説明

対象物の位置を検出するシステムおよび装置

【課題】RFIDタグや受信機自体の機能を変更することなく、RFIDタグを設けられた対象物の位置の検出精度を向上させる仕組みを提供する。
【解決手段】RFID(Radio Frequency IDentification)タグ41が設けられた対象物であるパレット40の位置を検出する装置であって、予め特定された位置関係でパレット40に設けられた複数のRFIDタグ41から送信された電波を受信し、この電波を送信した各RFIDタグ41の位置を検出する受信ユニット20と、この受信ユニット20により検出された複数のRFIDタグ41の位置の情報に基づき、RFIDタグ41が設けられたパレット40の位置を算出する制御ユニット30と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグを用いて対象物の位置を検出するシステムおよび検出のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDタグを用いた対象物の位置を検出する従来技術としては、例えば特許文献1に開示されるシステムがある。特許文献1に記載されたシステムは、物品集合体上のRFIDタグを符号化し、読み取るシステムである。このシステムでは、複数の物品および複数のRFIDタグを含み、各物品は物品識別文字列を有し、RFIDタグは各物品に取り付けられ、各RFIDタグは、少なくとも物品識別文字列のすべてを使用して生成された符号語要素で符号化される。そして、集合体は、物品は複数のケース、パレット、容器または保管領域に保管された複数の商品である。この種のシステムに用いられるRFIDタグの読み取りシステムの一例が特許文献2に示されている。
【0003】
また、他の従来技術として、例えば特許文献2に開示されるシステムがある。特許文献3に記載されたシステムでは、対象物である棚のそれぞれに、位置検出アンテナと棚・無線タグが設けられる。位置管理サーバの棚タグ管理テーブルには、各棚毎に、そこに取り付けられている無線タグのIDが予め登録される。そして、位置管理サーバの位置決定部は、各棚に設けられている位置検出アンテナで受信された、他の棚の無線タグからの識別情報と棚タグ管理テーブルに記憶されているデータとを用いて、各棚の位置を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010−515999号公報
【特許文献2】特表2009−514461号公報
【特許文献3】特開2007−225448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
RFIDタグから送信される電波を受信する受信機(レシーバ)として、フェイズドアレイ・アンテナ等による指向性のある受信機を用いることにより、単にRFIDタグの有無を検出するだけでなく、電波を送信したRFIDタグの位置を検出することができる。しかし、電波を送信したRFIDタグと受信機との間の距離が長くなると、位置の検出誤差が大きくなる。
【0006】
本発明は、RFIDタグや受信機自体の機能を変更することなく、RFIDタグを設けられた対象物の位置の検出精度を向上させる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明は、次のようなシステムとして実現される。このシステムは、RFID(Radio Frequency IDentification)タグを読み取るシステムであって、RFIDタグを励起するための電波を送信する1または複数の送信用アンテナと、励起されたRFIDタグから送信された電波を受信する、指向性を有する受信用アンテナと、予め特定された位置関係で対象物に設けられた複数のRFIDタグから送信された電波を受信用アンテナにより受信し、この電波を送信した各RFIDタグの位置を検出する受信部と、受信用アンテナで受信した電波によりRFIDタグの情報を取得し、受信部により検出された複数のRFIDタグの位置の情報と受信部によるRFIDタグの位置の検出における誤差の確率分布とに基づき、最尤法を用いて、複数のRFIDタグが設けられた対象物の位置と複数のRFIDタグにより特定される面の法線の向きおよび法線の周りの回転角を算出する処理部と、を備える。
【0008】
また、上記の目的を達成する他の本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)タグが設けられた対象物の位置を検出する装置であって、予め特定された位置関係で対象物に設けられた複数のRFIDタグから送信された電波を受信し、この電波を送信した各RFIDタグの位置を検出する受信部と、この受信部により検出された複数のRFIDタグの位置の情報に基づき、複数のRFIDタグが設けられた対象物の位置を算出する処理部と、を備える。
【0009】
