16を用いてカメラ14から対象物までの距離を取得する例を説明したが、本願の開示する寸法測定装置はこれに限定されるものではない。例えば、携帯電話機10は、寸法が既知である参照物の画像を対象物の画像とともに撮像し、撮像した参照物の画像および対象物の画像を利用して、カメラ14から対象物までの距離を取得するようにしてもよい。以下において、参照物の画像および対象物の画像を利用して、カメラ14から対象物までの距離を取得する例について説明する。
【0069】
図13は、カメラ14から対象物までの距離を取得する処理を説明するための図である。なお、ここでは、一例として、参照物としてのクレジットカードの画像および対象物としてのソファーの背もたれの画像を利用してカメラ14からソファーの背もたれまでの距離を取得する例について説明することとする。
【0070】
図13に示すように、携帯電話機10の登録部18bは、ソファーの背もたれに置かれたクレジットカードの画像を背もたれの画像とともにカメラ14を用いて撮像する。そして、登録部18bは、携帯電話機10が背もたれから離反された状態でカメラ14により背もたれの画像が撮像される際に、カメラ14から背もたれまでの距離とカメラ14の傾斜とを取得する。登録部18bは、図2に示した登録部18bと同様に、傾斜センサ15を用いてカメラ14の光軸の傾斜を取得する。
【0071】
また、登録部18bは、カメラ14により撮像されたクレジットカードの画像および背もたれの画像を利用してカメラ14からソファーの背もたれまでの距離を取得する。すなわち、登録部18bは、カメラ14により撮像されたクレジットカードの画像および背もたれの画像を基にして表示部12の中心からクレジットカードの一端までの画素数とクレジットカードの一辺の画素数とを計数する。そして、登録部18bは、計数した表示部12の中心からクレジットカードの一端までの画素数およびクレジットカードの一辺の画素数と、既知であるクレジットカードの寸法とに基づいて、カメラ14からソファーの背もたれまでの距離を算出して取得する。
【0072】
図14は、表示部12の中心からクレジットカードの一端までの画素数とクレジットカードの一辺の画素数とクレジットカードの寸法との関係を説明するための図である。図14では、表示部12の中心からクレジットカードの一端までの画素数をXiとし、クレジットカードの一辺の画素数をPlmとする。また、図14では、カメラ14の光軸とクレジットカードの一端までの距離をXi´とし、クレジットカードの一辺の実寸法をPlm´とする。また、図14では、カメラ14から背もたれまでの距離をdjkとする。ただし、i、j、k、l、mは自然数であるものとする。
【0073】
図14に示すように、Xi´は、Xiおよびdjkを変数とする関数で一意に表現される。ここでは、関数を、Xiおよびdjkを変数とする関数f(Xi,djk)とする。そうすると、以下の式(3)、(4)で示す関係が成立する。
Xi´=f(Xi,djk) ・・・ (3)
Xi´+Plm´=f(Xi+Plm,djk) ・・・ (4)
【0074】
式(3)を式(4)に代入すると、以下の式(5)が得られる。
Plm´=f(Xi+Plm,djk)−f(Xi,djk) ・・・ (5)
【0075】
式(5)におけるPlm´が既知であるため、登録部18bは、XiおよびPlmを計数して式(5)に代入することにより、djkを算出することができる。
【0076】
なお、登録部18bは、予め、XiおよびPlmと式(5)から求められるdjkとを対応付けた内部テーブルを保持し、かかる内部テーブルに基づいてdjkを算出してもよい。
【0077】
図15は、登録部18bにより保持される内部テーブルの構成例を示す図である。図15に示すように、内部テーブルは、Xi、Plmおよびdjkを対応付けて記憶する。例えば、登録部18bは、X=X1およびPlm=P12を計数すると、図15に示した内部テーブルを参照して、X1およびP12に対応するdjk=d12を算出する。
【0078】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。例えば、接触傾斜取得部18aと登録部18bを統合するなど、その全部または一部を、各種の負担や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0079】
ところで、上記の実施例では、ハードウェアロジックによって各種の処理を実現する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現するようにしてもよい。そこで、以下では、図16を用いて、上記の実施例に示した携帯電話機と同様の機能を有する寸法測定プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
【0080】
図16は、実施例に係る携帯電話機10を構成するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。図16に示すように、携帯電話機10としてのコンピュータ100は、入力部101、出力部102、無線通信部103、カメラ104、傾斜センサ105、距離計106、CPU107、フラッシュメモリ108およびRAM109を有する。各装置101〜109は、バス110に接続される。
【0081】
このうち、入力部101、出力部102、無線通信部103、カメラ104、傾斜センサ105および距離計106は、図2に示した入力部11、表示部12、無線通信部13、カメラ14、傾斜センサ15および距離計16にそれぞれ対応する。
【0082】
そして、フラッシュメモリ108には、上記の実施例に示した携帯電話機10と同様の機能を発揮する寸法測定プログラムが予め記憶されている。つまり、フラッシュメモリ108には、接触傾斜取得プログラム108a、登録プログラム108b、表示制御プログラム108c、変更プログラム108dおよび寸法算出プログラム108eが予め記憶されている。
【0083】