また、上記の目的を達成するさらに他の本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)タグを読み取る装置であって、指向性を有する受信用アンテナと、予め特定された位置関係で対象物に設けられた複数のRFIDタグから送信された電波を受信用アンテナにより受信し、この電波を送信した各RFIDタグの位置を検出する受信部と、受信用アンテナで受信した電波によりRFIDタグの情報を取得し、受信部により検出された複数のRFIDタグの位置の情報に基づき、複数のRFIDタグが設けられた対象物の位置を算出する処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、RFIDタグを設けられた対象物の位置を検出するシステムにおける位置の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態が適用される位置検出システムの構成例を示す図である。
【図2】本実施形態における制御ユニットの機能構成例を示す図である。
【図3】本実施形態に用いられるパレットの構成例を示す図である。
【図4】本実施例によるRFIDタグの検出位置の測定誤差を説明する図である。
【図5】最尤法によるパレットの位置の推定方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<位置検出システムのシステム構成例>
本実施形態は、RFIDタグを設けられた対象物の位置を検出するように構成された種々のシステムに対して適用し得る。ここでは、そのようなシステムの一例として、荷物を積載するパレットにRFIDタグを設け、このRFIDタグから送信される電波を用いて対象物としてのパレットの位置を検出するシステムについて説明する。
【0013】
図1は、本実施形態が適用される位置検出システムの構成例を示す図である。
図1に示す位置検出システムは、送信ユニット10と、受信ユニット20と、制御ユニット30とを備える。これらは、後述のようにRFIDタグの読み取り装置として機能する。また、本システムによる位置検出の対象物はパレット40であり、このパレット40には、予め定められた位置に複数のRFIDタグ41が設けられている(図3参照)。さらに、制御ユニット30は、例えばLAN(Local Area Network)等の接続手段を介してサーバ装置50に接続されている。
【0014】
送信ユニット10(電力供給部)は、電波を送信するための送信用アンテナ11を備える。この送信ユニット10は、制御ユニット30の制御により、パレット40のRFIDタグ41を励起するための電波を送信し、RFIDタグ41に電力を供給する。本実施形態の位置検出システムでは、1個または複数個の送信ユニット10を設けることができる。複数個の送信ユニット10を設ける場合は、送信ユニット10が励起できるRFIDタグ41までの距離等に応じて、特定の広さの空間ごとに1個の送信ユニット10を割り当てるように、各送信ユニット10が配置される。具体的には、例えば、各送信ユニット10の間の距離が等間隔となるように配置される。また、複数個の送信ユニット10が設けられる場合、各送信ユニット10は、1個ずつ順次駆動される。
【0015】
受信ユニット20は、送信ユニット10により電力を供給されて励起したRFIDタグ41から送信された電波を受信する。この受信ユニット20は、フェイズドアレイ・アンテナ等の指向性のある受信用アンテナ21を備える。これにより、受信ユニット20は、RFIDタグ41の有無を検出するだけでなく、電波を送信したRFIDタグ41の位置をある程度の精度で計測することができる。すなわち、指向性のある受信用アンテナ21でRFIDタグ41からの電波を受信することにより、その電波が送信された位置であるRFIDタグ41の位置を特定する。
【0016】
制御ユニット30は、送信ユニット10を制御してRFIDタグ41を励起するための電波を送信させる。システムに複数個の送信ユニット10が設けられている場合は、予め定められた順番および時間間隔で、各送信ユニット10から電波を順次送信させる。また、制御ユニット30は、受信ユニット20が受信した電波を解析して、電波を送信したRFIDタグ41が設けられているパレット40(位置検出の対象物)の位置を算出(推定)する。さらにまた、制御ユニット30は、サーバ装置50に接続され、RFIDタグ41からの電波を受信した時刻やパレット40の位置の推定結果等の情報をサーバ装置50へ送信する。
【0017】
図2は、制御ユニット30の機能構成例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態の制御ユニット30は、送信ユニット10による電波の送信を制御する送信制御部31と、受信ユニット20が電波を受信して出力する電気信号を受け付ける受け付け部32と、受け付け部32が受け付けた信号を解析してパレット40の位置を算出(推定)する処理部33と、処理部33による解析結果(推定結果)等の情報をサーバ装置50へ送信する情報送信部34とを備える。
【0018】
パレット40は、物品(荷物)を載せて使用される荷役台であり、本実施形態が適用された位置検出システムによる位置検出の対象物である。図1には、1台のパレット40が記載されているが、実際には複数台のパレット40を位置検出の対象として良い。一般に荷役台であるパレットの形状やサイズは種々の規格があるが、本実施形態では、一辺が1mの正方形の板状部材である場合を例として説明する。
【0019】
図3は、本実施形態に用いられるパレット40の構成例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態のパレット40には、四隅に1個ずつ合計4個のRFIDタグ41が設けられている。本実施形態では、RFIDタグ41として、送信ユニット10から電力を供給されて励起するパッシブ型のタグが用いられる。各RFIDタグ41は識別情報を有しているので、個々のRFIDタグ41を識別することが可能である。また、このRFIDタグ41を識別することにより、各RFIDタグ41が設けられたパレット40を識別することが可能である。
【0020】
サーバ装置50は、制御ユニット30から情報を取得し、磁気ディスク装置等の記憶手段に格納する。格納された情報は、パレット40に載せられた物品の在庫管理等に利用される。
【0021】
なお、図1に示した位置検出システムは、本実施形態が適用されるシステムの一例を示すに過ぎず、本実施形態が適用可能なシステム構成を限定するものではない。本実施形態は、RFIDタグ41を設けられた対象物の位置検出を行うシステムに対して広く適用することができる。例えば、図1に示したシステム構成では、送信ユニット10と受信ユニット20とを別個に設けたが、RFIDタグ41に電力を供給するための電波の送信機能とRFIDタグ41から送信された電波の受信機能とを併せ持つ一般的なRFIDリーダを用いたシステムに適用しても良い。また、本実施形態ではRFIDタグ41としてパッシブ型のタグを用いることとしたが、電源を内蔵し自身の電力で電波を送信するアクティブ型のタグを用いたシステムに適用しても良い。
【0022】
<パレット40の位置の算出>
次に、本実施形態によるパレット40の位置の算出方法について説明する。
上述したように、一辺が1mの正方形であるパレット40の四隅にはRFIDタグ41が設けられている。各RFIDタグ41には識別情報が付与されており、各々を識別可能である。以下、4個のRFIDタグ41を区別する場合、添え字1〜4を付してRFIDタグ41−1、RFIDタグ41−2、RFIDタグ41−3、RFIDタグ41−4、と記載する。
【0023】
RFIDタグ41およびパレット40の位置は、受信ユニット20がRFIDタグ41から送信された電波を受信可能な範囲の一定の空間(以下、対象空間と呼ぶ)に設定した座標によって特定される。ここで、パレット40の位置は、パレット40の中心点の位置(座標値)によって特定されるものとする。また、詳しくは後述するが、パレット40に関しては、その姿勢(向きおよび回転角)も特定される。
【0024】
上述したように、受信ユニット20に指向性のある受信用アンテナ21を用いることにより、電波を送信したRFIDタグ41の位置を計測することが可能である。しかし、その計測精度にはある程度の誤差がある。このため、RFIDタグ41の位置は、一定の確率分布によって表される。そこで、本実施形態では、パレット40に設けられた(すなわち、相互の位置関係が特定された)4個のRFIDタグ41を検出してその位置を計測し、計測されたRFIDタグ41の位置(以下、検出位置と呼ぶ)から上記の確率分布に基づいてパレット40の中心位置を推定する。
【0025】
図4は、RFIDタグ41の検出位置の測定誤差を説明する図である。なお、実際の検出位置の測定誤差は3次元空間において発生するが、図示の例では簡単のため、2次元平面で発生する誤差として説明する。
図4において、パレット40の四隅に設けられたRFIDタグ41−1、41−2、41−3、41−4の実際の位置が丸印「○」で示されている。そして、受信ユニット20による電波の受信結果から測定された各RFIDタグ41−1、41−2、41−3、41−4の検出位置の例がバツ印「×」で示されている。また、各RFIDタグ41−1、41−2、41−3、41−4に対する測定誤差の分布がおよぶ範囲(以下、誤差分布範囲と呼ぶ)が破線で示されている。
【0026】