CPU107が接触傾斜取得プログラム108aをフラッシュメモリ108から読み出して実行することで、接触傾斜プログラム108aは、接触傾斜取得プロセス107aとして機能するようになる。また、CPU107が登録プログラム108bをフラッシュメモリ108から読み出して実行することで、登録プログラム108bは、登録プロセス107bとして機能するようになる。また、CPU107が表示制御プログラム108cをフラッシュメモリ108から読み出して実行することで、表示制御プログラム108cは、表示制御プロセス107cとして機能するようになる。また、CPU107が変更プログラム108dをフラッシュメモリ108から読み出して実行することで、変更プログラム108dは、変更プロセス107dとして機能するようになる。また、CPU107が寸法算出プログラム108eをフラッシュメモリ108から読み出して実行することで、寸法算出プログラム108eは、寸法算出プロセス107eとして機能するようになる。なお、プロセス107a〜107eは、図2に示した接触傾斜取得部18a、登録部18b、表示制御部18c、変更部18dおよび寸法算出部18eにそれぞれ対応する。
【0084】
そして、CPU107は、RAM109に記録された接触傾斜データ109a、画像情報データ109b、ガイド情報データ109cおよび枠情報データ109dを利用して、寸法測定プログラムを実行する。なお、データ109a〜109dは、図2に示した接触傾斜記憶部17a、画像情報記憶部17b、ガイド情報記憶部17cおよび枠情報記憶部17dにそれぞれ対応する。
【0085】
なお、上記の各プログラム108a〜108eは、必ずしもフラッシュメモリ108に格納されている必要はなく、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されたプログラムを、コンピュータ100が読み出して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等に各プログラムを記憶させておき、コンピュータ100がこれらから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10 携帯電話機
11 入力部
12 表示部
13 無線通信部
14 カメラ
15 傾斜センサ
16 距離計
17 記憶部
17a 接触傾斜記憶部
17b 画像情報記憶部
17c ガイド情報記憶部
17d 枠情報記憶部
18 制御部
18a 接触傾斜取得部
18b 登録部
18c 表示制御部
18d 変更部
18e 寸法算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部により撮像される対象物と自装置とが接触した状態における前記撮像部の傾斜である接触傾斜を取得する取得部と、
前記撮像部により前記対象物の画像が撮像される際に、前記撮像部から前記対象物までの距離と前記撮像部の傾斜とを取得し、取得した前記距離および前記傾斜を前記対象物の画像ごとに対応付けて画像情報記憶部に登録する登録部と、
前記接触傾斜に対応する前記対象物の画像および前記距離を前記画像情報記憶部から抽出し、抽出された前記対象物の画像とともに前記対象物の画像に重畳される一対の枠を表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部により表示部に表示された前記枠の表示位置と前記接触傾斜に対応する前記距離とに基づいて前記対象物の寸法を算出する寸法算出部と
を備えたことを特徴とする寸法測定装置。
【請求項2】
前記表示制御部により表示部に表示された前記枠の表示位置を変更する変更部をさらに備え、
前記寸法算出部は、前記変更部により変更された前記枠の表示位置と前記接触傾斜に対応する前記距離とに基づいて前記対象物の寸法を算出することを特徴とする請求項1に記載の寸法測定装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記撮像部により前記対象物の画像が撮像される際に、前記登録部により取得される前記傾斜に応じて移動するガイドを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の寸法測定装置。
【請求項4】
コンピュータにより実行される寸法測定方法であって、
撮像部により撮像される対象物と自装置とが接触した状態における前記撮像部の傾斜である接触傾斜を取得し、
前記撮像部により前記対象物の画像が撮像される際に、前記撮像部から前記対象物までの距離と前記撮像部の傾斜とを取得し、取得した前記距離および前記傾斜を前記対象物の画像ごとに対応付けて画像情報記憶部に登録し、
前記接触傾斜に対応する前記対象物の画像および前記距離を前記画像情報記憶部から抽出し、抽出された前記対象物の画像とともに前記対象物の画像に重畳される一対の枠を表示部に表示させ、
前記表示部に表示された前記枠の表示位置および前記接触傾斜に対応する前記距離に基づいて前記対象物の寸法を算出する
ことを含むことを特徴とする寸法測定方法。
【請求項5】
コンピュータに、
撮像部により撮像される対象物と自装置とが接触した状態における前記撮像部の傾斜である接触傾斜を取得し、
前記撮像部により前記対象物の画像が撮像される際に、前記撮像部から前記対象物までの距離と前記撮像部の傾斜とを取得し、取得した前記距離および前記傾斜を前記対象物の画像ごとに対応付けて画像情報記憶部に登録し、
前記接触傾斜に対応する前記対象物の画像および前記距離を前記画像情報記憶部から抽出し、抽出された前記対象物の画像とともに前記対象物の画像に重畳される一対の枠を表示部に表示させ、
前記表示部に表示された前記枠の表示位置および前記接触傾斜に対応する前記距離に基づいて前記対象物の寸法を算出する
処理を実行させることを特徴とする寸法測定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−11491(P2013−11491A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143415(P2011−143415)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】