ここで、パレット40の四隅に配置されるRFIDタグ41−1、41−2、41−3、41−4の実際の位置は、1辺の長さが1mの正方形をなす。すなわち、RFIDタグ41−1とRFIDタグ41−2との間、RFIDタグ41−2とRFIDタグ41−3との間、RFIDタグ41−3とRFIDタグ41−4との間、RFIDタグ41−4とRFIDタグ41−1との間の距離がそれぞれ1mである。また、上記の各組のRFIDタグ41を繋ぐ線分を想定すると、隣接する線分どうしのなす角度は90度である。
【0027】
図4において、各RFIDタグ41−1、41−2、41−3、41−4の検出位置は、それぞれ丸印「○」で示した実際の位置を中心とする誤差分布範囲内に出現し得る。ただし、実際の位置からの距離に応じて検出位置が出現する確率(RFIDタグ41が検出される確率)は異なる。概して、実際の位置に近い位置でRFIDタグ41が検出される確率が高く、実際の位置から離れるほどRFIDタグ41が検出される確率は低くなる。そこで、この位置検出における誤差の確率分布を利用して、各RFIDタグ41−1、41−2、41−3、41−4の検出位置からパレット40の中心位置を推定する。具体的な推定手法としては、例えば最尤法を用いることができる。なお、位置検出における誤差の確率分布は、RFIDタグ41の種類や受信ユニット20の性能等に応じて異なるため、予め実際に測定しておくことが必要である。
【0028】
<最尤法によるパレット40の位置の推定>
図5は、最尤法によるパレット40の位置の推定方法を説明する図である。
図5に示す例では、対象空間に3次元座標(x,y,z)が設定されている。そして、座標の原点をパレット40の中心位置とし、RFIDタグ41−1、41−2、41−3、41−4の実際の位置をそれぞれp1、p2、p3、p4としている。
【0029】
ここで、p1、p2、p3、p4の座標値を、
【数1】

とする。
【0030】
また、平行移動ベクトルSおよび回転を表すオイラー角φ、θ、ψを、
【数2】

とする。
【0031】
次に、RFIDタグ41−1、41−2、41−3、41−4の実際の位置として推定される位置(推定位置)`p1、`p2、`p3、`p4は、次式で表される。
【数3】

【0032】
ここで、RFIDタグ41の検出位置がであるときに推定位置が`pである確率を、
P(`p|
として、検出結果から確率が最も高くなる(s,s,s,φ,θ,ψ)を決定する。
【数4】

【0033】
上記のように、本実施形態では、パレット40に設けられ、相互の位置関係が特定された4個のRFIDタグ41の検出位置に基づいてパレット40の位置を推定する。これにより、単一のRFIDタグ41の検出位置の精度と比較して2倍(√4倍)の精度でパレット40の位置を推定することができる。また、本実施形態では、パレット40の位置を推定するのに最尤法を用いたことにより、4個のRFIDタグ41の基準となる位置関係に対するオイラー角φ、θ、ψが求まる。これにより、4個のRFIDタグ41の基準となる位置関係に対するパレット40の姿勢を推定することができる。なお、パレット40の姿勢は、例えば、パレット40に設けられた4個のRFIDタグ41により特定される平面(例えば、4個のRFIDタグ41を含む平面)の法線の向きおよび法線の周りの回転角で表される。
【0034】
本実施形態において、パレット40に載せられる物品(荷物)にもRFIDタグ41を設けて位置検出を行う実施態様が考えられる。かかる態様において、RFIDタグ41の検出における測定誤差のために、物品に設けられたRFIDタグ41の検出位置が、推定されたパレット40の位置から外れてしまうことがあり得る。そのような場合、単一のRFIDタグ41の検出位置の精度よりも本実施形態によるパレット40の推定位置の精度の方が高いので、パレット40の推定位置に基づいて物品の検出位置を補正するようにしても良い。
【0035】
なお、上記のように、本実施形態では、最尤法を用いてRFIDタグ41の位置に基づきパレット40の位置を推定したが、パレット40の位置を推定する手法はこれに限定されない。例えば、本実施形態のように、正方形のパレット40の四隅にRFIDタグ41を設け、パレット40の中心の位置を推定する場合であって、パレット40の姿勢を考慮せず、単にパレット40の中心位置の座標値のみが得られれば良い場合を考える。このような場合であれば、4個のRFIDタグ41の座標値を平均することでもパレット40の中心位置の座標値を算出することができる。かかる手法においても、座標値の精度は、単一のRFIDタグ41の検出位置の精度と比較して2倍(√4倍)の精度となる。
【0036】
また、本実施形態では、4個のRFIDタグ41の検出位置に基づいて位置検出の対象物であるパレット40の位置を推定したが、相互の位置関係および対象物との位置関係が特定された3個以下または5個以上のRFIDタグ41を用いて対象物の位置を推定する構成としても良い。この場合、用いるRFIDタグ41の数が多いほど、推定される対象物の位置の精度を向上させることができる。
【0037】
また上記のように、本実施形態では、位置検出の対象物を板状のパレット40とした。これに対し、籠や箱のようなある程度の高さ(深さ)のある収納材を位置検出の対象物とする場合、対象物の底面の四隅と上面の四隅にそれぞれRFIDタグ41を設け、合計8個のRFIDタグ41の検出位置に基づいて対象物の位置を推定するようにしても良い。また、本実施形態では、物品(荷物)を載せて使用するパレット40を位置検出の対象物としたが、物品自体にRFIDタグ41を設けて位置検出を行い、物品自体の位置を推定する構成としても良い。その他、RFIDタグを設けられた対象物の位置を検出するように構成された種々のシステムに対して、本実施の形態を適用し得る。そして、上記実施形態に、種々の変更または改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0038】
10…送信ユニット、20…受信ユニット、30…制御ユニット、40…パレット、41…RFIDタグ、50…サーバ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFID(Radio Frequency IDentification)タグを読み取るシステムであって、
前記RFIDタグを励起するための電波を送信する1または複数の送信用アンテナと、
励起された前記RFIDタグから送信された電波を受信する、指向性を有する受信用アンテナと、
予め特定された位置関係で対象物に設けられた複数のRFIDタグから送信された電波を前記受信用アンテナにより受信し、当該電波を送信した各RFIDタグの位置を検出する受信部と、
前記受信用アンテナで受信した電波により前記RFIDタグの情報を取得し、前記受信部により検出された複数の前記RFIDタグの位置の情報と前記受信部による前記RFIDタグの位置の検出における誤差の確率分布とに基づき、最尤法を用いて、複数の当該RFIDタグが設けられた前記対象物の位置と複数の当該RFIDタグにより特定される面の法線の向きおよび当該法線の周りの回転角を算出する処理部と、
を備える、システム。
【請求項2】
RFID(Radio Frequency IDentification)タグが設けられた対象物の位置を検出する装置であって、
予め特定された位置関係で前記対象物に設けられた複数のRFIDタグから送信された電波を受信し、当該電波を送信した各RFIDタグの位置を検出する受信部と、
前記受信部により検出された複数の前記RFIDタグの位置の情報に基づき、複数の当該RFIDタグが設けられた前記対象物の位置を算出する処理部と、
を備える、装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記受信部による前記RFIDタグの位置の検出における誤差の確率分布に基づき、最尤法を用いて前記対象物の位置を算出する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記処理部は、複数の前記RFIDタグにより特定される面の法線の向きおよび当該法線の周りの回転角を、さらに算出する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記受信部は、指向性を有する受信用アンテナを備え、受信した前記RFIDタグからの電波が送信された位置を検出する、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
RFID(Radio Frequency IDentification)タグを読み取る装置であって、
指向性を有する受信用アンテナと、
予め特定された位置関係で対象物に設けられた複数のRFIDタグから送信された電波を前記受信用アンテナにより受信し、当該電波を送信した各RFIDタグの位置を検出する受信部と、
前記受信用アンテナで受信した電波により前記RFIDタグの情報を取得し、前記受信部により検出された複数の前記RFIDタグの位置の情報に基づき、複数の当該RFIDタグが設けられた前記対象物の位置を算出する処理部と、
を備える、装置。
【請求項7】
前記RFIDタグを励起するための電力を供給する電力供給部をさらに備える、請求項6に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−72842(P2013−72842A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214212(P2011−214212)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
【復代理人】
【識別番号】100118201
【弁理士】
【氏名又は名称】千田 武
【復代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
【Fターム(参考)】